JPH0761972B2 - カルボン酸の製造法 - Google Patents

カルボン酸の製造法

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JPH0761972B2
JPH0761972B2 JP61240129A JP24012986A JPH0761972B2 JP H0761972 B2 JPH0761972 B2 JP H0761972B2 JP 61240129 A JP61240129 A JP 61240129A JP 24012986 A JP24012986 A JP 24012986A JP H0761972 B2 JPH0761972 B2 JP H0761972B2
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  • Catalysts (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、オレフィン類を酸化開裂することによるカル
ボン酸の製造法に関する。
[従来の技術] 石油や動植物油脂から大量かつ安価に得られるオレフィ
ン類の不飽和結合を酸化開裂して得られるカルボン酸
は、エステル、イミド、アミド等の原料として広範囲に
利用されている。
オレフィン類を酸化開裂してカルボン酸を製造する方法
については、これまでにも種々提案されている。例え
ば、過マンガン酸カリウム、重クロム酸カリウム、四酸
化ルテニウム等の金属化合物により酸化する方法や、こ
れらのものを触媒量加え、次亜塩素酸ナトリウムや過ヨ
ウ素酸ナトリウム等の酸化剤を用いる方法(Bull.Chem.
Soc.Jpn.,59,2637(1986))等が知られている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、これらの方法はクロムやルテニウムのよ
うに金属に毒性があったり、又、次亜塩素酸ナトリウム
や過ヨウ素酸ナトリウム等にあっては腐蝕性があるうえ
に高価であることから実用に耐えないものであった。更
にこれらの酸化剤は、酸性条件下では不安定で、反応は
塩基性の条件下で行なわなければならない。このため中
和工程を必要とし、製造工程が煩雑となり工業的には不
利である。これらのことからオレフィン類を酸性条件下
で酸化開裂させ、安全かつ安価にカルボン酸を製造する
方法が望まれていた。
過酸化水素は、安価で腐蝕性がなく、酸性下で安定であ
ることからカルボン酸の製造における適切の酸化剤であ
る。しかし、このものは水溶性であるため、油溶性物質
に作用させる場合にはタングステン酸やモリブデン酸に
アルキル置換アンモニウムやホスホニウム等を導入して
油溶性を付与したごとき特殊で高価な触媒を使用する方
法(特開昭60−34929号)が知られているのみであっ
て、水溶性の触媒を適用する方法については未だ知られ
ていない。
又、上記の方法の如くナトリウム、カリウム、アンモニ
ウム、ホスホニウム等のカチオンが反応系に共存する場
合には生成するカルボン酸の純度や収率が低下し、更に
別途精製工程を必要とする等実用上問題がある。即ち、
カルボン酸を簡便かつ安価に製造するためにはプロトン
以外のいかなるカチオンの存在も製造上不利益を生ず
る。
ところが本発明者らの研究によれば予想外のことに油溶
性のないタングステン酸であっても何ら上記のごとき処
理を施すことなく触媒として使用し、過酸化水素を酸化
剤としてオレフィン類に作用させることにより極めて効
果的に二重結合が酸化開裂され、対応するモノ及び/又
はジカルボン酸が得られることが明らかとなった。又、
上記タングステン酸と同様にモリブデン酸を触媒として
用いた場合にもオレフィン類の二重結合が酸化開裂され
ることが見い出された。
更に本発明者らは、タングステン酸又はモリブデン酸の
ヘテロポリ酸を触媒として用いる場合にも、オレフィン
類の二重結合が過酸化水素により効率よく酸化開裂さ
れ、対応するモノ及び/又はジカルボン酸が高収率、高
純度で製造できることを見い出した。
本発明は、上記の新知見に基づいて完成されたものであ
る。
即ち、本発明は、オレフィン類を過酸化水素により酸化
開裂してカルボン酸を製造する方法に当っての新規有用
な触媒を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、オレフィン類を酸化開裂してカルボン酸を製
造するに当り、タングステン酸、モリブデン酸及びそれ
らのヘテロポリ酸からなる群から選ばれる1種又は2種
以上の触媒の存在下、過酸化水素により酸化開裂するこ
とを発明の要旨とする。
本発明におけるオレフィン類としては、ブテン、ペンテ
ン、ヘキサン、オクテン、シクロペンテン、シクロヘキ
セン、シクロオクテン等の炭素数4〜8の脂肪族、脂環
族炭化水素、ジシクロペンテノール、スルホレン、ホロ
ン、イソホロン、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノ
ール酸、リノレイン酸、リシノレイン酸及びそれらのエ
ステル等のカルボニル基、水酸基、カルボキシル基、エ
ステル基、スルホン基等の官能基を有するオレフィンが
例示される。上記官能基は、本発明に係る反応を阻害す
るものでなければ、オレフィン類と同様に酸化される基
であってもよく、条件によっては反応の進行に寄与する
場合がある。
本発明に係る触媒としては、タングステン酸、モリブデ
ン酸、あるいはこれらのヘテロポリ酸が掲げられる。こ
こにいうヘテロポリ酸とは、2種以上の酸素酸からなる
縮合酸であり、ポリ酸原子としては、タングステン及び
モリブデンであり、ヘテロ原子としては、以下に示すよ
うな各種のものが使用できる。タングステン酸のヘテロ
ポリ酸におけるヘテロ原子としては、P、As、Si、Ti、
Co、Fe、B、V、Be、I、Ni、Ga等が例示される。タン
グステン酸のヘテロポリ酸の具体例しては、次の構造
式、 H3〔PW12O40〕、 H3〔AsW12O40〕、 H4〔SiW12O40〕、 H4〔TiW12O40〕、 H5〔CoW12O40〕、 H5〔FeW12O40〕、 H5〔BW12O40〕、 H3〔VW12O40〕、 H6〔BeW9O31〕、 H6〔TeW6O24〕、 H5〔IW6O24〕、 H4〔NiW6O24H6〕、 H3〔GaW6O24H6〕、 H6〔P2W18O62〕、 H6〔As2W18O62〕、 H7〔PW11O33〕 を有するものが例示できる。
又、モリブデン酸のヘテロポリ酸におけるヘテロ原子と
しては、P、As、Si、Ge、Ti、Ce、Th、Mn、Ni、Te、
I、Co、Cr、Fe、Ga等が例示される。モリブデン酸のヘ
テロポリ酸の具体例としては、次の構造式、 H3〔PWo12O40〕、 H3〔AsMo12O40〕、 H4〔SiMo12O40〕、 H4〔GeMo12O40〕、 H4〔TiMo12O40〕、 H8〔CeMo12O42〕、 H8〔ThMo12O42〕、 H7〔PMo11O39〕、 H7〔AsMo11O39〕、 H8〔GeMo11O39〕、 H6〔MnMo9O32〕、 H6〔NiMo9O32〕、 H6〔TeMo6O24〕、 H5〔IMo6O24〕、 H3〔CoMo6O24H6〕、 H3〔CrMo6O24H6〕、 H3〔FeMo6O24H6〕、 H3〔GaMo6O24H6〕、 H4〔NiMo6O24H6〕、 H6〔P2Mo18O62〕、 H6〔As2Mo18O62〕 を有するもの等が例示できる。
更に、各々の原子を2種以上配位させた混合配位ヘテロ
ポリ酸、例えば、 H4PMoW11O40、 H4PReW11O40、 H4PVMo11O40、 H5PV2Mo10O40、 H3PMo6W6O40 等も使用可能である。上記に例示したこれらヘテロポリ
酸はいずれも公知のものである。合成の容易さ又は入手
の容易さの観点からは、ヘテロ原子としてP又はSiを含
有するヘテロポリ酸が好ましく、特に 12−タングストリン酸(H3PW12O40)、 12−タングストケイ酸(H3SiW12O40)、 12−モリブドリン酸(H3PMo12O40)等がより好ましい。
又、上記触媒として用いるタングステン酸、モリブデン
酸又はこれらのヘテロポリ酸は、水和物であってもよ
く、更に、反応系内で上記のタングステン酸、モリブデ
ン酸又はこれらのヘテロポリ酸を生成し得る化合物の形
態であってもよい。このような化合物としては、MO3、M
Cl6及びMS3(M=W又はMo)で表わされる酸化物、塩化
物及び硫化物の形態が例示される。
このような酸化物、塩化物、硫化物を使用する場合に
は、例えばリン酸、塩酸、硫酸等の鉱酸を反応系内に加
え、pH4以下の酸性条件下で反応を行なうことが好まし
い。又、触媒を酸の形態で加え、鉱酸を更に用いてもよ
い。
上記に例示した触媒は、単独で使用しても2種以上を併
用してもよい。
反応性からはヘテロポリ酸が好ましく、反応性と価格と
のバランス上からはタングステン酸が好ましい。
本発明に係る製造法は、一般に次の如くして行なわれ
る。即ち、反応器に原料であるオレフィン類及び触媒を
仕込み、過酸化水素を添加し、溶媒中で加熱攪拌下に反
応を行なう。
反応時のオレフィン類の濃度は、特に限定がない。しか
し、反応終了後、反応混合物を冷却し生成カルボン酸を
結晶化させて単離する場合には、結晶の析出量及び品質
等の観点から、オレフィン類の濃度は2〜70重量%程度
とするのが好ましく、15〜60重量%とするのがより好ま
しい。
触媒の使用量は、触媒活性が発揮されるのに有効な量で
ある限り、広い範囲から選択される。しかし、反応速度
及び触媒のコストの観点からは、遊離酸(タングステン
酸、モリブデン酸又はこれらのヘテロポリ酸)換算で、
オレフィン類に対し0.01〜30重量%程度、好ましくは1
〜10重量%程度が有利である。
本反応に必要な過酸化水素の化学量論量はオレフィン類
1モルに対し4モルであるが、実際にはその10〜50%過
剰に使用するのが望ましい。反応混合物中の過酸化水素
の濃度は、広い範囲から選択できる。その下限は、オレ
フィン類を酸化した触媒が過酸化水素により酸化能力を
回復するのに充分な濃度であって、かなり稀薄なもので
も反応速度の低下は避けられないものの酸化反応は進行
する。又、上限は特に存在せず、かなりの高濃度であっ
てもよい。しかしながら、反応速度を向上させ、かつ低
濃度の過酸化水素を用いて製造コストの低減を図る観点
からは、0.1ミリモル/〜12モル/程度、好ましく
は10ミリモル/〜8モル/程度が有利である。過酸
化水素は、通常、水溶液の形態で供給される。
反応溶媒としては、水が適当である。水と混和可能な有
機溶媒、例えば炭素数1〜4のアルコール、炭素数1〜
4のカルボン酸、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジ
メチルホルムアミド等を単独で使用し、又は均一相を保
つ範囲で水と併用することも可能である。
反応温度は、反応速度の点から、通常、20〜100℃程度
の温度範囲が採用されるが、加圧下で反応した場合には
150℃程度までの反応温度を採用することもできる。反
応速度の観点及び過酸化水素の分解を防止又は抑制する
観点からは、50〜130℃程度にて反応を行なうのが好ま
しい。
反応時間は、オレフィン類、触媒及び過酸化水素の濃
度、反応温度等により変わり得るが、通常1〜24時間程
度である。
反応終了後、生成したカルボン酸は、各々の物性により
適した方法で反応混合物から分離できる。例えば、蒸留
しても良いし、反応溶媒をトッピングした後、任意の溶
媒を用いて再結晶しても良い。反応混合物を徐冷してカ
ルボン酸を結晶化させる方法において、触媒としてヘテ
ロポリ酸、殊にタングステン酸のヘテロポリ酸を用いる
と、これらが水その他の反応溶媒によく溶解するため清
澄な反応混合物が得られ、当該反応混合物を徐冷する
と、生成カルボン酸は結晶として析出し、上記触媒や未
反応オレフィン類を溶解した母液から濾過により極めて
容易に分離できる。分離後は、母液は再び反応に供する
ことができ、触媒の失活も認められない。単離された結
晶は、そのまま乾燥するか、必要に応じて水等で洗浄
し、再結晶して精製する。一方、触媒としてタングステ
ン酸又はモリブデン酸を用いる場合、反応系内の過酸化
水素濃度が低下すると、触媒が析出する傾向があり、析
出した触媒は生成カルボン酸と混入して目的物の純度の
低下を招く。よって、触媒としてタングステン酸又はモ
リブデン酸を用いる場合には、反応終了後の単離工程に
おいても過酸化水素濃度をこれら触媒が溶解状態を保つ
濃度以上に保持するか、あるいは反応直後に、析出した
触媒を濾過等によ分離しておいてから結晶化を行なうの
が望ましい。このような操作を行なうことにより、ヘテ
ロポリ酸を用いる場合と同等の高純度、高収率で目的カ
ルボン酸を単離することができる。
[実施例] 以下に実施例を掲げ、本発明を詳しく説明する。
実施例1 攪拌機付ガラス製4つ口フラスコにシクロヘキセン16.8
g(0.2モル)、60%過酸化水素水50g(0.88モル)、タ
ングステン酸0.74gを入れ、激しく攪拌しながら、加熱
還流させた。還流温度は74℃より100℃まで時間と共に
上昇した。3時間反応後、反応溶液のガスクロマトグラ
フィー内部標準法により対応するカルボン酸の生成率を
算出したところ、アジピン酸95モル%、グルタル酸3モ
ル%であった。この反応溶液を冷却し、結晶化してアジ
ピン酸の結晶を24.5g(収率86モル%)得た。
実施例2 ガラス製オートクレーブにシクロペンテン13.6g(0.2モ
ル)と60%過酸化水素水50g、12−タングストリン酸29
水和物0.6gを仕込み、75℃で7時間反応させた。反応溶
液をガスクロマトグラフィー内部標準法により測定した
ところ、カルボン酸の生成率は、グルタル酸90モル%、
コハク酸2モル%であった。この反応溶液の水をトッピ
ングし、ベンゼンにより再結晶して、グルタル酸の結晶
22.6g(収率88モル%)を得た。
実施例3 実施例1の反応器にシクロヘキセン16.8g、tert−ブタ
ノール30g、モリブデン酸5.0gを仕込み、加熱還流させ
ながら、60%過酸化水素水50gを5時間で滴下した。そ
の後3時間還流して反応を終了した。反応溶液をガスク
ロマトグラフィー内部標準法により測定したところ、対
応するカルボン酸の生成率は、アジピン酸86モル%、グ
ルタル酸2モル%であった。
実施例4 触媒に12−モリブドリン酸29水和物を3.0gを用いる以外
は実施例1と同様に反応を行なった。ガスクロマトグラ
フィー内部標準法により測定した結果、対応するカルボ
ン酸の生成率は、アジピン酸92モル%、グルタル酸5モ
ル%であった。
実施例5 実施例1の反応器にイソホロン27.6g(0.2モル)、水30
g、12−ダングストケイ酸24水和物1.0gを入れ、80℃で
攪拌しながら、30%過酸化水素水140gを3時間で滴下し
たところ、激しい発泡が見られた。この発泡が停止する
まで、8時間反応を続行した。反応溶液をガスクロマト
グラフィー内部標準法により測定したところ、3,3−ジ
メチルグルタル酸の生成率は50モル%であった。イソホ
ロンは検出できなかった。
実施例6 実施例1の反応器にジシクロペンテノール30g(0.2モ
ル)、水60g、12−タングストリン酸29水和物0.9gを仕
込み、90℃で攪拌しながら60%過酸化水素水50gを2時
間で滴下し、更に4時間反応を行なった。この反応溶液
をガスクロマトグラフィー内部標準法により測定した結
果、対応するカルボン酸の生成率は58モル%であった
が、この溶液の中和価を測定したところ、反応により0.
44モルのカルボキシル基が生成していた。そこで、更に
60%過酸化水素水50gと触媒0.9gを加えて10時間反応を
継続したところ、トリカルボキシルクロペンチル酢酸が
60モル%の生成率で得られた(ガスクロマトグラフィー
内部標準法による)。この時、中和価から算出されるカ
ルボキシル基の生成量は0.73モルであった。
実施例7 実施例1の反応器に工業用オレイン酸(ヨウ素価90.2)
28g、水50g、12−タングストリン酸29水和物2.0gを仕込
み、90℃で激しく攪拌しながら、60%過酸化水素水57g
を5時間で滴下した後、5時間反応を行なった。反応溶
液より水をトッピングした後、減圧下蒸留して、モノカ
ルボン酸とジカルボン酸を得た。各々の留分の重量及び
ガスクロマトグラフィーから対応するカルボン酸の、工
業用オレイン酸に含有される不飽和脂肪酸に対する生成
率を算出した結果、ペラルゴン酸64モル%、炭素水8以
下の短鎖モノカルボン酸27モル%、アゼライン酸79モル
%、炭素数10以上の長鎖ジカルボン酸11モル%、炭素数
8以下の短鎖ジカルボン酸5モル%であった。
[発明の効果] 本発明に係る製造法は、過酸化水素を用いるので、有害
金属を使用することなく安全、かつ安価にカルボン酸を
製造することができる。しかも得られるカルボン酸の収
率は高く、又、生成カルボン酸の分離も比較的容易で高
純度の目的物を得ることができる。
よって、本発明に係る製造法は工業的に極めて優れたカ
ルボン酸の製造法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 55/14 55/26 // B01J 23/28 23/30 23/85 23/88 27/188 C07B 61/00 300

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オレフィン類を酸化開裂してカルボン酸を
    製造するに当り、タングステン酸、モリブデン酸及びそ
    れらのヘテロポリ酸からなる群から選ばれる1種又は2
    種以上の触媒の存在下、過酸化水素により酸化開裂する
    ことを特徴とするカルボン酸の製造法。
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