JPH0763592B2 - 中空糸膜及びこれを用いた中空糸膜型人工肺 - Google Patents

中空糸膜及びこれを用いた中空糸膜型人工肺

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JPH0763592B2
JPH0763592B2 JP1286382A JP28638289A JPH0763592B2 JP H0763592 B2 JPH0763592 B2 JP H0763592B2 JP 1286382 A JP1286382 A JP 1286382A JP 28638289 A JP28638289 A JP 28638289A JP H0763592 B2 JPH0763592 B2 JP H0763592B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、膜壁を介して、例えばガス交換等の流体処理
がなされる中空糸膜及びこれを用いた中空糸膜型人工肺
に関するものである。
[従来の技術] 近年、心臓手術等において、患者の血液を体外に導き、
これに酸素を添加し、かつ炭素ガスを除去するために、
体外循環回路を構成する中空糸膜型人工肺が用いられて
いる。
この中空糸膜型人工肺は、一般に、ハウジング内に複数
本の中空糸膜を束ねて、収納してなり、該中空糸膜の内
側又は外側のいずれか一方に被処理流体として血液を循
環させ、他方に処理流体として酸素含有ガスを吹送し、
中空糸膜の膜壁を介して気液接触させ、所望のガス交換
を行なうものである。このような中空糸膜型人工肺のう
ち、中空糸膜の外側に血液を循環させ、その内側に酸素
含有ガスを吹送する、いわゆる外部潅流型のものは、血
流における圧力損失が少ないため循環回路中の人工肺の
前に送血ポンプを設ける必要がなく、従って人体からの
落差のみによる脱血にて血液を人工肺に送ることが可能
となり、特に好ましいものである。
このような中空糸膜人工肺に用いられる中空糸膜として
は、ガス透過性、機械的強度等の面から例えばポリプロ
ピレンなどの疎水性の多孔質中空糸膜が主として用いら
れている。
[発明が解決しようとする課題] ところで、上記疎水性の多孔質中空糸膜にあっては、従
来、ハウジング内において、中空糸膜と中空糸膜との間
隙が狭く、かつ軸方向に沿って積極的に変化することの
ない状態で、束ねられ、収納されていた。このような状
態で、中空糸膜内部空間に血液を流し外部に酸素含有ガ
スを中空糸膜束の軸方向に流すと、中空糸膜表面におい
ては酸素含有ガスの流れは層流となるのでガス交換能の
向上は一定以上望めない。また、中空糸膜を束ねること
により、中空糸膜束の間隙に酸素含有ガスが入り込みに
くく、中心部の中空糸膜は有効利用されていなかった。
また、中空糸膜が疎水性であるために、特に外部潅流型
の場合に、その間隙に、プライミング時に除去されなか
った気泡が溜り易くなり、いわゆるエアートラップされ
た状態が生じる。これにより、血液の流通が悪くなり、
またエアートラップされた気泡の塊によって血液と酸素
含有ガスとの中空糸膜の膜壁を介する接触が阻害され、
従って有効膜面積が低下し、その結果、人工肺のガス交
換能が低下する等、問題であった。
そこで、種々の提案がなされ、例えば中空糸膜を捲縮
し、その平均捲縮振幅、捲縮率等について一定の条件を
付すことにより、各中空糸膜間において、その軸方向に
沿って幅が変化する間隙を形成するようにしたものが案
出されている。
本発明も、かかる問題点に鑑みなされたものであって、
その目的は、上記提案のものとは別異の条件で、中空糸
膜を捲縮することにより、中空糸膜を束ねるにあたっ
て、各中空糸膜間の間隙が狭くかつ積極的に変化しない
状態になるのを解消し、中空糸膜の外側を流れる血液又
は酸素含有ガスの流れに乱流を起こさせ、これによって
ガス交換能を高め、更に、例えば中空糸膜の膜壁を介
し、内側に酸素含有ガスが吹送され、外側を血液が流れ
るものである場合に、該間隙におけるエアートラップの
発生を抑制し、血液の流れを良好にし、血液と酸素含有
ガスとの接触をなす有効膜面積を十分確保し、ガス交換
能を向上させる等、該間隙における流体の流れを円滑に
し、膜壁を介して流体が接触し得る有効膜面積を積極的
かつ十分に確保し、流体処理能を向上させる中空糸膜及
びその中空糸膜型人工肺を提供するにある。
[課題を解決するための手段] 上記従来の課題を解決するために、本発明にあっては、
膜壁を有し、該膜壁を介して、その内側又は外側のいず
れか一方の被処理流体と他方の処理流体との間で前記被
処理流体が流体処理される疎水性の多孔質中空糸膜にお
いて、該中空糸膜の滅菌処理後の捲縮率を0.1〜0.7%の
範囲に設定した構成を特徴とする中空糸膜を提案するも
のである。
上記構成においては、前記捲縮率が0.3〜0.5%である構
成のものが提案される。
また、上記構成においては、前記中空糸膜の内径を100
〜500μm、肉厚を27〜80μmとしてなる構成のものが
提案される。
更に、本発明は、前記被処理流体を血液とし、前記処理
流体を酸素含有ガスとし、上記中空糸膜の前記膜壁を介
してガス交換をなすとともに、前記中空糸膜がハウジン
グ内に、複数、束ねられ、収納されてなる中空糸膜型人
工肺を提案するものである。
上記構成により、本発明に係る中空糸膜及びこれを用い
た中空糸膜型人工肺にあっては、疎水性の多孔質中空糸
膜を捲縮し、該中空糸膜の滅菌処理後の捲縮率を0.1〜
0.7%の範囲に設定しているので、中空糸膜と中空糸膜
との間には、間隙が十分大きくかつ中空糸膜の軸方向に
沿って積極的に変化して形成され、例えば、中空糸膜の
内側に処理流体として酸素含有ガスを吹送し、外側に被
処理流体として血液を循環、流通させた場合には、該各
中空糸膜の間隙が適度に生じるので、良好な血液の流通
がもたらされ、かつ血液と酸素含有ガスとの中空糸膜の
膜壁を介する接触が中空糸膜の全面にわたって均一にな
され、有効膜面積も十分確保され、更に血液の流れに乱
流を生じさせるので、高いガス交換能が得られる等、該
間隙における被処理流体又は処理流体の流れが円滑にな
り、中空糸膜の膜壁を介して流体が接触し得る有効膜面
積が積極的かつ十分に確保され、流体処理能の向上が可
能となる。
[実施例] 以下、本発明の中空糸膜として、人工肺用のものを説明
する。
本実施例に係る中空糸膜は、その内径が100〜500μm、
好ましくは、150〜300μm、肉厚が27〜80μmで、好ま
しくは、40〜60μmである疎水性の多孔質中空糸膜であ
る。
この多孔質中空糸膜には、捲縮が付与されている。この
捲縮を付与するにあたっては、中空糸膜が延伸される。
この延伸は、中空糸膜の破断強度の向上を図るととも
に、捲縮を付与するのに適正収縮率を得るためであり、
捲縮前熱収縮率は6±2%(75℃で30分間オーブン処理
後の収縮率)が良好である。
捲縮にあたって、その捲縮率は、0.1〜0.7%の範囲に設
定されている。尚、本願における捲縮率は、該中空糸膜
が用いられる人工肺などの人工臓器については使用前に
滅菌処理を行なうので、その滅菌処理後の値である。捲
縮率が0.1%未満であると、中空糸膜を、例えば人工肺
中に組入れた際、中空糸と中空糸との間隙が十分とれ
ず、中空糸膜の外側を流れる流体に乱流を発生させるま
でには至らない。逆に捲縮率が0.7%を越えると、例え
ば中空糸膜を用いて人工肺を作成した場合に、人工肺が
必要以上に大型化する虞があり、特に中空糸膜の束径が
大きくなり過ぎると人工膜のハウジングに挿着する作業
の際に膜をハウジング内壁に過度に接触させ、その結
果、膜に孔をあける、いわゆるファイバーピンホールを
発生させる虞があるので、いずれも好ましくない。より
好ましくは0.3〜0.5%の範囲である。
上記中空糸膜は、次に示すような方法で製造することが
できる。例えば、紡糸された後、延伸法あるいは相分離
法などにより多孔質とされた中空糸膜を、適当なボビン
等にクロス巻きに捲き取って捲縮を付与し、その後、適
当な条件下、例えば60℃で24時間程度、熱処理して捲縮
状態を固定することにより得られる。この際、捲縮の付
与における熱固定が必要以上に行なわれ、膜構造が変化
し、例えば、捲縮を与える前の状態より空孔率が20%以
上も低下するようなものにあっては、捲縮による効果が
発揮されず、また逆に熱固定が不十分に行なわれ、人工
肺の組立て時において所望の捲縮状態を保持しているの
にかかわらず、その後の残留応力により中空糸膜に張力
がかかり捲縮が失が失われるようなものであってもその
効果が得られない。
更に本発明の多孔質中空糸膜にあっては、空孔率が30〜
50%、好ましくは37〜43%であり、また酸素ガスフラッ
クスが15000〜35000/min・m2・0.5atm、好ましくは22
000〜27200/min・m2・0.5atmであると、人工肺用とし
て用いた場合、より一層優れた効果が期待できるものと
なる。
中空糸膜の素材としては、例えばポリプロピレン、ポリ
エチレンなどのポリオレフィンやポリテトラフルオロエ
チレンなどの疎水性合成樹脂を用いることができ、その
内でも、機械的強度、耐熱性、加工性などの諸物性に優
れ、また多孔性の付与が容易であるなどの点からポリプ
ロピレンが特に良好である。
次に、上記中空糸膜を用いた中空糸膜型人工肺を図面に
基づき説明する。
第1図は、その中空糸膜型人工肺の第1の実施例であ
り、中空糸膜6の内側に被処理流体として血液を循環、
流通させ、中空糸膜6の外側に処理流体として酸素含有
ガスを吹送する、いわゆる内部潅流型のものである。こ
の中空糸膜型人工肺1は、ハウジング2を具備してな
り、このハウジング2は、筒状本体3とその両端部に形
成された環状突起付き拡径部4,5とより一体的に構成さ
れている。ハウジング2内には、複数の、例えば10000
〜60000本の多孔質中空糸膜6がハウジング2の長手方
向に沿って中空糸膜束13として束ねられ、収納されてい
る。この中空糸膜6の両端部は、取付けカバー4,5内に
おいて各中空糸膜6の開口が閉塞されない状態で隔壁7,
8により液密に支持されている。この隔壁7,8により、多
孔質中空糸膜6の外周面と上記ハウジング2の内面との
間にはガス室9が形成されている。上記取付けカバー4,
5の内、一方の取付けカバー4には酸素含有ガスを供給
する酸素含有ガス導入口10が設けられており、他方の取
付けカバー5には酸素含有ガスを排出する酸素含有ガス
導出口11が設けられている。
なお、中空糸膜6の充填率にあっては、筒状本体3内の
中空糸膜束13の中央部における充填率Aが約55〜65%で
あり、中空糸束13の両端、つまり隔壁7,8の外面におけ
る充填率Bが約40〜50%であれば良好であり、充填率A
が57〜63%、充填率Bが43〜47%であれば特に好まし
い。
なお、隔壁7,8は、極性の高い高分子ポッティング材、
例えば、ポリウレタン、シリコーン、エポキシ樹脂等を
ハウジング2の両端内壁面に遠心注入法を利用して流し
込み、硬化させることにより得られる。
一方の隔壁7の外面は、略円錐形状の血液ポートカバー
15で覆われている。この血液ポートカバー15は、その内
周面に形成された環状突起15aと前記取付けカバー4の
外周面に形成された環状突起4aとが相互に係合すること
により、取付けカバー4に液密に嵌合され、その内部に
は、血液ポート領域23が形成されるようになっている。
血液ポートカバー15には、血液導出口26が形成されてい
る。
他方の隔壁8には、熱交換器12が接続されている。熱交
換器12は、ハウジング13を具備してなり、該ハウジング
13は、筒状本体13aと嵌合用部材13bとよりなっている。
筒状本体13a内には、複数本のステンレスパイプ14が配
設され、それら両端開口部が閉塞されない状態で隔壁1
7,18を介して液密に支持されている。また、筒状本体13
aの周側部には、冷温水流通口19,20が設けられ、筒状本
体13a内に冷水または温水の流路が形成され、これによ
り、パイプ14内を流通する血液が所望の温度に調整され
るようになっている。前記隔壁8に対して反対側に位置
する隔壁18の外面は、前記血液ポートカバー15と同様の
血液ポートカバー16で覆われている。図中、24は、血液
ポート領域、25は血液導入口である。嵌合用部材13b
は、拡径部5に対し、前記血液ポートカバー15と同様に
液密に嵌合され、隔壁17,5間に血液貯留空間27が形成さ
れている。
本実施例では、上記構成により、中空糸膜と中空糸膜と
の間には、間隙が十分大きくかつ中空糸膜の軸方向に沿
って積極的に変化して形成される。従って、ガス室9内
に吹送され、処理流体をなす酸素含有ガスは、該間隙を
良好に流通する。また、この酸素含有ガスと、血液貯蔵
空間27より中空糸膜6の内側を流れ、被処理流体をなす
血液との、中空糸膜の膜壁を介する接触が中空糸膜6の
全面にわたって均一になされ、有効膜面積も十分確保さ
れる。その結果、高いガス交換能を得ることができ、被
処理流体の流体処理能の向上が可能となる。
次に、本発明の中空糸膜型人工肺の第2の実施例とし
て、中空糸膜の外側に被処理流体として血液を循環し、
中空糸膜の内側に処理流体として酸素含有ガスを吹送す
る、いわゆる外部潅流型のものを第2図に基づき説明す
る。本実施例に係る中空糸膜型人工肺31は、ハウジング
32と、その両端部に設けられた酸素含有ガスポートカバ
ー34,35とより構成されている。ハウジング32内には、
前記実施例と同様に、隔壁7,8を介して中空糸膜6が支
持されている。その隔壁7,8により、ハウジング32内に
は、血液室39が形成され、酸素含有ガスポートカバー3
4,35内には、酸素含有ガスポート領域34a,35aが形成さ
れるようになっている。ハウジング32には血液を供給す
る血液導入口45及び血液を排出する血液導出口46がそれ
ぞれ設けられている。酸素含有ガスポートカバー34,35
にはそれぞれ酸素含有ガス導入口40および酸素含有導出
口41が形成されている。
本実施例にあっては、上記構成により、各中空糸膜6間
には、その間隙が十分大きくかつ中空糸膜6の軸方向に
沿って積極的に変化して形成されているので、プライミ
ング時に除去されなかった気泡が該間隙に留り難くな
り、従って、いわゆるエアートラップされ難くなる。こ
れにより、該間隙における血液の流通が良好となるとと
もに、エアートラップされた気泡の塊によって生ずる、
血液と酸素含有ガスとの中空糸膜6の膜壁を介する接触
の阻害が解消され、従って有効膜面積が十分確保され
る。
また、血液の流れに乱流が生じ、ガス交換能の向上が果
される。
その他の作用、効果は前述の実施例と同様である。
以上に、実施例を挙げて本発明を説明したが本発明は上
記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を変更
しない範囲で種々変更可能である。
次に、本発明者は、上記実施例の効果を確認するために
以下のような実験を行なった。
(実験例) 本実験例に係る多孔質中空糸膜を次に示す方法で製造し
た。
相分離法に属するミクロ相分離法により形成された平均
細孔半径約500Åの微細孔を有する、内径180〜220μ
m、肉厚約50μmのポリプロピレン製多孔質中空糸膜
を、直径97mmのボビンにクロス巻きに捲き取り、60℃で
24時間オーブン中で熱処理することにより捲縮をかけ
た。ここにおいて捲縮率は第1表に示すとおりである。
このようにして得られた中空糸膜6を用い、前述の第1
の実施例に係る中空糸膜型人工肺1と同様な人工肺(テ
ルモ(株)製,CX−II)1Aを実施例1として、第2の実
施例に係る中空糸膜型人工肺31と同様な人工肺(テルモ
(株)製,CX−E)1Bを実施例2としてそれぞれ作成
し、酸素ガス添加能及び炭素ガス排除能を計測した。そ
の結果を第1表に示す。
(比較例) 上記実験例と比例するために、延伸法により軸方向に延
伸されて形成された平均細孔半径684Åの微細孔を有す
る、内径200μm、肉厚21.5μmのポリプロピレン製多
孔質中空糸膜を、捲縮させることなくそのまま用いて、
前述の実験例と同様に人工肺を作成し、人工肺1Aに対応
するものを比較例1として人工肺2A、人工肺1Bに対応す
るものを比較例2として人工肺2Bとし、酸素ガス添加能
及び炭素ガス排除能を計測した。その結果を第1表に示
す。
なお、本明細書中における各用語の定義および測定方法
は次の通りである。
内径、肉厚 中空糸膜を任意に10本抜き取り、鋭利なカミソリで2〜
3mm程度の長さに輪切りにする。万能投影機(ニコンプ
ロファイルプロジェクタ−V−12)でその断面を映し出
し、計測器(ニコンデジタルカウンターCM−6S)でその
外径d1、内径d2を測定し、肉厚tをt=d1−d2により算
出し、10本の平均値とした。
空孔率(%) 中空糸膜を約2gとり、鋭利なカミソリにより5mm以下の
輪切りにする。得られた試料を水銀ポロシメーター(カ
ルロエルバ社65A型)にて1000kg/cm2まで圧力をかけ全
細孔量(単位重さ当りの中空糸の細孔体積)により空孔
率を得る。
捲縮率 人工肺は、通常、使用前に滅菌されるので、その滅菌
後、該人工肺から取り出した中空糸膜について測定を行
なった。
滅菌は、エチレンオキサイドガス滅菌により、その条件
は、次の通りである。すなわち、EOG/CO2:20/80
(%)、温度:55〜65℃、湿度:50〜80%RH、圧力:0.8〜
1.2kg/cm2、エチレンオキサイド濃度:550〜750mg/、
作用時間:150〜210分である。
その取出した中空糸膜のサンプル長さとして、人工肺1
A,2Aのものにあっては、70mm、人工肺1B,2Bのものにあ
っては、100mmとした。
測定方法としてはJIS L 1074 6.11.2の捲縮率の測定方
法を参考にした。
具体的には、試験機として、島津製作所製,オートグラ
フ,AGS−100Aの引張試験機を用い、それによる引張速度
としては、1mm/minとした。
まず、上記サンプル長さの中空糸膜に対し、本試験機に
より1gの荷重をかけ、その際の荷重をaとし、次に、10
gの荷重をかけたときの長さをbとし、ストログラフの
サイクル試験モードにより、1gと10gの荷重間を3回、
上記引張速度でサイクル試験を行ない、3回の平均値を
もって、a,bの各値とした。このa,bの測定値から、次に
示す計算式により捲縮率を得た。
捲縮率(%)=(b−a)/a×100 酸素ガスフラックス 多孔質中空糸膜で有効長さ23cm、有効膜面積0.1m2のも
のを作成し、片方の端を閉じた後、酸素で中空糸膜内部
に0.5気圧の圧力をかけ、定常状態になったときの酸素
ガスの流量を流量計(草野理化学機器製作所,フロート
メーター)により読み取った値とした。
酸素ガス添加能,炭素ガス排除能 (人工肺1A及び2A) 中空糸膜6の有効長さを80mm、膜面積を3.0m2とし、中
空糸膜6の内側にウシ血液(標準静脈血)をシングルパ
ス(Single Path)で5/minの流量で流し、中空糸膜
6の外側へ純酸素を5/minの流量で流し、人工肺入口
および出口のウシ血液のpH、炭酸ガス分圧(PCO2)、酸
素ガス分圧(PO2)を血液ガス測定装置(Radiometer社
製,BGA3型)により測定し、人工肺入口と人工肺出口と
の分圧差を算出した。なお人工肺モジュール仕様の詳細
は第2表に示す。
(人工肺1B及び2B) 中空糸膜6の有効長さを140mm、膜面積を5.0m2とし、中
空糸膜6の外側にウシ血液(標準静脈血)をシングルパ
ス(Single Path)で5/minの流量で流し、中空糸膜
6の内側へ純酸素を5/minの流量で流し、人工肺入口
および出口のウシ血液のpH、炭素ガス分圧(PCO2)、酸
素ガス分圧(PO2)を血液ガス測定装置(Radiometer社
製,BGA3型)により測定し、人工肺入口と人工肺出口と
の分圧差を算出した。なお人工肺モジュール仕様の詳細
は第2表に示す。
また、人工肺1A,1B,2A,2Bともに、標準動脈血の性状は
第3表に示す。
以上の結果、本発明の実施例に係る人工肺1A,1Bが、そ
の内でも特に外部潅流型のものである人工肺1Bが優れた
ガス交換能を有することが明らかになった。
更に、本願発明との比較のために、捲縮率が本願発明の
設定範囲0.1〜0.7%の上下の範囲を越える比較例3〜6
を第4表に示す。
比較例3及び4は捲縮率が本願発明の設定範囲の上限を
越える1.0%の場合、比較例5及び6はその下限を下回
る0.05%の場合を示す。
比較例3及び4では、実験の過程において、ファイバー
ピンホールの発生が多く見られ、それを補修した後のデ
ータであるが、該ピンホールの補修に労力を要し極めて
作業性が悪いものであった。又、比較例5及び6は本願
発明の場合に比しガス交換能が劣るものであった。
[発明の効果] 以上、説明したように本発明に係る中空糸膜及びこれを
用いた中空糸膜型人工肺にあっては、疎水性の多孔質中
空糸膜を捲縮し、該中空糸膜の滅菌処理後の捲縮率を0.
1〜0.7%の範囲に設定しているので、中空糸膜と中空糸
膜との間には、間隙が十分大きくかつ中空糸膜の軸方向
に沿って積極的に変化して形成され、例えば、中空糸膜
の内側に処理流体として酸素含有ガスを吹送し、外側に
被処理流体として血液を循環、流通させた場合には、該
各中空糸膜の間隙が適度に生じるので、良好な血液の流
通がもたらされ、かつ血液と酸素含有ガスとの中空糸膜
の膜壁を介する接触が中空糸膜の全面にわたって均一に
なされ、有効膜面積も十分確保され、更に血液の流れに
乱流を生じさせるので高いガス交換能が得られる等、該
間隙における被処理流体又は処理流体の流れが円滑にな
り、中空糸膜の膜壁を介して流体が接触し得る有効膜面
積が積極的かつ十分に確保され、流体処理能の向上が可
能となるとともに中空糸膜の束径を過度に大きくするこ
とがなく、これを例えば人工肺のハウジングに挿着する
場合に過度の接触により、いわゆるファイバーピンホー
ルを生じさせる虞がなくなり、作業性の向上が図られる
とともに小型化設計が容易になる等、種々の効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る中空糸膜型人工肺の第1の実施例
を示す半縦断正面図、第2図は本発明に係る中空糸膜型
人工肺の第2の実施例を示す半縦断正面図である。 1,31……中空糸膜型人工肺 2,32……ハウジング 6……中空糸膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜壁を有し、該膜壁を介して、その内側又
    は外側のいずれか一方の被処理流体と他方の処理流体と
    の間で前記被処理流体が流体処理される疎水性の多孔質
    中空糸膜において、該中空糸膜の滅菌処理後の捲縮率を
    0.1〜0.7%の範囲に設定したことを特徴とする中空糸
    膜。
  2. 【請求項2】前記捲縮率が0.3〜0.5%である請求項1記
    載の中空糸膜。
  3. 【請求項3】前記中空糸膜の内径を100〜500μm,肉厚を
    27〜80μmとしてなる請求項1記載の中空糸膜。
  4. 【請求項4】前記被処理流体を血液とし、前記処理流体
    を酸素含有ガスとし、請求項1乃至3のいずれか1つに
    記載の中空糸膜の前記膜壁を介してガス交換をなすとと
    もに、前記中空糸膜がハウジング内に、複数、束ねら
    れ、収納されてなる中空糸膜型人工肺。
JP1286382A 1989-11-02 1989-11-02 中空糸膜及びこれを用いた中空糸膜型人工肺 Expired - Fee Related JPH0763592B2 (ja)

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