JPH075935B2 - 耐摩耗性摺動部材の製造方法 - Google Patents
耐摩耗性摺動部材の製造方法Info
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- JPH075935B2 JPH075935B2 JP15639586A JP15639586A JPH075935B2 JP H075935 B2 JPH075935 B2 JP H075935B2 JP 15639586 A JP15639586 A JP 15639586A JP 15639586 A JP15639586 A JP 15639586A JP H075935 B2 JPH075935 B2 JP H075935B2
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Description
【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、内燃機関用カムシャフト等の耐摩耗性摺動部
材の製造方法に関する。
材の製造方法に関する。
(2) 従来の技術 従来、この種部材を製造する場合、耐摩耗性を有する焼
結性金属粉末および合成樹脂バインダよりなる金属粉末
シートを、金属製母材の摺動部形成領域に接着剤を介し
て、またはシート表面を溶剤により溶解して接着し、次
いで金属粉末に焼結処理を施すことが行われている。
結性金属粉末および合成樹脂バインダよりなる金属粉末
シートを、金属製母材の摺動部形成領域に接着剤を介し
て、またはシート表面を溶剤により溶解して接着し、次
いで金属粉末に焼結処理を施すことが行われている。
(3) 発明が解決しようとする問題点 しかしながら前記焼結体は、その焼結時における溶着作
用でのみ母材に接合されているので、苛酷な摺動条件の
下では接合強度が十分でないという問題がある。
用でのみ母材に接合されているので、苛酷な摺動条件の
下では接合強度が十分でないという問題がある。
また焼結体は、合成樹脂バインダの熱分解に伴い気孔率
が高くなるため、高強度を要求される場合には溶浸処理
を施さなければならず、その処理に応じて製造工数およ
び熱エネルギ消費量の増加を来たすという問題もある。
が高くなるため、高強度を要求される場合には溶浸処理
を施さなければならず、その処理に応じて製造工数およ
び熱エネルギ消費量の増加を来たすという問題もある。
さらに金属粉末シートおよび母材の昇温に伴い接着剤等
による接着機能が低下するため、母材の下面、側面等に
金属粉末シートを接着せざるを得ないような場合には金
属粉末シートがその重量によって母材から剥離するおそ
れがある。
による接着機能が低下するため、母材の下面、側面等に
金属粉末シートを接着せざるを得ないような場合には金
属粉末シートがその重量によって母材から剥離するおそ
れがある。
本発明は前記に鑑み、焼結工程においてろう材による溶
浸処理を同時に行うことにより、母材に対する焼結体の
接合強度を向上させると共に製造工数の低減および省エ
ネルギ化を図り、また金属粉末シートの接着位置が母材
の下面、側面等であっても、そのシートを焼結工程にお
いて母材に確実に保持し得るようにした前記製造方法を
提供することを目的とする。
浸処理を同時に行うことにより、母材に対する焼結体の
接合強度を向上させると共に製造工数の低減および省エ
ネルギ化を図り、また金属粉末シートの接着位置が母材
の下面、側面等であっても、そのシートを焼結工程にお
いて母材に確実に保持し得るようにした前記製造方法を
提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1) 問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明は、耐摩耗性を有する
焼結性金属粉末および合成樹脂バインダよりなる金属粉
末シートの表面に、ろう材粉末および合成樹脂バインダ
よりなるろう材粉末シートの裏面を接着し、次いでその
金属粉末シート裏面を金属製母材の摺動部形成領域表面
に接着して、該摺動部形成領域表面に前記両粉末シート
よりなる複合シート層を形成する工程と;焼結工程にお
ける前記金属粉末および溶融した前記ろう材に対して非
溶着性であり、また通気性および耐熱性を持ち、さらに
フラックスとして機能するバックアップ体を、前記複合
シート層の外部への露出面と前記母材表面の前記摺動部
形成領域周辺部とに、その両者間に跨がるよう連続的に
被着して、該バックアップ体により該複合シート層の両
粉末シートを前記母材に保持させる工程と;前記金属粉
末を前記ろう材粉末の融点以上の温度で焼結する工程
と;を用いることを第1の特徴としており、また、金属
製母材の摺動部形成領域表面に、耐摩耗性を有する焼結
性金属粉末および合成樹脂バインダよりなる金属粉末シ
ートの裏面を接着し、次いでその金属粉末シート表面に
ろう材粉末および合成樹脂バインダよりなるろう材粉末
シートの裏面を接着して、前記摺動部形成領域表面に前
記両粉末シートよりなる複合シート層を形成する工程
と;焼結工程における前記金属粉末および溶融した前記
ろう材に対して非溶着性であり、また通気性および耐熱
性を持ち、さらにフラックスとして機能するバックアッ
プ体を、前記複合シート層の外部への露出面と前記母材
表面の前記摺動部形成領域周辺部とに、その両者間に跨
がるよう連続的に被着して、該バックアップ体により該
複合シート層の両粉末シートを前記母材に保持させる工
程と;前記金属粉末を前記ろう材粉末の融点以上の温度
で焼結する工程と;を用いることを第2の特徴としてい
る。
焼結性金属粉末および合成樹脂バインダよりなる金属粉
末シートの表面に、ろう材粉末および合成樹脂バインダ
よりなるろう材粉末シートの裏面を接着し、次いでその
金属粉末シート裏面を金属製母材の摺動部形成領域表面
に接着して、該摺動部形成領域表面に前記両粉末シート
よりなる複合シート層を形成する工程と;焼結工程にお
ける前記金属粉末および溶融した前記ろう材に対して非
溶着性であり、また通気性および耐熱性を持ち、さらに
フラックスとして機能するバックアップ体を、前記複合
シート層の外部への露出面と前記母材表面の前記摺動部
形成領域周辺部とに、その両者間に跨がるよう連続的に
被着して、該バックアップ体により該複合シート層の両
粉末シートを前記母材に保持させる工程と;前記金属粉
末を前記ろう材粉末の融点以上の温度で焼結する工程
と;を用いることを第1の特徴としており、また、金属
製母材の摺動部形成領域表面に、耐摩耗性を有する焼結
性金属粉末および合成樹脂バインダよりなる金属粉末シ
ートの裏面を接着し、次いでその金属粉末シート表面に
ろう材粉末および合成樹脂バインダよりなるろう材粉末
シートの裏面を接着して、前記摺動部形成領域表面に前
記両粉末シートよりなる複合シート層を形成する工程
と;焼結工程における前記金属粉末および溶融した前記
ろう材に対して非溶着性であり、また通気性および耐熱
性を持ち、さらにフラックスとして機能するバックアッ
プ体を、前記複合シート層の外部への露出面と前記母材
表面の前記摺動部形成領域周辺部とに、その両者間に跨
がるよう連続的に被着して、該バックアップ体により該
複合シート層の両粉末シートを前記母材に保持させる工
程と;前記金属粉末を前記ろう材粉末の融点以上の温度
で焼結する工程と;を用いることを第2の特徴としてい
る。
(2) 作用 焼結工程では、合成樹脂バインダ、接着剤といった有機
物質が熱分解してガス化し、その生成ガスはバックアッ
プ体の気孔を通じて排出されるので、ガスに起因した欠
陥の無い焼結体が得られる。その焼結体は合成樹脂バイ
ンダの熱分解に伴い気孔率が高くなるが、それらの気孔
には溶融したろう材が毛細管現象により浸入し、これに
より焼結工程において溶浸処理が同時に行われる。
物質が熱分解してガス化し、その生成ガスはバックアッ
プ体の気孔を通じて排出されるので、ガスに起因した欠
陥の無い焼結体が得られる。その焼結体は合成樹脂バイ
ンダの熱分解に伴い気孔率が高くなるが、それらの気孔
には溶融したろう材が毛細管現象により浸入し、これに
より焼結工程において溶浸処理が同時に行われる。
焼結と同時に焼結体は母材に溶着され、またろう材が母
材に対する接合媒体となるので、焼結体と母材間の接合
強度が高くなる。
材に対する接合媒体となるので、焼結体と母材間の接合
強度が高くなる。
この焼結工程では、バックアップ体の一部が溶融すると
共に、その溶融物が焼結体の気孔を通じ、また直接的に
母材と焼結体間の微小間隙に浸入するので、その溶融物
のフラックスとしての機能により、母材表面が浄化され
ると共に溶融したろう材の表面張力の低下および流動性
の向上が図られ、これにより母材に対する焼結体のろう
接および焼結体に対する溶浸処理が確実に行われる。
共に、その溶融物が焼結体の気孔を通じ、また直接的に
母材と焼結体間の微小間隙に浸入するので、その溶融物
のフラックスとしての機能により、母材表面が浄化され
ると共に溶融したろう材の表面張力の低下および流動性
の向上が図られ、これにより母材に対する焼結体のろう
接および焼結体に対する溶浸処理が確実に行われる。
さらに、母材の摺動部形成領域表面に形成された複合シ
ート層を構成する金属粉末シート及びろう材粉末シート
は、バックアップ体により母材に強固に保持されるの
で、それら粉末シートの支持がそれらの接着部位の如何
によらず安定し、そのため、それら粉末シートが焼結工
程で母材から妄りに剥離する虞れはない。
ート層を構成する金属粉末シート及びろう材粉末シート
は、バックアップ体により母材に強固に保持されるの
で、それら粉末シートの支持がそれらの接着部位の如何
によらず安定し、そのため、それら粉末シートが焼結工
程で母材から妄りに剥離する虞れはない。
(3) 実施例 第1〜第3図は耐摩耗性摺動部材としての内燃機関用カ
ムシャフト1を示し、その金属製母材としてのカムシャ
フト本体2は、所定の間隔を以て配列された断面卵形を
なす複数のカム構成部3を有する。各カム構成部3のカ
ム面部分3bの外周面はベース面部分3aよりも所定高さ落
ち込むように段差を付されており、その摺動部形成領域
としての段差部分4に耐摩耗性を有する金属製焼結体S
が固着される。この焼結体Sとカム構成部3によりカム
5が構成され、また焼結体Sによりカム5の摺動部であ
るカムノーズ外周部5aが構成される。
ムシャフト1を示し、その金属製母材としてのカムシャ
フト本体2は、所定の間隔を以て配列された断面卵形を
なす複数のカム構成部3を有する。各カム構成部3のカ
ム面部分3bの外周面はベース面部分3aよりも所定高さ落
ち込むように段差を付されており、その摺動部形成領域
としての段差部分4に耐摩耗性を有する金属製焼結体S
が固着される。この焼結体Sとカム構成部3によりカム
5が構成され、また焼結体Sによりカム5の摺動部であ
るカムノーズ外周部5aが構成される。
カムシャフト本体2は、鋳鉄(例えばJIS FC25、FC30
等)、鋳鋼(例えばJIS SC46)等より構成される。
等)、鋳鋼(例えばJIS SC46)等より構成される。
前記焼結体Sは、耐摩耗性を有する焼結性金属粉末およ
び合成樹脂バインダよりなる金属粉末シートより得ら
れ、またろう材により溶浸処理を施されており、そのろ
う材はカムシャフト本体2に対する焼結体Sの接合媒体
としても機能している。
び合成樹脂バインダよりなる金属粉末シートより得ら
れ、またろう材により溶浸処理を施されており、そのろ
う材はカムシャフト本体2に対する焼結体Sの接合媒体
としても機能している。
次に、前記カムシャフト1の製造方法について説明す
る。
る。
金属粉末シートは以下の工程を経て製造される。
耐摩耗性を有する焼結性金属粉末として、 直径5μmのWC粉末………50重量% 直径15μmのCr3C2粉末………40重量% 直径35μmのMo粉末………5重量% 直径10μmのWS2粉末………5重量% をV−ブレンダにより30分間混合する。次いで、合成樹
脂バインダとして、四フッ化エチレン樹脂エマルジョン
およびアクリル樹脂エマルジョンを1:1に混合したもの
を用意し、この合成樹脂バインダを前記金属粉末に対し
3重量%添加してそれらをニーダにより5分間混練す
る。そして混練物を100℃で30分間乾燥した後、ロール
機に通して厚さ2mmの金属粉末シートを得る。
脂バインダとして、四フッ化エチレン樹脂エマルジョン
およびアクリル樹脂エマルジョンを1:1に混合したもの
を用意し、この合成樹脂バインダを前記金属粉末に対し
3重量%添加してそれらをニーダにより5分間混練す
る。そして混練物を100℃で30分間乾燥した後、ロール
機に通して厚さ2mmの金属粉末シートを得る。
ろう材粉末シートは以下の工程を経て製造される。
ろう材粉末としての直径30μmのNi自溶性合金粉末に対
し前記合成樹脂バインダを3重量%添加してそれらをニ
ーダにより5分間混練する。そして混練物を100℃で30
分間乾燥した後、ロール機に通して厚さ5mmのろう材粉
末シートを得る。
し前記合成樹脂バインダを3重量%添加してそれらをニ
ーダにより5分間混練する。そして混練物を100℃で30
分間乾燥した後、ロール機に通して厚さ5mmのろう材粉
末シートを得る。
カムシャフト本体2は、前記形状を持つように鋳鉄(JI
S FC30)より構成される。
S FC30)より構成される。
この実施例では、第4図に示すように幅15mm、長さ60mm
の金属粉末シートS1の表面中央部にその長手方向に沿っ
て幅5mm、長さ60mmのろう材粉末シートS2の裏面をアク
リル樹脂接着剤により接着して複合シートを形成し、次
いでその複合シートの金属粉末シートS1裏面をカム構成
部3の段差部分4表面にアクリル樹脂接着剤により接着
して、両粉末シートS1,S2よりなる複合シート層S′を
該段差部分4表面に形成する。尚、このように金属粉末
シートS1をカム構成部3に接着する前に予め両粉末シー
トS1,S2間を接着して複合シートを形成するようにすれ
ば、両粉末シートS1,S2のカム構成部3へのセット作業
を一挙に行い得る利点がある。
の金属粉末シートS1の表面中央部にその長手方向に沿っ
て幅5mm、長さ60mmのろう材粉末シートS2の裏面をアク
リル樹脂接着剤により接着して複合シートを形成し、次
いでその複合シートの金属粉末シートS1裏面をカム構成
部3の段差部分4表面にアクリル樹脂接着剤により接着
して、両粉末シートS1,S2よりなる複合シート層S′を
該段差部分4表面に形成する。尚、このように金属粉末
シートS1をカム構成部3に接着する前に予め両粉末シー
トS1,S2間を接着して複合シートを形成するようにすれ
ば、両粉末シートS1,S2のカム構成部3へのセット作業
を一挙に行い得る利点がある。
第5,第6図に明示するように、40重量%の第1リン酸ソ
ーダ、40重量%の第1ケイ酸ソーダおよび20重量%の水
よりなるスラリを、金属粉末シートS1およびろう材粉末
シートS2mの表面および段差部分4の周囲においてカム
構成部3に所定の厚さに塗布し、次いでその塗布膜を自
然乾燥してカム構成部3に接合された、シエル状バック
アップ体6を得る。このバックアップ体6は、焼結工程
における金属粉末および溶融したろう材に対して非溶着
性であり、また通気性および耐熱性を持ち、さらにろう
接に際してフラックスとして機能する。このバックアッ
プ体6は、前記複合シート層S′の外部への露出面全面
とカム構成部3表面の前記段差部分4周辺部とに、その
両者間に跨がるよう連続的に被着されるため、該バック
アップ体6によって、前記複合シート層S′の金属粉末
シートS1およびろう材粉末シートS2をカム構成部3に強
固に保持することができる。
ーダ、40重量%の第1ケイ酸ソーダおよび20重量%の水
よりなるスラリを、金属粉末シートS1およびろう材粉末
シートS2mの表面および段差部分4の周囲においてカム
構成部3に所定の厚さに塗布し、次いでその塗布膜を自
然乾燥してカム構成部3に接合された、シエル状バック
アップ体6を得る。このバックアップ体6は、焼結工程
における金属粉末および溶融したろう材に対して非溶着
性であり、また通気性および耐熱性を持ち、さらにろう
接に際してフラックスとして機能する。このバックアッ
プ体6は、前記複合シート層S′の外部への露出面全面
とカム構成部3表面の前記段差部分4周辺部とに、その
両者間に跨がるよう連続的に被着されるため、該バック
アップ体6によって、前記複合シート層S′の金属粉末
シートS1およびろう材粉末シートS2をカム構成部3に強
固に保持することができる。
カムシャフト本体2は、第5図に示すように直立状態で
真空焼結炉に設置され、第7図の加熱−冷却条件の下に
有機物質の分解、ろう材の溶融および金属粉末の焼結が
行われる。
真空焼結炉に設置され、第7図の加熱−冷却条件の下に
有機物質の分解、ろう材の溶融および金属粉末の焼結が
行われる。
加熱ゾーンAは1次〜3次加熱ゾーンA1〜A3を有する。
(I)1次加熱ゾーン(第7図A1) この加熱ゾーンA1は略650℃であり、加熱時間は30分間
である。この加熱ゾーンA1では先ず水分が蒸発し、次い
で合成樹脂バインダ中の四フッ化エチレン樹脂およびア
クリル樹脂ならびにアクリル樹脂接着剤が分解してガス
化する。生成ガスはバックアップ体6の気孔を通じて外
部に排出される。金属粉末シートS1およびろう材粉末シ
ートS2は、バックアップ体6によりカム構成部3に確実
に保持されているので、アクリル樹脂接着剤の接着機能
が低下しても両シートS1,S2がカム構成部3から剥離し
て落下することがなく、また合成樹脂バインダが分解し
た後も、金属粉末およびろう材粉末はバックアップ体6
内に保持される。
である。この加熱ゾーンA1では先ず水分が蒸発し、次い
で合成樹脂バインダ中の四フッ化エチレン樹脂およびア
クリル樹脂ならびにアクリル樹脂接着剤が分解してガス
化する。生成ガスはバックアップ体6の気孔を通じて外
部に排出される。金属粉末シートS1およびろう材粉末シ
ートS2は、バックアップ体6によりカム構成部3に確実
に保持されているので、アクリル樹脂接着剤の接着機能
が低下しても両シートS1,S2がカム構成部3から剥離し
て落下することがなく、また合成樹脂バインダが分解し
た後も、金属粉末およびろう材粉末はバックアップ体6
内に保持される。
(II)2次加熱ゾーン(第7図A2) この加熱ゾーンA2は略900℃であり、加熱時間は30分間
である。この加熱ゾーンA2では金属粉末が仮焼結され
る。また未分解の有機物質が完全にガス化してバックア
ップ体6内より排出される。
である。この加熱ゾーンA2では金属粉末が仮焼結され
る。また未分解の有機物質が完全にガス化してバックア
ップ体6内より排出される。
(III)3次加熱ゾーン(第7図A3) この加熱ゾーンA3は略1120℃であり、加熱時間は1時間
である。
である。
この加熱ゾーンA3では金属粉末が焼結されて焼結体Sが
得られる。この焼結体Sは合成樹脂バインダの熱分解に
伴い気孔率が高くなっているが、この3次加熱ゾーンA3
ではろう材としてのNi自溶性合金(融点:1075〜1085
℃)が溶融し、その溶融したろう材が焼結体Sの気孔に
毛細管現象により浸入するので、焼結と同時に焼結体S
に溶浸処理が施される。
得られる。この焼結体Sは合成樹脂バインダの熱分解に
伴い気孔率が高くなっているが、この3次加熱ゾーンA3
ではろう材としてのNi自溶性合金(融点:1075〜1085
℃)が溶融し、その溶融したろう材が焼結体Sの気孔に
毛細管現象により浸入するので、焼結と同時に焼結体S
に溶浸処理が施される。
焼結体Sは、その焼結と同時に段差部分4に溶着され、
またろう材が段差部分4に対する接合媒体となるので、
焼結体Sとカム構成部3間の接合強度が高くなる。
またろう材が段差部分4に対する接合媒体となるので、
焼結体Sとカム構成部3間の接合強度が高くなる。
この焼結工程では、バックアップ体6の一部が溶融する
と共にその溶融物が焼結体Sの気孔を通じ、また直接的
に段差部分4と焼結体S間の微小間隙に浸入するので、
その溶融物中のリン酸ソーダのフラックスとしての機能
により、段差部分4表面の酸化物が溶解されてその表面
が浄化されると共に溶融したろう材表面の酸化物が溶解
されてその表面張力が低下し、同時に溶融融物中のケイ
酸ソーダのフラックスとしての機能により溶融したろう
材の流動性の向上が図られ、これにより段差部分4に対
する焼結体Sのろう接および焼結体Sに対する溶浸処理
が確実に行われる。
と共にその溶融物が焼結体Sの気孔を通じ、また直接的
に段差部分4と焼結体S間の微小間隙に浸入するので、
その溶融物中のリン酸ソーダのフラックスとしての機能
により、段差部分4表面の酸化物が溶解されてその表面
が浄化されると共に溶融したろう材表面の酸化物が溶解
されてその表面張力が低下し、同時に溶融融物中のケイ
酸ソーダのフラックスとしての機能により溶融したろう
材の流動性の向上が図られ、これにより段差部分4に対
する焼結体Sのろう接および焼結体Sに対する溶浸処理
が確実に行われる。
(IV)冷却ゾーン(第7図B) この冷却ゾーンBは、700℃までの1次冷却ゾーンB1と
常温までの2次次冷却ゾーンB2とに分けられ、1次冷却
ゾーンB1で炉冷が行われ、2次冷却ゾーンB2では窒素ガ
スを用いたガス冷却が行われる。
常温までの2次次冷却ゾーンB2とに分けられ、1次冷却
ゾーンB1で炉冷が行われ、2次冷却ゾーンB2では窒素ガ
スを用いたガス冷却が行われる。
上記焼結工程を経た後、真空焼結炉よりカムシャフト本
体2を取出し、バックアップ体6をハンマ等で叩くとそ
れは簡単に割れて除去され、また焼結体S、したがって
カムノーズ外周部5aに残置されたろう材はそのカムノー
ズ外周部5aの研削工程で除去される。
体2を取出し、バックアップ体6をハンマ等で叩くとそ
れは簡単に割れて除去され、また焼結体S、したがって
カムノーズ外周部5aに残置されたろう材はそのカムノー
ズ外周部5aの研削工程で除去される。
第8図は前記カムシャフト1における焼結体Sと段差部
分4との接合部の金属組織を示す顕微鏡写真(100倍)
であり、バックアップ体6のフラックス機能により焼結
体Sが段差部分4に対して隙間を生じることなく接合し
ていることが明らかである。
分4との接合部の金属組織を示す顕微鏡写真(100倍)
であり、バックアップ体6のフラックス機能により焼結
体Sが段差部分4に対して隙間を生じることなく接合し
ていることが明らかである。
第9図は、フラックス機能を持たないバックアップ体を
用いた比較例の、焼結体S′の段差部分4′との接合部
における前記同様の顕微鏡写真を示し、焼結体S′と段
差部分4′との間に黒色の微小孔が現出しており、十分
な接合強度が得られないことが明らかである。
用いた比較例の、焼結体S′の段差部分4′との接合部
における前記同様の顕微鏡写真を示し、焼結体S′と段
差部分4′との間に黒色の微小孔が現出しており、十分
な接合強度が得られないことが明らかである。
第10図は、耐摩耗性摺動部材としてのロッカアーム7の
製造方法を示す。その金属製母材としてロッカアーム本
体8は浸炭処理を施した肌焼鋼(JIS SCM420)よりな
り、そのスリッパ面構成体取付部(摺動部形成領域)8a
表面に、厚さ0.5mmの前記実施例と同様にして製造され
た金属粉末シートS1の裏面がアクリル樹脂接着剤により
接着され、次いでその金属粉末シートS1の表面に、該金
属粉末シートS1と体積比が等しい厚さ1mmの、前記実施
例と同様にして製造されたろう材粉末シートS2の裏面が
前記接着剤により接着されて、両粉末シートS1,S2より
なる複合シート層S′が前記スリッパ面構成体取付部の
表面に形成される。
製造方法を示す。その金属製母材としてロッカアーム本
体8は浸炭処理を施した肌焼鋼(JIS SCM420)よりな
り、そのスリッパ面構成体取付部(摺動部形成領域)8a
表面に、厚さ0.5mmの前記実施例と同様にして製造され
た金属粉末シートS1の裏面がアクリル樹脂接着剤により
接着され、次いでその金属粉末シートS1の表面に、該金
属粉末シートS1と体積比が等しい厚さ1mmの、前記実施
例と同様にして製造されたろう材粉末シートS2の裏面が
前記接着剤により接着されて、両粉末シートS1,S2より
なる複合シート層S′が前記スリッパ面構成体取付部の
表面に形成される。
そして前記実施例と同様の手法により形成されたバック
アップ体6が、複合シート層S′の外部への露出面全面
と、ロッカアーム本体8表面の前記スリッパ面構成体取
付部周辺部とに、その両者間に跨がるよう連続的に被着
されるため、前記複合シート層S′の金属粉末シートS1
およびろう材粉末シートS2をロッカアーム本体8に強固
に保持することができる。
アップ体6が、複合シート層S′の外部への露出面全面
と、ロッカアーム本体8表面の前記スリッパ面構成体取
付部周辺部とに、その両者間に跨がるよう連続的に被着
されるため、前記複合シート層S′の金属粉末シートS1
およびろう材粉末シートS2をロッカアーム本体8に強固
に保持することができる。
焼結処理は、両シートS1,S2を横向きにした多数のロッ
カアーム本体8を重ね合わせた状態で行われる。焼結条
件は、第7図の3次加熱ゾーンA3の温度を略1180℃、加
熱時間を30分間とする外は前記と同じである。
カアーム本体8を重ね合わせた状態で行われる。焼結条
件は、第7図の3次加熱ゾーンA3の温度を略1180℃、加
熱時間を30分間とする外は前記と同じである。
このようにして得られた焼結体、したがって摺動部とし
てのスリッパ面構成体はほとんど位置ずれを起こすこと
がなく、また合強度も高いことが判明した。
てのスリッパ面構成体はほとんど位置ずれを起こすこと
がなく、また合強度も高いことが判明した。
前記バックアップ体6の構成材料であるリン酸塩として
は、第1〜第3リン酸ソーダ、第1〜第3リン酸カリウ
ム等のアルカリ金属のリン酸塩単独またはこれらの混合
物が、またケイ酸塩としてはケイ酸ソーダ、ケイ酸カリ
ウム等のアルカリ金属のケイ酸塩単独またはこれらの混
合物が該当する。
は、第1〜第3リン酸ソーダ、第1〜第3リン酸カリウ
ム等のアルカリ金属のリン酸塩単独またはこれらの混合
物が、またケイ酸塩としてはケイ酸ソーダ、ケイ酸カリ
ウム等のアルカリ金属のケイ酸塩単独またはこれらの混
合物が該当する。
リン酸塩の配合割合は20〜80重量%、ケイ酸塩の配合割
合は80〜20重量%が最適である。リン酸塩の配合割合が
20重量%を下回るとフラックスとしての機能が低下し、
一方80重量%を上回ると、両塩の溶融物の流動性が悪化
する。
合は80〜20重量%が最適である。リン酸塩の配合割合が
20重量%を下回るとフラックスとしての機能が低下し、
一方80重量%を上回ると、両塩の溶融物の流動性が悪化
する。
なお、ろう材としては、Ag系,Cu系等の一般的なものも
使用可能である。また本発明はカムシャフト、ロッカア
ーム以外の摺動部材の製造にも適用される。
使用可能である。また本発明はカムシャフト、ロッカア
ーム以外の摺動部材の製造にも適用される。
C.発明の効果 本発明によれば、焼結工程において焼結体にろう材によ
る溶浸処理を施すことができるので、焼結工程後溶浸処
理を行う場合に比べて摺動部材の製造工数を低減し、ま
た省エネルギ化を図ることができる。
る溶浸処理を施すことができるので、焼結工程後溶浸処
理を行う場合に比べて摺動部材の製造工数を低減し、ま
た省エネルギ化を図ることができる。
さらにろう材は、母材に対する焼結体の接合媒体として
も機能するので、母材への焼結体の溶着と相俟って焼結
体と母材間の接合強度を高くすることができる。またバ
ックアップ体のフラックスとしての機能により前記溶浸
処理およびろう接を確実に行うことができる。
も機能するので、母材への焼結体の溶着と相俟って焼結
体と母材間の接合強度を高くすることができる。またバ
ックアップ体のフラックスとしての機能により前記溶浸
処理およびろう接を確実に行うことができる。
更にまた母材の摺動部形成領域表面に形成される複合シ
ート層を構成する金属粉末シート及びろう材粉末シート
は、バックアップ体により母材に強固に保持されるの
で、それら粉末シートの支持がそれらの接着部位の如何
によらず安定し、従ってそれら粉末シートが焼結工程で
母材から妄りに剥離するような心配はない。
ート層を構成する金属粉末シート及びろう材粉末シート
は、バックアップ体により母材に強固に保持されるの
で、それら粉末シートの支持がそれらの接着部位の如何
によらず安定し、従ってそれら粉末シートが焼結工程で
母材から妄りに剥離するような心配はない。
第1図はカムシャフトの正面図、第2図は第1図II−II
線断面図、第3図はカムシャフトの要部斜視図、第4図
はカムシャフト本体に金属粉末シートおよびろう材粉末
シートを接着した状態の要部斜視図、第5図はカムシャ
フト本体に金属粉末シートおよびろう材粉末シートを接
着し、それらの上にバックアップ体を設けた状態の立面
図、第6図は第5図VI−VI線断面図、第7図は焼結工程
における温度と時間の関係を示すグラフ、第8図は本発
明により得られたカムシャフトの段差部分と焼結体との
接合部における金属組織を示す顕微鏡写真、第9図は比
較例の第8図と同様の顕微鏡写真、第10図はロッカアー
ムの製造を示す要部破断正面図である。 S1……金属粉末シート、S2……ろう材粉末シート、S′
……複合シート層、 2,8……母材としてのカムシャフト本体、ロッカアーム
本体、4,8a……摺動部形成領域としての段差部分、スリ
ッパ面構成取付部、6……バックアップ体
線断面図、第3図はカムシャフトの要部斜視図、第4図
はカムシャフト本体に金属粉末シートおよびろう材粉末
シートを接着した状態の要部斜視図、第5図はカムシャ
フト本体に金属粉末シートおよびろう材粉末シートを接
着し、それらの上にバックアップ体を設けた状態の立面
図、第6図は第5図VI−VI線断面図、第7図は焼結工程
における温度と時間の関係を示すグラフ、第8図は本発
明により得られたカムシャフトの段差部分と焼結体との
接合部における金属組織を示す顕微鏡写真、第9図は比
較例の第8図と同様の顕微鏡写真、第10図はロッカアー
ムの製造を示す要部破断正面図である。 S1……金属粉末シート、S2……ろう材粉末シート、S′
……複合シート層、 2,8……母材としてのカムシャフト本体、ロッカアーム
本体、4,8a……摺動部形成領域としての段差部分、スリ
ッパ面構成取付部、6……バックアップ体
Claims (2)
- 【請求項1】耐摩耗性を有する焼結性金属粉末および合
成樹脂バインダよりなる金属粉末シート(S1)の表面
に、ろう材粉末および合成樹脂バインダよりなるろう材
粉末シート(S2)の裏面を接着し、次いでその金属粉末
シート(S1)裏面を金属製母材(2)の摺動部形成領域
(4)表面に接着して、該摺動部形成領域(4)表面に
前記両粉末シート(S1,S2)よりなる複合シート層
(S′)を形成する工程と; 焼結工程における前記金属粉末および溶融した前記ろう
材に対して非溶着性であり、また通気性および耐熱性を
持ち、さらにフラックスとして機能するバックアップ体
(6)を、前記複合シート層(S′)の外部への露出面
と前記母材(2)表面の前記摺動部形成領域(4)周辺
部とに、その両者間に跨がるよう連続的に被着して、該
バックアップ体(6)により該複合シート層(S′)の
両粉末シート(S1,S2)を前記母材(2)に保持させる
工程と; 前記金属粉末を前記ろう材粉末の融点以上の温度で焼結
する工程と; を用いることを特徴とする、耐摩耗性摺動部材の製造方
法。 - 【請求項2】金属製母材(8)の摺動部形成領域(8a)
表面に、耐摩耗性を有する焼結性金属粉末および合成樹
脂バインダよりなる金属粉末シート(S1)の裏面を接着
し、次いでその金属粉末シート(S1)表面にろう材粉末
および合成樹脂バインダよりなるろう材粉末シート
(S2)の裏面を接着して、前記摺動部形成領域(8a)表
面に前記両粉末シート(S1,S2)よりなる複合シート層
(S′)を形成する工程と; 焼結工程における前記金属粉末および溶融した前記ろう
材に対して非溶着性であり、また通気性および耐熱性を
持ち、さらにフラックスとして機能するバックアップ体
(6)を、前記複合シート層(S′)の外部への露出面
と前記母材(8)表面の前記摺動部形成領域(8a)周辺
部とに、その両者間に跨がるよう連続的に被着して、該
バックアップ体(6)により該複合シート層(S′)の
両粉末シート(S1,S2)を前記母材(8)に保持させる
工程と; 前記金属粉末を前記ろう材粉末の融点以上の温度で焼結
する工程と; を用いることを特徴とする、耐摩耗性摺動部材の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15639586A JPH075935B2 (ja) | 1986-07-01 | 1986-07-01 | 耐摩耗性摺動部材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15639586A JPH075935B2 (ja) | 1986-07-01 | 1986-07-01 | 耐摩耗性摺動部材の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6311604A JPS6311604A (ja) | 1988-01-19 |
| JPH075935B2 true JPH075935B2 (ja) | 1995-01-25 |
Family
ID=15626799
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15639586A Expired - Fee Related JPH075935B2 (ja) | 1986-07-01 | 1986-07-01 | 耐摩耗性摺動部材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH075935B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101146766B1 (ko) * | 2011-09-28 | 2012-05-17 | 주식회사 미보 | 캠 샤프트의 제조 방법 |
| US11059132B2 (en) | 2015-09-11 | 2021-07-13 | Siemens Energy, Inc. | Structural braze tape |
-
1986
- 1986-07-01 JP JP15639586A patent/JPH075935B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6311604A (ja) | 1988-01-19 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |