JPH0767615A - 純米酒およびその製造方法 - Google Patents

純米酒およびその製造方法

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JPH0767615A
JPH0767615A JP25463893A JP25463893A JPH0767615A JP H0767615 A JPH0767615 A JP H0767615A JP 25463893 A JP25463893 A JP 25463893A JP 25463893 A JP25463893 A JP 25463893A JP H0767615 A JPH0767615 A JP H0767615A
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sake
rice
less
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alcohol
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JP25463893A
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Hiromasa Furukawa
浩正 古川
Akira Nishimura
顕 西村
Norihiro Tanaka
準浩 田中
Kyoichi Kondo
恭一 近藤
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Hakutsuru Sake Brewing Co Ltd
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Hakutsuru Sake Brewing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】「すっきり」として「飲みやすい」嗜好性に優
れた純米酒を通常酒並のコストで得る。 【構成】 純米酒において、アルコール度数が13度以
上14度未満、グルコース濃度が1.8%以上2.0%
以下、アミノ酸度が1.0ml以上1.2ml以下のバ
ランスが嗜好性に優れた純米酒であることを見出だし
た。その純米酒を製造するために、原料米に占める麹米
の割合を8%以上12%以下とする、かつあるいは、グ
ルコアミラーゼ製剤の補填量が原料米1Kgあたりグル
コアミラーゼ力価として3万ユニットになる様に使用す
る、かつあるいは、耐アルコール性酵母を使用する、か
つあるいは、上槽後に15℃以下の低温で生貯蔵する方
法を採用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、嗜好性および経済性に
優れた純米酒、およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】平成4年4月の清酒の級別廃止以後特定
名称酒が注目されている。その特定名称酒の中の純米酒
はその名前の持つイメージから、品質の良さを消費者に
訴求できる商品であるが、清酒全体の中での消費量を見
ると数%にとどまっている。「品質の良い」イメージか
ら試みに純米酒を飲む消費者は数多く存在するが、毎日
飲む酒としては、「味が重たい」「通常の清酒に較べ価
格が高い」との理由から、主として料飲店あるいは贈答
用の消費が多いのが現状である。
【0003】純米酒は原材料が米、および米麹のみとい
う規格がある。そのため醸造アルコールを添加した清酒
(以下通常酒という)に較べて、酸やアミノ酸の多い味
の重い酒になりがちである。表1に代表的な通常酒と純
米酒の成分値を記載する。
【0004】
【表1】
【0005】また純米酒はその規格上、精米歩合が70
%以下であること、醸造用アルコールを添加できないな
どの理由で製造コストがどうしても通常酒よりも高くな
る。
【0006】これらのことから、純米酒でありながら通
常酒のように「すっきり」としていて「飲みやすい」清
酒を通常酒並のコストで製造する事ができれば、酒質と
価格の両面から消費者が求めている、家庭においても気
軽に毎日飲める純米酒ができると考えた。
【0007】酒質を「すっきり」として「飲みやすく]
するための方法の一つに吟醸造りがあるが、この方法は
米を高精白し、低温で発酵させ、米を溶かさないように
して粕歩合を高くすることにより、淡麗で香りの良い清
酒を得ようとするものである。しかし、発酵に要した期
間(醪日数)が伸びる、原料利用率が悪い、製造量が限
られるといった問題があり、コスト面で今回の目的とす
るところの手段にはなり得ない。
【0008】次に吟醸造り以外で「すっきり」とした酒
質にするための従来の方法にはアルコール度数を下げ
る、原料米に占める麹の割合(麹歩合)を低減する、
製麹時間を短くした若い麹を使う、α化米を用い
る、等の方法があり、またを組み合わせた低アルコ
ール清酒の製造方法(特開平05−068530)など
が知られている。しかし、これらの方法は単独または組
み合わせても、純米酒となると嗜好性の高いものを得る
事はできない。例えば純米酒のアルコール度数を下げる
と飲みやすくはなるものの、官能評価では「水っぽい」
「くどい」などの指摘を受ける。「くどさ」とは、アル
コール度数を下げたため、清酒中の旨味成分が浮き上が
ることにより感じられる。「くどさ」を抑えるために、
麹歩合を低減しアミノ酸度を減ずる方法などが知られて
いるが、この方法では原料利用率の向上(製造コスト低
減)ということは望めない。通常の清酒並の製品価格を
達成するためには製造コストの大きな部分を占める原料
米の利用率において15%程度の向上が必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、純米酒であ
りながら「すっきり」して「飲みやすく」、かつ原料利
用率が通常の純米酒より15%以上高い、嗜好性と経済
性に優れた純米酒およびその製造法に関するものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、清酒中の成分値を変化させると「飲みやすく」かつ
「水っぽさ」や「くどさ」を感じさせない最高のバラン
ス点があり、そのバランスに合わせることで、嗜好性に
優れた純米酒が得られる事を見いだした。この発明は、
純米酒の成分値をアルコール度数13度以上14度未
満、グルコース濃度1.8%以上2.0%以下、アミノ
酸度を1.0ml以上1.2ml以下と構成する内容を
採用した。ただし、アルコール度数およびアミノ酸度は
国税庁所定分析法による値である。
【0011】また、この純米酒の製造方法として、原料
米に占める麹米の割合が8%以上12%以下とする構成
を採用した。
【0012】また、上記麹歩合低減の際、グルコアミラ
ーゼ製剤の補填量が原料米1Kgあたりグルコアミラー
ゼ力価として3万ユニットになる構成を採用した。
【0013】また、上槽後加水しない酒(原酒)の製造
の際に耐アルコール性酵母を使用する構成を採用した。
【0014】また、上記原酒を15℃以下の低温で生貯
蔵する構成を採用した。
【0015】以下に実施例を示しながら説明する。
【0016】
【実施例1】純米酒用の原酒に加水することで、アルコ
ール度数を8度から17度まで1度ずつ変化させた試料
清酒を用い、「飲みやすさ」に関して官能検査法により
評価を行った。官能検査は当社の熟練パネリスト10名
にておこない(5段階:1弱−5強)、その平均点を評
点として図1に示す。評点が4.0以上で「飲みやす
さ」については良好であり、4.3以上であれば特に優
れている事を示す。
【0017】
【図1】
【0018】この結果によれば、純米酒はアルコール度
数が11度以上14度以下の範囲で評点が4.0以上と
なり飲みやすいという結果になった。その中でも特に1
3度以上14度以下の範囲で優れた結果を示した。
【0019】しかし「飲みやすさ」という評価は良かっ
たもの短評として「水っぽい」「くどい」等の評価が見
られ、総合評価としては必ずしも良い純米酒であるとは
いえない。すなわち従来の純米酒においては、飲みやす
くするために水で希釈しただけでは「水っぽく」感じら
れ、さらに純米酒特有の味の多さから全体的な味のバラ
ンスが悪くなると言える。以下に「飲みやすさ」に優れ
た範囲である13度以上14度以下のアルコール度数に
おいて、「水っぽさ」「くどさ」を感じさせない条件の
検討を行った。なお、請求項1でアルコール度数が13
度以上14度未満と規定したのは、酒税法上14度未満
とすることにより13度台に統一し、酒税を一定とする
ためである。
【0020】市販純米酒を15点収集し、それらを加水
することでアルコール度数が13.5度の試料清酒を調
製した。そして化学成分分析と官能検査を実施し統計的
に解析したところ、官能的に感じられる「水っぽさ」と
「グルコース濃度」、同じく「くどさ」と「アミノ酸
度」に有意な相関関係が認められた。
【0021】
【実施例2】グルコース濃度が0.7%の市販純米酒に
加水することでアルコール度数を13.5度に調整し、
さらにグルコースを添加することによりグルコース濃度
を0.6%から2.6%まで0.2%きざみになるよう
に調製した試料清酒を用い、当社の熟練パネリスト10
名により「水っぽさ」について官能検査(5段階:1弱
−5強)を行った。その10名の平均値を評点として図
2に示す。
【0022】
【図2】
【0023】評点が2.0以下であれば「水っぽさ」を
感じさせず、1.5以下であれば全く感じさせないと評
価でき、逆に評点が3.0以上であれば「水っぽさ」を
感じることを表す方法である。官能検査の結果によれ
ば、グルコース濃度が1.0%以下では評点が4.0以
上の「非常に水っぽい」との評価が得られたのに対し
て、グルコース濃度が1.6%以上で評点2.0以下の
「水っぽさは感じない」の評価を得た。さらに1.8%
以上になると評点は1.5以下となり「全く感じない」
との評価を得られた。従ってグルコース濃度が1.6%
以上であれば「水っぽさ」を感じさせず、さらに優れた
評価が得られたのはグルコース濃度が1.8%以上であ
った。
【0024】
【実施例3】総米1Kgの小仕込みにおいて、麹歩合を
8、10、12、14、16、18%の6段階に変えア
ミノ酸度を調製した原酒を製造した。この原酒に加水す
ることによりアルコール度数を13.5度に調製した試
料清酒を用いて、当社の熟練パネリスト10名により
「くどさ」に関して官能検査(5段階:1弱−5強)を
行った。10名の平均値を評点として図3に示す。
【0025】
【図3】
【0026】評点が2.0以下であれば「くどさ」を感
じることがなく、1.5以下であれば全く感じないこと
を表す方法である。官能検査の結果によるとアミノ酸度
が1.3ml以下であれば「くどさ」を感じなく、1.
2ml以下であれば全く「くどさ」が感じられなかっ
た。
【0027】
【実施例4】実施例3の方法でアミノ酸度を調製した試
料清酒にグルコースを添加することにより、アミノ酸
度、グルコース濃度の異なる様々な試料清酒を調製し
た。それらの試料清酒に対して当社の熟練パネリスト1
0名により、官能検査で嗜好性に関する総合的な評価を
行った。10名の平均値を総合評価(5段階:1良−5
悪)の評点とし、分布図として図4に示す。
【0028】
【図4】
【0029】総合評価では評点が1.5以下で「良
い」、1.2以下で「非常に良い」ことを表わす。この
結果から、アミノ酸度が0.9ml以上1.3ml以
下、かつグルコース濃度が1.7%以上2.1%以下の
範囲で評点が1.5以下となり嗜好性が優れており、さ
らにアミノ酸度1.0ml以上1.2ml以下、かつグ
ルコース濃度が1.8%以上2.0%以下の範囲で評点
が1.2以下であり嗜好性に「非常に優れている」との
評価が得られた。
【0030】以上のことより、アルコール度数13度以
上14度未満、グルコース濃度1.8%以上2.0%以
下、アミノ酸度1.0ml以上1.2ml以下の成分値
を示す純米酒が、「水っぽさ」「くどさ」を感じさせ
ず、換言すれば「すっきり」として、なおかつ「飲みや
すさ」に優れた純米酒であることが明らかになった。従
来の清酒の味のバランスは、アルコール、日本酒度、酸
度、アミノ酸度で判断され官能検査によって確かめられ
ていたが、最終アルコール濃度を規定した純米酒におい
てアルコール度数、アミノ酸度およびグルコース濃度の
バランスについて最適な値を規定した例はない。日本酒
度、酸度についてはこの発明において何ら規定するもの
ではないが、味のバランスを考えると自ずと範囲は限ら
れてくる。
【0031】
【実施例5】米1Kgの小仕込みにおいて、麹歩合を
6、8、10、12、14、16、18、20%の8段
階に変化させ原酒を製造した。原酒のアルコール度数、
アミノ酸度、グルコース濃度、醪日数を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】それぞれの原酒にアルコール度数が13度
以上14度未満になるように加水することによって調製
した時に、アミノ酸度が1.2ml以下とするためには
麹歩合を12%以下とすることで目的が達せられる事が
この結果からわかった。
【0034】一方、麹歩合を12%以下にすることで目
的とする酒質の純米酒が得られるが、従来の麹歩合20
%の製造法に較べると醪日数が3日以上長くなり、グル
コース濃度も0.1%以上低くなる。醪日数が長くな
る、あるいはグルコース濃度が低くなると実施例10に
て述べるが、タンク等の設備の稼働率が低下し、製造原
価の増加につながる。また、麹歩合が6%以下では最後
まで正常な発酵を行うことができなかった。
【0035】
【実施例6】醪日数の短縮(製造コスト低減)、および
グルコース濃度の増加を目的として、総米1Kgの小仕
込みにおいて麹歩合を6、8、10、12、14、1
6、18、20%の8段階に変化させ、さらにグルコア
ミラーゼ製剤を原料米1Kgあたりグルコアミラーゼ力
価として2万ユニット補填して純米酒を製造した。その
原酒のアルコール度数、アミノ酸度、グルコース濃度、
醪日数を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】実施例5と同様に麹歩合を12%以下にす
ることでグルコース濃度を除外して目的とする酒質の純
米酒が得られ、麹歩合を8%以上12%以下に減じても
不足する酵素力価を酵素剤で補填することで、実施例5
に較べて醪日数が2〜8日短縮できた。グルコース濃度
は実施例5に比較し、0.84%から1.14%の増加
が認められたが、原酒時に必要なグルコース濃度には不
足していた。
【0038】
【実施例7】総米1Kgの小仕込みにおいて麹歩合を1
0%に設定し、酵素剤の補填量を原料米1Kgあたりグ
ルコアミラーゼ力価として0、1万、2万、3万、4
万、5万ユニットとし原酒を製造した。この場合プロテ
アーゼ力価の高い酵素剤を使用するとアミノ酸度が増大
するので、プロテアーゼ力価の低い酵素剤を使用した。
その原酒のアルコール濃度、アミノ酸度、グルコース濃
度、醪日数を表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】グルコアミラーゼ製剤の補填量が原料米1
Kgあたりグルコアミラーゼ力価として2万ユニット以
上であれば醪日数の短縮効果が認められ、3万ユニット
以上であれば上槽時のグルコース濃度を高める効果が認
められた。しかし、それ以上の補填量では顕著な効果は
認められなかった。従って、醪日数の短縮および上槽時
のグルコース濃度を高めるために最適なグルコアミラー
ゼ製剤の補填量を原料米1Kgあたりグルコアミラーゼ
力価として3万ユニットとした。麹の使用量、ロットの
違いにより麹由来のグルコアミラーゼ力価は変化する
が、その時のグルコアミラーゼ製剤の補填量を微調整す
ることで何ら問題は生じない。しかし、グルコース濃度
については原酒時に必要な濃度には不足していた。
【0041】
【実施例8】総米1Kgの小仕込みにおいて麹歩合を1
0%とし、グルコアミラーゼ製剤を原料米1Kgあたり
グルコアミラーゼ力価として3万ユニット補填、使用す
る酵母を対照区としては、通常広く用いられている日本
醸造協会頒布のK−701号酵母を、テスト区としては
耐アルコール性酵母(特願平04−211953)を使
用し純米酒を製造した。この耐アルコール性酵母は発酵
後半にアルコール濃度が高くなっても発酵力の衰えない
酵母である。その原酒のアルコール度数、アミノ酸度、
グルコース濃度、醪日数を表5に示す。
【0042】
【表5】
【0043】対照区に較べ、テスト区の耐アルコール性
酵母を使用した場合、原酒のアルコール濃度が1.5度
増加、アミノ酸度が0.2ml減少、醪日数が2日短縮
できる。対照区においてもアルコール度数をより高くす
ることは可能であるが、その場合発酵の末期に酵母の死
滅等によりどうしてもアミノ酸度の増大が避け難い。つ
まり、耐アルコール性酵母を使用することにより、アル
コール度数を13.5度にした時に「すっきり」して
「飲みやすい」酒質の純米酒でありながら、原酒のアル
コール度数が高くなりかつ醪日数を短縮できる点で経済
性に優れていることが明かになった。なお、耐アルコー
ル性酵母としては、ここで示したように対照としたK−
701号酵母との間の差があるものであれば何ら限定さ
れるものではない。しかし、この原酒でもグルコース濃
度については必要な濃度には不足している。
【0044】
【実施例9】対照区として従来の純米酒と同じ製造方法
である麹歩合を20%、酵素剤補填なし、使用酵母をK
−701号とし、テスト区として麹歩合10%、酵素剤
を原料米1Kgあたりグルコアミラーゼ力価として3万
ユニット補填、使用酵母を耐アルコール性酵母とし総米
100Kgの仕込みを行い原酒を製造した。その仕込み
配合を表6に示す。
【0045】
【表6】
【0046】表6の仕込み配合で製造した原酒のアルコ
ール度数、アミノ酸度、グルコース濃度、醪日数、原料
米1tあたりのアルコール収得量を表7に示す。
【0047】
【表7】
【0048】対照区に較べテスト区はアルコール度数が
1.8度増加、アミノ酸度が0.6ml減少、グルコー
ス濃度が1.2%増加、そしてアルコール収得量は61
l増加した。従来の純米酒と較べ加水することでアルコ
ール度数を13.5度に調製したときに「すっきり」と
して「飲みやすい」酒質を実現し、かつ原料利用率も1
5%向上させ製造コストを低減できる。しかし、グルコ
ース濃度については原酒時に必要な濃度に不足してい
る。
【0049】
【実施例10】上槽後の原酒を火入れを行わず生の状態
で貯蔵(生貯蔵)すると酒中の酵素の働きでグルコース
濃度が増える。実施例9までで上槽時グルコース濃度は
1.5%であるが、アルコール度数を13度に希釈した
ときに必要な1.8%以上2.0%以下の範囲にするた
めには原酒時で2.6%前後のグルコース濃度が必要で
ある。そのための手段として考えられるのが生貯蔵であ
る。原酒を生のまま貯蔵するには冷却設備の稼働等多大
な経費が必要となりコスト増加につながる。そのため、
上槽時のグルコース濃度をより高くし、貯蔵期間を短縮
する事でコスト低減になる。すなわち実施例9までで行
ったことはコスト低減の意味をも含む。次に生貯蔵の条
件を検討するために、実施例9のテスト区の原酒を5、
10、15、20、25、30℃に5℃ずつ6段階に変
化させて目標のグルコース濃度に達するまで生貯蔵を行
った。原酒の貯蔵期間、加水することで13.5度にア
ルコール濃度を調製したときのアミノ酸度、グルコース
濃度、および当社熟練パネリスト10名による官能検査
による総合評価(5段階:1良−5悪)結果の平均値を
評点として表8に示す。
【0050】
【表8】
【0051】15℃以上の貯蔵温度では貯蔵期間は短く
なるが、官能評価において「異臭」「雑味」等の指摘が
多くなり評価が悪くなった。特に25℃以上の貯蔵温度
ではアミノ酸度も高くなり評価も著しく悪くなった。従
って、グルコース濃度を目標の濃度まで増加させる為に
生貯蔵を行うのに最適な温度は15℃以下である。
【0052】
【実施例11】実施例9の原酒を15℃で17日間の生
貯蔵した後活性炭濾過を行った。さらに加水することで
アルコール度数を13.5度に調製した後火入れを行い
純米酒を製造した。その純米酒に対して当社の熟練パネ
リスト10名により官能検査で嗜好性に関する総合的な
評価を行った。それぞれのアルコール度数、アミノ酸
度、グルコース濃度、および当社熟練パネリスト10名
の評価の平均値を総合評価(5段階:1良−5悪)の評
点とした結果を表9に示す。
【0053】
【表9】
【0054】従来の製造法で得られた純米酒(対照)に
較べ、本発明により得られた純米酒はアミノ酸度、グル
コース濃度ともに最適範囲にあり、官能検査の結果も非
常に優れており「飲みやすく」かつ「水っぽさ」「くど
さ」を感じない嗜好性に優れた品質であった。
【0055】以上のように、本発明により得られる純米
酒は、嗜好性にも経済性にも優れた純米酒であることが
明かになり、本発明を完成するに至った。
【0056】
【効果】本発明によれば、嗜好性にも優れかつ経済性に
も優れた純米酒を製造することが可能となり、消費者の
求めている酒質の純米酒を消費者の求めている価格で広
く提供する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルコール度数と「飲みやすさ」との関係を示
す説明図
【図2】グルコース濃度と「水っぽさ」との関係を示す
説明図
【図3】アミノ酸度と「くどさ」との関係を示す説明図
【図4】グルコース濃度とアミノ酸度と評点との関係を
示す説明図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 恭一 神戸市東灘区住吉南町4丁目5番5号 白 鶴酒造株式会社研究室内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコール度数が13度以上14度未
    満、グルコース濃度が1.8%以上2.0%以下、アミ
    ノ酸度が1.0ml以上1.2ml以下であることを特
    徴とする純米酒。
  2. 【請求項2】醸造に使用する原料米に占める麹米の割合
    が8%以上12%以下であることを特徴とする請求項1
    に記載の純米酒の製造方法。
  3. 【請求項3】グルコアミラーゼ製剤の補填量が、原料米
    1Kgあたりグルコアミラーゼ力価として3万ユニット
    になることを特徴とする請求項2に記載の純米酒の製造
    方法。
  4. 【請求項4】耐アルコール性酵母を使用することを特徴
    とする請求項2および請求項3に記載の純米酒の製造方
    法。
  5. 【請求項5】上槽後に15℃以下の低温で生貯蔵するこ
    とを特徴とする請求項2、3、4に記載の純米酒の製造
    方法。
JP25463893A 1993-09-03 1993-09-03 純米酒およびその製造方法 Pending JPH0767615A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004254507A (ja) * 2003-02-24 2004-09-16 Takara Shuzo Co Ltd 清酒及びその製造方法
JP2019054743A (ja) * 2017-09-20 2019-04-11 日本盛株式会社 高温で保存される清酒の製造方法及び保存方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004254507A (ja) * 2003-02-24 2004-09-16 Takara Shuzo Co Ltd 清酒及びその製造方法
JP2019054743A (ja) * 2017-09-20 2019-04-11 日本盛株式会社 高温で保存される清酒の製造方法及び保存方法

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