JPH0767686A - 低分子量の絹フィブロインペプチドの製造方法 - Google Patents

低分子量の絹フィブロインペプチドの製造方法

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JPH0767686A
JPH0767686A JP5220794A JP22079493A JPH0767686A JP H0767686 A JPH0767686 A JP H0767686A JP 5220794 A JP5220794 A JP 5220794A JP 22079493 A JP22079493 A JP 22079493A JP H0767686 A JPH0767686 A JP H0767686A
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silk fibroin
low molecular
weight silk
fibroin peptide
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Shigeru Takeuchi
茂 竹内
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Shinano Kenshi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品用や化粧品用等に使用される低分子量の
絹フィブインペプチドを安価で提供し得る製造方法を提
供する。 【構成】 絹繊維等を形成する高分子量の絹フィブロイ
ンを中性無機塩によって分解し、食品用や化粧品用等に
使用される低分子量の絹フィブロインペプチドを製造す
る際に、該高分子量の絹フィブロインを中性無機塩によ
り分解した分解物に蛋白質分解酵素による加水分解を施
し、低分子量の絹フィブロインペプチドが溶解された水
溶液を得、次いで、前記水溶液中からの脱塩を電気透析
法によって行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低分子量の絹フィブロイ
ンペプチドの製造方法に関し、更に詳細には食品用や化
粧品用等に使用される低分子量の絹フィブロインペプチ
ドの製造方法に関する
【0002】
【従来の技術】近年、絹繊維等を形成する高分子量の絹
フィブロインを分解して得られる低分子量の絹フィブロ
インペプチドは、食品用や化粧品用等の用途に使用され
る。かかる低分子量の絹フィブロインペプチドの製造方
法としては、特公昭59ー31520号公報等におい
て、絹繊維等を形成する高分子量の絹フィブロインを塩
化カルシウム等の中性無機塩によって分解して得られた
水溶液を、セロファンチューブや繊維状の中空透過膜中
を通過させて透析し、次いで蛋白質分解酵素による加水
分解を施す製造方法が提案されている。また、特開昭6
1ー183298号公報においては、高分子量の絹フィ
ブロインを酸、アルカリ、又は酵素によって一段で加水
分解して得られた水溶液を、電気透析して脱塩する製造
方法も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる製造方法によっ
て、化粧品用途等に使用し得る低分子量の絹フィブロイ
ンペプチド水溶液を得ることができる。しかし、透析後
に蛋白質分解酵素による加水分解を行う製造方法におい
て、酵素の加水分解の際に、通常、酸性又はアルカリ性
化合物を添加して水溶液のpH値調整を必要とするた
め、加水分解終了後に再度脱塩を行うことを要する。こ
のため、製造工程が複雑となる欠点がある。他方、電気
透析を採用した製造方法によれば、電気透析後に再度加
水分解等を行うことを要せず、再度の脱塩工程を不要化
することができるが、高分子量の絹フィブロインを酸、
アルカリ、又は酵素に因り一段で加水分解することに
は、種々の問題がある。
【0004】つまり、酸に因る分解は、例えば日蚕雑6
0(5)、358−362(1991)に記載されてい
る如く、高分子量の絹フィブロインを1Nの塩酸中で1
10℃の加熱処理を行うという過酷な条件を必要とする
ため、得られた分解物のほとんどがアミノ酸となり易
い。このため、分解物の分子量の制御が困難であり、且
つ設備的にも耐酸性の特殊容器を必要とする。また、ア
ルカリに因る分解は、得られた分解物のラセミ化が起
き、食品用としては不適当なものとなる場合がある。更
に、酵素に因る分解も、食品用に適した低分子量、即ち
人体内で消化・吸収可能の低分子量にまで分解すること
は至難のことである。
【0005】この様に、従来の低分子量の絹フィブロイ
ンペプチドの製造方法には、種々の問題点が存在し、食
品用や化粧品用に使用される低分子量の絹フィブロイン
ペプチドを安価に提供することができなかった。そこ
で、本発明の目的は、食品用や化粧品用に使用される低
分子量の絹フィブロインペプチドを安価に供給し得る、
低分子量の絹フィブロインペプチドの製造方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成すべく、先ず、高分子量の絹フィブロインを塩化カ
ルシウム等の中性無機塩によって分解して得られた分解
物に、蛋白質分解酵素による加水分解を施し、低分子量
の絹フィブロインペプチドが溶解された水溶液を得、次
いで前記水溶液をセロファンチューブや繊維状の中空透
過膜中を通過させて透析し脱塩する製造方法を試みた。
かかる製造方法によれば、高分子量の絹フィブロインの
分解をマイルドな条件下で行うことができるため、設備
的にも特別な容器を必要とせず、且つ分解物の分子量の
制御も蛋白質分解酵素の添加量や加水分解時間の調整に
よって可能である。しかしながら、低分子量の絹フィブ
ロインペプチドの収率が約50%と低下するため、低分
子量の絹フィブロインペプチドの製造方法としては工業
的に到底採用できないことが判明した。このため、本発
明者は、更に低分子量の絹フィブロインペプチドの収率
を向上すべく検討した結果、低分子量の絹フィブロイン
ペプチドが溶解された水溶液からの脱塩を、電気透析に
より行うことによって、低分子量の絹フィブロインペプ
チドの収率を著しく向上できることを見出し、本発明に
到達した。
【0007】すなわち、本発明は、絹繊維等を形成する
高分子量の絹フィブロインを中性無機塩によって分解
し、食品用や化粧品用等に使用される低分子量の絹フィ
ブロインペプチドを製造する際に、該高分子量の絹フィ
ブロインを中性無機塩により分解した分解物に蛋白質分
解酵素による加水分解を施し、低分子量の絹フィブロイ
ンペプチドが溶解された水溶液を得、次いで、前記水溶
液中からの脱塩を電気透析法によって行うことを特徴と
する低分子量の絹フィブロインペプチドの製造方法にあ
る。かかる構成を有する本発明において、蛋白質分解酵
素として、プロテアーゼ、ヌクレイシン、パパイン、又
はトリプシンを使用することが、絹フィブロインペプチ
ドの分解に好適である。また、高分子量の絹フィブロイ
ンとして、セリシンを除去した絹繊維を使用することに
よって、高子量の絹フィブロインの分解を容易に行うこ
とができる。更に、脱塩された水溶液を脱水して粉状と
することによって、低分子量の絹フィブロインペプチド
の取扱を容易化できる。
【0008】
【作用】本発明において、高分子量の絹フィブロインを
中性無機塩によって分解して得られた分解物に、蛋白質
分解酵素による加水分解を施すことにより、高分子量の
絹フィブロインをマイルドな条件下で分解することがで
き、且つ分解物の分子量の制御を蛋白質分解酵素の添加
量や加水分解時間を調整することによって行うことがで
きる。尚、蛋白質分解酵素による加水分解の際に、予め
高分子量の絹フィブロインが中性無機塩によって分解さ
れているため、蛋白質分解酵素によって所定の分子量に
まで容易に分解することができる。また、所定の低分子
量に分解された絹フィブロインペプチド水溶液は、電気
透析法によって脱塩され、セロファンチューブや繊維状
の中空透過膜による脱塩に比較して、低分子量の絹フィ
ブロインペプチドの収率を著しく向上することができ
る。この様に、本発明によれば、高分子量の絹フィブロ
インの分解を、分解物の分子量の制御しつつマイルドな
条件下で行うことができ、且つ低分子量の絹フィブロイ
ンペプチドの収率を著しく向上することができる結果、
低分子量の絹フィブロインペプチドを安価に提供するこ
とができる。
【0009】
【発明の概要】本発明においては、先ず、絹繊維等を形
成する高分子量の絹フィブロインを中性無機塩によって
分解する。かかる分解によって、後工程の酵素分解工程
において、所望の分子量まで容易に分解することができ
る。この工程で原料として使用する高分子量の絹フィブ
ロインとしては、セリシンが除去された絹繊維を使用す
ることが好適である。この絹繊維としては、精錬によっ
てセリシンが除去された練絹、絹紡績綿屑、又は絹紡糸
屑等を使用でき、特に絹紡績工程で発生するブーレット
が容易に入手でき最適である。尚、「ブーレット」と
は、絹紡績工程において発生した屑綿であって、炭酸ナ
トリウム水溶液等のアルカリ溶液中で煮沸処理されてセ
リシンが除去されたものをいう。
【0010】また、中性無機塩としては、アルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩、又は硫酸銅を使用することが
でき、特に臭化リチウム又は塩化カルシウムが好まし
い。ここで、中性無機塩の添加量を、0.005〜0.
05モル/高分子量の絹フィブロイン(g)、特に0.
01〜0.04モル/高分子量の絹フィブロイン(g)
とすることが好ましい。中性無機塩の添加量が0.00
5モル/高分子量の絹フィブロイン(g)未満の場合に
は、高分子量の絹フィブロインの分解速度が低下する傾
向にあり、他方、0.05モル/高分子量の絹フィブロ
イン(g)を越えても、高分子量の絹フィブロインの分
解速度の向上効果はほぼ飽和に達している。尚、かかる
中性無機塩による分解温度は、60〜95℃程度で行
い、且つ浴比は、原料である高分子量の絹フィブロイン
に対して2〜50倍とすることが好ましい。
【0011】本発明においては、中性無機塩によって分
解された高分子量の絹フィブロインの分解物を、更に蛋
白質分解酵素によって加水分解する。この様に、高分子
量の絹フィブロインが予め分解されているため、所望の
分子量まで蛋白質分解酵素によって容易に分解できる。
このため、蛋白質分解酵素の添加量や分解時間等を調整
することによって、絹フィブロインペプチドの分子量を
所望値に容易に制御できるのである。かかる蛋白質分解
酵素としては、プロテアーゼ、ヌクレシン、パパイン、
又はトリプシンの一種又は二種以上を混合して使用する
ことができる。これら酵素を使用する際には、分解物を
含有する水溶液のpH値等を、必要に応じて酸性又はア
ルカリ性化合物を添加して酵素活性が発揮される最適値
に調整する。
【0012】この様に、所望の分子量まで分解された低
分子量の絹フィブロインペプチドを含有する水溶液から
の脱塩を、電気透析法によって行う。かかる電気透析法
とは、カチオン交換膜とアニオン交換膜とによって囲ま
れた通路の外側から直流電場を印加し、イオン交換膜に
囲まれた通路中を通過する水溶液中にイオンに電離して
いる無機成分を、各イオン交換膜を通して排出する方法
である。この電気透析法によれば、一般的に無機成分よ
りも分子の大きい有機物はイオン交換膜を通過できない
ため、分解程度が著しく進展した絹フィブロインペプチ
ドでも、脱塩処理された水溶液中に残留する。このた
め、低分子量の絹フィブロインペプチドの収率を向上す
ることができるのである。一方、セロファンチューブや
繊維状の中空透過膜を使用した脱塩では、セロファンチ
ューブや繊維状の中空透過膜の分画分子量が高いため、
分解程度が著しく進展した絹フィブロインペプチドが無
機成分と共に流出し、低分子量の絹フィブロインペプチ
ドの収率が低下する。
【0013】脱塩処理された低分子量の絹フィブロイン
ペプチドを含有する水溶液は、必要に応じて過酸化水素
水等によって脱色・脱臭処理を行ってもよい。使用した
過酸化水素水等は、脱色・脱臭処理後に分解処理を施
す。更に、絹フィブロインペプチドを含有する水溶液に
凍結乾燥等を施し、粉砕して粉状としてもよい。この凍
結乾燥等を行う前に、予備凍結を行うことが好ましい。
得られた分子量が500以下の低分子量の絹フィブロイ
ンペプチドは食品用に提供することができ、分子量が3
000〜2000程度の絹フィブロインペプチドは化粧
品用やその他工業資材用に提供することができる。
【0014】
【実施例】本発明を実施例によって更に詳細に説明す
る。 実施例1 塩化カルシウム2水和物の40%水溶液300mlに、
絹紡績工程で発生したブーレット150gを徐々に加え
た混合物を、100℃にて1時間保温してブーレットを
溶解した。得られた溶液を濾過して夾雑物を除去した
後、水を加えて1000mlとした。得られた水溶液
に、ヌクレイシン(プロテアーゼ活性:50,000単
位)0.6g/lと、プロテアーゼ「アマノ」A(プロ
テアーゼ活性:10,000単位)0.4g/lとを添
加し、攪拌しつつ50℃で所定時間保持して酵素分解を
行った。所定時間経過して所定の酵素分解が行われた水
溶液は、一旦、90℃に昇温して酵素を失活させてから
濾過し、濾液を電気透析機〔旭化成工業(株)、G−3
カートリッジAC−220−400、電極液:硝酸ナト
リウム0.5%水溶液)によって電気透析処理して脱塩
した。更に、脱塩した水溶液に過酸化水素水を加えて脱
色・脱臭処理を行ない、その後、余剰の過酸化水素水を
分解処理した。次いで、脱色・脱臭処理を行なった水溶
液は、予備凍結を凍結器〔東京理化(株)、CA−11
5〕を使用して行った後、凍結乾燥機〔東京理化
(株)、FD−5N〕によって凍結乾燥し、粉砕して粉
末状とした。得られた粉末は、白色・無臭であり、冷水
によく溶けるものであった。
【0015】得られた粉末の収率、脱塩率、及び分子量
分布を下記の方法で計算又は測定した。 収率 (得られた粉末量)/(溶解したブーレット量)×10
0(%) 脱塩率 (透析前塩素濃度−透析後塩素濃度)/透析前塩素濃度
×100(%) 尚、塩素(Cl)濃度は、塩分分析計〔東亜電波
(株)、SAT−2A)を使用した。 分子量分布 TSK gel G2500PW XL カラムを使用したゲル
濾過クロマトグラフィーによって、得られた粉末の分子
量分布を測定した。
【0016】本実施例では、酵素分解時間を種々変更し
て実験を行い、その結果を下記の表1に示す。
【表1】 表1から明らかなように、得られた粉末には、分子量5
00以下の低分子量のものも含まれており、収率も85
%以上とすることができる。また、酵素分解時間を変更
することによって、異なる分子量分布の粉末を得ること
ができる。このため、酵素分解時間によって、得られる
粉末の分子量分布を制御することができる。
【0017】実施例2 実施例1において、酵素の添加量をヌクレイシン(プロ
テアーゼ活性:50,000単位)0.3g/l、プロ
テアーゼ「アマノ」A(プロテアーゼ活性:10,00
0単位)0.2g/lと変更した他は、実施例1と同様
に実施して得られた結果を表2に示す。
【表2】 表1と表2とを比較すると、分解酵素の添加量によって
も分解速度を制御することができる。このため、酵素添
加量によっても、得られる粉末の分子量分布を制御する
ことができる。
【0018】比較例1 実施例1の電気透析機を使用した脱塩法に代えて、セル
ロースチューブ〔VISKASE SALES CORP. 製、uc−36
−32−100〕を使用し、蒸留水の流水中に浸漬され
たセルロースチューブ内を濾液を流すと共に、セルロー
スチューブの外側を流れて流出してきた蒸留水が0.1
Nの硝酸銀水溶液を添加しても白濁しなくなるまで脱塩
する脱塩法を採用した他は、実施例1と同様に行った。
得られた結果を表3に示す。
【表3】
【0019】比較例2 実施例1の電気透析機を使用した脱塩法に代えて、中空
糸モジュール〔旭化成工業(株)、uFモジュール、SE
P−1013〕を使用し、中空糸内に濾液をポンプで循
環させると共に、中空糸の外側から流出してきた液が
0.1Nの硝酸銀水溶液を添加しても白濁しなくなるま
で脱塩する脱塩法を採用した他は、実施例1と同様に行
った。得られた結果を表4に示す。
【表4】 表3及び表4から明らかなように、得られた粉末中に含
まれる、分子量500以下のものは微量であり、収率も
高々63.9%である。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、最終的に得られる水溶
液中に含まれる低分子量の絹フィブロインペプチドの分
子量の制御を容易に行うことができ、且つ低分子量の絹
フィブロインペプチドの収率を著しく向上できる。この
ため、種々の用途に適合した分子量の絹フィブロインペ
プチドを安価に提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 14/435 8318−4H

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絹繊維等を形成する高分子量の絹フィブ
    ロインを中性無機塩によって分解し、食品用や化粧品用
    等に使用される低分子量の絹フィブロインペプチドを製
    造する際に、 該高分子量の絹フィブロインを中性無機塩により分解し
    た分解物に蛋白質分解酵素による加水分解を施し、低分
    子量の絹フィブロインペプチドが溶解された水溶液を
    得、 次いで、前記水溶液中からの脱塩を電気透析法によって
    行うことを特徴とする低分子量の絹フィブロインペプチ
    ドの製造方法。
  2. 【請求項2】 蛋白質分解酵素が、プロテアーゼ、ヌク
    レイシン、パパイン、又はトリプシンである請求項1記
    載の低分子量の絹フィブロインペプチドの製造方法。
  3. 【請求項3】 高分子量の絹フィブロインとして、セリ
    シンを除去した絹繊維を使用する請求項1記載の低分子
    量の絹フィブロインペプチドの製造方法。
  4. 【請求項4】 脱塩された水溶液を脱水して粉状とする
    請求項1記載の低分子量の絹フィブロインペプチドの製
    造方法。
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