JPH0762086A - ポリエーテルポリオール、その製法および被覆用樹脂組成物 - Google Patents

ポリエーテルポリオール、その製法および被覆用樹脂組成物

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JPH0762086A
JPH0762086A JP21613893A JP21613893A JPH0762086A JP H0762086 A JPH0762086 A JP H0762086A JP 21613893 A JP21613893 A JP 21613893A JP 21613893 A JP21613893 A JP 21613893A JP H0762086 A JPH0762086 A JP H0762086A
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恒一 藤本
Shiro Sakatani
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ビスフェノール型ポリエーテルポリオールに
エチレンオキサイドを重付加反応させ、次いで、末端水
酸基にエピクロルヒドリンを反応させてエポキシ化した
ものに高級脂肪酸を反応させる。次いで、側鎖に有する
水酸基をt−ブチル−アセト酢酸エステルを反応させて
β−ケトエステル基を分子骨格内に導入する。 【効果】 樹脂粘度が低く相溶性に優れ、また、イソシ
アネート化合物を硬化剤とする被覆用組成物としては、
耐食性、密着性、防錆性等に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂を脂肪酸
類で変性したポリエーテルポリオール樹脂中の水酸基を
βーケトエステル化し、低粘度で相溶性を向上させ、更
に金属面への密着性に優れ、被覆用樹脂組成物としてた
有用なエポキシ樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂を脂肪酸類で変性したポリ
エーテルポリオール樹脂と、硬化剤成分としてポリイソ
シアネート類とを用いた樹脂組成物は金属面との密着性
に優れるため被覆材料として広い分野に利用されている
が、例えば鋼板との密着性および耐食性等のより厳しい
条件下では、未だ充分な特性は得られず、また、密着性
を更に向上すべく樹脂中の水酸基の含有量を高めると、
樹脂の粘度が著しく上昇し、極めて溶剤との相溶性の悪
い樹脂となってしまうものであった。
【0003】従来より、この被覆用樹脂の粘度を低減す
べく、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂とジケテ
ンとを、エステル交換触媒存在下で加熱することにより
エポキシ樹脂中の水酸基をエステル化する方法が知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂をジケテンでエステル化した樹脂は、
粘度の低減効果は見られるものの、耐食性や密着性につ
いてはやはり充分なものではなく、特に錆面へ塗布した
場合の防錆性或いは耐食性に劣るという課題を有してい
た。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、低粘度
で相溶性が良く、耐食性や密着性に優れるエポキシ樹脂
を原料とするポリエーテルポリオール、及び、それを含
む組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討を
重ねた結果、ビスフェノール型ポリエーテルポリオール
の両末端を脂肪酸類で変性し、かつ、側鎖にある水酸基
をβ−ケトエステル化することによって上記課題を解決
できることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、分子側鎖にβ−ケトエス
テル基を、分子両末端に長鎖アルキルエステル基を有し
ており、水酸基当量が300g/eq以上であって、か
つ、重量平均分子量が800〜2,000であるビスフ
ェノール型ポリエーテルポリオール、ビスフェノール型
エポキシ化物(A)に、長鎖脂肪族カルボン酸(B)を
反応させ、次いで第3級アルコールのβ−ケトエステル
(C)を反応させるか、或いは、前記ビスフェノール型
エポキシ化物(A)に第3級アルコールのβ−ケトエス
テル(C)を反応させ、次いで長鎖脂肪族カルボン酸
(B)を反応させることを特徴とするポリエーテルポリ
オールの製造法、および、分子側鎖にβ−ケトエステル
基を有し、かつ、分子両末端に長鎖アルキルエステル基
を有し、水酸基当量が300g/eq以上であって、か
つ、重量平均分子量が800〜2,000であるビスフ
ェノール型ポリエーテルポリオールと、硬化剤とを含有
することを特徴とする被覆用樹脂組成物に関する。
【0008】本発明のポリエーテルポリオールは、分子
側鎖にβ−ケトエステル基を、分子両末端に長鎖アルキ
ルエステル基を有しており、水酸基当量が300g/e
q以上であって、かつ、重量平均分子量が800〜2,
000であるビスフェノール型ポリエーテルポリオール
であり、特にその構造が限定されるものではなく、更に
具体的にはビスフェノール骨格を繰り返し単位とするポ
リエーテルポリオール、即ち、2−ヒドロキシプロピレ
ンを介してビスフェノールのフェノール性水酸基から水
素原子が脱離した酸素原子に結合した骨格を主鎖とし、
その末端に長鎖アルキルエステル基を、また、主骨格の
側鎖に存在する水酸基に置換し得るβ−ケトエステル基
を有する構造を有するものが挙げられる。
【0009】該ポリエーテルポリオールにおいて、その
水酸基当量が300g/eq未満の場合には樹脂粘度が
依然として高いものとなり、また、被覆用樹脂組成物と
して、β−ケトエステル基導入による金属面若しくは錆
面との密着性向上効果が充分に発現しないものとなる。
なかでもこの水酸基当量は低粘製に優れ、しかも硬化剤
との反応性に優れて塗膜強度が向上する点から300〜
1,000g/eqであることが好ましい。
【0010】また、その重量平均分子量は800未満の
場合には実質的にビスフェノールを主骨格とするポリエ
ーテルポリオールとして、充分に骨格中に水酸基を導入
することができず、やはり塗膜強度に劣るものとなり、
一方、2,000を越える場合には、樹脂粘度が高くな
り溶解性に劣るものとなる。従って、この塗膜強度と樹
脂の低粘性若しくは溶解性とのバランスに優れる点から
なかでも重量平均分子量が1,000〜1,500であ
ることが好ましい。
【0011】また、本発明のポリエーテルポリオールに
おいて、末端の長鎖アルキルエステル基は、主鎖を形成
する末端の芳香核に直接結合していてもよいが、アルキ
レンオキサイドの重付加構造を有する基を介して芳香核
に結合するものが樹脂粘度の粘度低減効果が優れる点か
ら好ましい。具体的には、炭素原子数8〜22のアルキ
ルエステル基が、炭素原子数2〜4のアルキレンオキサ
イドの重付加構造を有する基を介して芳香核に連結した
構造を有しており、かつ、アルキレンオキシドの重付加
構造を有する基において、炭素原子数2〜4のアルキレ
ンオキシドが分子中の総数で2〜10個付加したもの
が、その優れた塗膜強度を維持した上で、粘度低減効果
が顕著である点から好ましい。
【0012】また、本発明のポリエーテルポリオールは
樹脂中の水酸基とβ−ケトエステル基の割合を任意に変
えることにより、同一分子量内であっても樹脂粘度を調
整することができる。エポキシ樹脂中の水酸基とβ−ケ
トエステル基の割合としては特に限定されるものではな
く、粘度低減効果、相溶性と、耐食性及び密着性とのバ
ランスに優れる点から水酸基とβ−ケトエステル基との
合計に対して、β−ケトエステル基が20%以上、なか
でも密着性がより向上する点から20〜80%であるこ
とが好ましい。
【0013】この様なビスフェノール型ポリエーテルポ
リオールは、具体的には例えば、下記構造式(1)で表
されるものが更に好ましい。構造式(1)
【0014】
【化2】
【0015】(構造式(1)中、R1及びR'1はそれぞ
れ独立に炭素原子数8〜22のアルキル基をR2及びR'
2はそれぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基を、R3
は炭素数1〜10のアルキル基もしくは水素原子を、R
4は炭素原子数1〜10のアルキル基を、Aは炭素原子
数1〜6のアルキリデン基、炭素原子もしくは硫黄原子
を表し、Xは水酸基或いは上記R3およびR4で構成され
るβ−ケトエステル基を示し、n及びpはn+p=2〜10
となる整数であり、m及びoは、m+o=1〜45であって
o/(m+o)が20%以上となる条件を満たす整数であ
る。)
【0016】次に、上述したビスフェノール型ポリエー
テルポリオールを製造するための本発明の製造法につい
て詳述する。本発明の製造法は、ビスフェノール型エポ
キシ化物(A)に、長鎖脂肪族カルボン酸(B)を反応
させ、次いで第3級アルコールのβ−ケトエステル
(C)を反応させてもよいし、或いは、前記ビスフェノ
ール型エポキシ化物(A)に第3級アルコールのβ−ケ
トエステル(C)を反応させ、次いで長鎖脂肪族カルボ
ン酸(B)を反応させてもよい。なかでも副生成物の生
成を抑制でき、また、より多く分子骨格内にβ−ケトエ
ステル基を導入することができる点から前者のエポキシ
化物(A)に、長鎖脂肪族カルボン酸(B)を反応さ
せ、次いで第3級アルコールのβ−ケトエステル(C)
を反応させる方法が好ましい。
【0017】本発明に用いられるビスフェノール型エポ
キシ化物(A)とは、ビスフェノールとビスフェノール
型エポキシ樹脂とが反応して得られる分子骨格を有する
エポキシ化物であってもよいし、また、ビスフェノール
とビスフェノール型エポキシ樹脂とが反応して得られる
ビスフェノール型ポリエーテルポリオールにアルキレン
オキサイドを重付加させ、更にこれにエピハロヒドリン
を反応させたものであってもよい。ここでビスフェノー
ルとしてはビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス
フェノールADおよびビスフェノールS等が挙げられ
る。また、ビスフェノール型エポキシ樹脂としては前記
ビスフェノールのジグリシジルエーテルが挙げられる。
エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン及びエ
ピブロモヒドリン等が挙げられる。
【0018】この場合のビスフェノールとビスフェノー
ル型エポキシ樹脂との反応割合は特に限定されるもので
はなく、目的とする分子量、或いは、アルキレンオキサ
イドの重付加の有無等に応じて任意に調節できる。即
ち、ビスフェノール型エポキシ樹脂のモル比が多くなる
ように反応させた場合には、反応生成物はビスフェノー
ル型エポキシ化物(A)として使用でき、また、一方ビ
スフェノールがモル比で過剰になるように反応させた場
合には、アルキレンオキサイドを重付加させるためのビ
スフェノール型ポリエーテルポリオールとなる。また、
両者の反応割合は当量に近い程、高分子量化する。
【0019】また、主骨格に更にアルキレンオキサイド
の重付加構造を導入する場合には、上記ビスフェノール
類1モルに対しアルキレンオキサイドの2〜10モル相
当量をオートクレーブ中で重付加させることによって行
なうことができる。
【0020】ここでアルキレンオキサイドとしては、特
に限定されるものではないが、例えばエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイドおよびテトラメチレンオキサ
イド等が挙げられるが、なかでも樹脂粘度の低減効果に
優れる点からエチレンオキサイドが好ましい。この場
合、更に上述したエピハロヒドリンを反応させることに
より本発明で用いるエポキシ化物(A)とすることがで
きる。
【0021】次いで、このようにして得られたエポキシ
化物(A)に、脂肪族カルボン酸(B)若しくは第3級
アルコールのβ−ケトエステル(C)を反応させるが、
前者の場合、特にその反応割合は限定されるものではな
く、通常、エポキシ化物(A)の末端エポキシ基に対し
て脂肪族カルボン酸(B)中のカルボキシル基を当量、
或いはカルボキシル基が若干過剰になる範囲で用い、触
媒の存在下、或いは無触媒下で、100〜230℃に加
熱反応させることによって得られる。
【0022】ここで用いる触媒としては、特に限定され
るものではないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化リ
チウム等のアルカリ金属水酸化物、トリエチルアミン、
トリブチルアミン、ピリジン、ジメチルベンジルアミン
等の第3級アミン、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル等のイミダゾール類、トリエチルベンジルアンモニウ
ムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド等
の第4級アンモニウム塩、テトラブチルホスフォニウム
クロライド、エチルトリフェニルホスフォニウムイオダ
イド等のホスホニウム塩、トリフェニルホスフィン等の
ホスフィン類等が挙げられる。
【0023】本発明に用いられる長鎖脂肪族カルボン酸
としては、特に限定されるものでないが、粘度低減効果
および塗膜の強度若しくは耐水性に優れる点から炭素数
8〜22の高級脂肪酸が好ましい。
【0024】なかでも、一塩基酸を用いることが粘度低
減効果の点から好ましく、脂肪酸としては、飽和カルボ
ン酸、不飽和カルボン酸のどちらも使用可能であり、ま
た、炭化水素鎖に水酸基を持つものでもよい。これらの
具体例としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチ
ン酸、リシノオレイン酸、ジオキシステアリン酸、大豆
油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、サンフラワー油脂肪酸など
が挙げられる。なかでも炭化水素鎖に水酸基を有する不
飽和カルボン酸であることが塗膜強度がより優れる点か
ら好ましく、その具体例は、リシノオレイン酸、ジオキ
システアリン酸、ヒマシ油脂肪酸等が挙げられる。
【0025】次にエポキシ化物(A)或いはエポキシ化
物(A)に脂肪族カルボン酸を反応させたものに第3級
アルコールのβ−ケトエステル(C)を反応させるが、
反応条件は特に限定されるものではなく、第3級アルコ
ールのβ−ケトエステル(C)の使用割合としては特に
限定されるものではなく、最終的に得られるポリエーテ
ルポリオール中の水酸基とβ−ケトエステル基との反応
割合により、任意に用いることができるが、通常、原料
エポキシ化物(A)或いはエポキシ化物(A)に長鎖脂
肪族カルボン酸を当量或いは長鎖脂肪族カルボン酸の過
剰量を反応させて使用できる。
【0026】本発明で用いるアルコールのβ−ケトエス
テルとは、特に限定されるものではないが、具体的に
は、下記構造式(2)で表されるものが挙げられる。
【0027】
【化3】 1:炭素数が1〜10の炭化水素基 R2:水素原子または炭素数が1〜10の炭化水素基 R3:炭素数が1〜15の炭化水素基
【0028】更に、この構造式(3)で示されるβ−ケ
トエステルの具体例としては、例えば、アセト酢酸メチ
ル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、ア
セト酢酸−iso−プロピル、アセト酢酸−n−ブチ
ル、アセト酢酸−iso−ブチル、アセト酢酸−ter
t−ブチル、α−アセトプロピオン酸メチル、α−アセ
トプロピオン酸エチル、α−アセトプロピオン酸−n−
プロピル、α−アセトプロピオン酸−iso−プロピ
ル、α−アセトプロピオン酸−n−ブチル、α−アセト
プロピオン酸−tert−ブチル、α−メチル−β−ケ
ト吉草酸エチル、β−ケトカプロン酸エチル、ベンゾイ
ル酢酸エチルなどが挙げられる。この中でも第3級アル
コールのエステルは、第2級または第1級アルコールの
エステルより反応速度がはやい点で好ましい。この第3
級アルコールのエステルとしては、アセト酢酸−ter
t−ブチル、α−アセトプロピオン酸−tert−ブチ
ルなどが挙げられる。
【0029】このエステル交換反応はエポキシポリオー
ル樹脂とアルコールのβ−ケトエステルとを80〜20
0℃の温度に加熱し、副生成物であるアルコールを系外
に除去することにより進行させることが好ましい。
【0030】また必要に応じてエステル交換触媒を添加
してもよい。
【0031】また、本発明にいおては、側鎖にβ−ケト
エステル基を導入する方法として上記エステル交換反応
のみならず、水酸基をβ−ケトエステル化する方法とし
て、酸または塩基性触媒存在下でジケテンを反応させア
セト酢酸エステル化する方法であってもよい。
【0032】本発明の製法において高粘性の樹脂や固形
の樹脂を使用する場合、溶剤を使用してもよい。使用で
きる溶剤としては非アルコール系の溶剤ならばいずれも
使用可であり、例えばトルエン、キシレン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
などが挙げられる。またアルコール系溶剤でも第3級ア
ルコールならば使用でき、tert−ブタノール等が挙
げられる。
【0033】また、エポキシ化物(A)に、先に第3級
アルコールのβ−ケトエステルを反応させる場合には、
続いて脂肪族カルボン酸を反応させるが、その具体的な
方法は上述した方法と全く同一の条件で行なうことがで
きる。
【0034】本発明の被覆用樹脂組成物は、上述した製
造法によって得られるポリエーテルポリオールに、更
に、硬化剤を必須成分として含有するものである。硬化
剤としては、水酸基と反応し得るものであればよく、特
に限定されるものではないが、例えば、イソシアネート
化合物、ブロックイソシアネート化合物、メラミン樹
脂、レゾール型フェノール樹脂等が挙げられるが、特に
反応性に優れ、より強固な塗膜が形成できる点からイソ
シアネート化合物が好ましい。
【0035】イソシアネート化合物としては、例えばト
ルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、シフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、及びトリメチロールプロパンのト
ルエンジイソシアネートの3モル付加物及びこれらより
得られる高分子量化ポリイソシアネート等が挙げられ
る。
【0036】イソシアネート化合物の配合割合は、特に
限定されるものではないがポリエーテルポリオール樹脂
中の水酸基当量とイソシアネート基当量の配合割合が
0.4〜1.2、好ましは0.6〜1.0と成るような
割合が好ましい。
【0037】本発明の被覆用樹脂組成物においては、ポ
リエーテルポリオール中のβ−ケトエステル基は、その
カルボニル基がケト型とエノール型の平衡状態にある。
このエノール化現象により、被塗布物の金属板を構成す
る鉄、亜鉛、銅、錫、鉛といった金属とキレート化する
ことができる。尚、このキレート化の状態は次の構造式
(3)で表わされる。構造式(3)
【0038】
【化4】
【0039】このキレート構造により金属とのイオン的
な密着性を高めることができる。
【0040】本発明の被覆用組成物に於いては有機溶剤
をもちいることができるが、上述したように硬化剤とし
てポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートを用
いた場合には、溶剤を用いることなく組成物とすること
ができる。
【0041】本発明の被覆用樹脂組成物には、更に歴青
物質等の増量剤を使用することができる。歴青物質とし
てはコールタール、コールタールピッチ、膨潤炭状物、
アスファルト等が挙げられる。
【0042】また、増量剤としては上記歴青物質の代替
物を使用してもよい。該代替物としては種々のものが挙
げられるが、例えば芳香族油樹脂、石油樹脂や一般に希
釈剤として用いられる石油系、石炭系等の高沸点中性油
分等が使用できる。
【0043】上述した歴青物質及びその代替物は、それ
ぞれ単独で用いてもよいし、また、両者を併用してもよ
く、その使用量はそれらの総量がポリエーテルポリオー
ル樹脂(A)に対して0.5〜2.0倍重量であること
が好ましい。
【0044】なお、かかる本発明の組成物には、必要に
応じて、各種硬化触媒、充填剤、希釈剤、脱水剤、樹脂
等を添加することができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により更に本発明を説明する。
各種試験は以下の方法に従って評価した。尚、硬度、屈
曲性、耐衝撃性および耐塩水性の評価用サンプルは金属
板に各樹脂組成物を室温で7日間乾燥後したものを用い
た。
【0046】(屈曲性)JIS K−5400(6.1
6)に準拠した。 (耐衝撃性)JIS K−5400に準拠した。(荷重
500g) (耐塩水性)5%塩水に1ヵ月浸積し以下の基準で目視
評価。
【0047】○:変色、しわ、ふくれの何れもなし。 △:変色あり、しわ及びふくれなし。 ×:変色、しわ、ふくれあり。
【0048】(防錆性)被塗布物として「JIS G
3101」のサンドブラスト板を3%食塩水に浸積した
後、屋外に3日間暴露して発錆させ、これを10回繰り
返した錆板に各実施例および比較例で得られた被覆用樹
脂組成物を塗布し、これを40℃で5%塩水に2週間浸
積し、浸積前と浸積後の剥離強度をエルコメータ製アド
ヒージョンテスタにて測定した。
【0049】実施例1 攪拌および温度表示の手段を有する反応器に、エポキシ
樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂「EPIC
LON 1055」(大日本インキ化学工業(株)製、
エポキシ当量475g/eq)475重量部供給し、キ
シレン110重量部に溶解した後、リノレイン酸278
重量部を加え、触媒としてトリブチルアミン1重量部を
加え150℃で8時間反応させた。この際、樹脂の酸価
は0.2であった。この樹脂溶液を130℃まで冷却し
これにアセト酢酸−tert−ブチルを259重量部加
え、副生成物であるtert−ブタノールを反応系外に
除去しながら130℃まで加熱し、そのままこの温度で
5時間攪拌し、エポキシポリオール樹脂を得た。その
後、キシレンを加え不揮発分90%になるように樹脂組
成物を調整した。こうして得られた樹脂溶液は、13C−
NMRの測定より当量比で57%の水酸基がβ−ケトエ
ステル化されていることが確認された。その構造を構造
式(4)に示す。尚、この得られたエポキシ樹脂の13
−NMRのチャートを第1図(各ピークの帰属は、構造
式(4)中に示した)に、赤外吸収スペクトルのチャー
トを第2図にそれぞれ示す。またこの樹脂溶液は、不揮
発分90%で5,000cps(25℃)であった。次
いで、第2表の配合に従って被覆用樹脂組成物を得、各
種試験を行った。結果を第2表に示す。
【0050】構造式(4)
【0051】
【化5】
【0052】比較例1 攪拌および温度表示の手段を有する反応器に、エポキシ
樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂「EPIC
LON 1055」(大日本インキ化学工業(株)製、
エポキシ当量475g/eq)475重量部供給し、キ
シレン110重量部に溶解した後、リノレイン酸278
重量部を加え、触媒としてトリブチルアミン1重量部を
加え150℃で8時間反応させた。この際、樹脂の酸価
は0.2であった。この樹脂溶液にキシレンをくわえ不
揮発分90%の樹脂組成物を得た。次いで、第2表の配
合に従って被覆用樹脂組成物を得、各種試験を行った。
結果を第2表に示す。
【0053】実施例2 ビスフェノールA型ポリエーテルポリオールのエチレン
オキサイド重付加をグリシジルエーテル化したエポキシ
樹脂(エポキシ当量 300)を300重量部、デカン
酸172重量部を混合し、トリエチルアミン1重量部を
くわえて150℃で10時間反応させたのち、60℃ま
で冷却し、ジケテン63重量部くわえて、5時間60〜
70℃に維持しながら攪拌を続けた。その後トルエンを
加え不揮発分90%の樹脂溶液を得た。こうして得られ
た樹脂は、13C−NMRの測定より当量比で70%の水
酸基がβ−ケトエステル化されていることが確認され
た。次いで、第2表の配合に従って被覆用樹脂組成物を
得、各種試験を行った。結果を第2表に示す。
【0054】比較例2 ビスフェノールA型ポリエーテルポリオールのエチレン
オキサイド重付加をグリシジルエーテル化下エポキシ樹
脂(エポキシ当量 300)を300重量部、ジケテン
63重量部くわえて、5時間60〜70℃に維持しなが
ら攪拌を続けた。その後トルエンを加え不揮発分90%
の樹脂溶液とした。次いで、第2表の配合に従って被覆
用樹脂組成物を得、各種試験を行った。結果を第2表に
示す。
【0055】実施例3 ビスフェノールA型ポリエーテルポリオールのプロピレ
ンオキサイド重付加をグリシジルエーテル化したエポキ
シ樹脂(エポキシ当量350)350重量部にヒマシ油
脂肪酸300重量部を混合し、トリエチルアミン1重量
部をくわえて150℃で10時間反応させたのち、60
℃まで冷却し、アセト酢酸エチル113重量部くわえ
て、5時間60〜70℃に維持しながら攪拌を続けた。
その後トルエンを加え不揮発分90%の樹脂溶液とし
た。こうして得られた樹脂は、13C−NMRの測定より
当量比で40%の水酸基がβ−ケトエステル化されてい
ることが確認された。次いで、第2表の配合に従って被
覆用樹脂組成物を得、各種試験を行った。結果を第2表
に示す。
【0056】比較例3 ビスフェノールA型ポリエーテルポリオールのプロピレ
ンオキサイド重付加をグリシジルエーテル化したエポキ
シ樹脂(エポキシ当量350)350重量部にヒマシ油
脂肪酸300重量部を混合し、トリエチルアミン1重量
部をくわえて150℃で10時間反応させたのち、60
℃まで冷却し、トルエンを加え不揮発分90%の樹脂溶
液とした。次いで、第2表の配合に従って被覆用樹脂組
成物を得、各種試験を行った。結果を第2表に示す。
【0057】尚、実施例1、2、3および比較例1、
2、3で得られた樹脂溶液の粘度を第1表に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、低粘度で相溶性が良好
なポリエーテルポリオール、及び、耐食性や密着性、と
りわけ錆面への塗装において優れた防錆性や耐食性を有
する被覆用樹脂組成物を提供できる。
【0062】従って、本発明の被覆用樹脂組成物は、塗
装材料として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は実施例1で得られた本発明のエポキシ
樹脂の13C−NMRチャート図である。
【図2】第2図は実施例1で得られた本発明のエポキシ
樹脂の赤外吸収スペクトルのチャート図である。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子側鎖にβ−ケトエステル基を、分子
    両末端に長鎖アルキルエステル基を有しており、水酸基
    当量が300g/eq以上あって、かつ、重量平均分子
    量が800〜2,000であるビスフェノール型ポリエ
    ーテルポリオール。
  2. 【請求項2】 ポリオール中の水酸基数とβ−ケトエス
    テル基数との合計に占めるβ−ケトエステル基の割合が
    20%以上である請求項1記載のポリオール。
  3. 【請求項3】 炭素原子数8〜22のアルキルエステル
    基が、炭素原子数2〜4のアルキレンオキサイドの重付
    加構造を有する基を介して主鎖の末端芳香核に連結した
    構造を有しており、かつ、アルキレンオキシドの重付加
    構造を有する基において、炭素原子数2〜4のアルキレ
    ンオキシドが分子中の総数で2〜10個付加したもので
    ある請求項2記載のポリオール。
  4. 【請求項4】 下記、構造式(1)で表されることを特
    徴とするポリエーテルポリオール。 【化1】 (構造式(1)中、R1及びR'1はそれぞれ独立に炭素
    原子数8〜22のアルキル基をR2及びR'2はそれぞれ
    独立に炭素数2〜4のアルキレン基を、R3は炭素数1
    〜10のアルキル基もしくは水素原子を、R4は炭素原
    子数1〜10のアルキル基を、Aは炭素原子数1〜6の
    アルキリデン基、炭素原子もしくは硫黄原子を表し、X
    は水酸基或いは上記R3およびR4で構成されるβ−ケト
    エステル基を示し、n及びpはn+p=2〜10となる整数
    であり、m及びoはm+o=1〜45であって、o/(m+o)が
    20%以上となる条件を満たす整数である。)
  5. 【請求項5】 ビスフェノール型エポキシ化物(A)
    に、長鎖脂肪族カルボン酸(B)を反応させ、次いで第
    3級アルコールのβ−ケトエステル(C)を反応させる
    か、或いは、前記ビスフェノール型エポキシ化物(A)
    に第3級アルコールのβ−ケトエステル(C)を反応さ
    せ、次いで長鎖脂肪族カルボン酸(B)を反応させるこ
    とを特徴とするポリエーテルポリオールの製造法。
  6. 【請求項6】 ビスフェノール型エポキシ化物(A)
    に、長鎖脂肪族カルボン酸(B)を反応させ、次いで第
    3級アルコールのβ−ケトエステル(C)を反応させる
    請求項5記載の製造法。
  7. 【請求項7】 ビスフェノール型エポキシ化物(A)に
    長鎖脂肪族カルボン酸(B)を反応させたもの若しくは
    ビスフェノール型エポキシ化物(A)に、β−ケトエス
    テル(C)を水酸基1モルに対して0.1モル〜1.0
    モル反応させる請求項5または6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 ビスフェノール型エポキシ化物(A)
    が、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド重付加体
    にエピハロヒドリンを反応させて得られるエポキシ化物
    である請求項5、6または7記載の製造法。
  9. 【請求項9】 エポキシ化物(A)が、炭素原子数2〜
    4のアルキレンオキサイドが1分子中2〜10個重付加
    したものであって、かつ、長鎖脂肪族カルボン酸(B)
    が、炭素原子数8〜22のアルキル基を有するものであ
    る請求項8記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 ビスフェノール型エポキシ化物(A)
    に長鎖脂肪族カルボン酸(B)を反応させたもの若しく
    はビスフェノール型エポキシ化物(A)に、第3級アル
    コールのβ−ケトエステルを80〜200℃の範囲で反
    応させる請求項5〜9の何れか1つに記載の製法。
  11. 【請求項11】 第3級アルコールのβ−ケトエステル
    が、アセト酢酸t−ブチルエステルである請求項10に
    記載の製法。
  12. 【請求項12】 分子側鎖にβ−ケトエステル基を有
    し、かつ、分子両末端に長鎖アルキルエステル基を有
    し、水酸基当量が300g/eq以上であって、かつ、
    重量平均分子量が800〜2,000であるビスフェノ
    ール型ポリエーテルポリオールと、硬化剤とを含有する
    ことを特徴とする被覆用樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 ポリエーテルポリオールが、炭素原子
    数8〜22のアルキルエステル基が炭素原子数2〜8の
    アルキレンオキシドの重付加構造を有する基を介してビ
    スフェノール骨格に連結した構造を有しており、かつ、
    該アルキレンオキシドの重付加構造を有する基におい
    て、アルキレンオキシ基が分子中の総数で2〜10個付
    加したものである請求項12記載の組成物。
  14. 【請求項14】 ポリエーテルポリオール中のβ−ケト
    エステル基が、アセトアセチル基である請求項13記載
    の組成物。
  15. 【請求項15】 硬化剤としてイソシアネート化合物を
    用いる請求項11、12、13または14記載の組成
    物。
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