JPH0768043B2 - 窒化アルミニウム超微粒子の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム超微粒子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は素材として優れた特性が注目され,利用が計ら
れようとしている,直径1μm以下の窒化アルミニウム
超微粒子の製造方法に関する。
(従来の技術および問題点) 例えば、近着の金属材料技術研究所研究報告集7(1986
年報)掲載の論文『水素プラズマによる金属超微粒の製
造とその利用に関する研究』に見られる如く、近時、ア
ークまたはプラズマジエツトにより窒素を主成分とした
高温活性ガスを発生させ、当該高温活性ガスによつて各
種の金属を溶融・蒸発させ、窒化反応により金属窒化物
の超微粒子を得んとする試みがなされつつある。
ところで、上記論文第69頁の記載「金属あるいは窒化物
を出発物質とし,100%窒素ガスからなるアークプラズマ
により作成された超微粒子の組成は金属元素の種類によ
つて変化し、チタニウムやジルコニウムの場合には窒化
物超微粒子のみが得られ、アルミニウムの場合は金属ア
ルミニウムの超微粒子と窒化アルミニウム超微粒子との
混合物が得られ、また珪素の場合には珪素の超微粒子の
みが得られる」とし、かつ「上記現象は金属元素との新
和力の大小によつて影響を受ける結果と予想される」と
しているように、アルミニウムの窒化物超微粒子を得ん
とする場合には、金属アルミニウムの超微粒子の混入を
回避出来ないのが一般に認識されている現状である。
しかし乍ら、本願出願人は上記文献(以下第1文献と云
う)の公開以前から高純度窒化アルミニウム超微粒子の
製造を目的として鋭意研究を進めており、当該第1文献
に先立ち、金属アルミニウムの混入がない高純度窒化ア
ルミニウム超微粒子の製造方法を発明し、昭和60年1月
28日付け特願昭60−12668号をもつて出願している。当
該先行発明の内容とするところは、雰囲気および高温プ
ラズマの成分を窒素,水素、または窒素と水素との化合
物、および必要に応じて添加される不活性ガスとし、高
周波エネルギーにより発生した高温プラズマフレームを
水冷ハース上の金属アルミニウム・バルクに作用させ、
当該金属アルミニウム・バルクからデンドライト(樹枝
状の結晶)を生成のうえ、当該デンドライトから溶融し
て蒸発する粒子が、高温反応性プラズマ中を通過して雰
囲気中へ拡散するようにして高純度の窒化アルミニウム
超微粒子を得るにある。
ところで、上記先行発明は高純度の窒化アルミニウム超
微粒子が得られるものの、デンドライトの生成とそれか
らの溶融・蒸発という2段階を経るため、生成速度が10
0gr/hrであつて、少量生産には適するものの、大量生産
には向かず、如何にして生産性を向上させるかが課題と
されていた。
(発明に至る過程) 本発明者は、本発明を完成するに至る過程で各種の実験
を試みた。
第一に、前掲第1文献はアークプラズマを用いているの
で、本発明者は上記同様100%の窒素ガス成分を高周波
プラズマにより高温プラズマ化して金属アルミニウム・
バルクに作用させたところ、やはり第1文献とほぼ同様
の結果(金属アルミニウムの超微粒子70%,窒化アルミ
ニウムの超微粒子30%)を得た。当該実験結果から、10
0%の窒素ガス成分では高温プラズマ化エネルギー付与
手段の如何に拘わらず、得られる超微粒子に金属アルミ
ニウムの混入を回避し得ないことが確認されるととも
に、前掲先行発明における「窒素,水素、または窒素と
水素との化合物」を雰囲気および高温プラズマの成分と
することが的を得ていることが追認された。
第二に、大量生産性を確保するためには、先行発明にお
ける,デンドライトの生成とそれからの溶融・蒸発とい
う2段階過程は不適当であり、金属アルミニウムを溶解
・蒸発させた蒸気から直接窒化物を得るようにすべきで
あるとの見解から、高周波エネルギにより高温プラズマ
化されるコアガス中に金属アルミニウムの粉末を載せて
キヤリアガスを兼務させる実験を行つた。当該実験は,
コアガスの成分条件ならびに粉末供給量を種々替えて行
つたにも拘わらず,それまで安定していた高周波プラズ
マがコアガス中に金属アルミニウム粉末を混入し始める
と直ちに消滅し、実験は不成功に終わつた。
次いで、本発明者は金属アルミニウム粉末をコアガス以
外の輸送手段で高周波プラズマ中へ投入する方法を模索
した。当該方法は「1977年日本鉱業会秋季大会分科研究
会講演集;高周波プラズマによる粉体処理」(以下第2
文献と云う)に記載されている如く、粉体(純鉄)を高
周波プラズマ中へ自由落下させた場合,magnetic pumpin
g effectに起因して,殆どプラズマ中を通過せず、プラ
ズマの境界ではじきとばされてしまうので、従来から不
可能視されていた。
然し、本発明者は上記現象の発生を克服すべく実験を重
ね、先行発明をさらに進展させて本発明をなすに至つ
た。
(発明の目的) 本発明は、高周波エネルギーを用いて金属アルミニウム
から窒化アルミニウム超微粒子を製造する場合の、先行
技術に存する問題点を解決し、かつ先行発明に存する課
題に応ずるためになされたもので、高純度の窒化アルミ
ニウム超微粒子を高い生産性をもつて製造可能な方法を
提供することを目的とする。
(発明の構成) 本発明の構成は、 (1)窒素を主たる成分とするガスを高周波エネルギー
により高温プラズマ化し金属アルミニウムに作用せしめ
て窒化アルミニウム超微粒子を得る場合において、 (2)金属アルミニウム粉末を含むキヤリアガスを上記
プラズマフレーム中に周方向から連続的に強制導入する
とともに、 (3)上記キヤリアガス導入後のプラズマフレーム中の
やや温度が低い周縁部へアンモニアガスを連続的に導入
するようにした ことを特徴とする窒化アルミニウム超微粒子の製造方法
にある。
即ち、本発明は以下の2点を構成の特徴とするにある。
前掲第2文献に見られるmagnetic pumping effectを
抑止するため、プラズマフレーム中に金属アルミニウム
粉末が含まれるキヤリアガスを周方向から連続的に強制
導入するように構成する。
前掲第1文献ならびに第1文献におけるアークプラズ
マを高周波プラズマに替えて行つた実験と先行発明との
対比考察から、金属アルミニウムが溶解・蒸発して生成
した蒸気はプラズマフレーム中心の10000K以上もある極
めて高温の領域では活性化した窒素と遭遇して窒化され
るが、逆に金属アルミニウムと窒素とに解離され易く、
言わば AlNAl+N 現象を盛んに繰り返しており、AlN状態への定着はプラ
ズマ中でやや温度の低い周縁部で活性化してはいるもの
の、完全に分解していない窒素と水素との混合ガスない
し化合ガス中の窒素と遭遇し、逆現象が生じないでプラ
ズマフレーム外へ拡散すると判断され、当該判断に基ず
いて、金属アルミニウム粉末が必ずしもプラズマフレー
ム中心に達する必要はなく、溶解・蒸発する温度領域に
可及的長時間滞留すればよい構成、および蒸気がプラズ
マ中でやや温度の低い周縁部で活性化した窒素と遭遇す
る構成をとる。
(実施例) 本発明方法を第1図および第2図として示す一実施例に
従つて以下に詳述する。
第1図は実施例装置の全体を示し、Chはチヤンバ,10は
チヤンバChの上部に配置された高周波高温プラズマ発生
装置,20は高周波高温プラズマ発生装置10とチヤンバCh
との間に配置された原料供給装置である。
上記高周波高温プラズマ発生装置10は耐熱材製トーチ1
1,高周波電源Eおよび当該高周波電源Eに接続されるコ
イルCとからなり、上記トーチ11は外管111および内管1
12として示す二重管で、外管111の一方端面が上記原料
供給装置20と接続して開口し、当該外管111の閉とされ
た他方端面を内管112が貫通して所定位置に開口してい
る。上記コイルCは外管111の一重となつている外周に
卷回されている。上記トーチ11には、内管112の外管111
外とされている部分の,例えば閉端面に開口する導管12
から高温プラズマ発生用ガス(以下コアガスと云う)と
して窒素または窒素と不活性ガスである例えばアルゴン
との混合ガスG1が、また外管111の閉端面近傍に開口す
る導管13から当該外管111の管壁冷却用ガスとして窒素
ガスG2がそれぞれ導入可能に構成されている。
上記原料供給装置20は、本実施例では内径を前記外管11
1の内径と同径とした環状管部材からなり、管内は軸線
直角方向の仕切り壁21により室2Aおよび2Bに区画されて
いる。室2Aは,第2図に示される如く,内周壁に複数の
貫通孔s1が孔設されており、かつ室内に導管22を介して
金属アルミニウム粉末を載せて輸送するキヤリアガスG3
……例えば窒素ガスを供給可能である。而して、上記複
数の貫通孔s1それぞれは外管111内に発生するPとして
示す高周波高温プラズマフレーム(以下プラズマフレー
ムと云う)の接線方向,もしくは接線方向より所定角度
範囲中心向き方向を指向する如く所定間隔を隔てる内周
壁を同一向きに斜めに貫通している。室2Bも室2A同様内
周壁に複数の貫通孔s2が孔設されており、かつ室内に導
管23を介してアンモニアガスG4を供給可能である。而し
て、上記複数の貫通孔s2それぞれは前記貫通孔s1と同じ
向きでプラズマフレームPの接線方向を指向する如く内
周壁を斜めに貫通している。
上記チヤンバChの所定位置には導管3の一方端が開口し
ており、当該導管3の他方端はフイルタ41を備えた捕集
器4を介して図示しないガス吸引装置に接続されてい
る。
以上の構成からなる装置を用いて、窒化アルミニウムの
超微粒子を製造する場合を以下に述べる。
先ずガス吸引装置を駆動させてチヤンバCh内の空気を排
出し、代わりに導管12からコアガスG1を流入してチヤン
バCh内に雰囲気を形成する。次いで高周波電源Eを投入
して誘導コイルCに通電する。コアガスG1はコイルCが
外周に卷回されている外管111内高周波エネルギー付与
領域において点火され、高温プラズマ化する。同時にガ
スG2を導管13から導入して外管111の管壁の冷却を開始
する。プラズマフレームPの安定を確認のうえ、原料供
給装置20の室2Aへは定量の金属アルミニウム粉末を載せ
たキヤリヤガスG3を,また室2BへはアンモニアガスG4
を,それぞれ所定の流量に従つて供給する。
室2Aへ供給されたキヤリヤガスG3は複数の貫通孔s1から
プラズマフレームPの接線方向,もしくは接線方向より
所定角度範囲中心向き方向を指向して噴出し、プラズマ
フレームPの周囲に方向性をもつた渦流を形成する。当
該渦流の内側は複数の貫通孔s1から後続するキヤリヤガ
スG3の噴出流に押されてプラズマフレームPの中心方向
へと順次移動し、キヤリヤガスG3に載さられている金属
アルミニウム粉末は高温域(必ずしもプラズマフレーム
Pの中心域ではない)を渦流に従つて浮遊状態で周回移
動することとなる。この場合、後続するキヤリヤガスG3
の噴出流がmagnetic pumping effectを抑止し、金属ア
ルミニウム粉末がプラズマフレームP外にはじき飛ばさ
れる虞はない。
高温のプラズマフレームP内を渦流に従つて浮遊する金
属アルミニウム粉末は溶解・蒸発して金属蒸気となり、
活性化された窒素と盛んに結合・解離を繰り返しつつ次
第に集合して下降する。下降する超微粒子は、直ちに室
2Bへ供給され,プラズマフレームP中のやや低温の周縁
部に接線方向を指向して噴出する如く導入されたアンモ
ニアガスG4の噴出流により渦流が形成され、かつプラズ
マフレームPの高温により温度が十分上昇している領域
に達し、活性化してはいるものの,完全に窒素と水素と
に分解してはいない窒素と遭遇して窒化され、当該状態
を維持したままプラズマフレームP外へと拡散する。
チヤンバCh内に拡散した窒化アルミニウムの超微粒子の
一部は諸ガスともども作動中の吸引装置により導管3へ
と吸引され、捕集器4のフイルタ41に捕獲され、一部は
チヤンバCh内壁と導管3の管壁に付着する。
尚、チヤンバCh内の雰囲気ガス圧は、プラズマフレーム
Pが安定して得られる圧力とされればよく、例えば常
圧、下限は通常400Torr程度である。
(実験例) 本発明者が行つた実験例を以下に示す。
☆使用装置;第1図に示す装置を使用した。
☆電源;周波数……4MHz 出 力……35KW ☆原料;金属アルミニウム粉末 純度……99.98% ☆実験方法;第1図に示す装置を使用し、ガスG1,G2,G3
およびG4それぞれの流量とガスG3に載せる原料粉末とを
下記の如く設定して窒化アルミニウム超微粒子を製造す
る実験を実施した。
○コアガスG1:Ar……18/min N2……15/min ○冷却ガスG2:N2……21/min ○キヤリヤガスG3: N2…5/min 原料粉末……約10g/min (約600g/hr) ○アンモニアガス(NH3)G4:……20/min ☆結果;捕集器4のフイルタ41に捕獲された超微粒子お
よびチヤンバChの内壁と導管3の管壁に付着した超微粒
子とを掻き落とし、総重量を計測したところ、原料粉末
重量とほぼ等しい超微粒子が得られた。
また、得られた超微粒子をX線回折試験に付して純度を
調査したところ、極めて高純度の窒化アルミニウム超微
粒子が生成していることが確認された。
(発明の作用) 本発明は、キヤリヤガスG3をmagnetic pumping effect
を抑制する如く噴出させてプラズマフレームP中に強制
導入する作用、当該キヤリヤガスG3に載せられている金
属アルミニウム粉末を高温域に可及的に長時間浮遊させ
て溶解・蒸発させて金属蒸気とする作用、当該金属蒸気
が活性化された窒素と盛んに結合と解離を繰り返しつつ
次第に集合して微粒子となつて下降しプラズマフレーム
P外へと拡散する過程で活性化してはいるものの,完全
に窒素と水素とに分解してはいないアンモニアガスG4中
の窒素に遭遇して窒化,かつ当該状態を維持したままプ
ラズマフレームP外へ拡散せしめる作用がある。
(他の実施例) 上記実施例ならびに実験例では、コアガスG1をアルゴン
と窒素の混合ガスとした場合を挙げて説明したが、コイ
ルCの整合が良好でプラズマフレームPの安定が得られ
るならば、原料供給装置20へのキヤリヤガスG3およびア
ンモニアガスG4供給に先立つて、高価なアルゴンガス含
有%を順次減らし、コアガスG1を窒素ガス100%とする
ことも可能であり、ランニングコスト低減に大きく貢献
することが可能となる。
また実施例ならびに実験例では、キヤリヤガスG3を窒素
とした場合を挙げて説明したが、その成分はアンモニア
ガスあるいはアルゴンその他の不活性ガスでも良く、プ
ラズマフレームPの安定のためには可及的にプラズマ化
し易いガスの使用が望ましく、かつプラズマフレームP
の安定が得られるならば、可及的に低廉なガスの使用が
望ましく、結論としてキヤリヤガスG3の種類を問うもの
ではない。
さらに上記実施例ならびに実験例では、環状管部材から
なる原料供給装置20を設けた場合を挙げて説明したが、
プラズマフレームP中にキヤリヤガスG3を強制導入可能
な構成、およびプラズマフレームP中の周縁部にアンモ
ニアガスG4を導入可能な構成を用いるならば、本発明と
同様な作用および当該作用から同一の効果が得られるの
で、その構造の如何にを問わず本発明の設計事項の範囲
に属すこと勿論である。
(発明の効果) 本発明によれば、高純度の窒化アルミニウム超微粒子
を、先行発明に従つた場合の生産量に比し6倍以上の高
効率で製造可能となり、これにより生産コストが大幅に
低減され、従つて多くの産業分野で当該素材の具える優
れた性質を安価かつ豊富に活用出来ることとなり、本発
明からされる効果は甚大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の一実施例装置を示す断面正面図、
第2図は第1図におけるX−X線平面断面である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒素を主たる成分とするガスを高周波エネ
    ルギーにより高温プラズマ化し金属アルミニウムに作用
    せしめて窒化アルミニウム超微粒子を得る場合におい
    て、金属アルミニウム粉末を含むキヤリアガスを上記プ
    ラズマフレーム中に周方向から連続的に強制導入すると
    ともに、上記キヤリアガス導入後のプラズマフレーム中
    のやや温度が低い周縁部へアンモニアガスを連続的に導
    入するようにしたことを特徴とする窒化アルミニウム超
    微粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】キヤリアガスの成分がプラズマ化し易いガ
    スである特許請求の範囲第1項記載の窒化アルミニウム
    超微粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】プラズマフレーム中に強制導入するキヤリ
    アガスの指向方向が当該プラズマフレームの周囲に等間
    隔を隔てて同一向きとした複数の接線方向,もしくは接
    線方向より所定角度範囲中心向きである特許請求の範囲
    第1項記載の窒化アルミニウム超微粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】プラズマフレームの周縁部へ導入するアン
    モニアガスの指向方向が当該プラズマフレームの周囲に
    等間隔を隔て,かつキヤリアガスの指向方向と同一向き
    とした複数の接線方向である特許請求の範囲第1項記載
    の窒化アルミニウム超微粒子の製造方法。
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