JPH0765981B2 - 溶融金属中の金属元素濃度の測定装置 - Google Patents
溶融金属中の金属元素濃度の測定装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,溶鉄等の溶融金属中に溶けて含有される金属
元素の濃度を電気化学的に測定する装置に関する. 〔従来の技術〕 溶融金属中の金属元素,例えば,Cr,Mn,Si,Al等の量を電
気化学的に測定するものとして,特開昭61-260155号公
報に記載の装置が公知である. この公知の装置は,溶融金属に浸漬される殻体を少なく
とも部分的に安定化された二酸化ジルコニウム(ZrO2)
からなる固体電解質層により構成し,この固体電解質層
の内面に酸素ポテンシャルを測定温度で一定にするため
のMo粉末とMoO2粉末の混合体や,Cr粉末とCr2O3粉末との
混合体から構成された基準極を設け,前記基準極と溶融
金属との間の電位差を計測するための電位差測定手段を
設け,更に,前記固体電解質層の外面に測定目的元素の
固体酸化物からなる副電極を設けたものである.例え
ば,溶融金属中の測定目的となる元素がCr,Mn,Si,Alの
場合,前記副電極を構成する固体酸化物は,それぞれCr
2O3,MnO,SiO2,Al2O3により構成される. この公知の装置により溶融金属中の測定目的元素の濃度
を測定するに際しては,該装置を溶融金属に浸漬する
と,溶融金属中の測定目的元素の活量が副電極により酸
素ポテンシャルに変換される.前記固体電解質層並びに
基準極及び電位差測定手段により酸素濃淡電池が構成さ
れているので,前記副電極により変換された酸素ポテン
シャルは,固体電解質層によって検出される電位差とし
て表れる.そして,この電位差が溶融金属中の測定目的
元素の濃度に対応しており,これにより測定目的の金属
元素の濃度を測定することができる. 〔発明が解決しようとする課題〕 前記公知の装置は,溶融金属中の金属元素濃度を電気化
学的に測定することができるものとして優れている. ところが,本発明者らが同様の装置を試作し実験したと
ころによると,上記公知の装置では,必ずしも測定目的
の金属元素の濃度を常に正確に測定し得ないことが判明
した. そこで,本発明者らは,実験と研究を重ねたところ,溶
融金属中に同じ量(重量%)の測定目的元素が含まれて
いる場合でも,該溶融金属中に含まれた他の元素の量が
異なるときは,それぞれ前記公知の装置を用いて測定目
的元素を測定すると,上記酸素濃淡電池の原理から発生
される起電力の値に相違があることを知見した.また,
該溶融金属の温度が異なるときは,同様に起電力の値に
相違があることを知見した. 更に研究と分析を重ねた結果,本発明者らは,前述のよ
うな起電力の値に相違を生じる原因を次の通り究明する
ことができた.即ち,溶融金属中の測定目的元素の活量
は,全ての条件下で常に一定ではなく,他の元素(以下
測定干渉成分という)や温度の影響を受ける. 例えば,第4図ないし第7図に示すように,測定目的元
素がCr,Mn,Si,Al等の場合,それぞれの干渉成分の含有
量が異なると,前記起電力の値は異なる.尚,各図にお
いて,縦軸は上記電位差測定手段により表される起電
力,横軸は溶融金属中に含まれる測定目的元素の量(重
量%)を示している. 第4図示のように,溶融金属中の測定目的元素がCrの場
合,測定干渉成分は溶融金属中酸素(以下「O」とい
う)であり,Crの含有量が同じであってもOの含有量が
少ない「低O」の場合と,Oの含有量が多い「高O」の場
合とでは,起電力に差を生じる. 第5図示のように,溶融金属中の測定目的元素がMnの場
合,同様に,測定干渉成分はOであり,Mnの含有量が同
じであってもOの含有量が少ない「低O」の場合と,Oの
含有量が多い「高O」の場合とでは,起電力に差を生じ
る. 第6図示のように,溶融金属中の測定目的元素がSiの場
合,測定干渉成分はMnであり,Siの含有量が同じであっ
ても,Mnの含有量が少ない「低Mn」の場合と,Mnの含有量
が多い「高Mn」の場合とでは,起電力に差を生じる. 第7図示のように,溶融金属中の測定目的元素がAlの場
合,測定干渉成分はSiであり,Alの含有量が同じであっ
ても,Siの含有量が多い「高Si」の場合と,Siの含有量が
少ない「低Si」の場合とでは,起電力に差を生じる. 〔課題を解決するための手段〕 本発明は,上記の課題を解決した溶融金属中の金属元素
濃度測定装置を提供する. 本発明の装置によれば,溶融金属に浸漬される殻体の壁
部により少なくとも部分的に安定化された二酸化ジルコ
ニウムからなる固体電解質層を構成し;前記殻体の固体
電解質層の内面に設けられ所定の酸素ポテンシャルを与
える第一及び第二の基準極を相互に間隔をおいて絶縁配
置し;前記第一の基準極と溶融金属との間の電位差を計
測するための第一の電位差測定手段と,前記第二の基準
極と溶融金属との間の電位差を計測するための第二の電
位差測定手段とを備え;前記第一の基準極に対応する位
置における殻体の固体電解質層の外面にCr又はMn等の測
定目的元素の固体酸化物からなる副電極を設けている. 前記副電極を構成する固体酸化物としては,Cr2O3及び
/又はCr2O3を含む複合酸化物を採用することができ,
これにより第一の電位差測定手段が溶融金属中のCrの濃
度検知手段を構成し,第二の電位差測定手段が溶融金属
中の測定干渉成分となるOの濃度検知手段を構成し,第
一の電位差測定手段により表される起電力を,第二の電
位差測定手段により表される起電力により補正修正する
ことにより,溶融金属中のCr濃度を正確に検知すること
ができる. 或いは副電極を構成する固体酸化物をMnO及び/又はMnO
を含む複合酸化物とし,これにより第一の電位差測定手
段が溶融金属中のMnの濃度検知手段を構成し,第二の電
位差測定手段が溶融金属中の測定干渉成分となるOの濃
度検知手段を構成し,第一の電位差測定手段により表さ
れる起電力を,第二の電位差測定手段により表される起
電力により補正修正することにより,溶融金属中のMn濃
度を正確に検知することができる. また,本発明の装置によれば,溶融金属に浸漬される殻
体の壁部により少なくとも部分的に安定化された二酸化
ジルコニウムからなる固体電解質層を構成し;前記殻体
の固体電解質層の内面に設けられ所定の酸素ポテンシャ
ルを与える第一及び第二の基準極を相互に間隔をおいて
絶縁配置し;前記第一の基準極と溶融金属との間の電位
差を計測するための第一の電位差測定手段と,前記第二
の基準極と溶融金属との間の電位差を計測するための第
二の基準差測定手段とを備え;前記第一の基準極に対応
する位置における殻体の固体電解質層の外面にSi又はAl
等の測定目的元素の固体酸化物からなる第一の副電極を
設けると共に,前記第二の基準極に対応する位置におけ
る殻体の固体電解質層の外面にMn又はSi等の測定干渉成
分の固体酸化物からなる第二の副電極を設けている. 前記第一の副電極を構成する固体酸化物は,SiO2及び/
又はSiO2を含む複合酸化物を採用することができ,第二
の副電極を構成する固体酸化物はMnO及び/又はMnOを含
む複合酸化物とすることができる.これにより,第一の
電位差測定手段が溶融金属中のSiの濃度検知手段を構成
すると共に,第二の電位差測定手段が溶融金属中の測定
干渉成分となるMnの濃度検知手段を構成し,第一の電位
差測定手段により表される起電力を,第二の電位差測定
手段により表される起電力により補正修正することによ
り,溶融金属中のSi濃度を正確に検知することができ
る. 或いは,前記第一の副電極を構成する固体酸化物をAl2O
3及び/又はAl2O3を含む複合酸化物とし,第二の副電極
を構成する固体酸化物をSiO2及び/又はSiO2を含む複合
酸化物から採用することができる.これにより,第一の
電位差測定手段が溶融金属中のAlの濃度検知手段を構成
すると共に,第二の電位差測定手段が溶融金属中の測定
干渉成分となるSiの濃度検知手段を構成し,第一の電位
差測定手段により表される起電力を,第二の電位差測定
手段により表される起電力により補正修正することによ
り,溶融金属中のAl濃度を正確に検知することができ
る. 更に,本発明の装置によれば,溶融金属に浸漬される殻
体の壁部により少なくとも部分的に安定化された二酸化
ジルコニウムからなる固体電解質層を構成し;前記殻体
の固体電解質層の内面に設けられ所定の酸素ポテンシャ
ルを与える第一及び第二の基準極を相互に間隔をおいて
絶縁配置し;前記第一の基準極と溶融金属との間の電位
差を計測するための第一の電位差測定手段と,前記第二
の基準極と溶融金属との間の電位差を計測するための第
二の電位差測定手段とを備え;前記第一の基準極に対応
する位置における殻体の固体電解質層の外面に第一の測
定目的元素の固体酸化物からなる第一の副電極を設ける
と共に,前記第二の基準極に対応する位置における殻体
の固体電解質層の外面に第二の測定目的元素の固体酸化
物からなる第二の副電極を設けている.これにより,第
一の電位差測定手段と,第二の電位差測定手段とによ
り,溶融金属中の異なる二種類の金属元素の濃度を同時
に測定することができる. 尚,本発明の装置には,上述の構成と併せて溶融金属の
温度を測定するための測温手段を設けることが好まし
い. 〔実施例〕 以下図面に基づいて本発明の実施例を詳述する. (第1実施態様) 第1図において,溶融金属Mに浸漬される殻体1は一端
閉管型のチューブ状に形成され,底壁及び周壁を固体電
解質層1aにより構成されている.この固体電解質層1a
は,酸素ポテンシャルを測定するための少なくとも部分
的に安定化した二酸化ジルコニウム(ZrO2)であり,安
定剤として,例えばMgO又はCaO等が用いられ,最も好ま
しくは,MgOを7〜9mol%含有させた二酸化ジルコニウム
によりチューブを構成するのが良い.尚,図例では,固
体電解質層1aによりチューブ全体を構成しているが,チ
ューブのうち後述する基準極及び副電極を設ける壁部分
のみを固体電解質層1aにより構成しても良い. 前記固体電解質層1aからなる殻体1の底部内面には第一
の基準極2が設けられ,該第一の基準極2の上方におけ
る殻体1の中間部内面には第二の基準極3が設けられて
いる.これらの第一及び第二の基準極2,3は,酸素ポテ
ンシャルを測定温度で一定にするためのMo-MoO2の混合
粉末や,Cr-Cr2O3の混合粉末や,Fe-FeOの混合粉末からな
り,これらの粉末を,前記チューブに充填することによ
り形成されている.前記金属粉末は適宜選択可能であ
り,第一及び第二の基準極2,3は,相互に同材でも良
く,或いは相互に異なる材質のものでも良い. 前記第一及び第二の基準極2,3は,相互に電気的に絶縁
されるに充分な間隔をおいて配置され,両基準極2,3の
間に石英ウール等の耐火性のある絶縁材4を充填してい
る.図例の場合,第二の基準極3の上方にも石英ウール
等の耐火性のある絶縁材5が充填されている. 前記第一の基準極2と溶融金属Mとの間には,両者間の
電位差を計測するための第一の電位差測定手段E1が設け
られている.溶融金属側の電極6はMoやFe等からなる棒
状の電極を構成し,前記第一の電位差測定手段E1に電気
的に連結されている.第一の電位差測定手段E1と第一の
基準極2との間はMoやPt等からなるリード線7により電
気的に連結され,該リード線7は殻体1内部に挿着され
た石英管等の耐火性のある絶縁管8を挿通されている.
従って,このリード線7は絶縁管8により第二の基準極
3から絶縁され,この状態で第一の基準極2内に延び
る.尚,リード線7の先端は,図示のように第一の基準
極2内部で止まっても良いが,固体電解質層1aに接して
も良い. 前記第二の基準極3と溶融金属Mとの間には,両者間の
電位差を計測するための第二の電位差測定手段E2が設け
られている.溶融金属側の電極は上述した電極6がその
まま用いられ,該電極6を第二の電位差測定手段E2に電
気的に連結している.第二の電位差測定手段E2と第二の
基準極3との間はMoやPt等からなるリード線9により電
気的に連結され,該リード線9は上方の絶縁材5を貫通
して第二の基準極3内に延びる.該リード線9の先端
は,図例のように螺旋状に屈曲され,該螺旋部を固体電
解質層1aの内面に沿って接することにより接支部9aを構
成するのが好ましい. 尚,殻体1の上部開放端には,耐火セメント等の閉塞材
10を装填固定し,これにより絶縁管7及びリード管9を
抜止状に固定している.また,連結管7の上部開放端に
も,耐火性の装填材11が装填され,リード線7と絶縁管
7の相互を固定している. 前記第一の基準極2に対応する位置における殻体1の固
体電解質層1aの外面には,測定目的元素の固体酸化物か
らなる副電極12が設けられている.この副電極12は,図
例のように固体酸化物を斑点状に固着せしめることが好
ましい. 更に,第1図において,13は測温素子であり,該測温素
子13により検出された溶融金属の温度を温度測定手段E3
により検知する. 以上の構成から成る装置は,第1図では,殻体1,溶融金
属側電極6,測温素子13を,それぞれ独立した状態で示し
ているが,これらを一本のプローブの先端部に組込み,
該プローブを溶融金属中に浸漬することにより所定の測
定を行う. この第1実施態様に基づく本発明装置の実施例1及び実
施例2を下記に示す. 実施例1(Cr濃度測定用装置) 副電極12を構成する固体酸化物は,Cr2O3及び/又はCr2
O3を含む複合酸化物からなる.前記物質としては,Cr2O
3の単体,Cr2O3−SiO2−CaOの混合体,Cr2O3+(Cr2O3
−SiO2)の混合体,又は,Cr2O3+(Cr2O3−CaO)の混
合体が好ましい.これにより第一の電位差測定手段E1が
溶融金属中のCrの濃度検知手段を構成すると共に,第二
の電位差測定手段E2が溶融金属中の測定干渉成分となる
Oの濃度検知手段を構成する.従って,装置を溶融金属
に浸漬したとき,温度測定手段E3による溶融金属Mの温
度の検知と,第二の電位差測定手段E2による溶融金属中
のCr測定干渉成分となるOの濃度の検知と,第一の電位
差測定手段E1による溶融金属中のCrの濃度の検知とを行
う.このため,本来,前記温度測定手段E3により測定さ
れた特定の温度の下で,溶融金属中の実際のCrの濃度
と,第一の電位差測定手段E1の起電力とは,測定干渉成
分となるOの濃度に原因して,第4図示のような,「低
O」の場合と「高O」の場合の不一致を生じることにな
るが,前記第二の電位差測定手段E2によりOの濃度を測
定することにより,当該溶融金属が,「低O」か,「高
O」か,又はその中間のどの程度のO濃度のものである
かを検知できるので,その検知されたO濃度のデータに
基づき第一の電位差測定手段E1の起電力が示すCr濃度の
数値を探知することができる.例えば,第二の電位差測
定手段E2により当該溶融金属が第4図の「低O」である
と検知されれば,第一の電位差測定手段E1の起電力Yは
CrがX%であることを示すことになり,このX%がCr濃
度の実際の値となる. 実施例2(Mn濃度測定用装置) 副電極12を構成する固体酸化物は,MnO及び/又はMnOを
含む複合酸化物からなる.前記物質としては,MnOの単
体,又は,MnO+(MnO−Al2O3)の混合体が好ましい.こ
れにより第一の電位差測定手段E1が溶融金属中のMnの濃
度検知手段を構成すると共に,第二の電位差測定手段E2
が溶融金属中の測定干渉成分となるOの濃度検知手段を
構成する.従って,前記実施例1の場合と同様に,温度
測定手段E3により溶融金属Mの温度を検知する他,第二
の電位差測定手段E2により測定干渉成分Oの濃度を検知
しつつ,第一の電位差測定手段E1により測定目的元素で
あるMnの濃度を正確に検知することができる.例えば,
前記温度測定手段E3により測定された特定の温度の下
で,第一の電位差測定手段E1の起電力の値だけでは,第
5図示のように干渉成分Oの濃度を検知しなければMn濃
度を特定し得ない場合,仮に第二の電位差測定手段E2に
より当該溶融金属が「高O」であると検知されれば,第
一の電位差測定手段E1が示す起電力YはMnがX%である
ことを表示することになり,このX%がMn濃度の実際の
値となる. (第2実施態様) 第2図は本発明の第2実施態様を示しており,基本的に
は上述した第1実施態様と同様であるから,相違する点
だけを説明する. 即ち,上述の第1実施態様と同様に,第一の基準極2に
対応する位置における殻体1の固体電解質層1aの外面に
測定目的元素の固体酸化物からなる副電極を設けるが,
これを第一の副電極12aとする.これに加えて,第二の
基準極3に対応する位置における殻体1の固体電解質層
1aの外面に測定干渉成分の固体酸化物からなる第二の副
電極12bを設ける.第二の副電極12bも固体電解質層1aに
斑点状に固着するのが好ましい. この第2実施態様に基づく本発明装置の実施例3及び実
施例4を下記に示す. 実施例3(Si濃度測定用装置) 第一の副電極12aを構成する固体酸化物は,SiO2及び/
又はSiO2を含む複合酸化物からなる.前記物質として
は,SiO2の単体,ZrO2−ZrSiO4の混合体,又は,SiO2−
ZrSiO4の混合体が好ましい.一方,第二の副電極12bを
構成する固体酸化物は,MnO及び/又はMnOを含む複合酸
化物からなる.前記物質としては,MnOの単体,又は,MnO
+(MnO−Al2O3)の混合体が好ましい.これにより,第
一の電位差測定手段E1が溶融金属中のSiの濃度検知手段
を構成すると共に,第二の電位差測定手段E2が溶融金属
中の測定干渉成分となるMnの濃度検知手段を構成する.
従って,温度測定手段E3により溶融金属Mの温度の検知
する他,第二の電位差測定手段E2により測定干渉成分Mn
の濃度を検出しつつ,第一の電位差測定手段E1により測
定目的元素であるSiの濃度を正確に検知することができ
る.例えば,前記温度測定手段E3により測定された特定
温度の下において,第一の電位差測定手段E1の起電力の
値だけでは,第6図示のように干渉成分Mnの濃度を検知
しなければSi濃度を特定し得ない場合,仮に第二の電位
差測定手段E2により当該溶融金属が「低Mn」であると検
知されれば,第一の電位差測定手段E1が示す超電力Yは
SiがX%であることを表示することになり,このX%が
Si濃度の実際の値となる. 実施例4(Al濃度測定用装置) 第一の副電極12aを構成する固体酸化物は,Al2O3及び/
又はAl2O3を含む複合酸化物からなる.前記物質として
は,Al2O3の単体,Al2O3−TiAl2O5の混合体,又は,Al2
O3+(Al2O3−CaO)の混合体が好ましい.一方,第二の
副電極12bを構成する固体酸化物は,SiO2及び/又はSiO
2を含む複合酸化物からなる.前記物質としては,SiO2
の単体,ZrO2−ZrSiO4の混合体,又は,SiO2−ZrSiO4の
混合体が好ましい.これにより,第一の電位差測定手段
E1が溶融金属中のAlの濃度検知手段を構成すると共に,
第二の電位差測定手段E2が溶融金属中の測定干渉成分と
なるSiの濃度検知手段を構成する.従って,温度測定手
段E3により検知された溶融金属Mの特定温度の下におい
て,第二の電位差測定手段E2により測定干渉成分Siの濃
度を検知しつつ,第一の電位差測定手段E1により測定目
的元素であるAlの濃度を正確に検知することができる.
例えば,第一の電位差測定手段E1の起電力の値だけで
は,本来,第7図示のように干渉成分Siの濃度を検知し
なければAl濃度を特定し得ない場合,仮に第二の電位差
測定手段E2により当該溶融金属が「低Si」であると検知
されれば,第一の電位差測定手段E1が示す起電力YはAl
がX%であることを表示することになり,このX%がAl
濃度の実際の値となる. (干渉成分等の検知による補正手段) 上述した第1実施態様及び第2実施態様の本発明装置
は,第3図に示すような補正手段14に連結されるのが好
ましい.即ち,第一の電位差測定手段E1の起電力に基づ
く信号,第二の電位差測定手段E2の起電力に基づく信
号,温度測定手段E3により検知された温度を表す信号
は,それぞれ補正手段14に入力される.補正手段14は演
算機能を有するコンピュータを構成し,第4図ないし第
7図に示したような,測定干渉成分の含有量と,第一の
電位差測定手段E1の起電力と,測定目的元素の含有量と
の相互の関係をデータとして記憶している.従って,本
発明装置を溶融金属に浸漬することにより前記各信号を
補正手段14に入力せしめると,該補正手段14が第二の電
位差測定手段E2の起電力の値に基づいて,第一の電位差
測定手段E1の起電力の値と測定目的元素の含有量との関
係を演算しつつ補正し,結局,第4図ないし第7図に示
したような実際の含有量X%であることを検知し,ディ
スプレイ又はプリンタ等の表示手段15に表示する. (その他の実施態様) 第2図に示した第2実施態様と同様の構成において,上
述の第1ないし第4実施例に示したもの以外に広く,第
一の副電極12aを第一の測定目的元素の固体酸化物から
構成し,第二の副電極12bを第二の測定目的元素の固体
酸化物から構成し,これにより二種類の測定目的元素を
同時に測定可能とする.即ち,第一の電位差測定手段E1
により前記第一の測定目的元素の量を測定すると同時
に,第二の電位差測定手段E2により前記第二の測定目的
元素の量を測定することが可能になる. 尚,上述した第1実施態様においては,1つの副電極12と
一つの酸素濃淡電池との組合せによる装置を示し,第2
実施態様においては,第一の副電極12aと第二の副電極1
2bとの組合せによる装置を示したが,これらの組合せ形
態を変更し,或いは,このような第1実施態様と第2実
施態様の構成を併せて一つの殻体1に構成しても良い.
即ち,上記第1実施例及び第2実施例に示した副電極
を有しない酸素濃淡電池によるO含有量測定手段と,
第1実施例に示したCr2O3及び/又はCr2O3を含む複合酸
化物からなる副電極によるCr含有量測定手段と,第2
実施例に示したMno及び/又はMnOを含む複合酸化物から
なる副電極によるMn含有量測定手段と,第3実施例に
示したSiO2及び/又はSiO2を含む複合酸化物からなる副
電極によるSi含有量測定手段と,第4実施例に示した
Al2O3及び/又はAl2O3を含む複合酸化物からなる副電極
によるAl含有量測定手段等のうち,二種又は三種以上を
一つの殻体1に構成し,これにより二種類以上の元素を
同時に測定可能とすることができる. 〔発明の効果〕 特許請求の範囲第1項ないし第3項に記載の本発明によ
れば,Oが測定干渉成分となるCrやMn等の含有量を正確に
測定することができる. 特許請求の範囲第4項ないし第6項に記載の本発明によ
れば,Mn又はSiが測定干渉成分となるSi又はAlの含有量
を正確に測定することができる. 特許請求の範囲第7項に記載の本発明によれば,異なる
金属元素を同時に二種類以上測定することができる. 特許請求の範囲第8項に記載の本発明によれば溶融金属
温度の変化により誤差を生じることがなく測定目的元素
を正確に測定することができる.
元素の濃度を電気化学的に測定する装置に関する. 〔従来の技術〕 溶融金属中の金属元素,例えば,Cr,Mn,Si,Al等の量を電
気化学的に測定するものとして,特開昭61-260155号公
報に記載の装置が公知である. この公知の装置は,溶融金属に浸漬される殻体を少なく
とも部分的に安定化された二酸化ジルコニウム(ZrO2)
からなる固体電解質層により構成し,この固体電解質層
の内面に酸素ポテンシャルを測定温度で一定にするため
のMo粉末とMoO2粉末の混合体や,Cr粉末とCr2O3粉末との
混合体から構成された基準極を設け,前記基準極と溶融
金属との間の電位差を計測するための電位差測定手段を
設け,更に,前記固体電解質層の外面に測定目的元素の
固体酸化物からなる副電極を設けたものである.例え
ば,溶融金属中の測定目的となる元素がCr,Mn,Si,Alの
場合,前記副電極を構成する固体酸化物は,それぞれCr
2O3,MnO,SiO2,Al2O3により構成される. この公知の装置により溶融金属中の測定目的元素の濃度
を測定するに際しては,該装置を溶融金属に浸漬する
と,溶融金属中の測定目的元素の活量が副電極により酸
素ポテンシャルに変換される.前記固体電解質層並びに
基準極及び電位差測定手段により酸素濃淡電池が構成さ
れているので,前記副電極により変換された酸素ポテン
シャルは,固体電解質層によって検出される電位差とし
て表れる.そして,この電位差が溶融金属中の測定目的
元素の濃度に対応しており,これにより測定目的の金属
元素の濃度を測定することができる. 〔発明が解決しようとする課題〕 前記公知の装置は,溶融金属中の金属元素濃度を電気化
学的に測定することができるものとして優れている. ところが,本発明者らが同様の装置を試作し実験したと
ころによると,上記公知の装置では,必ずしも測定目的
の金属元素の濃度を常に正確に測定し得ないことが判明
した. そこで,本発明者らは,実験と研究を重ねたところ,溶
融金属中に同じ量(重量%)の測定目的元素が含まれて
いる場合でも,該溶融金属中に含まれた他の元素の量が
異なるときは,それぞれ前記公知の装置を用いて測定目
的元素を測定すると,上記酸素濃淡電池の原理から発生
される起電力の値に相違があることを知見した.また,
該溶融金属の温度が異なるときは,同様に起電力の値に
相違があることを知見した. 更に研究と分析を重ねた結果,本発明者らは,前述のよ
うな起電力の値に相違を生じる原因を次の通り究明する
ことができた.即ち,溶融金属中の測定目的元素の活量
は,全ての条件下で常に一定ではなく,他の元素(以下
測定干渉成分という)や温度の影響を受ける. 例えば,第4図ないし第7図に示すように,測定目的元
素がCr,Mn,Si,Al等の場合,それぞれの干渉成分の含有
量が異なると,前記起電力の値は異なる.尚,各図にお
いて,縦軸は上記電位差測定手段により表される起電
力,横軸は溶融金属中に含まれる測定目的元素の量(重
量%)を示している. 第4図示のように,溶融金属中の測定目的元素がCrの場
合,測定干渉成分は溶融金属中酸素(以下「O」とい
う)であり,Crの含有量が同じであってもOの含有量が
少ない「低O」の場合と,Oの含有量が多い「高O」の場
合とでは,起電力に差を生じる. 第5図示のように,溶融金属中の測定目的元素がMnの場
合,同様に,測定干渉成分はOであり,Mnの含有量が同
じであってもOの含有量が少ない「低O」の場合と,Oの
含有量が多い「高O」の場合とでは,起電力に差を生じ
る. 第6図示のように,溶融金属中の測定目的元素がSiの場
合,測定干渉成分はMnであり,Siの含有量が同じであっ
ても,Mnの含有量が少ない「低Mn」の場合と,Mnの含有量
が多い「高Mn」の場合とでは,起電力に差を生じる. 第7図示のように,溶融金属中の測定目的元素がAlの場
合,測定干渉成分はSiであり,Alの含有量が同じであっ
ても,Siの含有量が多い「高Si」の場合と,Siの含有量が
少ない「低Si」の場合とでは,起電力に差を生じる. 〔課題を解決するための手段〕 本発明は,上記の課題を解決した溶融金属中の金属元素
濃度測定装置を提供する. 本発明の装置によれば,溶融金属に浸漬される殻体の壁
部により少なくとも部分的に安定化された二酸化ジルコ
ニウムからなる固体電解質層を構成し;前記殻体の固体
電解質層の内面に設けられ所定の酸素ポテンシャルを与
える第一及び第二の基準極を相互に間隔をおいて絶縁配
置し;前記第一の基準極と溶融金属との間の電位差を計
測するための第一の電位差測定手段と,前記第二の基準
極と溶融金属との間の電位差を計測するための第二の電
位差測定手段とを備え;前記第一の基準極に対応する位
置における殻体の固体電解質層の外面にCr又はMn等の測
定目的元素の固体酸化物からなる副電極を設けている. 前記副電極を構成する固体酸化物としては,Cr2O3及び
/又はCr2O3を含む複合酸化物を採用することができ,
これにより第一の電位差測定手段が溶融金属中のCrの濃
度検知手段を構成し,第二の電位差測定手段が溶融金属
中の測定干渉成分となるOの濃度検知手段を構成し,第
一の電位差測定手段により表される起電力を,第二の電
位差測定手段により表される起電力により補正修正する
ことにより,溶融金属中のCr濃度を正確に検知すること
ができる. 或いは副電極を構成する固体酸化物をMnO及び/又はMnO
を含む複合酸化物とし,これにより第一の電位差測定手
段が溶融金属中のMnの濃度検知手段を構成し,第二の電
位差測定手段が溶融金属中の測定干渉成分となるOの濃
度検知手段を構成し,第一の電位差測定手段により表さ
れる起電力を,第二の電位差測定手段により表される起
電力により補正修正することにより,溶融金属中のMn濃
度を正確に検知することができる. また,本発明の装置によれば,溶融金属に浸漬される殻
体の壁部により少なくとも部分的に安定化された二酸化
ジルコニウムからなる固体電解質層を構成し;前記殻体
の固体電解質層の内面に設けられ所定の酸素ポテンシャ
ルを与える第一及び第二の基準極を相互に間隔をおいて
絶縁配置し;前記第一の基準極と溶融金属との間の電位
差を計測するための第一の電位差測定手段と,前記第二
の基準極と溶融金属との間の電位差を計測するための第
二の基準差測定手段とを備え;前記第一の基準極に対応
する位置における殻体の固体電解質層の外面にSi又はAl
等の測定目的元素の固体酸化物からなる第一の副電極を
設けると共に,前記第二の基準極に対応する位置におけ
る殻体の固体電解質層の外面にMn又はSi等の測定干渉成
分の固体酸化物からなる第二の副電極を設けている. 前記第一の副電極を構成する固体酸化物は,SiO2及び/
又はSiO2を含む複合酸化物を採用することができ,第二
の副電極を構成する固体酸化物はMnO及び/又はMnOを含
む複合酸化物とすることができる.これにより,第一の
電位差測定手段が溶融金属中のSiの濃度検知手段を構成
すると共に,第二の電位差測定手段が溶融金属中の測定
干渉成分となるMnの濃度検知手段を構成し,第一の電位
差測定手段により表される起電力を,第二の電位差測定
手段により表される起電力により補正修正することによ
り,溶融金属中のSi濃度を正確に検知することができ
る. 或いは,前記第一の副電極を構成する固体酸化物をAl2O
3及び/又はAl2O3を含む複合酸化物とし,第二の副電極
を構成する固体酸化物をSiO2及び/又はSiO2を含む複合
酸化物から採用することができる.これにより,第一の
電位差測定手段が溶融金属中のAlの濃度検知手段を構成
すると共に,第二の電位差測定手段が溶融金属中の測定
干渉成分となるSiの濃度検知手段を構成し,第一の電位
差測定手段により表される起電力を,第二の電位差測定
手段により表される起電力により補正修正することによ
り,溶融金属中のAl濃度を正確に検知することができ
る. 更に,本発明の装置によれば,溶融金属に浸漬される殻
体の壁部により少なくとも部分的に安定化された二酸化
ジルコニウムからなる固体電解質層を構成し;前記殻体
の固体電解質層の内面に設けられ所定の酸素ポテンシャ
ルを与える第一及び第二の基準極を相互に間隔をおいて
絶縁配置し;前記第一の基準極と溶融金属との間の電位
差を計測するための第一の電位差測定手段と,前記第二
の基準極と溶融金属との間の電位差を計測するための第
二の電位差測定手段とを備え;前記第一の基準極に対応
する位置における殻体の固体電解質層の外面に第一の測
定目的元素の固体酸化物からなる第一の副電極を設ける
と共に,前記第二の基準極に対応する位置における殻体
の固体電解質層の外面に第二の測定目的元素の固体酸化
物からなる第二の副電極を設けている.これにより,第
一の電位差測定手段と,第二の電位差測定手段とによ
り,溶融金属中の異なる二種類の金属元素の濃度を同時
に測定することができる. 尚,本発明の装置には,上述の構成と併せて溶融金属の
温度を測定するための測温手段を設けることが好まし
い. 〔実施例〕 以下図面に基づいて本発明の実施例を詳述する. (第1実施態様) 第1図において,溶融金属Mに浸漬される殻体1は一端
閉管型のチューブ状に形成され,底壁及び周壁を固体電
解質層1aにより構成されている.この固体電解質層1a
は,酸素ポテンシャルを測定するための少なくとも部分
的に安定化した二酸化ジルコニウム(ZrO2)であり,安
定剤として,例えばMgO又はCaO等が用いられ,最も好ま
しくは,MgOを7〜9mol%含有させた二酸化ジルコニウム
によりチューブを構成するのが良い.尚,図例では,固
体電解質層1aによりチューブ全体を構成しているが,チ
ューブのうち後述する基準極及び副電極を設ける壁部分
のみを固体電解質層1aにより構成しても良い. 前記固体電解質層1aからなる殻体1の底部内面には第一
の基準極2が設けられ,該第一の基準極2の上方におけ
る殻体1の中間部内面には第二の基準極3が設けられて
いる.これらの第一及び第二の基準極2,3は,酸素ポテ
ンシャルを測定温度で一定にするためのMo-MoO2の混合
粉末や,Cr-Cr2O3の混合粉末や,Fe-FeOの混合粉末からな
り,これらの粉末を,前記チューブに充填することによ
り形成されている.前記金属粉末は適宜選択可能であ
り,第一及び第二の基準極2,3は,相互に同材でも良
く,或いは相互に異なる材質のものでも良い. 前記第一及び第二の基準極2,3は,相互に電気的に絶縁
されるに充分な間隔をおいて配置され,両基準極2,3の
間に石英ウール等の耐火性のある絶縁材4を充填してい
る.図例の場合,第二の基準極3の上方にも石英ウール
等の耐火性のある絶縁材5が充填されている. 前記第一の基準極2と溶融金属Mとの間には,両者間の
電位差を計測するための第一の電位差測定手段E1が設け
られている.溶融金属側の電極6はMoやFe等からなる棒
状の電極を構成し,前記第一の電位差測定手段E1に電気
的に連結されている.第一の電位差測定手段E1と第一の
基準極2との間はMoやPt等からなるリード線7により電
気的に連結され,該リード線7は殻体1内部に挿着され
た石英管等の耐火性のある絶縁管8を挿通されている.
従って,このリード線7は絶縁管8により第二の基準極
3から絶縁され,この状態で第一の基準極2内に延び
る.尚,リード線7の先端は,図示のように第一の基準
極2内部で止まっても良いが,固体電解質層1aに接して
も良い. 前記第二の基準極3と溶融金属Mとの間には,両者間の
電位差を計測するための第二の電位差測定手段E2が設け
られている.溶融金属側の電極は上述した電極6がその
まま用いられ,該電極6を第二の電位差測定手段E2に電
気的に連結している.第二の電位差測定手段E2と第二の
基準極3との間はMoやPt等からなるリード線9により電
気的に連結され,該リード線9は上方の絶縁材5を貫通
して第二の基準極3内に延びる.該リード線9の先端
は,図例のように螺旋状に屈曲され,該螺旋部を固体電
解質層1aの内面に沿って接することにより接支部9aを構
成するのが好ましい. 尚,殻体1の上部開放端には,耐火セメント等の閉塞材
10を装填固定し,これにより絶縁管7及びリード管9を
抜止状に固定している.また,連結管7の上部開放端に
も,耐火性の装填材11が装填され,リード線7と絶縁管
7の相互を固定している. 前記第一の基準極2に対応する位置における殻体1の固
体電解質層1aの外面には,測定目的元素の固体酸化物か
らなる副電極12が設けられている.この副電極12は,図
例のように固体酸化物を斑点状に固着せしめることが好
ましい. 更に,第1図において,13は測温素子であり,該測温素
子13により検出された溶融金属の温度を温度測定手段E3
により検知する. 以上の構成から成る装置は,第1図では,殻体1,溶融金
属側電極6,測温素子13を,それぞれ独立した状態で示し
ているが,これらを一本のプローブの先端部に組込み,
該プローブを溶融金属中に浸漬することにより所定の測
定を行う. この第1実施態様に基づく本発明装置の実施例1及び実
施例2を下記に示す. 実施例1(Cr濃度測定用装置) 副電極12を構成する固体酸化物は,Cr2O3及び/又はCr2
O3を含む複合酸化物からなる.前記物質としては,Cr2O
3の単体,Cr2O3−SiO2−CaOの混合体,Cr2O3+(Cr2O3
−SiO2)の混合体,又は,Cr2O3+(Cr2O3−CaO)の混
合体が好ましい.これにより第一の電位差測定手段E1が
溶融金属中のCrの濃度検知手段を構成すると共に,第二
の電位差測定手段E2が溶融金属中の測定干渉成分となる
Oの濃度検知手段を構成する.従って,装置を溶融金属
に浸漬したとき,温度測定手段E3による溶融金属Mの温
度の検知と,第二の電位差測定手段E2による溶融金属中
のCr測定干渉成分となるOの濃度の検知と,第一の電位
差測定手段E1による溶融金属中のCrの濃度の検知とを行
う.このため,本来,前記温度測定手段E3により測定さ
れた特定の温度の下で,溶融金属中の実際のCrの濃度
と,第一の電位差測定手段E1の起電力とは,測定干渉成
分となるOの濃度に原因して,第4図示のような,「低
O」の場合と「高O」の場合の不一致を生じることにな
るが,前記第二の電位差測定手段E2によりOの濃度を測
定することにより,当該溶融金属が,「低O」か,「高
O」か,又はその中間のどの程度のO濃度のものである
かを検知できるので,その検知されたO濃度のデータに
基づき第一の電位差測定手段E1の起電力が示すCr濃度の
数値を探知することができる.例えば,第二の電位差測
定手段E2により当該溶融金属が第4図の「低O」である
と検知されれば,第一の電位差測定手段E1の起電力Yは
CrがX%であることを示すことになり,このX%がCr濃
度の実際の値となる. 実施例2(Mn濃度測定用装置) 副電極12を構成する固体酸化物は,MnO及び/又はMnOを
含む複合酸化物からなる.前記物質としては,MnOの単
体,又は,MnO+(MnO−Al2O3)の混合体が好ましい.こ
れにより第一の電位差測定手段E1が溶融金属中のMnの濃
度検知手段を構成すると共に,第二の電位差測定手段E2
が溶融金属中の測定干渉成分となるOの濃度検知手段を
構成する.従って,前記実施例1の場合と同様に,温度
測定手段E3により溶融金属Mの温度を検知する他,第二
の電位差測定手段E2により測定干渉成分Oの濃度を検知
しつつ,第一の電位差測定手段E1により測定目的元素で
あるMnの濃度を正確に検知することができる.例えば,
前記温度測定手段E3により測定された特定の温度の下
で,第一の電位差測定手段E1の起電力の値だけでは,第
5図示のように干渉成分Oの濃度を検知しなければMn濃
度を特定し得ない場合,仮に第二の電位差測定手段E2に
より当該溶融金属が「高O」であると検知されれば,第
一の電位差測定手段E1が示す起電力YはMnがX%である
ことを表示することになり,このX%がMn濃度の実際の
値となる. (第2実施態様) 第2図は本発明の第2実施態様を示しており,基本的に
は上述した第1実施態様と同様であるから,相違する点
だけを説明する. 即ち,上述の第1実施態様と同様に,第一の基準極2に
対応する位置における殻体1の固体電解質層1aの外面に
測定目的元素の固体酸化物からなる副電極を設けるが,
これを第一の副電極12aとする.これに加えて,第二の
基準極3に対応する位置における殻体1の固体電解質層
1aの外面に測定干渉成分の固体酸化物からなる第二の副
電極12bを設ける.第二の副電極12bも固体電解質層1aに
斑点状に固着するのが好ましい. この第2実施態様に基づく本発明装置の実施例3及び実
施例4を下記に示す. 実施例3(Si濃度測定用装置) 第一の副電極12aを構成する固体酸化物は,SiO2及び/
又はSiO2を含む複合酸化物からなる.前記物質として
は,SiO2の単体,ZrO2−ZrSiO4の混合体,又は,SiO2−
ZrSiO4の混合体が好ましい.一方,第二の副電極12bを
構成する固体酸化物は,MnO及び/又はMnOを含む複合酸
化物からなる.前記物質としては,MnOの単体,又は,MnO
+(MnO−Al2O3)の混合体が好ましい.これにより,第
一の電位差測定手段E1が溶融金属中のSiの濃度検知手段
を構成すると共に,第二の電位差測定手段E2が溶融金属
中の測定干渉成分となるMnの濃度検知手段を構成する.
従って,温度測定手段E3により溶融金属Mの温度の検知
する他,第二の電位差測定手段E2により測定干渉成分Mn
の濃度を検出しつつ,第一の電位差測定手段E1により測
定目的元素であるSiの濃度を正確に検知することができ
る.例えば,前記温度測定手段E3により測定された特定
温度の下において,第一の電位差測定手段E1の起電力の
値だけでは,第6図示のように干渉成分Mnの濃度を検知
しなければSi濃度を特定し得ない場合,仮に第二の電位
差測定手段E2により当該溶融金属が「低Mn」であると検
知されれば,第一の電位差測定手段E1が示す超電力Yは
SiがX%であることを表示することになり,このX%が
Si濃度の実際の値となる. 実施例4(Al濃度測定用装置) 第一の副電極12aを構成する固体酸化物は,Al2O3及び/
又はAl2O3を含む複合酸化物からなる.前記物質として
は,Al2O3の単体,Al2O3−TiAl2O5の混合体,又は,Al2
O3+(Al2O3−CaO)の混合体が好ましい.一方,第二の
副電極12bを構成する固体酸化物は,SiO2及び/又はSiO
2を含む複合酸化物からなる.前記物質としては,SiO2
の単体,ZrO2−ZrSiO4の混合体,又は,SiO2−ZrSiO4の
混合体が好ましい.これにより,第一の電位差測定手段
E1が溶融金属中のAlの濃度検知手段を構成すると共に,
第二の電位差測定手段E2が溶融金属中の測定干渉成分と
なるSiの濃度検知手段を構成する.従って,温度測定手
段E3により検知された溶融金属Mの特定温度の下におい
て,第二の電位差測定手段E2により測定干渉成分Siの濃
度を検知しつつ,第一の電位差測定手段E1により測定目
的元素であるAlの濃度を正確に検知することができる.
例えば,第一の電位差測定手段E1の起電力の値だけで
は,本来,第7図示のように干渉成分Siの濃度を検知し
なければAl濃度を特定し得ない場合,仮に第二の電位差
測定手段E2により当該溶融金属が「低Si」であると検知
されれば,第一の電位差測定手段E1が示す起電力YはAl
がX%であることを表示することになり,このX%がAl
濃度の実際の値となる. (干渉成分等の検知による補正手段) 上述した第1実施態様及び第2実施態様の本発明装置
は,第3図に示すような補正手段14に連結されるのが好
ましい.即ち,第一の電位差測定手段E1の起電力に基づ
く信号,第二の電位差測定手段E2の起電力に基づく信
号,温度測定手段E3により検知された温度を表す信号
は,それぞれ補正手段14に入力される.補正手段14は演
算機能を有するコンピュータを構成し,第4図ないし第
7図に示したような,測定干渉成分の含有量と,第一の
電位差測定手段E1の起電力と,測定目的元素の含有量と
の相互の関係をデータとして記憶している.従って,本
発明装置を溶融金属に浸漬することにより前記各信号を
補正手段14に入力せしめると,該補正手段14が第二の電
位差測定手段E2の起電力の値に基づいて,第一の電位差
測定手段E1の起電力の値と測定目的元素の含有量との関
係を演算しつつ補正し,結局,第4図ないし第7図に示
したような実際の含有量X%であることを検知し,ディ
スプレイ又はプリンタ等の表示手段15に表示する. (その他の実施態様) 第2図に示した第2実施態様と同様の構成において,上
述の第1ないし第4実施例に示したもの以外に広く,第
一の副電極12aを第一の測定目的元素の固体酸化物から
構成し,第二の副電極12bを第二の測定目的元素の固体
酸化物から構成し,これにより二種類の測定目的元素を
同時に測定可能とする.即ち,第一の電位差測定手段E1
により前記第一の測定目的元素の量を測定すると同時
に,第二の電位差測定手段E2により前記第二の測定目的
元素の量を測定することが可能になる. 尚,上述した第1実施態様においては,1つの副電極12と
一つの酸素濃淡電池との組合せによる装置を示し,第2
実施態様においては,第一の副電極12aと第二の副電極1
2bとの組合せによる装置を示したが,これらの組合せ形
態を変更し,或いは,このような第1実施態様と第2実
施態様の構成を併せて一つの殻体1に構成しても良い.
即ち,上記第1実施例及び第2実施例に示した副電極
を有しない酸素濃淡電池によるO含有量測定手段と,
第1実施例に示したCr2O3及び/又はCr2O3を含む複合酸
化物からなる副電極によるCr含有量測定手段と,第2
実施例に示したMno及び/又はMnOを含む複合酸化物から
なる副電極によるMn含有量測定手段と,第3実施例に
示したSiO2及び/又はSiO2を含む複合酸化物からなる副
電極によるSi含有量測定手段と,第4実施例に示した
Al2O3及び/又はAl2O3を含む複合酸化物からなる副電極
によるAl含有量測定手段等のうち,二種又は三種以上を
一つの殻体1に構成し,これにより二種類以上の元素を
同時に測定可能とすることができる. 〔発明の効果〕 特許請求の範囲第1項ないし第3項に記載の本発明によ
れば,Oが測定干渉成分となるCrやMn等の含有量を正確に
測定することができる. 特許請求の範囲第4項ないし第6項に記載の本発明によ
れば,Mn又はSiが測定干渉成分となるSi又はAlの含有量
を正確に測定することができる. 特許請求の範囲第7項に記載の本発明によれば,異なる
金属元素を同時に二種類以上測定することができる. 特許請求の範囲第8項に記載の本発明によれば溶融金属
温度の変化により誤差を生じることがなく測定目的元素
を正確に測定することができる.
第1図は本発明の第1実施態様を示す縦断面図,第2図
は本発明の第2実施態様の要部を示す縦断面図,第3図
は本発明装置により得られた信号を表示するための装置
を示すブロック図,第4図はCrの含有量と干渉成分との
関係を示す説明図,第5図はMnの含有量と干渉成分との
関係を示す説明図,第6図はSiの含有量と干渉成分との
関係を示す説明図,第7図はAlと干渉成分との関係を示
す説明図である. 1……殻体,2……第一の基準極,3……第二の基準極,4,5
……絶縁材,6……溶融金属側の電極,12……副電極,12a
……第一の副電極,12b……第二の副電極,13……測温素
子,14……補正手段,E1……第一の電位差測定手段,E2
……第二の電位差測定手段,E3……温度測定手段.
は本発明の第2実施態様の要部を示す縦断面図,第3図
は本発明装置により得られた信号を表示するための装置
を示すブロック図,第4図はCrの含有量と干渉成分との
関係を示す説明図,第5図はMnの含有量と干渉成分との
関係を示す説明図,第6図はSiの含有量と干渉成分との
関係を示す説明図,第7図はAlと干渉成分との関係を示
す説明図である. 1……殻体,2……第一の基準極,3……第二の基準極,4,5
……絶縁材,6……溶融金属側の電極,12……副電極,12a
……第一の副電極,12b……第二の副電極,13……測温素
子,14……補正手段,E1……第一の電位差測定手段,E2
……第二の電位差測定手段,E3……温度測定手段.
Claims (8)
- 【請求項1】溶融金属に浸漬される殻体の壁部により少
なくとも部分的に安定化された二酸化ジルコニウムから
なる固体電解質層を構成し;前記殻体の固体電解質層の
内面に設けられ所定の酸素ポテンシャルを与える第一及
び第二の基準極を相互に間隔をおいて絶縁配置し;前記
第一の基準極と溶融金属との間の電位差を計測するため
の第一の電位差測定手段と,前記第二の基準極と溶融金
属との間の電位差を計測するための第二の電位差測定手
段とを備え;前記第一の基準極に対応する位置における
殻体の固体電解質層の外面にCr又はMn等の測定目的元素
の固体酸化物からなる副電極を設けたことを特徴とする
溶融金属中の金属元素濃度の測定装置. - 【請求項2】副電極を構成する固体酸化物がCr2O3及び
/又はCr2O3を含む複合酸化物からなり,第一の電位差
測定手段が溶融金属中のCrの濃度検知手段を構成すると
共に,第二の電位差測定手段が溶融金属中の測定干渉成
分となるOの濃度検知手段を構成してなることを特徴と
する特許請求の範囲第1項に記載の溶融金属中の金属元
素濃度の測定装置. - 【請求項3】副電極を構成する固体酸化物がMnO及び/
又はMnOを含む複合酸化物からなり,第一の電位差測定
手段が溶融金属中のMnの濃度検知手段を構成すると共
に,第二の電位差測定手段が溶融金属中の測定干渉成分
となるOの濃度検知手段を構成してなることを特徴とす
る特許請求の範囲第1項に記載の溶融金属中の金属元素
濃度の測定装置. - 【請求項4】溶融金属に浸漬される殻体の壁部により少
なくとも部分的に安定化された二酸化ジルコニウムから
なる固体電解質層を構成し;前記殻体の固体電解質層の
内面に設けられ所定の酸素ポテンシャルを与える第一及
び第二の基準極を相互に間隔をおいて絶縁配置し;前記
第一の基準極と溶融金属との間の電位差を計測するため
の第一の電位差測定手段と,前記第二の基準極と溶融金
属との間の電位差を計測するための第二の電位差測定手
段とを備え;前記第一の基準極に対応する位置における
殻体の固体電解質層の外面にSi又はAl等の測定目的元素
の固体酸化物からなる第一の副電極を設けると共に,前
記第二の基準極に対応する位置における殻体の固体電解
質層の外面にMn又はSi等の測定干渉成分の固体酸化物か
らなる第二の副電極を設けたことを特徴とする溶融金属
中の金属元素濃度の測定装置. - 【請求項5】第一の副電極を構成する固体酸化物がSiO2
及び/又はSiO2を含む複合酸化物からなり,第二の副電
極を構成する固体酸化物がMnO及び/又はMnOを含む複合
酸化物からなり,第一の電位差測定手段が溶融金属中の
Siの濃度検知手段を構成すると共に,第二の電位差測定
手段が溶融金属中の測定干渉成分となるMnの濃度検知手
段を構成してなることを特徴とする特許請求の範囲第4
項に記載の溶融金属中の金属元素濃度の測定装置. - 【請求項6】第一の副電極を構成する固体酸化物がAl2O
3及び/又はAl2O3を含む複合酸化物からなり,第二の副
電極を構成する固体酸化物がSiO2及び/又はSiO2を含む
複合酸化物からなり,第一の電位差測定手段が溶融金属
中のAlの濃度検知手段を構成すると共に,第二の電位差
測定手段が溶融金属中の測定干渉成分となるSiの濃度検
知手段を構成してなることを特徴とする特許請求の範囲
第4項に記載の溶融金属中の金属元素濃度の測定装置. - 【請求項7】溶融金属に浸漬される殻体の壁部により少
なくとも部分的に安定化された二酸化ジルコニウムから
なる固体電解質層を構成し;前記殻体の固体電解質層の
内面に設けられ所定の酸素ポテンシャルを与える第一及
び第二の基準極を相互に間隔をおいて絶縁配置し;前記
第一の基準極と溶融金属との間の電位差を計測するため
の第一の電位差測定手段と,前記第二の基準極と溶融金
属との間の電位差を計測するための第二の電位差測定手
段とを備え;前記第一の基準極に対応する位置における
殻体の固体電解質層の外面に第一の測定目的元素の固体
酸化物からなる第一の副電極を設けると共に,前記第二
の基準極に対応する位置における殻体の固体電解質層の
外面に第二の測定目的元素の固体酸化物からなる第二の
副電極を設けたことを特徴とする溶融金属中の複数金属
元素濃度の測定装置. - 【請求項8】溶融金属の温度を測定するための測温手段
を備えたことを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし
第7項の何れかに記載の溶融金属中の金属元素濃度の測
定装置.
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1184058A JPH0765981B2 (ja) | 1989-07-17 | 1989-07-17 | 溶融金属中の金属元素濃度の測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1184058A JPH0765981B2 (ja) | 1989-07-17 | 1989-07-17 | 溶融金属中の金属元素濃度の測定装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0348761A JPH0348761A (ja) | 1991-03-01 |
| JPH0765981B2 true JPH0765981B2 (ja) | 1995-07-19 |
Family
ID=16146637
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1184058A Expired - Lifetime JPH0765981B2 (ja) | 1989-07-17 | 1989-07-17 | 溶融金属中の金属元素濃度の測定装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0765981B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008280994A (ja) * | 2007-04-10 | 2008-11-20 | Yamaha Motor Co Ltd | エンジンオイル消費量測定装置及びエンジンオイル消費量測定方法 |
-
1989
- 1989-07-17 JP JP1184058A patent/JPH0765981B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0348761A (ja) | 1991-03-01 |
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