JPH0758164B2 - 走査型トンネル顕微鏡の微動機構 - Google Patents

走査型トンネル顕微鏡の微動機構

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JPH0758164B2
JPH0758164B2 JP63098230A JP9823088A JPH0758164B2 JP H0758164 B2 JPH0758164 B2 JP H0758164B2 JP 63098230 A JP63098230 A JP 63098230A JP 9823088 A JP9823088 A JP 9823088A JP H0758164 B2 JPH0758164 B2 JP H0758164B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、走査型トンネル顕微鏡(以下、STMと記
す)の微動機構に係り、特に円筒形の圧電素子を用いた
三次元微動機構に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、STMは一対の粗動機構と微動機構とを備えてお
り、例えば観察すべき試料が粗動機構に保持される一
方、探針が微動機構に設けられている。そして、まず粗
動機構により試料面を探針の先端部近傍に接近させた
後、試料と探針との間に電圧を印加しつつこれらの間に
所定の大きさのトンネル電流が流れるまで、微動機構を
用いて探針をさらに試料面に接近させる。次に、微動機
構により探針を試料面に沿って走査し、このときのトン
ネル電流の変化を利用して試料表面の凹凸形状が原子尺
度で求められる。
従来、このようなSTMの微動機構としては、 G.Binnig and D.P.E.Smith:Rev.Sci.Instrum.,Vol.57
pp1688−1689(1986)及び K.Besocke:Sarface Science.,Vol.181 pp145−153(1
987) に開示されているような円筒形の圧電素子を用いたもの
が知られている。
これらの微動機構では、圧電素子からなる円筒の一端が
微動機構本体に機械的に固定され、その円筒の他端側に
探針が取り付けられている。また、円筒の内壁及び外壁
上にはそれぞれ電極が設けられている。そして、これら
の電極に電圧を印加すると、圧電素子に歪が生じ、これ
により探針の微動がなされる。
また、探針には取り出し導線が接続されており、探針と
試料との間に流れるトンネル電流はこの取り出し導線に
より取り出され、測定装置で測定される。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、トンネル電流は極めて微弱なものである
ため、取り出し導線内を流れる際に、圧電素子の電極に
印加した電圧の変化の影響及び微動機構外部からの電気
的雑音の影響を受け易く、従来の微動機構はトンネル電
流を正確に取り出すことが困難であるという問題点を有
していた。
この発明はこのような問題点を解消するためになされた
もので、圧電素子の電極に印加した電圧の変化の影響や
微動機構外部からの電気的雑音の影響を低減し、トンネ
ル電流を正確に取り出すことのできるSTMの微動機構を
得ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係るSTMの微動機構は、機構本体と、 円筒形に形成され、その一端が前記機構本体に固定され
た圧電素子と、 前記圧電素子の内壁上及び外壁上にそれぞれ設けられた
電極と、 前記圧電素子の他端側において前記圧電素子の中心軸方
向外方へ延出して設けられた探針と、 前記圧電素子の中心軸上に設けられると共に、一端は前
記圧電素子内から前記探針に電気的に接続され、他端は
前記圧電素子の前記機構本体との固定側を通って前記圧
電素子の外方へ延出する導電手段と 前記導電手段の外周部に設けられ、前記導電手段を電気
的にシールドするシールド手段と を備えたものである。
〔作用〕
この発明においては、探針に接続された導電手段が円筒
形の圧電素子内で且つこの円筒の中心軸上を通って微動
機構外に動かれると共に、この動電手段の外周部に形成
されたシールド手段によって動電手段は電気的にシール
ドされる。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第1図はこの発明にかかるSTMの微動機構の第1実施例
を示す断面図である。平板状の機構本体(以下、本体と
記す)(1)の上に、円筒Cを形成する圧電素子(2)
の一端部(2a)がエポキシ樹脂等の接着剤により固定さ
れ、この圧電素子(2)の内壁及び外壁上に電極(3)
が形成されている。
ここで、電極(3)は銀あるいはニッケルから形成さ
れ、第2図に示すように、円筒Cの外周部に設けられる
と共に周に沿って四分割された電極(3x+)、(3x-)、
(3y+)及び(3y-)と、円筒Cの内周全面に設けられた
電極(3z)とから構成されている。第2図において、電
極(3x+)と(3x-)は互いにX軸上で対向し、電極(3y
+)と(3y-)は互いにY軸上で対向している。これらの
電極(3x+)、(3x-)、(3y+)、(3y-)及び(3z)に
はそれぞれリード線(31)〜(35)が接続されている。
また、圧電素子(2)は例えばチタン酸ジルコン酸鉛
(Pb(Zr−Ti)O3)から形成され、円筒Cの側面の法線
方向を電界方向、円筒Cの中心軸(Z軸)方向を歪方向
として分極処理が施されている。
第1図及び第3図に示すように、円筒形の圧電素子
(2)の他端部(2b)には円盤形状の探針保持部材
(4)が嵌合され、これにより円筒Cが閉じられてい
る。探針保持部材(4)は、セラミック等の電気的絶縁
体を主材料としており、エポキシ樹脂等の接着剤により
円筒Cの内壁に電気絶縁して固定されている。また、探
針保持部材(4)は円筒Cの中心軸(Z軸)上に貫通孔
(4a)を有しており、この貫通孔(4a)に探針(5)が
挿入されている。さらに、探針保持部材(4)はその周
縁に近い部分にも貫通孔(4b)を有し、円筒Cの内壁上
の電極(3z)に接続されたリード線(35)がこの貫通孔
(4b)を通って円筒C外部に引き出されている。
探針(5)は、例えば直径0.25mmのタングステン(W)
あるいは白金・イリジウム(Pt−Ir)合金からなるワイ
ヤの先端を機械加工でとがらせたものであり、この探針
(5)の先端部が探針保持部材(4)からZ軸方向に延
出している。一方、探針(5)の後端部は貫通孔(4a)
を通って円筒C内部にわずかに突出しており、ここに導
電手段として銅からなる導線(6)の一端が電気的に接
続されている。この導線(6)は円筒Cの中心軸(Z
軸)上に配置され、その他端は本体(1)に設けられた
貫通孔(1a)を通って円筒C外部へ導かれている。
導線(6)の外周部にはシールド手段(7)が形成され
ている。シールド手段(7)は、導線(6)の外周部を
囲繞するポリエチレン等の絶縁体(7a)と、この絶縁体
(7a)の外周部に設けられ軟銅線の偏組からなる外部導
体(7b)とを有している。このシールド手段(7)は、
導線(6)と共に本体(1)の貫通孔(1a)を通って円
筒C外部へ導かれている。尚、外部導体(7b)は円筒C
外部にて接地されている。
圧電素子(2)の本体(1)との固定端部(2a)には円
盤形状の導線保持部材(8)が嵌合されている。導線保
持部材(8)は、セラミック等の電気的絶縁体を主材料
としており、エポキシ樹脂等の接着剤により円筒Cの内
壁に電気絶縁して固定されると共に本体(1)上に固定
されている。また、導線保持部材(8)は円筒Cの中心
軸(Z軸)上に貫通孔(8a)を有しており、この貫通孔
(8a)に導線(6)及びシールド手段(7)が挿入され
固定されている。
尚、本体(1)は、例えばインバール(INVAR、Fe64%
−Ni36%)のように、電気的良導体で且つ熱膨張係数の
小さい材質から形成することが望ましい。
上述したように、圧電素子(2)は円筒Cの側面の法線
方向を電界方向、円筒Cの中心軸(Z軸)方向を歪方向
として分極処理が施されているので、円筒C外周部の四
つの電極(3x+)、(3x-)、(3y+)及び(3y-)を接地
して0電位とすると共に円筒C内周部の電極(3z)に電
圧±Vを印加すると、圧電素子(2)はZ軸方向に δ=±d×(L/W)×V の変位で伸縮する。ただし、dは圧電素子(2)の圧電
歪定数、Lは円筒Cの長さ、Wは円筒Cの肉厚である。
また、円筒C外周部の一対の電極(3x+)及び(3x-)と
円筒C内周部の電極(3z)とを接地すると共に円筒C外
周部の一対の電極(3y+)及び(3y-)に互いに逆極性の
電圧±Vを印加すると、電極(3y+)と電極(3z)との
間及び電極(3y-)と電極(3z)との間に位置する圧電
材料がZ軸方向において互いに逆向きに伸縮するので、
円筒CはY−Z面内で湾曲することになる。
同様に、電極(3y+)、(3y-)及び(3z)を接地すると
共に一対の電極(3x+)及び(3x-)に互いに逆極性の電
圧±Vを印加すると、今度は円筒CはX−Z面内で湾曲
する。
従って、電極(3)に印加する電圧を調節することによ
り、圧電素子(2)の他端部(2b)側に取り付けられた
探針(5)を三次元走査させることができる。
次に、この第1実施例の微動機構に粗動機構を組み合わ
せて構成したSTMの構造例を第4図に示す。
微動機構の板状の本体(1)に平行で且つ対向して粗動
機構固定部(11)が配置され、これら本体(1)及び粗
動機構固定部(11)が連結部(12)により連結され一体
化されている。微動機構の圧電素子(2)は、粗動機構
固定部(11)側に向けて本体(1)上に固定されてい
る。粗動機構固定部(11)には、粗動機構として差動マ
イクロメータ(13)がその作動部を微動機構の探針
(5)に向けて配置されている。さらに差動マイクロメ
ータ(13)の作動部に試料(14)が取り付けられてお
り、探針(5)の先端部に対向している。
尚、粗動機構固定部(11)及び連結部(12)は微動機構
の本体(1)と同様にインバール等の電気的良導体から
形成され、差動マイクロメータ(13)も金属等の導体か
ら形成されている。また、差動マイクロメータ(13)と
粗動機構固定部(11)とは互いに接触することにより電
気的に接続されている。その結果、微動機構の本体
(1)は試料(14)に電気的に接続されている。
また、電極(3)に接続された各リード線(31)〜(3
5)は図示しない電圧印加装置に接続され、本体(1)
及び導線(6)はそれぞれ図示しないトンネル電流測定
装置に電気的に接続されている。
この実施例の動作を以下に述べる。
まず、本体(1)及びシールド手段(7)の外部導体
(7b)を接地する。このとき、探針(5)及び導線
(6)は、探針保持部材(4)及びシールド手段(7)
の絶縁体(7a)によって本体(1)及び試料(14)から
絶縁されている。
次に、差動マイクロメータ(13)により、試料(14)を
探針(5)に接近させ、試料(14)と探針(5)の先端
部との間隔を10nm程度にまで縮める。そして、圧電素子
(2)外周部の電極(3x+)、(3x-)と電極(3y+)、
(3y-)の各対に、接地電位を0とした逆極性で同じ大
きさの一対の三角波電圧をそれぞれ印加し、円筒CをX
−Z面内及びY−Z面内で湾曲させる。これにより、探
針(5)の先端部は試料(14)表面に沿ってXY二次元走
査される。このとき、各電極(3x+)、(3x-)、(3
y+)及び(3y-)は、探針(5)が位置するZ軸に対し
て軸対称に配置されているので、これら各電極に印加さ
れた電圧による探針(5)への静電誘導の影響は小さな
ものとなる。
この状態で、トンネル電流測定装置(図示せず)から本
体(1)と導線(6)の間、すなわち試料(14)と探針
(5)の間に約100mVの直流電圧を印加し、導線(6)
を通してトンネル電流の監視を開始する。
さらに、圧電素子(2)内周部の電極(3z)に直流電圧
Vzを印加し、この電圧Vzの値を徐々に上昇させることに
より、トンネル電流の測定値が設定値(例えば、1nA)
となるまで探針(5)の先端部を試料(14)表面に近づ
ける。
ところで、上述したように電極(3x+)、(3x-)、(3y
+)及び(3y-)への三角波電圧の印加により、探針
(5)の先端部は試料(14)表面に沿ってXY二次元走査
されているので、トンネル電流は一旦設定値となって
も、試料(14)表面の凹凸によってすぐに設定値からず
れてしまう。
そこで、例えば定電流法によるフィードバック法[G.F.
A.van de Walle,J.W.Gerritsen,H.van Kempen,and P.Wy
der:Rev.Sci.Instrum.,Vol.56,pp1573−1576(1985)]
を用いてトンネル電流の制御を行う。この方法では、実
際に測定されたトンネル電流と設定値との差(誤差電
流)に比例した誤差電圧dVzが直流電圧Vzに加えて電極
(3z)に印加され、誤差電流が0となるように探針
(5)のZ軸方向の微調節が行なわれる。このようにす
ることにより、トンネル電流は試料(14)表面の凹凸に
拘わらず常に設定値に保持される。
このとき探針(5)の先端部のXY二次元走査と同期させ
て、直流電圧Vzに付加された誤差電圧dVzを例えばCRT
(図示せず)等で表示すれば、試料(14)表面の原子尺
度の表面観察が可能となる。
尚、トンネル電流を取り出す導線(6)は圧電素子
(2)の円筒C外へ導かれると共にシールド手段(7)
で電気的にシールドされているので、電極(3)に印加
した電圧や探針(5)と試料(14)との間に印加した誤
差電圧dVzの振幅変化及び周波数帯域幅が大きくても、
これらの影響をほとんど受けずに正確にトンネル電流を
測定することができる。
また、圧電素子(2)の円筒Cの一端(2a)がエポキシ
樹脂等の強力な接着剤で本体(1)に固着されているの
で、試料(14)表面の凹凸形状に対応した誤差電圧dVz
は正確に円筒Cの他端(2b)側の探針(5)の機械的変
位に変換される。
本体(1)、粗動機構固定部(11)及び連結部(12)を
インバールのような熱膨張係数の小さい材質から形成す
れば、STMの動作中に周囲温度によって探針(5)の先
端部と試料(14)表面との間隔が変化することが抑えら
れ、安定した表面観察が可能となる。
第5図は微動機構の第2実施例を示している。この実施
例では、探針保持部材(4)の貫通孔(4a)内に金属等
の導体からなる直線状の細管(51)が挿入され、接着剤
(52)で固定されている。細管(51)の先端部は探針保
持部材(4)からZ軸方向に延出し、後端部は探針保持
部材(4)からわずかに円筒C内に突出してハンダ(5
3)により導線(6)の一端に電気接続されている。そ
して、細管(51)内に探針(5)が直脱自在に挿入され
ている。探針(5)と細管(51)とは、互いに機械的に
接触することにより、電気的な接続がなされている。従
って、探針(5)の細管(51)内に挿入される部分を予
め少し曲げておけば、探針(5)の弾力性によって探針
(5)と細管(51)との電気的な接続がより確実なもの
となる。
この第2実施例のような構造とすることにより、使用さ
れて先端の傷ついた探針(5)を容易に新しい探針
(5)に交換することが可能となる。
ここで、この第2実施例における微動機構の各部材の材
質及び寸法等を詳細に述べる。
圧電素子(2)の材料としては、強誘電体のチタン酸鉛
(PbTiO3)と反強誘電体のジルコン酸鉛(PbZrO3)との
固溶体のうち、円筒形圧電素子として周囲環境の変化に
安定で且つ適切な機械的変位の電圧感度が得られるよう
に、キューリ温度、クリープ特性、ヒステリシス特性及
び圧電歪定数を考慮した混合比のものを用いる。また、
圧電素子(2)の寸法は、適切な機械的変位が得られる
よう圧電歪定数と関連させて決定する。例えば、圧電歪
定数d=−300×10-12m/V、キューリ温度約200℃のチタ
ン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr−Ti)O3)を、内径10mm、外
径12mm、厚さ1mm、長さ12mmの円筒形状にして、XYZ各方
向の電圧感度約30Å/V(=3nm/V)で用いる。
電極(3)は、圧電素子(2)の円筒Cの表面上に銀の
焼き付け、あるいはニッケルの無電解メッキのより例え
ば厚さ3μm程度に形成される。円筒C外周部において
四分割された電極(3x+),(3x-),(3y+)及び(3
y-)は例えば互いに間隔1mmを隔てて配置される。各リ
ード線(31)〜(35)は直径0.2mmの銅線からなり、中
性のヤニ入りハンダ(53)を用いて各電極に接続され
る。
探針(5)は直径0.25mmのタングステン(W)や白金・
イリジウム(Pt90%−Ir10%)合金からなるワイヤの先
端を機械加工あるいは電解研摩でとがらせて用いる。
探針保持部材(4)及び導線保持部材(8)は溶融石英
(SiO2)やマコール(MACOR)等のセラミックのような
電気的絶縁物から形成され、接着剤(52)により圧電素
子(2)に固定される。
接着剤(52)としては、例えば液たれを防止するために
揺変性(thixotropic性)を備えたエポキシ樹脂と、芳
香族アミン系の硬化剤とを用いる。
導線(6)は例えば直径0.5mmの軟銅線で、その一端が
中性のヤニ入りハンダ(53)により細管(51)に接続さ
れる。シールド手段(7)は、導線(6)を軸とすると
共にその外周部にポリエチレンあるいは発泡ポリエチレ
ン等からなる絶縁体(7a)を介して軟銅線の編組からな
る外部導体(7b)を設けた同軸構造を有しており、所定
の特性インピーダンスを有している。例えば、厚さ1.25
mm、外径3mmのポリエチレンの絶縁体(7a)と、素線径
0.14mm、持数9×打数16、ピッチ36mm以下の軟銅線の編
組の外部導体(7b)とを用い、特性インピーダンス500
Ωのシールド手段(7)を形成する。このシールド手段
(7)の外部導体(7b)を接地すれば、外部から導線
(6)内への電気的誘導が遮蔽されるので、1nAのよう
な微弱なトンネル電流は外部からの影響をほとんど受け
ずに導線(6)内を流れることになる。また、シールド
手段(7)は一定の特性インピーダンスを有するので、
シールド手段(7)と同じ特性インピーダンスの外部回
路、例えば差動増幅器を導線(6)に接続することによ
り、電気的マッチングをとった接続が容易に形成され
る。
本体(1)は、例えば温度30〜100℃での熱膨張係数が
2×10-6/℃以下のインバール(Fe:64%、Ni:36%)あ
るいは温度30〜100℃での熱膨張係数が1.3×10-6/℃以
下のスーパー・インバール(Fe:63%、Ni:32%、Co:5
%)等を用いる。
この本体(1)上に圧電素子(2)の他端部(2b)及び
導線保持部材(8)が、また本体(1)の貫通孔(1a)
及び導線保持部材(8)の貫通孔(8a)内にシールド手
段(7)がそれぞれ接着剤(52)で強固に取り付けられ
る。
その結果、円筒形の圧電素子(2)は、端部(2a)が自
由端に、本体(1)に取り付けられた他端部(2b)が固
定端になって伸縮及び湾曲することとなる。一般に、原
子尺度の表面観察を行うSTMでは、探針(5)の移動距
離は大きくてもXYZ各方向に1μm以下である。従っ
て、上に例示したような導線(6)及びシールド手段
(7)の有する可撓性により、圧電素子(2)の自由端
側に取り付けられた探針(5)の先端部は三次元走査を
十分に行い得る。
本発明の第3実施例を第6図に示す。
この第3実施例では、圧電素子(2)の表面上に設けら
れている各電極(3)の上に厚さ3〜5μmの絶縁膜
(61)が被覆されている。この絶縁膜(61)は、例えば
ポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethylen
e)のような小さい誘電体力率(周波数106〜107Hzで20
×104以下)、大きい耐熱度(288℃)及び高い固有抵抗
(1018Ωcm以上)を有する絶縁体からなっている。絶縁
膜(61)は圧電素子(2)の外周面上で四分割されてい
る電極(3x+),(3x-),(3y+)及び(3y-)の間の隙
間にも被覆されており、各電極は圧電素子(2)と絶縁
膜(61)とにより周辺の雰囲気から遮断されている。
従って、この第3実施例の微動機構を大気中で使用する
際には、大気の湿気による電極間のリーク電流の発生を
防止することができる。
さらに、シールド手段(7)の絶縁体(7a)もこの絶縁
膜(61)と同様にポリテトラフルオロエチレンのように
小さい誘電体力率、大きい耐熱度及び高い固有抵抗を有
する絶縁物から形成すれば、加熱により容易にガス出し
を行うことができるので、真空中での使用に適した微動
機構が得られる。この場合、円盤形状の探針保持部材
(4)に、これを貫通する通気孔を形成すれば、この通
気孔を通して円筒C内のガス出しを行うことができる。
通気孔としては、例えば第7図に示すように、複数のス
リット(4c)を放射状に形成すればよい。このとき、探
針保持部材(4)にリード線(35)を通すための貫通孔
(4b)を設ける必要はなく、リード線(35)を一つのス
リット(4c)に通せばよい。尚、通気孔の形状は何等限
定されるものではなく、スリット(4c)の代わりに多数
の断面円形状の貫通孔を設けてもよい。
また、第8図のように、高周波用同軸コネクタの雌部
(81)を本体(1)にネジ(82)等によって固定するこ
ともできる。このコネクタの雌部(81)は、その中心軸
が円筒Cの中心軸(Z軸)と一致するように配置され、
雌部(81)の中心導体部(81a)に導線(6)の端部が
ハンダ(53)により電気的に接続されている。シールド
手段(7)の外部導体(7b)は本体(1)と雌部(81)
のシェル部(81b)との間に延出され挟持されている。
これにより、外部導体(7b)は雌部(81)のシェル部
(81b)と電気的に接続される。尚、外部導体(7b)と
シェル部(81b)との電気的な接続はハンダを用いて行
ってもよい。
このようにして本体(1)に同軸コネクタの雌部(81)
を取り付ける一方で、この同軸コネクタの雄部を差動増
幅器のような外部回路に接続しておけば、これら雌部
(81)と雄部とを用いることにより微動機構と外部回路
との接続が簡単且つ確実なものとなる。尚、使用する同
軸コネクタは、シールド手段(7)と同じ特性インピー
ダンスを有していることが望ましい。また、同軸コネク
タの雌部(81)の代わりに高周波用同軸コネクタの雄部
を本体(1)に固定し、これを導線(6)及び外部導体
(7b)に接続してもよいことは言うまでもない。
また、第9図に示すように、本体(1)上に接着剤(5
2)で固定された圧電素子(2)の端部(2a)の外周部
に固定リング(91)を設ければ、円筒Cをより強固に本
体(1)に取り付けることができる。固定リング(91)
は導線保持部材(8)と同じ厚さの環状リングで、例え
ばインバールやスーパーインバールのような熱膨張係数
の小さい材質から形成され、圧電素子(2)の端部(2
a)の外周部と本体(1)上に接着剤(52)により固定
される。
〔発明の効果〕
以上説明したようにこの発明にかかるSTMの微動機構
は、機構本体と、円筒形に形成され、その一端が前記機
構本体に固定された圧電素子と、前記圧電素子の内壁上
及び外壁上にそれぞれ設けられた電極と、前記圧電素子
の他端側において前記圧電素子の中心軸方向外方へ延出
して設けられた探針と、前記圧電素子の中心軸上に設け
られると共に、一端は前記圧電素子内から前記探針に電
気的に接続され、他端は前記圧電素子の前記機構本体と
の固定側を通って前記圧電素子の外方へ延出する導電手
段と、該導電手段の外周部に設けられ、前記導電手段を
電気的にシールドするシールド手段とを備えているの
で、圧電素子の電極に印加した電圧の変化や微動機構外
部からの電気的雑音に影響されずに、正確にトンネル電
流を取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1実施例に係るSTMの微動機構を
示す断面図、第2図は第1実施例の圧電素子及び電極を
示す斜視図、第3図は第1実施例の一部破断概略図、第
4図は第1実施例を用いて構成したSTMの斜視図、第5
図はこの発明の第2実施例を示す断面図、第6図は第3
実施例を示す断面図、第7図は第3実施例の変形例を示
す要部斜視図、第8図は第4実施例を示す要部断面図、
第9図は第5実施例を示す要部断面図である。 図において、(1)は機構本体、(2)は圧電素子、
(3)は電極、(5)は探針、(6)は導線、(7)は
シールド手段である。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機構本体と、 円筒形に形成され、その一端が前記機構本体に固定され
    た圧電素子と、 前記圧電素子の内壁上及び外壁上にそれぞれ設けられた
    電極と、 前記圧電素子の他端側において前記圧電素子の中心軸方
    向外方へ延出して設けられた探針と、 前記圧電素子の中心軸上に設けられると共に、一端は前
    記圧電素子内から前記探針に電気的に接続され、他端は
    前記圧電素子の前記機構本体との固定側を通って前記圧
    電素子の外方へ延出する導電手段と 前記導電手段の外周部に設けられ、前記導電手段を電気
    的にシールドするシールド手段と を備えたことを特徴とする走査型トンネル顕微鏡の微動
    機構。
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