JPH0761253B2 - 細胞培養担体及びその製法ならびに陰イオン性親水特性を有する細胞培養担体の製法 - Google Patents

細胞培養担体及びその製法ならびに陰イオン性親水特性を有する細胞培養担体の製法

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JPH0761253B2
JPH0761253B2 JP19332087A JP19332087A JPH0761253B2 JP H0761253 B2 JPH0761253 B2 JP H0761253B2 JP 19332087 A JP19332087 A JP 19332087A JP 19332087 A JP19332087 A JP 19332087A JP H0761253 B2 JPH0761253 B2 JP H0761253B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は生体の組織培養のための培養効率の良い細胞培
養担体およびその製法に関するものである。
〔従来の技術〕 細胞培養は支持担体の種類により、1)単層培養、2)
浮遊培養、3)包埋培養に分類される。単層培養法は担
体に接着してはじめて増殖できる細胞の培養で、面培養
として広く採用されている方法である。しかし、かかる
場合、細胞増殖は平面で行われるため細胞形態は生体と
は異なったものとなるし、表面を完全に覆った時点で細
胞増殖は停止してしまうという問題がある。また浮遊培
養法は培養液中を浮遊させ培養する方法であり、担体へ
の接着を必要としない血球細胞や癌細胞などの細胞の場
合にのみ限定される。しかし、ある種の細胞、特に上皮
細胞の多くはかかる単純な方法では増殖機能発現が困難
であり、より生体内に類似した環境下での培養をはかる
べく精力的検討がなされている。このため、細胞からの
老廃物除去、細胞への栄養補給を目的とした中空糸膜の
利用、包埋培養法としてコラーゲンスポンジによる3次
元培養等が試みられている。
中空糸膜の場合は基本的には2次元培養であり自ずと限
界がある。コラーゲンゲルスポンジの場合は細胞形態が
生体に極めて類似したものが得られ、生体の形態を変化
させることなく増殖しつづけることが可能である。
〔本発明が解決しようとする問題点〕
従来のコラーゲンゲルを用いた培養法の問題点としては
ゲルスポンジの孔のサイズを均一に再現良く加工でき
ず、また機械的強度も弱く、種々の形態に加工出来ず実
際の大量培養の際おおきな問題となっていた。本発明は
かかる培養特性の再現性、成形性、機械強度問題を解決
し、さらに優れた組織増殖性を保証する極めて実用性の
高い高性能な細胞培養担体およびその製法を提供するも
のである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の細胞培養担体は、次の構成からなる。
すなわち、陰イオン性親水特性を有する1.0dtex以下の
極細繊維を用いてなる細胞培養担体である。
また、本発明の細胞培養担体の製法は次の構成からな
る。
すなわち、ポリマーを紡糸して、1.0dtex以下の極細繊
維からなる細胞培養担体を得るに際し、ポリマー段階、
繊維段階、担体段階のいずれかの段階で陰イオン性親水
基を導入することを特徴とする細胞培養担体の製法であ
る。
さらにまた、本発明の陰イオン性親水特性を有する細胞
培養担体の製法は次の構成からなる。
すなわち、1.0dtex以下の極細繊維からなる基材を形成
後、プラズマ処理することを特徴とする陰イオン性親水
特性を有する細胞培養担体の製法である。
本発明の1.0dtex以下の極細繊維を構成するポリマー
は、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ
テトラフルオロエチレン、レーヨン、ポリスチレンおよ
びメチルメタクリレート等のビニル系ポリマー、ポリア
ミノ酸、コラーゲン、ポリウレタン、ポリスルホン、ポ
リフェニレンスルファイド、ポリフェニレンスルホキサ
イド、ポリカーボネート、ポリフォスファーゼン、ポリ
アセタール、等およびこれら共重合体の中から適宜選択
可能である。このうち特にポリエステルが好ましい。こ
れらポリマーをプラズマ処理するかあるいはスルホン
基、カルボキシル基を付与し陰イオン性の親水特性を付
与する。本発明では特にスルホン基が好ましい。
本発明で言う陰イオン性親水特性とは、少なくとも繊維
表面が陰イオン的性質を有し、かつ親水特性を示す状態
を言う。本発明の特徴は繊維表面での陰イオン的性質に
あり、繊維全体の陰イオン密度には関係しない。即ち繊
維内部には陰イオンは必ずしも存在しなくても良い。従
って全体としての平均的イオン濃度はあまり意味をなさ
ないことになる。本発明における陰イオン的性質の効果
尺度としては、担体を形成する繊維表面の親水特性であ
る。この親水性の定量的表現は、形状因子が関与するた
め一般的には極めて困難である。便宜的一手段として、
ここでは以下の方法を推奨する。この方法は、容量約1c
cの注射器を垂直にホルダーで固定し、注射針として1
滴が0.005ccのものを取りつける。この下5cmの位置に基
材(担体)が水平になるようにセットする。この基材
(担体)の上に、注射器より蒸溜水を一滴たらし、基材
に滴下した時から基材上の水滴の特別な反射がなくなっ
た時までの時間を0.1秒まで読み取る。これを場所を変
え5回行い、その平均値をもって親水度と定義する。本
発明では、この値が50秒以下好ましくは30秒以下、特に
好ましくは10秒以下が良い。
本発明で、陰イオン性親水特性の導入は、かかるイオン
基を有するものを共重合するか、ポリマーを直接スルホ
ン化あるいはカルボキシル基化するか、もしくはグラフ
ト重合するなどの手段で達成出来る。
かかる処理はポリマー段階、繊維段階、担体段階いずれ
でも可能な段階で処理して良い。
重合段階で行う場合、例えばポリエステルの場合なら、
ソジュームスルホ−ジメチルイソフタル酸を酸成分の一
部として混合添加して行うか、ポリスチレンの如くベン
ゼン環をスルホン化することも可能である。特にポリス
チレンの場合は繊維化した後で行うのが良い。またグラ
フト重合する場合は、繊維化後が前提となるが、繊維も
しくは担体に成形した後そのまま、あるいはより反応を
容易にするためにはプラズマ処理したのちグラフト化処
理すれば良い。かかるグラフト化は公知の方法が適用可
能である。
また別の物理的手段としてはプラズマ処理がある。かか
る方法は、担体全体としてのイオン密度は高くなくて
も、繊維最表面がイオン化されているため、顕著な効果
が得られやすい。かかる物理的手段と上記化学的手段を
組み合わせることで単独の場合よりもなお一層の効果が
えられる場合があり、かかる手段は適宜組み合わせ用い
うる。
本発明における極細繊維は1.0dtex以下が必要である
が、特に好ましい範囲は0.5dtex以下、より好ましくは
0.1dtex以下である。かかる極細繊維とすることにより
細胞との馴染みが著しく増し、親水化或いは陰イオン化
とあいまって細胞の顕著な増殖効果が現れる。
極細繊維を得るに当たっては、通常の溶融、湿式、乾
式、紡糸法により可能であるが、特に極細繊維を必要と
する場合はUSP3,531,368、USP3,350,488等に示唆されて
いるごとく多成分系繊維を紡糸し、一成分を除去するこ
とにより極細繊維化する方法が推奨できる。かかる繊維
を用い、織、編み、不織布、組紐等の技術を用い担体加
工する。
さらに直接的に行うためにはメルトブローに代表される
ごとく、高速糸条を集積し担体に成形することも可能で
ある。またフィルム状にしておき延伸することで、フィ
ブリル化し極細繊維化することも可能である。このよう
なものはポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン
などに顕著に見られる現象であり、かかるフィブリル化
し易いものに対し有効に活用出来る。
不織布の場合は、直接紡糸法の他に、カード機によりウ
エッブ形成後、ニードルパンチ、ウオーターパンチ、バ
インダー処理等適宜行っても良い。バインダーとしては
適宜生体毒のないもので極細繊維機能を阻害しないもの
ならなんでも良い。具体的には、例えば熱により接着さ
せる熱融着タイプとして、例えばポリエステル、ポリア
ミド、ポリオレフィン、ポリウレタンなどが特に好まし
い。液、エマルション、もしくはゲル状の場合は、例え
ばポリウレタン、コラーゲン、ポリアミノ酸、ポリスチ
レンを液状で付与した後、そのまま乾燥するか、凝固浴
中につけ固化させる。これはほんの一例であって本発明
はこれに限定されずより発展的に理解すべきである。
担体の成形に当たっては、膜状、棒状、球状(マリモ
状)、タンザク状、蛇腹状、ラセン状、ベルト状、サイ
コロ状、など任意の形状が可能である。このうち特にマ
リモ状のものが好ましい。このマリモ状の形成は、半球
状のネットの型に繊維を吹き付け、バインダーでかため
ても良いし、先端を接着(融着)した短いトウ状物を、
カード機にかけ、トウ状物内で繊維をもつれさせること
などで形成できる。また、これと実質的に同一の効果を
得るためには、厚手の不織布をサイコロ状に切っても良
い。かかるごとく、本発明は、成形加工性に富むもので
あり、かつ機械的強度も、従来の織、編み手段で形成さ
れた物並みに、充分高められるものである。かかる担体
は、細かくすることにより、単体培養と浮遊培養との中
間に位置する、浮遊培養のマイクロキャリヤーとしても
適用可能である。さらに、本発明の担体では、立毛を有
することで一層の効果が発揮される。ここに言う立毛と
は、ループもしくは毛羽状の極細繊維を意味する。この
形成にあたっては、織、編み時でのループ組織の形成、
あるいはシェニール糸の利用、また担体形成後の起毛
機、バフ機、さらにはニードルパンチ機、ウオータージ
ェットパンチ機による加工処理などで達成出来る。
かかる極細繊維の立毛を有することにより、細胞との接
触面積の増加、細胞の形態変化に追従可能な組織の柔軟
性の向上、栄養補給と老廃物除去に関与する空孔状体の
調整が可能となり、良好な担体機能が付加される。
以下実施例を付し本発明をより具体的に説明するが本発
明はこれにとらわれるものでない。
〔実施例〕
実施例1 USP3,531,368に示された複合繊維において、島成分に、
ソジュームスルホイソフタル酸を8モル%共重合したポ
リエチレンテレフタレートを80部、海成分に、ポリスチ
レンを20部用い、島数を36本/フィラメントとし、83dt
ex−24fのヤーンを得た(単糸0.078dtexに相当)。これ
を用い5枚朱子織物を形成した。精練後、トリクロルエ
チレン中に漬け、ポリスチレンを除去した後、乾燥し
た。さらに、エタノールで充分洗浄し、乾燥後、プラズ
マ処理した。これをエチレンオキサイドガスで滅菌し、
3日間ガス抜き後、プラスチックシャーレ上に置き、ラ
ット肝細胞の培養を行った。この時の培養液にRPMI1640
(FCS10%含有)を無血清で用い、炭酸ガスインキュベ
ーター中での培養を行った。コントロールとして、プラ
スチックシャーレと複合繊維の島成分に、ポリエチレン
テレフタレートを用いたものを全く同様に処理し、同様
にテストした。
この結果、プラスチックシャーレの場合は、7日でもシ
ャーレ全体を覆うフルグロースには成らなかったが、こ
の値を1として相対評価すると、ソジュームイソフタル
酸を共重合させたものは50倍、ポリエチレンテレフタレ
ートのみの場合は10倍と明らかな効果が認められた。
比較実施例1 実施例1で、島成分にポリエチレンテレフタレートとし
た以外は全く同様にしてテストした。
この結果増殖の相対値は5であった。
実施例2 ソジュームイソフタル酸(7モル%)とブチレンテレフ
タレートとの共重合体を用い、島数を変更し、それぞれ
単糸太さ1.4dtex、0.5dtex、0.009dtexとなるようにし
た実施例1と同様の複合繊維を得た。この繊維にそれぞ
れ捲縮をかけ、51mmの長さにカットしてステープルとし
た。これを、カードとクロスラッパーにかけ、ついでニ
ードルパンチし、目付250g/m2のフェルトを作成した。
このフェルトを98℃の熱水につけ収縮させ、乾燥後、ト
リクロルエチレンにつけポリスチレンを除去した。これ
等をプラズマ処理し、ついでそれぞれ個別にシャーレ中
に置き、培養液中を注入した。ついで犬の線維芽細胞を
1×105個/mlの濃度となる様注入し、炭酸ガスインキュ
ベーター中37℃で7日間培養した。
なお培養液中にはトリチュウムでラベルしたチミジンを
混入させておいた。これは細胞分裂を起こす際、核を形
成するのにチミジンを必要とし、このチミジンが細胞内
に取り込まれることを利用して、細胞分裂の度合を測定
しようとするもので、チミジンのラベラーであるトリチ
ューム濃度をシンチレーションカウンターで測定するこ
とで分裂の度合が定量化できる。
この測定結果、プラスチックシャーレのみで培養し、フ
ルグロース(full growth)となり増殖が停止した時の
培養細胞数を1とした時、1.4dtexのものは約5倍、0.5
dtexのものは約10倍、0.009dtexのものは70倍であっ
た。この結果は、特に極細化することにより顕著な効果
が得られるを示している。
〔発明の効果〕 本発明のごとく、表面が陰イオンによる極細繊維の作用
効果として、極めて細胞との馴染が良く、かかる繊維か
らなる担体を用いることにより、細胞増殖が長期に渡り
安定して可能となり、極めて高性能な担体機能を発揮す
る。
また3次元培養担体としても細胞は生体に近い分化がお
こなわれ、またその機能も維持され、長期生存が可能と
なった。
特に極細繊維とすることにより、繊維相互間の空隙が均
一となり、このミクロな通路による毛細管現象により、
拡散運搬効果の増大がはかれ、この結果、細胞の培養に
不可欠の、細胞への栄養の補給、老廃物の除去がきわめ
てスムーズにおこなわれると推定される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰イオン性親水特性を有する1.0dtex以下
    の極細繊維を用いてなる細胞培養担体。
  2. 【請求項2】親水特性がスルホン基、カルボキシル基、
    の少なくともいずれかにより付与されてなることを特徴
    とする特許請求の範囲第(1)項に記載の細胞培養担
    体。
  3. 【請求項3】ポリマーを紡糸して、1.0dtex以下の極細
    繊維からなる細胞培養担体を得るに際し、ポリマー段
    階、繊維段階、担体段階のいずれかの段階で陰イオン性
    親水基を導入することを特徴とする細胞培養担体の製
    法。
  4. 【請求項4】1.0dtex以下の極細繊維からなる基材を形
    成後、プラズマ処理することを特徴とする陰イオン性親
    水特性を有する細胞培養担体の製法。
  5. 【請求項5】担体形成に際し、多成分系繊維を用い不織
    布ウエッブを形成し、繊維相互をニードルもしくはウォ
    ータージェットの物理的手段で絡合させた後極細化し、
    さらにチップ状に裁断することを特徴とする特許請求の
    範囲第(3)項に記載の細胞培養担体の製法。
  6. 【請求項6】担体形成に際し、多成分系繊維の先端を接
    着(融着)した短いトウ状物をカード機にかけトウ状物
    内で繊維をもつれさせた後極細繊維化することを特徴と
    する特許請求の範囲第(3)項に記載の細胞培養担体の
    製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5950313B2 (ja) 2014-07-17 2016-07-13 金剛産業株式会社 建物壁の断熱化工法、断熱建物壁

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