JPH0764015B2 - 高配向ポリエチレン材料の製造方法 - Google Patents

高配向ポリエチレン材料の製造方法

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JPH0764015B2
JPH0764015B2 JP63330686A JP33068688A JPH0764015B2 JP H0764015 B2 JPH0764015 B2 JP H0764015B2 JP 63330686 A JP63330686 A JP 63330686A JP 33068688 A JP33068688 A JP 33068688A JP H0764015 B2 JPH0764015 B2 JP H0764015B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は高配向のポリエチレン材料を製造する方法に関
し、さらに詳しくは特定の性状を有する超高分子量ポリ
エチレン粉末を特定の条件で延伸することにより高強度
・高弾性の高配向ポリエチレン材料を製造する方法に関
する。
従来の技術および発明が解決しようとする課題 分子量が著しく高いいわゆる超高分子量ポリエチレンは
耐衝撃性、耐摩耗性に優れ、また自己潤滑性も有するな
ど特徴のあるエンジニアリングプラスチックとして、ホ
ッパー、サイロ、各種歯車、ライニング材、スキー裏張
りなどの食品機械、土木機械、化学機械、農業、鉱業、
スポーツ・レジャー分野などの幅広い分野で使用されて
いる。
そして超高分子量ポリエチレンは汎用のポリエチレンに
比べて遥かに分子量が高いので、高配向させることがで
きれば今までになく高強度で高弾性の延伸物が得られる
可能性があることから、その高配向化が種々検討されて
いる。しかしながら超高分子量ポリエチレンは汎用のポ
リエチレンに比べ極端に溶融粘度が高いので、通常の方
法では殆ど押出成形ができず、また延伸して高配向化す
ることもできないのが現状である。
ポール・スミス、ピーター・ヤーン・レムストラ等は超
高分子量ポリエチレンのデカリン溶液(ドープ)から得
たゲルを高倍率に延伸し、高強度・高弾性率の繊維を製
造しうる方法(特開昭56−15408号)を提案している。
そのドープ中のポリマー濃度は、重量平均分子量150万
のもので3重量%、400万のものでは1重量%と極めて
低濃度しか実施されておらず、実用化においては多量の
溶媒を使用し、かつ高粘度の溶液の調整方法、取り扱い
など経済性の面で著しく不利である。
また、超高分子量ポリエチレンの単結晶マットを高度に
延伸・高配向化させる方法についても種々の提案がある
[特開昭59−187614号、特開昭60−15120号、特開昭60
−97836号、高分子学会予稿集、34巻4号873頁(1985
年)等]。
しかしながらこれらの方法では、あらかじめ超高分子量
ポリエチレンをキシレン、デカリン、灯油等の溶媒の希
薄溶液とし、しかるのち冷却や等温結晶化を行って得ら
れる単結晶マットを用いて固相押出、延伸などを行うも
のであり、この方法では単結晶マット作製時に多量の溶
媒を用いねばならないという問題が依然として解決され
ていない。
本発明者らは以前に、超高分子量ポリエチレン粉末を何
ら溶解または溶融させることなく固相状態で延伸する方
法(特開昭63−41512号、特開昭63−66207号)を提案し
たが高配向化が充分とはいえず、改良が望まれていた。
課題を解決するための手段 以上のことから、本発明者らは、これらの問題点を解決
すべく鋭意検討した結果、特定性状の超高分子量ポリエ
チレン粉末を用い、かつ特定の方法により固相状態で延
伸することにより極めて高度に配向したフィルムまたは
シートが製造できることを見出し、本発明を完成したも
のである。
すなわち、本発明は、下記の2つの条件を満たすポリエ
チレン粉末を該ポリエチレン粉末の融点未満の温度で固
相押出し、ついで延伸することを特徴とする高配向ポリ
エチレン材料の製造方法に関する。
(i)135℃、デカリン中における極限粘度が5〜50dl/
g。
(ii)斜方晶における(110)面の法線方向の結晶子の
大きさが60Å以下。
また該ポリエチレン粉末を該ポリエチレン粉末の融点未
満の温度で圧延しついて延伸することを特徴とする高配
向ポリエチレン材料の製造方法に関する。
本発明の製造方法では、超高分子量ポリエチレン粉末を
何ら溶解または溶融することなくそのまま固相状態で成
形加工する方法において、特定性状を有する超高分子量
ポリエチレン粉末を使用することにより、きわめて高配
向の繊維、フイルム、シートなどのポリエチレン材料を
製造することができ、該ポリエチレン材料は溶媒に溶解
したのちゲルとして延伸して得られるもの、またはポリ
エチレンの融点以上の温度に加熱溶融したのち延伸して
得られる従来のポリエチレン材料と比較して同等ないし
さらにすぐれた強度、弾性率等の力学物性を有している
ことを特徴である。
以下に、本発明の方法を具体的に説明する。
本発明の高配向ポリエチレン材料の製造方法において使
用される超高分子量ポリエチレン粉末は特定の分子量か
つ特定の結晶子の大きさを有することが特徴である。超
高分子量ポリエチレン粉末の分子量としては、135℃、
デカリン中における極限粘度が、5〜50dl/g、好ましく
は8〜40dl/gであり、さらに好ましくは10〜30dl/gであ
り、粘度平均分子量50万〜1200万、好ましくは90万〜90
0万、さらに好ましくは120万〜600万に相当するもので
ある。極限粘度が5dl/g未満(粘度平均分子量約50万未
満)の場合は、たとえ、繊維、フイルムまたはシートに
加工できたとしても配向性が低下し、強度・弾性率に劣
るものしか得られない。
また、極限粘度が50dl/gを越える(粘度平均分子量約12
00万を越える)場合は繊維、フィルムまたはシートへの
加工が難しくなり好ましくない。
また、本発明で用いられる超高分子量ポリエチレン粉末
は、かかる特定の分子量を有することに加え、特定な結
晶子の大きさを有することが極めて重要である。すなわ
ち、本発明で用いる超高分子量ポリエチレン粉末は、ポ
リエチレン中に微分散している結晶部分のうち斜方晶に
おける(110)面の法線方向の結晶子の大きさ(測定法
後述)が、60Å以下、好ましくは1〜60Å、さらに好ま
しくは1〜50Åのものである。
結晶子の大きさが60Åを越える場合は、延伸性が劣り、
強度・弾性率を著しく高めることはできない。結晶子の
大きさが60Å以下であると延伸性が向上し高配向物が得
られる理由については明らかではないが、結晶子同士の
接触面積が増加し、延伸時の力が有効に伝達されるため
に高倍率の延伸が可能となり、高配向物が得られるもの
と考えられる。
本発明で使用される上記特定性状を有する超高分子量ポ
リエチレンは、周期律表IV〜VI族の遷移金属元素を含む
化合物のうち、少なくとも一種の化合物を含有する触媒
成分と必要に応じて有機金属化合物とを組合せてなる触
媒の存在下に、エチレンの単独重合、またはエチレンと
α−オレフィンを共重合することにより得られる。
α−オレフィンとしては炭素数3〜12、好ましくは3〜
6のものが使用できる。具体的には、プロピレン、ブテ
ン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オク
テン−1、デセン−1、ドデセン−1などを挙げること
ができる。これらのうち特に好ましいのは、プロピレ
ン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−
1である。またコモノマーとして、ジエン類、たとえば
ブタジエン、1.4−ヘキサジエン、ビニルノルボルネ
ン、エチリデン−ノルボルネンなどを併用してもよい。
エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン
含量は0.001〜10モル%、好ましくは0.01〜5モル%、
より好ましくは0.1〜1モル%である。
触媒成分を構成するところの周期律表第IV〜VI族の遷移
金属を含む化合物としては、具体的にはチタン化合物、
バナジウム化合物、クロム化合物、ジルコニウム化合
物、ハフニウム化合物などが好適である。また、これら
の化合物を複数種組合せて用いてもよい。
チタン化合物としては、チタンのハロゲン化物、アルコ
キシハロゲン化物、アルコキシド、ハロゲン化酸化物等
を挙げることができ、4価のチタン化合物と3価のチタ
ン化合物が好適である。4価のチタン化合物としては具
体的には一般式 Ti(OR)nX4-n (ここでRは炭素数1〜20好ましくは1〜12のアルキル
基、またはアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示
す。nは0≦n≦4である。)で示されるものを挙げる
ことができ、特に四塩化チタンが好ましい。
3価のチタン化合物としては四塩化チタン、四臭化チタ
ン等の四ハロゲン化チタンを水素、アルミニウム、チタ
ンあるいは周期律表I〜III族金属の有機金属化合物に
より還元して得られるの三ハロゲン化チタンが挙げら
れ、また、一般式 Ti(OR)mX4-m (ここでRは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基ま
たはアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。m
は0≦m≦4である。)で示される4価のハロゲン化ア
ルコキシチタンを周期律表I〜III族金属の有機金属化
合物により還元して得られる3価のチタン化合物が挙げ
られる。
これらのチタン化合物のうち、4価のチタン化合物が特
に好ましい。
バナジウム化合物としては、バナジウムのハロゲン化
物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、ハロゲン
化酸化物等を挙げることができ、具体的には、四塩化バ
ナジウム等の四ハロゲン価バナジウム、テトラエトキシ
バナジウムの如く4価のバナジウム化合物、オキシ三塩
化バナジウム、エトキシジクロルバナジル、トリエトキ
シバナジル、トリブトキシバナジルの如き5価のバナジ
ウム化合物、三塩化バナジウム、バナジウムトリエトキ
シドの如き3価のバナジウム化合物が挙げられる。
さらに上記チタン化合物またはバナジウム化合物を1種
以上の電子供与性化合物で処理してもよい。該電子供与
性化合物としては、エーテル、チオエーテル、チオール
ホスフィン、スチビン、アルシン、アミン、アミド、ケ
トン、エステルなどを挙げることができる。
また、チタン化合物またはバナジウム化合物はマグネシ
ウム化合物と併用し用いてもよい。併用されるマグネシ
ウム化合物としては、金属マグネシウム、水酸化マグネ
シウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、フッ化
マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、
ヨウ化マグネシウムなど、またケイ素、アルミニウム、
カルシウムから選ばれる金属とマグネシウム原子とを含
有する複塩、複酸化物、炭酸塩、塩化物あるいは水酸化
物など、さらにはこれらの無機質固体化合物を含酸素化
合物、含硫黄化合物、芳香族炭化水素、ハロゲン含有物
質で処理又は反応させたもの、また、ケイ素、アルミニ
ウムを含有する酸化物に、上記のマグネシウム化合物を
含有させたもの等があげられる。
チタン化合物またはバナジウム化合物とマグネシウム化
合物を併用する場合、両者の接触方法としては、特に制
限はなく、公知の方法を採用することができる。
上記の含酸素化合物としては、例えば水、アルコール、
フェノール、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、エステ
ル、ポリシロキサン、酸アミド等の有機含酸素化合物、
金属アルコキシド、金属のオキシ塩化物等の無機含酸素
化合物を例示することができる。含硫黄化合物として
は、チオール、チオエーテルの如き有機含硫黄化合物、
二酸化硫黄、三酸化硫黄、硫酸の如き無機硫黄化合物を
例示することができる。芳香族炭化水素としては、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、アントラセン、フェナンス
レンの如き各種単環および多環の芳香族炭化水素化合物
を例示することができる。ハロゲン含有物質としては、
塩素、塩化水素、金属塩化物、有機ハロゲン化物の如き
化合物等を例示することができる。
多の触媒系の例としては、いわゆるグリニヤ化合物など
の有機マグネシウム化合物とチタン化合物との反応生成
物を用い、これに有機アルミニウム化合物を組み合わせ
た触媒系を例示することができる。
また他の触媒系の例としてはSiO2、Al2O3等の無機酸化
物と前記少なくともマグネシウムおよびチタンを含有す
る固体触媒成分を接触させて得られる固体物質を用い、
これに有機アルミニウム化合物を組み合わせたものを例
示することができる。
これらの触媒系において、チタン化合物を有機カルボン
酸エステルとの付加物として使用することもでき、また
前記したマグネシウムを含む無機固体化合物を有機カル
ボン酸エステルと接触処理させたのち使用することもで
きる。また、有機アルミニウム化合物を有機カルボン酸
エステルとの付加物として使用しても何ら支障がない。
さらには、あらゆる場合において、有機カルボン酸エス
テルの存在下に調製された触媒系を使用することも何ら
支障なく実施できる。
クロム化合物としては、具体的には三酸化クロムまたは
焼成によって少なくとも部分的に酸化クロムを形成する
化合物を無機酸化物担体に担持させたフィリップス触媒
と称される触媒をあげることができる。無機酸化物担体
としては、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタ
ニア、ジルコニア、トリアあるいはこれらの混合物があ
げられるが、シリカ、シリカ−アルミナが好ましい。
担持するクロム化合物としてはクロムの酸化物、または
焼成によって少なくとも部分的に酸化クロムを形成する
化合物、たとえばクロムのハロゲン化物、オキシハロゲ
ン化物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、アルコラート等があ
げられ、具体的には三酸化クロム、塩化クロミル、重ク
ロム酸カリウム、クロム酸アンモニウム、硝酸クロム、
酢酸クロム、クロムアセチルアセトネート、ジターシヤ
リブチルクロメート等があげられる。
担体にクロム化合物を担持させるには、含浸、溶媒留
去、昇華等の公知の方法によって行うことができ、使用
するクロム化合物の種類によって適当な方法を用いれば
よい。担持するクロムの量は、担体に対するクロム原子
の重量%で0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%、
さらに好ましくは0.5〜3重量%である。
以上のようにしてクロム化合物を担持した担体を焼成し
て活性化を行う。焼成活性化は一般に水分を実質的に含
まない非還元性雰囲気、たとえば酸素存在下に行なわれ
るが、不活性ガスの存在下あるいは減圧下で行ってもよ
い。好ましくは乾燥空気が用いられる。焼成は、温度45
0℃以上、好ましくは500〜900℃で数分〜数時間、好ま
しくは0.5〜10時間を行う。焼成時は充分に乾燥空気を
用い、流動状態下で活性化を行うのが好ましい。
なお、担持もしくは焼成時にチタネート類やフッ素含有
塩類等を添加して、活性等を調節する公知の方法を併用
してもよい。
また、このクロム化合物を担持した触媒を一酸化炭素、
エチレン、有機アルニウムなどで還元して用いてもよ
い。
ジルコニウム化合物またはハフニウム化合物としては、
例えば共役π電子を有する基を配位子としたジルコニウ
ム化合物またはハフニウム化合物等があげられ、一般
式、 R1 aR2 bM R3 cR4 d (ここで、Mはジルコニウムまたはハフニウム原子を示
し、R1,R2,R3およびR4は炭素数1〜20の炭化水素残基、
ハロゲン原子または水素原子を示す。なお、R1,R2,R3,R
4のうち少なくとも一つは炭化水素残基である。a,b,cお
よびdはa+b+c+d=4なる条件式を満たすもので
ある)で表される化合物が具体的にあげられる。式中の
炭化水素残基としてはアルキル基、アリール基、シクロ
アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロアル
カジエニル基、含硫黄炭化水素残基、含窒素炭化水素残
基または含リン炭化水素残基等が好ましい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル
基、2−エチルヘキシル基、デシル基、オレイル基など
が例示され、アリール基としては、フェニル基、トリル
基などが例示され、シクロアルキル基としては、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ノ
ルボルニル基、ビシクロノニル基などが例示され、アラ
ルキル基としてはベンジル基、ネオフィル基等が例示さ
れる。
シクロアルカジエニル基としては、例えば、シクロペン
タジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチル
シクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニ
ル基、インデニル基、テトラヒドロインデニル基等を例
示することができ、アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が例示さ
れる。含硫黄炭化水素残基としては、チオエチル基、チ
オフェニル基等が例示され、また、含窒素炭化水素残基
としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジプ
ロピルアミド基等が例示される。
その他ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペ
ニル基、1−ブテニル基など不飽和脂肪残基やシクロヘ
キセニル基など不飽和脂環式基についても例示すること
ができる。ハロゲン原子としてフッ素、塩素、臭素など
を例示することができる。
これらのジルコニウム化合物またはハフニウム化合物も
前述の無機酸化物担体に担持させて用いることももちろ
ん可能である。
本発明の超高分子量ポリエチレン粉末の製造方法に用い
る有機金属化合物としては、チグラー型触媒の一成分と
して知られている周期律表I〜IV族の有機金属化合物を
使用できるが、一般式RnAlX3-n(ただしRは炭素数1〜
20のアルキル基、アリール基またはアルコキシル基、X
はハロゲン原子、nは0<n<≦3、なお、n≧2の場
合、各Rは同一でも異なってもよい)で示される有機ア
ルミニウム化合物、および、一般式R2Zn(ただしRは炭
素数1〜20のアルキル基であり、二者同一でもまた異な
っていてもよい)で示される有機亜鉛化合物が好まし
く、またこれらの混合物でもよい。
有機アルニウム化合物としては、たとえばトリエチルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−ヘ
キシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、
モノエトキシジアルキルアルミニウム、ジエトキシモノ
アルキルアルミニウムなどがあげられ、また、トルアル
キルアルミニウムと水との反応で得られる一般式 で表わされる化合物(ここではRは炭素数1〜18の炭化
水素基を、nは2≦n≦100、好ましくは2≦n≦50を
示す)などを用いることもできる。
有機金属化合物の使用量はとくに制限はないが通常遷移
金属化合物に対して0.1〜1,000mol倍使用することがで
きる。
重合反応はは実質的に酸素、水などを絶った状態で気相
状態または前記触媒に対して不活性溶媒、例えばブタ
ン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカ
ン、ドデカン等の脂肪族系炭化水素、シクロペンタン、
シクロヘキサン等の脂環族系炭化水素、ベンゼン、トル
エン等の芳香族炭化水素、石油留分等の存在下、または
モノマー自体を溶媒として行われる。重合温度は−20〜
110℃、好ましくは0〜90℃である。
本発明において用いられる超高分子量ポリエチレン粉末
は前述の特定分子量および特定の結晶子の大きさを有す
ることが重要である。
分子量の調節は重合温度、重合圧力、触媒の種類、触媒
成分のモル比、重合系中への水素添加など重合条件を変
化させることにより可能であり、特に制限はない。ま
た、結晶子の大きさの調節には、重合時における温度、
圧力、触媒の種類、触媒成分のモル比など重合条件を変
化させることで可能であり、特に制限はないが、中でも
重合圧力を変化させる方法を好ましく用いることがで
き、重合圧力を低めることにより結晶子の大きさを小さ
くすることができる。したがって、結晶子の大きさを小
さくするためには、例えば重合圧力を通常0〜70kg/cm2
G、好ましくは0〜30kg/cm2G、さらに好ましくは0〜10
kg/cm2G、特に好ましくは0〜5kg/cm2Gとするのが望ま
しい。
もちろん、水素濃度、重合温度などの重合条件の異なっ
た2段階ないしそれ以上の多段階の重合反応も何ら支障
なく実施できる。
かくして、粉末状の超高分子量ポリエチレンが得られ
る。
本発明の高配向ポリエチレンは、かくして得られた特定
性状を有する超高分子量ポリエチレン粉末を、該超高分
子量ポリエチレン粉末の融点未満の温度で、 (1)固相押出し、ついで延伸する または、 (2)圧延し、ついで延伸する ことにより製造される。
まず、(1)のプロセスについて記述する。超高分子量
ポリエチレン粉末を固相押出する過程において、該粉末
を直接固相押出してもよいが好ましくは前もって圧縮成
形することが望ましい。
この時の圧縮成形方法は特に制約されないが、固相押出
を行う場合は、固相押出装置のシリンダー内に該ポリエ
チレン粉末を入れ融点未満の温度で圧縮しロッド状のポ
リエチレン成形物とする。この時の圧力は広く選ぶこと
ができるが、通常0.1MPa〜2GPa、好ましくは1〜500MPa
が望ましい。また他の本発明のポリエチレン以外の樹脂
と組み合せて固相共押出を行う場合はプレスにより、融
点未満の温度で0.1mm〜2mm厚のシート状のポリエチレン
成形物とする。この時の圧力は上述と同様の範囲が望ま
しい。
ついで得られた圧縮成形物を固相押出するが、固相押出
方法としては例えば下部にダイスを取付けた固相押出装
置のシリンダーに前述の超高分子量ポリエチレン粉末ま
たはその圧縮成形物を入れ、20〜130℃、好ましくは90
〜120℃で圧力0.01〜0.1GPaで予備加圧後、20℃以上融
点未満、好ましくは90℃以上融点未満の温度で押出す方
法が挙げられる。延伸倍率(押出比)は、ポリマーの分
子量、使用した触媒の種類、重合条件などによって異な
るが、ダイス径を変えることにより任意に選択でき、通
常は2〜100倍、好ましくは3〜50倍、より好ましくは
3〜25倍で行われる。
固相押出についで行われる引張延伸としてはニップ延
伸、ロール延伸などが挙げられるが、これらのうちニッ
プ延伸がより好ましい。
引張延伸における温度は20〜150℃、好ましくは20〜130
℃で行われる。
引張速度はポリマーの分子量、組成比によって異なるが
1〜100mm/min.、好ましくは5〜50mm/min.である。
もちろん、上記引張延伸操作を一回以上多段で行うこと
ができる。
延伸倍率は、できるかぎり高めることが望ましいが、本
発明の超高分子量ポリエチレンでは20〜60倍の延伸が可
能である。
以上のように、固相押出後、引張延伸する方法により引
張弾性率120GPa以上の繊維またはフィルムが得られる。
つぎに(2)のプロセスについて記述する。超高分子量
ポリエチレン粉末を圧延する過程においても、該粉末を
直接圧延してもよいが、好ましくは前もって圧縮成形す
ることが望ましい。
この時の方法は特に制約されないが、公知の各種の方法
を適宜用いることができる。たとえば、前記したような
ブレス法を好ましく採用することができる。
また圧延方法としては公知の方法を用いることができる
が、本発明記載のポリエチレンを溶融せしめることなく
固相状態に保持したまま周速度の異なる圧延ロールによ
り挾圧して圧延シート又はフィルムを得るものである。
このとき、圧延操作による材料の変形比は広く選択する
ことができ、通常、圧延効率(圧延後の長さ/圧延前の
長さ)で1.2〜30、好ましくは1.5〜20とするのが望まし
い。この時の温度としては20℃以上融点未満、好ましく
は90℃以上融点未満で圧延操作を実施することが望まし
い。勿論、上記圧延操作を一回以上多段圧延することが
できる。
圧延についで行われる引張延伸としては固相押出につい
で行われる引張延伸と同様の方法および条件で行われ
る。
すなわち、引張延伸における温度は20〜150℃で、好ま
しくは20〜130℃で行われる。
引張速度はポリマーの分子量、組成比によって異なるが
1〜100mm/min.、好ましくは5〜50mm/min.である。
勿論、上記引張延伸操作を一回以上多段で行うことがで
きる。
延伸倍率は、できる限り高めることが望ましいが、本発
明の超高分子ポリエチレンでは20〜60倍の延伸が可能で
ある。
以上のように、圧縮成形、圧延の後引張延伸する方法に
より引張弾性率120GPa以上の繊維またはシート、フィル
ムが得られる。
[超高分子量ポリエチレン粉末の結晶子の大きさの測定
方法] 本発明において規定するポリエチレン斜方晶の(110)
面の法線方向の結晶子の大きさは、広角X線回析反射法
により測定される。広角X線回析反射法による結晶子の
大きさは、下記Scherrerの式から求められる。
(ここでDは結晶子の大きさ(Å)、λはX線の波長、
θはBragg角、Bは積分巾、KはScherrerの定数(K=
1.05)) 本発明における斜方晶の(110)面の法線方向の結晶子
の大きさはX線としてCuKα線(波長1.5405Å)を用い
た場合について上式から算出したものである。なお、こ
れらの結晶子の大きさの測定方法は、「X−Ray Diffr
action Methods in Polymer Science」,LEROY E.A
LEXANDER著,John Wiley & Sons,Inc.出版(1969)
および「高分子X線回析」角戸正夫、笠井暢民著、丸善
株式会社出版(1968)に記載されている。
実 施 例 以下、具体的に実施例により本発明を詳述するが、本発
明はこれらに何ら限定されるものではない。
実施例1 (ポリエチレンの製造) 電磁誘導式攪拌機、環流冷却器、エチレンガス導入管を
とりつけた1のガラ製三ッ口フラスコを充分に窒素で
置換する。ついでヘキサン500ml、トリエチルアルミニ
ウム3mmolおよび無水塩化マグネシウム、アルミニウム
トリエトキシドおよび四塩化チタンを16時間ボールミリ
ングした固体触媒成分30mgを加え、撹拌しながら50℃に
昇温した。次にエチレンをヘキサン中にフィードし、未
反応ガスを環流冷却器を通して系外にベントさせなが
ら、常圧において3.5時間重合を行った。重合体スラリ
ーからヘキサンを減圧除去し、白色のポリエチレン15g
が得られた。135℃、デカリン中における極限粘度
([η])は15.6dl/gであった。
[ポリエチレン斜方晶の(110)面の法線方向の結晶子
の大きさの測定] 得られた超高分子量ポリエチレン粉末試料を深さ2mmの
サンプルホルダーに詰め縦型ゴニオメーターを用い反射
法により2θが15〜27゜の範囲の回析強度分布を理学電
機製X線発生装置を使用し、グラファイトモノクロメー
タで単色化したCuKα線(40KV、20mA)を用い、シンチ
レーションカウンターを用いて測定した。測定はstep
widthが0.02゜、preset timeが60秒でstep scan法に
よった。発散スリットは0.5゜、受光スリットは0.15m
m、散乱スリットは0.5゜のものを用いた。
得られた回析線のプロファイルのうち、ポリエチレン斜
方晶の(110)面の反射プロファイルについて、Scherre
rの式を用い、斜方晶における(110)面の法線方向の結
晶子の大きさを求めた。
なお、積分巾(B)については常法に従い以下の通り求
めた。回析線のプロファイルをGauss関数とCauchy関数
の和と仮定し、CuKα線およびCuKα線による回析の
積分強度比を2:1とし理論曲線を実測の回析線プロファ
イルに最小二乗法によりフィッティングさせ、Gauss関
数およびCauchy関数の係数から積分巾を算出した。な
お、この積分巾は装置固有の積分巾の広がりをSi粉末の
(111)面回析線の積分巾として補正した。
その結果、結晶子の大きさは49Åであった。
(高配向化) 得られた白色ポリエチレンを130℃、20MPaでプレス成形
し、厚さ0.5mmのシートを得た。このシートから巾6mm、
長さ50mmのサンプルをとり、それを直径9.5mm、長さ10c
mのポリエチレン製丸棒を長さ方向に半分に切ったもの
(ビレット)にはさみこんだ。
次にインストロン社製キャピラリーレオメーター(シリ
ンダー内径9.525mm)に内径4.8mm、長さ10mm、角度20゜
のコニカルダイを取付け、前記サンプルをはさんだビレ
ットを充填した。110℃で30分間予熱後、同温度で0.06c
m/min.の速度で押出した。変形比(延伸倍率)はサンプ
ルにつけたインマークと押出物のそれとの比で表わし、
この場合は4.8倍であった。
得られた押出物を恒温槽つき引張試験機によって135
℃、50mm/min.のクロスヘッドスピードで延伸を行い、2
6倍の延伸が可能であった。
得られた延伸物は常法に従って弾性率を測定したところ
140GPaであった。
実施例2,3 各種重合条件を変化させることによって得られた表1に
示したような極限粘度と結晶子の大きさをもった超高分
子量ポリエチレンについて、実施例1と同様に固相押出
しついで引張延伸を行った。結果を表1に示した。
実施例4 実施例1で得られた超高分子量ポリエチレン粉末を130
℃、0.02GPaでプレスを行い、厚さ0.5mmのフイルムを作
製した。このフィルムを、135℃において互いに異なる
周速度で反対方向に回転する直径100mm、面長500mmの一
対の圧延ロール間に供給して圧延し、圧延効率6倍のフ
ィルムを得た。得られた圧延フィルムを恒温槽つき引張
試験機によって135℃、50mm/min.のクロスヘッドスピー
ドで延伸を行い、20倍の延伸が可能であった。延伸物の
弾性率を表1に示した。
比較例1 ハイモント社ハイファックス1900を用いて実施例1と同
様の方法で固相押出および引張延伸を行った。なお、こ
のパウダーの[η]は23.3dl/g、(110)方向の結晶子
の大きさは70Åであった。固相押出では変形比(延伸倍
率)5.2倍、つづく引張延伸では延伸倍率は14倍で弾性
率は110GPaと本発明に比べて低い値であった。
比較例2 三井石油化学社製ハイゼックスミリオン240Mを用いて実
施例1と同様の方法で固相押出および引張延伸を行っ
た。なお、このパウダーの[η]は16.2dl/g、(110)
方向の結晶子の大きさは140Åであった。固相押出では
変形比4.9倍、つづく引張延伸では3.4倍と著しく低く、
弾性率は16GPaであった。
比較例3 ヘキスト社製ホスタレンGUR412を用いて実施例1と同様
の方法で固相押出および引張延伸を行った。このパウダ
ーの[η]は15.3dl/g、(110)方向の結晶子の大きさ
は128Åであった。固相押出では変形比4.9倍で非常にも
ろく、その後の引張延伸はできなかった。
比較例4〜6 比較例1〜3で用いた3種類の市販品パウダーを用い、
実施例4と同様の方法で圧延および引張延伸を行った。
結果を表1に示した。ハイゼックスミリオン240Mグレー
ドおよびホスタレンGUR412グレードはプレスで成型した
フィルムがもろく、圧延することができなかった。
発明の効果 本発明の製造方法においては、特定の分子量かつ特定の
結晶子の大きさを有する超高分子量ポリエチレン粉末を
用いることにより、極めて高配向し、高強度・高弾性率
のすぐれた特長を有するポリエチレン材料を得ることが
できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の2つの条件を満たすポリエチレン粉
    末を、該ポリエチレン粉末の融点未満の温度で固相押出
    し、ついで延伸することを特徴とする高配向ポリエチレ
    ン材料の製造方法。 (i)135℃、デカリン中における極限粘度が5〜50dl/
    g。 (ii)斜方晶における(110)面の法線方向の結晶子の
    大きさが60Å以下。
  2. 【請求項2】固相押出に先立ち、融点未満の温度で圧縮
    成形を行うことを特徴とする請求項第1項記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】下記の2つの条件を満たすポリエチレン粉
    末を、該ポリエチレン粉末の融点未満の温度で圧延し、
    ついで延伸することを特徴とする高配向ポリエチレン材
    料の製造方法。 (i)135℃、デカリン中における極限粘度が5〜50dl/
    g。 (ii)斜方晶における(110)面の法線方向の結晶子の
    大きさが60Å以下。
  4. 【請求項4】圧延に先立ち、融点未満の温度で圧縮成形
    を行うことを特徴とする請求項第3項記載の製造方法。
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