JPH0761251A - 車両用左右駆動力配分調整装置 - Google Patents

車両用左右駆動力配分調整装置

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JPH0761251A
JPH0761251A JP21301893A JP21301893A JPH0761251A JP H0761251 A JPH0761251 A JP H0761251A JP 21301893 A JP21301893 A JP 21301893A JP 21301893 A JP21301893 A JP 21301893A JP H0761251 A JPH0761251 A JP H0761251A
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intermediate shaft
differential
coupling
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Kaoru Sawase
薫 澤瀬
Takahisa Niwa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、車両用左右駆動力配分調整装置に
関し、異なる駆動方式の車種であっても多くの部品を共
用化できるようにすることを目的とする。 【構成】 エンジンからの駆動力を入力される入力部1
と差動機構4と駆動力伝達制御機構5とをそなえ、駆動
力伝達制御機構5を左右輪回転軸の一方の回転軸2を増
速して第1の中間軸14に出力する増速機構6Aと減速
して第2の中間軸15に出力する減速機構6Bとを一体
化した増減速機構6と、第1の中間軸14と他方の回転
軸3との間の第1のカップリング7と、第2の中間軸1
5と他方の回転軸3との間の第2のカップリング8とか
ら構成し、入力部1及び差動機構4と、駆動力伝達制御
機構5とを、アッセンブリユニット21,24,25と
して規格化し、入力部1と差動機構4とのアッセンブリ
ユニット21,24を、駆動力伝達制御機構5のアッセ
ンブリユニット25に対して分離可能に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、四輪駆動式又は二輪駆
動式の自動車における左右の駆動輪への駆動力配分に用
いて好適の、車両用左右駆動力配分調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、四輪駆動式自動車(以下、四輪駆
動車という)の開発が盛んに行なわれているが、前後輪
間のトルク配分(駆動力配分)を積極的に調整できるよ
うにした、フルタイム四輪駆動方式の自動車の開発も種
々行なわれている。一方、自動車において、左右輪に伝
達されるトルク配分機構を広義にとらえると従来のノー
マルディファレンシャル装置や電子制御式を含むLSD
(リミテッドスリップデフ)が考えられるが、これらは
トルク配分を積極的に調整するものでなく、左右輪のト
ルクを自由自在に配分できるものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前後輪間の
トルク配分調整装置と並んで、左右輪間のトルク配分を
調整できる装置の開発も期待されている。この場合、四
輪駆動車における左右の駆動輪間のみならず、二輪駆動
車における左右の駆動輪間のトルク配分調整も対象とな
る。
【0004】さらには、トルク配分を、エンジンの出力
トルクの配分のみならず左右の回転軸間での動力の授受
によって生じるトルクの伝達状態まで含めるように、大
きくとらえると、二輪駆動車における左右の従動輪(駆
動輪ではない車輪)間でトルク配分調整を行なうことも
考えられる。つまり、左右の従動輪はいずれもエンジン
から駆動力を受けないが、これらの従動輪のうちの一方
の従動輪から他方の従動輪へ動力を伝達する状態を実現
できれば、一方の従動輪側では制動力が生じるが、他方
の従動輪では駆動力が発生するようになる。したがっ
て、左右の従動輪間でもトルク配分(負の駆動力、つま
り、制動力も含む)の調整が可能となる。
【0005】ところで、左右駆動力配分調整装置を駆動
輪側に用いる場合には、エンジンからの回転駆動力を入
力するための駆動力入力部や、左右輪の回転差を吸収す
るための差動機構が必要となる。ところが、上述したよ
うな従動輪側の左右駆動力配分調整装置では、駆動力入
力部や差動機構が不必要となるため、駆動輪側の左右駆
動力配分調整装置の構造とは大きく異なるものとなる。
【0006】このため、従動輪側の左右駆動力配分調整
装置と駆動輪側の左右駆動力配分調整装置とでは、それ
ぞれ専用の部品が必要となり、多くの部品を共用化する
ことができず、これにより左右輪間の駆動力配分調整装
置の製造コストが増加してしまうという課題がある。本
発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、異な
る駆動方式の車種であっても多くの部品を共用化するこ
とができるようにした、車両用左右駆動力配分調整装置
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の車両用左右駆動力配分調整装置は、車両にお
ける左輪回転軸と右輪回転軸との間に、エンジンからの
駆動力を入力される入力部と、該左右の回転軸間の差動
を許容しつつ該入力部から入力された駆動力を該左右の
各回転軸に伝達する差動機構と、該駆動力の伝達状態を
制御して該左右輪への駆動力配分を調整しうる駆動力伝
達制御機構とをそなえ、該駆動力伝達制御機構が、左輪
回転軸と右輪回転軸との間に介装されてこれらの回転軸
のうちの一方の回転軸の回転速度を増速して第1の中間
軸に出力する増速機構と該一方の回転軸の回転速度を減
速して第2の中間軸に出力する減速機構とが一体化され
た増減速機構と、該第1の中間軸と該左右の回転軸のう
ちの他方の回転軸との間に介装されて該第1の中間軸と
該他方の回転軸との間で駆動力の伝達を行ないうる第1
の伝達トルク容量可変型カップリングと、該第2の中間
軸と該左右の回転軸のうちの他方の回転軸との間に介装
されて該第2の中間軸と該他方の回転軸との間で駆動力
の伝達を行ないうる第2の伝達トルク容量可変型カップ
リングとから構成され、該第1及び第2の伝達トルク容
量可変型カップリングが互いに隣接して一体化された一
体型カップリングとして構成されて、該差動機構と該増
減速機構と該一体型カップリングとが同軸上に配置され
るとともに、該入力部及び該差動機構と、該駆動力伝達
制御機構とが、それぞれアッセンブリユニットとして規
格化され、該入力部のアッセンブリユニットと該差動機
構のアッセンブリユニットとが、該駆動力伝達制御機構
のアッセンブリユニットに対して分離可能に構成されて
いることを特徴としている。
【0008】また、請求項2記載の本発明の車両用左右
駆動力配分調整装置は、上記請求項1記載の構成に加え
て、該第1及び第2の伝達トルク容量可変型カップリン
グが、いずれも電子制御式油圧多板クラッチにより構成
され、これらの電子制御式油圧多板クラッチが直列的に
一体化されて該一体型カップリングが構成されているこ
とを特徴としている。
【0009】また、請求項3記載の本発明の車両用左右
駆動力配分調整装置は、上記請求項1記載の構成に加え
て、該一体型カップリングが、該差動機構と隔壁を介し
て設けられていることを特徴としている。また、請求項
4記載の本発明の車両用左右駆動力配分調整装置は、上
記請求項1又は2記載の構成に加えて、該差動機構が遊
星歯車式差動機構により構成されていることを特徴とし
ている。
【0010】また、請求項5記載の本発明の車両用左右
駆動力配分調整装置は、上記請求項4記載の構成に加え
て、該遊星歯車式差動機構がリングギヤを該入力部と一
体回転するように結合され、プラネタリキャリヤを該一
方の回転軸と一体回転するように結合され、サンギヤを
該他方の回転軸と一体回転するように結合されて、該一
方の回転軸と該他方の回転軸とが該遊星歯車式差動機構
の左側及び右側に互いに同軸的に配置されて、該増減速
機構が該他方の回転軸側に設置され、該一体型カップリ
ングが該他方の回転軸側における該増減速機構よりも外
側に配置されていることを特徴としている。
【0011】また、請求項6記載の本発明の車両用左右
駆動力配分調整装置は、上記請求項5記載の構成に加え
て、該増減速機構が、プラネタリキャリヤとこれに結合
する第3の中間軸を介して該一方の回転軸に接続され、
その増速機構が該第3の中間軸と該第1の中間軸との間
に介装された歯車機構から構成されるとともに、その減
速機構が該第3の中間軸と該第2の中間軸との間に介装
された歯車機構から構成されていることを特徴としてい
る。
【0012】
【作用】上述の請求項1記載の本発明の車両用左右駆動
力配分調整装置では、エンジンからの駆動力が入力部に
入力されると、この駆動力は、差動機構により左右の回
転軸間の差動を許容されつつ上記の入力部から上記の左
右の各回転軸に伝達され、この時、駆動力伝達制御機構
により、上記の駆動力の左右輪への伝達状態が制御され
る。
【0013】つまり、駆動力伝達制御機構の第1の伝達
トルク容量可変型カップリングをトルク伝達状態にする
と、この第1の伝達トルク容量可変型カップリングで
は、左右輪の一方の回転軸の回転速度を増速されて比較
的高速回転する第1の中間軸から左右輪の他方の回転軸
へとトルク移動が行なわれる。また、第2の伝達トルク
容量可変型カップリングをトルク伝達状態にすると、こ
の第2の伝達トルク容量可変型カップリングでは、左右
輪の一方の回転軸の回転速度を減速されて比較的高速回
転する第2の中間軸に対して左右輪の他方の回転軸から
トルク移動が行なわれる。
【0014】このようにして、左右輪間でのトルク移動
により、駆動力の左右輪への配分状態が制御される。ま
た、上記の入力部及び差動機構のアッセンブリユニット
を駆動力伝達制御機構のアッセンブリユニットから分離
すると、この駆動力伝達制御機構が、エンジンから駆動
力を入力されない従動輪側の左右輪間の駆動力配分装置
として利用できるようになる。
【0015】そして、上述の場合と同様に第1及び第2
の伝達トルク容量可変型カップリングを制御することに
より、従動輪側の左右輪間の駆動力の伝達状態が制御さ
れる。
【0016】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
の車両用左右駆動力配分調整装置について説明すると、
図1,図2はともにその構成を具体的に示す略水平な断
面図であって、図1は本装置を駆動輪側に用いる場合の
構成図、図2は本装置を従動輪側に用いる場合の構成
図、図3はその模式的な構成図、図4はその増減速機構
の配置を示す略鉛直な断面図である。
【0017】この実施例の車両用左右駆動力配分調整装
置は、自動車の後輪の左右駆動力移動を行なうものであ
って、ここでは特に四輪駆動車や前輪駆動車の後輪側に
そなえられ、四輪駆動車に用いられる場合には、センタ
ーディファレンシャル(図示省略)を通じて後輪側へ出
力された駆動力をプロペラシャフト(図示省略)を介し
て入力軸1Bに受けて、この駆動力を左右に配分できる
ようになっている。
【0018】また、前輪駆動車の後輪側に用いられる場
合には、従動輪のうちの一方の従動輪から他方の従動輪
へ動力を伝達する状態を実現して、左右の従動輪間の駆
動力を配分することができるようになっているものであ
る。まず、四輪駆動車に用いる場合について説明する
と、この装置は、図1,図3に示すように、自動車のエ
ンジン出力のうち後輪側へ配分された回転駆動力を入力
される入力軸1Bと、入力軸1Bから入力された駆動力
を出力する左輪側出力軸(左輪側回転軸)2及び右輪側
出力軸(右輪側回転軸)3とを連結するように設けられ
おり、左輪側出力軸2はその左端を左輪の駆動系に連結
され、右輪側出力軸3はその右端を右輪の駆動系に連結
されている。
【0019】そして、この装置は、上記入力軸1Bを含
む入力部1と、差動機構(デファレンシャル)4と、駆
動力伝達制御機構5とから構成される。この装置の中心
となるのが駆動力伝達制御機構5であり、この機構5
は、増減速機構6と、第1の伝達トルク容量可変型カッ
プリング7及び第2の伝達トルク容量可変型カップリン
グ8とから構成される。そして、差動機構4と増減速機
構6とカップリング7,8とが同軸上に配置されてい
る。
【0020】なお、この実施例では、伝達容量可変制御
式トルク伝達機構として電子制御式油圧の多板クラッチ
機構7,8が設けられているが、伝達容量可変制御式ト
ルク伝達機構としては、伝達トルク容量が可変制御でき
るトルク伝達機構であればよく、この例の機構のほか
に、電磁式多板クラッチ機構等の他の多板クラッチ機構
や、これらの多板クラッチ機構の他に、油圧式又は電磁
式の摩擦クラッチや、油圧式又は電磁式の制御可能なV
CU(ビスカスカップリングユニット)や、油圧式又は
電磁式の制御可能なHCU(ハイドロリックカップリン
グユニット=差動ポンプ式油圧カップリング)、さらに
は、電磁流体式あるいは電磁粉体式クラッチ等の他のカ
ップリングを用いることもできる。
【0021】摩擦クラッチの場合、多板クラッチ機構と
同様に油圧等で係合力を調整するものが考えられ、特
に、この摩擦クラッチでは、トルク伝達方向が一方向の
ものを所要の方向(それぞれのトルク伝達方向)向けて
設置することが考えられる。また、このVCUやHCU
には、従来型の動力伝達特性が一定のものも考えられる
が、動力伝達特性を調整できるようにしたものが適して
いる。そして、これらの係合力調整や動力伝達特性の調
整は、油圧による他に、電磁力等の他の駆動系を用いる
ことも考えられる。
【0022】また、伝達トルク容量可変型カップリング
7,8を以下カップリング7,8と略す。以下、各部を
順に説明する。つまり、入力軸1Bは、デフキャリヤ9
にベアリング10を介して枢支されており、この入力軸
1Bの端部に、ピニオン1Aが装着されている。このピ
ニオン1Aは、デフケース11に固定されたクラウンギ
ヤ12に噛合しており、ピニオン1Aの回転がデフケー
ス11に伝えられるようになっている。
【0023】このデフケース11内に、遊星歯車式のリ
ヤデファレンシャル(リヤデフ)4が設けられている。
この遊星歯車式リヤデフ4は、ダブルピニオン式のもの
であり、デフケース11内に形成されたリングギヤ4A
と、左輪側出力軸2と一体回転するプラネタリキャリヤ
4Bと、このプラネタリキャリヤ4Bのプラネタリシャ
フト4Eに枢支されたプラネタリピニオン4C,4C
と、右輪側出力軸3と一体回転するサンギヤ4Dとから
構成される。なお、プラネタリピニオン4C,4Cは、
2つ1組のダブルピニオンである。
【0024】これにより、デフケース11が回転する
と、これと一体回転するリングギヤ4Aにより、プラネ
タリピニオン4C,4Cが駆動される。このプラネタリ
ピニオン4C,4Cは、プラネタリシャフト4Eの回り
に自転しながらサンギヤ4Dの回りを公転して、公転に
応じてプラネタリキャリヤ4Bを通じて左輪側出力軸2
に回転力を伝え、この公転と自転との釣合いに応じてサ
ンギヤ4Dを通じて右輪側出力軸3に回転力を伝えるよ
うになっている。そして、このプラネタリピニオン4
C,4Cが公転と自転とのバランスを自由に換えられる
ことで差動機構が成立している。
【0025】そして、このリヤデフ4の隣に、駆動力伝
達制御機構5の増減速機構6が設けられている。この増
減速機構6は、左輪側出力軸2とキャリヤ4Bを介して
一体回転するように結合された中空の中間軸(第3の中
間軸)13と、第1のカップリング7に接続された中空
の中間軸(第1の中間軸)14と、第2のカップリング
8に接続された中空の中間軸(第2の中間軸)15との
間に介装されている。
【0026】なお、これらの中間軸13,14,15は
いずれも中空軸であり、中間軸13,14は、右輪側出
力軸3の外周に相対回転できるように装備され、中間軸
15は、中間軸14のさらに外周にこれも相対回転でき
るように装備されている。つまり、中間軸13は右輪側
出力軸3と仕切壁16との間に枢支され、中間軸14は
右輪側出力軸3と中間軸15との間に枢支され、中間軸
15は中間軸14の外周に枢支されている。
【0027】そして、これらの中間軸13,14,15
は後述する複合遊星歯車機構を通じてそれぞれ軸支され
ている。なお、中間軸13と仕切壁16との間、及び、
中間軸13と右輪側出力軸3との間には、それぞれオイ
ルシール10Dが介装されており、リヤデフ4側と増減
速機構6及びカップリング7,8側とを互いに液密状態
に仕切っている。
【0028】増減速機構6は、増速機構6Aと減速機構
6Bとからなり、これらの増速機構6Aと減速機構6B
とは、複合遊星歯車機構からなっている。つまり、右輪
側出力軸3の周囲には、図4に示すように、固定式プラ
ネタリシャフト6Cが、ハイポイドピニオン1Aと位相
をずらして複数(ここでは3つ)設けられており、これ
らの各プラネタリシャフト6Cには、3種のギヤ18
A,18B,18Cをそなえた複合型プラネタリピニオ
ン6Dが枢支されている。
【0029】そして、複合型プラネタリピニオン6Dの
各ギヤ18A,18B,18Cに噛合するように、中間
軸13にギヤ(サンギヤ)13Aが設けられ、中間軸1
4にギヤ(サンギヤ)14Aが設けられ、中間軸15に
ギヤ(サンギヤ)15Aが設けられている。これらのギ
ヤ13A,14A,15Aの歯数をそれぞれZ1
2 ,Z3 とすると、Z2 <Z1 <Z3 の関係に設定さ
れている。また、ギヤ18A,18B,18Cの歯数を
それぞれZ4 ,Z5 ,Z6 とすると、Z6 <Z4 <Z5
の関係に設定されている。
【0030】そして、ギヤ13A,18A,18B,1
4Aの組み合わせにより増速機構6Aが構成され、ギヤ
13A,18A,18C,15Aの組み合わせにより減
速機構6Bが構成さている。即ち、増速機構6Aでは、
ギヤ13A,18A,18B,14Aの経路で、中間軸
13の回転が中間軸14に伝達されると、これらの歯数
比から、中間軸14は中間軸13よりも高速で回転する
のである。また、減速機構6Bでは、ギヤ13A,18
A,18C,15Aの経路で、中間軸13の回転が中間
軸15に伝達されると、これらの歯数比から、中間軸1
5は中間軸13よりも低速で回転するのである。
【0031】このような増減速機構6の出力は、中間軸
14及び15を介して、カップリング7,8側へ入力さ
れるようになっている。また、前述の各中間軸13,1
4,15は、固定式プラネタリシャフト6C,プラネタ
リピニオン6D及びサンギヤ13A,14A,15Aを
通じてそれぞれ軸支されている。
【0032】電子制御式油圧多板クラッチ機構である第
1及び第2のカップリング7,8は、リヤデフ4と仕切
壁16により仕切られたデフキャリヤ9内の空間内に一
体に設置されている。各カップリング7,8は、右輪側
出力軸3と一体回転するクラッチ板7A,8Aと、中間
軸14及び15と一体回転するクラッチ板7B,8B
と、これらのクラッチ板7A,7B,8A,8Bにクラ
ッチ圧を加える油圧ピストン7C,8Cとをそなえてお
り、図示しないコントローラの電子制御によって油圧ピ
ストン7C又は8Cの駆動油圧が油圧給排系7D,8D
を通じて調整されて、クラッチ板7A,7B又は8A,
8Bの係合状態、即ち、トルク伝達状態が調整されるよ
うになっている。なお、7E,8Eはリターンスプリン
グである。
【0033】したがって、コントローラの制御によって
カップリング7が係合されると、急旋回でない通常走行
時には、高速回転する中間軸14側から右輪側出力軸3
側へと、つまり、左輪側出力軸2側から右輪側出力軸3
へと駆動力が移動して、左輪よりも右輪の駆動力の方が
大きくなる。逆に、コントローラの制御によってカップ
リング8が係合されると、急旋回でない通常走行時に
は、右輪側出力軸3側から低速回転する中間軸15側へ
と、つまり、右輪側出力軸3側から左輪側出力軸2へと
駆動力が移動して、右輪よりも左輪の駆動力の方が大き
くなる。
【0034】このように、本装置では、スリップクラッ
チ等での速度の速い側から遅い側へのみトルクを伝達す
るという原理を利用したものである。なお、図中、10
Bはニードルベアリング、10Cはころ軸受け、10D
はオイルシールである。ところで、上述した入力部1と
差動機構4と駆動力伝達制御機構5とは、それぞれ規格
化されたアッセンブリユニット21,24,25として
構成されており、各アッセンブリユニット21,24,
25は、ボルト20等により結合されている。
【0035】これにより、本装置は3分割することがで
きるようになっており、本装置から入力部1と差動機構
4とを取り外すことができるようになっている。そし
て、図2に示すように、入力部1と差動機構4とを駆動
力伝達制御機構5から分離することにより、本装置は従
動輪用の左右駆動力配分調整装置として用いることがで
きるようになっている。
【0036】例えば、本装置を前輪駆動車の従動輪(後
輪)側に用いる場合、入力部1と差動機構4とを取り外
した後、図2に示すように、これらのアッセンブリユニ
ット21,24と駆動力伝達制御機構5との間の仕切壁
16の替わりにケーシング16Aを取り付けるという作
業のみで駆動輪用の左右駆動力配分調整装置を従動輪用
の左右駆動力配分調整装置とすることができるのであ
る。
【0037】なお、この装置を従動輪側に用いる場合
は、差動機構4がない分だけ装置全体の幅方向の寸法が
小さくなるので、当然出力軸2,3はこれを考慮したも
のに変更されるようになっている。したがって、駆動力
伝達制御機構5を駆動輪用及び従動輪用の左右駆動力配
分調整装置の両方に共通のユニットとして用いることが
でき、これに入力部1と差動機構4と追加することによ
り駆動輪用の左右駆動力配分調整装置を構成するように
なっているのである。
【0038】本発明の一実施例としての車両用左右駆動
力配分調整装置は、上述のように構成されているので、
コントローラの制御によってカップリング7,8を適宜
作用させることで、左右輪の駆動力移動を調整して、例
えば左右輪の駆動力(エンジンから入力される駆動力に
限らない)を不均等にすることで旋回モーメントを発生
させて車両の旋回性能を向上させたり、逆に、左右輪の
駆動力が均衡するように制御を行なって車両の直進性能
を向上させたりすることができる。
【0039】しかも、ブレーキ等のエネルギーロスを用
いてトルク配分を調整するのでなく、一方のトルクの所
要量を他方に転送することによりトルク配分が調整され
るため、大きなトルクロスやエネルギロスを招来するこ
となく、所望のトルク配分を得ることができる。そし
て、この装置では、カップリング7,8が中間軸13〜
15を介して設けられて、カップリング容量が少なくて
済むので、装置をコンパクト化できる。
【0040】また、本装置では、入力部1と差動機構4
と駆動力伝達制御機構5とがそれぞれアッセンブリユニ
ット21,24,25として規格化されているので、異
なる駆動方式の車種であっても多くの部品を共用化する
ことができ、部品点数の増加を防止することができる。
つまり、本装置の駆動力伝達制御機構5は、このアッセ
ンブリユニット25のみで従動輪側の左右駆動力配分調
整装置として用いることができ、これに入力部1と差動
機構4とのアッセンブリユニット21,24を追加する
ことで、駆動輪用の左右駆動力配分調整装置を構成する
ことができるのである。
【0041】そして、これにより装置の製造コストを低
減することができる。また、制御方向の切換スイッチが
省略されており、増減速機構6から何れのカップリング
7,8へも直接駆動トルクが伝わるので、制御応答性が
大きく向上する。さらに、リヤデフ4がダブルピニオン
タイプの遊星歯車式デフで構成されて、増速機構6Aと
減速機構6Bとを一体化した増減速機構6が設けられて
いるので、すべての機構を同軸上に設置でき、また、使
用オイルの異なるギヤ類と多板クラッチ部とを分離でき
るので、装置をコンパクト化できるとともに、オイル管
理を容易にできるようになる利点もある。
【0042】さらに、増減速機構6として、複合遊星歯
車機構を使用しているので、歯車の自動調心効果によっ
て、中間軸13,14,15の軸心が自動的に一致し
て、且つ歯車の噛み合い反力が相殺されて、安定した作
動を行なえる。また、カウンタシャフト利用の平行2軸
のものでは、十分な剛性のある軸受けか必要であるが、
複合遊星歯車機構では、これが不要となり、機構のコン
パクト化を更に進めることが出来る。
【0043】なお、本装置では、増減速機構6として必
ずしも複合遊星歯車機構を用いなくてもよく、増減速機
構6を例えば上述のカウンタシャフト利用の平行2軸の
ものにしてもよい。また、本装置では、入力部1と差動
機構4と駆動力伝達制御機構5とを、それぞれ規格化さ
れたアッセンブリユニット21,24,25として構成
された場合について説明しているが、入力部1と差動機
構4とを一体化したアッセンブリユニットとして構成す
るようにしてもよい。
【0044】これにより、本装置は、入力部1と差動機
構4とを一体化したアッセンブリユニットと、駆動力伝
達制御機構5のアッセンブリユニット25とに2分割す
ることができ、本装置を前輪駆動車の従動輪(後輪)側
に用いる場合、入力部1と差動機構4とが一体となった
アッセンブリユニットを取り外した後、ケーシング16
Aを取り付けるという作業のみで駆動輪用の左右駆動力
配分調整装置を従動輪用の左右駆動力配分調整装置とす
ることができるのである。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の車両用左右駆動力配分調整装置によれば、車両に
おける左輪回転軸と右輪回転軸との間に、エンジンから
の駆動力を入力される入力部と、該左右の回転軸間の差
動を許容しつつ該入力部から入力された駆動力を該左右
の各回転軸に伝達する差動機構と、該駆動力の伝達状態
を制御して該左右輪への駆動力配分を調整しうる駆動力
伝達制御機構とをそなえ、該駆動力伝達制御機構が、左
輪回転軸と右輪回転軸との間に介装されてこれらの回転
軸のうちの一方の回転軸の回転速度を増速して第1の中
間軸に出力する増速機構と該一方の回転軸の回転速度を
減速して第2の中間軸に出力する減速機構とが一体化さ
れた増減速機構と、該第1の中間軸と該左右の回転軸の
うちの他方の回転軸との間に介装されて該第1の中間軸
と該他方の回転軸との間で駆動力の伝達を行ないうる第
1の伝達トルク容量可変型カップリングと、該第2の中
間軸と該左右の回転軸のうちの他方の回転軸との間に介
装されて該第2の中間軸と該他方の回転軸との間で駆動
力の伝達を行ないうる第2の伝達トルク容量可変型カッ
プリングとから構成され、該第1及び第2の伝達トルク
容量可変型カップリングが互いに隣接して一体化された
一体型カップリングとして構成されて、該差動機構と該
増減速機構と該一体型カップリングとが同軸上に配置さ
れるとともに、該入力部及び該差動機構と、該駆動力伝
達制御機構とが、それぞれアッセンブリユニットとして
規格化され、該入力部のアッセンブリユニットと該差動
機構のアッセンブリユニットとが、該駆動力伝達制御機
構のアッセンブリユニットに対して分離可能に構成され
ることにより、ブレーキ等のエネルギーロスを用いてト
ルク配分を調整するのでなく、一方のトルクの所要量を
他方に転送することによりトルク配分が調整されるた
め、大きなトルクロスやエネルギロスを招来することな
く、所望のトルク配分を得ることができる。
【0046】そして、特に、カップリングが中間軸を介
して設けられて、カップリング容量が少なくて済むの
で、装置をコンパクト化できる。また、増減速機構から
何れのカップリングへも直接駆動トルクが伝わるので、
制御応答性が大きく向上する。さらに、入力部と差動機
構と駆動力伝達制御機構とがそれぞれアッセンブリユニ
ットとして規格化されているので、異なる駆動方式の車
種であっても多くの部品を共用化することができ、部品
点数の増加を防止することができる。
【0047】そして、これにより装置の製造コストを低
減することができる。また、請求項2記載の本発明の車
両用左右駆動力配分調整装置によれば、該第1及び第2
の伝達トルク容量可変型カップリングが、いずれも電子
制御式油圧多板クラッチにより構成され、これらの電子
制御式油圧多板クラッチが直列的に一体化されて該一体
型カップリングが構成されることにより、制御性が良く
確実に構成できる装置になる。
【0048】また、請求項3記載の本発明の車両用左右
駆動力配分調整装置によれば、該一体型カップリング
が、該差動機構と隔壁を介して設けられるという構成に
より、使用オイルの異なるギヤ類と多板クラッチ部とを
確実に分離できるので、装置をコンパクト化できるとと
もに、オイル管理を容易にできるようになる利点もあ
る。
【0049】また、請求項4記載の本発明の車両用左右
駆動力配分調整装置によれば、該差動機構が、遊星歯車
式差動機構により構成されることにより、装置をよりコ
ンパクト化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての車両用左右駆動力配
分調整装置における構成を具体的に示す略水平な断面図
であって、駆動輪側に用いる場合の構成図である。
【図2】本発明の一実施例としての車両用左右駆動力配
分調整装置における構成を具体的に示す略水平な断面図
であって、従動輪側に用いる場合の構成図である。
【図3】本発明の一実施例としての車両用左右駆動力配
分調整装置における模式的な構成図である。
【図4】本発明の一実施例としての車両用左右駆動力配
分調整装置における増減速機構の配置を示す略鉛直な断
面図である。
【符号の説明】
1 入力部 1A ピニオン 1B 入力軸 2 左輪側出力軸(左輪側回転軸) 3 右輪側出力軸(右輪側回転軸) 4 差動機構(デファレンシャル)としての遊星歯車式
リヤデフ 4A リングギヤ 4B プラネタリキャリヤ 4C プラネタリピニオン 4E プラネタリシャフト 4D サンギヤ 5 駆動力伝達制御機構 6 複合遊星歯車機構からなる増減速機構 6A 増速機構 6B 減速機構 6C 固定式プラネタリシャフト 6D 複合型プラネタリピニオン 7 第1の伝達トルク容量可変型カップリングとしての
電子制御式油圧多板クラッチ機構 8 第2の伝達トルク容量可変型カップリングとしての
電子制御式油圧多板クラッチ機構 7A,7B,8A,8B クラッチ板 7C,8C 油圧ピストン 7D,8D 油圧給排系 7E,8E リターンスプリング 9 デフキャリヤ 10 ベアリング 10B ニードルベアリング 10C ころ軸受け 10D オイルシール 11 デフケース 12 クラウンギヤ 13 第3の中間軸 14 第1の中間軸 15 第2の中間軸 13A,14A,15A ギヤ 16,17 仕切壁 16A ケーシング 18A,18B,18C ギヤ 21 入力部アッセンブリユニット 24 差動機構アッセンブリユニット 25 駆動力伝達制御機構アッセンブリユニット 20 ボルト

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両における左輪回転軸と右輪回転軸と
    の間に、エンジンからの駆動力を入力される入力部と、 該左右の回転軸間の差動を許容しつつ該入力部から入力
    された駆動力を該左右の各回転軸に伝達する差動機構
    と、 該駆動力の伝達状態を制御して該左右輪への駆動力配分
    を調整しうる駆動力伝達制御機構とをそなえ、 該駆動力伝達制御機構が、 左輪回転軸と右輪回転軸との間に介装されてこれらの回
    転軸のうちの一方の回転軸の回転速度を増速して第1の
    中間軸に出力する増速機構と該一方の回転軸の回転速度
    を減速して第2の中間軸に出力する減速機構とが一体化
    された増減速機構と、 該第1の中間軸と該左右の回転軸のうちの他方の回転軸
    との間に介装されて該第1の中間軸と該他方の回転軸と
    の間で駆動力の伝達を行ないうる第1の伝達トルク容量
    可変型カップリングと、 該第2の中間軸と該左右の回転軸のうちの他方の回転軸
    との間に介装されて該第2の中間軸と該他方の回転軸と
    の間で駆動力の伝達を行ないうる第2の伝達トルク容量
    可変型カップリングとから構成され、 該第1及び第2の伝達トルク容量可変型カップリングが
    互いに隣接して一体化された一体型カップリングとして
    構成されて、該差動機構と該増減速機構と該一体型カッ
    プリングとが同軸上に配置されるとともに、 該入力部及び該差動機構と、該駆動力伝達制御機構と
    が、それぞれアッセンブリユニットとして規格化され、 該入力部のアッセンブリユニットと該差動機構のアッセ
    ンブリユニットとが、該駆動力伝達制御機構のアッセン
    ブリユニットに対して分離可能に構成されていることを
    特徴とする、車両用左右駆動力配分調整装置。
  2. 【請求項2】 該第1及び第2の伝達トルク容量可変型
    カップリングが、 いずれも電子制御式油圧多板クラッチにより構成され、 これらの電子制御式油圧多板クラッチが直列的に一体化
    されて該一体型カップリングが構成されていることを特
    徴とする、請求項1記載の車両用左右駆動力配分調整装
    置。
  3. 【請求項3】 該一体型カップリングが、 該差動機構と隔壁を介して設けられていることを特徴と
    する、請求項1記載の車両用左右駆動力配分調整装置。
  4. 【請求項4】 該差動機構が、 遊星歯車式差動機構により構成されていることを特徴と
    する、請求項1又は2記載の車両用左右駆動力配分調整
    装置。
  5. 【請求項5】 該遊星歯車式差動機構が、 リングギヤを該入力部と一体回転するように結合され、 プラネタリキャリヤを該一方の回転軸と一体回転するよ
    うに結合され、 サンギヤを該他方の回転軸と一体回転するように結合さ
    れて、 該一方の回転軸と該他方の回転軸とが該遊星歯車式差動
    機構の左側及び右側に互いに同軸的に配置されて、 該増減速機構が該他方の回転軸側に設置され、 該一体型カップリングが該他方の回転軸側における該増
    減速機構よりも外側に配置されていることを特徴とす
    る、請求項4記載の車両用左右駆動力配分調整装置。
  6. 【請求項6】 該増減速機構が、 プラネタリキャリヤとこれに結合する第3の中間軸を介
    して該一方の回転軸に接続され、 その増速機構が該第3の中間軸と該第1の中間軸との間
    に介装された歯車機構から構成されるとともに、 その減速機構が該第3の中間軸と該第2の中間軸との間
    に介装された歯車機構から構成されていることを特徴と
    する、請求項5記載の車両用左右駆動力配分調整装置。
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