JPH0756185B2 - 構造物の振動抑制装置 - Google Patents

構造物の振動抑制装置

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JPH0756185B2
JPH0756185B2 JP1336887A JP1336887A JPH0756185B2 JP H0756185 B2 JPH0756185 B2 JP H0756185B2 JP 1336887 A JP1336887 A JP 1336887A JP 1336887 A JP1336887 A JP 1336887A JP H0756185 B2 JPH0756185 B2 JP H0756185B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、地震や風等によって建築・土木構造物に励起
される振動を抑制するために、これら構造物に設置され
る構造物の振動抑制装置に関するものである。
「従来の技術」 近年の建築・土木構造物は、高強度材料の開発、工作技
術の進歩、並びに電算機による構造解析技術の発展等の
要因により、大形化、形式の多様化、軽量化が為される
と共に、外力に対してフレキシビリティに富んだ構造と
なっている。そして、このように軽量で柔軟な構造物に
おいては、その固有振動数が低く、内部の振動減衰も小
さくなる傾向があるため、地震や風等の外力の影響によ
り予期し得ない種々の振動が発生する可能性がある。
特に、前述の如く、構造物の大型化に伴って、外力によ
って励起される振動の振幅も大きくなるため、この振動
が構造物内部に居住する人間に不必要な不安感を与える
と共に、構造物の躯体に許容範囲以上の応力を付与する
恐れすらあった。
近年、構造物の固有振動周期と等しい周期で振動する振
動抑制装置をこの構造物に取り付けることで、固有振動
周期付近の構造物の振動エネルギーを振動抑制装置に吸
収させ、よって、構造物の振動を抑制するような手法が
提案、実施されている。
第7図は、前記従来の振動抑制装置を示す図である。第
7図において、符号Sは超高層建築物等の構造物Sであ
り、この構造物Sの屋上には、振動抑制装置1が設置さ
れている。この振動抑制装置1には、構造物Sの質量の
数%程度の質量を有するコンクリート製の錘ブロック2
が、ローラ等の滑動機構3、3により構造物Sの水平方
向に滑動自在に支持されていると共に、スプリング等の
弾撥機構4、4により構造物Sの屋根中央部を中心とし
て前記滑動方向に沿って振動自在に構成されている。そ
して、この振動抑制装置1は、その錘ブロック2の滑動
方向に沿う振動周期が、構造物Sの固有振動周期と同一
となるように、錘ブロック2の質量や弾撥機構4、4の
弾性率が調整されている。
以上のような構成を有する振動抑制装置1が設置された
構造物Sが地震や風等の外力によって振動を開始する
と、振動抑制装置1は構造物Sの固有振動周期と同一の
振動周期で振動を開始する。従って、構造物S及び振動
抑制装置1との間で振動エネルギーを相互に授受するこ
とで、この振動抑制装置1が構造物Sの振動エネルギー
を吸収し、よって、構造物Sの振動が抑制される。
「発明が解決しようとする問題点」 ところで、前記従来の振動抑制装置1は、構造物Sと同
一の振動周期で振動抑制装置1が振動することにより、
構造物Sの振動を抑制するものであるから、構造物Sの
振動が抑制された結果、この構造物Sの振幅が振動抑制
装置1の振幅より小さくなった時には、この振動抑制装
置1が逆に加振器として作用し、構造物Sに振動力を加
えることになる。よって、このような振動抑制装置1に
は、自身の振動を減衰させるためにダッシュポット等の
減衰器を取り付けておく必要がある。しかしながら、前
述の如く振動抑制装置1内で振動している錘ブロック2
は、構造物Sの数%程度の質量を有する大重量の部材で
あるので、この錘ブロック2の振動を減衰させるための
減衰器は大掛かりなものとなると共に、減衰力の調整も
容易ではない。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたもので、振動抑
制装置自身の振動を簡易な構成で減衰させることの可能
な構造物の振動抑制装置の提供を目的としている。
「問題点を解決するための手段」 前記問題点を解決するために、本発明は、構造物に設置
されて地震や風等の外力により前記構造物に励起される
振動を抑制する構造物の振動抑制装置であって、第1の
振動系及びこの第1の振動系の上に設置された第2の振
動系を備え、前記第1の振動系は、前記構造物の固有振
動周期と同一の固有振動周期で振動するように構成さ
れ、前記第2の振動系は、前記第1の振動系の上に載置
されたタンクと、このタンクの内部に貯留され、前記第
1の振動系と同一の固有振動周期で振動する液体とから
なり、前記タンクは、静止状態における前記液体の液面
より上方に液体の振動を許容する空間を有するものとし
ている。
「作用」 本発明では、地震や風等の外力により構造体に励起され
る振動を抑制すべく第1の振動系が振動すると、第2の
振動系の貯留タンク内に貯留された液体が第1の振動系
と同一の振動周期で、かつ、第1の振動系に対して1/4
周期の位相遅れをもって振動し、これにより第1の振動
系の振動が抑制される。
「実施例」 以下、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
第1図ないし第3図は、本発明の一実施例である構造物
の振動抑制装置を示す図である。第1図ないし第3図に
おいて、符号Sは超高層建築物等の構造物であり、この
構造物Sには、地震や風等の外力によって励起される振
動に対して最も効果があると想定できる屋上に、この構
造物Sの振動抑制を行う振動抑制装置10が設置されてい
る。この振動抑制装置10は、構造物Sの屋上に設置され
た第1の振動系11と、この第1の振動系11の上に設置さ
れた第2の振動系20とから概略構成されている。
前記第1の振動系11は、前記従来の振動抑制装置1と同
様に構成されている。すなわち、この第1の振動系11に
は、構造物Sの質量の数%程度の質量を有するコンクリ
ート製の錘ブロック12が設けられていると共に、構造物
Sの縦横両方向に延在するレール14、14、…がそれぞれ
交叉されて設けられている。前記錘ブロック12下面に
は、これらレール14、14、…に沿って滑動自在なベアリ
ング15、15、…が取り付けられている。また、前記レー
ル14、14の両端には、構造物Sの高さ方向に延在するス
トッパ16、16、…がこの構造物S屋上から突設されてい
ると共に、これらストッパ16、16、…と前記錘ブロック
12との間にはシリンダー型の弾撥機構13、13、…が介在
されている。よって、この錘ブロック12は、前記レール
14、14、…の交叉点を中心として、構造物Sの縦横両方
向に振動自在に構成されている。そして、この錘ブロッ
ク12の縦横両方向のそれぞれの固有振動周期は、錘ブロ
ック12の質量及び弾撥機構13、13、…の弾性率が適宜調
整されることで、構造物Sの縦横両方向の固有振動周期
とそれぞれ一致されている。
一方、前記第2の振動系20は、前記第1の振動系11の錘
ブロック12上面に設置され、ゴム等の弾性体と鋼板との
積層構造からなる柔構造の支持台21と、この支持台21上
に設置された有底筒状の貯留タンク22と、この貯留タン
ク22内に貯留され、前記第1の振動系11の錘ブロック12
の固有振動周期と同一の固有振動周期で振動する液体23
とから構成され、貯留タンク22は静止状態における前記
液体23の液面より上方にその液体23の振動を許容するた
めの空間を有するものとされている。なお、前記貯留タ
ンク22内の液体23の質量は、錘ブロック12の質量の1/50
〜1/100の範囲内であることが好ましい。
次に、以上のような構成を有する振動抑制装置10の作用
について説明する。
前記構造物Sと振動抑制装置10とを含む振動系は、第6
図に示すような振動モデルに近似、簡略化することがで
きる。この振動モデルは、ばね定数K0のばね7A及び減衰
率h0のダッシュポット9Aを介して、質量M0の物体8Aが支
持されてなる振動系A(構造物Sの振動モデル)と、ば
ね定数K1のばね7B及び減衰率h1のダッシュポット9Bを介
して、質量M1の物体8Bが支持れてなる振動系B(第1の
振動系11の振動モデル)と、ばね定数K2のばね7C及び減
衰率h2のダッシュポット9Cを介して、質量M2の物体8Cが
支持されてなる振動系C(第2の振動系20の振動モデ
ル)とが直列に接続されたようなモデルである。
そして、このような振動モデルにおいて、振動系A・B
の固有振動周期を一致させていれば、物体8Aに加わる地
震や風等の外力によって振動系Aが振動を開始すると、
振動系Bは振動系Aに対して1/4周期の位相遅れをもっ
て振動し、これにより振動系Aの振動を抑制することが
できる。同様に、振動系B・Cの固有振動周期が一致さ
せていれば、振動系Cは振動系Bに対して1/4の位相遅
れをもって振動を開始し、これにより振動系Bの振動を
抑制することができる。
ここで、物体8Bは物体8Aの数%程度の質量なので、前記
構造物Sの固有振動周期T0は、構造設計上の見地から定
められた質量M0、及びばね定数K0によりほぼ一義的に決
定される。また、物体8Cは物体8Bの約2%程度の質量で
あるので、第1の振動系11の固有振動周期T1についても
同様のことが言える。従って、第1の振動系11の固有振
動周期T1が構造物Sの固有振動周期T0に一致するよう
に、前記錘ブロック12の質量及び弾撥機構13、13、…の
弾性率を調整すれば良く、また、第2の振動系20の固有
振動周期T2が前記T1に一致するように、前記貯留タンク
22の寸法、容量及び液体23の貯留量を設定すれば良い。
ここで、各振動系A、B、Cの固有振動周期は次の式で
与えられる。
従って、振動系A、Bについては、上式に各変数を代入
することで、その固有振動周期を得ることができる。し
かしながら、振動系Cについては、貯留タンク22内の液
体23の質量Mがそのまま振動体として作用する質量M2
はならず、従って、何等かの理論的解析が必要となる。
貯留タンク内の貯留液の挙動について成立するハウスナ
ー(Housner)理論によれば、貯留タンク内22で移動可
能な自由水有効質量(振動体として作用する質量)M
2は、次式で与えられる。
ただし、 H……貯留タンク22の底部から水面までの距離 R……貯留タンク22の半径 M……貯留タンク22内に実際に貯留されている液体23の
質量 また、この貯留タンク22内の液体23の固有振動数ω(い
わゆるスロッシングの固有振動数)は、次式により与え
られる。
さらに、(3)式により求められた固有振動数ωによ
り、貯留タンク22内の液体23の固有振動周期T2が次式に
より求められる。
そして、前記(4)式にて得られる貯留タンク22内の液
体23の固有振動周期T2と第1の振動系11の固有振動周期
T1との間に、 T1=T2 ……(5) が成立するように、前述の変数H、R、M、すなわち貯
留タンク22の寸法及び液体23の貯留量を設定すれば良い
のである。
従って、この実施例の振動抑制装置10は、第1の振動系
11の上に、この第1の振動系11と同一の固有振動周期で
振動する液体23を貯留してなる貯留タンク22が設置され
たような構成であり、簡易な構成でありながら、確実に
第1の振動系11の振動を抑制することができる。しか
も、振動抑制装置10設置後に、貯留タンク22内の液体23
貯留量を調整することで、容易に振動抑制効果を最適な
状態に調整することができる。さらに、前記貯留タンク
22内に貯留される液体23には、一般に粘性液体が使用さ
れるが、油等粘性係数が異なる液体23と混合して使用す
ることにより、あるいは、貯留タンク22内に仕切板等を
適切に配置して消波効果を持たせることにより、粘性抵
抗に起因する振動減衰率を容易に調整することもでき
る。
次に、第4図ないし第5図は、本発明の他の実施例であ
る構造物の振動抑制装置を示す図である。この実施例に
おいて、前記実施例との相異点は、第1の振動系11が第
2の振動系20と同様に構成されている点である。すなわ
ち、第1の振動系11は、第2の振動系20の貯留タンク22
より大径の貯留タンク32と、この貯留タンク32内に貯留
され、構造物Sの固有振動周期と同一の固有振動周期で
振動する液体33とから構成されている。この液体33の表
面には、受皿状の支持板34が、その底部を上方に向けた
状態で浮遊され、前記第2の振動系20は、この支持板34
上に設置されている。なお、第2の振動系20の構成は、
前記実施例とほぼ同一であるので、その説明を省略す
る。従って、以上のような構成を有する振動抑制装置10
においても、前記実施例と同様の効果を得ることができ
る。
なお、本願発明者が行ったシミュレーション実験の結果
を以下に示すことで、本発明の振動抑制装置10の制振効
果について実証する。実験系としては、5層モデルの模
擬構造物S(質量M0=400kg×5層、一次固有周期T0
0.41秒)の屋上に、本発明の第2の振動系20(液体23の
全質量M1=52kg、一次固有周期T1=0.41秒)が直接設置
されたような実験系である。このような実験系に、ラン
ダム波(EL−CENTRO−NS波)を加えた時の、第2の振動
系20が無い場合の模擬構造物S第4層の変位を第8図
に、第2の振動系20が有る場合の模擬構造物S第4層の
変位を第9図に示す。図示した結果に見るように、第2
の振動系20によって、模擬構造物Sの振動が抑制されて
いることが理解できる。
さらに、シミュレーションの結果、液体23の有効質量M2
と制振すべき構造物の質量Mとの比率を、 M2/M=1/50〜1/100 ……(6) に設定すれば、有効な振動抑制効果を発揮されることが
判明した。つまり、前記有効質量M2が構造物の質量Mの
1/100以下では、十分な制振効果が得られず、また、1/5
0以上では、液体の質量が構造物の構造設計上に与える
影響が大きくなり、再度構造物の構造設計を行う必要が
ある場合があるため、前記(6)式の如き比率の設定を
行う必要が生じるのである。
なお、本発明に係わる構造物の振動抑制装置10は、前記
実施例に限定されない。一例として、前記貯留タンク22
の形状は、構造物Sの形状及び設置条件等により、直方
体状、球状、平面楕円状等の種々の形状に変更しても良
い。この場合、前記理論を適宜変更し、その形状に応じ
た式に基づいてタンクの寸法、液体の貯留深さ等を設定
すれば良い。なお、貯留タンク22が鋼板で構成される場
合、この液体23中に防錆剤を混入することで、貯留タン
ク22自体の耐久性を増すこともできる。
「発明の効果」 以上詳細に説明したように、本発明によれば、地震や風
等の外力により構造物に振動が励起された場合、第1の
振動系が構造物の固有振動周期と同一の固有振動周期
で、かつ、構造物に対して1/4周期の位相遅れをもった
状態で振動し、これにより構造物の振動が抑制され、さ
らに、第2の振動系が第1の振動系と同一の固有振動周
期で、かつ、第1の振動系に対して1/4周期の位相遅れ
をもった状態で振動し、これにより第1の振動系の振動
が抑制される。従って、貯留タンク及びこの貯留タンク
内に貯留され、第1の振動系と同一の固有振動周期で振
動する液体とからなる簡易な構成の第2の振動系を第1
の振動系に付設することで、この第1の振動系の振動を
確実に抑制することができる。よって、本発明によれ
ば、振動抑制装置自身の振動を簡易な構成で減衰させる
ことの可能な構造物の振動抑制装置を実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である構造物の振動抑制装置
が構造物の屋上に設置された状態を示す正面図、第2図
は同装置の平面図、第3図は同正面図、第4図は本発明
の他の実施例を示す正面図、第5図は同平面図、第6図
は構造物及び振動抑制装置の振動モデルを示す概略図、
第7図は従来の振動抑制装置を示す概略図、第8図は振
動抑制装置が備えられていない模擬構造物の振動状況を
示す図、第9図は振動抑制装置が備えられた模擬構造物
の振動状況を示す図である。 S……構造物、10……振動抑制装置、11……第1の振動
系、20……第2の振動系、22……貯留タンク、23……液
体。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造物に設置されて地震や風等の外力によ
    り前記構造物に励起される振動を抑制する構造物の振動
    抑制装置であって、第1の振動系及びこの第1の振動系
    の上に設置された第2の振動系を備え、前記第1の振動
    系は、前記構造物の固有振動周期と同一の固有振動周期
    で振動するように構成され、前記第2の振動系は、前記
    第1の振動系の上に載置されたタンクと、このタンクの
    内部に貯留され、前記第1の振動系と同一の固有振動周
    期で振動する液体とからなり、前記タンクは、静止状態
    における前記液体の液面より上方に液体の振動を許容す
    る空間を有するものとされていることを特徴とする構造
    物の振動抑制装置。
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JPH03272343A (ja) * 1990-03-20 1991-12-04 Fujita Corp 二重型マスダンパー

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