JPH0759669B2 - 潤滑性樹脂組成物 - Google Patents

潤滑性樹脂組成物

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JPH0759669B2
JPH0759669B2 JP61250416A JP25041686A JPH0759669B2 JP H0759669 B2 JPH0759669 B2 JP H0759669B2 JP 61250416 A JP61250416 A JP 61250416A JP 25041686 A JP25041686 A JP 25041686A JP H0759669 B2 JPH0759669 B2 JP H0759669B2
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克吉 坪井
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は潤滑性樹脂組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、機械の軽量化に伴い、合成樹脂製品が機械部品と
して数多く用いられるようになり、軸受部に使われるも
のには摺動特性の優れた合成樹脂が要求されている。従
来、摺動性の良い合成樹脂として、ポリアミド、ポリア
セタール、ポリエチレン、フツ素樹脂等が用いられてい
る。これらは低荷重、低速領域においては無潤滑下でも
その用をなすが、高荷重、高速になるに従つて、摩擦熱
のために焼き付いたり、フローしたりして、使用できな
くなる。フツ素樹脂、特に四フツ化エチレン樹脂は、充
填材を加えて摩耗特性を改良することにより優れた摺動
特性を示すが、このものは圧縮成形でしか成形できず、
また、非常に高価であるという欠点を有する。そこで、
その他の合成樹脂に固体潤滑剤を加え摺動特性を向上さ
せようとする手段が採られているが、この方法では高速
高荷重下での摺動特性の向上は十分ではない。また上記
の問題を解決するには、合成樹脂に潤滑油を加え、いわ
ゆる含油プラスチツクとする方法があり、その具体的手
法として、1)単に樹脂に潤滑油を混入する、2)潤滑
油を保持できる担体を潤滑油と共に加える、3)前記
1)および2)の他に油の導通体として繊維状の充填材
を加える等がある。このような含油プラスチツクは潤滑
油を滲み出させることにより摺動特性をもたせようとす
るものであるが、(1)摩擦係数が低い値で安定しな
い、(2)加熱されると油が滲み出てしまう、(3)成
形性が悪い、(4)摺動の際担体が相手材料を削る、
(5)成形時もしくは混練時に油が分離しやすい、
(6)材料物性が低下する、(7)摺動した面に油がつ
いてほこり等がつきやすい、(8)一旦油が切れると異
常摩耗を起こす等種々問題があつた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上述べたように、従来の技術においては、摩擦係数が
低い値で安定し、摩擦係数も小さくしかも機械的特性
(単に強度)の低下などが起こらない材料は得られず、
数多くの優れた特性を有する合成樹脂も、低摩擦性およ
び耐摩耗性が要求される摺動材料には適しないという問
題点があつた。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の問題点を解決するために、この発明は合成樹脂10
0重量部に対し、カルボキシル基、エステル基、イソシ
アネート基またはアルコール性水酸基を官能基として有
するポリフルオロエーテルからなる群から選ばれる少な
くとも2種類のポリフルオロエーテルを0.5〜20.0重量
部配合し、異種の官能基相互の反応によるポリフルオロ
エーテルの三次元網目構造を形成した潤滑性樹脂組成物
とする手段を採用したものである。以下その詳細を述べ
る。
まず、この発明における合成樹脂は特に限定されるもの
ではなく、熱硬化性または熱可塑性のいずれの樹脂であ
つてもよく、たとえば、フエノール樹脂、ユリア樹脂、
メラミン樹脂、メラミン・フエノール共縮合樹脂、キシ
レン変性フエノール樹脂、ユリア・グアナミン共縮合樹
脂、アミノ樹脂、アセトグアナミン樹脂、メラミングア
ナミン樹脂、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアクリレー
ト樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフ
ルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン樹脂、テ
トラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重
合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体、フツ化ビニリデン樹脂、エチ
レン・テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン・ク
ロロフルオロエチレン共重合体、塩化ビニル樹脂、塩化
ビニリデン樹脂、ポリエチレン(低密度、高密度、超高
分子量)、塩素化ポリオレフイン、ポリプロピレン、変
性ポリオレフイン、水架橋ポリオレフイン、エチレン・
ビニルアセテート共重合体、エチレン・エチルアクリレ
ート共重合体、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアミド、
メタクリル樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネイト、
セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリウレタ
ンエラストマー、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポ
リアミドイミド、アイオノマー樹脂、ポリフエニレンオ
キサイド、メチルペンテンポリマー、ポリアリルスルホ
ン、ポリアリルエーエル、ポリエーテルケトン、ポリフ
エニレンサルフアイド、ポリスルホン、全芳香族ポリエ
ステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、熱可塑性ポリエステルエラストマー、各
種高分子物質のブレンド物などを例示することができ
る。
つぎに、この発明におけるカルボキシル基、エステル
基、イソシアネート基、アルコール性水酸基のいずれか
1種類を含むポリフルオロエーテルは、−CxF2x−O−
〔Xは1〜4の整数〕を主要構造単位とした重合体にカ
ルボキシル基、エステル基、イソシアネート基、アルコ
ール性水酸基などの官能基を導入したもので、たとえば
つぎのようなものである。すなわち、 カルボキシル基を含有したもの HOOC−CF2OC2F4OCF2OnCF2COOHなど、 エステル基を含有したもの H3COOC−CF2OC2F4OCF2OnCF2COOCH3など、 イソシアネート基を含有したもの OCN−C6H3(CH3)−NHCOCF2 C2F4OCF2OnCF2CONH−(CH3)C6H3−NCOな
ど、 アルコール性水酸基を含有したもの HOCH2 2NHCO−CF2O C2F4OCF2OnCF2CONHCH2 2OHなど である。
そして、この発明において官能基の異なるポリフルオロ
エーテルを少なくとも2種類配合する理由は1種類のポ
リフルオロエーテルのみでは異種の官能基相互の反応に
よる網目構造の形成が不可能であり、ポリフルオロエー
テルを合成樹脂組織内にとどめることが出来ず、通常の
潤滑剤含有合成樹脂と同様の欠点を呈するからである。
なお、異種のポリフルオロエーテル間の反応を促進する
ために、アミン類等の触媒を適宜加えてもよい。ここで
この発明のポリフルオロエーテルの配合量を合成樹脂10
0重量部に対して0.5〜20.0重量部と限定する理由は、下
限値未満の少量では摺動特性の改良効果が不十分であ
り、逆に上限値を越える多量では合成樹脂の機械的特性
が著しく低下して好ましくないからであり、中でも特に
好ましいのは1.0〜15.0重量部の範囲である。
以上述べた合成樹脂とポリフルオロエーテルとを混合す
る方法は従来公知の方法を利用すればよく、特に限定さ
れるものではないが、たとえば合成樹脂と前記各配合成
分とを個別に、もしくは適宜溶媒(フルオロクロロハイ
ドロカーボンなど)に溶解して、ヘンシエルミキサー、
ボールミル、タンブラーミキサー等の混合機によつて混
合した後溶媒を除去して、溶融混合性のよい射出成形機
もしくは溶融押出機に供給するか、または予め熱ロー
ラ、ニーダ、バンバリーミキサー、溶融押出機などを使
用するとよい。またこの発明の組成物を成形するにあた
つては、その方法を特に限定するものではないが、圧縮
成形、押出成形、射出成形などが可能であるうえ、この
発明の混合物を溶融混合した後、この混合物をジエツト
ミル、冷凍粉砕機等によつて粉砕し、そのままもしくは
所望の粒径に分級した粉末を粉体塗料として、流動浸漬
塗装、静電粉体塗装等に用いることも出来る。
さらにこの発明の組成物には、一般合成樹脂に広く配合
される添加剤を、組成物の特性を低下させない範囲の量
で適宜併用することもできる。このような添加剤として
は、たとえば離型剤、難燃剤、耐候性改良剤などが例示
されるが、これら添加剤はこの発明の潤滑性配合剤と同
時に添加混合されても、また潤滑剤配合剤に予め配合さ
れてそれが合成樹脂に添加されてもよく、従来から公
知、公用の潤滑剤を併用することも勿論可能であり、四
フツ化エチレン樹脂粉末、グラフアイト、フツ化黒鉛、
タルク、窒化ホウ素、その他工業用潤滑剤等も使用目的
に応じて適宜選択使用することができる。また強化剤と
してよく知られているガラス繊維、カーボン繊維、アル
ミナ繊維、アスベスト、ロツクウール、ウオラストナイ
ト、チタン酸カリウムホイスカー等の繊維状物質、また
はガラス粉末、タルク、クレイ、炭酸カルシウム等に代
表される無機質充填剤なども使用できる。いずれも、こ
の発明の組成物の潤滑性を損わない限り、中間製品もし
くは最終製品の形態において、化学的もしくは物理的な
処理によつて性質改善のための変性が可能であることは
勿論である。
〔作用〕
この発明の潤滑組成物においては、少なくとも2種類の
ポリフルオロエーテルの異種の官能基が相互に反応する
ことにより、合成樹脂組織内に潤滑性を有するポリフル
オロエーテルの三次元の網目構造が形成され、その網目
が細かく分散して存在するため摩擦係数は小さく、しか
もこ潤滑性物質が脱落することなく組織内に強固にとど
まるため摩擦係数は長期間安定して維持され、同時に基
材の合成樹脂組織が補強されて摩耗が小さく、機械的強
度の低下もなく、従来の含油プラスチツクの有していた
欠点のすべてが解決されるものと推定される。
〔実施例〕
まず、以下の実施例および比較例に使用した原材料を一
括して示すとつぎのとおりである。なお〔 〕の中に略
号を記した。すなわち、 ポリエチレン〔PE〕(三井石油化学社製:ハイゼツク
ス1300J)、 ナイロン12〔PA12〕(ダイセル化学社製:ダイアミド
L1640P)、 ポリアセタール〔POM〕(ポリプラスチツク社製:ジ
ユラコンM90−02)、 ポリブチレンテレフタレート〔PBT〕(三菱化成工業
社製:ノバドウール5010)、 カルボキシル基含有ポリフルオロエーテル〔DIAC〕
(伊国モンテフルオ社製:カルボキシル変性フツ素オイ
ルFOMBLIN Z−DIAC)、 エステル基含有ポリフルオロエーテル〔DEAL〕(伊国
モンテフルオ社製:エステル変性フツ素オイルFOMBLIN
Z−DEAL2000)、 イソシアネート基含有ポリフルオロエーテル〔DISO
C〕(伊国モンテフルオ社製:イソシアネート変性フツ
素オイルFOMBLIN Z−DISOC)、 アルコール性水酸基含有ポリフルオロエーテル〔DO
L〕(伊国モンテフルオ社製:アルコール性水酸基含有
フツ素オイルFOMBLIN Z−DOL2000)、 である。なお各原材料の配合割合(部)はすべて重量部
である。
実施例1〜9: 各種合成樹脂に第1表に示すようにポリフルオロエーテ
ルを配合し、ヘンシエルミキサーで十分混合した後、二
軸溶融押出機に供給し、同表に示す溶融混合条件で押出
し、造粒し、そのペレツトを射出成形機に供給し、同表
の射出成形条件で内径14mm、外径23mm、長さ13mmのリン
グ状試験片を作製した。リング状試験片を用いて摩擦摩
耗試験を行なつた。摩擦試験はスラスト型摩擦試験機を
用い滑り速度毎分10m、荷重10kg/cm2の条件で運転開始6
0分後の摩擦係数を 測定した。また摩耗試験はスラスト型摩耗試験機を用
い、滑り速度毎分32m、荷重3.1kg/cm2の条件で行なつ
た。いずれの試験も相手材には軸受鋼SUJ2(焼き入れ、
研削仕上げ)を使用した。得られた結果は第1表に併記
した。
比較例1〜9: 合成樹脂およびポリフルオロエーテルを第2表に示す配
合割合、溶融混合条件、射出成形条件とした以外は実施
例1〜9と全く同様の方法で試験片を作製し、得られた
試験片について同様の摩擦摩耗試験を行ない、その結果
を第2表に併記した。
第1表および第2表を比較すると、ポリフルオロエーテ
ルを2〜3種類ずつ配合した実施例1〜9は1種類のポ
リフルオロエーテルのみを配合した比較例1〜8および
ポリフルオロエーテルを配合しなかつた比較例9のいず
れよりも遥かに小さい摩擦係数および摩耗係数を示して
いることが明らかであり、また従来広く用いられている
硬質の充填材は添加されていないので、摩擦摩耗試験後
の相手材の摺動面に損傷を与えることもなかつた。
〔効果〕 以上述べたように、この発明の潤滑性樹脂組成物からな
る成形体は、経時的に安定した低摩擦係数を示すと共
に、合成樹脂組織は補強されて耐摩耗性を兼ね備えてい
るという優れた摺動特性を有し、成形性も良好であつ
て、軸受材などには最適のものであるから、この発明の
意義はきわめて大きいということができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂100重量部に対し、カルボキシル
    基、エステル基、イソシアネート基またはアルコール性
    水酸基を官能基として有するポリフルオロエーテルから
    なる群から選ばれる少なくとも2種類のポリフルオロエ
    ーテルを0.5〜20.0重量部配合し、異種の官能基相互の
    反応によるポリフルオロエーテルの三次元網目構造を形
    成してなる潤滑性樹脂組成物。
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