JPH0763393B2 - フローインジェクション分析方法及びフローインジェクション分析装置 - Google Patents

フローインジェクション分析方法及びフローインジェクション分析装置

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JPH0763393B2
JPH0763393B2 JP14826391A JP14826391A JPH0763393B2 JP H0763393 B2 JPH0763393 B2 JP H0763393B2 JP 14826391 A JP14826391 A JP 14826391A JP 14826391 A JP14826391 A JP 14826391A JP H0763393 B2 JPH0763393 B2 JP H0763393B2
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治利 酒井
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  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フローインジェクショ
ン分析方法及びフローインジェクション分析装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、フローインジェクション分析の一
例として、生体触媒を固定化したガラスビーズやキトサ
ンビーズをチューブ状カラムに充填した反応部を備えた
フローインジェクション装置を用いたものがある。この
装置はチューブ状カラムにキャリヤー流体を用いて基質
を連続的に送り、カラム内で触媒反応を起こさせ、この
反応物、即ち反応生成物或は反応消費物を別に設けた検
出部で計測するというシステムとなっている。しかしな
がら、この装置にあっては、通常1〜2mm程度の径小
なチューブ状カラム内にビーズを充填することから、生
体触媒を固定化する操作が難しく、煩雑を極めていた。
又、この装置にあっては、カラム内に一旦気泡が入る
と、これを除去するのが難しく、このため、カラム内を
常に湿潤状態に保たねばならず、コンディショニングが
難しかった。又、カラム内を常に湿潤状態とした場合に
は、水中の夾雑物の影響を受け易くなり触媒の活性が低
下し易く、長期に保存しておくことができなかった。更
に、測定時の基質中のタンパク質やバクテリアなどの夾
雑物により目づまりが生じ易く、触媒機能の低下を招い
ていた。
【0003】又、触媒などの機能性材料を利用した分析
装置として、酵素固定化膜を電極の感応膜上に装着し、
これをセルロース膜で被覆し、O−リングで固定した酵
素センサーがある。この酵素センサーは分子識別素子と
して作用する酵素固定化膜とトランスデューサとして作
用する電極とを組み合わせたものであり、基質を酵素セ
ンサーの酵素固定化膜に接触状態とすることにより、こ
の酵素固定化膜上で基質と酵素とを反応させ、この反応
物、即ち反応生成物或は反応消費物を電極で計測すると
いうシステムとなっている。この酵素センサーにあって
は、上記固定化酵素膜が直接電極表面に接触しているた
め酸化による劣化を受け易く、不安定で使用寿命が短い
という欠点があるうえに、固定化酵素膜の電極表面への
装脱着が煩雑であった。また、この酵素センサーにより
安定した出力応答を得るためには、例えばグルコースの
測定であれば、電位シフトを起こすアスコルビン酸など
の阻害物質が電極表面に到達しないように、膜の表面を
アスコルビン酸等は通さず、グルコースは通すような緻
密な構造としなければならないが、このような膜構造を
作成することは技術的に難しく量産が困難であった。
【0004】更に、分野は異なるが、触媒が保持された
シートを用い、これを反応器内に渦巻状或は多段的に配
置し、反応器内に基質を通過させることにより、基質と
触媒とを反応させるようにした繰り返し使用可能のバイ
オリアクターが提案されている。このバイオリアクター
の場合、シート状の固定化用担体を用い、これに触媒を
固定化させていることから、大量の触媒を該シートに固
定化することができるという利点を有している。しかし
ながら、このバイオリアクターにあっては、反応器内全
体に基質を通過させて、基質と触媒とを接触させる必要
があることから、有用物質の大量生産には向いている
が、バイオセンサーのような微量のサンプルを用いて測
定するには不向きであった。また、前記酵素センサーと
同様に連続的な測定ができないことから、複数回に渡っ
て数多くの検体測定を行う場合には、その回数分だけの
大量の基質を使用する必要があり大変に不経済である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑み成されたものであり、連続的な測定が可能で
あると共に高効率な測定操作を行うことができ、かつ触
媒などの機能性材料の機能低下を生じない状態で反応に
寄与できるようにしたフローインジェクション分析方法
及びフローインジェクション分析装置を提供することを
目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するため、請求項1記載の発明にあっては、「触媒など
の機能性材料が保持された連続した多孔構造を有するシ
ートに、基質を強制的に送り込み、同シート状触媒内を
長手方向に移動させることにより、基質と機能性材料と
を接触させて反応させ、この反応物を検出するようにし
たことを特徴とするフローインジェクション分析方法」
をその要旨とした。又、請求項2記載の発明にあって
は、「リアクター部と、リアクター部に基質を強制的に
送り込むためのキャリヤー流体を輸送する手段と、キャ
リヤー流体に基質を注入するインジェクション部と、リ
アクター部において反応した反応物を検出する検出部と
を具備して成るフローインジェクション分析装置におい
て、リアクター部は、触媒などの機能性材料が保持され
た連続した多孔構造を有するシートを備えており、この
シートの長手方向の一端側に前記インジェクション部が
配されていると共に他端側に検出部が配されていること
を特徴とするフローインジェクション分析装置」をその
要旨とした。更に、請求項3記載の発明にあっては、
「シートが、構成繊維表面に形成した絹フィブロイン層
に触媒が包括固定された不織布であることを特徴とする
フローインジェクション分析装置」をその要旨とした。
【0007】以下に本発明のフローインジェクション分
析方法及びフローインジェクション分析装置を詳細に説
明する。まず、請求項1記載のフローインジェクション
分析方法について説明する。本発明の分析方法は、触媒
などの機能性材料が保持された連続した多孔構造を有す
るシートを用い、このシートに基質を強制的に送り込
み、シート内を長手方向に移動させることにより、基質
と機能性材料とを接触させて反応させるという点に特徴
がある。
【0008】シートは、不織布、フェルト、織物、編物
またはこれらの複合体など連続した多孔構造を有する繊
維シートや連続した多孔構造を有する合成樹脂シートを
担体とし、これに触媒などの機能性材料を担持させたも
のである。機能性材料としては、白金などの金属触媒
や、酵素、微生物菌体、オルガネラ、植物の組織片など
の生体触媒などの触媒機能を有する物質の他、発色剤な
どの試薬を用いることができる。特に生体触媒は、高選
択性を持ち高感度であることから、複数の物質を含んだ
混合物中からの微量の基質の定量分析を可能とする。
又、内部に複数の触媒(酵素)を保有する微生物菌体、
オルガネラ、植物の組織片などの生体触媒を利用した場
合には多段的あるいは複数種の反応を一つのシートで一
度に起こせるという利点がある。尚、シートには複数種
の機能性材料を担持させてもよく、この場合、微生物菌
体やオルガネラと同様に多段的あるいは複数種の反応を
シート内で起こすことができる。機能性材料のシートへ
の固定化方法としては、結合剤を用いる方法やシートの
構成物(例えば繊維)中に触媒等の機能性材料を練り込
む方法などがある。中でも酵素などの生体触媒を固定化
する方法としては、担体に共有結合、イオン結合、物理
的吸着、生化学的親和力により触媒自体を固定化する担
体結合法、網目構造を有する絹フィブロインなどの高分
子ゲルの格子内や樹脂膜に触媒を閉じ込めて固定化する
包括法などの固定化法を適用することができる。特に絹
フィブロインは、タンパク質などの大きな分子は通過さ
せず、基質などの小さな分子は通過させる性質があるた
め、生体触媒を固定化する手段として望ましい。このよ
うに構成されたシートに基質を強制的に送り込むのであ
る。
【0009】シートに基質を強制的に送り込むにあた
り、シートの長手方向の一端側よりリン酸緩衝液やホウ
酸緩衝液などの緩衝液や不活性ガスなどのキャリヤー流
体をポンプなどで送り込み、このシート内を通過したキ
ャリヤー流体を同シートの長手方向の他端側へと流出さ
せるようにして、シートの長手方向の一端から他端へ至
るフローを作る。
【0010】キャリヤー流体の流速としては、特に限定
されないが、キャリヤー流体の流速とシートの体積と空
間速度との間には、空間速度=キャリヤー流速/シート
の体積という関係があり、その設定に際しては、シート
のサイズ、触媒などの機能性材料の反応速度、基質応答
曲線のピーク強度など考慮する必要がある。仮にキャリ
ヤー流速を0.5ml/分とした場合、シートの幅は
0.3〜1.0cm、長さは2〜10cm、厚さは0.
1〜1.5mmの範囲にあることが望ましい。というの
は、基質応答曲線のピーク強度が大で、応答速度が速
い、空間速度の条件が30〜3000h-1、望ましくは
200〜400h-1であるからである。
【0011】次いで、このキャリヤー流体のフロー中に
基質を注入する。ここで、基質と、基質と反応を起こす
機能性材料とを例示すると、グルコース−グルコースオ
キシターゼ、エタノール−アルコールオキシターゼ、尿
酸−ウリカーゼ、L−アミノ酸−Lアミノ酸オキシター
ゼ、L−アスパラギン−アスパラギナーゼ、尿素−ウレ
アーゼ、コレステロール−コレステロールエステラー
ゼ、中性脂肪−リパーゼ、グルコース−ペセウドモナス
フロレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、アンモ
ニア−消化菌、BOD−トリコスポロンカタネウム(Tr
ichosporon cutaneum)などを挙げることができる。こ
の基質を前述したキャリヤー流体のフロー中に注射器、
ループインジェクター、バルブインジェクターなどのイ
ンジェクターによって注入し、基質をキャリヤー流体と
共にシートの長手方向の一端側から他端側へと強制的に
移動させるのである。この移動の過程で基質と機能性材
料とが接触し、ここに反応が起こるのである。この様
に、多孔構造のシート内を長手方向に基質は移動させら
れるため、機能性材料との接触確率は大きくなり、反応
効率は飛躍的に向上する。尚、予め所定量だけの基質と
キャリヤー流体とを混合しておき、これをインジェクタ
ー等でシートに直接送り込むようにすることもできる。
【0012】次に、前記シートで生じた反応物、即ち反
応生成物若しくは反応消費物を検出する。検出方法とし
ては特に限定されず、例えばグルコースオキシターゼを
触媒として利用したときのグルコースとの触媒反応で生
成する過酸化水素にルミノールと赤血塩を加えて発光さ
せ、この発光量を光電計数管で測定する方法や、コレス
テロールエステラーゼを触媒として利用したときのコレ
ステロールとの触媒反応で生成する過酸化水素やこの触
媒反応で消費される溶存酸素を過酸化水素電極や酸素電
極で測定する方法などがある。
【0013】次に、請求項2記載のフローインジェクシ
ョン分析装置について説明する。本発明の分析装置は、
インジェクション部とキャリヤー流体を輸送する手段と
リアクター部と検出部とを具備している。キャリヤー流
体を輸送する手段は、リン酸緩衝液やホウ酸緩衝液など
の緩衝液や不活性ガスなどのキャリヤー流体をリアクタ
ー部に強制的に送り込んでキャリヤー流体によるフロー
を作る働きをし、通常ポンプが使用される。インジェク
ション部は、基質をフロー中に注入する働きを持つもの
であり、具体的には注射器、ループインジェクター、バ
ルブインジェクターなどのインジェクターが用いられ
る。尚、予めキャリヤー流体と基質とを混合しておき、
これをインジェクターによってリアクター部に強制的に
送り込んで、キャリヤー流体によるフローの作成と基質
の強制的な送り込みとを一度に行うこともできる。
【0014】リアクター部は、触媒などの機能性材料が
保持された連続した多孔構造を有するシートを備えてお
り、このシートの長手方向の一端側には前記インジェク
ション部が配されており、シートの長手方向の他端側に
は反応物を検出する検出部が配されている。そして、こ
のシートの一端側より前記キャリヤー流体を輸送する手
段とインジェクション部により送られたキャリヤー流体
と基質とが流入し、これらキャリヤー流体と基質はシー
トの長手方向の他端側へと移動するようになっている。
このシート内部を基質が長手方向に移動する過程で基質
とシート内の機能性材料とが接触し、ここで反応が起こ
るようになっている。
【0015】このリアクター部の具体例として、図1に
は、流入部2と流出部3とを有し、これら流入部2と流
出部3との間にシート5が長手方向に収納される収納部
4を設けたプラスチックセル1を用い、このセル1の流
入部2にポンプなどの輸送手段6及びインジェクション
部7を接続し、流出部3に検出部8を接続し、セル1の
収納部4内にシート5を収納することにより、キャリヤ
ー流体及び基質がシート5の長手方向に移動するように
したものが示されている。このリアクター部によれば、
プラスチックセル1の流入部2を通してキャリヤー流体
と基質とがセル1内に流入し、これらキャリヤー流体及
び基質がセル1に設けた収納部4のシート5内部を長手
方向に移動し、シート5内で基質と機能性材料とが接触
して反応が起き、この反応による反応物が同じくセル1
の流出部3を通して検出部へと流出されるようになって
いる。
【0016】リアクター部のシートについては、請求項
1記載のフローインジェクション分析方法の説明の箇所
で既に述べたので、ここでは具体的な例を挙げて説明す
ることにする。シートとしては、例えばレーヨンなどの
親水性繊維を主体とし、これら繊維を水流絡合により三
次元的に絡合した不織布を用い、この不織布の構成繊維
表面に絹フィブロインの薄いゲル層を形成し、この絹フ
ィブロイン層に触媒を包括固定したものがよい。という
のは、絹フィブロインのゲル層は表面部では結晶構造領
域が集中し、内部ではこの領域が少ない不均一な構造と
なっており、このため、酵素などの触媒分子は大きいた
めゲル層から容易に出ることはできないが、低分子であ
る基質や反応物は自由に出入りすることができるからで
ある。また、ゲル層内では酵素などの触媒の自由度が大
きいため、反応しやすい状態となっており、故に層内の
触媒の活性が高く、特定の化学物質と触媒とが接触しや
すい状態を実現することができる。更に、親水性繊維を
主体とする不織布の構成繊維表面に絹フィブロインのゲ
ル層が形成されているため、繊維とゲル層との親和性が
高く、ゲル層が繊維表面から容易に脱落しないようにな
る。上記シートは、親水性繊維を主体とする水流絡合不
織布に触媒を含む絹フィブロイン水溶液を含浸して、不
織布の構成繊維表面に絹フィブロインを付着せしめ、こ
れを乾燥した後、アルコールにより不溶化するという工
程で得ることができる。
【0017】検出部は、シートで生じた反応生成物若し
くは反応消費物を検出するものであり、検出手段として
は特に限定されず、既知のものを選択して使用すればよ
い。
【0018】
【実施例】
実施例1 家蚕精練絹からなる繊維ウェブを、水流絡合法より絡合
して厚さ0.5mm、見かけ密度0.18g/cm3
不織布とした。一方、3%絹フィブロイン水溶液を調整
し、これに生体触媒としてグルコースオキシターゼ(E
C.1.1.3.4 Aspergillus nig
er、241unite/mg)を絹フィブロインに対
して3%の割合で添加した溶液を作製した。この溶液を
上記不織布に含浸し、20℃、50%の相対温度下で2
時間風乾した後、80%メタノール水溶液に30秒間浸
漬して絹フィブロインを不溶化した。得られたシートを
顕微鏡により観察したところ、絹繊維の表面に薄い絹フ
ィブロインのゲル層が均一に被覆されており、繊維間の
空隙は閉塞されておらず、連続した空隙を残していた。
また、pH7のリン酸緩衝液に室温で1月間浸漬しても
酵素の溶出はほとんど見られず、安定であった。
【0019】上記シートを幅5mm、長さ50mmの長
方形にカットし、2枚のアクリル製板の間に厚さ0.5
mmのシリコーンシートをスペーサーとして充填して平
板状のリアクター部を作製した。このリアクター部のシ
ートの長手方向の一端側に、同シートにキャリヤー流体
を強制的に送り込んでキャリアー流体によるフローを作
成するポンプを配すると共に、このフローの中に基質を
注入するループインジェクターを設け、他端側に検出部
として酸素電極を設置してバイオセンサーを作製した。
【0020】キャリアー流体としてpH7のリン酸緩衝
液をダブルプランジャー型ポンプで0.5ml/分の速
度でシートに強制的に送り込むと共に、基質として10
μlのぶどう糖(グルコース)水溶液をループインジェ
クターでキャリヤー流体のフロー中に注入し、リアクタ
ー部においてグルコースオキシターゼと触媒反応させ、
リアクター流出部の酸素電極により溶存酸素濃度を測定
した。なお、溶存酸素濃度の測定はグルコースオキシタ
ーゼがグルコースを酸化させる際に酸素を消費すること
に基づいている。
【0021】この測定値は図2に示す基質応答曲線とし
て得られ、曲線はピーク型を示した。ぶどう糖濃度を
0.05〜2.00%の範囲で変化させて測定を行い、
ぶどう糖濃度の逆数とピーク強度の逆数とをプロットし
たところ、図3に示すように比例関係を示す直線の検量
線が得られた。従って、この実施例1のバイオセンサー
によれば、この検量線を利用して、未知のサンプル内に
含まれるぶどう糖の濃度を測定することができる。
【0022】比較例1 シート面に対して直角の方向にキャリアー流体が流れる
ように設計された円盤状のセルに、実施例1で得たシー
トを直径22mmの円盤状に打ち抜いたものを装着し
て、リアクター部を作成した。リアクター部を上記リア
クター部に変えたこと以外は、実施例1と同様にして溶
存酸素濃度を測定したところ、基質応答性が極めて低
く、ピーク強度は実施例1で検出されたピーク強度の1
0%以下で、感度が低く使用に耐えないものであった。
【0023】比較例2 酵素を固定する担体として市販の多孔性キトサンビーズ
(富士紡績株式会社製キトパールBCW2603)を用
い、グルコースオキシターゼ1%水溶液に1時間浸漬
後、グルタルアルデヒドにより不溶化処理して水洗し
た。このビーズを内径2mmのテフロンチューブに層長
40mmになるように充填してリアクター部を作製し
た。リアクター部を上記リアクター部に変えたこと以外
は、実施例1と同様にして溶存酸素濃度を測定したとこ
ろ、基質応答性が低く、ピーク強度は実施例1で検出さ
れたピーク強度の約50%で、十分な検出感度が得られ
なかった。
【0024】実施例2 生体触媒としてアスコルビン酸オキシターゼ(EC.
1.10.3.3,Cucurbita sp.,31
4units/mg)を用いたこと以外は、実施例1と
同様の方法でシートを得た。なお、アスコルビン酸オキ
シターゼの絹フィブロインに対する添加割合は1%とし
た。このシートを用いて実施例1と同様にしてリアクタ
ー部を作製し、更にこのリアクター部を用いてバイオセ
ンサーを作製した。
【0025】キャリアー流体としてpH7のリン酸緩衝
液をダブルプランジャー型ポンプで0.5ml/分の速
度でシートに強制的に送り込むと共に、このフロー中に
基質として10μlのL−アスコルビン酸水溶液(JI
S特級試薬)をループインジェクターで注入し、リアク
ター部においてアスコルビン酸オキシターゼと触媒反応
させ、リアクター流出部の酸素電極により溶存酸素濃度
を測定した。なお、溶存酸素濃度の測定はアスコルビン
酸オキシターゼがL−アスコルビン酸を酸化させる際に
酸素を消費することに基づいている。
【0026】測定値は基質応答曲線として得られ、この
曲線はピーク型を示した。L−アスコルビン酸濃度を
0.05〜2.00%の範囲で変化させて測定を行い、
L−アスコルビン酸濃度の逆数とピーク強度の逆数とを
プロットしたところ、図3に示すように比例関係を示す
直線の検量線が得られた。従って、この実施例1のバイ
オセンサーによれば、この検量線を利用して、未知のサ
ンプル内に含まれるL−アスコルビン酸の濃度を測定す
ることができる。
【0027】市販の10%果汁入りリンゴジュースに含
まれるぶどう糖とL−アスコルビン酸の定量を、実施例
1及び実施例2のバイオセンサーを用いて行ったとこ
ろ、ぶどう糖濃度は5.4%で、L−アスコルビン酸濃
度は0.06%であった。比較として、同様の試料を高
速液体クロマトグラフィーで測定したところ、ぶどう糖
5.6%、L−アスコルビン酸0.06%の値が得ら
れ、本発明のバイオセンサーによる測定値とほぼ一致し
た値が得られた。
【0028】実施例3 繊度1.5デニール、繊維長51mmのビスコースレー
ヨンからなる繊維ウェブを水流絡合法により絡合して厚
さ0.5mm、見かけ密度0.20g/cm3の不織布
とした。一方、3%絹フィブロイン水溶液を調整し、こ
れに生体触媒としてウリカーゼ(EC.1.7.3.
3,Candida sp.,3.6units/m
g)を絹フィブロインに対して10%の割合で添加した
溶液を作製した。この溶液を上記不織布に含浸し、20
℃、50℃の相対温度下で2時間風乾した後、80%メ
タノール水溶液に30秒間浸漬して絹フィブロインを不
溶化した。得られたシートを顕微鏡により観察したとこ
ろ、レーヨン繊維の表面に薄い絹フィブロインのゲル層
が均一に被覆されており、繊維間の空隙は閉塞されてお
らず、連続した空隙を残していた。また、pH8.5の
50mMほう酸緩衝液に室温で1月浸漬しても酵素の溶
出はほとんど見られず、安定であった。このシートを用
いて実施例1と同様にしてリアクター部を作製し、更に
このリアクター部を用いてバイオセンサーを作製した。
【0029】キャリアー流体としてpH8.5の50m
Mほう酸緩衝液(1mMのEDTA及び少量の界面活性
剤を含む)をダブルプランジャー型ポンプで0.5ml
/分の速度でシートに強制的に送り込むと共に、基質と
して20μlの尿酸水溶液をループインジェクターでフ
ローの中に注入し、リアクター部においてウリカーゼと
触媒反応させ、リアクター出口部の酸素電極により溶存
酸素濃度を測定した。なお、溶存酸素濃度の測定はウリ
カーゼが尿酸を酸化させる際に酸素を消費することに基
づいている。
【0030】測定値は基質応答曲線として得られ、この
曲線はピーク型を示した。尿酸濃度を8×10-4〜40
×10-4%の範囲で変化させて測定を行い、尿酸濃度の
逆数とピーク強度の逆数とをプロットしたところ、図4
に示すように比例関係を示す直線の検量線が得られた。
従って、この実施例1のバイオセンサーによれば、この
検量線を利用して、未知のサンプル内に含まれる尿酸の
濃度を測定することができる。
【0031】
【発明の効果】上記構成を備えたことにより、請求項1
記載のフローインジェクション分析方法にあっては、触
媒などの機能性材料を保持した連続した多孔構造を有す
るシートに基質を強制的に送り込み、シート内を長手方
向に移動させることにより、基質と機能性材料とを接触
させて反応させるように構成されていることから、連続
的な測定が可能であり、機能性材料を大量に固定化する
ことができ、かつシートでの高効率な反応を実現するこ
とができ、測定に要する基質や機能性材料の量を必要最
小限にとどめることができる。
【0032】又、請求項2記載のフローインジェクショ
ン分析装置にあっては、リアクター部の連続した多孔構
造を有するシートに基質が送り込まれ、この基質がシー
ト内部を長手方向に移動する過程で基質と機能性材料と
の反応が行われるようになっていることから、高効率な
反応を実現することができる。又、この装置にあって
は、リアクター部と検出部とが分かれており、リアクタ
ー部の機能性材料の機能が低下した場合には、リアクタ
ー部のみ取り替えるだけでよく、その分コストを抑える
ことができ、しかもその取り替え操作も極めて簡便に行
える。又、この装置にあっては、リアクター部が多孔構
造を有するシートを備えていることから、気泡を除くこ
とが容易であり、常に湿潤状態にする必要がなく、数分
間キャリヤー流体を流すことでコンディショニングをす
ることができる。又、乾燥した状態に保存できるので、
水中の夾雑物の影響を受けにくく、夾雑物による機能性
材料の活性の低下を招きにくく長期の保存が可能とな
る。又、この装置にあっては、リアクター部のシートが
大きな空隙が連続した多孔構造を持つことから、タンパ
ク質や微生物などの夾雑物によって目づまりが生じにく
く、シートの目づまりによる機能性材料の機能の低下を
招きにくくすることができる。又、この装置にあって
は、異なる機能性材料を固定した複数のシートを並列に
配し、これらに基質を送り込むことにより多項目の測定
ができ、又、異なる機能性材料を固定した複数のシート
を直列に配することで、多段階的な反応による測定がで
きる。
【0033】又、請求項3記載のフローインジェクショ
ン分析装置にあっては、シートとして用いた不織布の構
成繊維表面に形成された絹フィブロインのゲル層が、酵
素などの触媒分子は大きいためゲル層から容易に出入り
できないのに対し、低分子である基質や反応物は自由に
出入りすることができるという性質を有しており、ま
た、このゲル層では触媒の自由度が大きいことから、高
効率な触媒反応を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は請求項2記載のフローインジェクション
分析装置を模式的に示した正面図である。
【図2】図2は実施例1の測定の結果得られる基質応答
曲線である。
【図3】図3は実施例1及び実施例2の測定の結果を検
量線として示したグラフである。
【図4】図3は実施例3の測定の結果を検量線として示
したグラフである。
【符号の説明】
1・・・プラスチックセル 2・・・流入部 3・・・
流出部 4・・・収納部 5・・・シート 6・・・輸送手段 7・・・インジェクション部 8・・・検出部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒などの機能性材料が保持された連続
    した多孔構造を有するシートに、基質を強制的に送り込
    み、同シート内を長手方向に移動させることにより、基
    質と機能性材料とを接触させて反応させ、この反応物を
    検出するようにしたことを特徴とするフローインジェク
    ション分析方法。
  2. 【請求項2】 リアクター部と、リアクター部に基質を
    強制的に送り込むためのキャリヤー流体を輸送する手段
    と、キャリヤー流体に基質を注入するインジェクション
    部と、リアクター部において反応した反応物を検出する
    検出部とを具備して成るフローインジェクション分析装
    置において、 リアクター部は、触媒などの機能性材料が保持された連
    続した多孔構造を有するシートを備えており、このシー
    トの長手方向の一端側に前記インジェクション部が配さ
    れていると共に他端側に検出部が配されていることを特
    徴とするフローインジェクション分析装置。
  3. 【請求項3】 シートが、構成繊維表面に形成した絹フ
    ィブロイン層に触媒が包括固定された不織布であること
    を特徴とする請求項2記載のフローインジェクション分
    析装置。
JP14826391A 1991-06-20 1991-06-20 フローインジェクション分析方法及びフローインジェクション分析装置 Expired - Lifetime JPH0763393B2 (ja)

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