JPH0772084B2 - 新規含炭素組成物 - Google Patents

新規含炭素組成物

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JPH0772084B2
JPH0772084B2 JP60269430A JP26943085A JPH0772084B2 JP H0772084 B2 JPH0772084 B2 JP H0772084B2 JP 60269430 A JP60269430 A JP 60269430A JP 26943085 A JP26943085 A JP 26943085A JP H0772084 B2 JPH0772084 B2 JP H0772084B2
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謙作 丸山
厚 萩村
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は金属酸化物と単体炭素とを含み、これらが従来
になく極めて微細に混合された状態を呈する新規含炭素
組成物に関する。
〔背景技術〕
従来よりSiC、TiC、WC、B4C、ZrC、HfC、NbC、Mo2C、Ta
C、Cr3C2、VCなどの金属炭化物は、これらの単体金属ま
たは金属酸化物と、コークス、カーボンブラック等の単
体炭素とを、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス中で強
熱下反応させて製造されている。
またSi3N4、TiN、BN、ZrN、AlN、HfN、NbN等の金属窒化
物は、これらの金属酸化物と単体炭素とを、窒素、アン
モニア等の窒素含有化合物ガス雰囲気のもとに強熱下反
応させて製造されている。
かかる金属炭化物または金属窒化物の粉末(粉体)は、
微細である程これを焼結、加工することによって得られ
る成型体の強度が大きく、また焼結速度が速い性質があ
る。従って、必然的に中間原料である単体金属あるい
は、これらの金属酸化物と単体炭素との混合物としては
微細粒子が均一に混合していることが求められる。
この微細粒子の均一混合物を得る方法として、従来は、
通常、粗粒または塊状の単体金属や金属酸化物と単体炭
素とを、専らバッチ式で機械的に粉砕する方法が採用さ
れていた。しかしながら、このような機械的なバッチ方
式は、粉砕機への原料装入、粉砕品の取出等作業性の煩
雑さ及び粉塵の夥しい発生、粉砕時の騒音、微粉末にす
るため長時間粉砕が必要、粉砕機自体の摩耗による不純
物の混入と云った種々な問題があり、また1μ以下の超
微細な混合物を得ることは、原理的・本質的に不可能に
近い。
このためさらに改良された方法として、特公昭50-12790
0号公報に記載されているごとく、水などに二種以上の
微粉体をコロイド状に分散させ、スプレードライヤーを
用いて噴霧乾燥させる方法や、また特公昭51-13262号公
報に記載されたごとく、それぞれが微粉末を含んだ二種
の搬送ガスを合一させ、気相中で両者を混合させて該二
種類の粉末を気相において、混合する方法も提案されて
いる。
しかしながら、この方法も、ミクロ的にみれば完全な混
合状態を得るのは困難である。けだし酸化ケイ素粉体、
酸化チタン粉体、単体炭素粉体粒子などの粉体では、通
常すでに単一粒子の20〜100個の集合体である強固な二
次凝集体を形成しているので、単一粒子を単位としてそ
れぞれ独立して存在した均一の混合物にはなり難いとい
う原理的、本質的な問題があるのである。
また一方、米国特許3,123,567号公報に記載されている
ごとく、酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、酸化チタ
ンなどの金属酸化物と、単体炭素との微細な混合物を得
ることを目的として、これら金属酸化物を900℃以上に
加熱しておき、これにC1〜C4の炭化水素を接触させ、熱
分解させることによって、金属酸化物の粒子の表面に単
体炭素を析出させる方法も知られている。
しかしながら、この方法も金属酸化物の二次凝集体の表
面を単体炭素が覆う状態が微細に関する理想的な混合状
態であって、実際には、二次凝集体が通常さらに100個
以上集合してなる見掛け上の粉体粒子の表面を炭素が覆
う状態が混合状態の最小単位とになってしまうといった
本質的な問題があるのである。
〔発明の目的〕
本発明は金属酸化物と単体炭素とが、これら従来法で得
られる混合状態よりも格段に均一かつ微細に混合された
状態を呈する含炭素組成物を提供することを目的とす
る。さらに詳しくは、ミクロン単位以下の微細な粒子で
構成される含炭素組成物の1つの粒子の中に、さらにそ
の粒子よりも微細な金属酸化物と単体炭素の両者が共存
するといった、均一かつ微細な混合の極限とも言える状
態を呈する、含炭素組成物を提供することにある。
〔発明の開示〕
本発明は、金属酸化物と単体炭素を含む含炭素組成物で
あって、該含炭素組成物は平均粒子径が0.5μ以下の微
粒子よりなり、また該含炭素組成物の比表面積(a)が
5m2/g以上で、炭素相当比表面積(b)および金属酸化
物相当比表面積(c)がいずれも100m2/g以上であり、
炭素相当比表面積(b)および金属酸化物相当比表面積
(c)はいずれも含炭素組成物の比表面積(a)より大
であって、さらに下記の(1)式で定義される金属酸化
物接触比αが0.5以上であることを特徴とするものであ
って、 特に金属酸化物がケイ素、ホウ素もしくはアルミニウム
の酸化物にあっては、炭素相当比表面積(b)および金
属酸化物相当比表面積(c)がいずれも150m2/g以上で
あるようなものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の金属酸化物とは、リチウム、ナトリウム、カリ
ウム、ルビジウム、セシウム等のIA族金属;ベリリウ
ム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリ
ウム等のII A族金属;チタン、ジルコニウム、ハフニウ
ム等のIV A族金属;バナジウム、ニオブ、タンタル等の
VA族金属;クロム、モリブデン、タングステン等のVI A
族金属;マンガン、テクネチウム、レニウム等のVII A
族金属;鉄、ルテニウム、オスミウム等の鉄族金属;コ
バルト、ロジウム、イリジウム等のコバルト族金属;ニ
ッケル、パラジウム等のニッケル族金属;銅、銀、金等
のIB族金属;亜鉛、カドミウム、水銀等のII B族金属;
ホウ酸、アルミニウム、カリウム、インジウム等のIII
B族金属;ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛等のIV B族
金属;リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス等のVB族金
属;イオウ、セレン、テルル等のVI B族金属;セリウ
ム、プラセオジウム、ネオジウム、トリウム、ウラン等
の基土類金属等広範囲の金属の酸化物が挙げられるが、
なかでもケイ素、チタン、タングステン、ホウ素、アル
ミニウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、モリブ
デン、タンタル、クロム、バナジウムの酸化物であれ
ば、耐熱耐蝕セラミックス材料であるこれら金属の炭化
物、窒化物の原料として好適に用いることができ、産業
的な利用価値が高い。なおここで金属酸化物は金属水酸
化物を含むものとする。
本発明の含炭素組成物は、平均粒子径が0.5μ以下の微
粒子からなるものであることを第1の特徴とする。ここ
にいう平均粒子径とは、単一粒子の粒子径の算術平均値
とし、単一粒子の粒子径とはその最大長と最小長の平均
値と定義する。
次に、本発明の含炭素組成物は、比表面積(a)が5m2
/g以上の粉末であることを第2の特徴とする。ここにい
う比表面積は、窒素吸着比表面積(いわゆるBET法によ
り測定された値)をいう。窒素吸着比表面積は、粉体状
固形物の平均粒子径を簡便に示す尺度として用いられ、
窒素吸着比表面積が大きいことは、即ち平均粒子径が小
さいことを意味する。
さらに、本発明の含炭素組成物は炭素相当比表面積
(b)が100m2/g以上好ましくは150m2/g以上であること
を第3の特徴とする。ここで炭素相当比表面積(b)と
は、含炭素組成物より金属酸化物を単体炭素の形態を変
化させずに除去して、残存した単体炭素の比表面積とし
て定義されるが、実際的には測定方法として定義すれば
本発明においては、酸またはアルカリによって金属酸化
物を溶解除去して残った単体炭素の比表面積と定義す
る。酸等による溶解除去の方法として、例えば、SiO2
Ta2O5等はフッ酸に、TiO2、ZrO2、MoO2、WO2等は硫酸
に、V2O5、CrO3、H3BO3、Al(OH)3等は塩酸に、WO3等は
アンモニア水によってそれぞれ溶解除去できる。
また金属酸化物相当比表面積(c)は、100m2/g以上好
ましくは150m2/g以上であることを第4の特徴とする。
ここで金属酸化物相当比表面積(c)とは、上記炭素相
当比表面積とは逆に、単体炭素を除去して残存した金属
酸化物の比表面積を意味するが、本発明においては、簡
便な炭素除去法として、含炭素組成物を空気中で600±5
0℃に加熱して、燃焼除去する方法を採用する。これら
炭素相当比表面積(b)および金属酸化物相当比表面積
(c)は、いずれも含炭素組成物の比表面積(a)より
も大なることを第5の特徴とする。該第5の特徴は、そ
の物理的意味として本発明の含炭素組成物に含まれる金
属酸化物と単体炭素の共存する状態は、両者がお互いに
接触し、窒素吸着比表面積の測定における窒素の吸着し
うる表面を打ち消し合った状態で、含炭素組成物の表面
が形成されることを意味する。即ち含炭素組成物の単一
粒子の中には、金属酸化物が単体炭素に囲まれたような
状態、あるいは単体炭素が金属酸化物に囲まれたような
状態が存在することとなる。
さらにまた、本発明において第6の特徴として、上記
(1)式で定義される金属酸化物接触比が0.5以上であ
ることを必要とする。ここでaは含炭素組成物比表面
積、bは炭素相当比表面積、cは金属酸化物相当比表面
積であり、金属酸化物含有率、炭素含有率は、それぞれ
含炭素組成物の重量を1としたときのそれらの重量割合
をいう。(1)式の意味するところを模式図を用いて説
明すれば次の如くである。第1図は含炭素組成物を形成
する粒子の1個の状態を、モデル的に示したものであ
る。xは金属酸化物の露出した面積、即ち含炭素組成物
の比表面積に表れる部分(すなわち比表面積として測定
される部分)を示し、yは同様に単体炭素の露出した表
面(すなわち比表面積として測定される部分)を示す。
zは金属酸化物と単体炭素とが、単一の粒子の中で接触
した部分の面積を示す。かかる部分は、図から明らかな
ごとく金属酸化物を除去して炭素相当比表面積に表れる
部分であり、また単体炭素を除去して、金属酸化物相当
比表面積に表れる部分である。従って、金属酸化物の表
面のうち、単体炭素と接触している部分の割合は、α=
z/(x+z)で表され、この値が金属酸化物接触比αの
意味するところである。なんとなれば、金属酸化物含有
率、炭素含有率およびa、b、c、x、y、zの間には
次の関係があり、 x+y=a y+z=炭素含有率×b x+z=金属酸化物含有率×c これらをα=z/(x+z)に代入してαを求めれば
(1)式が誘導される。
本発明の第6の特徴である金属酸化物接触比が0.5以上
であることは、金属酸化物の表面の5割以上が単体炭素
で覆われることを意味する。なお該接触比αが0であれ
ば、金属酸化物と単体炭素の粒子が接触せずにそれぞれ
独立しており、1であれば金属酸化物の粒子が単体炭素
で完全に覆われていることを示すことは言うまでもな
い。
これら上記特徴すなわち要件を満たす含炭素組成物は、
平均粒子径が0.5μ以下で比表面積が5m2/g以上といっ
た、微細な粉末の1つの粒子の中に、それよりもさらに
微細な大きさの金属酸化物と単体炭素が共存してなるこ
とが理解される。均一かつ微細の極限ともいえる混合状
態を呈するかかる粉末は、従来全く知られていない。
このような含炭素組成物の製造方法としては、例えば本
発明者らが先に特開昭59-49828号公報においては提案し
た方法、即ち、水蒸気を含む熱ガス中に分解性金属化合
物および分解性炭素化合物を装入して、金属酸化物と単
体を含む混合エーロゾルを生成させて、この分散質を捕
集することによって基本的に得ることができる。
さらに詳しくは、本発明の新規含炭素組成物は、第2図
に示したような反応炉を用いて、SiCl4、CH3SiCl3、TiC
l4、BF3、B(OCH3)3、AlCl3、Al(OCH3)3など、水蒸気を
含有する熱ガス中で容易に加水分解、熱分解などの反応
を起こし、該金属の酸化物を生成する分解性金属化合物
と、トルエン、キシレン、軽油、重油、エチレンボトム
などの、熱ガス中に装入された場合容易に分解して単体
炭素(スス)を生成しうる分解性炭素化合物とを、水蒸
気を含む熱ガス中に同時に装入し、これら化学反応によ
って生成するエーロゾルより、分散質を分離捕集して製
造することが出来る。この方法によって得られた含炭素
組成物は、金属酸化物と単体炭素とが極めて均一かつ微
細な混合状態を呈する。その理由としては、原料たる分
解性金属化合物と分解性炭素化合物とを、水蒸気を含む
熱ガス中で同時に分解することにより、まず分子レベル
の大きさの金属酸化物と単体炭素を生成せしめることが
出来、該金属酸化物と単体炭素との生成と同時に、分子
レベルでの両者の混合をひきつづいて伴わしめるもので
あるから、原理的にもきわめて均一かつ完全ともいえる
混合状態が得られるものと推察される。
含炭素組成物の平均粒子径、炭素含有率、金属酸化物含
有率、比表面積、炭素相当比表面積、金属酸化物相当比
表面積は、含炭素組成物の製造条件である金属化合物装
入量、炭素化合物装入量、装入用ノズル種、熱風用燃料
装入量などによって、操作することができるが本発明の
6つの特徴をいずれも満足する含炭素組成物を得るため
には、次の条件を採用すればよい。
(1)反応炉内の最高温度は600℃以上、好ましくは700
〜1600℃とする。
(2)金属化合物の装入量は、装入される金属のg−原
子量と、熱ガス中に含まれる水蒸気のモル分子量の比
(モル−分子量H2O/g−原子金属)で0.5〜20、好ましく
は1〜7とする。
(3)炭素化合物の装入量は、熱ガス1m3に対して0.05
〜0.6kg、好ましくは0.1〜0.4kgとする。
(4)炭素化合物と金属化合物の装入量の割合は、炭素
化合物中の炭素と金属化合物中の金属の式量比(g−原
子C/g−原子金属)で5〜50、好ましくは8〜30とす
る。
(5)炭素化合物と金属化合物は、別々のノズルより反
応炉内に装入してもよいが、好ましくは、(必要によ
り)昇温することによっていずれも気体、またはいずれ
も液体の状態にし、これらを予め混合したものを、単一
のノズルより炉内に装入する。
〔発明の作用効果〕
本発明は、噴霧乾燥や二種の搬送ガスを合一させる従来
の方法のように、気相で微粉末を物理的に混合して得ら
れる金属酸化物と単体炭素との混合物よりも、はるかに
均一かつ微細に混合された含炭素組成物を提供すること
にあり、その本質的な混合形態の相違は次の点にある。
即ち、噴霧乾燥法等によって微粉末を気相で物理的に混
合する従来の方法では、一見いかに完全に混合が起こっ
ているように思われても、実際はそれぞれの粒子の粉末
の二次凝集体が混合内容に関する最小単位であるにすぎ
ないのである。
これは、噴霧されるそれぞれの微粉末の粒子は互いに溶
着し、すでにそれぞれ20ないし100個単位とするブドウ
状の二次凝集体を形成していて、粒子を均一に混合する
ためには、該二次凝集体を、まずその構成単位たる個々
の粒子に結合を切って、バラバラに分解する必要がある
が、該凝集体の結合は極めて強固であり、通常の手段で
は、これを切断することは著しく困難であるからであ
る。
しかるに、本発明の含炭素組成物は、その微細な粉末の
1つの粒子自体が、それよりもさらに微細な金属酸化物
微粒子と単体炭素微粒子が共存した状態にあるものから
構成され上記の従来法によって得られた二次凝集体の単
位を、仮に何らかの特別な方法によってバラバラに分解
できたとしても、含炭素組成物の方が均一かつ微細に関
して、さらに一段と勝れることが理解される。
〔産業上の利用可能性〕
含炭素組成物に含まれる金属酸化物が、ケイ素、チタ
ン、タングステン、ホウ素、アルミニウム、ジルコニウ
ム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、クロ
ム、バナジウムの酸化物であれば、これら含炭素組成物
を、強熱化反応させSiC、TiC、WC、B4C、ZrC、HfC、Nb
C、Mo2C、TaC、Cr3C2、VC等の金属炭化物を得ることが
でき、また窒素、アンモニア等窒素含有化合物ガス雰囲
気のもとで強熱化反応させて、Si3N4、TiN、BN、ZrN、A
lN、HfN、NbN等の金属窒化物を得ることができる。
本発明の含炭素組成物を原料として得られたこれらの金
属炭化物、金属窒化物は、従来の噴霧乾燥法等によって
混合された金属酸化物と単体炭素との混合物を原料とし
て得られた金属炭化物等に比較して、格段に微細である
といった特徴があり、セラミック焼結体用の原料粉末と
して好適に用いることができる。
なお金属酸化物がケイ素、ホウ素、アルミニウムの酸化
物にあっては、本発明者等の実験的知見上、これら含炭
素組成物の炭素相当比表面積および金属酸化物相当比表
面積が150m2/g以上であるほうが、SiC、B4C、Si3N4、B
N、AlNのより微細な粉末が得られ易い。
これらセラミック材料への用途の他にも、金属酸化物と
単体炭素が微細に混合した微粉末である特性を利用し
て、塗料、ラッカー、印刷インキ等の顔料、合成樹脂、
ゴム、接着剤等の充填補強剤等の用途にも用いることが
できる。
製造例1 第2図に示す反応炉を用いて、ダクト2より空気を100N
m3/h装入し、燃焼バーナー3より水素を10Nm3/h供給、
燃焼させて、水蒸気を含む熱ガスを得た。同時にノズル
4より、分解性炭素化合物としてトルエンを、分解性金
属化合物としてSiCl4を、予め重量比で1:1に混合したも
のを、30kg/hの流量で炉内に装入した。炉内は第2図の
位置で1050℃に保った。炉内で生成したエーロゾルはダ
クト6より抜き出し、冷却後、バグフィルターで分散質
を捕集して、含炭素組成物9.8kg/hを得た。この運転条
件において、装入される金属のg−原子量と熱ガス中に
含まれる水蒸気のモル分子量の比、熱ガス1m3に対する
炭素化合物の装入量、炭素化合物中の炭素と金属化合物
中の金属の式量比は各々5.05、0.143、12.9であった。
実施例1 製造例1で得られた含炭素組成物の平均粒子径、炭素含
有率、SiO2含有率、比表面積(a)を測定した結果は、
各々0.015μ、46%、53%及び45m2/gであった。
また、該含炭素組成物5gに濃度45重量%のHF水溶液100c
c加えてSiO2を溶解除去し、残存した単体炭素の比表面
積(b)を測定した結果は233m2/gであり、一方該含炭
素組成物を600℃の空気中で加熱して単体炭素を燃焼除
去して、残存したSiO2の比表面積(c)を測定した結果
は362m2/gであった。(1)式を用いて、これらの数値
より算出した金属酸化物SiO2接触比αは0.66であった。
製造例1で得た含炭素組成物の30gを黒鉛ルツボに装入
し、アルゴン雰囲気中で1700℃で2時間加熱し、一旦冷
却後、空気中で600℃に加熱することによって残存した
単体炭素を燃焼除去し、SiC粉末10.2gを得た。得られた
SiC粉末のX線回折スペクトルを解析した結果、結晶形
状は立方晶であり、電子顕微鏡影像解析によるその平均
粒子径は0.16μで、粒子形状は均等にそろった球形であ
ることが観察された。第3図に含炭素組成物の、第4図
に含炭素組成物よりSiO2を除去して残存した単体炭素
の、第5図に含炭素組成物を加熱して得られたSiC粉末
の透過型電子顕微鏡像を示す。
製造例2〜12 製造例1と同様な方法で、水蒸気を含む熱ガスを得るた
めの燃料、分解性金属化合物及び分解性炭素化合物とし
て表1に示す化合物をそれぞれ用いて、表1に示す条件
で含炭素組成物を得た。
分解性金属化合物と分解性炭素化合物は、製造例2〜
7、9〜12においては予め混合してノズルから炉内に装
入した。また、製造例8では分解性金属化合物はノズル
4から、分解性炭素化合物はノズル5から別々に炉内に
装入した。
実施例2〜7及び比較例1〜5 製造例2〜12によって得られた含炭素組成物の平均粒子
径、炭素含有率、SiO2含有率、比表面積(a)、炭素相
当比表面積(b)、SiO2相当比表面積(c)及びSiO2
触比αの測定値を表2に示す。測定法は実施例1と同様
である。
また製造例2〜12で得られた含炭素組成物各30gを使用
し、表2に示した条件で炭化物または窒化物の粉末を得
た。得られた炭化物または窒化物の粉末の生成量及び平
均粒子径を表2に示す。なお表2において、実施例2は
製造例2で得られた含炭素組成物を使用して得られた結
果であり、以下順に製造例3は実施例3に、製造例4は
実施例4に、製造例5は実施例5に、製造例6は実施例
6に製造例7は実施例7に、製造例8は比較例1に、製
造例9は比較例2に、製造例10は比較例3に、製造例11
は比較例4に、製造例12は比較例5にそれぞれ対応する
ものである。
生成した炭化物または窒化物の結晶形状は表2に示す様
な形状であった。また、電子顕微鏡影像解析による炭化
物または窒化物の平均粒子径は、それぞれ表2に示した
値であり、実施例2、3で得られた炭化物はいずれも粒
子径のそろった球状の粒子であることが観察されたが、
実施例5〜7は粒子が相互にわずかに凝集していること
が観察され、比較例1〜5においては粒子がかなり相互
に凝集していることに加え、粒子径が1μ以上の粗大粒
子が15〜20重量%含まれることが観察された。第6図に
比較例1で得られた炭化物(SiC)の透過型電子顕微鏡
写真を示す。
比較例6 市販の炭素粉末(カーボンブラック、比表面積118m2/
g)と、SiO2微粉末(アエロジル、比表面積205m2/g)と
を、実施例1の含炭素組成物の炭素含有率、SiO2含有率
と一致するように、0.46:0.54の重量割合で湿式振動ミ
ルを用いて10時間混合した後、スプレードライヤーを用
いて乾燥し、炭素とSiO2の混合物を得た。得られた混合
物の平均粒子径は0.019μ、比表面積(a)は149m2/g、
実施例1と全く同様にして測定した炭素比表面積(b)
は118m2/g、SiO2相当比表面積(c)は205m2/gで、これ
らよりSiO2接触比(金属酸化物接触比)αはゼロと計算
された。この混合物30gより実施例1と全く同様にし
て、1700℃で2時間加熱後、残存した単体炭素を燃焼除
去して、SiC粉末6.8gを得た。得られたSiC粉末の結晶形
状は立方晶であった。電子顕微鏡影像解析によるその平
均粒子径は3.4μで、ほとんど全ての粒子は粒子径が1
μ以上の粗大粒子であることが観察された。
比較例7 アメリカ特許3,123,567号に開示された方法に従ってTiC
粉末を製造した。市販のTiO2微粉末(比表面積60m2/g)
を、直径4〜6mmの顆粒状に成形したもの100gを、ガス
燃焼方式の加熱炉内に装入し、水素を燃焼させて得た熱
ガスによって炉内を加熱した。炉内温度が1200℃まで昇
温した時点で熱ガスの供給を停止し、代わってメタンを
1.0Nm3/hの流量で1時間加熱炉内に装入した。冷却後、
加熱炉より取り出したTiO2の顆粒には、メタンの熱分解
によって単体炭素125gが析出しており、TiO2と単体炭素
の混合物として225gが得られた。得られた混合物の平均
粒子径は0.48μ、比表面積(a)は120m2/g、実施例5
と全く同様にして測定した炭素相当比表面積(b)は18
0m2/g、TiO2相当比表面積(c)は52m2/gで、これらよ
りTiO2接触比は0.08と計算された。
この混合物30gより、実施例3と全く同様にして1800℃
で3時間加熱後、残存した単体炭素を燃焼除去してTiC
粉末9.9gを得た。得られたTiC粉末の結晶形は立方晶
で、電子顕微鏡影像解析によるその平均粒子径は3.2μ
で、ほとんど全ての粒子は平均粒子径が1μ以上の粗大
粒子であることが観察された。
以上実施例、比較例より、実施例1〜4のごとく本発明
の特徴たる要件をいずれも満足する含炭素組成物から
は、焼結体原料用粉末として好ましいとされる微細で、
粒子径のそろった球状に近い炭化物または窒化物の粉末
が得られることが理解される。実施例5〜7より、炭素
相当比表面積(b)および金属酸化物相当比表面積
(c)が100m2/g以上であっても150m2/g未満であると、
得られる炭化物または窒化物の粉末が、やや二次凝集を
呈した状態となり易い傾向があり、より好ましくは150m
2/g以上であることが望ましいことが理解される。
比較例1〜5より本発明の6つの特徴をいずれも満足す
る含炭素組成物を原料としなくては、焼結体用原料粉末
として好ましいとされる微細で粒子径のそろった球状の
炭化物または窒化物粉末が得られないこと、またこの様
な含炭素組成物を得るためには (1)反応炉内の最高温度は600℃以上、好ましくは700
〜1600℃とする。
(2)金属化合物の装入量は、装入される金属のg−原
子量と、熱ガス中に含まれる水蒸気のモル分子量の比
(モル−分子H2O/g−原子金属)で0.5〜20、好ましくは
1〜7とする。
(3)炭素化合物の装入量は、熱ガス1m3に対して0.05
〜0.6kg好ましくは0.1〜0.4kgとする。
(4)炭素化合物と金属化合物の装入量の割合は、炭素
化合物中の炭素と金属化合物中の金属の式量比(g−原
子C/g−原子金属)で、5〜50、好ましくは8〜30とす
る。
(5)炭素化合物と金属化合物は、別々のノズルより反
応炉内に装入してもよいが、好ましくは(必要により)
昇温することによっていずれも気体、またはいずれも液
体の状態にし、これらを予め混合したものを、単一ノズ
ルより炉内に装入する。
の5つの条件の採用が不可欠であることが理解される。
比較例6は単体炭素と金属酸化物SiO2が微細な粉末であ
っても、機械的に混合する方法では、金属酸化物接触比
αはゼロであり、得られる炭化物または窒化物は本発明
の含炭素組成物より得られる炭化物または窒化物に比較
して、粒子径が1ケタも大きいことが理解され、また比
較例7からは金属酸化物TiO2の粒子の表面に、炭化水素
の熱分解によって単体炭素を析出させる方法では、金属
酸化物TiO2接触比αは0.08と本発明の含炭素組成物の金
属酸化物TiO2接触比αのわずか2割以下にとどまり、こ
れを加熱して得られるTiCも、本発明の含炭素組成物よ
り得られるTiCに比較して、平均粒子径が1ケタ大きい
ことが明かである。
ここで第3図から第9図として示した、電子顕微鏡像に
ついて説明する。
第3図は製造例1のSiO2と単体炭素を含む組成物の写真
像であり、第4図は該組成物よりSiO2を溶解除去して残
存した炭素の写真像である。この両者を比較してみる
と、第3図と第4図では形態に変化が生じていることが
観察され、第4図には粒子の中心部分が欠落した殻状の
粒子が観察される。このことは含炭素組成物には単一粒
子中にSiO2が単体炭素で囲まれた状態が存在することを
示している。
同様のことが製造例3の含炭素組成物の写真像である第
7図と、該含炭素組成物よりTiO2を溶解除去して残存し
た単体炭素の写真像である第8図との比較においても、
TiO2が単体炭素で囲まれた状態があることを示してい
る。
第5図、第9図はそれぞれ実施例1、3の含炭素組成物
より得られたSiC及びTiC粒子の写真像であり、粒度分布
の狭い球状の形状であることがわかる。これらに比較し
て、第6図の比較例1で得られたSiC粉末の写真像で
は、粒子相互が結合した二次凝集や粗大粒子が多く含ま
れることが判る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、含炭素組成物を形成する1つの粒子におけ
る、金属酸化物と単体炭素の混合状態を示す模式図であ
る。 図において x……金属酸化物の露出した部分の面積、y……単体炭
素の露出した部分の面積、z……金属酸化物と単体炭素
とが1つの粒子の中で接触した部分の面積 を示す。 第2図は、本発明の含炭素組成物を得るための反応炉の
1例を示す断面図である。 図面において、 1.……炉材、2.……ダクト、3.……燃焼バーナー、4.…
…ノズル、5.……ノズル、6.……ダクト を示す。 第3図〜第9図は、透過型電子顕微鏡を用いて撮影し
た、各種粉体粒子の結晶状態を示す写真である。 ここで第3図は製造例1で得た含炭素組成物、第4図は
該組成物よりSiO2を溶解除去して残存した単体炭素を示
す。第5図は実施例1で得たSiC、第6図は比較例1で
得たSiCを示す。第7図は製造例3で得た含炭素組成
物、第8図は該組成物よりTiO2を溶解除去して残存した
単体炭素、第9図は実施例3で得たTiCを示す。 なお、倍率は第3図、第4図、第7図、第8図は4万
倍、第5図、第6図、第9図は2万倍である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01G 39/02 43/01 // C01B 31/30 31/34 31/36 A Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属酸化物と単体炭素を含む含炭素組成物
    であって、該含炭素組成物は、平均粒子径が0.5μ以下
    の微粒子よりなり、また該含炭素組成物の比表面積
    (a)が5m2/g以上で、炭素相当比表面積(b)および
    金属酸化物相当比表面積(c)がいずれも100m2/g以上
    であり、炭素相当比表面積(b)および金属酸化物相当
    比表面積(c)はいずれも含炭素組成物の比表面積
    (a)より大であって、さらに下記の(1)式で定義さ
    れる金属酸化物接触比αが0.5以上であることを特徴と
    する新規含炭素組成物。
  2. 【請求項2】金属酸化物がケイ素、チタン、タングステ
    ン、ホウ素、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウ
    ム、ニオブ、モリブデン、タンタル、クロム、バナジウ
    ムより選択される酸化物である特許請求の範囲第1項記
    載の含炭素組成物。
  3. 【請求項3】金属酸化物がケイ素、ホウ素、アルミニウ
    ムの酸化物から選択され、炭素相当比表面積(b)およ
    び金属酸化物相当比表面積(c)がいずれも150m2/g以
    上である特許請求の範囲第1項記載の含炭素組成物。
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