JPH0755227B2 - 眼内レンズ前駆体成形用の成形型及び眼内レンズの製造方法 - Google Patents

眼内レンズ前駆体成形用の成形型及び眼内レンズの製造方法

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JPH0755227B2
JPH0755227B2 JP2084468A JP8446890A JPH0755227B2 JP H0755227 B2 JPH0755227 B2 JP H0755227B2 JP 2084468 A JP2084468 A JP 2084468A JP 8446890 A JP8446890 A JP 8446890A JP H0755227 B2 JPH0755227 B2 JP H0755227B2
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昭彦 渋谷
雄一 横山
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ホーヤ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、眼内レンズ前駆体を成形するための成形型及
びこの成形型を用いた眼内レンズの製造方法に関する。
さらに詳しくは、光学部と支持部とを一体に成形した眼
内レンズの前駆体成形用の成形型とこの成形型を用いた
眼内レンズの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
眼内レンズは、白内障のため水晶体を摘出した目の視力
回復手段として用いられる。
眼内レンズは、一般に光学部(レンズ部)及び光学部を
目の中で固定するための支持部からなる。そして、最近
では、作製の容易性を考慮して、光学部と支持部とを同
じ材料で一体に成形した眼内レンズが用いられるように
なってきた(特開昭62−172947号、特開昭63−91230
号)。
しかし、上記公報に記載の方法によっても、光学部と支
持部とを同じ材料で一体に成形した眼内レンズの作製
は、必ずしも容易とは言いがたい状態である。
〔発明が解決しようとする課題〕
特開昭62−172947号に記載の方法では光学部の光軸がず
れやすく、そのために型にガイドピン及びガイド孔を設
けて光軸のずれを防止している。しかし、眼内レンズ自
体が小さいものであり、ほんの少しの光軸のずれでも実
用上は問題となるため、ガイドピン及びガイド孔の設置
に高い精度が要求される。
また、特開昭63−91230号に記載の方法では、眼内レン
ズブロックを形成後、このブロックの一方の面を、光学
部にあたる面も含めて切削研磨して眼内レンズを得てい
る。しかし、眼内レンズの切削研磨には高度な技術が必
要であり、また切削研磨に耐え得る材料もポリメチルメ
タクリレート等の硬い材料に限られる。
ところで、眼鏡レンズやカメラレンズ等のガラス製の光
学用レンズを、軸ずれを少なくプレス形成する方法が知
られている(特開昭61−6139号)。
しかし、ガラスと眼内レンズ用の樹脂とでは、化学的性
質及び物理的性質が大きく異なる。さらに、形状も眼内
レンズが光学部と支持部とを有するのに対して、上述の
ガラス製の光学用レンズでは支持部など有さない。
従って、特開昭61−6139号の方法をそのまま眼内レンズ
に用いることはできない。例えばこの方法では、加熱軟
化したガラスを成形型でプレス成形しているが、眼内レ
ンズの成形に際しては、材料を加熱軟化することもない
し、この材料をプレスすることもない。
そこで本発明の目的は、成形に際して光学部の光軸合わ
せの必要がなく、かつ光学部を切削研磨する必要もない
眼内レンズ前駆体を成形するための成形型を提供するこ
とにある。
さらに本発明の目的は、光学部の光軸合わせをする必要
がなく、かつ光学部の切削研磨することなしに眼内レン
ズを製造できる方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、光学部と支持部とから構成される眼内レンズ
の前駆体を成形するための成形型であって、この成形型
は上型及び下型からなり、上型の下面は凹状球面をな
し、かつこの凸状球面の頂上付近に上記光学部を成形す
るための凹状曲面を有し、下型の上面は凹状球面をな
し、上型の下面の凸状球面の曲率半径は下型の上面の凹
状球面の曲率半径より大きく、下型の上面の曲面方向に
上型の下面の垂直中心軸を回動自在にし、下型の上面上
で上型の下面の周縁を当接して上型の下面と下型の上面
との間に眼内レンズ前駆体の形状の間隙を形成すること
を特徴とする成形型に関する。尚、本明細書において、
この成形型を成形型1と呼ぶことがある。
さらに本発明は、光学部と支持部とから構成される眼内
レンズの前駆体を成形するための成形型であって、この
成形型は上型、下型及びリング状物からなり、上型の下
面は凸状球面をなし、かつこの凸状球面の頂上付近に上
記光学部を成形するための凹状曲面を有し、下型の上面
は凹状球面をなし、下型の上面の曲面方向に、上型の下
面の垂直中心軸を回動自在にし、上型の下面と下型の上
面との間に眼内レンズ前駆体の形状の間隙を形成するよ
うに、上型の下面と下型の上面との間にリング状物を配
置することを特徴とする成形型に関する。尚、本明細書
において、この成形型を成形型2と呼ぶことがある。
さらに、本発明は、上記成形型1及び2を用いた眼内レ
ンズの製造方法に関する。
以下本発明について詳説する。
成形型1 成形型1は、第1a図及び第1b図に示す光学部1と支持部
2とから構成される眼内レンズの前駆体3を成形するた
めの成形型である。
成形型1は、第2a図及び第2b図に示す上型10及び第3a図
及び第3b図に示す下型20からなる。上型10の下面11は凸
状球面をなし、かつこの凸状球面の頂上付近に光学部1
を成形するための凹状曲面12を有する。凹状曲面12は、
球面であっても、非球面であっても良い。一方、下型20
の上面21は凹状球面をなす。上型10の下面11の凸状球面
の曲率半径は、下型20の上面21の凹状球面の曲率半径よ
り大きい。
そして、第2a図及び第2b図に示す上型10と第3a図及び第
3b図に示す下型20とを、第4図に示すように、下型20の
上面21上に上型10の下面11の周縁13を当接させて載置す
る。上型10の下面11の凸状球面の曲率半径が、下型20の
上面21の凹状球面の曲率半径より大きいので、上型10の
下面11と下型20の上面21との間に眼内レンズ前駆体3の
形状の間隙5を形成することができる。さらに、上型10
の下面11の垂直中心軸Lは、下型20の上面21の曲面方向
に自在に回動できる。そのため、垂直中心軸Lを角度θ
内で揺動させる限り、上型10の下型20に対する位置及び
角度をどのように設定しても、同じ形状の間隙5を形成
することができ、所望する形状の眼内レンズ前駆体3を
成形することができる。尚、垂直中心軸Lを角度θは、
上型10の下面11の周縁13が下型20の上面21に当接できる
範囲内であれば、特に限定はない。
成形型2 成形型2は、第5a図及び第5b図に示す光学部1と支持部
2とから構成される眼内レンズの前駆体4を成形するた
めの成形型である。
成形型2も、成形型1と同様に、第2a図及び第2b図に示
す上型10及び第3a図及び第3b図に示す下型20からなる。
但し、成形型2では、成形型1と異なり、上型10の下面
11の凸状球面の曲率半径は、下型20の上面21の凹状球面
の曲率半径より小さくても、等しくても、あるいは大き
くてもよい。
第6図に示すように、下型20の上面21の曲面方向に、上
型10の下面11の垂直中心軸を回動自在にし、上型10の下
面11と下型20の上面21との間に眼内レンズ前駆体4の形
状の間隙6を形成するように、上型10の下面11と下型20
の上面21との間にリング状物30を配置する。
リング状物30の配置の仕方は、上型10の下面11の周縁13
に沿って略円形に配置するか、あるいは、第7図に示す
ように、リング状物30の一部が上型10の下面11の周縁13
に接近するように楕円形にして、眼内レンズの前駆体4
の支持部2を楕円形に成形することもできる。
また、リング状物30は、切れ目のないOリングである
か、あるいは線状のフィラメントをリング状にしたもの
であってもよい。尚、リング状物30としてフィラメント
を用いると、第8図に示すようにフィラメント31の2つ
の末端部32及び33の間に開口部34を形成することができ
る。この開口部34は、眼内レンズの前駆体4の製造に際
して、眼内レンズ材料の注入口や、上型10の下面11と下
型20の上面21との間の間隙に眼内レンズ材料とともに進
入した気の追出し口として利用することができる。ま
た、リング状物30は、1つまたは2つ以上のフィラメン
トから構成してもよい。
第5b図及び第6図より明らかなように、リング状物30の
厚みは、眼内レンズの前駆体4の支持部2の厚みにより
決定する。また、リング状物30の材質は、リング状物に
成形可能な繊維、例えばPP(ポリプロピレン)、PVDF
(プリフッ化ビニリデン)等の従来より眼内レンズの支
持部、手術用縫合糸として使用されているものが、径の
精度及び安全性の面で好ましい。眼内レンズ材料の硬化
条件において溶出や劣化がなく、かつリングを形成でき
るものであれば特に限定はない。尚、眼内レンズ材料の
硬化条件とは、例えば以下のとおりである。
ポリメチレメタクリレート加熱重合: 室温から120℃付近まで段階的に昇温して重合を完結さ
せる。重合を完結させるには、1〜5日間の日数を要す
る。
シリコンエラストマー加熱重合: 60〜80℃に2〜3日間加熱保持して重合を完結させる。
PVAゲル低温結晶化: −20〜30℃に2〜24時間保持して結晶化を完結させる。
成形型1及び2に用いる上型10は、第9図及び第10図に
示すように、上型10の上面14から下面11へ貫通するか、
又は上型10の側面15から下面11へ貫通する、少なくとも
1つの貫通孔16を有することが好ましい。
あるいは、成形型1及び2に用いる上型10は、第11a図
及び第11b図に示すように、上型10の下面11に、側面15
に達する、少なくとも1つの溝部17を有することが好ま
しい。
貫通孔16及び溝部17の形状及び大きさは、眼内レンズ材
料の粘度及び注入法等を考慮して適宜決定することがで
きる。例えば、貫通孔16は、0.15〜0.4mmの円筒状とす
ることができる。
尚、貫通孔16及び溝部17は、上型10の下面11上であっ
て、光学部1を成形するための凹状曲面12にかからない
ような位置に設ける。そうすれば、得られた眼内レンズ
前駆体を成形加工する際に、支持部2の貫通孔16又は溝
部17に当たる箇所は、製品である眼内レンズか除去でき
るからである。
上型10の貫通孔16又は溝部17は、眼内レンズの前駆体3
又は4の製造に際して、眼内レンズの材料の注入口や過
剰の眼内レンズ材料の逃出し口、あるいは上型10の下面
11と下型20の上面21との間の間隙に眼内レンズ材料とと
もに進入した気泡の追出し口として利用することができ
る。
尚、本発明の成形型の上型10及び下型20は、例えばガラ
ス、あるいはポリカーボネート、ポリサルホン等の耐熱
性及び耐溶剤性に優れた樹脂等から作製することができ
る。特に、上型と下型とにより形成される眼内レンズ前
駆体の形状の間隙について、その状態が観察できるよう
な透明性を有する材料を用いることが好ましい。
以上のような構成の本発明の成形型1及び2は、第4図
及び第6図により示されるように、下型20の上面21が単
一の球面で構成されているので、上面21であればどこに
上型10の下面11を合わせても、成形型1及び2内の間隙
5及び6の形状は不変である。従って、本発明の成形型
では、軸合せをする必要がなく、かつ硬質材料からで
も、軟質材料からでも眼内レンズ前駆体を容易に成形す
ることができる。
さらに、本発明の成形型では、上型10の凹状曲面12を球
面にした場合、上型10及び下型20の成形面(凸状球面の
下面11、光学部1成形用の凹状曲面12及び凹状球面の上
面21)は、いずれも球面だけから構成されるため、成形
型の作製が容易であり、その結果費用も安くなる。
眼内レンズの製造方法 本発明の製造方法では、第4図及び第6図において、上
記成形型1又は2の間隙5又は6に眼内レンズ用材料を
注入し、この材料を硬化させ、硬化して得た眼内レンズ
前駆体を離型し必要により眼内レンズ前駆体の支持部を
さらに成形加工することにより眼内レンズを製造する。
成形型1の間隙への眼内レンズ用材料40の注入は、上型
10として、貫通孔16又は溝部17を有さないものを使用す
る場合には、第12図に示すように、例えばシリンジ41等
を用いて、下型20の上面21に眼内レンズ用材料40を注
ぎ、次いで上型10を、下面11の周縁13が上面21に当接す
るまで移動させて、眼内レンズ前駆体3の形状の間隙5
を形成することにより行う。
上型10として、貫通孔16又は溝部17を有するものを使用
する場合には、第13図に示すように、例えばシリンジ41
等を用いて、下型20の上面21上で上型10の下面11の周縁
13を当接して眼内レンズ前駆体3の形状の間隙5を形成
し、次いで眼内レンズ用材料40を貫通孔16又は溝部17
(第13図では貫通孔16)から注ぐ。
成形型2の間隙への眼内レンズ用材料40の注入は、上型
10として、貫通孔16又は溝部17を有さないものを使用す
る場合には、第14図に示すように、例えばシリンジ41等
を用いて、下型20の上面21に眼内レンズ用材料40を注
ぎ、次いで上型10を、下面11の周縁13に沿って付したリ
ング状物30が上面21に当接するまで移動させて、眼内レ
ンズ前駆体4の形状の間隙6を形成することにより行
う。
尚、この際、リング状物30は、上型10の下面11に付着固
定させておくことが、操作の簡便さから好ましい。
上型10として、貫通孔16又は溝部17を有するものを使用
する場合には、第15図に示すように、例えばシリンジ41
等を用いて、下型20の上面21で上型10の下面11の間にリ
ング状物30を配置して眼内レンズ前駆体4の形状の間隙
6を形成し、次いで眼内レンズ用材料40を貫通孔16又は
溝部17(第15図では溝部17)から注ぐ。
成形型の間隙5又は6には、眼内レンズ材料とともに気
泡が入る場合がある。特に、光学部1を成形するための
凹状曲面12に気泡が入っては、眼内レンズとして使用で
きないので、この気泡を成形型を傾けるなどして凹状曲
面12から追い出す。貫通孔16及び溝部17を有する上型10
を用いた場合及びリング状物30としてフィラメント31
(第8図)を用い、2つの末端部間に開口部34を形成し
た場合には、気泡を貫通孔16、溝部17又は開口部34か
ら、成形型の間隙5又は6内から排除できるので好まし
い。
眼内レンズ材料40としては、従来から知られている材料
をそのまま用いることができる。眼内レンズ材料を以下
に例示する。
モノマーとしてヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、メチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系モノマ
ー、N−ビニルピロリドン、ジメチルアクリルアミド等
を挙げることができる。このモノマーには、高い耐溶剤
性を有し、形状安定性に優れた眼内レンズを得るため
に、架橋性モノマーを添加することが好ましい。架橋性
モノマーとしては、エチレングリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジビ
ニルベンゼン等を例示できる。架橋性モノマーは、前記
モノマー100重量部に対して10重量部を超えない範囲で
添加することが適当である。また、前記モノマーの重合
開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイ
ソブチロニトリル、アゾビスメチルバレロニトリル等の
ラジカル重合開始剤を前記モノマー100重量部に対して
0.01〜0.1重量部の範囲で添加することが適当である。
眼内レンズ材料としては、ポリビニルアルコールを水と
有機溶媒の混合溶媒に溶解したものを用いることもでき
る。有機溶媒としてジメチルスルホキシド、グリセリ
ン、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
エチレングリコール、ジメチルホルムアミド、メチルア
ルコール、エチルアルコール、アセトン、テトラヒドロ
フラン、アミノエタノール、フェノール、n−プロピル
アルコール等を例示できる。水と有機溶媒の混合比率
は、重量比で90:10〜10:90とすることが適当である。
さらに、眼内レンズ材料としては、2液型シリコーンゴ
ムと硬化剤の混合物、原料ゴムと加硫剤との混合物、プ
レポリマーと硬化剤の混合物等の線状重合体とそれを3
次元架橋させる架橋剤との混合物を挙げることができ
る。
2液型シリコーンゴムとしては、主剤としてビニル基含
有のポリジメチルシリコーンを挙げられ、その硬化剤と
して、ポリメチルハイドロ−ジメチルシロキサンコポリ
マーが挙げられる。尚、上記2成分の架橋反応の促進触
媒として白金が有用であり、通常主剤中に含まれる。
原料ゴムとしては、液状ポリブタジエンゴム、ブチルゴ
ム、ポリイソブチレン等の市販液状ゴムをあげることが
できる。また、加硫剤として、硫黄、メチルエチルケト
ンパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチ
ルヒドロパーオキサイド等の市販パーオキサイド類を例
示できる。
プレポリマーとしては、ポリイソプレン、ポリブタジエ
ン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリオレ
フィン、ポリオキシプロピレンゴム等の分子端官能基が
水酸基であるような市販のテレケリック液状ゴムを例示
でき、その硬化剤としてポリイソシアネート類を例示で
きる。また、プレポリマーとしては、ポリイソプレン、
ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体、ポリオレフィン系ゴム等の分子端官能基がカルボキ
シル基であるようなテレケリック液状ゴムを例示でき、
その硬化剤としてジエポキシド類を例示できる。
成形型内に注入された眼内レンズ材料40は、硬化させ
る。ここで、硬化とは、眼内レンズ材料の種類により、
種々の形態をとる。
例えば、眼内レンズ材料が上記モノマーの場合には、硬
化とはモノマーの重合を意味する。また、眼内レンズ材
料がポリビニルアルコールの場合には、硬化とはポリビ
ニルアルコールの結晶化を意味する。さらに、眼内レン
ズ材料が線状重合体とそれを3次元架橋させる架橋剤と
の混合物の場合には、硬化とは3次元架橋による硬化を
意味する。
硬化して得た眼内レンズ前駆体は、離型する。眼内レン
ズ前駆体の離型は、例えば成形型内の眼内レンズ前駆体
が膨潤又は収縮するような溶媒に型ごと一定時間浸漬す
ることにより行うことができる。そのような溶媒として
は、眼内レンズ前駆体がポリビニルアルコールである場
合には、エタノール及び水を用いることができる。ま
た、眼内レンズ前駆体がポリメチルメタクリレート(PM
MA)である場合には、アセトンを用いることができる。
離型した眼内レンズ前駆体は、支持部2を種々の形状に
成形加工して眼内レンズを得る。成形加工法は、眼内レ
ンズ前駆体の材質により適宜決定でき、例えば所望の眼
内レンズ径及び形状に打ち抜くか、レーザー加工する
か、あるいは切削研磨することができる。尚、打抜き等
により、支持部の端面が鋭角になった場合には、材料の
硬さに応じて、バレル研磨、布、フィルム等による機械
的研磨してまるめるか、あるいは一時的に加熱して溶融
することによりまるめることができる。
成形加工して得られる眼内レンズの形状には特に限定は
なく、従来から知られた形状に成形加工すればよい。成
形加工されて得られた眼内レンズの例を第16図及び第17
図に示す。尚、図中の破線は、成形加工体の眼内レンズ
前駆体の輪郭を示す。
〔発明の効果〕
本発明の成形型では、軸合せをする必要がなく、かつ硬
質材料からでも軟質材料からでも眼内レンズ前駆体を容
易に成形することができる。
さらに、本発明の成形型を用いる眼内レンズの製造方法
は、軸合せをする必要がないために製造が容易であり、
かつ得られた眼内レンズの光学的特性(光軸に関して)
が優れている。さらに本発明の製造方法によれば、硬質
材料からでも軟質材料からでも眼内レンズを容易に製造
することができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明
はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 重合度1750、ケン化度98.0モル%のポリビニルアルコー
ル20gを80gの80重量%ジメチルスルホキシド水溶液に加
えてオートクレブにて115℃、2時間加熱して均一に溶
解した。この溶液を、第13図に示す貫通孔16を有する上
型10を用いたガラス製の成形型の貫通孔16より間隙5に
注入した。
ついでこのポリビニルアルコール溶液を内蔵した成形型
を−10℃のフリーザー中で5時間結晶化させた。結晶化
後、得られた眼内レンズ前駆体を蒸留水に浸漬し、蒸留
水を数回更新することによりジメメチルスルホキシドを
水に完全に置換した。
次に、得られたポリビニルアルコールの含水ゲルからな
る眼内レンズ前駆体を移植手術用トレパンのよう鋭利な
刃を持つ打抜き機を用いて、第16図に示す形状に打抜い
た。次いで、打抜いた支持部の端面をバレル研磨して眼
内レンズを得た。
実施例2 メチルメタクリレート100重量部、エチレングリコール
ジメタクリレート2重量部及びアゾビスイソブチロニト
リル0.1重量部を均一になるように撹拌した溶液を第4
図に示すガラス製成形型の下型20の上面21に注入し、つ
いでこの上に上型10を載せた。
この成形型を40℃で8時間、80℃で6時間、さらに120
℃で6時間加熱硬化させた。得られた眼内レンズ前駆体
をアセトンに浸漬して離型した後、第17図に示すように
支持部をループ状に切削研磨加工して眼内レンズを得
た。
実施例3 2液型のシリコーンゴムの主剤(商品名:KE−106、信越
シリコーン社製)100重量部及び硬化剤(商品名:Cat−R
G、信越シリコーン社製)10重量部を均一になるように
撹拌して溶液を得た。この溶液を、第15図に示す成形型
の間隙6に溝部17から注入した。次いで、60℃で72時間
加熱して硬化させた。
得られた眼内レンズ前駆体を打抜き機で打抜いて第16図
に示す眼内レンズを得た。
【図面の簡単な説明】
第1a図及び第5a図はそれぞれ眼内レンズ前駆体の平面図
であり、第1b図及び第5b図はそれぞれ眼内レンズ前駆体
の中央部(第1a図及び第5a図のA−A線)の断面図であ
る。 第2b図は上型10の平面図であり、第2a図は第2b図のA−
A線断面図である。第3b図は下型20の平面図であり、第
3a図は第3b図のA−A線断面図である。 第4図は、本発明の成形型1の中央部の縦方向の断面図
であり、第6図は、本発明の成形型2の中央部の縦方向
の断面図である。 第7図は、リング状物30を上型10の下面11に楕円形状に
付着させたところを示す。第8図は、フィラメント製の
リング状物31を示す。 第9図及び第10図は、それぞれ貫通孔16を有する上型10
の中央部の縦方向の断面図である。 第11b図は溝部17を有する上型10の平面図であり、第11a
図は第11b図のA−A線断面図である。 第12図〜第15図は、本発明の成形型内に眼内レンズ材料
40を注入する様子を示す、成形型中央部の縦方向の断面
図である。 第16図及び第17図は、眼内レンズ前駆体の輪郭(破線)
及び眼内レンズ(実線)を示す。 3、4:眼内レンズ前駆体、10:上型、 20:下型、30:リング状物、 40:眼内レンズ材料

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学部と支持部とから構成される眼内レン
    ズの前駆体を成形するための成形型であって、 この成形型は上型及び下型からなり、 上型の下面は凸状球面をなし、かつこの凸状球面の頂上
    付近に上記光学部を成形するための凹状曲面を有し、 下型の上面は凹状球面をなし、 上型の下面の凸状球面の曲率半径は下型の上面の凹状球
    面の曲率半径より大きく、 下型の上面の曲面方向に上型の下面の垂直中心軸を回動
    自在にし、下型の上面上で上型の下面の周縁を当接して
    上型の下面と下型の上面との間に眼内レンズ前駆体の形
    状の隙間を形成することを特徴とする成形型。
  2. 【請求項2】光学部と支持部とから構成される眼内レン
    ズの前駆体を成形するための成形型であって、 この成形型は上型、下型及びリング状物からなり、 上型の下面は凸状球面をなし、かつこの凸状球面の頂上
    付近に上記光学部を成形するための凹状曲面を有し、 下型の上面は凹状球面をなし、 下型の上面の曲面方向に、上型の下面の垂直中心軸を回
    動自在にし、上型の下面と下型の上面との間に眼内レン
    ズ前駆体の形状の間隙を形成するように、上型の下面と
    下型の上面との間にリング状物を配置することを特徴と
    する成形型。
  3. 【請求項3】上型が、上型の上面と下面との間又は上型
    の側面と下面との間に、少なくとも1つの貫通孔を有す
    る請求項1又は2記載の成形型。
  4. 【請求項4】上型が、上型の下面に、上型の側面に達す
    る、少なくとも1つの溝部を有する請求項1又は2記載
    の成形型。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項記載の成形型
    の間隙に眼内レンズ用材料を注入し、この材料を硬化さ
    せ、硬化して得た眼内レンズ前駆体を離型し、眼内レン
    ズ前駆体の支持部をさらに成形加工することを特徴とす
    る眼内レンズの製造方法。
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