JPH0756065B2 - 高温耐摩耗性焼結合金 - Google Patents

高温耐摩耗性焼結合金

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JPH0756065B2
JPH0756065B2 JP31298287A JP31298287A JPH0756065B2 JP H0756065 B2 JPH0756065 B2 JP H0756065B2 JP 31298287 A JP31298287 A JP 31298287A JP 31298287 A JP31298287 A JP 31298287A JP H0756065 B2 JPH0756065 B2 JP H0756065B2
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啓太郎 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は自動車用内燃機関の弁座材に好適な鉄系焼結合
金に関するものである。
[従来の技術] 自動車エンジン用の弁座は、無鉛ガソリンに対応して多
くの焼結合金が開発されている。
例えば、本件出願人がさきに開発し実用に供した無鉛ガ
ソリン用弁座(特公昭55-36242号)もその一例であり、
これはNi-Mo-Co系の焼結鋼に重量比で10%以上の鉛を含
浸したもので、従来材Cr-Mo−V系の焼結鋼に鉛を含浸
したもの(特公昭49-17968号)に比べると耐摩耗性が一
段改良されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、自動車エンジンの高動力性能化により作動条件
が一段と厳しくなっている昨今、上記の焼結合金も不十
分で、耐摩耗性がもっと良く、高温でも材料強度が高い
材料に改善することが望まれていた。
[発明の目的] 本発明は、上記した従来の焼結合金(特公昭55-36242
号)を更に改良したもので、材料強度が高く、優れた高
温耐摩耗性をもつ焼結材料を安価に提供することにあ
る。
〈発明の構成〉 [問題点を解決するための手段] 上記目的を達成するために本発明は、マトリックスを従
来の焼結合金組成からなる基地中にニッケルを分散させ
た組織とし、空孔内に鉛を含浸するとともに、最適な基
材密度と鉛含浸量を限定したものであり、更に詳しく
は、全体の組成が重量比で、 C:0.35〜1.1%, Ni:4.6〜25.8%, Mo:0.3〜2.7%, Co:3.4〜6.7%, Pb:5〜16%, 及び残部実質的にFeよりなり、 基地組成が、同じく重量比で、 C:0.45〜1.15%, Ni:5.5〜27.2%, Mo:0.4〜2.8%, Co:4.1〜7.1%, 及び残部実質的にFeよりなり、且つソルバイト組織とベ
ーナイト組織の混合組織中にオーステナイト組織が分散
していて、空孔内には鉛を含み、全体密度が7.6g/cm3
上、及びPb量を除く焼結合金の密度が6.9〜7.2g/cm3
あることを特徴としている。
まず、本発明焼結合金の製造方法を簡単に説明すると、
原料として用いる粉末は、特公昭55-36242号と同じNi0.
5〜3%,Mo0.5〜3%,Co5.5〜7.5%,Fe残からなる合金
鉄粉にNi粉を配合するか、上記合金鉄粉にNi粉と黒鉛粉
とおよびステアリン酸亜鉛等の潤滑剤を混合したもので
ある。
成形及び焼結は通常の方法であり、焼結体密度を6.9〜
7.2g/cm3になるよう設定する。
この焼結体を溶融鉛浴に浸漬し、空孔内に鉛を含浸す
る。
このようにして得られた本発明焼結合金を構成する数値
範囲について次に説明する。
基本となる合金鉄粉の組成は従来材の基地組成と同じで
あり、各組成範囲は特公昭55-36242号公報に記載されて
いる通りである。
即ち、Ni及びMoは主に強度の向上に寄与する成分で、0.
5%未満では不十分であり、一方3%以上添加しても費
用の割に効果が少ない。またMoを過剰に入れると耐酸化
性が低下する。
Coは5.5%未満では高温硬さが不足し摩耗しやすく、一
方7.5%以上になると原料粉が硬くなり圧縮成形が困難
になる。
Cは黒鉛粉で添加され、焼結体基地中に占める炭素量は
0.6〜1.2%の範囲であり、これよりも少なすぎると充分
な硬さが得られず、多すぎるとセメンタイト組織が析出
し易くなり基地材料が脆化する。
また、マトリックスの組織は一般にソルバイト組織とベ
ーナイト組織の混合組織を呈するが、C量が上限寄りの
場合ベーナイト組織がほとんど占めるようになる。
次に、上記の合金にNiを添加し、オーステナイト組織の
形で分散させるアイデアは、静的な機械強度がかなり向
上し、高温での強度低下が少なくなること、及び分散し
たオーステナイト組織は繰返しの疲労強度の向上に効果
があるという知見に基づいている。
Niはカーボニルニッケル粉の形で添加され、焼結後はマ
トリックスに斑点状のオーステナイト組織とする。Ni粉
の添加量は重量比で5〜25%の範囲であり、5%未満で
は耐摩耗性及び強度の向上が少なく、また25%を越えて
添加しても費用ほど効果が少なく、むしろ耐摩耗性及び
強度ともに悪くなる傾向を示すようになる。
上記のNi-Mo−C系焼結鋼の密度は6.9〜7.2g/cm3が最適
である。6.9g/cm3より低いと摩耗しやすく、7.2g/cm3
り高い密度は成形圧力が高くなり、作業性や押型摩耗の
点で不利であり、また、空孔量の減少にともなって後述
する鉛溶浸性が悪くなる。
鉛の溶浸量は、前述焼結密度範囲において溶浸後の密度
が7.6g/cm3以上になるよう含浸すると良好な耐摩耗性を
示す。換言すると、Pb量は焼結密度6.9g/cm3の基材では
重量比で9%以上、焼結密度7.2g/cm3の基材では重量比
で5%以上である。溶浸密度の上限価は焼結密度範囲が
限定されているため、8.2g/cm3を越えることは無い。ま
た、Pb量も同様であって焼結密度6.9g/cm3の基材におい
て重量比で最大16%となる。
以上の構成を組成範囲で表わすと、全体の組成が重量比
で、 C:0.35〜1.1%, Ni:4.6〜25.8%, Mo:0.3〜2.7%, Co:3.4〜6.7%, Pb:5〜16%, Fe:残部、 また基地組成は、同じく重量比で、 C:0.45〜1.15%, Ni:5.5〜27.2%, Mo:0.4〜2.8%, Co:4.1〜7.1%, Fe:残部、になる。
なお、上記の基地組成と同様な組成範囲をもつ焼結合金
(特公昭62-42991号)がある。しかし、この焼結合金は
Ni8〜16%が基地に固溶しているのに対し、本発明材は
一部が基地に固溶し大部分がオーステナイト相の形で基
地に分散していること、及び本発明材はPbを所定量含む
点が異なる。
[実施例] (試験−1) 先ず、重量比でNi:1.5%,Mo:1.5%,Co:6.5%を含む粒度
100メッシュ以下のアトマイズ合金鉄粉と、オーステナ
イト組織形成用にカーボニルニッケル粉を用意した。
次に、試料の作製は、上記アトマイズ合金鉄粉に、黒鉛
粉1重量%と潤滑剤としてステアリン酸亜鉛0.8%を添
加した混合粉と、さらに上記カーボニルニッケル粉を5,
10,15,20,25及び30重量%添加した各混合粉を準備し、
焼結密度が7.0g/cm3になるよう成形密度を調整して所定
形状に成形した後、アンモニア分解ガス雰囲気炉中で温
度1160℃,30分間の焼結を行なって各焼結体を得た。
次いで、各焼結体を550℃の溶融鉛溶中に浸漬して、8
気圧の加圧力を加えることにより、当該焼結体中の空孔
内に鉛を溶浸させた。
これら試料の顕微鏡組織は、基地がベーナイト組織と少
量のソルバイト組織の混合組織であり、カーボニルニッ
ケルを添加したものは白色のオーステナイト組織が分散
している。また、空孔内には鉛が認められる。
次に、各試料の常温での圧環強さと、これら材料からな
る弁座を供試材として模擬エンジン試験機を用いて各弁
座の摩耗量を比較した。
この摩耗試験機は、LPG燃焼ガスで弁及び弁座を所定の
温度に加熱しながらカム軸をモーターで駆動する機構を
もつものであって、温度、回転数、弁のスプリング圧力
などを任意に設定でき、短期間のうちに苛酷な試験を行
なうことができるものである。
なお、相手材となる弁の材質は、21-4N(21%Cr-4%Ni
系耐熱鋼)を用い、弁座の温度を300℃に設定して、30
時間連続運転した後の弁座の摩耗量を測定した。
第1図は、圧環強さと弁座摩耗量の測定結果を示す。圧
環強さは、Ni粉の添加が5%以上で効果が認められ、10
〜20%で最高値を示したのち、再び緩かに低下してい
る。
弁座の摩耗量も同様な傾向を示し、15〜25%で最も摩耗
が少なく、25%を越えると僅かに摩耗増加傾向を示して
いる。
従って、Ni粉の添加量は下限を5%とし、上限を25%と
した。この結果、焼結体の組成は、重量比でC0.45〜1.1
5%,Ni5.5〜27.2%,Mo0.4〜2.8%,Co4.1〜7.1%,及び
残部Feの範囲になる。
(試験−2) 次に、焼結密度及び鉛溶浸量と摩耗量の関係を調べた。
用いた試料は、試験−1のNi粉添加量が10%の混合粉を
準備し、焼結密度が6.7,6.9及び7.0g/cm3となるように
成形密度を調整して所定形状に成形した後、試験−1と
同様に焼結したのち、鉛溶浸は溶融鉛浴中の浸漬時間及
び気圧を変えて、各焼結体密度ごとも鉛溶浸量の異なる
試料を作った。
これら材料からなる弁座を供試材として試験−1と同様
に模擬エンジン試験機を用いて各弁座の摩耗量を比較し
た。その結果と各試料の密度及びPb分析値を第1表に示
す。また、第1表より、焼結密度と試料密度とPb量との
関係を第2図に示す。
第2図において、○印は摩耗量が比較的少ない0.4mm以
下、×印は0.4mmを越えた試料を表わしている。また、
摩耗量0.4mm以下の領域を斜線で示しており、この領域
は焼結体密度が6.9〜7.2g/cm3であって、鉛溶浸された
試料密度は7.6g/cm3以上、及びPb量は全体組成で5%以
上16%以下の範囲にある。
(試験−3) Ni粉の添加量を15%とし、それ以外は試験−1と同様に
弁座を作製して供試材とした。
また、比較材として、Ni粉を添加しないで製作した試料
も準備し、模擬エンジン試験機を用いて弁座の温度が及
ぼす摩耗量を比較した。また、温度と圧環強さの関係も
測定した。その結果を第3図に示す。
発明材は、高温においても耐摩耗性及び圧環強さの低下
量が少ない。
(実施例) 次に、4気筒2000ccのガソリンエンジンによる台上耐久
試験の結果を第4図に示す。
回転数は6000rpmであり、100時間と200時間運転後の弁
座摩耗量を表わしている。
用いた試料は、試験−3の場合と同様に製作した本発明
材と従来材である。
図から明らかなように本発明試料は摩耗量が少なく、一
段と優れている。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明に係わる焼結合金はその実験
結果からも明らかなように従来材に比較して材料強度が
かなり高く、低温から高温まで優れた耐摩耗性を示し、
内燃機関の稼動条件が厳しい場合に有用なものである。
また、金属間化合物や高価な原料を用いないので、比較
的安価に、通常の製造方法で製造できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はNi粉添加量の効果を示すグラフ、第2図は焼結
体の密度範囲及び最適な鉛溶浸量を示すグラフ、第3図
は従来材と本発明材の高温における圧環強さ及び耐摩耗
性を示すグラフ、第4図はエンジン耐久試験による従来
材と本発明材の弁座摩耗量を比較したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤木 章 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 鈴木 啓太郎 千葉県我孫子市湖北台7―14―57―303 (72)発明者 池ノ上 寛 千葉県松戸市常盤平3―26―3―102

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全体の組成が重量比で、 C:0.35〜1.1%, Ni:4.6〜25.8%, Mo:0.3〜2.7%, Co:3.4〜6.7%, Pb:5〜16%, 及び残部実質的にFeよりなり、 基地組成が、同じく重量比で、 C:0.45〜1.15%, Ni:5.5〜27.2%, Mo:0.4〜2.8%, Co:4.1〜7.1%, 及び残部実質的にFeよりなり、且つソルバイト組織とベ
    ーナイト組織の混合組織またはベーナイト組織中にオー
    ステナイト組織が分散していて、空孔内には鉛を含み、
    全体密度が7.6g/cm3以上、及びPb量を除く焼結合金の密
    度が6.9〜7.2g/cm3であることを特徴とする高温耐摩耗
    性焼結合金。
JP31298287A 1987-12-10 1987-12-10 高温耐摩耗性焼結合金 Expired - Lifetime JPH0756065B2 (ja)

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