JPH0770858A - カサ高紡績糸およびその製造方法 - Google Patents

カサ高紡績糸およびその製造方法

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JPH0770858A
JPH0770858A JP20928693A JP20928693A JPH0770858A JP H0770858 A JPH0770858 A JP H0770858A JP 20928693 A JP20928693 A JP 20928693A JP 20928693 A JP20928693 A JP 20928693A JP H0770858 A JPH0770858 A JP H0770858A
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茂 大前
Yasunari Tsuruta
康成 鶴田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】繊維束の幅方向にドラフト倍率が次第に高くな
っている1つの繊維束を精紡してなる紡績糸であって、
前記繊維束を構成するドラフト倍率の低い単繊維群を中
心に前記繊維束を構成するドラフト倍率の高い単繊維群
が順次巻回されてなり、かつ実ヨリを有することを特徴
とするカサ高紡績糸。一対のテーパーローラからなるフ
ロントトップローラおよびフロントボトムローラを有す
るリング精紡機により、繊維束の幅方向に送り出し量を
次第に高くなるように変更した1つの繊維束を精紡し、
続いて実ヨリを付与することを特徴とするカサ高紡績糸
の製造方法。 【効果】均一で丸みがあり、ふくらみ、嵩高性に優れた
紡績糸を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紡績糸を構成する単繊
維間の空隙を増し、均一で丸みがあり、カサ高性に優れ
た紡績糸およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、リング精紡機のフロントローラか
ら出た単繊維群(フリース)は、幅方向に沿ってすべて
の単繊維が一定に送り出されることから、ヨリ掛け時点
でフリースの両端の単繊維はフリース中央付近の単繊維
に比べわずかであるが糸の中心軸に向かって伸ばされな
がら収束された状態で糸となる。このため紡績糸は締ま
ってカサ高性がなくなり、製品では重く反発性の少ない
しかも堅いものとなる欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの改善として特
開昭60−185831では嵩高性のある紡績単糸およ
びその製造方法が提案されている。これはフロントロー
ラを2段のローラ要素区画に分け粗糸2本を用い、それ
ぞれ送り出し量を変更してドラフトの低いフリースにド
ラフトの高いフリースを巻き付けるというものである。
これら送り出し量の変更としては、ボトムローラを2つ
の要素に分け、回転数が個別に変わるようにしたり、ボ
トムローラを2段からなる外径を有するローラに変更す
る手法が提案されている。
【0004】しかしながら、これらの方法では、送り出
し量変更要素が2段であることから2層構造糸となり糸
に丸みがなく、糸全体としての嵩高性はさほど得られな
いという欠点を有していた。
【0005】また、さらに多層化を狙って、3段階に送
り出し量を変えようとする提案がそこでなされている
が、3層構造糸としても糸の丸みには欠け、しかも1錘
間に3本の粗糸を用いる必要がある他、3段階に送り出
し量を変えることは装置的にも大掛かりで複雑になるの
で工業的製造には不利である。
【0006】本発明は、上述のごとき欠点を改善せんと
するものであって、構成する単繊維間の空隙を増し、均
一で丸みがあり、嵩高性に優れるカサ高紡績糸、および
その製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、次の構成からなる。
【0008】すなわち、繊維束の幅方向にドラフト倍率
が次第に高くなっている1つの繊維束を精紡してなる紡
績糸であって、前記繊維束を構成するドラフト倍率の低
い単繊維群を中心に前記繊維束を構成するドラフト倍率
の高い単繊維群が順次巻回されてなり、かつ実ヨリを有
することを特徴とするカサ高紡績糸である。
【0009】さらに、一対のテーパーローラからなるフ
ロントトップローラおよびフロントボトムローラを有す
るリング精紡機により、繊維束の幅方向に送り出し量を
次第に高くなるように変更した1つの繊維束を精紡し、
続いて実ヨリを付与することを特徴とするカサ高紡績糸
の製造方法である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明のカサ高紡績糸は、リング精紡機に
供給されドラフトされつつある1つの繊維束を、その幅
方向に沿ってドラフトが次第に高くなるように変更し、
幅方向にあるそれぞれ単繊維のフロントローラから出る
送り出し量をわずかづつ変更して、単繊維の集団化を防
ぎ、一本一本の単繊維を送り出し量の低いものから順に
糸形成させるものである。
【0012】特開昭60−185831に提案されてい
る紡績単糸では、複数のスライバー状繊維束を2段階あ
るいは3段階に送り出し量を変更して糸形成させるもの
なので、各供給繊維束間の送り出し量は変えられても1
つの繊維束の中では送り出し量が同一である。したがっ
て、各層繊維束の単繊維は集団化した状態で糸形成がな
され、各層間は分離した2層あるいは3層構造糸とな
り、各供給繊維束が杢糸状に巻付いた紡績糸である。
【0013】それに対し、本発明のカサ高紡績糸は1つ
の繊維束の中で次第に送り出し量(ドラフト倍率)が変
更され、繊維束を構成するドラフト倍率の低い単繊維群
を中心にドラフト倍率の高い単繊維群が順次巻回されて
なり、かつ実ヨリを有するものであるので、前述の紡績
単糸とは全く異なるものである。
【0014】従来の精紡工程でドラフトされフロントロ
ーラに把持されたフリースは、一定の幅を有し、均一な
厚さでしかも単繊維が並んだ状態で加撚される。
【0015】本発明においては、フリースの片端から他
端の単繊維の送り出し量を順次変更させ、同時に加撚す
るのである。
【0016】さらに詳しくは、まず送り出し量の少ない
フリース片端の単繊維数本が芯となり、紡績糸の中心部
を構成する。次にこれら片端の単繊維から他端方向に配
置された単繊維を先の単繊維の送り出し量よりわずかに
多くし、中心部を構成した芯の繊維束に巻回させる。さ
らにその他端方向隣りに配置する単繊維の送り出し量を
各々わずかづつ次第に遅らして順次巻回させ、紡績糸を
形成させるものである。
【0017】したがって本発明の紡績糸は上述のごと
く、一本一本の単繊維の送り出し量を変更させ紡績糸を
形成させることから、ごく自然なカサ高紡績糸となり、
糸内の中心から紡績糸表層にいたる単繊維間で均一な空
隙を有し、優れたカサ高性を有するとともに均一で丸み
のある紡績糸となる。さらに本発明のカサ高紡績糸を用
いた製品は軽目付で反発性良好なものとなる。
【0018】次に、本発明のカサ高紡績糸の製造方法を
説明する。
【0019】図1は、本発明のカサ高紡績糸の製造方法
の一例を示す工程概略図である。
【0020】図1は、精紡機のドラフト、加撚の概要を
示すもので、精紡機に供給されるスライバーや粗糸1が
トランペット2からバックローラ3に供給され、エプロ
ンドラフトゾーン4を経て一対のフロントトップローラ
5およびフロントボトムローラ6に把持される。
【0021】図2は、本発明で用いるテーパーボトムロ
ーラの一例を示す正面図である。
【0022】図3は、本発明で用いるテーパートップロ
ーラの一例を示す正面図および側面図である。
【0023】ボトムローラ6は図2のごとく、スピンド
ルに対応して1錘づつテーパー形状とする。
【0024】これらフロントボトムテーパーローラ6に
対応するように図3に示すごとく同一テーパー方向で表
面がゴムコットからなる一対のトップローラを従来のト
ップローラと同様にペンジョラムアーム8に装着し荷重
をかけるようにする。
【0025】テーパボトムローラ6の直径aやテーパー
作用幅b、テーパー部平均直径fは特に限定されず、従
来精紡機各種のボトムローラに準じた径および幅でよ
い。左右テーパーローラ中央間距離cはスピンドルゲー
ジにあわせる。テーパー方向も特に左右同方向でもよい
が、図2のごとく左右反対方向にし、トップローラに巻
き付いた繊維を簡単に除去できるようにするのがよく、
外側に小径gがくるようにテーパー化するのが好まし
い。
【0026】テーパ角度αはボトム中心軸に対し2〜9
度の範囲が好ましく、2度未満ではフリース幅に対する
ドラフト変更量が小さすぎる。9度を越えるようになる
と、フリース両端の送り出し量の差が大きすぎ、嵩高性
は得られるものの耐しごき性が劣るほか紡績糸がつぶれ
易く変形し易すいものとなり製品がふかつくようになる
傾向がある。テーパ角度αは4〜6度であることがより
好ましい。
【0027】ボトムローラ表面の溝の有無は特に限定さ
れず、溝なしでは把持力の点が劣る。またテーパである
ことから溝の切削加工の点を考慮すると太径部hを深く
し、細径方向に浅くしても良い。
【0028】トップローラは表面にゴムコット7を装着
し、ボトムローラテーパ部と同一方向とする。作用幅も
ボトムテーパ幅と同様かやや小さめでも良い。ローラ径
はテーパ中央部の直径αが従来精紡機固有のローラ径に
合わすのが良い。またローラ軸も、装着する精紡機のペ
ンジョラムアーム8に合わせ決めるのが良い。
【0029】テーパー角度はボトムテーパー角度と同一
とすることが重要である。角度が異なると均一な圧力が
かけられない他、ゴムローラの損傷が早くなる。
【0030】またトップローラの中心軸はスムースな回
転を得ることからボトムローラ中心軸と同一平面上にく
るようにセットすることが重要である。
【0031】トップローラに用いるベアリングは特に限
定されないが、自動調芯型ベアリングを用いるのがよ
い。またトップローラに巻くゴムコットの種類、硬度な
ど特に限定するものではない。
【0032】上述のごとく、一対のテーパローラからな
るボトムローラ、トップローラを装着させ、通常の方法
でスライバや粗糸を把持させる。
【0033】フリース幅方向に沿ってドラフトが変わ
り、細径部に把持された単繊維から順次送り出し量が次
第に高くなり、本発明のカサ高紡績糸を得ることができ
る。
【0034】フリースセンターはできる限りボトムテー
パーローラの中央付近にくるようにコレクタ等でコント
ロールするのが良い。
【0035】またさらにカサ高性に富んだものを得よう
とする場合は、フリース幅を広げることにより得られ
る。この場合均一にフリース中の単繊維を広げる点か
ら、数本の粗糸を同時に供給しても良い。
【0036】
【実施例】
[実施例1、比較例1]通常の2インチ(スピンドルゲ
ージ70mm、豊和製200錘)リング精紡機を用い、ポ
リエステル(東レ(株)製“テトロン”) 3d ×51mm 1
00% を通常の紡績方法で粗糸を作成した。
【0037】粗糸条件は1/1S(メートル方式)であっ
た。これら粗糸を比較糸作成のため上記精紡機に仕掛
け、トータルドラフト30倍、番手1/30、ヨリ係数K=3.
0 で紡績糸とした(比較例1)。
【0038】次にフロントボトムローラおよびトップロ
ーラを次のように加工したものと入れ替えた。ドラフト
駆動方式などは比較糸と同一とした。
【0039】まずボトムローラのネック部の径24φとし
て、テーパの太径部31.158φ、テーパ中央部径28.5φ、
小径部25.81 φ、テーパ幅34mm、テーパ角度 4°45′と
し、ペンジョラムアームに対して左右反対方向で左端、
右端が小径になるように加工した。これらをスタンド間
に6錘立てとし、ねじでつなぎあわせた。
【0040】また一対のトップローラはボトムローラテ
ーパ方向と同一とし、鉄芯ローラ径26φ、ゴムコット幅
30mmとしてトップローラ幅中央部径が従来トップローラ
径と同様35φになるようにゴムコットを入れテーパ角度
4°45′で研磨加工しゴム硬度83°、材質は従来と同様
とした。
【0041】テーパトップローラの内部には自動調芯型
ベアリング(NSK社製、形式108WA )を入れ、ボトム
ローラ中心軸上の同一平面でのみ自在に動くようにカラ
を入れ、ペンジョラムアーム装着部は従来トップローラ
と同様径11φ、幅22.5mmとした。
【0042】以上のごとく加工したボトムローラおよび
トップローラを装着し、上記従来精紡機で得た紡績糸と
同一条件で本発明のカサ高紡績糸を紡出した。
【0043】粗糸のトラバースは行わず、テーパボトム
ローラ幅の中央付近にドラフトされたフリースのセンタ
ーがくるように設定し、フリース幅はコレクタ幅6mmを
用いコントロールした。
【0044】フロントテーパローラから出たフリース
は、テーパ細部に位置するフリース端にヨリが昇り紡績
糸の芯を形成し、つづいて順次テーパ太径方向のそれぞ
れの単繊維がこれら表面に巻回しふくらみのある均一な
紡績糸を得た。
【0045】従来精紡機で紡出した同一素材、番手、ヨ
リ数の紡績糸(比較例1)と上記本発明のカサ高紡績糸
を同一条件でヨコ打ち込みしたところ、表1に示すよう
に比較糸対比、目付が8%減少し、カサ高度が22%増
加した。なお、カサ高度は、JIS L1096(一般
織物試験法)に準じて測定したものである。
【0046】さらに本発明のカサ高紡績糸は比較糸に比
べ、順次単繊維が表面に巻き付くことから、毛羽の少な
いヨリ目のきれいな紡績糸であった。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】以上のごとく、本発明のカサ高紡績糸
は、均一で丸みがあり、ふくらみ、嵩高性に優れた紡績
糸で、その製造方法もシンプルで汎用性が高いという利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカサ高紡績糸の製造方法の一例を示す
工程概略図である。
【図2】本発明で用いるテーパーボトムローラの一例を
示す正面図である。
【図3】本発明で用いるテーパートップローラの一例を
示す正面図および側面図である。
【符号の説明】
1:粗糸 2:トランペット 3:バックローラ 4:エプロンドラフトゾーン 5:フロントトップローラ 6:フロントボトムローラ 7:ゴムコット 8:ペンジョラムアーム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維束の幅方向にドラフト倍率が次第に高
    くなっている1つの繊維束を精紡してなる紡績糸であっ
    て、前記繊維束を構成するドラフト倍率の低い単繊維群
    を中心に前記繊維束を構成するドラフト倍率の高い単繊
    維群が順次巻回されてなり、かつ実ヨリを有することを
    特徴とするカサ高紡績糸。
  2. 【請求項2】一対のテーパーローラからなるフロントト
    ップローラおよびフロントボトムローラを有するリング
    精紡機により、繊維束の幅方向に送り出し量を次第に高
    くなるように変更した1つの繊維束を精紡し、続いて実
    ヨリを付与することを特徴とするカサ高紡績糸の製造方
    法。
  3. 【請求項3】フロントボトムローラのテーパー角度が、
    フロントボトムローラの中心軸に対し2〜9度の範囲で
    あることを特徴とする請求項2に記載のカサ高紡績糸の
    製造方法。
  4. 【請求項4】フロントトップローラがフロントボトムロ
    ーラの中心軸と同一平面上にあり、該フロントトップロ
    ーラのテーパー方向およびテーパー角度が該フロントボ
    トムローラと同一であることを特徴とする請求項2に記
    載のカサ高紡績糸の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100332037B1 (ko) * 1999-01-20 2002-04-10 오제키 무쓰히로 숭고사의 제법
CN114635212A (zh) * 2022-02-14 2022-06-17 江南大学 一种偏心结构竹节纱生产装置及生产方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100332037B1 (ko) * 1999-01-20 2002-04-10 오제키 무쓰히로 숭고사의 제법
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