JPH0759635B2 - サーモトロピック・コレステリック液晶性ポリペプチド - Google Patents

サーモトロピック・コレステリック液晶性ポリペプチド

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JPH0759635B2
JPH0759635B2 JP8826088A JP8826088A JPH0759635B2 JP H0759635 B2 JPH0759635 B2 JP H0759635B2 JP 8826088 A JP8826088 A JP 8826088A JP 8826088 A JP8826088 A JP 8826088A JP H0759635 B2 JPH0759635 B2 JP H0759635B2
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宏之 伊藤
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はサーモトロピツク・コレステリツク液晶性を示
すポリペプチドに関する。より詳しくはグルタミン酸γ
−(p−シアノベンジル)エステルおよびグルタミン酸
γ−アルキルエステルから成る共重合体であり、サーモ
トロピツク・コレステリツク液晶性を有するポリペプチ
ドに関する。
<従来技術および発明が解決しようとする課題> 一般に物質の存在のしかたとして、固体、液体および気
体の3相があることはよく知られているが、この他に固
体(液晶)と液体の中間的な状態である液晶も知られて
いる。液晶には液晶相となる条件から熱的に誘起される
サーモトロピツク液晶と、水やその他の極性溶媒と混合
した状態で液晶となるリオトロピツク液晶とに分類され
る。また分子の配列状態からは、スメクチツク、ネマチ
ツク、コレステリツクなどに分類される。
液晶化合物は従来、オレイン酸アンモニウム、4−シア
ノ−4′−アルコキシビフエニル、コレステリルアセテ
ート等の低分子化合物が多かつたが、近年液晶性を示す
高分子の研究がさかんになり、芳香族ポリアミドや芳香
族ポリエステルが高強度繊維とし実用化されている。
液晶性高分子にあつては光学的機能性や成形物の機械的
強度の異方性が少ないなどによりコレステリツク液晶の
らせん構造が注目されている。これらの液晶性高分子の
利用にあたつては液晶状態の固定化をいかに行なうかが
問題となつている。コレステリツク液晶構造を固定化す
る方法には、例えば(1)リオトロピツク状態から溶媒
を徐々に蒸発させ固体膜とする、(2)サーモトロピツ
クなコレステリツク液晶を液晶状態でガラス化する、
(3)ビニルモノマーを溶媒としたリオトロピツク液晶
を光重合し固定化する、などがある。
これらの方法のうち(1)は液晶性ポリマーを溶解する
溶媒が限定され、溶媒の蒸発にも特別な注意をはらわね
ばならない、(2)は液晶ポリマーの結晶化速度がはや
く液晶のガラス化が難しい、(3)は(1)と同様に液
晶を溶解し、しかも光重合性のビニルモノマーが少な
い、などの欠点を有する。さらにこれらの方法ではいず
れもコレステリツク液晶の特長であるコレステリツクピ
ツチ(単にピツチともいう)を再現性よく制御すること
には必ずしも成功していない。
一方、ポリマーの成形性からはサーモトロピツク液晶性
ポリマーが従来からの熱可塑性樹脂の成形法を少し変更
することによつて使用できるなどの利点から望まれてい
た。
これらの問題点を解決したポリマーとして、グルタミン
酸−γ−ベンジルエステルとグルタミン酸γ−アルキル
エステルの共重合体が挙げられる(特開昭62−116629
号)。このサーモトロピツク・コレステリツク溶晶性ポ
リペプチド共重合体は次のような特徴を有する。
(1) 温度のみでなく、共重合体の種類および組成に
よつてコレステリツクピツチを広範囲に変えることがで
きる。
(2) コレステリツク液晶状態の固定化を急冷するこ
とにより完全に行うことができる。
(3) 固定化後はコレステリツク液晶への転移温度以
下ではきわめて安定である。
(4) 液晶への相転移温度が100℃〜180℃であり、成
形が容易である。
(5) ポリペプチドのα−ヘリツクス構造が安定であ
る。
(6) ピツチの温度変化依存性は著しく、しかもピツ
チに依存した選択反射波長光のスペクトル巾が非常に狭
い。
しかして、ポリマーを光学材料として用いるためにはそ
の複屈折を制御することが必要になる。ところが、上記
のサーモトロピツクコレステリツク液晶性ポリペプチド
共重合体の複屈折は光学材料の用途には小さすぎ、しか
もその値を変えられないという問題があつた。
従つて、光学材料への応用範囲を広げる観点から、複屈
折を自在に制御できる液晶ポリマーが要求されていた。
<課題を解決するための手段> 以上のことから本発明者らは上述の問題点を解決するた
めに鋭意検討した結果、液晶化温度が低く、しかもコレ
ステリツクピツチが単に温度のみでなく、共重合体の種
類および組成によつて広範囲に制御でき、かつ、液晶構
造を完全に固定化することが可能で、さらに共重合組成
比によつて複屈折を自在に変えられる新規なサーモトロ
ピツク・コレステリツク液晶性ポリペプチド共重合体を
見出し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は下記一般式〔I〕で表わされるグルタ
ミン酸γ−シアノベンジル−グルタミン酸γ−アルキル
共重合体に関する。
(式中Rは炭素数10から30のアルキル基を示し、mおよ
びnは30≦m+n≦2000、m/n=80〜10/20〜90であり、
p−シアノベンジルエステル単位およびアルキルエステ
ル単位はともにL体であるかまたはともにD体であ
る。) 以下、本発明を詳述する。
本発明の一般式〔I〕で表わされるグルタミン酸γ−シ
アノベンジル−グルタミン酸γ−アルキル共重合体にお
いて用いられるアルキル基は炭素数10〜30、好ましくは
13〜25のアルキル基である。炭素数が10より少ない場合
はサーモトロピツク・コレステリツク液晶性を示さず、
また炭素数が30より多い場合はポリマーの合成が難かし
く好ましくない。
好ましいアルキル基の具体例としてはデシル基、ウンデ
シル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、
ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オ
クタデシル基、ノナデシル基、アイコシル基、ヘンアイ
コシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル
基、ペンタコシル基、トリアンコシル基などがあげら
れ、これらと炭素数が同じで枝分れ構造を有するアルキ
ル基もまた用いることができる。なかでもドデシル基、
トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、オクタデシル基、アイコシル基、ドコシル
基、テトラコシル基などが特に好ましく用いられる。
本発明の共重合体中のシアノベンジル基/アルキル基の
比(式〔I〕中、m/n)は80〜10/20〜90、好ましくは70
〜40/30〜60のものである。この範囲外ではサーモトロ
ピツク・コレステリツク液晶性が明確に出現しない。コ
レステリツク液晶では、選択反射波長をλm、コレステ
リツク光学ピツチをP、屈折率をn、コレステリツク面
への入射角をθとしたとき、これらの間に λm=nPsinθ の関係が与えられる。本発明の共重合体はシアノベンジ
ル基/アルキル基の比を上述の範囲内で変化させること
によりλmをきわめて広範囲に変化させることができ
る。共重合体の重合度(式〔I〕中、m+n)は30〜20
00、好ましくは100〜1500である。重合度が30未満では
液晶構造が発現し難く、重合度が大きすぎるものは成形
性の悪化やコレステリツク構造の成長が遅くなるなどし
て実用的でなくなる。
また本発明の共重合体がサーモトロピツク・コレステリ
ツク液晶性を示すためには、式〔I〕中のシアノベンジ
ルエステル単位およびアルキルエステル単位はともにL
体であるかまたはともにD体であることが必要で、そう
でないときには液晶性を示さない。
本発明の共重合体の複屈折は、シアノベンジル基/アル
キル基の比を変えることにより0.01〜0.15の範囲で自在
にコントロールすることができる。すなわち、シアノベ
ンジル基の含量を増加することにより、大きな複屈折を
実現することが可能である。
本発明の共重合体は様々な方法により得ることができ
る。たとえば各ユニットに相当するモノマー、光学活性
のN−カルボキシグルタミン酸γ−シアノベンジル無水
物とN−カルボキシグルタミン酸γ−アルキル無水物と
の共重合や、光学活性のポリ(γ−シアノベンジルグル
タメート)を出発物質として対応するアルコールとのエ
ステル交換反応を行う方法などがあげられる。その逆の
エステル交換、すなわちポリ(γ−アルキルグルタメー
ト)をシアノベンジルアルコールでエステル交換する方
法も用いられる。
一例をあげるならば、本発明のサーモトロピツク・コレ
ステリツク液晶性ポリペプチド共重合体はポリ(γ−ア
ルキル−L−グルタメート)を出発ポリマーとして、p
−シアノベンジルアルコールとのエステル交換反応を行
うことにより得られる。ポリ(γ−アルキル−L−グル
タメート)は、N−カルボキシL−グルタミン酸γ−ア
ルキルエステル無水物の開環重合によつて容易に得るこ
とができる(NCA法)。NCA法では生成ポリペプチドの分
子量を任意に調整できるという利点も有する。
エステル交換反応は通常、溶媒中で酸または塩基を触媒
として行う。
使用する溶媒としてはジクロルエタン、クロロホルム、
ジオキサン等のポリグルタメートを溶解するものが好ま
しい。また触媒となる酸または塩基として塩酸、硫酸、
トルエンスルホン酸、酸性イオ交換樹脂、アルカリ金属
アルコキシド、アルミニウムアルコキシド、水酸化ナト
リウム、アミン等を例示することができる。
エステル交換率は反応温度および反応時間により容易に
変えることができる。反応温度としては室温〜150℃、
好ましくは40〜80℃である。温度が低すぎるとエステル
交換に時間がかかりすぎ、またあまりに高すぎると反応
の制御が困難となつたりし望ましくない。
以上述べた方法で得られたグルタミン酸エステル共重合
体はサーモトロピツク・コレステリツク液晶性を示し各
種用途に用いることができる。すなわち、本発明のサー
モトロピツク・コレステリツク液晶性ポリペプチド共重
合体は光フイルター(ノツチフイルター、バンドパスフ
イルター等)、カラーデイスプレイ用素子、レーザー光
用オプトエレクトニクス用素子、記憶素子、温度センサ
ー等への応用が可能である。
<実施例> 以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によつ
て制限されるものではない。
実施例中で用いた各種の測定法を次に説明する。
(1) 分子量の測定 クロロホルムを溶媒に用い、カラムには、GMH6を使用し
てGPC分析を行つた。なお、検量線はポリスチレンのも
のを用いた。
(2) 組成(シアノベンシル基/アルキル基比) エステル交換物をメタノール中に投入し回収したポリマ
ーを重水素化トリフルオロ酢酸/重水素化クロロホルム
(50/50容量比)混合溶媒に溶解し、1H−NMRスペクトル
を測定し決定した。
(3) 円偏光二色性(CDスペクトル)および施光度 日本分光工業(株)製施光分散記録計J−20型を用い、
波長700nm〜200nmの範囲でコレステリツク光学ピツチを
測定した。
(4) 複屈折 共重合物をプレスフイルム化して、コレステリツク化す
る前に急冷し、ネマチツク構造を固定化した。こうして
得られたフイルムをAbbe型屈折計で方向を変えて測定す
ることにより、常光および異常光に対する屈折率noおよ
びneを測定した。ne−noが複屈折(Δn)になる。
実施例 1 (1) ポリ(γ−アルキル−グルタメート)(PAG)
の合成 常法によつて得られた、N−カルボキシ−グルタミン酸
γ−アルキルエステル無水物10gに対し、精製ジオキサ
ン200mlを加えトリエチルアミンを触媒とし、30℃で重
合を行つた。重合終了後、反応混合物を大量のメタノー
ル中へ注ぎ、ポリマーを回収した。重合度の調整は、単
量体/触媒比(モル比)を変えることによつて行い、表
1に示す様なポリ(γ−アルキル−グルタメート)を得
た。
(2) サーモトロピツク・コレステリツク液晶性ポリ
ペプチドの合成(エステル交換反応) 上記(1)で得られたPAG1gを1,2−ジクロロエタン50ml
に溶解し、p−シアノベンジルアルコール10gおよびp
−トルエンスルホン酸1.0g(触媒)を加え、70℃で反応
を行つた。エステル交換率は、反応時間を変えることに
より調節した。結果を表−2に示す。また得られた共重
合体の1H−NMRスペクトルおよび13C−NMRスペクトルを
図1〜4に示した。
(3) サーモトロピツク・コレステリツク液晶特性の
測定 前記(2)で得られたグルタミン酸γ−シアノベンジル
−グルタミ酸γ−アルキル共重合体についてサーモトロ
ピツク・コレステリツク液晶特性の測定を行つた。な
お、各図中のポリマー番号は表2参照のこと。
DSC(第5〜7図) ポリマー4のクロロホルム溶液より製膜したフイルムを
用い、昇温速度10℃/mm、降温速度10℃/mmで熱挙動を調
べた。
第5〜7図から明らかなように本発明の共重合体は60℃
〜145℃に液晶への相転移温度が認められた。
コレステリツク液晶の温度と選択反射波長(λ(ラ
ムダの小文字)m)の関係(第8、9図) 表2の各ポリマーについて試料を2枚のスライドガラス
にはさみ、融点から紫色が発色する程度の温度で加熱し
て薄く押広げ、円偏光二色性スペクトル(CDスペクト
ル)を測定し、平衡状態になるまで測定した。次に温度
を3℃ずつ上昇させその温度の平衡状態におけるCDスペ
クトルを測定した。同じ手順で温度を少しずつ上昇さ
せ、その温度に対応する選択反射波長を測定した。第8
図、第9図に選択反射波長の温度依存性を示した。すな
わちこれらのポリマーはすべて明確なサーモトロピツク
・コレステリツク液晶性を示した。
ポリマー組成と複屈折率の関係 表2の各ポリマー0.2gを120℃でフイルムプレスし直ち
に急冷し、ネマチツク構造を固定化した。ポリペプチド
フイルムをはくりし、Abbe型屈折計でポリマーの流れ方
向の屈折率neおよびそれに直角な方向の屈折率noを測定
し、複屈折Δnを求めた。結果を表3に示した。
また、試料番号1−、1−、1−、2−、2−
、2−、3−、3−、3−の複屈折とシアノ
ベンジルエステル基含量の関係を第10図に示した。
これより明らかに、シアノベンジルエステル基を増すこ
とにより、複屈折を大きくできることがわかる。
<発明の効果> 本発明のγ−ベンジルグルタメート−γ−アルキルグル
タメート共重合体はサーモトロピツク・コレステリツク
液晶性を示し、アルキル基の種類、シアノベンジルエス
テル/アルキルエステル比、温度などを変化させること
により、コレステリツクピツチを自在に変化させること
ができ、シアノベンジルエステル/アルキルエステル比
を変えることにより、望みの複屈折の値を実現できる。
さらにコレステリツク構造を容易に固定化できるため
に、光学用部品、光エレクトロニクス用部品など多くの
用途に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は表2に示したサーモトロピツク・コレ
ステリツク液晶性ポリペプチド共重合体の、1H−NMRス
ペクトルまたは13C−NMRスペクトルである。静磁場の強
度は9.4テスラで測定を行つた。横軸はTMS基準のケミカ
ルシフト値である。 第5図〜第7図は上記共重合体のサーモグラムの例であ
る。 第8図、第9図は上記共重合体より作製したコレステリ
ツクフイルムの選択反射波長を液晶成長温度に対しプロ
ツトしたものである。 第10図は上記共重合体の複屈折(Δn)の組成依存性を
示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔I〕で表わされるグルタミン
    酸γ−(p−シアノベンジル)−グルタミン酸γ−アル
    キル共重合体。 (式中Rは炭素数10から30のアルキル基を示し、mおよ
    びnは30≦m+n≦2000、m/n=80〜10/20〜90であり、
    p−シアノベンジルエステル単位およびアルキルエステ
    ル単位はともにL体であるかまたはともにD体であ
    る。)
JP8826088A 1988-04-12 1988-04-12 サーモトロピック・コレステリック液晶性ポリペプチド Expired - Lifetime JPH0759635B2 (ja)

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KR20140107111A (ko) * 2011-05-12 2014-09-04 아지노모토 가부시키가이샤 폴리α-아미노산 및 그것을 이용한 강유전체 메모리 소자

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