JPH0773499B2 - 組換えdna発現ベクタ−およびペニシリウム・クリソゲナムのイソペニシリンnシンセタ−ゼをコ−ドしているdna化合物 - Google Patents

組換えdna発現ベクタ−およびペニシリウム・クリソゲナムのイソペニシリンnシンセタ−ゼをコ−ドしているdna化合物

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JPH0773499B2
JPH0773499B2 JP61281613A JP28161386A JPH0773499B2 JP H0773499 B2 JPH0773499 B2 JP H0773499B2 JP 61281613 A JP61281613 A JP 61281613A JP 28161386 A JP28161386 A JP 28161386A JP H0773499 B2 JPH0773499 B2 JP H0773499B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ペニシリウム・クリソゲナム(Penicicilliu
m chrysogenum)のイソペニシリンNシンセターゼ(iso
penicillin N synthetase)活性をコードしているDNA配
列に関するものである。イソペニシリンNシンセターゼ
は、δ−(L−α−アミノアジピル)−L−システイニ
ル−D−バリン〔δ−(L−α−aminoadipyl)−L−c
ysteinyl−D−valine〕からイソペニシリンNを生成す
る反応を触媒する。この反応は、以下に記載する様な重
要な抗生物質を生合成する上での主要な工程である。即
ち、該抗生物質には、ペニシリウム・クリソゲナム、セ
フアロスポリウム・アクレモニウム(Cephalosporium a
cremonium)、ストレプトマイセス・クラブリゲルス(S
treptomyces clavuligerus)由来のペニシリン類、およ
びC.アクレモニウム由来のセフアロスポリン類さらに、
S.クラブリゲルス由来の7α−メトキシセフアロスポリ
ン類がある。
イソペニシリンNシンセターゼ活性をコードしている新
規なDNA配列は、P.クリソゲナムから分離された。この
配列は、上記活性を発現する組換えDNA発現ベクターを
組立てるのに有用である。本発明におけるある種のベク
ターは、大腸菌(E.coli)でイソペニシリンNシンセタ
ーゼ活性を高水準で発現させ、一方、他のベクター類
は、C.アクレモニウムおよびP.クリソゲナムでその活性
を発現させる。
大腸菌(E.coli)産生のイソペニシリンNシンセターゼ
活性は、δ−(L−α−アミノアジピル)−L−システ
イニル−D−バリンからイソペニシリンNを生成する反
応を触媒する。本発明の大腸菌ベクターで形質転換され
た大腸菌の粗細胞エキスは、あらかじめ活性化処理をし
なくても、イソペニシリンNシンセターゼ活性を現わ
す。このように、本発明の大腸菌ベクターは、活性のあ
るイソペニシリンNシンセターゼを大量に得るのに効率
的な手段を提供するものである。イソペニシリンNシン
セターゼは、イソペニシリンNの産生に有用であるばか
りでなく、新規な抗生物質を生成するための、δ−(L
−α−アミノアジピル)−L−システイニル−D−バリ
ン以外のトリペプチドの縮合にも有用である。
本発明のセフアロスポリウム・ベクターは、菌株を改良
する目的に利用できる。セフアロスポリウムは、ペニシ
リンやセフアロスポリン抗生物質を産生する上で有用
な、経済的に重要な微生物である。本発明の特定の組換
えDNA発現ベクターを用いてセフアロスポリウムを形質
転換することにより、該形質転換体におけるイソペニシ
リンNシンセターゼの生体内濃度が高くなるであろう。
同様に、本発明のペニシリウム・ベクターも菌株を改良
するのに利用される。ペニシリウムは、ペニシリン抗生
物質を産生する上で有用な、経済的に重要な微生物であ
る。本発明の特定の組換えDNA発現ベクターを用いてペ
ニシリウムを形質転換すると、該形質転換体におけるイ
ソペニシリンNシンセターゼの生体内濃度が高くなるで
あろう。形質転換体は、対応する非形質転換体よりも多
くのイソペニシリンNシンセターゼを有しているので、
より速く、より効率的にイソペニシリンNを産生するこ
とができ、従つて、抗生物質産生には、対応する非形質
転換体よりも有用である。
イソペニシリンNシンセターゼをコードしているDNA化
合物は容易に修飾することができ、他の微生物たとえば
S.クラブリゲルスが関与する発酵の効率と収率を向上さ
せる発現ベクターを組立てることができる。本発明のイ
ソペニシリンNシンセターゼをコードしているDNAは、
P.クリソゲナムから分離されたが、本発明のE.コリ(大
腸菌)、ベクターやC.アクレモニウム・ベクターが示す
ように、このDNA化合物は、広く様々な宿主細胞におい
てイソペニシリンNシンセターゼ活性を発現するベクタ
ーを組立てるのに使用できる。ペニシリン系やセフアロ
スポリン系抗生物質を産生する全ての微生物は、共通の
前駆物質であるδ−(L−α−アミノアジピル)−L−
システイニル−D−バリンとイソペニシリンNを利用し
ている。従って、本発明のイソペニシリンNシンセター
ゼをコードしているDNA化合物は、ペニシリンやセフア
ロスポリン抗生物質を産生するあらゆる属の微生物によ
る発酵の効率や収率を改良するのに有用なベクターを作
成するのに使用することができる。
本発明のイソペニシリンNシンセターゼをコードしてい
るDNA化合物は、P.クリソゲナムのゲノムDNAから導か
れ、イソペニシリンNシンセターゼをコードしているゲ
ノムDNAの発現をコントロールしている転写および翻訳
活性化配列と一緒に分離された。本発明は、この新規な
転写および翻訳活性化配列をも包含するものであつて、
この配列は、P.クリソゲナムやC.アクレモニウム内で遺
伝子を発現させるために使用できる。
本発明は、遺伝子のコード(暗号)領域の暗号鎖の3′
末端に位置している。イソペニシリンNシンセターゼ遺
伝子の調節信号(シグナル)をも含んでいる。これらの
3′調節配列は、遺伝子の転写終止、mRNAのポリアデニ
ル化およびプロセツシングシグナルをコードしている。
発現ベクター内において、これらの信号が正しい位置つ
まり、発現される遺伝子のコード領域における暗号鎖の
3′末端に存在すれば、ベクターによりコードされてい
る所望の生産物の発現が増強される。
以下に本発明を更に詳しく説明する。明細書中に開示
し、特許請求した本発明の理解を助け、明瞭にするため
に以下に用語を定義する。
抗生物質−微生物から産生される物質であつて、天然の
形で、あるいは、わずかに化学的修飾を受けただけで他
の微生物または真核細胞の成長を止めるかそれらを殺し
てしまう物質。
抗生物質生合成遺伝子−1次代謝物を抗生物質に転換す
る工程における酵素反応に必要な酵素活性をコードして
いるDNAセグメント。
抗生物質産生微生物−抗生物質を産生するか、あるい
は、発現された場合に抗生物質を産生するであろう遺伝
子を含有している微生物であつて、ストレプトマイセス
(Streptomyces)、バシルス(Bacillus)、モノスポラ
(Monospora)、セフアロスポリウム(Cephalosporiu
m)、ポドスポラ(Podospora)、ペニシリウム(Penici
llium)およびノカルジア(Nocardia)などが含まれる
がこれに限定されない。
抗生物質耐性付与遺伝子−抗生物質に対する抵抗性を付
与する活性をコードしているDNAセグメント。
ApR−アンピシリン耐性付与遺伝子。
bGH−牛成長ホルモン誘導体をコードしているDNA。
二機能性クローニング・シヤトル・ベクター−2つの異
なる種(taxa)の微生物において復製可能であり、さら
に、または組込み可能である組換えDNAクローニングベ
クター。
Ceph DNA−C.アクレモニウム由来のDNA。
Ceph ori−組換えDNAベクターを染色体外で維持させる
C.アクレモニウムのミトコンドリアDNA。
cIPS−C.アクレモニウムのイソペニシリンNシンセター
ゼをコードしているDNA。
cIPSp−C.アクレモニウムのイソペニシリンNシンセタ
ーゼ(IPS)遺伝子の転写および翻訳活性化配列。
cIPSt−C.アクレモニウムのイソペニシリンNシンセタ
ーゼ遺伝子における転写終止、mRNAポリアデニル化およ
びプロセツシングシグナル。
クローニング−DNAセグメントを組換えDNAクローニング
ベクターに組込む過程。
cos−λフアージの粘着末端配列。
機能的ポリペプチド−回収可能な生物活性を有する完全
に異種(ヘテロロ−ガス)あるいは同種(ホモローガ
ス)のポリペプチドまたは前駆体、あるいは、異種ポリ
ペプチドと同種ポリペプチドの一部あるいは全てから成
る回収可能な生物活性を有するポリペプチド、または、
異種ポリペプチドと生物的に不活性な同種ポリペプチド
とから成る回収可能な生物活性を持たない融合ポリペプ
チドであつて、特異的に開裂し得るもの。
ゲノムライブラリー−実質的に特定の微生物のゲノム全
体を表わしているDNAセグメント群がクローンされてい
る一連の組換えDNAクローニングベクター。
HmR−ヒグロマイシンBに対する耐性をもたらすヒグロ
マイシン耐性付与遺伝子。
ハイブリダイゼーション−2本の同種の一本鎖DNA分子
をアニーリングして、完全に塩基対を成している、また
は成していない二本鎖DNA分子を形成させること。
ISP−イソペニシリンNシンセターゼ。
イソペニシリンNシンセターゼ−シクラーゼ(cyclas
e)としても知られており、δ−(L−α−アミノアジ
ピル)−L−システイニル−D−バリンからのイソペニ
シリンNの生成を触媒する酵素。
kan−カナマイシン耐性付与遺伝子。
KmR−カナマイシン耐性付与遺伝子。
lac PO−大腸菌(E.coli)lacオペロンのプロモーター
およびオペレーター配列。
mel−チロシナーゼ遺伝子。
m−RAN−メツセンジヤーリボ核酸。
オペロン−同調的に調節を受ける2または2以上の遺伝
子。
ori−大腸菌(E.coli)内で機能する複製起源。
Pen DNA−P.クリソゲナム由来のDNA。
PGK−酵母サツカロマイセス・セレビシア・ホスホグリ
セレイト・キナーゼ(Saccharomyces cerevisiae phosp
hoglycerate kinase)遺伝子の転写および翻訳活性化配
列。
pIPS−P.クリソゲナムのイソペニシリンNシンセターゼ
をコードしているDNA。
pIPSp−P.クリソゲナムのイソペニシリンNシンセター
ゼ遺伝子の転写および翻訳活性化配列。
pIPSt−P.クリソゲナムのイソペニシリンNシンセター
ゼ遺伝子の転写終止、mRNA ポリアデニル化およびプロ
セツシングシグナル。
組換えDNAクローニングベクター−自律的に復製可能
な、あるいは組込み可能な物質であつて、1またはそれ
以上の付加的なDNA分子を付加し得る、あるいはすでに
該DNA分子が付加されているDNA分子からなる物質であ
り、これにはプラスミドが含まれるがこれに限定されな
い。
組換えDNA発現ベクター−自律的に復製可能な、あるい
は、組込み可能な物質であつて、研究あるいは商業上関
心を持たれているポリペプチドまたはRNAをコードして
いるDNAセグメントを発現させる位置に転写および翻訳
活性化配列を含有している物質であり、これにはプラス
ミドが含まれるが、これに限定されない。
組換えDNAベクター−組換DNAクローニングベクターある
いは発現ベクター。
制限フラグメント−1またはそれ以上の酵素の作用によ
り生成する線状DNA分子。
rRNA−リボソームリボ核酸。
感受性宿主細胞−特定の抗生物質が存在する時、該抗生
物質に対する耐性を付与するDNAセグメントなしでは増
殖することのできない宿主細胞。
TcR−テトラサイクリン耐性付与遺伝子。
転写活性化配列−DNAの転写を促進するDNA配列。
トランスフエクタント−フアージDNAにより形質転換さ
れた受容体宿主細胞。
形質転換体−形質転換された受容体宿主細胞。
翻訳活性化配列−mRNAへ翻訳された時、mRNAのタンパク
質への翻訳を促進するDNA配列。
trp−大腸菌(E.coli)のトリプトフアンオペロンの転
写および翻訳活性化配列。
第1〜17図に示した制限部位および機能地図は、本明細
書で述べる組換えDNAベクターの概略を表わしている。
地図中の制限部位の間隔は、実際のベクター中の制限部
位の間隔に比例しているが、実測された制限部位の距離
は、計算された地図上の距離と多少異つているかもしれ
ない。制限部位に関する情報は完璧なものではなく、従
つて地図に示したものよりも多くの特定の型の制限部位
がベクター上に存在しているかもしれない。
添付の第1図は、プラスミドpIT335、第2図はプラスミ
ドpLC2、第3図はプラスミドpCZ106、第4図はプラスミ
ドpLC3、第5図はプラスミドpPS44、第6図はプラスミ
ドpIT221、第7図はプラスミドpPS19、第8図はプラス
ミドpPS21A、第9図はプラスミドpPS28、第10図はプラ
スミドpPS29、第11図はプラスミドpPS45A.1、第12図は
プラスミドpPS45B.1、第13図はプラスミドpPS42A.1、第
14図はプラスミドpPS42B.1、第15図はプラスミドpPS3
9、第16図はプラスミドpPS41、第17図はプラスミドpPS4
0のそれぞれ制限部位および機能地図の模式図である。
本発明は、P.クリソゲナムのイソペニシリンNシンセタ
ーゼ活性をコードしているDNA化合物、並びに組換えDNA
クローニングベクターおよび発現ベクターに関するもの
である。P.クリソゲナムのイソペニシリンNシンセター
ゼをコードしているDNAの配列を、P.クリソゲナム・ゲ
ノム中のそのコード領域の3′末端と側面を接している
DNAの一部分とともに以下に図示する。図には、二重鎖D
NA分子のうち“センス鎖”即ち暗号鎖のみを示す。ま
た、DNAは、5′→3′の方向に左から右へ図示してあ
る。ヌクレオチド配列には番号が付されており、その番
号はDNA配列の上に示されている。DNA配列ラインの真下
に、イソペニシリンNシンセターゼのアミノ酸残基配列
が、アミノ基末端→カルボキシ末端の方向に、左から右
へ並べられている。各々のアミノ酸残基は、それをコー
ドしているDNAの下に表わされている。アミノ酸基配列
に番号付けを行い、その番号をアミノ酸残基配列の下に
表わした。
P.クリソゲナム・イソペニシリンNシンセターゼ活性を
コードしているDNA配列およびそれに対応したアミノ酸
配列 (図中、Aはデオキシアデニル、Gはデオキシグアニ
ル、Cはデオキシシチジル、Tはチミジル、ALAはアラ
ニン残基、ARGはアルギニン残基、ASNはアスパラギン残
基、ASPはアスパラギン酸残基、CYSはシステイン残基、
GLNはグルタミン残基、GLUはグルタミン酸残基、GLYは
グリシン残基、HISはヒスチジン残基、ILEはイソロイシ
ン残基、LEUはロイシン残基、LYSはリジン残基、METは
メチオニン残基、PHEはフエニルアラニン残基、PROはプ
ロリン残基、SERはセリン残基、THRはスレオニン残基、
TRPはトリプトフアン残基、TYRはチロシン残基およびVA
Lはバリン残基を表わす)。
当業者なら上に図示したDNA配列が本発明の重要部分で
あることを理解できるであろう。上図の配列は、完全に
保護されたデオキシリボヌクレオチド組立てブロツクを
用いて、改良ホスホトリエステル化法により、常法によ
り合成することができる。このような合成法は、当業界
では十分知られており、実質上、イタクラ(Itakura)
ら〔1977、サイエンス(Science)198:1056〕、および
クレア(Crea)ら〔1978、プロナス(プロシーデイング
ス・オブ・ザ・ナシヨナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンスイズ)USA(Proc.Nat.Acad.Sci.USA)75:5765〕の
方法に従つて行なうことができる。さらに、特に好まし
いDNA合成方法は、シーイング(Hsiung)らの1983、ヌ
クレイツク・アシツド・リサーチ(Nucleic Acid Resea
rch)11:3227および−ラング(Narang)らの1980、メソ
ツド・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymolog
y)68:90に開示されている。以上に引用した手作業によ
る方法に加えて、DNA配列はシステツク1450A(Systec 1
450 A)またはABS 380A DNAシンセサイザー(ABS 380A
DNA Synthesizer)のような自動DNA合成機を使用して合
成することもできる。
ほとんどのアミノ酸残基および停止シグナルに対応して
2つ以上のコドンがあることにより生じる遺伝子コード
の同義性によつて、上述したイソペニシリンNシンセタ
ーゼのアミノ酸残基配列は、多くの別個のDNA配列によ
つてコードされることができる。これら互換性のある
(代替の)DNA配列は、本発明の同じアミノ酸残基配列
もコードしていると思われるので、本発明はこれら互換
性のある配列をも含むこととする。
さらに、本発明のイソペニシリンNシンセターゼをコー
ドしているDNAの遺伝的変異体の存在が可能である。こ
れら遺伝的変異体は、本発明の化合物と大部分のDNAお
よびアミノ酸残基配列において相同性を有しており、同
一でなくとも同様の活性を有しているが、実際の本発明
の化合物とは若干相異しているであろう。これら遺伝的
変異体は、本発明の化合物と等価(均等)である。
本発明のイソペニシリンNシンセターゼ活性をコードし
ているDNA化合物は、P.クリソゲナムから単離された。
P.クリソゲナム菌株のゲノムDNA全体のゲノムライブラ
リーを組立て、該ゲノムライブラリーを、プラスミドpI
T335にコードされているC.アクレモニウムのイソペニシ
リンNシンセターゼ遺伝子とホモローガスな配列が存在
しているかどうかについて調べた。このプラスミドは、
ノーザン・レジオナル・リサーチ・ラボラトリーズ、ア
グリカルチアル・リサーチ・サービス、U.S.デパートメ
ント・オブ・アグリカルチヤー、ペオリア、イリノイ
ス、61604から受託番号NRRL B−15960の下で入手でき
る。プラスミドpIT335の制限部位および機能地図を、添
付の第1図に示す。ゲノムライブラリーの様々なベクタ
ーが、C.アクレモニウムのイソペニシリンNシンセター
ゼ遺伝子とホモローガスであると同定され、また、DNA
の塩基配列決定により、これらベクターの少なくともひ
とつは、P.クリソゲナムのイソペニシリンNシンセター
ゼをコードしていることがわかつた。P.クリソゲナムの
イソペニシリンNシンセターゼ遺伝子の完全な配列を含
有するプラスミドpLC2と名付けられたこのベクターの誘
導体を、E.coli(大腸菌)K12 JM109宿主細胞に導入し
た。得られたE.coli K12 JM109/pLC2 形質転換体
は、アメリカン・タイプ・カルチヤー・コレクシヨン、
ロツクビレ、メリーランド20852に受託番号ATCC53334の
下で寄託され、そのストツク・カルチヤー・コレクシヨ
ンの一部となつている。プラスミドpLC2の制限部位およ
び機能地図を、添付の第2図に示す。
プラスミドpLC2は、実施例1に記載した方法により、E.
coli K12 JM109/pLC2から分離できる。プラスミドpLC2
は、大腸菌内でイソペニシリンNシンセターゼを高レベ
ルに発現させるプラスミド(プラスミドpLC3と命名)の
組立てにおける出発物質として使用される。プラスミド
pLC3は、プラスミドpLC2〜の1.6kb Nco I−BgI II 制限
フラグメントをプラスミドpCZ106の〜8.7kb Nco I−Nco
Iと〜1.6 kb Nco I−Bam HI制限フラグメントにライゲ
イトすることにより組立てられる。
プラスミドpCZ106は、ランナウエイ・レプリコン、trp
転写および翻訳活性化配列、およびオペレーター並びに
生成長ホルモン誘導体をコードしているDNA配列を含有
している。プラスミドpCZ106に含まれている型のランナ
ウエイ・レプリコンの使用例は、米国特許第4,487,835
号、第4,499,189号、第4,495,287号に記載、開示されて
いる。本質的に、25℃ぐらいの低温度では、ランナウエ
イ・レプリコンを含有するプラスミドは、大腸菌宿主細
胞1個当り約〜10〜15のコピー数を有しているが、温度
を約37℃まで上げると、コピー数は大腸菌宿主細胞1コ
当り約1,000個に増加する。プラスミドpCZ106を分離す
ることのできるE.coli K12 RV308/pCZ106宿主細胞は、
ノーザン・レジオナル・リサーチ・ラボラトリーズ、ペ
オリア、イリノイスに受託番号NRRL B−15959の下で
寄託され、そのストツク・カルチヤー・コレクシヨンの
一部となつている。プラスミドpCZ106の制限部位および
機能地図を、添付の第3図に示す。
プラスミドpLC3は、プラスミドpCZ106のランナウエイ・
レプリコンとtrp転写および翻訳活性化配列および、プ
ラスミドpLC2由来のイソペニシリンNシンセターゼ遺伝
子のタンパク質をコードしている配列を含有している。
プラスミドpLC2の〜1.6kbNco I〜Bgl II 制限フラグメ
ントは、イソペニシリンNシンセターゼのための全タン
パク質の暗号化配列、およびイソペニシリンNシンセタ
ーゼのアミノ末端メチオニル残基をコードしている を含む、 で示されるNco I 制限酵素認識配列を含んでいる。ま
た、プラスミドpLC2の〜1.6kb Nco I−Bal II 制限フラ
グメントは、Bagl II 末端の上流約500bpと約300bpにあ
る2つのNco I制限部位をも含んでいる。従つて、所望
のフラグメントを得るのにNco Iの部分消化が必要であ
る。trp転写および翻訳活性化配列が、イソペニシリン
NシンセターゼをコードしているDNAを発現させる位置
にくるようにプラスミドpLC3を組立てる。プラスミドpL
C3の制限部位および機能地図を添付の第4図に示す。実
施例2にプラスミドpLC3の組立てを記述する。
約37℃の温度では、プラスミドpLC3を含有する。E.coli
K12 RV308(NRRL B−15624)細胞は、イソペニシリ
ンNシンセターゼを全細胞タンパクの〜10%程度の高レ
ベルで発現する。これらE.coliK12RV308/pLC3形質転換
体由来の粗細胞エキスはδ−(L−α−アミノアジピ
ル)−L−システイニル−D−バリンのイソペニシリン
Nへの転換を触媒することができる。一方、非形質転換
体であるE.coli K12RV308由来の細胞エキスはこの転換
反応を触媒することができない。この転換反応を分析す
る方法を実施例3に記述した。
プラスミドpLC3は、大腸菌内で大量のイソペニシリンN
シンセターゼを生産するのに有効な手段となる。プラス
ミドpLC3による大腸菌形質転換体はイソペニシリンNシ
ンセターゼを全細胞タンパクの10%近いレベルで発現さ
せ、また、大腸菌培養は天然にイソペニシリンNシンセ
ターゼを産生する微生物の培養より手間がかからないの
で、E.coli/pLC3形質転換体を用いて、組換えイソペニ
シリンNシンセターゼを、非組換え、即ち“天然の”イ
ソペニシリンNシンセターゼ産生体よりも能率的かつ経
済的に産生することができる。本発明のE.coliK12/pLC3
形質転換体は、イソペニシリンNシンセターゼをこのよ
うに高度に産生することにより、P.クリソゲナムのゲノ
ム上にコードされているイソペニシリンNシンセターゼ
を実質的に純粋な形で分離することを可能ならしめてい
る。
実施例3に記載されているように、イソペニシリンNシ
ンセターゼは、細胞不含系でδ−(L−α−アミノアジ
ピル)−L−システイニル−D−バリンからイソペニシ
リンNを産生するのに使用できる。イソペニシリンN
は、有益な抗生物質であるばかりでなく、米国特許第4,
307,192号に記載されているようにペニシリンN、セフ
アレキシンおよびその他のセフアロスポリン系抗生物質
等の重要な抗生物質の生産における出発物質でもある。
おそらく、イソペニシリンNシンセターゼの最も重要な
用途は、δ−(L−α−アミノアジピル)−L−システ
イニル−D−バリン以外のトリペプチドを縮合して、新
規なβ−ラクタム誘導体を製造することである。
ペニシリン産生微生物の細胞不含エキスは、非天然の
(天然では産生されない)β−ラクタム系抗生物質の合
成に用いることができる。本発明の大腸菌発現ベクター
は、安価で能率的にイソペニシリンNシンセターゼを得
る方法をもたらし、このものを用いて、天然には起こら
ないようなトリペプチドのin vitroでの縮合を行い、新
規な抗生物質または抗生物質骨格構造を形成することが
できる。
イソペニシリンNシンセターゼの基質となり得る非天然
型トリペプチドの探索は、基質として非天然のトリペプ
チドを許容し得る突然変異型イソペニシリンNシンセタ
ーゼを探索することで補なわれ得る。本発明は、このよ
うな突然変異型イソペニシリンNシンセターゼを調査す
るための出発物質を提供する。大腸菌は突然変異クロー
ニング実験のための最良の宿主であり、本発明の大腸菌
発現ベクターは、当業界に知られた公知の方法、たとえ
ば、放射線処理(X線または紫外線)あるいは化学的突
然変異原(たとえばエチルメタンスルフオネイト、ニト
ロソグアニジンあるいはメチルメタンスルフオネイト)
あるいは部位特異的突然変異誘発等で容易に突然変異さ
せることができ、これにより、非天然のトリペプチドを
基質として認識し、これら非天然型トリペプチドを非天
然型β−ラクタムに縮合させる反応を触媒する突然変異
酵素が得られる。
本発明のもう一つの大腸菌発現ベクターは、まず、プラ
スミドpKC309の〜1.8kb Xmn I制限フラグメントをプラ
スミドpCZ106の〜6.8kb Bst EII−kpn I制限フラグメン
トにライゲイト(結合)し、Xmn I 制限フラグメントの
方向性を於いてのみ異なつているプラスミドpIT344とpI
T344.1を得ることにより組立てられる。プラスミドpKC3
09はノーザン・レジオナル・リサーチ・センターのパー
マネント・カルチヤー・コレクシヨンに、受託番号NRRL
B−15827の下で寄託されている。プラスミドpKC309
は大きさが〜6.8kbであり、プラスミドpKC309をXmn I消
化することにより、大きさ約1.6kb、1.8kb、3.5kbの3
つの平滑末端フラグメントが得られる。プラスミドpKC3
09の〜1.8kb Xmn I 制限フラグメントはアプラマイシン
(apramycin)耐性付与遺伝子を含んでいる。プラスミ
ドpCZ106はサイズ〜10.9kbであつて、プラスミドpCZ106
をBst EIIおよびKpn Iで消化することによりサイズ〜6.
8kb、サイズ〜0.9kbおよびサイズ〜3.2kbの3つのフラ
グメントが得られる。プラスミドpCZ106の〜6.8kb Bst
EII−Kpn I 制限フラグメントは、trp転写および翻訳活
性化配列とランナウエイ・レプリコンを含んでいる。こ
の〜6.8kb Bst EII−KpnI制限フラグメントは、まず
3′Kpn Iオーバーラツプ部を取り除くためにヌクレオ
チド非存在下でT4DNAポリメラーゼで処理し、次いで、
プラスミドpKC309の〜1.8kb Xmn I 制限フラグメントと
ライゲイトさせてプラスミドpIT344およびpIT344.1を組
立てるために、ヌクレオチドの存在下でT4DNAポリメラ
ーゼで処理して平滑末端を生成させる必要がある。
プラスミドpIT344とpIT344.1はサイズ〜8.4kbであり、
この2つとプラスミドを制限酵素Nco IとBam HIで消化
するとサイズ〜7.8kbおよび〜0.6kbの制限フラグメント
が出来る。プラスミドpIT344とpIT344.1との〜7.8kbNco
I−Bam HI制限フラグメントをP.クリソゲナムのイソペ
ニシリンNシンセターゼ遺伝子の完全な暗号配列を含有
するプラスミドpLC2の〜1.6kb Nco I−Bgl II 制限フラ
グメントにライゲートすることでそれぞれプラスミドpI
T345とpIT345.1が得られる。プラスミドpIT345およびpI
T345.1は、それぞれランナウエイ・レプリコンとアプラ
マイシン耐性付与遺伝子およびP.クリソゲナムのイソペ
ニシリンNシンセターゼ遺伝子を発現させる位置にtrp
転写および翻訳活性化配列を含んでいる。E.coli K12/p
IT345とE.coliK12/pIT345.1形質転換体は100μg/mlのア
プラマイシンに耐性を示し、37℃で4〜6時間培養する
と、全細胞タンパクの約10%のレベルでイソペニシリン
Nシンセターゼを発現する。
本発明は明細書に例示した特定のベクターに限定される
ものではない。本発明のDNA化合物は、P.クリソゲナム
のイソペニシリンNシンセターゼ活性をコードしてお
り、本発明のイソペニシリンNシンセターゼの遺伝子変
異体をコードしている他のペニシリウム菌株から相同的
(ホモローガス)なDNA化合物を分離するのに使用する
ことができる。その結果、本発明は、イソペニシリンN
シンセターゼ活性をコードしているプラスミドpLC2に含
まれている、イソペニシリンNシンセターゼをコードし
ているDNと相同的なDNA化合物を含んでいることにな
る。本発明のDNA化合物は、発現ベクターが複製あるい
は組込み可能であり、かつイソペニシリンNシンセター
ゼ活性を発現させるために使用される転写および翻訳活
性配列が機能し得る宿主細胞内で、イソペニシリンNシ
ンセターゼを発現させる発現ベクターを組立てるために
使用することができる。
本明細書に記載されている大腸菌発現ベクターは、大腸
菌内で機能するランナウエイ・レプリコンを利用してい
るが、本発明は大腸菌内でイソペニシリンNシンセター
ゼを発現させるあらゆる大腸菌発現プラスミドあるいは
ベクターをも包含している。従つて、本発明は、イソペ
ニシリンNシンセターゼを発現させ、また、たとえばpB
R322、pACYC184、F、ColV−K94、R1、R6−5、あるい
はR100等のプラスミド由来のレプリコンのような、大腸
菌内で機能するレプリコンを利用する発現ベクターを含
んでいる。また、本発明はプラスミドベクターだけに限
定されるものでなく、イソペニシリンNシンセターゼ活
性を発現させ、宿主細胞中で複製し、維持されるため
に、組込みあるいはウイルスの複製を利用した発現ベク
ターをも包含するものである。
本発明は、イソペニシリンNシンセターゼをコードして
いるDNAを発現させる特定の転写および翻訳活性配列だ
けに限定されるものではなく、大腸菌中でイソペニシリ
ンNシンセターゼを発現させるあらゆる転写および翻訳
活性物質の利用を含んでいる。大腸菌内で機能する多く
の転写および翻訳活性化配列が知られており、それら
は、イソペニシリンNシンセターゼ活性を大腸菌中で発
現させるのに適している。このような転写および翻訳活
性化配列にはlpp、lac、trp、tac、λPLおよびλPR転写
および翻訳活性配列があるが、これに限定されるもので
はない。
上述した種々の大腸菌の転写および翻訳活性化配列ばか
りでなく、他の微生物由来の転写および翻訳活性化配列
も、その活性化配列が機能する宿主細胞中でイソペニシ
リンNシンセターゼ活性を発現させる発現ベクターを形
成するために、本発明のイソペニシリンNシンセターゼ
をコードしているDNA化合物にライゲイトすることがで
きる。大腸菌は、イソペニシリンNシンセターゼの生産
およびそれに続くin vitroでの精製に最も適した宿主で
あるが、大腸菌以外の宿主細胞中でイソペニシリンNシ
ンセターゼを発現させるベクターを有用であり、とりわ
け、特定の微生物のβ−ラクタム系抗生物質の生産能力
および能率を増加させる目的で有益である。
様々な微生物がβ−ラクタム系抗生物質を生産する。す
べてを包括するものではないが、以下の表にβ−ラクタ
ム系抗生物質生産微生物の一覧表を示す。
医薬品業界では上述した多くのβ−ラクタム系抗生物質
生産微生物が抗生物質生産の目的で利用されている。こ
れら微生物の抗生物質生産能力は、発酵中に、抗生物質
生合成酵素の細胞内濃度を増加させることによつて増強
し、さらにより能率的にすることができる。宿主細胞が
イソペニシリンNシンセターゼの活性と関連した中間反
応を介してβ−ラクタク系抗生物質を生産することを条
件として、本発明のイソペニシリンNシンセターゼ活性
をコードしているDNA化合物は、それを適当な宿主細胞
に導入したとき、形質転換された宿主細胞のイソペニシ
リンNシンセターゼの細胞内濃度を増加させることによ
つて宿主細胞の抗生物質生産能と生産効率を増大させる
ような発現ベクターを組立てるのに使用することができ
る。
ベクターが導入された特定の宿主細胞のイソペニシリン
Nシンセターゼの細胞内濃度を増加させるベクターは、
以下の要素を備えている必要があるであろう。1) 本
発明の、イソペニシリンNシンセターゼ活性をコードし
ているDNA化合物、2) 形質転換される宿主細胞内で
機能的であるのみならず、イソペニシリンNシンセター
デ活性をコードしているDNAを発現させる上で正しい方
向性と位置に配されている転写および翻訳活性化配列。
3) 宿主細胞内にベクターを維持させるための複製あ
るいは組込み機能。当然ながら、上述した望ましいベク
ターは、抗生物質耐性付与遺伝子あるいは、ベクターを
含有している宿主細胞を選別する手段となるある種の要
素をも含有していてよいが、このような選別の要素は、
ベクターがその宿種細胞の染色体DNAに組込まれる時に
は、必要なく、望ましくもないだろう。
本発明による様々なプラスミドは、β−ラクタム系抗生
物質生産細胞中でイソペニシリンNシンセターゼ活性の
細胞内濃度を増加させるのに有用である。プラスミドpL
C2は、P.クリソゲナムの完全なイソペニシリンNシンセ
ターゼ遺伝子を含んでいるので、プラスミドpLC2の染色
体組込みを経由するP.クリソゲナムの形質転換によつ
て、イソペニシリンNシンセターゼ遺伝子のコピー数を
増加させ、かくして、酵素の細胞内濃度を増加させるこ
とになる。P.クリソゲナム・イソペニシリンNシンセタ
ーゼ遺伝子はC.アクレモニウム中で機能的である。従つ
て、プラスミドpLC2の染色体組込みを経由するC.アクレ
モニウムの形質転換によつて、イソペニシリンNシンセ
ターゼ遺伝子のコピー数が増加し、酵素の細胞内濃度も
増加することになる。
プラスミドpLC2は、P.クリソゲナム、イソペニシリンN
シンセターゼをコードしているDNAの前にホモローガス
なC.アクレモニウムの転写および翻訳活性化配列が位置
するように、容易に修飾され得る。C.アクレモニウム・
イソペニシリンNシンセターゼ遺伝子の転写および翻訳
活性化配列は、プラスミドpIT335由来の〜0.85kbNco I
制限フラグメントに於いて分離することができる。こ
の〜0.85kb Nco I 制限フラグメントを正しい方向性を
もつてプラスミドpLC2のP.クリソゲナム・イソペニシリ
ンNシンセターゼ遺伝子のコピー領域の5′末端に位置
するNco I 部位に挿入することでプラスミドpPS44が得
られる。従つて、該プラスミドは、P.クリソゲナム・イ
ソペニシリンNシンセターゼ遺伝子を発現させる位置に
ホモローガスなC.アクレモニウム活性化配列を含んでい
る。プラスミドpPS44の制限部位および機能地図を、添
付図面の第5図に示し、プラスミドpPS44の組み立て
を、実施例4に記述する。
C.アクレモニウム転写および翻訳活性化配列はP.クリソ
ゲナム中で機能する。従つて、プラスミドpPS44は、P.
クリソゲナムあるいはC.アクレモニウムのどちらに導入
されても、イソペニシリンNシンセターゼ活性の細胞内
濃度を増加させる。プラスミドpPS44は、P.クリソゲナ
ムまたはC.アクレモニウム内で機能的な選択マーカーを
含んでいないが、容易にこのようなマーカーを含有する
ように修飾することができる。1986年11月5日公開の欧
州特許公開EP−A−200425にはヒグロマイシン耐性付与
遺伝子を発現させる位置に置かれた転写および翻訳活性
化配列を含むpPS29と名付けられているプラスミドが記
載されている。
プラスミドpPS29のヒグロマイシン耐性付与遺伝子は、1
986年4月9日公開の欧州特許公開EP−A−177243に記
述されているように、C.アクレモニウムとP.クリソゲナ
ムの両者内で選択マーカーとして使用することができ
る。この選択マーカーは、プラスミドpPS29の〜2.3kb H
ind III 制限フラグメントに於いて分離することができ
る。pPS29の組立てを実施例5に記述する。プラスミドp
PS29の制限部位および機能地図を、添付の第10図に示
す。
プラスミドpPS29〜2.3kb Hind III制限フラグメントを
分離し、それをHind IIIで部分消化されたプラスミドpP
S44に挿入すると、P.クリソゲナム・イソペニシリンN
シンセターゼ遺伝子を発現させる様位置しているC.アク
レモニウム・イソペニシリンNシンセターゼ遺伝子の活
性化配列ばかりでなく、プラスミドpPS29由来のヒグロ
マイシン耐性付与遺伝子をも含有する様々なプラスミド
が得られる。
プラスミドpPS44には、プラスミドpPS29のヒグロマイシ
ン耐性供与フラグメントを挿入するのに適した2つのHi
nd III 制限部位があり、しかも、このプラスミドpPS29
のHind III 制限フラグメントは、二つの方向性をもつ
てプラスミドpPS44のHind III部位のどちらにも挿入で
きるので、この挿入操作により、4つのプラスミドが出
来ることになる。これらpPS45A.1、pPS45A.2、pPS45B.
1、pPS45B.2と名付けられた4つのプラスミドは、P.ク
リソゲナムとC.アクレモニウムの両方でイソペニシリン
Nシンセターゼ活性を発現させると共に、その両方にヒ
グロマイシン耐性を付与する。プラスミドpPS45A.1とpP
S45B.1の制限部位および機能地図を添付の第11図と第12
図にそれぞれ示す。プラスミドpPS45A.2とpPS45B.2は、
それらの対応物であるpPS45A.1およびpPS45B.1と、プラ
スミドpPS29の〜2.3kb Hind III 制限フラグメントの挿
入された方向性においてのみ異なつている。実施例6に
プラスミドpPS45A.1、pPS45A.2、pPS45B.1、pPS45B.2の
組立てを記述する。
プラスミドpLC2もプラスミドpPS29のヒグロマイシン耐
性供与遺伝子を含むように修飾することができる。プラ
スミドpLC2は、プラスミドpPS29の〜2.3kb Hind III
制限フラグメントを挿入するのに適した2つのHind III
制限部位を含んでいる。従つて、プラスミドpPS29の〜
2.3kb Hind III 制限フラグメントをHind III消化して
1ケ所切断されたプラスミドpLC2へ挿入することにより
pPS42A.1、pPS42A.2、pPS42B.1、pPS42B.2と名づけられ
る4つのプラスミドが得られる。プラスミドpPS42A.1と
pPS42B.1の制限部位および機能地図を、添付の第13図、
第14図にそれぞれ示す。プラスミドpPS42A.1、pPS42A.
2、pPS42B.1、pPS42B.2の組立てを実施例7に記述す
る。
プラスミドpLC2は、P.クリソゲナム・ゲノムとイソペニ
シリンNシンセターゼをコードしているDNAの上流に位
置する約0.9kbのゲノムDNAを含んでいるので、プラスミ
ドpLC2は必然的にイソペニシリンNシンセターゼをコー
ドしているDNAの転写および翻訳活性化配列を含有する
ことになる。転写および翻訳活性化配列のほとんどは、
活性化を受けるDNAの上流にコードされている。しか
し、リボゾームRNAをコードしているDNA配列のいくつか
は、暗号領域の上流に位置しない転写活性化配列によつ
て活性化される。“上流”とは、分子生物学において使
用される用語で、本明細書中では、イソペニシリンNシ
ンセターゼをコードしているDNAの暗号鎖の5′末端よ
りも5′方向にあるDNAを指すものとする。
プラスミドpLC2にコードされているP.クリソゲナムの転
写および翻訳活性化配列は、イソペニシリンNシンセタ
ーゼ活性をコードしているDNAを発現させるよう、正し
く配置されている。なぜなら、プラスミドpLC2の組立て
においては、転写および翻訳活性化配列に影響を及ぼす
ような欠失あるいは挿入が、イソペニシリンNシンセタ
ーゼ活性をコードしているDNの暗号鎖の5′末端と側面
を接しているDNAに導入されないからである。プラスミ
ドpLC2上に置かれたP.クリソゲナム転写および翻訳活性
化配列は、多種多様なDNA配列を発現させるために使用
できるので、この活性化配列は本発明の需要部分を成し
ている。P.クリソゲナム・イソペニシリNシンセターゼ
遺伝子の活性化配列は、プラスミドpLC2上のイソペニシ
リンNシンセターゼ活性をコードしているDNAのすぐ上
流に近接している〜820bp Eco RI−Nco I制限フラグメ
ント上にコードされていることで知られている。上述し
た〜820bp Eco RI−Nco I制限フラグメントを含む制限
フラグメントはどれでも、必ず、本発明のP.クリソゲナ
ム転写および翻訳活性化配列を含んでいる。
プラスミドpLC2上にコードされているP.クリソゲナム転
写および翻訳活性化配列の配列に関するデータがある。
以下の配列は、プラスミドpLC2上でイソペニシリンNシ
ンセターゼ活性をコードしているDNAの上流にあるDNA配
列を示している。配列中に“XXXXXXXXXX"領域として表
わされているように、活性化配列を含んだ〜820bp Eco
RI−Nco I制限フラグメントの配列の一部分だけが分つ
ている。活性化配列がプラスミドpLC2中でどのように位
置しているかを更に明らかにするために、制限フラグメ
ントを、制限酵素Eco RIとNco Iによる開裂により特徴
付けられる1本鎖DNAオーバーラツプとともに示す。
プラスミドpLC2上にコードされているペニシリウム・ク
リソゲナム(Penicillium chrysogenum)の転写および
翻訳活性化配列のDNA配列の一部 図中“↑”はイソペニシリンNシンセターゼのコード領
域の始まりを表わす。“TAC"はイソペニシリンNシンセ
ターゼのアミノ末端メチオニル残基をコードしている
5′−ATG−3′と相補的である。
P.クリソゲナムの転写および翻訳活性化配列は、プラス
ミドpPS39が示すように、種々のDNA配列を発現させるた
めに使用することができる。プラスミドpPS39は、本発
明のP.クリソゲナム転写および翻訳活性化配列で、ヒグ
ロマイシン耐性付与遺伝子を発現させるために使用され
るC.アクレモニウムの転写および翻訳活性化配列を置換
することにより得られる実施例5に記載のプラスミドpP
S28の誘導体である。
プラスミドpPS39の組立てにおいては、プラスミドpPS38
と名付けられる有用な中間体プラスミドが使用される。
プラスミドpPS38は、イソペニシリンNシンセターゼ遺
伝子の活性化配列を含有するプラスミドpLC2の〜0.83kb
Bam HI−Nco I制限フラグメントを分離し、その〜0.
83kb Bam HI−Nco Iフラグメントに、Bam HIとNco Iの
両方に適合し得る一重鎖オーバーラツプを伴なつたリン
カーをつなぎ、得られたフラグメントをBam HIで消化
し、そして得られたプラスミドpLC2から誘導された〜0.
84kb Bam HI制限フラグメントをBam HI消化プラスミドp
UC8にライゲイトすることにより組立てられる。このラ
イゲイシヨンにより、pPS38とpPS38.1と名付けられる、
挿入されたBam HI制限フラグメントの方向性に挿入され
たBam HI制限フラグメントの方向性に関してのみ異なる
2つのプラスミドが産生される。プラスミドpUC8はフア
ルマシア・P−Lバイオケミカルズ(Pharmacia P−L B
iochemicals)、800センテニアルアベニユー・ピスカツ
タウエイ(Centennial Ave.,Piscataway),N.J.08854か
ら入手することができる。
プラスミドpPS38を制限酵素Bam HIで消化し、転写およ
び翻訳活性化配列を含有する〜8.4kb Bam HI制限フラグ
メントを分離し、Bam HI消化プラスミドpPS28とゲイラ
イトする。このライゲイシヨンで、pPS39とpPS39.1と名
付けられた2つのプラスミドが生産される。プラスミド
pPS39は、プラスミドpPS38の〜0.84kb Bam HI制限フラ
グメントをプラスミドpPS28の〜5.8kb Bam HI制限フラ
グメントとライゲイトさせることにより得られ、該プラ
スミドは、ヒグロマイシン耐性付与遺伝子を発現させる
上で正しい位置にあるイソペニシリンNシンセターゼ遺
伝子の転写および翻訳活性化配列を含有している。プラ
スミドpPS38の組立てに使用されるリンカーによつて、
ヒグロマイシン耐性付与遺伝子を発現させるための正し
い読みとり枠が、プラスミドpPS39中に維持されること
になる。
プラスミドpPS39.1は、活性化配列がプラスミドpPS39と
反対の方向に位置しているためにヒグロマイシン耐性付
与遺伝子を発現させない点を除いては、プラスミドpPS3
9と類似している。このように、プラスミドpPS39.1は、
形質転写実験におけるネガテイブ・コントロール(負対
照)およびクローニング・ベクターとして有益である。
プラスミドpPS39とpPS39.1の組立てについては実施例8
に記述する。プラスミドpPS39の制限部位および機能地
図を、添付の第15図に示す。
上記の発現ベクターによつて示されるように、P.クリソ
ゲナム転写および翻訳活性化配列を用いて、P.クリソゲ
ナム内でどんなDNA配列をも発現させることができる。
このように、本発明は、有益な物質をコードしているDN
A配列を発現させるためにプラスミドpLC2の〜8.2kb Eco
RI−Nco I制限フラグメントにコードされているP.クリ
ソゲナム転写および翻訳活性化配列を利用することを含
んでいる。また、このP.クリソゲナムの活性化配列は、
C.アクレモニウムで遺伝子産物を発現させるためにも使
用できる。
本発明は、イソペニシリンNシンセターゼのアミノ酸配
列のみならず、P.クリソゲナムでイソペニシリンNシン
セターゼを発現させるのに必要な転写および翻訳活性化
配列をもコードしている完全無傷で、機能的なP.クリソ
ゲナムDNA配列をもクローニングすることに基づくもの
である。さらに、本発明のイソペニシリンNシンセター
ゼ遺伝子はコード領域の下流にある転写終止、mRNAのポ
リアデニル化およびプロセツシング・シグナルを与える
配列を含んでいる。通常、転写終止、mRNAのポリアデニ
ル化およびmRNAのプロセツシングに関与している配列
は、コード領域の終止コドンの下流〜500bpの領域にコ
ードされている。従つて、イソペニシリンNシンセター
ゼのカルボキシ末端をコードしているDNAとその下流配
列を含有している〜0.65kb Bam HI−Bgl II制限フラグ
メントは、イソペニシリンNシンセターゼ遺伝子の転写
終止、mRNAのポリアデニル化およびプロセツシングシグ
ナルをも含んでいることになる。
プラスミドpPS40と名付けられた本発明のベクターは、
P.クリソゲナム・イソペニシリンNシンセターゼ遺伝子
の転写および翻訳活性化配列を含有しており、その下流
にヒグロマイシン耐性付与遺伝子、次いで、P.クリソゲ
ナム・イソペニシリンNシンセターゼ遺伝子の転写終
止、mRNAのポリアデニル化およびプロセツシング・シグ
ナルが続いている。プラスミドpPS40を組立てるには、
まず、プラスミドpLC2の〜0.65kb Bam HI−Bgl II制限
フラグメントをBam HI消化プラスミドpUC8に挿入してプ
ラスミドpPS41を得る(第16図)。
プラスミドpPS41を制限酵素Eco RIおよびHind IIIで消
化し、イソペニシリンNシンセターゼ遺伝子の転写終
止、mRNAポリアデニル化およびプロセツシング・シグナ
ルを含む〜0.68kb Eco RI−Hind IIIを分離する。次い
で、プラスミドpPS39を制限酵素Hind IIIおよびEco RI
で消化し、Hind III−Eco RI消化プラスミドpPS39 DNA
をプラスミドpPS41の〜0.68kb Hind III−Eco RI制限フ
ラグメントにライゲイトして、プラスミドpPS40を得
る。このプラスミドpPS40の組立てを実施例9に記述す
る。また、プラスミドpPS40の制限部位および機能地図
を、添付の第17図に示す。
本発明は、P.クリソゲナムのイソペニシリンNシンセタ
ーゼ遺伝子のクローニングに基づいており、該遺伝子の
機能、つまり、転写および翻訳活性化配列、コード領
域、さらに転写終止、mRNAのポリアデニル化およびプロ
セツシングシグナルを利用する多くの有益はベクターを
含んでいる。これらの各機能は有用であり、広範な用途
のある発現ベクターの組立に利用できる。
活性化配列は、イソペニシリンNシンセターゼあるいは
ヒグロマイシン耐性付与酵素のような有益な物質をコー
ドするどんなDNA配列をも発現させるように、組換えDNA
ベクター上に置くことができる。本明細書には特に記述
していないが、本発明の活性化配列は、1986年11月5日
公開の欧州特許公開EP−A−200425に記載のようにして
分離されたC.アクレモニウムのイソペニシリンNシンテ
ターゼ遺伝子を発現させるために使用することができ
る。従つて、本発明の活性化配列は、その配列の起源で
あるP.クリソゲナム内で有用であるばかりでなく、その
配列が機能するC.アクレモニウムのような他の菌株に於
ても有用である。
組換えDNA発現ベクター上の特定のDNA配列の最終的な発
現は、転写終止、mRNAのポリアデニル化およびプロセツ
シングシグナルを、発現されるべきコード領域にある暗
号鎖の3′末端に配置することにより増強され得る。本
発明は、組換えDNAベクターによる発現を増強させる目
的で使用することのできる転写終止、mRNAポリアデニル
化およびプロセツシングシグナルを提供するものであ
る。
更に、本発明は、P.クリソゲナムのイソペニシリンNシ
ンセターゼ遺伝子の暗号配列を提供し、さらには、大腸
菌、P.クリソゲナム、C・アクレモニウムのような宿主
細胞において、該遺伝子を発現させる多くの発現ベクタ
ーを提供するものである。大腸菌によるイソペニシリン
Nシンセターゼの産生により、酵素が高度に発現され、
容易に分離できるので、該酵素を、in vitroで新規なト
リペプチドを縮合させ、新規な抗生物質の主要な骨格を
得る反応の触媒に使用することができる。C.アクレモニ
ウムとP.クリソゲナムに於てイソペニシリンNシンセタ
ーゼを発現させる本発明の発現ベクターでC.アクレモニ
ウムおよびP.クリソゲナムを形質転換することにより、
イソペニシリンNシンセターゼの濃度が高くなり、その
結果、形質転換細胞中での抗生物質の濃度がより高くな
る。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。た
だし、これらの実施例は、本発明の範囲を限定すること
を意図したものではない。
実施例1 E.coli(大腸菌)K12 JM109/pLC2の培養とプ
ラスミドpLC2の分類 A.E.coli K12 JM109/pLC2の培養 E.coli K12 JM109/pLC2の凍結乾燥品をアメリカン・タ
イプ・カルチヤー・コレクシヨン、ロツクビレ、メリー
ランド(American Type Culture Collection,Rockvill
e,Maryland)から受託番号ATCC53334の下で入手する。
この凍結乾燥品は、以下に記述の方法に於ける“培養
(culture)”として直接使用することができる。
50μg/mlのアンピシシリンを含有する1のL−ブロス
(1当り10gトリプトン、10gNaCl、5g酵母エキス)に
E.colik12 JM109/pLC2培養液を接種し、それを37℃にお
いて空気振盪器(air−shaker)で590nmにおける光学密
度(O.D.590)が〜1吸光単位になるまでインキユベー
トした後、150mgのクロラムフエニコールを培養液に加
えた。インキユベーシヨンは約16時間続けた。クロラレ
フエニコールを添加することでタンパク合成は抑制さ
れ、以後の細胞分裂も阻害されるが、プラスミドの複製
はなお続く。
B.プラスミドpLC2の分離 実施例1Aで調製した培養液をソルバルGSAローター(Sor
vall GSA rotor)〔デユポン・コーポレーシヨン、イン
スツルメント・フロダクツ、バイオメデイカル・デイビ
ジヨン、ニユータウン、CN0670(Dupont Co.,Instrumen
t Products,Biomedical Division,Newtown,CN06470)〕
を用い、6000rpmにおいて5分間、4℃で遠心分離を行
つた。その上澄液を捨て、細胞ペレツトを40mlのTESバ
ツフアー(10mMトリス−HCl、pH=7.5、10mM NaCl、1mM
EDTA)中で洗浄した後、再度ペレツトにする。ふたた
び、上澄液を捨て、細胞ペレツトをドライアイス−エタ
ノール浴中で凍結させた後、解凍した。溶解した細胞ペ
レツトをサツカロース25%と50mMのEDTA溶液10mlに再懸
濁させた。1mlの5mg/mlリゾチーム溶液、3mlの0.25M ED
TA(pH=8)、100μの10mg/mlRNAseAを添加して混合
し、得られた溶液を氷上で15分間インキユベートした。
3mlのライシング(溶解)溶液(3mlの10%トリトン−X1
00、75mlのpH=8の0.25M EDTA、15mlのpH=8の1Mトリ
ス−HClおよび7mlの水を混合することにより調製)をリ
ゾチーム処理済み細胞に加え、混合して得られた溶液を
更に15分間氷上でインキユベートした。この溶解された
細胞をドライアイス−エタノール浴中で凍結させた後、
解凍した。
細胞残骸を、SW27ローター〔ベツクマン、7360N.リンカ
ーン・アベニユー、リンカーンウツド、IL 60646(Beck
man,736ON.Lincoln Ave.,Lincolnwood,IL 60646)〕を
用いて25,000rpmで40分間遠心分離し、緩衝化フエノー
ルで抽出することで取り除いた。30.44gのCsClと約1ml
の5mg/ml臭化エチジウム溶液を加えた後、溶液の容量を
40mlに調整して、VTi50超遠心管(ベツクマン製)にゆ
つくりと注ぎ入れた。管を閉じて、その液をVTi50ロー
ターで42,000rpmにおいて約16時間遠心分離した。紫外
線(UV)で観察されるプラスミド層(バンド)を分離
し、それをTi75管に注ぎ、ローター(ベツクマン製)に
入れて、50,000rpmで16時間遠心分離した。必要とされ
る容量調節は、0.761g/mlCsCl含有のTESを用いて行つ
た。ふたたび、プラスミド層を分離し、塩で飽和された
イソプロパノールを用いて抽出して臭化エチジウムを除
き、TESバツフアーで1:3に希釈した。次いで、2倍容量
のエタノールをその溶液を加えた後、−20℃で一晩イン
キユベートした。SS34ローター〔ソルバル(Sorvall)
製〕で15分間、10,000rpmにおいて遠心分離してプラス
ミドDNAをペレツとにした。
この方法によつて得られた〜1mgのプラスミドpLC2DNAを
1mlのTEバツフアー(pH=8.0の10mMトリス−HClと1mM E
DTA)に懸濁させ、−20℃で保存した。プラスミドpLC2
の制限部位および機能地図を、添付の第2図に表わす。
実施例2 プラスミドpLC3の組立て A.E.coli K12 RV308/pCZ106の培養とプラスミドpCZ1106
の分離。
E.coli K12 RV308/pCZ106の培養の凍結乾燥品は、ノー
ザン・レジオナル・リサーチ・ラボラトリー、ペオリ
ア、イリノイス(Northern Regional Research Laborat
ories Peoria Illinois)より、受託番号NRRL B−159
59の下で入手できる。この凍結乾燥品を用いて、50μg/
mlのカナイマイシンを含有する1リツトルのL−ブロス
に接種し、この接種されたブロスを25℃でO.D.590が、
0.5〜1.0吸光単位になるまで空気振盪器でインキユベー
トする。培養液の光学密度が0.5〜1.0吸光単位になつた
ら、温度を37℃まで上げて2〜6時間インキユベーシヨ
ンを続ける。本明細書中で既に述べたように、ランナウ
エイ・レプリコンは、温度感受性であり、37℃ではコピ
ー数のコントロールができなくなる。37℃でのインキユ
ベーシヨン時間として2〜6時間は非コントロール下で
の複製に十分な時間である。
37℃で2〜6時間インキユベートした後、細胞を採集
し、実質上、実施例IBの方法に従つてプラスミドpCZ106
DNAを分離する。プラスミドpCZ106DNA 約5mgを得、そ
れを5mlのTEバツフアーに懸濁する。プラスミドpCZ106
の制限部位および機能地図を、添付の第3図に示す。
B.プラスミドpCZ106のNco IおよびBam HI消化、並びに
プラスミドpCZ106の〜8.7kb Nco I−Nco Iおよび〜1.6k
b Nco I−Bam HI制限フラグメントの分離 実施例2Aで調製された25μに対応する約25μgのプラ
スミドpCZ106DNAに、10μの10X Bam HI反応バツフア
ー(1.5MNaCl、pH=7.9の60mMトリス−HCl、60mM MgC
l2、1mg/mlの牛血清アルブミン(BSA))、5μ(〜5
0単位)の制限酵素Bam HI、5μ(〜50単位)の制
限酵素Nco Iおよび55μの水を加え、混合した。この
反応物を37℃で4時間インキユベートし、反応を実質
上、終了させた。
次いで、Nco I−Bam HI反応混合物を、所望の〜1.6kb N
co I−Bam HIおよび〜8.7kb Nco I−Nco Iフラグメント
が他の消化産物、〜0.3kb制限フラグメントから明瞭に
分離するまで1%アガロースゲル上で電気泳動させた。
ゲルを臭化エチジウムの希釈溶液(0.5μg/ml)で染色
し、着色されたゲルに長波長紫外線を照射することで、
電気泳動されたDNAを観察した。所望のフラグメントの
位置を確認して、ゲル中のそれぞれの所望のフラグメン
トの前に小さなスリツトをつくり、そのスリツトそれぞ
れにシユレイヒヤーとシユール(Schleicher and Schue
ll(Keene,NH 03431))のNA−45DEAE膜の小片を置い
た。さらに電気泳動を行なうと、DNAが非共有的にDEAE
膜と結合した。所望のフラグメントがDEAE膜と結合した
後、その膜を取り出し、低塩緩衝液(100mM、KCl、0.1m
M EDTA、pH=8の20mMトリス−HCl)で洗浄した。次い
で、それぞれの膜を小管に入れ、高塩緩衝液(1M NaC
l、0.1mM EDTA、pP8の20mMトリス−HCl)中に浸し、DEA
E紙からDNAを取り除くために65℃で1時間インキユベー
トした。65℃でインキユベートした後、培養バツフアー
を採集し、膜を高塩緩衝液で洗い流した。所望のDNAフ
ラグメントを採集する前にこの洗液を培養バツフアーと
いつしよにした。
高温DNA溶液の容量を、NaCl濃度が0.25Mになるように調
製した。その2倍容量の冷無水エタノールを加えた。得
られた溶液を混合し、−70℃で10〜20分間放置した。そ
の後、溶液を15,000rpmで15分間遠心分離した。残存す
る塩を取り除くために、もう一度沈殿させた後、DNAペ
レツトをエタノールで洗い、乾燥し、20μのTEバツフ
アーに再懸濁させるとそのものは、プラスミドpCZ106の
所望の〜1.6kb Nco I−Bam HI制限フラグメントと〜8.7
kb Nco I−Nco I制限フラグメント各〜5.0μgにより構
成されていた。得られた精製フラグメントを、25μの
TEバツフアーに溶解させ、−20℃で保存した。
*特に明記しない限り、制限酵素および連結(ライゲー
シヨン)酵素は、ニユー・イングランド・バイオラボ
ス、32トザー・ロード、ベベリー、MA01915(New Engla
nd Biolabs,32 Tozer Road,Beverly,MA 01915)から入
手した。本明細書の単位の定義は、特定の製造業者によ
る単位の定義に従つている。
C.プラスミドpLC2のNco IおよびBgl II消化並びにイソ
ペニシリンNシンセターゼをコードしている〜1.6kb Nc
o I−Bgl II制限フラグメントの分離 実施冷1Bで調製されたプラスミドpLC2約25μg(25μ
に対応)を10μの10X Bam HIバツフアーと60μの水
に溶解した。制限酵素Bgl II約5μ(50単位)をプラ
スミドpLC2DNAの溶液に加え、得られた反応物を2時
間、37℃でインキユベートした。さらに、約5μ(50
単位)の制限酵素Nco Iを反応混合物に加え、この反応
物を37℃で5分間インキユベートした。その後、70℃で
10分間反応物をインキユベートしてNco Iによる消化を
停止させた。該操作により、部分的Nco I消化物を得
た。Nco I−Bgl II消化DNAを1%アガロースゲル上に置
き、実質上、実施例2Bの方法に従つて、所望の〜1.6kb
Nco I−Bgl II制限フラグメントを分離した。約5μg
の所望のフラグメントを得、25μのTEバツフアー中に
懸濁させ、−20℃で保存した。
D.最終的なプラスミドpLC3の組立て 実施例2Bにより精製されたプラスミドpCZ106の〜1.6kb
Nco I−Bam HI5μと〜8.7kb Nco I−Nco I制限フラグ
メント2.5μを、実施例2Cにより精製されたプラスミ
ドpLC2の1.6kb Nco I−Bgl II制限フラグメント5μ
にライゲイトし、プラスミドpLC3を形成する。反応容量
は30μで、これは、上述のDNAフラグメント、1.1μ
(〜100単位)のT4DNAリガーゼ、3μの10Xライゲイ
シヨン・バツフアー(pP=7.8の0.5Mトリス−HCl、100m
M MgCl2、200mM ジチオスレイトル(dithiothreitol.
(DTT))、10mM ATPおよび1mg/ml BSA)および13.4μ
の水を含んでいる。この反応物を15℃で2時間インキ
ユベートすると、反応は実質上終了する。ライゲイトさ
れたDNAは、所望のプラスミドpLC3である。プラスミドp
LC3の制限部位および機能地図を、添付の第4図に示
す。
実施例3 E.coli K12 RV308pLC3の組立て、および、大
腸菌産性イソペニシリンNシンセターゼの定量 A.E.coli K12 RV308/pLC3の組立て 50mlのE.coli K12 RV308(NRR LB−15624)の培養液を
L−ブロス中で、O.D.590が〜0.5吸光単位になるまで増
殖させた。この培養液を氷上で10分間冷却し、遠心分離
により細胞を採集した。細胞ペレツトを25mlの100mM冷C
aCl2に再懸濁させ、25分間氷上でインキユベートした。
細胞を遠心分離により再度ペレツト状にし、そのペレツ
トを2.5mlの100mM冷CaCl2に再懸濁させて、一晩、氷上
でインキユベートした。
この細胞懸濁液の200μを実施例2Dで調製したライゲ
イトされたDNAと混合し、氷上で20分間インキユベート
し、遠心分離により細胞を採集する。細胞ペレツトを〜
1mlのL−ブロスに再懸濁させ、懸濁液を25℃で1時間
インキユベートする。この細胞混合物の部分標本を、50
μg/mlカナマイシン含有のL−寒天を(15g/の寒天を
含むL−ブロス)プレート上に置き、そのプレートを25
℃で培養する。E.coli K12 RV308/pLC3の形質転換体で
あることは、カナマイシン耐性による淘汰および形質転
換体のプラスミドDNAの制限酵素分析により、実証され
る。プラスミドDNAは、実質上、実施例2Aの方法に従つ
て、E.coli K12 RV308/pLC3形質転換体から得られる
が、この場合には小規模であり、CsCl−傾斜溶離工程が
除かれている。
B.イソペニシリンNシンセターゼ活性を発現させるため
のE.coli K12 RV308/pLC3の培養 実施例3Aにより得られるE.coli K12 RV308/pLC3形質転
換体のいくつかの単離体をそれぞれ50μg/mlのカナマイ
シンを含むL−ブロス5mlづつに接種し、培養液を25℃
で、O.D.590が〜0.2吸光単位になるまで空気振盪器でイ
ンキユベートする。次いで、培養液を37℃の空気振盪器
に移し、37℃で〜6時間インキユベートする。
6時間、37℃のインキユベーシヨンの後、培養液それぞ
れから1mlを集め、遠心分離により細胞をペレツト化す
る。細胞ペレツトを各々、1mlの10mM NaClで洗浄し、1m
lのIPS抽出バツフアー(pH=8.0の0.05M トリス−HCl、
0.01MKCl、0.01M MgSO4)に再懸濁させる。この細胞を
微小チツプを用いて、ソニフイアー・セル・デイスルプ
ター、モデルW185、ヒート・システムズウルトラソニツ
クス、インコーポレイト、プレインビユー、ロングアイ
スランド、NY(Sonifier Cell Disruptor,Model W185,
Heat Systems Vltrasonics,Inc,Plainview,Long Islan
d,NY)により、音波破砕5秒間を6回行うことで音波処
理する。音波処理の破砕の間隔時間は60秒であり、この
間、混合物は氷−エタノール浴中に入れておく。音波分
解の後、細胞混合物を遠心分離にかけて残骸を取り除
き、このまま分析に使用する。
C.イソペニシリンNシンセターゼ活性の定量 以下の定量方法は、シエーン(Shen)らの1984、ジヤー
ナル・オブ・アンチバイオテイクス(J.of Autibiotic
s)、37(9)、1044−1048の方法に従う。
イソペニシリンNシンセターゼ定量反応を全量500μ
で実施する。反応を始めるために、1mlの1.4mM δ(L
−α−アミノアジピル)−L−システイニル−D−バリ
ンと3.75mMDTTの溶液を室温で30〜60分間反応させ、2
量体のトリペプチドを単量体に転換する。以下の保存溶
液pH=7.4の500mMトリス−HCl;100mMKCl;100mMMgSO4;2.
0mM FeSO4;および6.7mMアスコルビン酸、50μづつを
定量管(無菌のガラス製の使い捨て用管、13×100mm)
中に各々分注する。次いで、水で容量150μに希釈し
た様々な量の抽出液を加える。次いでトリペプチド溶液
約100μを各管に加える;このトリペプチドの添加に
より反応が開始する。基質を添加した後、各々の管を振
盪する。次いで、反応混合管を、250rpm、25℃のインキ
ユベーシヨン温度のギロトリー(回転)振盪浴中に入れ
る。反応時間は45分である。
45分の反応後、各々100μの二つのサンプルを取り出
し、生物学的定量(バイオアツセイ)用のプレート中の
ウエルに分注し、ペニシリナーゼA100単位を残りのサン
プルに加える。ペニシリナーゼAは、リカーズ・ラボラ
トリーズ・インコーポレイテツド(Rikers′ Laborator
ies,Inc・)より得られる;その酵素は100,000ユニツト
のバイアルで市販されており、水により5mlに再水和さ
れている。5μ(100単位)の再水和ペニシリナーゼ
Aを各々の反応混合物の残余に加え、室温で5分間反応
させた後、100μのペニシリナーゼA処理済抽出液を
各々、生物学的定量用プレートのウエルに分注する。こ
のペニシリナーゼA処理とは、生物学的定量用プレート
における領域(ゾーン)が、セフアロスポリンあるいは
他の汚染物質でなく、ペニシリンの存在のためであるこ
とを確認するために実施される。
ペニシリンNの標準曲線は、生物学的定量用ウエルにペ
ニシリンNを0.5、1.0、2.0、5.0、10.0、および20.0μ
g加えることで得られる。ペニシリナーゼA活性も、〜
200μの0.2μg/mlペニシリンN5μの該酵素製剤を加
えて確認する。
生物学的定量用プレートは、K131栄養寒天でつくられて
いる。それは、30.5gのBBL 抗菌培地#1〔ベクトン・
デイキンソン・アンド・カンパニー、コケイスビル、MD
(Becton Dickinson & Company,Cockysville,MD)〕
を1リツトルのイオン交換水に溶解し、その溶液を沸騰
させ、70℃に冷却して、35分間、121℃、15psiでオート
クレーブにかけることで調製される。そのプレートに、
700mlの寒天につきミクロコツカス・ルテウス(ATT934
1)の調製したばかりの一夜培養液を4ml接種する。その
M.ルテウスを、K544栄養ブロス中でインキユベートす
る。
該栄養ブロスは、5.0gのデイフコ・ペプトン(Difco pe
ptone)、1.5gのデイフコ酵母エキス、3.5gの塩化ナト
リウム、3.7gのリン酸二カリウム(無水)、1.3gのリン
酸→カリウム、1.5gのデイフコ肉エキスを、イオン交換
水1リツトル中に含んでいて、使用前に、この溶液を沸
騰させ、25℃に冷却し、1NHClあるいは1NNaOHでpH=7
に調節した後、20分間、121℃、15psiでオートクレーブ
にかけることによつて調製される。接種された寒天15ml
を100×15mmのプレート毎に分注する。ウエルは、使い
捨て5ml用ピペツトを用いて吸引することにより得られ
る。各々のウエルは、直径10mMである。
プレートを調製し、サンプルをウエルに分注した後、プ
レートを18時間、37℃のインキユベーターに設置する。
定量結果は、各サンプル・ウエルの周囲の透明な領域の
直径を計測することで得られ、それは、ペニシリンが存
在すれば、生育できないM.ルテウスによるものである。
この定量の結果は、E.coli K12 RV308/pLC3形質転換体
が、イソペニシリンNシンセターゼ活性を発現させてい
ることを証明するものである。
実施例4 プラスミドpPS44の組立て A.プラスミドpIT335DNAのNco I消化およびその結果得ら
れるセフアロスポリウム・アクレモニウムの転写および
翻訳活性化配列をコードしている〜0.85kbフラグメント
の分離 実施例1の方法に実際に従つて得ることのできる50μg
に対応した約50μのプラスミドpIT335DNAを10μの1
0X Bam HIバツフアー、5μ(〜50単位)の制限酵素N
co Iおよび35μの水に加えて混合した。その反応物を
37℃で4時間インキュベートした。次いで、反応混合物
をNaCl、0.25Mにして、2倍容量の無水エタノールで希
釈し、ドライアイス−エタノール浴中で10分間冷却し、
沈殿したDNAをペレツトにするために遠心分離した。
次いで、Nco I消化プラスミドpIT335DNAを1%アガロー
スゲル上で電気泳動させた。実質上、実施例2Bに従い、
イソペニシリンNシンセターゼ遺伝子のC.アクレモニウ
ム転写および翻訳活性化配列を含んだ〜0.85kb制御フラ
グメントをゲルから分離し、精製した。所望のフラグメ
ントを約4μ得、10μのTEバツフアーに懸濁させた。
B.Nco I部分消化プラスミドpLC2の調製 約25μgのプラスミドpLC2DNAを10μの10X Bam HIバ
ツフアーと80μの水に溶解する。約10μ(100単
位)の制限酵素Nco IをプラスミドpLC2DNAの溶液に加
え、その反応物を3分間37℃でインキユベートする。次
いで、緩衝化フエノールで抽出することで反応を止め
る。この短かい反応時間は、Nco I部分消化プラスミドp
LC2DNAを得るように意図したものである。
この反応混合物を1%アガロースゲル上に置き、線状プ
ラスミドpLC2DNAに対応するバンドが、非切断プラスミ
ドや他の反応生産物から分離するまで電気泳動させる。
次いで、線状プラスミドpLC2DNAを実質上、実施例2Bの
方法に従つて分離する。約5μgの線状プラスミドpLC2
を得、それを10μのTEバツフアーに懸濁させる。
C.最終的なプラスミドpPS44の組立て 約2μのプラスミドpIT335の〜0.85kb Nco I制限フラ
グメントを実施例4Bにより得られる部分的なNco I消化
プラスミドpLC2DNA約4μと混合する。約3μの10X
リガーゼバツフアー、19μの水、2μのT4DNAリガ
ーゼのこのDNAの混合物に加え、得られた反応物を16℃
で2時間インキユベートする。ライゲイトされたDNA
は、所望のプラスミドpPS44DNAを構成している。プラス
ミドpPS44の制限部位および機能地図を、添付の第5図
に示す。ライゲイトされたDNAは、以下の記述のよう
に、E.coli K12 JA221を形質転換するために使用する。
D.E.coli K12 JA221/pPS44の組立てとプラスミドpPS44
DNAの分離 L−ブロス中でE.coli K12 JA221(NRRLB−15211)の50
ml培養液をO.D.590が〜0.2になるまで増殖させた。その
培養液を10分間、氷上で冷却し、遠心分離によつて細胞
を採集した。その細胞ペレツトを25mlの冷100mMCaCl2
に再懸濁させて、25分間、氷上でインキユベートした。
細胞をふたたび、遠心分離によりペレツトにし、そのペ
レツトを2.5mlの冷100mMCaCl2中に再懸濁させて、氷上
で一晩インキユベートした。
この細胞懸濁液200μを実施例4で得られたライゲイ
トされたDNAと混合し、氷上で20分間インキユベートす
る。次いで、この混合物を2分間40℃でインキユベート
した後、室温で10分間インキユベートする。3mlのL−
ブロスを細胞混合物に加え、次いで、細胞を空気振盪器
で、37℃、2時間インキユベートする。
プラスミドpLC2には、Nco I制限部位が3つある。プラ
スミドpPS44は、プラスミドpIT335の〜0.85kb Nco I制
限フラグメントをプラスミドpLC2の特定のひとつのNco
I部位に挿入することによつてのみ、組立てられ、しか
もこのフラグメントは、正しい方向で挿入されなければ
ならない。プラスミドpPS44は、Pst I消化およびその消
化産物の分析により同定することができる。これは、プ
ラスミドpLC2の0.85kb Nco I制限フラグメントは、内部
にPsti制限部位を含んでいるという理由に基づく。プラ
スミドpPS44をPst Iで消化することにより、5.3kb、1.3
kb、0.76kb、0.29kbおよび0.25kbのフラグメントが生成
される。
実施例5 プラスミドpPS28とpPS29の組立て A.中間体プラスミドpPS19の組立て 欧州特許公開EP−A−177243には、C.アクレモニウムを
形質転換するためのベクターおよび条件が開示されてい
る。EP−A−177243の組立てフローシート(流れ図)1
〜6および実施例1〜6には、プラスミドpIT221の組立
てが開示されている。プラスミドpIT221の制限部位およ
び機能地図を、添付の第6図に示す。
1μgのプラスミドpIT221DNAを5μの10X Xma Iバツ
フアー(250mM NaCl、pH=7.5の60mMトリス−HCl、60mM
MgCl2、60mM 2−メルカプトエタノールと1mg/ml BS
A)、43μの水および2μ(〜10単位)の制限酵素X
ma I中に溶解した。この反応物を37℃で4時間培養し
た。反応をフエノール抽出により終了させた。このXma
I反応混合物をさらにCHCl3で抽出した後、反応混合物を
NaCl0.25Mにして、2倍量の無水エタノールで希釈し、
ドライアイス−エタノール浴中で10分間冷却して沈殿さ
せ、Xma I消化プラスミドpIT221DNAを遠心分離によりペ
レツトにした。
Xma I消化プラスミドpIT221DNAを500単位のT4DNAリガー
ゼを含む100μの1Xライゲイシヨンバツフアーに再び
溶解した。ライゲイシヨン反応物を12℃で〜16時間イン
キユベートした後、実質上、実施例4Dの方法に従つて、
E.coli K12 JA221を形質転換した。アンピシリン耐性の
プラスミドpPS19形質転換体を該形質転換体のプラスミ
ドDNAの制限酵素分析により同定した。プラスミドpPS19
は、pIT221に認められる〜0.3kb Xma I制限フラグメン
トを含んでいない点でプラスミドpIT221と異なつてい
る。プラスミドpPS19DNAは、実質上、実施例1の方法に
従つて得られた。プラスミドpPS19の制限部位および機
能地図を、添付の第7図に示す。
B.中間体プラスミドpPS23およびpPS23.1の組立て (i)Bam HI消化プラスミドpUC8の調製 約5μgのプラスミウドpUC8〔(フアルマシアP−Lバ
イオケミカルズ(Pharmacia P−L Bio−chemicals)か
ら入手〕を5μの10X Bam HI反応バツフアーと40μ
の水に溶解した。約5μ(50単位)の制限酵素Bam HI
をDNA溶液に加え、この反応物を37℃で2時間インキユ
ベートした。反応を緩衝化フエノールで抽出することで
終了させた後、クロロフオルムで抽出した。Bam HI消化
プラスミドpUC8DNAをNaCl濃度0.25Mに調整し、2倍容量
のエタノールを加え、−70℃で10分間冷却することで沈
殿させた。Bam HI消化プラスミドpUC8DNAを遠心分離に
より採集し、5μの水に再懸濁させた。
(ii)プラスミドpIT335の0.85 kb Nco I制限フラグメ
ントの分離 プラスミドpIT335約10μgを5μの10X Bam HIバツフ
アーと40μの水に溶解した。約5μ(50単位)の制
限酵素Nco IをDNA溶解に加え、この反応物を37℃で2時
間インキユベートした。次いで、反応混合物を0.1%ア
ガロースゲル上に置き、実質上、実施例2Bの方法に従い
IPS遺伝子の転写および翻訳活性化配列を含んだ所望の
〜0.85kb Nco I制限フラグメントを分利した。約1μg
の所望のフラグメントを得、5μの水に懸濁した。
(iii)プラスミドpPS23の組立てに使用するリンカーの
調製 以下のリンカーの重鎖を、自動DNA合成装置を使用して
合成した。
リンカーの各−重鎖約75ピコモルをそれぞれ22.5μの
水と2.5μのリガーゼバツフアーに溶解した。約1μ
(10単位)のT4DNAキナーゼ〔ベセスダ・リサーチ・
ラボラトリーズ(Bethesda Research Laboratories)〕
を各−重鎖DNA溶液に加え、この反応物を37℃で10分間
インキユベートした。キナーゼ反応の後、反応混合物を
70℃で15分間インキユベートした。次いで、一重鎖DNA
をアニーリングしてリンカーを形成するために、2つの
反応混合物をいつしよにし、65℃で10分間インキユベー
トした後、室温で2時間インキユベートし、さらに、4
℃で一晩インキユベートした。
(iv)最終的なプラスミドpPS23とpPS23.1の組立て 1μのBam HI消化プラスミドpUC8DNAを4μのプラ
スミドpIT335の〜0.86kb Nco I制限フラグメントと10μ
のアニーリングされたリンカーの混合物に加えた。約
4μの10Xリガーゼバツフアー、2μ(500単位)の
T4DNAリガーゼおよび29μの水をDNAの混合物に加え、
この反応物を4℃で一晩インキユベートした。ライゲイ
トされたDNAは、所望のプラスミドpPS23およびpPS23.1
を構成していた。
フアルマシアP−Lバイオケミカルズより入手したE.co
li K12 JM109の培養液50mlをL−ブロス中で、O.D.590
が約0.5吸光単位になるまでインキユベートした。培養
液を10分間、氷上で冷却し、細胞を遠心分離により採集
した。細胞ペレツトを25mlの冷100mMCaCl2中に再懸濁さ
せて、25分間氷上でインキユベートした。ふたたび、細
胞を遠心分離によりペレツトにし、そのペレツトを2.5m
lの冷100mM CaCl2中に再懸濁させ、一晩氷上でインキユ
ベートした。
この細胞懸濁液の200μを上記で得られるライゲイト
されたDNAと混合し、氷上で20分間インキユベートし
た。この時間の終わりに、細胞を、2分間、42℃の水浴
中に置いた後、氷上にもどして10分間置いた。細胞を遠
心分離により採集し、1mlのL−ブロス中に再懸濁させ
て、37℃で2時間インキユベートした。
細胞混合物の部分標本をアンピシリン100μg/ml、X−
ガル(X−gal)40μg/ml、IPTG40μG/mlを含有したL
−寒天(L−ブロス1リツトル当り寒天15gを含有)プ
レート上においた。このプレートを37℃で一晩培養し
た。挿入されていないプラスミドを含んだE.coli K12 J
M09/pUC8のようなコロニーは、これらのプレート上では
青色にみえる。挿入されたプラスミドを含有したE.coli
K12 JM109/pPS23のようなコロニーは、白色である。白
色コロニーのいくつかを選び、IPS活性化配列を含む〜
0.85kb Bam HI制限フラグメントの存在に関し、プラス
ミドDNAを制限分析することによつてスクリーニングし
た。実質上、実施例2Aの方法に従い、E.coli K12 JM109
/pPS23細胞とE.coli K12 JM109/pPS23.1細胞から、プラ
スミドDNAを得た。
C.中間体プラスミドpPS21Aの組立て 約50μgのプラスミドpPS23DNAを15μの10X Bam HI反
応バツフアーと125μの水に溶解した。約10μ(100
単位)の制限酵素Bam HIをDNA溶液に加え、この反応物
を37℃で2時間インキユベートした。Bam HI消化プラス
ミドpPS23DNAを1%アガロースゲル上に置き、IPS遺伝
子の活性化配列を含有する〜0.86kb Bam HI制限フラグ
メントを実質上、実施例2Bの方法に従つて分離した。約
5μgの所望のフラグメントを得て、10μの水に懸濁
させた。
5μgのプラスミドpPS19DNAを10μの10X Bam HI反応
バツフアーと85μの水に溶解した。約5μ(50単
位)の制限酵素Bam HIをプラスミドpPS19DNA溶液に加
え、この反応物を37℃で2時間インキユベートした。Ba
m HI消化プラスミドpPS19DNAの反応混合物を、まず、緩
衝化フエノールで1回抽出した後、クロロホルムで2回
抽出した。次いで、DNAを沈殿させ、遠心分離により採
集し、10μの水に再懸濁させた。
約1μの〜0.86kb Bam HI制限フラグメントを1μ
のBam HI消化プラスミドpPS19DNA、3μの10Xリガー
ゼバツフアー、2μのT4DNAリガーゼおよび23μの
水に加えた。得られたライゲイシヨン反応物を15℃で一
晩インキユベートした。ライゲイトされたDNAは所望の
プラスミドpPS21Aを構成していた。
ライゲイトされたDNAを用い、E.coli K12 C600(この菌
株は、アメリカン・タイプ・カルチヤー・コレクシヨ
ン、ロツクビル、MD 20852から、受託番号ATCC33525の
下で入手可能)を、実質上、実施例5B(iv)の方法に従
つて形質転換した。形質転換された細胞を100μg/mlの
アンピシリンを含有したL−寒天フレート上に置き、そ
のプレートを37℃で一晩インキユベートした。
個々のコロニーを形質転換プレートから取り上げて培養
し、プラスミドDNAの調製に使用した。プラスミドDNAを
制限酵素分析により分析した。プラスミドpPS21AをBam
HIで消化すると、7.62kbと0.86kbの制限フラグメントが
得られ、Pst Iで消化すると、5.15kb、1.85kb、0.99k
b、0.49kbの制限フラグメントが得られる。プラスミドp
PS21Aの制限部位および機能地図を、添付の第8図に示
す。
D.最終的なプラスミドpPS287およびpPS29の組立て 約20μのプラスミドpPS21DNAを10μの10X Pst I反
応バツフアー(1.0M NaCl、pP=7.5の100mMトリス−HC
l、100mM MgCl2、1mg/ml BSA)および88μの水に溶解
した。約2μ(150単位)の制限酵素Pst IをDNA溶液
に加え、反応物を37℃で4分間インキユベートした後、
70℃で10分間インキユベートすることにより反応を終わ
らせた。部分的にPst I消化されたプラスミドpPS21A DN
Aをアガロースゲル上に置き、電気泳動にかけた後、ゲ
ルを染色すると、以下のフラグメントが観察された:8.5
kb(線状化されたプラスミド)、8.0kb、7.5kb、7.0k
b、6.6kb、6.1kb、5.2kb、3.3kb、2.3kb、1.9kb、1.5k
b、1.0kb、0.5kb0〜6.6kbと〜61.kbのPst I制限フラグ
メントをそれぞれ、実質上、実施例2Bの方法に従つて分
離した。それぞれ約0.5μgのフラグメントが回収され
た。
〜6.6kb Pst I制限フラグメントを3μの10Xリガーゼ
バツフアーと25μの水に溶解した。約2μのT4DNA
リガーゼをこのDNA溶液に加え、得られた反応物を15℃
で一晩インキユベートした。ライゲイトされたDNAは、
所望のプラスミドpPS28DNAを構成していた。このもの
を、実質上、上記の方法に従い、E.coli K12 C600の形
質転換に使用した。同様に、〜6.1kb Pst I制限フラグ
メントをライゲイトすることにより環状化することで
も、プラスミドpPS29を得た。該プラスミドも、E.coli
K12 C600に導入された。プラスミドpPS28とpPS29の制限
部位および機能地図を各々、添付の第9および10図に示
す。
実施例6 プラスミドpPS45A.1、pPS45A.2、pPS45B.1お
よびpPS45B.2の組立て 約20μgのプラスミドpPS29を10μの10X Hind III 反
応バツフアー(0.5MNaCl、pP=8のトリス−HCl、0.1M
MgCl2、1mg/ml、BSA)と85μの水に溶解する。約5μ
(50単位)の制限酵素Hind IIIをこのDNA溶液に加
え、得られた反応物を37℃で2時間インキユベートす
る。Hind III消化プラスミドpPS29DNAを1%アガロース
ゲル上に置き、ゲル上で〜3.2kb、〜2.3kb、〜0.69kbの
Hind III制限フラグメントがきれいに分離するまで電気
泳動にかける。実施例2Bの方法に実質上に従つて、〜2.
3kb Hind III制限フラグメントを分離する。約5μgの
所望の〜2.3kb Hind III制限フラグメントを得、これを
10μの水中に懸濁させる。
約10μgのプラスミドpP44を10μの10X Hind III反応
バツフアーと80μの水に溶解する。約10μ(〜100
単位)の制限酵素Hind IIIをこのDN溶液に加え、得られ
た反応物を37℃で5分間インキユベートする。反応をフ
エノール抽出により終始させた後、反応混合物を1%ア
ガロースゲル上に置き、1ケ所切断による線状プラスミ
ドpPS44DNAが、非切断プラスミドおよび完全消化産物か
ら分離するまで電気泳動にかける。実質上、実施例2Bに
従い、1ケ所切断の線状プラスミドをゲルから分離す
る。約1μgの所望のフラグメントを得、それを2μ
のTEバツフアーに懸濁させる。
約2μのプラスミドpPS29の〜2.3kb Hind III制限フ
ラグメントと約2μの部分的にHind III消化されたプ
ラスミドpPS44DNAとを、3μ 10Xリガーゼバツフアー
と21μの水とに混合する。この混合物に約2μのT4
DNAリガーゼを加え、得られたライゲイシヨン反応物を1
6℃で2時間インキユベートする。ライゲイトされたDNA
は、所望のプラスミドpPS45A.1、pPS45A.2、pPS45B.1、
pPS45B.2を構成している。
実質上、実施例4Dの方法に従い、ライゲイトされたDNA
を、E.coli K12 JA221を形質転換するために使用する。
形質転換された細胞を100μg/mlのアンピリシリンを含
んだL−寒天上に延ばす。アンピシリン耐性の形質転換
体をプラスミドDNAの制限酵素分析により分析し、E.col
i K12 JA221/pPS45A.1、E.coli K12 JA221/pPS45A.2、
E.coli K12 JA221/pPS45B.1、E.coli K12 JA221/pPS45
B.2形質転換体を同定する。
プラスミドpPS45A.1とpPS45A.2は、プラスミドpPS29の
〜2.3kb Hind III制限フラグメントの挿入部位に関して
のみ、プラスミドpPS45B.1とpPS45B.2と異なつている。
プラスミドpPS44は、2つのHind III制限酵素認識部位
を有しているので、1ケ所切断のHind III消化された線
状プラスミドpPS44には、現実に、Hind III酵素でプラ
スミドのどこが開裂されたかという点で相違する2つの
異なる分子型が存在する。したがつて、プラスミドpPS2
9の〜2.3kb Hind III制限フラグメントを、1ケ所切断
のHind III消化された線状プラスミドpPS44とライゲイ
トすると、〜2.3kbフラグメントの挿入部位が異なる2
つの型のプラスミドが産生される。
プラスミドpPS45A.1とpPS45B.1は、プラスミドpPS29の
〜2.3kb Hind III制限フラグメントの挿入方向に関して
のみ、それぞれの対応物であるプラスミドpPS45A.2とpP
S45B.2と異なつているプラスミドpPS45A.1とpPS45B.1の
制限部位および機能地図を、それぞれ添付の第11および
第12図に示す。
実施例7 プラスミドpPS42A.1、pPS42A.2、pPS42B.1お
よびpPS42B.2の組立て 約10μgのプラスミドpLC2を10μの10 X Hind III反
応バツフアーと80μの水に溶解する。約10μ(〜10
0単位)の制限酵素Hind IIIをこのDNA溶液に加え、得ら
れた反応物を37℃で5分間インキユベートする。反応を
フエノール抽出により終止させた後、反応混合物を1%
アガロースゲル上に置き、1ケ所切断の線状プラスミド
pLC2DNAが、非切断プラスミドおよび完全消化産物から
分離するまで電気泳動する。実質上、実施例2Bの方法に
従つて、1ケ所切断の線状DNAをゲルから分離し、約1
μgの所望のフラグメントを得、2μのTEバツフアー
に懸濁させる。
実施例6で調製したプラスミドpPS29の〜2.3kb Hind II
I制限フラグメント約2μと部分的にHind III消化さ
れたプラスミドpLC2DNA約2μを、3μの10Xリガー
ゼバツフアーと21μの水とに混合する。約2μのT4
DNAリガーゼを混合物に加え、このライゲイシヨン反応
物を16℃で2時間インキユベートする。ライゲイトれた
DNAは、所望のプラスミドpPS42A.1、pPS42A.2、pPS42B.
1、pPS42B.2を構成している。
ライゲイトされたDNAを用い、実質上、実施例4Dの方法
に従つて、E.coli K12 JA221を形質転換する。形質転換
された細胞を100μg/mlのアンピシリンを含んだL−寒
天上に延ばす。アンピシリン耐性形質転換体をプラスミ
ドDNAの制限酵素分析により分析し、E.coli K12 JA221/
pPS42A.1、E.coli 12 JA221/pPS42A.2、E.coli K12 JA2
21/pPS42B.1、E.coli K12 JA221/pPS42B.2 形質転換体
を同定する。
プラスミドpPS42A.1およびpPS42A.2は、プラスミドpPS2
9の〜2.3kb Hind III制限フラグメントの挿入部位に関
してのみ、プラスミドpPS42B.1およびpPS42B.2と異なつ
ている。プラスミドpLC2は、2つのHind III制限酵素認
識部位を有しているので、1ケ所切断のHind III消化さ
れた線状プラスミドpLC2には、現実に、Hind III酵素で
プラスミドのどこが開裂されたかという点で異なつてい
る2つの異なる分子型が存在する。したがつて、プラス
ミドpPS29の〜2.3kb Hind III制限フラグメントを、1
ケ所切断の、Hind III消化された線状プラスミドpLC2と
ライゲイトすることで、〜2.3kb フラグメントの挿入部
位に関して異なる2つの型のプラスミドが産生される。
プラスミドpPS42A.1とpPS42B.1は、プラスミドpPS29の
〜2.3 kb Hind III制限フラグメントの挿入方向に関し
てのみ、それぞれの対応物であるプラスミドpPS42A.2と
pPS42B.2と異なつている。プラスミドpPS42A.1とpPS42
B.1の制限部位および機能地図を、それぞれ、添付の第1
3図と第14図に示す。
実施例8 プラスミドpPS39およびpPS39.1の組立て A.中間体プラスミドpPS38および38.1の組立て (i)Bam HI消化プラスミドpUC8の調製 約5μgのプラスミドpUC8(フアルマシアP−Lバイオ
ケミカルズより得られる)を、5μの10X Bma HI反応
バツフアーと40μの水に溶解する。約5μ(50単
位)の制限酵素Bam HIをこのDNA溶液に加え、得られた
反応物を37℃で2時間インキユベートする。反応を緩衝
化フエノールで抽出することで終止させ、さらに、クロ
ロホルムで抽出する。NaCl濃度を0.25Mに調整し、2倍
量のエタノールを加えて、−70℃で10分間冷却すること
で、Bam HI消化プラスミドpUC8DNAを沈殿させる。
Bam HI消化プラスミドpUC8DNAを遠心分離によつて集
め、5μの水に再懸濁させる。
(ii)プラスミドpLC2の〜0.83 kb Nco I−Bam HI制限
フラグメントの分離 約10μgのプラスミドpLC2を5μの10X Bam HIバツフ
アーと40μの水に溶解する。制限酵素Bam HIおよびNc
o I 約2.5μ(25単位)づつをDNA溶液に加え、得ら
れた反応物を37℃で2時間インキユベートする。次い
で、反応混合物を1%アガロースゲル上に置き、イソペ
ニシリンNシアターゼ遺伝子の転写および翻訳活性化配
列を含んでいる所望の〜0.83kb Nco I−Bam HI制限フラ
グメントを、実質上、実施例2Bの方法に従つて分離す
る。約1μgの所望のフラグメントを得、5μの水に
懸濁させる。
(iii)プラスミドpPS38の組立てに使用するリンカーの
作成 以下のリンカーの一重鎖は、自動DNA合成機を用いて合
成される。
約75ピコモルの各リンカーの一重鎖を、22.5μの水お
よび2.5μのリガーゼバツフアーにそれぞれ溶解し
た。約1μ(10単位)のT4DNAキナーゼ(ベセスダ・
リサーチ・ラボラトリーズ)を各一重鎖DNA溶液に加
え、反応物を37℃で10分間インキユベートした。キナー
ゼ反応の後、反応混合物を70℃で15分間インキユベート
した。次いで、一重鎖DNAをアニーリングし、リンカー
を形成するために、2つの反応混合物を混合し、65℃で
10分間のインキユベーシヨン、室温で2時間のインキユ
ベーシヨンの後、4℃で一晩のインキユベーシヨンを行
つた。
(iv)最終的なプラスミドpPS38およびpPS38.1の組立て 約4μのプラスミドpLC2の〜0.83kb Nco I−Bam HI制
限フラグメントを10μのアニーリングされたリンカ
ー、3μの10Xリガーゼバツフアー、11μの水およ
び2μのT4DNAリガーゼに加え、得られた反応物を4
℃で一晩インキユベートする。ライゲイトされたDNAが
沈殿した後、このDNAを10μの10 X Bam HIバツフアー
と85μの水に再懸濁する。約5μ(50単位)の制限
酵素Bam HIをDNA溶液に加え、得られた反応物を37℃で
2時間インキユベートする。緩衝化フエノールで抽出す
ることで反応を終止させ、さらにクロロホルムで抽出
し、次いで、DNAを数回沈殿させることにより、ライゲ
イトされていないリンカー分子を取り除く。
DNAを3μの10Xリガーゼバツフアーと24μの水に再
懸濁させる。約1μのBam HI消化プラスミドpUC8DNA
と2μ(500単位)のT4DNAリガーゼとをDNA混合物に
加え、得られた反応物を4℃で一晩インキユベートす
る。ライゲイトされたDNAは、所望のプラスミドpPS38と
pPS38.1を構成している。
E.coli K12 JM109の50ml培養液(物)(フアルマシアP
−Lバイオケミカルズより入手可能)(L−ブロス中)
を、O.D.590が約0.5吸光単位になるまで増殖させる。培
養液を氷上で10分間冷却し、細胞を遠心分離により採集
する。細胞ペレツトを25mlの冷100mM CaCl2に再懸濁さ
せ、氷上で25分間インキユベートする。細胞をふたたび
遠心分離によりペレツトにし、そのペレツトを2.5mlの
冷100mM CaCl2に再懸濁させて、氷上で一晩インキユベ
ートする。
この細胞懸濁液200μを上記の如く調製されたライゲ
イトされたDNAと混合し、氷上で20分間インキユベート
するこの期間が終了した時点で、細胞を2分間42℃の水
浴中に入れ、ふたたび10分間氷上にもどす。細胞を遠心
分離により採集し、1mlのL−ブロス中に再懸濁させ
て、37℃で2時間インキユベートする。
細胞混合物の部分標本を100μgアンピシリン/ml、40μ
g X−ガル(gal)/ml、40μg IPTG/mlを含んだL−寒天
(L−ブロス1リツトル中に寒天15g含有)プレート上
に延ばす。このプレートを37℃で一晩インキユベートす
る。E.coli K12 JM109/pUC8のように、挿入されていな
いプラスミドを含有するコロニーはプレート上で青色に
みえる。E.coli K12 JM109/pPS38のように、挿入されて
いるプラスミドを含有するコロニーは、白色である。い
くつかの白色コロニーを選び、そのプラスミドDNAの制
限分析によつて、イソペニシリンNシンセターゼ活性化
配列を含んだ〜0.84kb Bam HI制限フラグメントの存在
に関してスクリーニングする。実質上、実施例2Aの教示
に従い、E.coli K12 JM109/pPS38細胞およびE.coli K12
JM109/pPS38.1細胞より、プラスミドDNAを得る。
B.プラスミドpPS38の〜0.84kb Bam HI制限フラグメント
の分離 約50μgのプラスミドpPS38DNAを15μの10X Bam HI反
応バツフアーと125μの水に溶解する。約10μ(100
単位)の制限酵素Bam HIをこのDNA溶液に加え、得られ
た反応物を37℃で2時間インキユベートする。Bam HI消
化プラスミドpPS38DNAを1%アガロースガル上に置き、
実質上、実施例2Bの方法に従つて、イソペニシリンNシ
ンセターゼ遺伝子の活性化配列を含有する〜0.84kb Bam
IH制限フラグメントを分離する。約5μgの所望のフ
ラグメントを得、10μの水に懸濁させる。
C.Bam HI消化プラスミドpPS28DNAの調製 実施例5で得たプラスミドpPS28約5μgを10μの10X
Bam HI反応バツフアニーと85μの水に溶解する。約
5μ(50単位)の制限酵素Bam HIをこのプラスミドpP
S28DNAの溶液に加え、得られた反応物を37℃で2時間イ
ンキユベートする。Bam HI消化プラスミドpPS28DNAの反
応混合物を緩衝化フエノールで1回抽出した後、クロロ
ホルムで2回抽出する。次いで、DNAを沈殿させて、遠
心分離により採集し、10μの水中に再懸濁させる。
D.最終的なプラスミドpPS39およびpPS39.1の組立て 約1μの〜0.84kb Bam HI制限フラグメントを1μ
のBam HI消化プラスミドpPS28DNA、3μの10Xリガー
ゼバツフアー、2μのT4DNAリガーゼおよび23μの
水に加える。得られたライゲイシヨン反応物を15℃で一
晩インキユベートする。ライゲイトされたDNAは、所望
のプラスミドpPS39とpPS39.1を構成している。実質上、
実施例8A(iv)の方法に従つて、E.coli K12 C600(こ
の菌株は、アメリカン・タイプ・カルチヤー・コレクシ
ヨン、ロツクビレ、MD20852から、受託番号ATCC33525の
下で入手可能)を、ライゲイトされたDNAを用いて形質
転換する。形質転換された細胞を100μg/mlアンピシリ
ン含有のL−寒天プレート上に延ばし、このプレートを
37℃で一晩インキユベートする。
個々のコロニーを形質転換プレートから取り上げて培養
し、プラスミドDNAを調製するために使用する。プラス
ミドDNAを制限酵素分析により分析する。プラスミドpPS
39とpPS39.1は、制限酵素Bam HIで消化することによ
り、他のライゲイシヨン産生物と区別することができ
る。即ち、これらのプラスミドからは、〜0.84kb制限フ
ラグメントと〜5.8kb制限フラグメントとが出来るから
である。プラスミドpPS39とpPS39.1とは、制限酵素Pst
Iで消化することにより互いに区別され得る。即ち、Pst
I消化によつて、プラスミドpPS39からは、〜5.15kb、
〜1.02kb、〜0.43kb制限フラグメントが得られ、一方、
プラスミドpPS39.1からは、〜5.15kb、〜1.07kb、〜0.3
8kb制限フラグメントが得られる。
実施例9 プラスミドpPS40の組立て A.プラスミドpPS41の組立て 約1μgのプラスミドpUC8を2μの10X Bam HI反応バ
ツフアーと16μの水に溶解する。約2μ(20単位)
の制限酵素Bam HIをプラスミドpUC8DNAの溶液に加え、
得られた反応物を37℃で2時間インキユベートする。Ba
m HI消化プラスミドpUC8DNAをフエノールで抽出した
後、クロロホルムで抽出する。Bam HI消化プラスミドpU
C8DNAを沈殿させ、遠心分離により採集し、5μの水
に再懸濁させる。
約10μgのプラスミドpLC2を10μの10X Bam HI反応バ
ツフアーと80μの水に溶解する。制限酵素Bgl IIとBa
m HIの各々約5μ(50単位)をプラスミドpLC2DNA溶
液に加えて、その反応物を37℃で2時間インキユベート
する。次いで、反応混合物を1%アガロースゲル上に置
き、〜0.65kb Bam HI−Bgl II制限フラグメントが他の
反応産物と分離するまで電気泳動する。イソペニシリン
Nシンセターゼ遺伝子の転写終止、mRNAボリアデニル
化、プロセツシングシグナルを含む〜0.65kb Bam HI−B
gl II制限フラグメントを、実質上、実施例2Bの方法に
従つて分離する。所望のフラグメント約2μを得て、5
μの水に懸濁させる。
5μのBam HI消化プラスミドpUC8を2μのプラスミ
ドpLC2の〜0.65kb Bam HI−Bgl IIフラグメント、3μ
の10X リガーゼバツフアー、18μの水および2μ
のT4DNAリガーゼに加える。得られた反応物を15℃で一
晩インキユベートする。Bgl IIオーバーラツプBam HIオ
ーバーラツプとは、互いにライゲイトすることができ、
ライゲイトされることでXbo II制限部位が造られるが、
同時に、一度ライゲイトされると、Bam HIとBgl IIはい
ずれも、結合部においてDNAを開裂できなくなる。ライ
ゲイトされたDNAは所望のプラスミドpPS41を構成してお
り、これを用いて、実質上、実施例5B(iv)の方法に従
い、E.coli K12 RR1△M15(受託番号NRRL B−15440の
下、NRRLより入手される)を形質転換する。
形質転換された細胞を、100μg/mlアンピシリン、40μg
/ml X−ガルおよび40μg/ml IPTGを含有するL−寒天プ
レート上に延ばす。形質転換プレート上で青色を呈しな
いコロニーを培養し、プラスミドDNAを調製するのに使
用し、得られたプラスミドDNAを制限酵素分析により分
析し、E.coli K12 RRZ △M15/pPS41形質転換体であるこ
とを確認する。プラスミドは、2つの方向のうちのひと
つだけが所望のプラスミドを産生するような2つの方向
性のどちらででも挿入できるが、所望の方向性で挿入さ
れた場合には、挿入されたDNAがプラスミドpPS41から、
〜0.86kb Eco RI−Hind III制限フラグメント上に切り
出され得るので、制限酵素Eco RIとHind IIIを用いて形
質転換体のプラスミドDNAを分析することで、E.coli K1
2 RR△M15/pPS41形質転換体を確認することができる。
プラスミドpPS41の制限部位および機能地図を、添付の
第16図に示す。
B.最終的なプラスミドpPS40の組立て 約2μgのプラスミドpPS39を2μの10X Hind III反
応バツフアーと17μの水に溶解する。約1μ(10単
位)の制限酵素Hind IIIをプラスミドpPS39DNAの溶液に
加え、得られた反応物を37℃で2時間インキユベートす
る。次いで、Hind III消化プラスミドpPS39DNAを沈殿さ
せ、遠心分離して採集し、2μの10X Eco RIバツフア
ー(pP=7.5の1.0Mトリス−HCl、0.5MNaCl、50mMMgC
l2、1mg/ml BSA)および17μの水に再懸濁させる。約
1μ(10単位)の制限酵素Eco RIをHind III消化プラ
スミドpPS39DNAに加え、得られた反応物を37℃で2時間
インキユベートする。フエノール抽出により反応を停止
させた後、クロロホルムで抽出する。次いで、Eco RI−
Hind III消化プラスミドpPS39DNAを10μの水に再懸濁
させる。
約25μgのプラスミドpPS41を10μの10X Hind III反
応バツフアーと85μの水に溶解する。約5μ(50単
位)の制限酵素Hind IIIをDNA溶液に加え、得られた反
応物を37℃で2時間インキユベートする。次いで、Hind
III消化プラスミドpPS41DNAを沈殿させ、遠心分離して
採集し、10μの10X Eco RI バツフアーと85μの水
に再懸濁させる。約5μ(50単位)の制限酵素Eco RI
をこのDNA溶液に加え、得られた反応物を37℃で2時間
インキユベートする。
Eco RI−Hind III消化プラスミドpPS41DNAを1%アガロ
ースゲル上に置き、ペニシリウム・クリソゲナムのイソ
ペニシリンNシンセターゼ遺伝子の転写終止、mRNAポリ
アデニル化およびプロセツシングシグナルを含んだ〜0.
68kb Eco RI−Hind III制限フラグメントが、他の反応
産物から明瞭に分離するまで、電気泳動にかける。次い
で、その〜0.68kb制限フラグメントを実質上、実施例2B
の方法に従い、分離、精製する。約2μgの所望のフラ
グメントを得、5μの水に懸濁させる。
約5μのHind III−Eco RI消化プラスミドpPS39DNAに
プラスミドpPS41の〜0.68kb Eco RI−HInd III制限フラ
グメント3μを加える。さらに、約3μの10Xリガ
ーゼバツフアー、17μの水および2μのT4DNAリガ
ーゼをこのDNA混合物に加え、得られたライゲイシヨン
反応物を16℃で2時間インキユベートする。
ライゲイトされたDNAは、所望のプラスミドpPS40を構成
している。そのライゲイトされたDNAを用い、実質上、
実施例4Dの方法に従い、E.coli K12 JA221を形質転換す
る。E.coli K12 JA221/pPS40形質転換を、そのアンピシ
リン耐性表現型、およびそのプラスミドDNAの制限酵素
分析によつて確認する。プラスミドpPS40が、プラスミ
ドpP39の有しているEcoRI−Hind III制限フラグメント
(〜0.356kbサイズ)およびHind III制限フラグメント
(約〜0.685kbサイズ)の箇所にプラスミドpPS41の〜0.
68kb Eco RI−Hind III制限フラグメントを含んでいる
ことを除けば、プラスミドpPS40は、プラスミドpPS39と
同一である。プラスミドpPS40の制限部位および機能地
図を、添付の第17図に示す。
実施例10 セフアロスポリウム・アクレモニウムとペニ
シリウム・クリソゲナムの遺伝的形質転換 以下に述べた形質転換操作は、欧州特許公開EP−A−17
7243に開示されている。この方法は特に、ヒグロマイシ
ン耐性付与遺伝子を含むベクターでC.アクレモニウムを
形質転換することを目的とするものである。また、この
方法は、P.クリソゲナムにも適用でき、さらに、この方
法は、ヒグロマイシンを形質転換プレートに重層するこ
とを省く改良を施すだけで、ヒグロマイシン耐性付与遺
伝子を含まないベクターを用いても行うことができる。
ペニシリウムは、セフアロスポリウムよりもヒグロマイ
シンに対する抵抗性は強い。したがつて、もし、ペニシ
リウム形質転換体をヒグロマイシン耐性表現型によつて
確認しようとするならば、高濃度のヒグロマイシンが必
要となる。一方、ペニシリウムのヒグロマイシンに対す
る天然の抵抗性は、ヒグロマイシンがペニシリウム宿主
細胞膜を通過し難いことにあると思われるので、通過性
をもたせる試薬、たとえばDMSOまたはアラメチシン(al
amethicin)を形質転換プレート中に使用するとよい。
P.クリソゲナムに、ヒグロマイシンに対する感受性をも
たせるのに用いられる特に好ましい透過性試薬は、ポリ
ミキシンBのフイシン開裂により生じるノナペプチドで
ある。また、突然変異誘発性試薬を用いて、低濃度のヒ
グロマイシンに感受性を有するようにした突然変異体P.
クリソゲナムの菌株は、本発明のヒグロマイシン耐性付
与ベクターのための宿主として分離し、使用することが
できる。
たとえば、ベクターが、P.クリソゲナムあるいはC.アク
レモニウム内で機能的な選択マーカーを含まなくとも、
形質転換DNAが存在するために再生プレート上に発生す
るコロニーをスクリーニングすることにより、形質転換
体を確認することができる。このようなスクリーニング
法には、ハイブリダイゼイシヨンや制限酵素分析を利用
する方法がある。プラスミドpLC2とpPS44は、P.クリソ
ゲナムやC.アクレモニウムで機能する選択マーカーを有
していないので、以下の方法によつて得られるP.クリソ
ゲナムやC.アクレモニウムのプラスミドpLC2あるいはpP
S44形質転換体は、それらのDNAの分析によつて確認しな
ければならない。プラスミドpPS39、pPS40、pPS42A.1、
pPS42B.1、pPS42A.2、pPS42B.2、pPS45A.1、pPS45B.1、
pPS45A.2、およびpPS45B.2は、ヒグロマイシン耐性に関
する選択マーカーを含んでいるので、これらのプラスミ
ドを使用して以下の方法で得られるP.クリソゲナムやC.
アクレモニウムの形質転換体は、ヒグロマイシン耐性表
現型およびそのDNAの分析によつて確認することができ
る。
A.セフアロスポリウム・アクレモニウムの菌株 形質転換に好ましいセフアロスポリウムの菌株は、アメ
リカン・タイプ・カルチヤー・コレクシヨン、ロツクビ
ル、メリーランドから受託番号ATCC11550の下で得られ
る。他のセフアロスポリウム菌株、あるいは、セフアロ
スポリンCの生産を改善するために突然変異、陶汰、あ
るいは遺伝的品種改良(育種)によつてATCC11550から
誘導される市販の菌株も、本発明のベクターおよびプラ
スミドによる形質転換体の調製に使用するのに適してい
る。
B.細胞培養のための接種物の作成 C.アクレモニウム細胞を効率良く遺伝的に形質転換する
ためには、細胞壁を取り除いて、安定なプロトプラスト
を形成することが必要である。このようなプロトプラス
トを調製するには、均一な接種物を用いて開始すること
が非常に好都合である。そうしなければ、不適当な細胞
あるいは不十分な量の細胞からC.アクレモニウム・プロ
トプラストを作成することとなり、培養中の細胞(培養
細胞)の調製が再現性のない、時間を要するものとな
る。
C.細胞培養のための均一な接種物の作成 凍結乾燥品、または液体窒素保存液から取り出したもの
を、室温で解凍して得た1アンプルの胞子群〔1.5mlの
保存液(5%ラクトース、10%グリセロール、0.1%ツ
ウイーン80(Tween80)中約109の分生胞子〕を5mlの無
菌の食塩水に希釈する。この懸濁液約0.1mlを、20mlの
トリプチカーゼ −ソイ寒天〔Tryticase −Soy Agar
(BBLTM、デイビジヨン・オブ・ベクトン、デイキンソ
ン&カンパニー、コツキスビル、メリーランド21030(D
ivision of Becton,Dicki−nson&Company,Cockysvill
e,Maryland 21030))〕培地を含んだ約50個の傾斜培
養に接種するために使用する。接種する前に、その表面
の水分が観察できなくなるまで乾燥させておく。接種さ
れた傾斜培養を25℃で約4日間インキユベートする。約
10mlの保存溶液を、それぞれの傾斜培養中の培地表面を
覆つている菌糸状体増殖株に加える。分生胞子を懸濁さ
せるために傾斜培養を旋回させ、各傾斜培養からの分生
胞子懸濁物をプールし、10mlづつに分けて、−80℃で凍
結する。凍結された分生胞子の懸濁物は、徐々に生命力
を失つていくので、−80℃の保存で約3ケ月以降のもの
は使用するべきではない。
D.プロトプラスト作成のための細胞培養 500mlの振盪フラスコ中の約106mlの水生培地に、実施例
10Cで得られた凍結した分生胞子懸濁物10ml由来の細胞
を接種する。細胞を遠心分離(10分×2600rpm)で得た
後、直接水性培養培地に懸濁させる。懸濁する前に、上
澄液をデカントすることが必要である。なぜなら、ラク
トースとグリセロールは、細胞増殖に悪影響を及ぼすか
らである。懸濁された細胞の入つたフラスコの回転水浴
振盪器(gyrotory waterbathshaker)(285rpm、動程1
インチ)上におき、29〜30℃で24時間培養する。培養工
程で記載した29〜30℃の温度は、形質転換可能なプロト
プラストの作成には特に好ましいものである。しかし、
それよりも低い約25℃でも適する。当業者ならば、29〜
30℃は、抗生物質産生のためにC.アクレモニウムを培養
するために好ましい温度(25℃)とは違うことが理解で
きるであろう。
水性培養培地は以下により作成される:100mlの溶液Aを
500mlの振盪フラスコに入れる。そのフラスコを市販の
閉包で覆い、121℃で20分間オートクレーブにかける。
そして、2−lの溶液Bと4mlの溶液Cを溶液Aに加え
て水性培養培地を製する。
溶液A:スクロース36g/L、L−アスパラギン7.5g/L、KH2
PO4 15g/L、K2HPO4 21g/L、Na2SO4、0.75g/L、MgSO4・7
H2O、0.18g/L、CaCl2 0.06g/L、塩類溶液1ml/L(自然の
pH)。
塩類溶液:Fe(NH4)(SO4・6H2O 15g/L、MnSO4・4H
2O 3g/L、ZnSO4・7H2O 3g/L、CuSO4・5H2O 0.8g/L。
溶液B:グルコース 108g/L(121℃で30分間オートクレー
ブ処理)。
溶液C:スクロース 25g/L、コーン・ステープ・リカー
(corn steep liquor)(4%w/v窒素充填)12.5ml、酢
酸アンモニウム5.5g/L、CaCO3 5g/L、これらをKOHでpPH
=6.5に調整、また、121℃で20分間オートクレーブ処
理。
E.セフアロスポリウム・プロトプラストの調製 24時間培養の細胞を吸引過法〔ブツクナー・フンネル
(Buchner funnel)内にワツトマン#1紙(Whatman#1
paper)を入れる〕によつて採集し、ジチオスレイトー
ルを濃度0.01Mまで加えたpH=7.1のマツキルベインのバ
ツフアー(McIlvaine′s Buffer)(0.1Mクエン酸と0.2
Mのリン酸二ナトリウム)中に懸濁させる。最終的にバ
ツフアー20mlにつき1g(吸引過後の重量)の細胞塊の
細胞濃度になるのに十分なバツフアーを加える。細胞懸
濁物を50ml振盪フラスコに入れて回転水浴振盪器上に置
き、29〜30℃で90分間、140rpm、1インチ動程でインキ
ユベートする。ジチオスレイトール処理された細胞を水
で洗い、酵素溶液(pH=6.35のマツキルベインのバツフ
アー中にシグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemic
al Company)のβ−グルクロニダーゼを25mg/mlの割合
で含有し、0.8M NaClと0.02MMgSO4を補充した溶液)中
に再懸濁させる。最終的な細胞濃度は、酵素溶液100ml
につき処理済細胞塊1gである。次いで、細胞懸濁物を回
転水浴振盪器上におき、29〜30℃で3時間、120rpm、1
インチ動程で培養する。プロトプラストの懸濁物を4倍
量の洗浄液(0.8M NaClと0.02M MgSO4)で希釈し、2層
の紙タオルで自然過する。プロトプラストを含んだ
液を室温で5分間、2600rpmで遠心分離する。上澄液
をデカントし、ペレツト状のプロトプラストを10mlの洗
浄液に懸濁させる。洗浄を2回繰り返した後、血球計算
盤の計測によりプロトプラストの濃度が2〜3×108個/
mlになるのに十分な量の0.8M NaClに再懸濁させる。
F.形質転換法 プラスミドの導入(トランスフオーム)のために、0.8M
NaCl中のセフアロスポリウム・プロトプラスト(2〜
3×108/ml)懸濁物1mlを0.005mlの蒸留したばかりのDM
SOに加え、CaCl2を80mMに調整する。導入しようとする
プラスミド約20μgとポリエチレングリコール(ベイカ
ー(Baker)、>20%w/v 水中)をプロトプラストの懸
濁物に加え、10ml容量の混合物とする。混合物を10分
間、室温でインキユベートし、700rpmで5分間遠心分離
し、次に2500rpmで10分間の遠心分離にかける。プロト
プラストのペレツトを1mlの0.8M NaClに懸濁させる。部
分標本(0.1ml)を、10.8%スクロースを豊富にしてプ
ロトプラストの浸透圧的な安定製を高めたトリプチカー
ゼーソイ寒天培地(BBL)の表面にばらまく。
ペトリ・プレートを15℃で24時間インキユベートした
後、0.8M塩化ナトリウムと最終濃度が100μg/mlになる
のに十分な量のヒグロマイシンを含んだ液状寒天(42℃
で0.41%w/v)を各々のペトリ皿に添加する。重層部が
固まつた後、保湿箱内で25℃でインキユベートする。継
代培養するのに十分な大きさの形質転換体コロニーは、
形質転換後5日間で現れてくるが、増殖の緩除な形質転
換体は、継代培養に適した大きさになるのは60日はかか
る。未成熟の形質転換体は、容易に成熟した形質転換体
と区別できる。なぜなら、未成熟の形質転換体は、ヒグ
ロマイシンを100μg/ml含んだ新鮮な培地で継代培養し
たとき、増殖し得ないからである。
【図面の簡単な説明】
第1図はプラスミドpIT335(8.24kb)の制限部位および
機能地図、第2図はプラスミドpLC2(7.05kb)の制限部
位および機能地図、第3図はプラスミドpCZ106(10.8k
b)の制限部位および機能地図、第4図はプラスミドpLC
3(11.9kb)の制限部位および機能地図、第5図はプラ
スミドpPS44(7.9kb)の制限部位および機能地図、第6
図はプラスミドpIT221(8.04kb)の制限部位および機能
地図、第7図はプラスミドpPS19(7.85kb)の制限部位
および機能地図、第8図はプラスミドpPS21A(8.5kb)
の制限部位および機能地図、第9図はプラスミドpPS28
(6.6kb)の制限部位および機能地図、第10図はプラス
ミドpPS29(6.1kb)の制限部位および機能地図、第11図
はプラスミドpPS45A.1(10.2kb)の制限部位および機能
地図、第12図はプラスミドpPS45B.1(10.2kb)の制限部
位および機能地図、第13図はプラスミドpPS42A.1(9.35
kb)の制限部位および機能地図、第14図はプラスミドpP
S42B.1(9.35kb)の制限部位および機能地図、第15図は
プラスミドpPS39(6.6kb)の制限部位および機能地図、
第16図はプラスミドpPS41(3.35kb)の制限部位および
機能地図、第17図はプラスミドpPS40(6.24kb)の制限
部位および機能地図のそれぞれ模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 37/00 9452−4B (C12N 1/15 C12R 1:82) (C12N 1/15 C12R 1:75) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/00 C12R 1:82) (C12N 9/00 C12R 1:75) (C12N 9/00 C12R 1:19) (72)発明者 ステファン・ワイアット・クウィーナー アメリカ合衆国インディアナ46208、イン ディアナポリス、メルボルン・イースト・ ドライブ4270番 (72)発明者 ポール・ルーサー・スケイトラッド アメリカ合衆国インディアナ46142、グリ ーンウッド、フィエスタ・ドライブ1045番

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノ末端からカルボキシ末端の方向で示
    したとき、式: (式中、ALAはアラニン残基、ARGはアルギニン基、ASN
    はアスパラギン残基、ASPはアスパラギン酸残基、CYSは
    システイン残基、GLNはグルタミン残基、GLUはグルタミ
    ン酸残基、GLYはグリシン残基、HISはヒスチジン残基、
    ILEはイソロイシン残基、LEUはロイシン残基、LYSはリ
    ジン残基、METはメチオニン残基、PHEはフェニルアラニ
    ン残基、PROはプロリン残基、SERはセリン残基、THRは
    スレオニン残基、TRPはトリプトファン残基、TYRはチロ
    シン残基およびVALはバリン残基を表す) で示される、ペニシリウム・クリソゲナムのイソペニシ
    リンNシンセターゼをコードしているDNA配列からなるD
    NA化合物。
  2. 【請求項2】DNA配列の暗号鎖が、式: (式中、Aはデオキシアデニル、Gはデオキシグアニ
    ル、Cはデオキシシチジル、Tはチミジルを表す) で示される第1項に記載のDNA化合物。
  3. 【請求項3】アミノ末端からカルボキシ末端の方向で示
    したとき、式: (式中、ALAはアラニン残基、ARGはアルギニン残基、AS
    Nはアスパラギン残基、ASPはアスパラギン酸残基、CYS
    はシステイン残基、GLNはグルタミン残基、GLUはグルタ
    ミン酸残基、GLYはグリシン残基、HISはヒスチジン残
    基、ILEはイソロイシン残基、LEUはロイシン残基、LYS
    はリジン残基、METはメチオニン残基、PHEはフェニルア
    ラニン残基、PROはプロリン残基、SERはセリン残基、TH
    Rはスレオニン残基、TRPはトリプトファン残基、TYRは
    チロシン残基およびVALはバリン残基を表す) で示される、ペニシリウム・クリソゲナムのイソペニシ
    リンNシンセターゼをコードしているDNA配列からなるD
    NA化合物を含有する組換えDNAベクター。
  4. 【請求項4】DNA配列の暗号鎖が、式: (式中、Aはデキオシアデニル、Gはデオキシグアニ
    ル、Cはデオキシシチジル、Tはチミジルを表す) で示されるDNA化合物を含有する第3項に記載の組換えD
    NAベクター。
  5. 【請求項5】プラスミドである第3項または第4項に記
    載の組換えDNAベクター。
  6. 【請求項6】プラスミドpLC2、pLC3、pIT345、pIT345.
    1、pPS44、pPS45A.1、pPS45A.2、pPS45B.1、pPS45B.2、
    pPS42A.1、pPS42A.2、pPS48B.1あるいはpPS42B.2のいず
    れかである第5項に記載のベクター。
JP61281613A 1985-11-25 1986-11-25 組換えdna発現ベクタ−およびペニシリウム・クリソゲナムのイソペニシリンnシンセタ−ゼをコ−ドしているdna化合物 Expired - Fee Related JPH0773499B2 (ja)

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