JPH0770866A - 織物紐及びその製造方法 - Google Patents

織物紐及びその製造方法

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JPH0770866A
JPH0770866A JP5207616A JP20761693A JPH0770866A JP H0770866 A JPH0770866 A JP H0770866A JP 5207616 A JP5207616 A JP 5207616A JP 20761693 A JP20761693 A JP 20761693A JP H0770866 A JPH0770866 A JP H0770866A
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JP
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woven
warp
pattern
string
weft
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JP5207616A
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English (en)
Inventor
Kenji Kawabata
健治 河端
Yoshihiro Yamamoto
良弘 山本
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SHIOTANI KIRIYOU KK
Original Assignee
SHIOTANI KIRIYOU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複数本の経糸a〜eと連続糸からなる緯糸4か
ら構成される織物紐であって、複数本の経糸が筒状に配
置させるとともに浮き組織によって模様を形成すること
により、織物紐の表面と裏面で別個独立の模様を得る。 【構成】表柄用経糸(a〜c)のみを独立してジャカー
ド織機を用いて開口運動を行い、裏柄用経糸(d〜e)
のみを独立してジャカード織機を用いて開口運動を行
う。そして、表柄用経糸の開口部に緯糸4を往方向から
通過させ、筬打ちし、次いで裏柄用経糸の開口部に緯糸
を復方向から通過させて、筬打ちし、経糸を筒状に織り
上げるとともに浮き組織によって模様を形成する。この
様にすると袋織物組織が形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は織物紐及びその製造方法
に関する。さらに詳しくは、ジャカード機を用い、シャ
ットル織機またはニードル織機により、筒状織物を織成
するとともに、表面と裏面に独立の模様を形成した紐及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】靴紐などの細い紐は、通常単色糸を使っ
た組紐で組織されている。組紐は編組装置を用いて、例
えば8つ打ち(8本の糸を使った組織)、16打ち(1
6本の糸を使った組織)などに組み上げられている。細
紐の別の製造方法としては、細幅の織物や編物もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
の組紐では、紋柄等の模様を形成することはきわめて困
難であり、多色糸使いの混色均一模様がせいぜいであっ
た。また細幅の織物や編物は模様を形成できるものの、
紐の表面の模様が裏面に対称に形成されてしまうという
問題があった。そのため、模様が文字などの場合、紐の
表面からは読めても、裏面はきわめて不格好な模様にな
ってしまうという問題があった。
【0004】本発明は前記従来の課題を解決するため、
織物組織で紐を形成し、かつその紐模様を織組織によっ
て形成した織物紐及びその製造方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の第1番目の織物紐は、ジャカード織物であ
って、経糸が筒状に配置されて織成され、かつ織組織に
よる模様が形成されているという構成を備えたものであ
る。
【0006】次に本発明の第2番目の織物紐は、複数本
の経糸と緯糸から構成される織物紐であって、前記複数
本の経糸が筒状に配置されているとともに浮き組織によ
って柄模様を形成したことを特徴とする。
【0007】前記第1〜2番目の発明の構成において
は、経糸を筒状に配置した織物紐が、表組織と裏組織の
組織点を移動して構成されている袋状織物であることが
好ましい。
【0008】また前記構成においては、袋状織物組織内
に、前記組織に参加しない経糸を有することが好まし
い。また前記構成においては、袋状織物組織内の空隙
に、前記組織に参加しない経糸が充填されていることが
好ましい。
【0009】また前記構成においては、袋状織物組織
が、別組織によってとじられている袋とじ織物であるこ
とが好ましい。また前記構成においては、柄模様が、織
物紐の表面と裏面で別個独立であることが好ましい。
【0010】また前記構成においては、少なくとも経糸
が、外的作用によって変色する糸であることが好まし
い。また前記構成においては、少なくとも経糸が、異種
の染色性を有する糸を配置したことが好ましい。
【0011】また前記構成においては、柄模様が、地組
織を構成する糸とは異染色性の糸で構成されていること
が好ましい。また前記構成においては、織物紐がテーパ
ー部を有することが好ましい。
【0012】また前記構成においては、テーパー部が、
他の部分に比べて織物組織点が少なく、かつ当該織物紐
の実質的中心部に組織に参加しない経糸を配置させた構
造であることが好ましい。また前記構成においては、織
物紐が、靴紐、装飾紐、アクセサリー紐及びこれらの類
似品から選ばれる少なくとも一つであることが好まし
い。
【0013】次に本発明の第1番目の製造方法は、複数
本の経糸と緯糸から構成される織物紐の製造方法であっ
て、複数本の経糸を準備し、ジャカード織機を用いて各
経糸を単独で開口運動させるとともに、2本以上並列し
た表柄用経糸と2本以上並列した裏柄用経糸とを1ユニ
ットとする経糸組織を複数組形成し、前記表柄用経糸の
少なくとも一部で開口部を形成し、シャットル織機によ
って緯糸を往方向から通過させ、次いで前記裏柄用経糸
の少なくとも一部で開口部を形成して緯糸を復方向から
通過させて、経糸を織り込みながら緯糸で筒状に織り上
げるとともに浮き組織によって模様を形成することを特
徴とする。
【0014】次に本発明の第2番目の製造方法は、複数
本の経糸と緯糸から構成される織物紐の製造方法であっ
て、複数本の経糸を準備し、ジャカード織機を用いて各
経糸を単独で開口運動させるとともに、2本以上並列し
た表柄用経糸と2本以上並列した裏柄用経糸とを1ユニ
ットとする経糸組織を複数組形成し、前記表柄用経糸の
少なくとも一部で開口部を形成し、ニードル織機によっ
て緯糸を一往復させ表柄を織成し、次いで前記裏柄用経
糸の少なくとも一部で開口部を形成して緯糸を一往復さ
せ裏柄を織成して経糸を織り込みながら緯糸で筒状に織
り上げるとともに浮き組織によって模様を形成すること
を特徴とする。
【0015】
【作用】前記した本発明の第1番目の織物紐の構成によ
れば、ジャカード織物であって、経糸が筒状に配置され
て織成され、かつ織組織による模様が形成されているの
で、細い織物紐であっても多色の複雑な柄模様を自在に
かつ鮮明な絵極をもって表現できる。例えば、織幅15
mm以下、または直径10mm以下のような細物紐でも
安定して再現性よく実現できる。
【0016】次に本発明の第2番目の織物紐の構成によ
れば、複数本の経糸と緯糸から構成される織物紐であっ
て、前記複数本の経糸が筒状に配置されているとともに
浮き組織によって柄模様を形成したことにより、前記同
様に細い織物紐であっても多色の複雑な柄模様を自在に
かつ鮮明な絵極をもって表現できる。
【0017】前記第1〜2番目の発明の構成において、
経糸を筒状に配置した織物紐が、表組織と裏組織の組織
点を移動して構成されている袋状織物であるという好ま
しい構成によれば、織組織を表と裏で連続させることが
でき、表と裏の境目を無くして実質的に完全な筒状とな
って美観を向上させることができる。
【0018】前記構成において、袋状織物組織内に前記
組織に参加しない経糸を存在または充填させることによ
り、断面が実質的に円形状に近いものとすることができ
る。前記構成において、模様は織物紐の表面と裏面で同
一でもよいが、模様が織物紐の表面と裏面で別個独立で
あることが美観を向上させ商品的価値を上げるために好
ましい。
【0019】また前記構成において、両面織物組織が袋
織物組織または袋とじ織物組織であると、紐として立体
感が向上して好ましい。また前記構成において、経糸と
緯糸の織物組織点が実質的に模様の下に存在している
と、織物組織点が模様の下に隠れ、美観を向上できるの
で好ましい。
【0020】また前記構成において、複数本の経糸が2
色以上の先染め糸であると、品位の高い織物紐とするこ
とができる。また前記構成においては、連続糸からなる
緯糸が、2色以上の先染め糸であると、同様に品位の高
い織物紐とすることができる。もっとも、本発明の織物
紐は後染め品であってもよい。
【0021】また前記構成において、織物紐の少なくと
も一端は、中央部に比べて織物組織点を少なくするとと
もに、筒状織物の実質的中心部に一部の経糸をストレー
ト状に配置させ、テーパー部を形成したという好ましい
構成によれば、テーパー部は断面が円形を保って徐々に
細くなっているで、端部をフィルム巻き加工などを行い
やすく、かつ美観に優れたものとなる。従来の端部は折
り畳んでフィルム巻き加工していたため美観も劣ったも
のであった。
【0022】また前記構成において、織物紐が、靴紐、
装飾紐、アクセサリー紐及びこれらの類似品であること
が本発明の用途として好ましい。もっとも本発明の織物
紐は他の紐用途にも応用できる。
【0023】次に本発明の第1番目の製造方法の構成に
よれば、ジャカード織機構を用いてシャットル織機によ
って織成することにより、前記本発明の織物紐を効率よ
く合理的に製造することができる。
【0024】次に本発明の第2番目の製造方法の構成に
よれば、ジャカード織機構を用いてニードル織機によっ
て織成することにより、前記本発明の織物紐を効率よく
合理的に製造することができる。
【0025】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いてさらに
具体的に説明する。図1は本発明の一実施例の模様形成
部分の織物組織図である。図1において、a1 ,b1
1 は各々経糸の一部であり、表柄用経糸ユニット21
である。d 1 ,e1 は各々経糸の一部であり、裏柄用経
糸ユニット31 である。表柄用経糸ユニットと裏柄用経
糸ユニットは、22 ,32 ……のように多数連続してい
る。4は表柄用経糸a1 と交差する緯糸であり、4´は
裏柄用経糸31 と交差する緯糸である。表柄用経糸a1
の白い色の部分は、経糸の浮き出しによる地色となる。
またb1 ,c1 及びd1 の色が濃い部分は、経糸の浮き
出しによる模様柄部分である。そして、一例として経糸
は表3本、裏2本を1ユニットとして20単位あり、合
計100本の経糸を用いる。
【0026】また、織物組織図1では表柄用経糸と裏柄
用経糸は同一平面に並べて示してあるが、実際の製織に
おいては表柄用経糸のみを独立してジャカード織機構を
用いて開口運動を行い、裏柄用経糸のみを独立してジャ
カード織機構を用いて開口運動を行う。そして、表柄用
経糸の開口部に緯糸を往方向から通過させ、筬打ちし、
次いで裏柄用経糸の開口部に緯糸を復方向から通過させ
て、筬打ちし、経糸を筒状に織り上げるとともに浮き組
織によって模様を形成する。この様にすると袋織物組織
が形成できる。また、表柄用経糸と裏柄用経糸とを同時
に開口運動させると袋とじ織物組織が形成できる。
【0027】図2は、図1のA−A´(経糸方向)断面
図を模式的に示したものである。すなわち、経糸a4
緯糸4を4本飛ばして(浮き上げて)織組織を形成す
る。経糸の浮き上がった部分は、地色を形成する部分と
なっている。次に図3は、図1のB−B´断面図を模式
的に示したものである。経糸b4 は表面に表れることに
より模様を形成する部分のみ緯糸4を6本飛ばして(浮
き上げて)織組織を形成し、他の部分では緯糸の下に配
置されて表面には表れない。次に図4は、図1のC−C
´断面図を模式的に示したもので、図3と同様、経糸c
4 は表面に表れることにより模様を形成する部分のみ緯
糸4を8本飛ばして(浮き上げて)織組織を形成し、他
の部分では緯糸の下に配置されて表面には表れない。
【0028】次に図5は、図1のD−D´(緯糸方向)
断面図を模式的に示したものである。前記したように織
物組織図1では表柄用経糸と裏柄用経糸は同一平面に並
べて示してあるが、実際の製織においては多数の表柄用
経糸を近接して配列し、製織を行い、同様に裏柄用経糸
を近接して製織を行うので、経糸は全体として筒状に形
成される。そして、大部分の経糸は織物表面に表れ、一
部の経糸が緯糸4,4´の裏に隠れる。
【0029】本実施例の場合、経糸に先染めポリエステ
ルマルチフィラメント(繊度:200デニール、フィラ
メント数100本、100番双糸)100本を使った。
また緯糸には先染めポリエステルウーリー加工糸フィラ
メント(繊度:150デニール、75フィラメント)を
使った。先染め糸は、経糸が表3色、裏2色であり、緯
糸は地色と同一になるように選択した。このようにして
通常のジャカード織物織機(シャットル織機)を用い、
30組、150回転で製織した。本発明は、糸の太さな
どを配慮すれば、経糸が表2色、裏2色から表8色、裏
8色程度まで使用することができる。また、緯糸は1色
の例を説明したが、6色程度までの連続糸を使い、模様
形成することもできる。さらに、シャットル織機のみな
らず、ニードル織機も使用することができる。
【0030】次にテーパー部の説明をする。図6は本発
明の一実施例のテーパー部分の織物組織図である。図6
から明らかな通り、中央部(模様形成部分)に比べて織
物組織点を少なくし、緯糸を表面に出するとともに、筒
状織物の実質的中央部に一部の経糸をストレート状に配
置させ、テーパー部を形成する。この結果、テーパー部
は断面が円形を保って徐々に細くなっているで、端部を
フィルム巻き加工などを行いやすく、かつ美観に優れた
ものとなる。
【0031】図7は本発明の一実施例のテーパー部の断
面図を模式的に示したものである。緯糸4は経糸5,6
と織組織を形成しているが、多数の経糸7は中心部にス
トレート状に徐々に収束され、織物組織を形成しない。
これによってテーパー部を形成するとテーパー部は断面
が円形を保って徐々に細くなっているで、端部をフィル
ム巻き加工などを行いやすく、かつ美観に優れたものと
なる。
【0032】次に図8は、前記本実施例によって得られ
た織物紐10の平面図である。図8(a)は織物紐10
の一端を示し、11はテーパー部である。また中心部は
3色の先染め糸で模様や紋様が形成されている。図8
(b)は織物紐10の他方の端部を示し、12はテーパ
ー部である。次に図9は前記織物紐10の裏面図であ
る。図9(a)は織物紐10の一端を示し、11はテー
パー部である。また中心部は2色の先染め糸で模様や紋
様が形成されている。図9(b)は織物紐10の他方の
端部を示し、12はテーパー部である。ここで重要なポ
イントは、前記模様や紋様は、平面から見ても裏面から
見ても独立の模様及び紋様であることである。すなわ
ち、文字は双方の面から読み取れる。
【0033】以上の通り、本発明者らは、多色の複雑な
柄模様を自由に且つ鮮明な絵極をもって表現できる筒状
の織物について鋭意検討し、ジャカード機を用いて、シ
ャットル織機又はニードル織機により見事に達成できる
ことを確認した。
【0034】本発明によれば、たとえば織幅15mm以
下又は直径10mm以下のような細物紐でも上記特徴を
有するものが安定して再現性よく製造することができ
る。本発明では、ジャカード機を用いたシャットル織機
又はニードル織機で、経糸を筒状に配置させることによ
り、紋織物で紐状(筒状)構造体を簡単且つ確実に織成
することができる。
【0035】この紋織物は、複数体の経糸と緯糸から構
成される織物紐であって、前記複数本の経糸が筒状に配
置されているとともに浮き組織によって柄模様を形成
し、また、浮き組織及び地組織は、平織組織、朱子織組
織、綾織組織から選ばれる少なくとも二種の織組織で形
成するという織構造を有する。
【0036】この場合、紐状で、且つ筒状の構造体は、
複数本の経糸を筒状に配置した織物紐が、表組織と裏組
織の組織点を移動して構成されている袋織物組織であ
り、又、浮き組織によって柄模様を形成するという織構
造で形成されている。
【0037】上記筒状の構造体は、緯糸で、表組織を構
成する経糸と裏組織を構成する経糸とを、同時に絡ませ
る(織成する)ことによって形成される。この場合、該
組織の組織点を移動させる、すなわち『組織数−1』の
範囲の数だけ組織点を移動させることによって耳組織を
作らせることなく連続組織化することができる。ここで
組織数とは、たとえば、平織組織は組織数=2、8枚朱
子組織は組織数=8、4枚綾組織は組織数=4を意味す
るものである。したがって、8枚朱子組織で筒状構造体
の組織点を移動して織成する場合は、『8−1=7』、
すなわち組織点7つまで移動させることができる。この
組織点移動で好ましい筒状構造体を織成するには、経糸
の本数によって変動するので、適宣実験して決定する必
要がある。たとえば図10では綾織組織を例にとり、1
点移動されている。この筒状構造体を、袋織物組織とい
う。なお図10(a)は本発明の一実施例の袋綾織物の
組織点を移動させた組織図の例であり、(b)はこの織
物の側面概略図である。この様に組織点を移動させる
と、組織が連続して境目が無くなり、実質的に完全な筒
状となって、美観を向上させることができる。
【0038】また図11(a)は比較例の袋綾織物の組
織点を移動させない組織図の例であり、(b)はこの織
物の側面概略図である。この様な組織では、表模様の対
称模様がそのまま裏模様となって表れる。
【0039】かくして得られる袋織物組織の織物紐を、
更に別の組織でとじる、すなわち表組織と裏組織を織り
込んで一体化することにより、袋とじ織物組織とするこ
とができる。
【0040】前記構造体において、柄模様は織物紐の表
面と裏面で同一でもよいが、柄模様が織物紐の表面と裏
面で別個独立であることが美観を向上させ商品的価値を
上げるために好ましい。
【0041】本発明の織物紐では、多色で複雑な柄模様
を鮮明な絵極をもって表現することができるが、それ
は、複数本の経糸及び緯糸を浮き組織にすることで達成
される。この場合、組織に参加しない経糸を該浮き組織
の下で地組織を形成させることによって、地組織を丈夫
なものにすることができる。
【0042】該浮き組織を構成する糸は、絵極の鮮明な
柄模様を形成するには、細い糸ほど好ましいが、強度的
な問題から、好ましくは、10〜500デニール、さら
に好ましくは40〜250デニールの範囲の糸が使用さ
れる。
【0043】かかる糸として、1本1本異色に着色され
た糸を用いることができるし、糸を構成する単繊維を異
形断面のものとしてよいし、さらに各種異形断面繊維を
混繊した糸、さらには太細混繊糸、又、これらの併用、
混用した糸を用いてもよい。また更に、外的作用、すな
わち温度、光、水分などの作用により、変色、発色、発
光する機能を有する繊維からなる糸、たとえばフォトク
ロミック繊維からなる糸、蓄光糸、伸張糸などを単独ま
たは、併用して使用することができる。さらに、後染め
や先染めをすることで、該柄模様部を着色することもで
きる。たとえば1本1本の糸が異染色性であるものを配
列されることもできる。かかる構成によって、地組織と
柄模様とを別々の異染色性の糸で構成することができ
る。
【0044】上記、袋織物組織内に芯糸を充填すること
により、中実の円形状の紐を提供できる。かかる中実織
物紐は、該袋織物組織を織成する際に、該組織に参加し
ない経糸(以下不参加経糸という)を配置させることで
達成させる。かかる不参加経糸は、組織を構成する経糸
配列の間に分布配置させるのが好ましい。この時、複数
本まとめて分布配置させることによって、織組織に悪影
響を与えることなく織成することができる。この不参加
経糸の本数は、織物紐内の空隙を充填する量によって適
宣決定することができる。また、かかる不参加経糸とし
て、形状記憶合金線または光ファイバー線などを使用す
ることができる。これによって、たとえば生け花や造
花、さらには装飾紐として好都合な、効果を達成させる
ことができる。その他、糸状、線状物であれば適宣,不
参加経糸として使用できる。
【0045】本発明の織物紐には、その一部にテーパー
部を設けることができる。このテーパー部を、たとえば
靴紐などの両端部に形成すると、好都合にプレス加工を
することができる。このテーパー部は、該織物紐の両端
部以外の部分の組織の組織点を減少させて形成する。好
ましくは、端部に向かうにつれて徐々に組織点を減少さ
せると、なだらかなテーパーを形成することができる。
すなわち、このテーパー部においては、組織を構成して
いた経糸を不参加経糸に変更させ、これを中心部へ包み
込む構造となっている。
【0046】本発明の織物紐は、好ましくは、幅15m
m以下、さらに好ましくは、幅10mm以下、特に好ま
しくは、幅7mm以下、円形断面織物紐の場合、好まし
くは、直径10mm以下の細紐が好ましく使用される。
本発明の織物紐は、たとえば、靴紐、装飾紐、アクセサ
リー紐、及びこれらの類似品である細紐などに有効に使
用できる。
【0047】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の第1番目の
織物紐は、ジャカード織物であって、経糸が筒状に配置
されて織成され、かつ織組織による模様が形成されてい
るので、細い織物紐であっても多色の複雑な柄模様を自
在にかつ鮮明な絵極をもって表現できる。例えば、織幅
15mm以下、または直径10mm以下のような細物紐
でも安定して再現性よく実現できる。
【0048】次に本発明の第2番目の織物紐は、複数本
の経糸と緯糸から構成される織物紐であって、前記複数
本の経糸が筒状に配置されているとともに浮き組織によ
って柄模様を形成したことにより、前記同様に細い織物
紐であっても多色の複雑な柄模様を自在にかつ鮮明な絵
極をもって表現できる。
【0049】次に本発明の第1番目の製造方法は、ジャ
カード織機構を用いてシャットル織機によって織成する
ことにより、前記本発明の織物紐を効率よく合理的に製
造することができる。
【0050】次に本発明の第2番目の製造方法は、ジャ
カード織機構を用いてニードル織機によって織成するこ
とにより、前記本発明の織物紐を効率よく合理的に製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の模様形成部分の織物組織図
である。
【図2】図1のA−A´(経糸方向)断面図を模式的に
示したものである。
【図3】図1のB−B´断面図を模式的に示したもので
ある。
【図4】図1のC−C´断面図を模式的に示したもので
ある。
【図5】図1のD−D´(緯糸方向)断面図を模式的に
示したものである。
【図6】本発明の一実施例のテーパー部分の織物組織図
である。
【図7】発明の一実施例のテーパー部の断面図を模式的
に示したものである。
【図8】本発明の一実施例によって得られた織物紐の平
面図である。
【図9】本発明の一実施例によって得られた織物紐の裏
面図である。
【図10】(a)は本発明の一実施例の袋綾織物の組織
点を移動させた組織図の例であり、(b)はこの織物の
側面概略図である。
【図11】(a)は比較例の袋綾織物の組織点を移動さ
せない組織図の例であり、(b)はこの織物の側面概略
図である。
【符号の説明】
1 ,b1 ,c1 表柄用経糸 d1 ,e1 裏柄用経糸 21 表柄用経糸ユニット 31 裏柄用経糸ユニット 4 表柄用経糸と交差する緯糸 4´ 裏柄用経糸と交差する緯糸 5,6 経糸 7 ストレート状収束経糸 10 織物紐 11,12 テーパー部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 織物紐及びその製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は織物紐及びその製造方法
に関する。さらに詳しくは、ジャカード機を用い、シャ
ットル織機またはニードル織機により、筒状織物を織成
するとともに、表面と裏面に独立の模様を形成した紐及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】靴紐などの細い紐は、通常単色糸を使っ
た組紐で組織されている。組紐は編組装置を用いて、例
えば8つ打ち(8本の糸を使った組織)、16打ち(1
6本の糸を使った組織)などに組み上げられている。細
紐の別の製造方法としては、細幅の織物や編物もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
の組紐では、紋柄等の模様を形成することはきわめて困
難であり、多色糸使いの混色均一模様がせいぜいであっ
た。また細幅の織物や編物は模様を形成できるものの、
紐の表面の模様が裏面に対称に形成されてしまうという
問題があった。そのため、模様が文字などの場合、紐の
表面からは読めても、裏面はきわめて不格好な模様にな
ってしまうという問題があった。
【0004】本発明は前記従来の課題を解決するため、
織物組織で紐を形成し、かつその紐模様を織組織によっ
て形成した織物紐及びその製造方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の第1番目の織物紐は、ジャカード織物であ
って、経糸が筒状に配置されて織成され、かつ織組織に
よる模様が形成されているという構成を備えたものであ
る。
【0006】次に本発明の第2番目の織物紐は、複数本
の経糸と緯糸から構成される織物紐であって、前記複数
本の経糸が筒状に配置されているとともに浮き組織によ
って柄模様を形成したことを特徴とする。
【0007】前記第1〜2番目の発明の構成において
は、経糸を筒状に配置した織物紐が、表組織と裏組織の
組織点を移動して構成されている袋状織物であることが
好ましい。
【0008】また前記構成においては、袋状織物組織内
に、前記組織に参加しない経糸を有することが好まし
い。また前記構成においては、袋状織物組織内の空隙
に、前記組織に参加しない経糸が充填されていることが
好ましい。
【0009】また前記構成においては、袋状織物組織
が、別組織によってとじられている袋とじ織物であるこ
とが好ましい。また前記構成においては、柄模様が、織
物紐の表面と裏面で別個独立であることが好ましい。
【0010】また前記構成においては、少なくとも経糸
が、外的作用によって変色する糸であることが好まし
い。また前記構成においては、少なくとも経糸が、異種
の染色性を有する糸を配置したことが好ましい。
【0011】また前記構成においては、柄模様が、地組
織を構成する糸とは異染色性の糸で構成されていること
が好ましい。また前記構成においては、織物紐がテーパ
ー部を有することが好ましい。
【0012】また前記構成においては、テーパー部が、
他の部分に比べて織物組織点が少なく、かつ当該織物紐
の実質的中心部に組織に参加しない経糸を配置させた構
造であることが好ましい。また前記構成においては、織
物紐が、靴紐、装飾紐、アクセサリー紐及びこれらの類
似品から選ばれる少なくとも一つであることが好まし
い。
【0013】次に本発明の第1番目の製造方法は、複数
本の経糸と緯糸から構成される織物紐の製造方法であっ
て、複数本の経糸を準備し、ジャカード機を用いて各経
糸を単独で開口運動させるとともに、2本以上並列した
表柄用経糸と2本以上並列した裏柄用経糸とを1ユニッ
トとする経糸組織を複数組形成し、前記表柄用経糸の少
なくとも一部で開口部を形成し、シャットル織機によっ
て緯糸を往方向から通過させ、次いで前記裏柄用経糸の
少なくとも一部で開口部を形成して緯糸を復方向から通
過させて、経糸を織り込みながら緯糸で筒状に織り上げ
るとともに浮き組織によって模様を形成することを特徴
とする。
【0014】次に本発明の第2番目の製造方法は、複数
本の経糸と緯糸から構成される織物紐の製造方法であっ
て、複数本の経糸を準備し、ジャカード機を用いて各経
糸を単独で開口運動させるとともに、2本以上並列した
表柄用経糸と2本以上並列した裏柄用経糸とを1ユニッ
トとする経糸組織を複数組形成し、前記表柄用経糸の少
なくとも一部で開口部を形成し、ニードル織機によって
緯糸を一往復させ表柄を織成し、次いで前記裏柄用経糸
の少なくとも一部で開口部を形成して緯糸を一往復させ
裏柄を織成して経糸を織り込みながら緯糸で筒状に織り
上げるとともに浮き組織によって模様を形成することを
特徴とする。
【0015】
【作用】前記した本発明の第1番目の織物紐の構成によ
れば、ジャカード織物であって、経糸が筒状に配置され
て織成され、かつ織組織による模様が形成されているの
で、細い織物紐であっても多色の複雑な柄模様を自在に
かつ鮮明な絵極をもって表現できる。例えば、織幅15
mm以下、または直径10mm以下のような細物紐でも
安定して再現性よく実現できる。
【0016】次に本発明の第2番目の織物紐の構成によ
れば、複数本の経糸と緯糸から構成される織物紐であっ
て、前記複数本の経糸が筒状に配置されているとともに
浮き組織によって柄模様を形成したことにより、前記同
様に細い織物紐であっても多色の複雑な柄模様を自在に
かつ鮮明な絵極をもって表現できる。
【0017】前記第1〜2番目の発明の構成において、
経糸を筒状に配置した織物紐が、表組織と裏組織の組織
点を移動して構成されている袋状織物であるという好ま
しい構成によれば、織組織を表と裏で連続させることが
でき、表と裏の境目を無くして実質的に完全な筒状とな
って美観を向上させることができる。
【0018】前記構成において、袋状織物組織内に前記
組織に参加しない経糸を存在または充填させることによ
り、断面が実質的に円形状に近いものとすることができ
る。前記構成において、模様は織物紐の表面と裏面で同
一でもよいが、模様が織物紐の表面と裏面で別個独立で
あることが美観を向上させ商品的価値を上げるために好
ましい。
【0019】また前記構成において、両面織物組織が袋
織物組織または袋とじ織物組織であると、紐として立体
感が向上して好ましい。また前記構成において、経糸と
緯糸の織物組織点が実質的に模様の下に存在している
と、織物組織点が模様の下に隠れ、美観を向上できるの
で好ましい。
【0020】また前記構成において、複数本の経糸が2
色以上の先染め糸であると、品位の高い織物紐とするこ
とができる。また前記構成においては、連続糸からなる
緯糸が、2色以上の先染め糸であると、同様に品位の高
い織物紐とすることができる。もっとも、本発明の織物
紐は後染め品であってもよい。
【0021】また前記構成において、織物紐の少なくと
も一端は、中央部に比べて織物組織点を少なくするとと
もに、筒状織物の実質的中心部に一部の経糸をストレー
ト状に配置させ、テーパー部を形成したという好ましい
構成によれば、テーパー部は断面が円形を保って徐々に
細くなっているで、端部をフィルム巻き加工などを行い
やすく、かつ美観に優れたものとなる。従来の端部は折
り畳んでフィルム巻き加工していたため美観も劣ったも
のであった。
【0022】また前記構成において、織物紐が、靴紐、
装飾紐、アクセサリー紐及びこれらの類似品であること
が本発明の用途として好ましい。もっとも本発明の織物
紐は他の紐用途にも応用できる。
【0023】次に本発明の第1番目の製造方法の構成に
よれば、ジャカード機を用いてシャットル織機によって
織成することにより、前記本発明の織物紐を効率よく合
理的に製造することができる。
【0024】次に本発明の第2番目の製造方法の構成に
よれば、ジャカード機を用いてニードル織機によって織
成することにより、前記本発明の織物紐を効率よく合理
的に製造することができる。
【0025】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いてさらに
具体的に説明する。図1は本発明の一実施例の模様形成
部分の織物組織図である。図1において、a1 ,b1
1 は各々経糸の一部であり、表柄用経糸ユニット21
である。d 1 ,e1 は各々経糸の一部であり、裏柄用経
糸ユニット31 である。表柄用経糸ユニットと裏柄用経
糸ユニットは、22 ,32 ……のように多数連続してい
る。4は表柄用経糸a1 と交差する緯糸であり、4´は
裏柄用経糸31 と交差する緯糸である。表柄用経糸a1
の白い色の部分は、経糸の浮き出しによる地色となる。
またb1 ,c1 及びd1 の色が濃い部分は、経糸の浮き
出しによる模様柄部分である。そして、一例として経糸
は表3本、裏2本を1ユニットとして20単位あり、合
計100本の経糸を用いる。
【0026】また、織物組織図1では表柄用経糸と裏柄
用経糸は同一平面に並べて示してあるが、実際の製織に
おいては表柄用経糸のみを独立してジャカード機を用い
て開口運動を行い、裏柄用経糸のみを独立してジャカー
ド機を用いて開口運動を行う。そして、表柄用経糸の開
口部に緯糸を往方向から通過させ、筬打ちし、次いで裏
柄用経糸の開口部に緯糸を復方向から通過させて、筬打
ちし、経糸を筒状に織り上げるとともに浮き組織によっ
て模様を形成する。この様にすると袋織物組織が形成で
きる。また、表柄用経糸と裏柄用経糸とを同時に開口運
動させると袋とじ織物組織が形成できる。
【0027】図2は、図1のA−A´(経糸方向)断面
図を模式的に示したものである。すなわち、経糸a4
緯糸4を4本飛ばして(浮き上げて)織組織を形成す
る。経糸の浮き上がった部分は、地色を形成する部分と
なっている。次に図3は、図1のB−B´断面図を模式
的に示したものである。経糸b4 は表面に表れることに
より模様を形成する部分のみ緯糸4を6本飛ばして(浮
き上げて)織組織を形成し、他の部分では緯糸の下に配
置されて表面には表れない。次に図4は、図1のC−C
´断面図を模式的に示したもので、図3と同様、経糸c
4 は表面に表れることにより模様を形成する部分のみ緯
糸4を8本飛ばして(浮き上げて)織組織を形成し、他
の部分では緯糸の下に配置されて表面には表れない。
【0028】次に図5は、図1のD−D´(緯糸方向)
断面図を模式的に示したものである。前記したように織
物組織図1では表柄用経糸と裏柄用経糸は同一平面に並
べて示してあるが、実際の製織においては多数の表柄用
経糸を近接して配列し、製織を行い、同様に裏柄用経糸
を近接して製織を行うので、経糸は全体として筒状に形
成される。そして、大部分の経糸は織物表面に表れ、一
部の経糸が緯糸4,4´の裏に隠れる。
【0029】本実施例の場合、経糸に先染めポリエステ
ルマルチフィラメント(繊度:200デニール、フィラ
メント数100本、100番双糸)100本を使った。
また緯糸には先染めポリエステルウーリー加工糸フィラ
メント(繊度:150デニール、75フィラメント)を
使った。先染め糸は、経糸が表3色、裏2色であり、緯
糸は地色と同一になるように選択した。このようにして
通常のジャカード織物織機(シャットル織機)を用い、
30組、150回転で製織した。本発明は、糸の太さな
どを配慮すれば、経糸が表2色、裏2色から表8色、裏
8色程度まで使用することができる。また、緯糸は1色
の例を説明したが、6色程度までの連続糸を使い、模様
形成することもできる。さらに、シャットル織機のみな
らず、ニードル織機も使用することができる。
【0030】次にテーパー部の説明をする。図6は本発
明の一実施例のテーパー部分の織物組織図である。図6
から明らかな通り、中央部(模様形成部分)に比べて織
物組織点を少なくし、緯糸を表面に出するとともに、筒
状織物の実質的中央部に一部の経糸をストレート状に配
置させ、テーパー部を形成する。この結果、テーパー部
は断面が円形を保って徐々に細くなっているで、端部を
フィルム巻き加工などを行いやすく、かつ美観に優れた
ものとなる。
【0031】図7は本発明の一実施例のテーパー部の断
面図を模式的に示したものである。緯糸4は経糸5,6
と織組織を形成しているが、多数の経糸7は中心部にス
トレート状に徐々に収束され、織物組織を形成しない。
これによってテーパー部を形成するとテーパー部は断面
が円形を保って徐々に細くなっているで、端部をフィル
ム巻き加工などを行いやすく、かつ美観に優れたものと
なる。
【0032】次に図8は、前記本実施例によって得られ
た織物紐10の平面図である。図8(a)は織物紐10
の一端を示し、11はテーパー部である。また中心部は
3色の先染め糸で模様や紋様が形成されている。図8
(b)は織物紐10の他方の端部を示し、12はテーパ
ー部である。次に図9は前記織物紐10の裏面図であ
る。図9(a)は織物紐10の一端を示し、11はテー
パー部である。また中心部は2色の先染め糸で模様や紋
様が形成されている。図9(b)は織物紐10の他方の
端部を示し、12はテーパー部である。ここで重要なポ
イントは、前記模様や紋様は、平面から見ても裏面から
見ても独立の模様及び紋様であることである。すなわ
ち、文字は双方の面から読み取れる。
【0033】以上の通り、本発明者らは、多色の複雑な
柄模様を自由に且つ鮮明な絵極をもって表現できる筒状
の織物について鋭意検討し、ジャカード機を用いて、シ
ャットル織機又はニードル織機により見事に達成できる
ことを確認した。
【0034】本発明によれば、たとえば織幅15mm以
下又は直径10mm以下のような細物紐でも上記特徴を
有するものが安定して再現性よく製造することができ
る。本発明では、ジャカード機を用いたシャットル織機
又はニードル織機で、経糸を筒状に配置させることによ
り、紋織物で紐状(筒状)構造体を簡単且つ確実に織成
することができる。
【0035】この紋織物は、複数体の経糸と緯糸から構
成される織物紐であって、前記複数本の経糸が筒状に配
置されているとともに浮き組織によって柄模様を形成
し、また、浮き組織及び地組織は、平織組織、朱子織組
織、綾織組織から選ばれる少なくとも二種の織組織で形
成するという織構造を有する。
【0036】この場合、紐状で、且つ筒状の構造体は、
複数本の経糸を筒状に配置した織物紐が、表組織と裏組
織の組織点を移動して構成されている袋織物組織であ
り、又、浮き組織によって柄模様を形成するという織構
造で形成されている。
【0037】上記筒状の構造体は、緯糸で、表組織を構
成する経糸と裏組織を構成する経糸とを、同時に絡ませ
る(織成する)ことによって形成される。この場合、該
組織の組織点を移動させる、すなわち『組織数−1』の
範囲の数だけ組織点を移動させることによって耳組織を
作らせることなく連続組織化することができる。ここで
組織数とは、たとえば、平織組織は組織数=2、8枚朱
子組織は組織数=8、4枚綾組織は組織数=4を意味す
るものである。したがって、8枚朱子組織で筒状構造体
の組織点を移動して織成する場合は、『8−1=7』、
すなわち組織点7つまで移動させることができる。この
組織点移動で好ましい筒状構造体を織成するには、経糸
の本数によって変動するので、適宣実験して決定する必
要がある。たとえば図10では綾織組織を例にとり、1
点移動されている。この筒状構造体を、袋織物組織とい
う。なお図10(a)は本発明の一実施例の袋綾織物の
組織点を移動させた組織図の例であり、(b)はこの織
物の側面概略図である。この様に組織点を移動させる
と、組織が連続して境目が無くなり、実質的に完全な筒
状となって、美観を向上させることができる。
【0038】また図11(a)は比較例の袋綾織物の組
織点を移動させない組織図の例であり、(b)はこの織
物の側面概略図である。この様な組織では、表模様の対
称模様がそのまま裏模様となって表れる。
【0039】かくして得られる袋織物組織の織物紐を、
更に別の組織でとじる、すなわち表組織と裏組織を織り
込んで一体化することにより、袋とじ織物組織とするこ
とができる。
【0040】前記構造体において、柄模様は織物紐の表
面と裏面で同一でもよいが、柄模様が織物紐の表面と裏
面で別個独立であることが美観を向上させ商品的価値を
上げるために好ましい。
【0041】本発明の織物紐では、多色で複雑な柄模様
を鮮明な絵極をもって表現することができるが、それ
は、複数本の経糸及び緯糸を浮き組織にすることで達成
される。この場合、組織に参加しない経糸を該浮き組織
の下で地組織を形成させることによって、地組織を丈夫
なものにすることができる。
【0042】該浮き組織を構成する糸は、絵極の鮮明な
柄模様を形成するには、細い糸ほど好ましいが、強度的
な問題から、好ましくは、10〜500デニール、さら
に好ましくは40〜250デニールの範囲の糸が使用さ
れる。
【0043】かかる糸として、1本1本異色に着色され
た糸を用いることができるし、糸を構成する単繊維を異
形断面のものとしてよいし、さらに各種異形断面繊維を
混繊した糸、さらには太細混繊糸、又、これらの併用、
混用した糸を用いてもよい。また更に、外的作用、すな
わち温度、光、水分などの作用により、変色、発色、発
光する機能を有する繊維からなる糸、たとえばフォトク
ロミック繊維からなる糸、蓄光糸、伸張糸などを単独ま
たは、併用して使用することができる。さらに、後染め
や先染めをすることで、該柄模様部を着色することもで
きる。たとえば1本1本の糸が異染色性であるものを配
列されることもできる。かかる構成によって、地組織と
柄模様とを別々の異染色性の糸で構成することができ
る。
【0044】上記、袋織物組織内に芯糸を充填すること
により、中実の円形状の紐を提供できる。かかる中実織
物紐は、該袋織物組織を織成する際に、該組織に参加し
ない経糸(以下不参加経糸という)を配置させることで
達成させる。かかる不参加経糸は、組織を構成する経糸
配列の間に分布配置させるのが好ましい。この時、複数
本まとめて分布配置させることによって、織組織に悪影
響を与えることなく織成することができる。この不参加
経糸の本数は、織物紐内の空隙を充填する量によって適
宣決定することができる。また、かかる不参加経糸とし
て、形状記憶合金線または光ファイバー線などを使用す
ることができる。これによって、たとえば生け花や造
花、さらには装飾紐として好都合な、効果を達成させる
ことができる。その他、糸状、線状物であれば適宣,不
参加経糸として使用できる。
【0045】本発明の織物紐には、その一部にテーパー
部を設けることができる。このテーパー部を、たとえば
靴紐などの両端部に形成すると、好都合にプレス加工を
することができる。このテーパー部は、該織物紐の両端
部以外の部分の組織の組織点を減少させて形成する。好
ましくは、端部に向かうにつれて徐々に組織点を減少さ
せると、なだらかなテーパーを形成することができる。
すなわち、このテーパー部においては、組織を構成して
いた経糸を不参加経糸に変更させ、これを中心部へ包み
込む構造となっている。
【0046】本発明の織物紐は、好ましくは、幅15m
m以下、さらに好ましくは、幅10mm以下、特に好ま
しくは、幅7mm以下、円形断面織物紐の場合、好まし
くは、直径10mm以下の細紐が好ましく使用される。
本発明の織物紐は、たとえば、靴紐、装飾紐、アクセサ
リー紐、及びこれらの類似品である細紐などに有効に使
用できる。
【0047】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の第1番目の
織物紐は、ジャカード織物であって、経糸が筒状に配置
されて織成され、かつ織組織による模様が形成されてい
るので、細い織物紐であっても多色の複雑な柄模様を自
在にかつ鮮明な絵極をもって表現できる。例えば、織幅
15mm以下、または直径10mm以下のような細物紐
でも安定して再現性よく実現できる。
【0048】次に本発明の第2番目の織物紐は、複数本
の経糸と緯糸から構成される織物紐であって、前記複数
本の経糸が筒状に配置されているとともに浮き組織によ
って柄模様を形成したことにより、前記同様に細い織物
紐であっても多色の複雑な柄模様を自在にかつ鮮明な絵
極をもって表現できる。
【0049】次に本発明の第1番目の製造方法は、ジャ
カード機を用いてシャットル織機によって織成すること
により、前記本発明の織物紐を効率よく合理的に製造す
ることができる。
【0050】次に本発明の第2番目の製造方法は、ジャ
カード機を用いてニードル織機によって織成することに
より、前記本発明の織物紐を効率よく合理的に製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の模様形成部分の織物組織図
である。
【図2】図1のA−A´(経糸方向)断面図を模式的に
示したものである。
【図3】図1のB−B´断面図を模式的に示したもので
ある。
【図4】図1のC−C´断面図を模式的に示したもので
ある。
【図5】図1のD−D´(緯糸方向)断面図を模式的に
示したものである。
【図6】本発明の一実施例のテーパー部分の織物組織図
である。
【図7】発明の一実施例のテーパー部の断面図を模式的
に示したものである。
【図8】本発明の一実施例によって得られた織物紐の平
面図である。
【図9】本発明の一実施例によって得られた織物紐の裏
面図である。
【図10】(a)は本発明の一実施例の袋綾織物の組織
点を移動させた組織図の例であり、(b)はこの織物の
側面概略図である。
【図11】(a)は比較例の袋綾織物の組織点を移動さ
せない組織図の例であり、(b)はこの織物の側面概略
図である。
【符号の説明】 a1 ,b1 ,c1 表柄用経糸 d1 ,e1 裏柄用経糸 21 表柄用経糸ユニット 31 裏柄用経糸ユニット 4 表柄用経糸と交差する緯糸 4´ 裏柄用経糸と交差する緯糸 5,6 経糸 7 ストレート状収束経糸 10 織物紐 11,12 テーパー部

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジャカード織物であって、経糸が筒状に
    配置されて織成され、かつ織組織による模様が形成され
    ている織物紐。
  2. 【請求項2】 複数本の経糸と緯糸から構成される織物
    紐であって、前記複数本の経糸が筒状に配置されている
    とともに浮き組織によって柄模様を形成したことを特徴
    とする織物紐。
  3. 【請求項3】 経糸を筒状に配置した織物紐が、表組織
    と裏組織の組織点を移動して構成されている袋状織物で
    ある請求項1または2に記載の織物紐。
  4. 【請求項4】 袋状織物組織内に、前記組織に参加しな
    い経糸を有する請求項3に記載の織物紐。
  5. 【請求項5】 袋状織物組織内の空隙に、前記組織に参
    加しない経糸が充填されている請求項4に記載の織物
    紐。
  6. 【請求項6】 袋状織物組織が、別組織によってとじら
    れている袋とじ織物である請求項3に記載の織物紐。
  7. 【請求項7】 模様が、織物紐の表面と裏面で別個独立
    である請求項1または2に記載の織物紐。
  8. 【請求項8】 少なくとも経糸が、外的作用によって変
    色する糸である請求項1または2に記載の織物紐。
  9. 【請求項9】 少なくとも経糸が、異種の染色性を有す
    る糸を配置した請求項1または2に記載の織物紐。
  10. 【請求項10】 模様が、地組織を構成する糸とは異染
    色性の糸で構成されている請求項1または2に記載の織
    物紐。
  11. 【請求項11】 織物紐がテーパー部を有する請求項1
    または2に記載の織物紐。
  12. 【請求項12】 テーパー部が、他の部分に比べて織物
    組織点が少なく、かつ当該織物紐の実質的中心部に組織
    に参加しない経糸を配置させた構造である請求項11に
    記載の織物紐。
  13. 【請求項13】 織物紐が、靴紐、装飾紐、アクセサリ
    ー紐及びこれらの類似品から選ばれる少なくとも一つで
    ある請求項1または2に記載の織物紐。
  14. 【請求項14】 複数本の経糸と緯糸から構成される織
    物紐の製造方法であって、複数本の経糸を準備し、ジャ
    カード織機を用いて各経糸を単独で開口運動させるとと
    もに、2本以上並列した表柄用経糸と2本以上並列した
    裏柄用経糸とを1ユニットとする経糸組織を複数組形成
    し、前記表柄用経糸の少なくとも一部で開口部を形成
    し、シャットル織機によって緯糸を往方向から通過さ
    せ、次いで前記裏柄用経糸の少なくとも一部で開口部を
    形成して緯糸を復方向から通過させて、経糸を織り込み
    ながら緯糸で筒状に織り上げるとともに浮き組織によっ
    て模様を形成することを特徴とする織物紐の製造方法。
  15. 【請求項15】 複数本の経糸と緯糸から構成される織
    物紐の製造方法であって、複数本の経糸を準備し、ジャ
    カード織機を用いて各経糸を単独で開口運動させるとと
    もに、2本以上並列した表柄用経糸と2本以上並列した
    裏柄用経糸とを1ユニットとする経糸組織を複数組形成
    し、前記表柄用経糸の少なくとも一部で開口部を形成
    し、ニードル織機によって緯糸を一往復させ表柄を織成
    し、次いで前記裏柄用経糸の少なくとも一部で開口部を
    形成して緯糸を一往復させ裏柄を織成して経糸を織り込
    みながら緯糸で筒状に織り上げるとともに浮き組織によ
    って模様を形成することを特徴とする織物紐の製造方
    法。
JP5207616A 1993-08-23 1993-08-23 織物紐及びその製造方法 Pending JPH0770866A (ja)

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