JPH0757938B2 - 潜 堤 - Google Patents

潜 堤

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JPH0757938B2
JPH0757938B2 JP62166869A JP16686987A JPH0757938B2 JP H0757938 B2 JPH0757938 B2 JP H0757938B2 JP 62166869 A JP62166869 A JP 62166869A JP 16686987 A JP16686987 A JP 16686987A JP H0757938 B2 JPH0757938 B2 JP H0757938B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は消波構造物の一種である潜堤に関するものであ
る。
<従来の技術> 侵食されつつある海岸の保全、海洋性レクリエーション
の場の開発、養殖や海洋牧場などの水産関連の海域の場
の開発などのためには、沿岸域の静穏化が必要である このような場合に用いられる消波構造物のうちのひとつ
として、従来、潜堤が用いられている。
潜堤は構造全体を海水面下に没して設けられた堤体であ
り、上記のような静穏化を必要とする場所の沿岸に設置
される。
<本発明が解決しようとする問題点> 前記した従来の潜堤には、次のような問題点が存在す
る。
<イ>一般に入射波が潜堤で砕波された後、潜堤の最後
部で水塊となって落下するが、これによって岸側に新た
な波が発生し、透過波高を増大させ、消波効果を低下さ
せる原因になる。
<ロ>水深の深いところでは潜堤の天端の没水深が深く
なるため、消波効果を低下させる原因となる。
<本発明の目的> 本発明は上記のような問題点を解決するためになされた
ので、従来の型式よりも消波効果を確実に向上させ、か
つ経済的に消波の実現を図ることができる潜堤を提供す
ることを目的とする。
<本発明の構成> 以下、図面を参照しながら本発明の一実施例について説
明する。
<イ>潜堤の構造(第1、2図) 本発明の潜堤1は、コンクリートなどで製造した天板11
と側板14及び底板16よりなり、これらによって中空の箱
型に形成されたものである。
(1)天板 天板11は潜堤1の上面に傾斜して取り付けられた板体で
あり、その傾斜の最上部には水塊流入口12を開設する。
天板11の傾斜角度と水塊流入口12の開口面積は、潜堤1
の設置場所や所望の消波効果によって随時選択する。
天板11の外表面には、砕波促進のための粗度を付与する
ために、突起13を設ける。
突起13は例えば、入射波の進行方向と直交方向に帯状体
を設けることが考えられる。
(2)側板 側板14は天板11の各辺に連結した複数の板体であり、箱
型の潜堤1の側面を一体に構成する。
この側板14のうち、天板11の最上部の辺と連結する側板
14の高さは、潜堤1の高さと等しいため、設置場所の水
深などに合わせてその高さを選択する。
また、天板11の最下部の辺と連結する側板14には返流口
15を開設する。
(3)底板 底板16は側板14の各底辺と連結した板体であり、箱型の
潜堤1の底面を構成する。
以上のようにして、水塊流入口12と返流口15の開口部以
外は閉塞された箱型の潜堤1を構成する。
<ロ>潜堤の設置(第1、2図) 潜堤1の所定の設置場所の海底面に、岩などをネットで
固定して敷設し、水平面を有する安定した基礎地盤2を
構築する。
そして基礎地盤2の上に上記のように構成した潜堤1を
設置する。
このとき返流口15を開設した側板14の向きが、矢印Aで
示した入射波の入射方向と直交するように設置する。
潜堤1の内部には、返流口15の開口下端部の高さまで、
岩3などを積み上げておくことが望ましい。
<本発明の消波原理> 本発明の潜堤1は以下のような消波原理により消波を行
ものである。
<イ>反射波について 本発明は構造全体が水面下に没している潜堤である。
従って、入射波のある程度の透過を前提とした構造であ
るため、上部が水面から露出している防波堤と比較する
と、矢印Bで示される反射波高は常に小さいものとな
る。
即ち、入射波を透過させることによって、反射波を低減
させるものである。
しかし、本発明は透過させた透過波(矢印Cで示す)
を、以下のような原理によって消散させることが可能で
ある。
<ロ>透過波について 透過波ついての消波は、次の二つの原理によって二重に
行われる。
(1)強制砕波による消波 潜堤1に到達した入射波のエネルギーの一部は、上記の
ように反射波により沖側に反射するが、残りのエネルギ
ーは潜堤1の上部を越えて岸側に透過波として伝達され
る。
天板11は岸側に向かって上方に傾斜しており、波のエネ
ルギーを集中させることができる構造である。
エネルギー集中させられた波は、安定した形状を保持で
きなくなり、強制的に砕波される。
天板11上の突起13などの表面粗度によっては、砕波をさ
らに促進することができる。
このように強制砕波の原理によって波はエネルギーを消
散するため、岸側に伝達されるエネルギーは、潜堤1上
に乗り上げた波のエネルギーより減少する。
即ち透過波高を減少させることができる。
(2)水塊流入口による消波 一般に入射波が潜堤1で砕波された後には、潜堤1の最
後部で水塊Wとなって落下するが、これによって岸側に
新たな波が発生し、透過波高を増大させ、消波効果を低
下させる原因になる。
そこで本発明の潜堤1は、第2図に示すように、この水
塊Wの一部を水塊流入口12によって取り込み、潜堤1内
を通過させて、矢印Dで示す返還流として返流口15から
沖側に返流できるよう構成した。
そのため、岸側に落下する水塊Wによる新たな波の発生
を緩和させることができる。
即ち、岸側への伝達エネルギーを削減し、前述の砕波に
よる効果と併せて、さらに透過波高を減少させることが
できる訳である。
なお第3図には、潜堤1の模型を用いて行った、消波効
果を得るための実験結果を示す。
これによると、矢印E付近においては、消波の対象とす
る波の波長の4分の1程度の潜堤1の幅で、岸側に伝達
される透過波高を入射波高の60%以下に、また、沖側に
反射される反射波高を入射波高の40%以下に低減できる
ことが分かる。
<本発明の効果> 本発明は以上説明したようになるので、次のような効果
を期待することができる。
<イ>一般に従来の潜堤では、入射波が潜堤で砕波され
た後、潜堤の最後部で水塊となって落下するが、これに
よって岸側に新たな波が発生し、透過波高を増大させ、
消波効果を低下させる原因になる。
しかし本発明の潜堤は、水塊の一部を天板に開設した水
塊流入口によって取り込み、潜堤内を通過させ、側板に
開設した返流口から沖側に返流できるよう構成した。
即ち、岸側に落下する水塊による新たな波の発生を緩和
させることができるため、岸側へ波の伝達エネルギーを
削減し、透過波高を減少させることができる。
従って、消波効果を向上させることができる。
<ロ>潜堤に到達した入射波のエネルギーの一部は、反
射波により沖側に反射するが、残りのエネルギーは潜堤
の上部を越えて岸側に透過波として伝達される。
本発明の天板は岸側に向かって上方に傾斜しており、波
のエネルギーを集中させることができる構造である。
即ち、エネルギーを集中させられた波は、安定した形状
を保持できなくなり、強制的に砕波される。
そのため、波のエネルギーを消散することができ、岸側
に伝達されるエネルギーを潜堤上に乗り上げた波のエネ
ルギーよりも減少することができる。
従って、透過波高を減少させて、消波効果を向上させる
ことができる。
<ハ>天板上に設けた突起などの表面粗度によっては、
砕波をさらに促進させて、消波効果を向上させることが
できる。
<ニ>本発明は構造全体が水面下に没している潜堤であ
る。
そのため、上部が水面から露出している防波堤と比較す
ると、沖側への波の反射波高は非常に小さいものとな
る。
従って、従来の防波堤のように反射波による重複波が生
じることがないため、付近を航行する船舶に悪影響を及
ぼすことがない。
<ホ>従来の潜堤では、水深の深いところでは潜堤の天
端の没水深が深くなるため、消波効果を低下させる原因
となる。
しかし本発明の潜堤において、透過波及び反射波を効果
的に消波することができる。
そのため、潜堤の天端の没水深が深くなっても、消波効
果を十分に得ることができる。
<ヘ>本発明の潜堤は波の透過率及び反射率が低いた
め、従来、消波が困難であった長周期の波に対しても、
高い消波効果を得ることができる。
<ト>板体からなる箱型の潜堤を用いるため、潜堤の構
造は小断面で済む。
従って、大水深域に潜堤を設置する場合においても、経
済的に施工することができる。
<チ>構造全体が水面下に没する潜堤であるため、沿岸
付近の景観を損なわない。
<リ>入射波を潜堤の岸側に透過させるため、潜堤の岸
側に新鮮な海水が絶えず流入する。
従って、岸側の水質保全が行われる。
<ヌ>砕波によって消波するため、エアレーション効果
が促進され、岸側の水質浄化が行われる。
<ル>潜堤の模型を用いて行った、消波効果を得るため
の実験結果によると、消波の対象とする波の波長の4分
の1程度の潜堤の幅で、岸側に伝達される透過波高を入
射波高の60%以下に、また、沖側に反射される反射波高
を入射波高の40%以下に低減できることが分かる。
そのため、小規模な潜堤によって十分な消波効果を得る
ことができる。
従って、経済的に消波を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図:本発明の潜堤の切断斜視図 第2図:本発明の潜堤の切断側面図 第3図:実験結果を示す表
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 999999999 株式会社間組 東京都港区北青山2丁目5番8号 (72)発明者 宇多 高明 茨城県新治郡桜村吾妻1−405−101 (72)発明者 村井 禎美 茨城県筑波郡谷田部町春日1−205−202 (72)発明者 田中 剛 東京都武蔵野市吉祥寺北町3−7−3 (72)発明者 勝井 秀博 神奈川県横浜市港北区下田町6―31 (72)発明者 中塚 健司 神奈川県横浜市旭区白根町452−18 (56)参考文献 実開 昭55−110520(JP,U)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】沿岸の水面下に没して配置される中空の箱
    体の潜堤において、 該箱体の天板は、沖側に向けて下方に傾斜し、岸側の後
    部のみに開口部が設けられ、 該天板全体が水面下に配置され、 該箱体の沖側の側板は、開口部が設けられ、 該箱体の岸側の側板は、岸側側面を遮蔽し、 該箱体の底板は、該側板の各下辺と連結したことを特徴
    とする、 潜堤。
  2. 【請求項2】沿岸の水面下に没して配置される中空の箱
    体の潜堤において、 該箱体の天板は、沖側に向けて下方に傾斜し、岸側の後
    部のみに開口部が設けられ、該開口部を除いた上面に突
    起が配置され、 該天板全体が水面下に配置され、 該箱体の沖側の側板は、開口部が設けられ、 該箱体の岸側の側板は、岸側側面を遮蔽し、 該箱体の底板は、該側板の各下辺と連結したことを特徴
    とする、 潜堤
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