JPH075983B2 - リ−ドフレ−ム用フエライト系ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents

リ−ドフレ−ム用フエライト系ステンレス鋼の製造方法

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JPH075983B2
JPH075983B2 JP9186687A JP9186687A JPH075983B2 JP H075983 B2 JPH075983 B2 JP H075983B2 JP 9186687 A JP9186687 A JP 9186687A JP 9186687 A JP9186687 A JP 9186687A JP H075983 B2 JPH075983 B2 JP H075983B2
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【発明の詳細な説明】 「発明の目的」 (産業上の利用分野) 本発明は点錆発生が極めて少なく、42Ni合金に匹敵する
耐食性を有するリードフレーム用フェライト系ステンレ
ス鋼の製造方法に係るものである。
(従来の技術) 従来、高度の信頼性が要求されるICリードフレーム用の
材料としては、Siチップと熱膨張係数が同等で強度が高
く、曲げ特性が良好で且つ熱的軟化温度も高く、耐食性
に優れ、しかもAuもしくはAgメッキ性の良好な42Ni合金
が広く用いられている。
しかし乍ら、近年Siチップとリードフレームの接合工程
(ダイボンディング工程)に高性能の合成樹脂が用いら
れるようになり、ダイボンディング時の低温化と合成樹
脂自体の歪吸収作用のため、リードフレームの熱膨張率
が必らずもSiと同程度である必要はなくなった。又、そ
れに加えてリードフレーム用材料として最近では一層の
低価格化の要求から、高強度で熱軟化温度が高く42Ni合
金よりも安価なフェライト系ステンレス鋼が注目されて
きた。しかし、この用途で使用される材料は、スポット
メッキ性や全面メッキされるときのメッキ性が損なわれ
ることからCr量としては13%程度以下が必要とされてい
るので、このような組成のステンレス鋼の耐食性は、42
Ni合金に比較してかなり劣るものであり、この耐食性の
改善のために、C量の低減、Si、Ti、Nb、V、Zr、W、
Ta、等の微量元素の添加を発明の要旨とする特開昭59-9
149、特開昭60-103158等が提案されている。
(発明が解決しようとする問題点) 上記したような従来のものにおいては、素材の耐食性は
それなりに向上したものの前記した42Ni合金と同等の耐
食性は得られるに到っていない。即ち素材における点錆
の発生が依然として抑えられず、この点錆がコイルまた
はフープ製造後、IC製造工程に入るまでの期間に、コイ
ルまたはフープの一部に発生し、当該材料のリードフレ
ーム用材料としての品質に著しい悪影響を与えている。
「発明が構成」 (問題を解決するための手段) 前述の目的を達成するために本発明者等は、 (1)C:0.03wt%以下、Si:0.1〜0.4wt%、 Mn0.1〜0.7wt%、S:0.004wt%以下、 Cr:11〜13wt%、Al:0.02wt%以下、 を含有し、残部が実質的にFeからなるステンレス鋼を冷
延、焼鈍を1回ないし2回以上繰返したのち、調質圧
延、応力除去焼鈍してコイルまたはフープを製造するに
当り、前記応力除去焼鈍を連続焼鈍にて行い、かつ焼鈍
雰囲気を露点(D.P:℃)が−60D.P−40℃であり、
水素分圧(PH2:体積%)がD.P+110PH2D.P+130で
残部が不活性ガスとすると共に焼鈍温度を450〜650℃と
することを特徴とするリードフレーム用フェライト系ス
テンレス鋼の製造方法。
(2)C:0.03wt%以下、Si:0.1〜0.4wt%、 Mn0.1〜0.7wt%、S:0.004wt%以下、 Cr:11〜13wt%、Al:0.02wt%以下、 Mo:0.1〜1.0wt% を含有し、残部が実質的にFeからなるステンレス鋼を冷
延、焼鈍を1回ないし2回以上繰返したのち、調質圧
延、応力除去焼鈍してコイルまたはフープを製造するに
当り、前記応力除去焼鈍を連続焼鈍にて行い、かつ焼鈍
雰囲気を露点(D.P:℃)が−60D.P−40℃であり、
水素分圧(PH2:体積%)がD.P+110PH2D.P+130で
残部が不活性ガスとすると共に焼鈍温度を450〜650℃と
することを特徴とするリードフレーム用フェライト系ス
テンレス鋼の製造方法。
(作用) 本発明における化学的成分、最終焼鈍時雰囲気の露点
(D.P)、雰囲気の水素分圧(PH2)、焼鈍温度等の作用
関係は以下の如くである。
C:0.03%以下 Cは0.03%を越えると鋼中にカーバイドが多くなり、こ
れを起点とする点錆の発生傾向が増大するため0.03%を
上限とした。下限は特に限界はないが、溶製上の経済的
な理由からすれば0.006%以上である。
Si:0.1〜0.4% リードフレーム用鋼においてはプレス打抜き性やエッチ
ング性が枢要で、Siによる脱酸が基本であり、このSiが
0.1%未満では脱酸が不十分となり、介在物が多くな
る。即ちこの介在物を起点として点錆が発生するので0.
1%以上としてこのような点錆発生原因を解消する。
しかしこのSiが0.4%を超えると最終焼鈍時(応力除去
焼鈍時)に不均一な酸化膜を形成する傾向が著しくな
り、その酸化膜を起点として点錆が発生するので0.4%
以下としてこのような酸化膜を起点とした点錆の発生を
回避する。
Mn:0.1〜0.7% Mnは熱間加工時の疵発生を抑制する作用があり、0.1%
以上としてこのような熱間加工時の疵発生を適切に防止
する。
しかし0.7%を越えて添加するとSi同様に焼鈍時に不均
一な酸化膜を形成しその酸化膜が起点となり点錆の発生
傾向が大きくなるため0.7%を限度とする必要がある。
S:0.004%以下 Sは0.004%を越えると鋼中のMnSが多くなり、この介在
物を起点として点錆の発生が著しくなるため0.004%以
下としてこれを防止する。下限は特に限定しないが溶製
上の経済性からは0.001%以上である。
Cr:11〜13% Crの添加量は11%以上として本質的な耐食性を維持せし
める。最終焼鈍の各種条件を本発明で規定する範囲内と
しても限界があり最低11%は必要である。又13%を越え
て添加すると表面に形成される緻密な酸化膜のため、Au
はAgのスポットメッキ性や、AuもしくはNiが全面メッキ
されるときのメッキ性が損なわれるため13%を上限とし
てこれを回避する。
Al:0.02%以下 Alは0.02%を越えると一般的に鋼中のアルミナが多くな
りMnSと同様な作用により点錆の発生が多くなり、最終
焼鈍時に不均一な酸化膜を形成し、それを起点としても
点錆が発生するため0.02%以下としてこれを防止する。
Mo:0.1〜1.0% 本発明における化学的組成としては、前述のAlまでの成
分および含有量で略、本発明の目的を達成することがで
きるが、更に耐食性を向上せしめるためにはMoを添加す
る。このMoの添加量はCrの含有量とも密接な関係があ
り、本発明で規定するCrの含有量の範囲では、0.1%以
上の添加により無添加の場合に比較して点錆の発生頻度
を1/2以下に低減せしめる。一方1.0%を越えて添加して
も点錆発生の抑制効果は略1.0%で飽和するので0.1〜1.
0%の範囲とした。
焼鈍雰囲気の露点(℃):−60D.P−40 焼鈍雰囲気の水素分圧(体積%): D.P+110PH2D.P+130 この種の合金においては化学的組成のみでなく焼鈍条件
の影響が極めて大きい。上記は最終焼鈍を行う場合の焼
鈍雰囲気の水素分圧、露点等を種々変化させて得た数値
であり、その判断基準は、供試材について塩水噴霧試験
後における点錆の発生頻度を調べて得たものであって、
上記の露点範囲、水素分圧範囲とすることにより点錆発
生頻度を最低状態とする。
耐食性が焼鈍雰囲気により異なるということは焼鈍時に
鋼板表面に形成される極めて薄い酸化皮膜の性状、即ち
厚さ、存在形態の差によるものと推定される。
露点が−60℃以下の場合、水素分圧がD.P+130より高い
場合に、耐食性が劣化するのは、緻密な酸化膜の厚さが
極めて薄くなるためと推定され、一方露点が−40℃より
高い場合、水素分圧がD.P+110より低い場合にはSi、M
n、Al、の不均一な酸化物の形成が耐食性を劣化させて
いると推定される。
最終焼鈍の温度:450〜650℃。
これも前項同様に、本発明において規定する化学的組成
の素材について、冷延し、最終焼鈍の温度を種々変化さ
せて試験を行なったものの内、42Ni合金と同程度のもし
くはそれ以下の点錆発生率を示した温度範囲を最適範囲
としたものであり、上記範囲として点錆発生を適切に防
止する。焼鈍温度が650℃を越えると耐食性が劣化する
のは、不均一な酸化膜の形成傾向が強くなるためであ
り、450℃未満で耐食性が劣化するのは、表面に形成さ
れる緻密な酸化膜の厚さが極めて薄くなるためと推定さ
れる。焼鈍温の下限は残留応力除去の観点からも規定さ
れるが450℃以上であれば充分である。
次に、以上詳述した化学組成、焼鈍条件の内、特に重要
なMoの添加量、焼鈍雰囲気の露点、焼鈍雰囲気中の水素
分圧、最終焼鈍温度等を決定する基礎となった実験結果
を記載する。第1図はC、Si、Mn、Alが本発明の組成範
囲である、10%Cr鋼、12%Cr鋼にMoを2%まで添加した
熱延板を素材として、冷延、焼鈍し、調質圧延の後、応
力除去焼鈍を露点−50℃、75%H2−25%N2の雰囲気で50
0℃で連続焼鈍を行なったものをJIS Z 2371による塩水
噴霧試験で8時間テスト後の点錆発生頻度で評価したも
のである。10%Cr鋼ではMoを添加しても点錆発生頻度は
あまり減少せず、2%添加しても42Ni合金のレベルより
遥かに高い。しかし12%Cr鋼ではMoを0.1%以上添加す
ると点錆の発生頻度は無添加に比較して1/2以下に低減
される。但し、1.0%以上では効果が飽和していること
が判る。
第2図はC:0.022%、Si:0.20%、Mn:0.45%、S:0.002
%、Cr:12.5%、Al:0.010%、の供試材を冷延、焼鈍、
調質圧延の後、種々の雰囲気のもとで且つ550℃の連続
焼鈍を行ない、前述同様な塩水噴霧試験で8時間テスト
後の点錆発生頻度であって、PH2、D.Pの耐食性に及ぼす
影響を調べたものである。この第2図において、○印は
点錆発生数が5個/100cm2未満、△印は5〜10個/100c
m2、×印は10個以上/100cm2、を夫々示すものであり、
雰囲気はH2以外はN2であって、本発明範囲とすることに
より点錆発生頻度を充分に低減し得る。
第3図は点錆発生頻度におよぼす焼鈍温度の影響を示す
もので、雰囲気は75%H2−25H%N2で露点は−50℃であ
り、点錆発生頻度が42Ni合金と同程度もしくはそれ以下
の耐食性を示す温度範囲が450〜650℃であることは図示
の如くである。
なお本発明においてステンレス鋼を冷延、焼鈍するに当
り、1回でよいことは勿論であるが、場合によっては2
回以上繰返してもよく、上記したような作用関係に特徴
の変化を来すものでない。
(実施例) 実施例1. 第1表は、本発明合金鋼および比較合金鋼の具体的組成
およびこれらの鋼を真空溶解炉で溶製し、これらの素材
を冷延、焼鈍により板厚0.32mmとなし、調質圧延を施
し、次いで最終焼鈍では露点−50℃、組成75%H2−25%
N2の焼鈍雰囲気中で且つ500℃の温度で連続焼鈍(いず
れも本発明で規定する範囲内)を行ない、この供試料に
ついてJIS−Z−2371による塩水噴霧試験を8時間実施
し、後、点錆発生頻度を調べた結果を要約して示すもの
である。
即ち本発明による合金鋼No.1とNo.2はMo無添加のもので
あるが、点錆発生頻度は5個/100cm2未満であって42Ni
合金と比較して同レベル若しくはそれ以上である。合金
鋼No.3は更にMoを添加した本発明合金鋼であって、No.1
およびNo.2の合金鋼より遥かに点錆の発生が少くなって
いる。
このような本発明のものに対して、合金鋼No.4は比較鋼
であって、化学組成中Crのみが本発明の規定範囲を下回
るものであるが、点錆発生数は多く、耐食性は42Ni合金
よりも劣っている。尚、比較合金鋼No.5〜7、No.9〜10
は殆んどの元素C、Si、Mn、S、Al、の添加量のいずれ
かが本発明で規定した上限を越えるもの、No.8はSiが下
限を下回るものであり、いずれも点錆発生頻度は高く42
Ni合金の耐食性よりも劣っていることが判る。このこと
から焼鈍条件を本発明の条件としても化学的組成が規定
する範囲を外れる場合には耐食性が著しく劣ることが判
る。
実施例2 次の第2表は、合金鋼の組成としては第1表に示した本
発明の組成であるNo.1、No.3を素材とし、冷延、焼鈍に
より板厚を0.28mmとし730℃で軟化焼鈍とその後、調質
圧延をし、最終焼鈍はこの第2表に示すような焼鈍雰囲
気、露点、温度で連続焼鈍を行ない第1表と同様な塩水
噴霧試験の後、点錆の発生頻度を調べた結果を示すもの
である。
即ちNo.1〜No.4は本発明の基本発明によるものであり、
点錆の発生頻度も少なく42Ni合金と同等もしくはそれ以
上の結果を示している。又、本発明法No.5〜No.8は本発
明の第2発明で規定する方法に関するものであって、前
述の本発明鋼No.1〜No.4を凌ぐ高耐食性を示しているこ
とが判る。なお判断基準は第1表と同じく点錆の発生頻
度5個/100cm2未満を良好とすると全部が良好であるこ
とは明かである。
これに対し比較法としてのNo.9〜No.24は、水素分圧、
露点、焼鈍温度、のいずれかが本発明の規定する範囲外
の条件で最終焼鈍を行なった例であり、即ち比較法No.
9、No.10、No.12、No.13、No.17、No.18、No.20、No.21
のものは水素分圧が、又比較法No.11、No.14、No.19、N
o.22、については露点温度が、更に比較法No.15、No.1
6、No.23、No.24については焼鈍温度が、いずれも本発
明で規定する範囲の上限もしくは下限を外れているもの
で、全て耐食性が大きく劣っている。注目すべきこと
は、Mo添加による効果があったとしても、焼鈍条件の内
の水素分圧、露点温度、もしくは焼鈍温度のいずれか一
つでも規定の範囲外である場合には期待する耐食効果が
得られないことである。
「発明の効果」 以上詳述したように、本発明方法により製造されたフェ
ライト系ステンレス鋼は、42Ni合金と同等もしくはそれ
以上の耐食性を有し点錆の発生が極めて少ないので、リ
ードフレーム用フェライト系ステンレス鋼原板として最
高であり、本発明方法を採用して製造されたコイルもし
くフープは、IC製造工程に入るまでの期間での点錆発生
に対する信頼性は42Ni合金と同等もしくはそれ以上とな
るので、経済的な効果も含めて本発明の工業的価値は極
めて大きいものと云うことができる。
【図面の簡単な説明】
図面はいずれもフェライト系ステンレス鋼に関する試験
結果を示すものであって、第1図はCrの含有量が異なる
場合におけるMoの添加量と点錆発生頻度との関係を示す
図表、第2図は最終焼鈍時の雰囲気ガスにおける水素分
圧と露点が耐食性におよぼす影響を表示した図表、第3
図は最終焼鈍における雰囲気ガスの組成、露点を一定と
した場合の、焼鈍温度と点錆発生頻度の関係を示す図表
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.03wt%以下、Si:0.1〜0.4wt%、 Mn:0.1〜0.7wt%、S:0.004wt%以下、 Cr:11〜13wt%、Al:0.02wt%以下、 を含有し、残部が実質的にFeからなるステンレス鋼を冷
    延、焼鈍を1回ないし2回以上繰返したのち、調質圧
    延、応力除去焼鈍してコイルまたはフープを製造するに
    当り、前記応力除去焼鈍を連続焼鈍にて行い、かつ焼鈍
    雰囲気を露点(D.P:℃)が−60D.P−40℃であり、
    水素分圧(PH2:体積%)がD.P+110PH2D.P+130で
    残部が不活性ガスとすると共に焼鈍温度を450〜650℃と
    することを特徴とするリードフレーム用フェライト系ス
    テンレス鋼の製造方法。
  2. 【請求項2】C:0.03wt%以下、Si:0.1〜0.4wt%、 Mn:0.1〜0.7wt%、S:0.004wt%以下、 Cr:11〜13wt%、Al:0.02wt%以下、 Mo:0.1〜1.0wt% を含有し、残部が実質的にFeからなるステンレス鋼を冷
    延、焼鈍を1回ないし2回以上繰返したのち、調質圧
    延、応力除去焼鈍してコイルまたはフープを製造するに
    当り、前記応力除去焼鈍を連続焼鈍にて行い、かつ焼鈍
    雰囲気を露点(D.P:℃)が−60D.P−40℃であり、
    水素分圧(PH2:体積%)がD.P+110PH2D.P+130で
    残部が不活性ガスとすると共に焼鈍温度を450〜650℃と
    することを特徴とするリードフレーム用フェライト系ス
    テンレス鋼の製造方法。
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