JPH0764254B2 - アンチスキツド用液圧制御装置 - Google Patents

アンチスキツド用液圧制御装置

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JPH0764254B2
JPH0764254B2 JP61168488A JP16848886A JPH0764254B2 JP H0764254 B2 JPH0764254 B2 JP H0764254B2 JP 61168488 A JP61168488 A JP 61168488A JP 16848886 A JP16848886 A JP 16848886A JP H0764254 B2 JPH0764254 B2 JP H0764254B2
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克巳 前原
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株式会社ナブコ
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、車両等のブレーキ装置に用いられるアンチス
キッド用液圧制御装置に関する。
〔従来の技術〕
本出願人は先に、この種の装置として、マスタシリンダ
とホイールシリンダとの間に配設されるカット弁と、該
カット弁のホイールシリンダ側に形成される容積室と、
前記カット弁を開閉すべく移動可能に設けられ前記容積
室の容積を増減可能な制御ピストンと、該制御ピストン
の前記容積室とは反対側に形成され当該制御ピストンを
前記容積室側の圧力に抗して前記カット弁を開弁させる
方向に付勢する圧力が導入される圧力室と、該圧力室に
吐出圧力を供給可能に設けられ車輪の回転状態を判別す
るコントロールユニットからの込め指令に基づき駆動さ
れる電磁ポンプと、前記コントロールユニットからの弛
め指令に基づき遮断位置から連通位置に切り換わり前記
圧力室を前記電磁ポンプの吸引側に連通させる電磁弁と
を有するものを提供している。
こうしたものにおいては、通常マスタシリンダからホイ
ールシリンダに圧力供給可能に両者を連通させるべく、
電磁弁を遮断位置として電磁ポンプの吸引側とは遮断さ
れた圧力室内の圧力が予め所定の圧力に保たれており、
制御ピストンがその所定の圧力を受けて付勢されること
によりカット弁を開弁状態に保っている。
そして、アンチスキッド制御によりホイールシリンダ側
圧力を低下させるときには、コントロールユニットから
の弛め指令に基づいて、電磁弁を連通位置に切換えて圧
力室の圧力を電磁ポンプの吸引側に解放し、制御ピスト
ンの圧力室側への移動によりカット弁を開弁させるとと
もに容積室の容積を増大させ、低下させたホイールシリ
ンダ側圧力を上昇させるときには、コントロールユニッ
トからの弛め指令の消失及び込め指令に基づいて、電磁
弁を遮断位置として電磁ポンプの吐出圧液を圧力室に供
給し、制御ピストンを容積室側に移動させるようになっ
ている。そして、アンチスキッド制御が終了すると、上
述したようにカット弁を開弁状態に保つべく制御ピスト
ンを付勢するために、圧力室の圧力を所定の圧力に上昇
させるようになっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
こうしたことから、圧力室から電磁ポンプに至る間にお
ける圧力漏れあるいは電磁ポンプの故障等の異常が発生
し、制御ピストンを付勢する圧力室内の圧力が所定の圧
力にならず低下した場合には、カット弁が閉じてマスタ
シリンダ側とホイールシリンダ側とが遮断されてしま
い、マスタシリンダに圧力を発生させてもその圧力がホ
イールシリンダに供給されず、ブレーキが作動しないと
いう問題を生ずる。
この問題を解決するにあたっては、圧力室内の圧力が所
定の圧力よりも低下したときにマスタシリンダ側とホイ
ールシリンダ側とを直接連絡することが考えられるが、
前述した如くアンチスキッド制御によりホイールシリン
ダ側圧力を低下させる場合にも、圧力室の圧力が所定の
圧力よりも低下されるので、この場合には、マスタシリ
ンダ側とホイールシリンダ側とが直接連絡されないよう
にする必要がある。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、カッ
ト弁の開弁によりマスタシリンダ側とホイールシリンダ
側とが連通されるべきときのみ、圧力室の圧力が所定の
圧力よりも低くなることに応じてマスタシリンダ側とホ
イールシリンダ側とを直接連絡可能なアンチスキッド用
液圧制御装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記目的を達成するために、前記カット弁の
マスタシリンダ側とホイールシリンダ側とを直接連絡す
る通路を段付ピストンにより開閉可能なバイパス弁を設
け、前記段付ピストンが、互いに対向する大径端と小径
端とを有し、その大径端側に、前記カット弁のマスタシ
リンダ側圧力を直接受圧可能、かつ、前記圧力室に供給
される圧力に応じた付勢力を前記制御ピストンを介して
伝達可能とされ、その小径端側に、前記カット弁のホイ
ールシリンダ側圧力を直接受圧可能とされ、かつ、ばね
の付勢力を受けて、マスタシリンダからホイールシリン
ダへの圧力供給に応じて前記大径側端と小径端側との受
圧面積差に作用する力、または、前記制御ピストンから
前記大径端側に伝達される前記圧力室側の前記所定の圧
力に応じた付勢力のいずれかにより、前記ばねの付勢力
に抗して前記バイパス弁を閉じる位置に留まり、マスタ
シリンダからホイールシリンダへ圧力が供給されないと
き前記圧力室の圧力が前記所定の圧力よりも低下するこ
とに応じて、前記大径端側に作用する前記制御ピストン
からの付勢力が前記ばねの付勢力よりも小さくなると、
前記バイパス弁を閉じる位置から開く位置へ移動するよ
うに配設され、さらに、その段付ピストンが、前記バイ
パス弁を開く位置へ移動することに応じて、マスタシリ
ンダからホイールシリンダへ供給される圧力を前記ばね
の付勢力と同方向に受圧して前記大径側端と小径端側と
の受圧面積差に作用する力を相殺する段部を有し、該段
部に圧力を受けた後、前記大径端側に前記制御ピストン
から前記所定の圧力に応じた付勢力を伝達されるまで、
前記バイパス弁を開く位置に留まるようにしたものであ
る。
〔作 用〕
圧力室−電磁ポンプの系統が正常な場合は、次のように
なる。
ブレーキ非作動時:マスタシリンダからホイールシリン
ダに圧力が供給されておらず、段付ピストンは大径端側
及び小径端側にこれらの圧力による作用力を受けない
が、圧力室の圧力が制御ピストンをカット弁の開弁位置
に付勢する所定の圧力であるため、段付ピストンは大径
端側にその付勢力を制御ピストンから伝達され、小径端
側に作用するばねの付勢力に抗してバイパス弁を閉じる
位置に押し留められる。従って、バイパス弁は開かず、
マスタシリンダ側とホイールシリンダ側とが、カット弁
及び容積室を介した経路で連通する状態に保たれる。
アンチスキット制御していない通常のブレーキ作動時:
マスタシリンダからカット弁及び容積室を介した経路で
ホイールシリンダに圧力が供給されることにより、段付
ピストンは、その供給圧力に応じた作用力が大径端側と
小径端側との受圧面積差に作用して、上記制御ピストン
からの付勢力とともにバイパス弁を閉じる位置に付勢さ
れ続ける。従って、バイパス弁は開くことなく、マスタ
シリンダ側とホイールシリンダ側とは直接連通しない。
アンチスキット制御時:コントロールユニットから弛め
指令が発せられ、電磁弁が開いて圧力室の圧力が所定の
圧力よりも低下されると、制御ピストンが容積室側から
ホイールシリンダに供給される圧力を受けて、カット弁
を閉じ容積室の容積を増大させるように移動する。この
ため、段付ピストンは、制御ピストンから大径端側に付
勢力を伝達されなくなるが、既にマスタシリンダからホ
イールシリンダへ圧力が供給され、カット弁閉,容積室
の容積増大によりマスタシリンダ側圧力よりもホイール
シリンダ側圧力が低下していることから、マスタシリン
ダ側圧力により大径端側に作用する力が、ホイールシリ
ンダ側圧力とばねの付勢力とにより小径端側に作用する
力に打ち勝ち、段付ピストンはバイパス弁を閉じる位置
に付勢され続ける。従って、バイパス弁は閉じたままで
あり、マスタシリンダ側とホイールシリンダ側とが直接
連通することはなく、ホイールシリンダ側圧力を制御ピ
ストンの移動に応じて低下,上昇できる状態は維持され
る。
このように、圧力室−電磁ポンプの系統が正常な場合
は、バイパス弁は閉じた状態に保たれるが、次に、圧力
室−電磁ポンプ系統の圧力漏れや電磁ポンプの故障等の
異常が発生した場合についてみると、この異常の発生に
伴って、ブレーキ非作動時に圧力室の圧力が所定の圧力
よりも低下したときには、この低下に応じて以下のよう
にバイパス弁が開くことになる。
すなわち、ブレーキ非作動時には、マスタシリンダから
ホイールシリンダに圧力が供給されておらず、段付ピス
トンは、大径端側には制御ピストンから伝達される付勢
力、小径端側にはばねの付勢力だけを各々受けているた
め、上記異常に伴って圧力室の圧力が制御ピストンをカ
ット弁の開弁位置に付勢する所定の圧力よりも低下し
て、段付ピストンの大径端側に制御ピストンから伝達さ
れる付勢力が小径端側に作用するばねの付勢力よりも小
さくなると、これに応じて段付ピストンがバイパス弁を
閉じる位置から開く位置に移動する。そして、これによ
り一旦バイパス弁が開くと、マスタシリンダ側とホイー
ルシリンダ側とが直接連通されるとともに、段付ピスト
ンは、大径端側及び小径端側だけでなく、段部にもマス
タシリンダからホイールシリンダに供給される圧力を受
圧可能な状態、換言すれば、実質的に対向する受圧面積
に差がなくなった状態となり、作用力としてばねの付勢
力のみを受けることとなる。従って、この後、マスタシ
リンダからホイールシリンダに圧力が供給されたとして
も、段付ピストンはばねの付勢力によりバイパス弁を開
いた位置に押し留められ、マスタシリンダ側とホイール
シリンダ側とはカット弁を迂回して直接連通する状態に
保たれる。
他方、ブレーキ作動中、アンチスキッド制御により圧力
室の圧力を所定の圧力よりも低下させた後、前記異常の
発生に伴って、圧力室の圧力を制御ピストンをカット弁
の開弁位置に付勢する所定の圧力にまで昇圧できなくな
ったときには、一旦ブレーキ操作を解除することに応じ
て、バイパス弁は開くことになる。
つまり、ブレーキ作動中、段付ピストンは、既にマスタ
シリンダからホイールシリンダに圧力が供給され、これ
により大径端側と小径端側との受圧面積差に作用するば
ねの付勢力よりも大きな力を受けているため、制御ピス
トンからの付勢力を大径端側に伝達されなくなっても、
バイパス弁を閉じる位置に押し留められているが、一旦
ブレーキ操作を止めて一時的にマスタシリンダからホイ
ールシリンダへ供給されている圧力を弛めると、段付ピ
ストンは、その大径端側と小径端側との受圧面積差に作
用する力が小径端側から受けるばねの付勢力よりも小さ
くなり、前述した場合と同様にバイパス弁を閉じる位置
から開く位置に移動する。そして、これにより一旦バイ
パス弁が開くと、ブレーキ再操作に応じてマスタシリン
ダからホイールシリンダへ直接圧力を供給できるように
なるとともに、前述した場合と同様に、段付ピストンは
ばねの付勢力によりバイパス弁を開いた位置に押し留め
られ、マスタシリンダ側とホイールシリンダ側とはカッ
ト弁を迂回して直接連通する状態に保たれる。
〔発明の効果〕
このように、本発明によれば、アンチスキッド制御によ
るブレーキ弛め動作に悪影響を与えることなく、圧力室
−電磁ポンプ系統の圧力漏れや電磁ポンプの故障といっ
た異常発生に対応して、マスタシリンダとホイールシリ
ンダとをカット弁を迂回して直接連通させ、マスタシリ
ンダからホイールシリンダへ直接圧力を供給することに
より、通常のブレーキ作動を行なわせることができる。
しかも、アンチスキッド制御開始後の異常発生時には、
ブレーキ作動状態でマスタシリンダとホイールシリンダ
とが唐突に直接連通することがないので、ホイールシリ
ンダ側圧力が急上昇して車輪に急激に過剰なブレーキが
作用することを防止し、車輪が突然車両を不安定にする
ロック状態に陥ることを回避できる。
〔実施例〕
以下、図示した本発明の一実施例について説明する。
図において本実施例のアンチスキッド用液圧制御装置は
全体として1で示され、バキュームブースタ付マスタシ
リンダ2より液圧が供給される。すなわち、バキューム
ブースタ付マスタシリンダ2は公知のバキュームブース
タ3及びマスタシリンダ4から成り、バーキュームブー
スタ3はブレーキペダル5によって駆動され、その出力
によってマスタシリンダ4を駆動する、マスタシリンダ
4内の一方の液圧発生室は配管6を介して前輪のホイー
ルシリンダに接続されるものとする。他方の液圧発生室
は配管7を介して後述する調圧装置8の入力口16に接続
され、この装置8の第1出力口17は配管9を介して後輪
10,11のホイールシリンダ12,13に接続され、また、第2
出力口19は配管14を介して配管9に接続されている。調
圧装置8の制御口18は、逆止弁25を設けた配管24を介し
て電磁ポンプ26の吐出口27に接続されるとともに、逆止
弁25よりも制御口18側で配管24から分岐した配管20,電
磁弁21及び配管22を介してリザーバ23に接続可能になっ
ている。リザーバ23は公知のように本体44、この内孔に
シールリングを装着して摺動自在なピストン45、このピ
ストン45を付勢する比較的弱いばね46を備え、ピストン
45の両側に液室及び空気室が画成される。液室は上述の
通孔47を介して配管22と連通し、さらに逆止弁28を設け
た配管29を介して電磁ポンプ26の吸引口を兼ねる吐出口
27に接続されている。逆止弁28,25は各々リザーバ23側
から電磁ポンプ26側へ、電磁ポンプ26側から制御口18側
への流れを許容するがその逆を禁止するものである。70
は配管24の逆止弁25よりも制御口18側に設けた圧力スイ
ッチであって、後述する調圧装置8の圧力室39の圧力を
検出し、その圧力が予め設定した所定の圧力になると切
り換わり、所定の圧力以下のときに信号を出力するもの
である。
電磁弁21は、ソレノイド21bの消励磁に応じて切換わる
2位置弁であり、ソレノイド21bが消磁されているとき
にはばね21aの付勢力により制御口18側とリザーバ23側
との連通を遮断する位置Aをとり、ソレノイド21bが励
磁されると制御口18側とリザーバ23側とを連通させる位
置Bをとる。
電磁ポンプ26は、本体48の内孔53の大径部にはボビン49
に巻装したコイル50が配設固定され、ボビン49の中心孔
に摺動自在に磁性材から成る主プランジャ51が嵌合して
いる。コイル50はコントロールユニット57からの電流に
より励磁されるが、図示は非励磁時を示し、主プランジ
ャ51は本体48の底部48aと当接している。
本体48の内孔53の小径部にはシールリング54を介在させ
て段付形状の副プランジャ52が摺動自在に嵌合してお
り、ばね55により底部48a側に付勢されて主プランジャ5
1と当接している。図示の通常の状態では副プランジャ5
2の端面52aと本体48の内壁端面48bとの間に所定容積
(例えば0.1cc)の液室56が形成され、これは上述の吐
出口27と連通している。コイル50を励磁すると主プラン
ジャ51は磁気的吸引力により吐出口27側に付勢され、ば
ね55の付勢力に抗して副プランジャ52を押圧する。副プ
ランジャ52はその端面52aが本体48の内側端面48bと当接
することにより停止し、これまでの一ストロークにより
所定容積の作動液を逆止弁25、配管24を介して調圧装置
8側に送り込む。コイル50の通電が断たれるとバネ55の
付勢力で副プランジャ52及び主プランジャ51は復動し図
示の位置をとる。このときの復動スクロークにより逆止
弁28を介してリザーバ23から作動液が所定容積だけ吸い
込まれる。なお、磁性材から成る主プランジャ51及び本
体48の一部によって磁気回路が構成される。
上述した電磁弁21、電磁ポンプ26はそれぞれ、コントロ
ールユニット57の出力端子59a,59bからの出力をソレノ
イド21b、コイル50を受けて制御される。コントロール
ユニット57は、その入力端子58aに図示せずとも各車輪
に設けられた車輪速度検出器の出力端子が接続され、こ
れら検出器の出力に基いて各種の演算、判断を行ないブ
レーキ弛め信号、ブレーキ再込め信号を発生する。
また、入力端子58bに前述した圧力スイッチ70の出力端
子が接続され、圧力室39の圧力が所定の圧力以下のとき
発せられる圧力スイッチ70の出力に基いて、電磁ポンプ
26の駆動信号を発生する。ただし、ブレーキ弛め信号,
最込め信号に基きアンチスキッド制御が行われている間
は、圧力スイッチ70の出力は無効となり、上記駆動信号
は発生されない。
こうしたコントロールユニット57の出力は、ブレーキ弛
め信号発生時には、ソレノイド21bに接続される出力端
子59aにおける出力S1がハイレベル“1"、コイル50に接
続される出力端子59bにおける出力S2がローレベル“0"
となる。また、ブレーキ再込め信号発生時、あるいは駆
動信号発生時には、出力S1がローレベル“0"、出力S2
適当な時間間隔でハイレベル“1"とローレベル“0"とに
切換わるパルス出力となる。
マスタシリンダ4とホイールシリンダ12,13との間に介
在する調圧装置8は、本体15の内部に段付孔30が形成さ
れており、マスタシリンダ4に連絡される入力口16と連
通する大径孔部30a内方に段付形状のカット弁本体32が
摺動自在に嵌合している。カット弁本体32には、その大
径部外周にカット弁本体32の両端側を連通させる複数の
溝32aが形成されるとともに、後述する制御ピストン36
と対向する端部の外周に合成ゴム製の環状弁体31が装着
され、この弁体31がカット弁本体32の移動に応じて内壁
30cに形成した弁座37に着離座可能になっている。そし
てカット弁本体32が、大径孔部30aの開口部に取付けら
れ第2出力口19を設けた蓋体60の内方側端部とカット弁
本体32の大径部との間に張設した第1弁ばね40によって
弁座37に向けて付勢されている。こうしたカット弁本体
32には、さらに軸方向に延びる段付形状の貫通孔が形成
されており、弁体31を装着した端部側の貫通孔内に弁球
35が着離座可能なテーパ状の弁座32bが設けられてい
る。蓋体60と対向する端部側の貫通孔の開口には絞り孔
34を設けた蓋部材33が一体的に組付けてあり、この蓋部
材33と上述の弁球35との間に第1弁ばね40よりもばね力
を弱い第2弁ばね42を張設することによって弁球35は弁
座32bに向けて付勢されている。
内壁30cに設けた連通孔30dを介して大径孔部30aと連絡
される段付孔30の小径孔部30bには、外周に一対の密封
部材38を装着した制御ピストン36を摺動自在に嵌合して
あり、その制御ピストン36とカット弁本体32の弁体31が
着離座可能な弁座37との間に、第1出力口17を介してホ
イールシリンダ12,13に常時連通する容積室41が画成さ
れ、この容積室41と対向して制御ピストン36の反対側に
制御口18と連通する圧力室39が画成されている。制御ピ
ストン36は、容積室41側の端部が連通孔30dを貫通して
カット弁本体32に当接可能になっており、さらにその端
部に一体に形成された軸状部43がカット弁本体32内部の
弁球35に当接可能になっている。こうして容積室41側と
圧力室39側との間に生ずる圧力差に応じた制御ピストン
36の移動により、カット弁本体32の弁体31の弁座37に対
する着離座、弁球35の弁座32bに対する着離座が制御さ
れ、制御ピストンの圧力室39側への移動に応じて、弁体
31が弁座37にまた弁球35が弁座32bに着座したとき、入
口16側から第1出力口17側に向う液連通が遮断されるよ
うになっている。
本体15の大径孔部30a開口部に取付けられその内方に延
びる蓋体60には、大径孔部63bがカット弁本体32側に開
口する段付孔63が形成されており、この段付孔63に段付
ピストン64が移動可能に嵌合してある。段付孔63の小径
孔部63aに嵌合する段付ピストン64の小径部64aの外周に
はカップシール66がそのリップ部を第2出力口19側に向
けて装着してあり、大径孔部63bに嵌合する大径部64b外
周にはシールリング67が装着してある。そしてカット弁
本体32を配設した大径孔部30a内方側と蓋体60の小径孔
部63a側とを連絡可能に段付ピストン64には軸方向に延
びる貫通孔65が形成されている。蓋体60に第2出力口19
側から圧入された小径孔部63a内に突出する先端部に円
錐面62を設けたチューブシート61には、小径孔部63a内
と第2出力口19とを連絡する通孔69が形成されており、
チューブシート61の円錐面62と段付ピストン64における
小径部64a端面の貫通孔65開口周縁とにより、入力口16
−第2出力口19間の連絡路を開閉可能なバイパス弁が構
成される。段付ピストン64の小径部64a端面は、ホイー
ルシリンダ12,13側の液圧を受圧可能であるとともに、
小径孔部63a内に配設したばね68の付勢力を受けてい
る。これに対して段付ピストン64の大径部64b端面は、
入力口16を介してマスタシリンダ4側の液圧を受圧可能
であるとともに、制御ピストン36により押圧されてその
端面に当接可能なカット弁本体32を介して圧力室39の圧
力に応じた付勢力を受けることが可能になっている。こ
のようにして段付ピストン64は、大径部64b端面に受け
る力が小径部64a端面に受ける力よりも大きいときに
は、入力口16側と第2出力口19との間の連通を遮断する
べく貫通孔65の開口周縁をチューブシート61の円錐面62
に圧接させ、大径部64b端面に受ける力が小径部64aに受
ける力よりも小さくなると、カット弁本体32側に移動し
て入力口16側と第2出力口19側とを連通させるべく貫通
孔65の開口周縁を円錐面62から離間させるようになって
いる。
なお、上述の如く段付ピストン64がカット弁本体32側に
移動したとき、大径部64bのシールリング67を装着した
部分が、大径孔部63b内から大径孔部63bよりも拡径され
たテーパ部63cに抜け出るようになっている。
次に、上述した本実施例の作動について説明する。な
お、マスタシリンダ4に配管6を介して接続される図示
しない前輪のブレーキ系統についての説明は省略し、以
下、図示した後輪10,11の系統についてのみ作動を説明
する。
今、本液圧制御装置1及びバキュームブースタ付マスタ
シリンダ2を装備している車両が定速度で走行している
ものとする。すなわち、ブレーキペダル5は踏込まれて
おらず、コントロールユニット57の出力信号S1,S2はい
ずれも“0"であり、装置1は図示の状態にある。このと
き、電磁弁21が調整装置8の圧力室39をリザーバ23側と
遮断しており、圧力室39内の圧力が所定の圧力に保たれ
ている。そして、制御ピストン36が圧力室39の圧力を受
けてカット弁本体32及び弁球35を各弁ばね40,42のばね
力に抗して押圧し、弁体31,弁球35をともに弁座37,32b
から離座させ、入力口16と第1出力口17とが容積室41を
介して連通している。また、段付ピストン64はカット弁
本体32を介して制御ピストン36からの付勢力を大径部64
bに受け、ばね68のばね力に抗して貫通孔65の開口周縁
がチューブシート61の円錐面62に圧接する位置に押圧さ
れており、入力口16と第2出力口19との間は遮断されて
いる。
こうした状態で車両を停止させるべくブレーキペダル5
が強く踏込まれると、マスタシリンダ4に発生した液圧
が、配管7,調圧装置8の入力口16,容積室41,第1出力口
17及び配管9を介してホイールシリンダ12,13に供給さ
れる。
マスタシリンダ4からホイールシリンダ12,13への液圧
供給により後輪10,11にブレーキがかかり始め、マスタ
シリンダ4の液圧上昇に応じてホイールシリンダ12,13
内の液圧も上昇する。そして、コントロールユニット57
によりブレーキの込め過ぎであると判断されると、出力
端子59aの出力S1が“1"となる。これにより電磁弁21の
ソレノイド21bが励磁され、電磁弁21が調圧装置8の圧
力室39側とリザーバ23側とを遮断する位置Aから両者を
連通する位置Bに切換えられる。調圧装置8の圧力室39
に封じ込められていた圧液は配管20,22を介してリザー
バ23の液室に排出される。こうして圧力室39内の圧力が
低下すると、制御ピストン36は入力口16から供給されて
いるマスタシリンダ4の液圧により押圧されて圧力室39
側に移動する。この制御ピストン36の移動とともにカッ
ト弁本体32が第1弁ばね40のばね力により内壁30c側に
移動して弁体31が弁座37に着座し、次いでカット弁本体
32内の弁球35が第2弁ばね42のばね力により弁座32bに
着座して、入力口16と容積室41との連通が遮断される。
制御ピストン36はホイールシリンダ12,13側の液圧を受
けてさらに圧力室39側に移動し、これに応じて容積室41
の容積が増大することにより、第1出力口17を介して容
積室41と連通するホイールシリンダ12,13の液圧が低下
していく。
入力口16と第2出力口19との間に配設した段付ピストン
64は、上述のカット弁本体32の移動により制御ピストン
36を介した圧力室39側からの付勢力をその大径部64b端
面に受けなくなり、また、小径部64aの端面に配管14を
介してホイールシリンダ12,13側の液圧を受けることに
なるが、大径部64bの端面には入力口16を介してマスタ
シリンダ4側の液圧を受けており、大径部64bと小径部6
4aとの受圧面積差に液圧を乗じた作用力がばね68のばね
力よりも大きくなっている。従って、段付ピストン64は
チューブシート61の円錐面62に押圧され続けており、貫
通孔65の開口周縁と円錐面62との圧接により、入力口16
側と第2出力口19側とは遮断状態に保たれる。
前述したホイールシリンダ12,13側液圧の低下に応じて
ブレーキが弛められ、コントロールユニット57によりブ
レーキの弛め過ぎであると判断されると、出力端子59a
の出力S1が“1"から“0"に切換わり、電磁弁21のソレノ
イド21bが消磁され、電磁弁21がばね21aのばね力により
圧力室39側とリザーバ23側とを遮断する位置Aに切換え
られる。この時、圧力室39からリザーバ23の液室への液
排出が停止されることにより、制御ピストン36の移動が
止まって容積室41の容積が変化しなくなり、ホイールシ
リンダ12,13側の液圧が一定に保たれる。その後コント
ロールユニット57の出力端子59bの出力S2が適当な時間
間隔をおいて“1"と“0"とき切換わるパルス出力とな
り、この出力が電磁ポンプ26のコイル50に導かれる。
そして、電磁ポンプ26は出力S2が“1"になるとコイル50
が励磁される。磁気吸引力により主プランジャ51及び副
プランジャ52がばね55のばね力に抗して移動し、液室56
内の液を逆止弁25を介して調圧装置8の圧力室39内に送
り込む。副プランジャ52は本体48の内端壁面48bと当接
することにより停止し、この後、出力信号出力S1が“0"
となって復動するが、この往動時の1ストロークによっ
て液室56の一定容積の液が調圧装置8の圧力室39内に送
り込まれ、これにより制御ピストン36はこの液量分、容
積室41側に移動し、容積室41の容積が減少する。そして
この容積減少分ホイールシリンダ12,13側の液圧が上昇
する。
出力S2が“0"になるとコイル50が消磁されることによ
り、主プランジャ51、副プランジャ52はばね55のばね力
を受けて復動するのであるが、このとき逆止弁28を介し
てリザーバ23から液を液室56内に吸い込む。プランジャ
51,52の復動中は、調圧装置8の圧力室39への液を供給
しないので、ホイールシリンダ12,13側の液圧は一定と
なる。
出力S2が再び“1"となりコイル50が励磁されると、前述
のように主プランジャ51及び副プランジャ52の往動によ
り、液室56の一定容積の液が調圧装置8の圧力室39に送
り込まれ、その液量分制御ピストン36が移動して容積室
41の容積が減少し、ホイールシリンダ12,13側の液圧が
上昇する。
このようにして、コントロールユニット57からパルス状
の出力S2が電磁ポンプ26のコイル50に供給されている
間、電磁ポンプ26が圧力室39側への液吐出とリザーバ23
側からの液吸引とを繰返すことによって、制御ピストン
36が容積室41の容積を減少させながら移動し、これに応
じてホイールシリンダ12,13側の液圧が漸次上昇してい
く。そして、上述の制御ピストン36の移動に応じてその
端部に設けた軸状部43が弁球35を押圧して弁座32bから
離座させると、入力口16を介して大径孔部30a内に供給
されているマスタシリンダ4の液圧が、蓋部材33の絞り
孔34からカット弁本体32内を通り、容積室41,第1出力
口17を経てホイールシリンダ12,13に供給され、これに
よりホイールシリンダ12,13側の液圧がさらに上昇す
る。
こうして後輪10,11のブレーキが込められ、コントロー
ルユニット57によりブレーキの込め過ぎであると判断さ
れると、出力端子59aの出力S1が“1"となる。このとき
既に出力端子59bにおける出力S2のパルス出力はは消滅
している。出力S1が“1"になると、電磁弁21のソレノイ
ド21bが励磁され、電磁弁21が圧力室39側とリザーバ23
側とを連通させる位置Bに切換えられる。こうして再び
圧力室39内の圧液がリザーバ23の液室に排出され、圧力
室39内の圧力が低下すると、制御ピストン36はホイール
シリンダ12,13側の液圧により押圧されて圧力室39側に
移動して、容積室41の容積が増大し、ホイールシリンダ
12,13側の液圧が低下する。
以後、上述と同様にコントロールユニット57の出力S1,S
2に基いてホイールシリンダ12,13側液圧の保持,上昇,
低下という動作が繰返されることにより、アンチスキッ
ド制御が継続され、後輪10,11にロックを生ずることな
く車両は減速されて停止する。
上述のアンチスキッド制御が終了したとき、調圧装置8
の圧力室39の圧力が、弁体31,弁球35を各弁座37,32bか
ら離座させた状態に保つべく制御ピストン36を付勢する
所定の圧力よりも低下していると、圧力スイッチ70の出
力を受けてコントロールユニット57が電磁ポンプ26の駆
動信号を発生し、出力端子59bにおける出力S2はパルス
出力となる。これにより、前述したブレーキ再込め時と
同様に電磁ポンプ26が駆動され、その吐出圧液が圧力室
39に供給される。
そして、制御ピストン36は、弁体31,弁球35を各弁座37,
32bから離座させ、なおかつ、カット弁本体32を段付ピ
ストン64の大径部64b端面に当接させる図示の位置に復
帰され、圧力室39の圧力が所定の圧力に達すると、圧力
スイッチ70が切換わりその出力が消滅することにより、
コントロールユニット57の出力S2が“0"となり、電磁ポ
ンプ26の液吐出は終わる。
ブレーキペダル5の踏込みが解除されると、マスタシリ
ンダ4側の液圧の低下に応じて、ホイールシリンダ12,1
3に供給されていた液圧は、第1出力口17,容積室41,入
力口16を通じてマスタシリンダ4側に解放され、後輪1
0,11に作用していたブレーキは解除される。
以下、調圧装置8の圧力室39内の圧力を所定の圧力と
し、弁ばね40,42のばね力,容積室41側から作用する液
圧に抗して制御ピストン36を付勢して、カット弁本体32
を開弁位置に留めることができる正常な場合について説
明したが、次に、制御口18に接続される配管の破損,電
磁ポンプ26の故障等により、圧力室39の圧力が所定の圧
力にならなくなった場合について説明する。
ブレーキベダル5がまだ踏込まれていないブレーキ非作
動のときに、圧力漏れが生じて圧力室39の圧力が所定の
圧力よりも低下して、制御ピストン36を介してカット弁
本体32を開弁位置に圧力室39側から付勢する力が、弁ば
ね40,42よりも小さくなったとすると、カット弁本体32
が制御ピストン36を押圧して弁座37に向って移動する。
そして、弁体31が弁座37に着座し、さらに弁球35が第2
弁ばね42のばね力により制御ピストン36の軸状部43を押
圧して弁座32bに着座することによって、入力口16と第
1出力口17との連通が遮断される。
しかしながら、この場合には、入力口16と第2出力口19
との間に設けた段付ピストン64は、その大径部64b端面
に当接するカット弁本体32を介して制御ピストン36から
伝達されていた付勢力、つまりチューブシート61側に押
圧される力を受けなくなる。そして、段付ピストン64の
大径部64b端面および小径部64a端面は、ブレーキが非作
動であるため、マスタシリンダ4,ホイールシリンダ12,1
3の液圧を受けていないので、結局段付ピストン64は、
その小径部64a端面に作用するばね68のばね力によって
押圧され、カット弁本体32側に移動される。この移動に
応じて、小径部64a側の貫通孔65開口周縁がチューブシ
ート61の円錐面62から離れるとともに、大径部64aのシ
ールリング67を装着した部分が大径孔部63b内からテー
パ部63cに抜け出る。こうして、入力口16と第2出力口1
9とが、段付ピストン64の貫通孔65,段付ピストン64とチ
ューブシート61との間隙,小径孔部63a内及び通路69を
介して連通する。
従って、入力口16と第1出力口17との間が遮断されてい
ても、ブレーキを作動させるべくブレーキペダル5が踏
込まれると、マスタシリンダ4に発生した液圧は、入力
口16,第2出力口19,配管14を通じてホイールシリンダ1
2,13に供給され、後輪10,11にブレーキがかかる。
マスタシリンダ4からホイールシリンダ12,13は液圧が
供給されると、段付ピストン64の小径部64a端面及び大
径部64b端面は各々その液圧を受けることになるが、大
径部64bのシールリング67を装着した部分がテーパ部63c
に抜け出ることにより、小径部64aと大径部64bとを連通
する段部にも液圧が作用し、段付ピストン64は、実質的
に等しい面積の対向する受圧面の各々に等しい液圧を受
けることになる。従って、圧力室39側の圧力漏れ等の故
障を修理して、圧力室39内に所定の圧力が供給され、段
付ピストン64の大径部64b端面にカット弁本体32を介し
て制御ピストン36からの付勢力が作用するようになるま
での間、液圧発生の有無にかかわらず、段付ピストン64
はチューブシート61側に移動せず、入力口16と第2出力
口19との連通が保たれる。
ブレーキペダル5が踏込まれていないブレーキ非作動時
には、圧力室39の圧力が所定の圧力になっており、ブレ
ーキペダル5の踏込みに応じてマスタシリンダ4の液圧
が入力口16,容積室41,第1出力口17を通じてホイールシ
リンダ12,13に供給されてブレーキ作動が開始され、ア
ンチスキッド制御により前述した如く後輪10,11のブレ
ーキを弛めるべく圧力室39の圧力が低下されたとする。
そしてその後に、電磁ポンプ26の故障により圧力室39の
圧力を上昇させることができなくなり、低下させたホイ
ールシリンダ12,13側液圧を制御ピストン36の移動に応
じて上昇させることができなくなった場合には、ブレー
キペダル5を踏み直すことにより第2出力口19を介した
液圧供給が可能となる。
すなわち、既にブレーキペダル5が踏込まれて段付ピス
トン64の小径部64a端面,大径部64b端面の各々に作用し
ている液圧が、ブレーキペダル5の踏込みを一旦やめる
ことによって解放されるため、段付ピストン64は前述の
場合と同様に、小径部64a端面に作用するばね68のばね
力により押圧されて、弁体31が弁座37に着座しているカ
ット弁本体32側に向けて移動される。そしてこれに応じ
て、貫通孔65の開口周縁がチューブシート61の円錐面62
から離れ、入力口16と第2出力口19とが連通する。従っ
て、ブレーキペダル5の最踏込みによって発生したマス
タシリンダ4の液圧が直接ホイールシリンダ12,13に供
給され、ホイールシリンダ12,13側の液力が上昇し後輪1
0,11に作用するブレーキ力が増大する。
圧力漏れや電磁ポンプ26の故障が修理され、圧力室39内
に所定の圧力が供給されると、制御ピストン36がその圧
力を受けてカット弁本体32及び段付ピストン64を押圧す
ることによって、カット弁本体32が弁座37から離座して
入力口16と第1出力口17とが連通する。そして、段付ピ
ストン64の大径部64bのシールリング67を装着した部分
が大径孔部63b内に嵌まり、小径部64a側の貫通孔65開口
周縁が円錐面62に圧接して、入力口16と第2出力口19と
の間が遮断され、図示の状態に戻る。なお、段付ピスト
ン64の小径部64a外周と段付孔63の大径孔部63b内周との
間の空間に侵入した液は、上述の如く段付ピストン64が
制御ピストン36からの付勢力を受けてチューブシート61
側に移動するとき、小径部64aに装着したカップシール6
6のリップ部を変形させて小径部64a外周と小径孔部63a
との隙間を通じて第2出力口19側に排出される。
以上説明したように、本実施例においては、大径部64b
端面にマスタシリンダ4の液圧を受け、且つ、圧力室39
の圧力に応じた付勢力を制御ピストン36,カット弁本体3
2を介して受けることが可能であり、小径部64a端面に第
2出力口19を介してホイールシリンダ12,13側の液圧を
受け且つばね68のばね力を受けるピストン64を、段付孔
63に移動可能に配設し、入力口16と第2出力口19とを連
絡する通路に、段付ピストン64の移動により開閉される
バイパス弁を、段付ピストン64の貫通孔65開口周縁とチ
ューブシート61の円錐面62とにより構成して設けること
によって、マスタシリンダ4からホイールシリンダ12,1
3に液圧が供給されていないブレーキ非作動時に、圧力
室39の圧力がカット弁本体32を開弁位置に付勢する所定
の圧力よりも低くなると、段付ピストン64の小径部64a
端面に作用するばね68のばね力が、大径部64b端面にカ
ット弁本体32,制御ピストン36を介して作用する付勢力
に打勝って、段付ピストン64が移動して貫通孔65開口周
縁が円錐面62から離れ、入力口16と第2出力口19とが連
通する。
従って、圧力漏れや電磁ポンプ26の故障により圧力室39
の圧力が所定の圧力よりも低下して、弁体31,弁球35の
各弁座37,32bへの着座により入力口16,容積室41,第1出
力口17を介したマスタシリンダ4からホイールシリンダ
12,13へ液供給が不可能になっても、入力口16から第2
出力口19を通じてホイールシリンダ12,13に液供給可能
となるので、マスタシリンダ4に発生する液圧に応じた
通常のブレーキ作動を行わせることができる。
そして、アンチスキッド制御によりホイールシリンダ1
2,13側液圧を制御ピストン36の移動により低下させるべ
く圧力室39の圧力が所定の圧力よりも低下された場合に
は、大径部64端面に作用するマスタシリンダ4側の液圧
に応じた押圧力が、小径部64a端面に作用するホイール
シリンダ12,13側液圧に応じた作用力及びばね68のばね
力に打ち勝って、段付ピストン64の貫通孔65開口周縁を
円錐面62に圧接させるので、マスタシリンダ4側とホイ
ールシリンダ12,13側とが直接連絡されてしまうことが
ない。
また、第2出力口19を介してマスタシリンダ4側とホイ
ールシリンダ12,13側とを連絡する通路を開閉するため
のバイパス弁の弁体として、段付ピストン64を兼用して
いるので、段付ピストン64の圧力室39側への移動に応じ
て即座にマスタシリンダ4側とホイールシリンダ12,13
側とを直接連通させることができ、また、調圧装置8の
部品点数を少なくして上述した作用をなすことができ
る。
以上、図示した実施例について説明したが、本発明はこ
れに限定されることはなく、例えば、段付ピストン64と
カット弁本体32とを同軸上に配置して、圧力室39の圧力
に応じた付勢力を制御ピストン36およびカット弁本体32
を介して段付ピストン64の大径部64b端面に伝達させる
ことに代えて、段付ピストンをカット弁に対して並設
し、段付ピストンと制御ピストンとの間に伝達部材を介
在させることにより、あるいは制御ピストンのみを介し
て、段付ピストンの大径部端面に圧力室の圧力に応じた
付勢力が伝達されるようにしてもよい。また、段付ピス
トン64の小径部63端面側とホイールシリンダ12,13側と
を、第2出力口19,配管14を介して連絡することに代え
て、第1出力口17と連通する通路を調圧装置8の本体15
に穿設しその通路を介して連絡するようにしてもよい。
また、マスタシリンダ4側とホイールシリンダ12,13側
とをカット弁を迂回して直接連絡させる通路に、段付ピ
ストンとは別体に設けられた弁体を有する弁機構を配設
してもよい。
【図面の簡単な説明】
図は、本発明の一実施例の断面図をブレーキ装置の配管
系とともに示したものである。 1……アンチスキッド用液圧制御装置 16……入力口、17……第1出力口 19……第2出力口、21……電磁弁 26……電磁ポンプ、32……カット弁本体 36……制御ピストン、39……圧力室 41……容積室、62……円錐面 64……段付ピストン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスタシリンダとホイールシリンダとの間
    に配設されるカット弁と、該カット弁のホイールシリン
    ダ側に形成される容積室と、前記カット弁を開閉すべく
    移動可能に設けられ前記容積室の容積を増減可能な制御
    ピストンと、該制御ピストンの前記容積室とは反対側に
    形成され当該制御ピストンを前記容積室側の圧力に抗し
    て前記カット弁を開弁させる方向に付勢する圧力が導入
    される圧力室と、該圧力室に吐出圧力を供給可能に設け
    られ車輪の回転状態を判別するコントロールユニットか
    らの込め指令に基づき駆動される電磁ポンプと、前記コ
    ントロールユニットからの弛め指令に基づき遮断位置か
    ら連通位置に切り換わり前記圧力室を前記電磁ポンプの
    吸引側に連通させる電磁弁とを有し、非作動時、前記電
    磁弁を遮断位置として、前記圧力室に前記電磁ポンプか
    ら供給された所定の圧力により、前記制御ピストンを前
    記カット弁の開弁位置に付勢するようにしたアンチスキ
    ッド用液圧制御装置において、前記カット弁のマスタシ
    リンダ側とホイールシリンダ側とを直接連絡する通路を
    段付ピストンにより開閉可能なバイパス弁を設け、前記
    段付ピストンが、互いに対向する大径端と小径端とを有
    し、その大径端側に、前記カット弁のマスタシリンダ側
    圧力を直接受圧可能、かつ、前記圧力室に供給される圧
    力に応じた付勢力を前記制御ピストンを介して伝達可能
    とされ、その小径端側に、前記カット弁のホイールシリ
    ンダ側圧力を直接受圧可能とされ、かつ、ばねの付勢力
    を受けて、マスタシリンダからホイールシリンダへの圧
    力供給に応じて前記大径側端と小径端側との受圧面積差
    に作用する力、または、前記制御ピストンから前記大径
    端側に伝達される前記圧力室側の前記所定の圧力に応じ
    た付勢力のいずれかにより、前記ばねの付勢力に抗して
    前記バイパス弁を閉じる位置に留まり、マスタシリンダ
    からホイールシリンダへ圧力が供給されないとき前記圧
    力室の圧力が前記所定の圧力よりも低下することに応じ
    て、前記大径端側に作用する前記制御ピストンからの付
    勢力が前記ばねの付勢力よりも小さくなると、前記バイ
    パス弁を閉じる位置から開く位置へ移動するように配設
    され、さらに、その段付ピストンが、前記バイパス弁を
    開く位置へ移動することに応じて、マスタシリンダから
    ホイールシリンダへ供給される圧力を前記ばねの付勢力
    と同方向に受圧して前記大径側端と小径端側との受圧面
    積差に作用する力を相殺する段部を有し、該段部に圧力
    を受けた後、前記大径端側に前記制御ピストンから前記
    所定の圧力に応じた付勢力を伝達されるまで、前記バイ
    パス弁を開く位置に留まるようになっているアンチスキ
    ッド用液圧制御装置。
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