JPH0774375B2 - 薄板快削鋼の製造法 - Google Patents

薄板快削鋼の製造法

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JPH0774375B2
JPH0774375B2 JP1271195A JP27119589A JPH0774375B2 JP H0774375 B2 JPH0774375 B2 JP H0774375B2 JP 1271195 A JP1271195 A JP 1271195A JP 27119589 A JP27119589 A JP 27119589A JP H0774375 B2 JPH0774375 B2 JP H0774375B2
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朗人 松井
修二 中居
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、薄板快削鋼の製造法、特に抗張力30〜50kgf/
mm2のレベルの薄板から切削加工工程を経て製造される
製品に有効であり、さらにそのような薄板から切削加工
+成形加工を経て製造される製品にも適用できる、パー
ライト分散による薄板快削鋼の製造法に関する。
(従来の技術) 従来より、未脱酸処理のインゴットからのリムド鋼が切
削加工用途に多く用いられる。
リムド鋼は、鋼中に介在物が多く、かかる介在物の存在
が、切削時に被削性を高めると共に、鋼中における組織
間の結合力を弱めるため、切削刃の摩耗を低減させ、さ
らに切粉も切れやすくさせており、被削性がすぐれてい
ると言われている。
一方、通常の脱酸工程を経て製造される介在物清浄度の
良好なキルド鋼は、一般に被削性の高い合金元素を添加
して切削性を高めている。かかる切削性を高める主な元
素には、Pb、S、P、Ca、Se、Te、Bi等があり、これら
の元素を単独あるいは複合させて添加することにより、
鋼組織を脆くしたり、非金属介在物によって切削刃の潤
滑効果を高めたりして切削寿命を伸ばしたりしていわゆ
る切削性を改善している。
これらを紹介する文献として「第96、97回西山記念技術
講座、切削鋼の製造技術の発展と品質の向上」が知られ
ている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、現在の鉄鋼製造プロセスにおいては、連続鋳
造+熱間圧延の製造プロセスの占める割合が80〜90%に
もなり、大幅な製造合理化が実現されている。内質面に
ついても介在物は少なく、強度も各ロット間で均一性が
向上するなど、材質的にも今日的要求を十分に満足でき
る。
しかし、いわゆる快削鋼は、現在でも分塊圧延法によっ
て製造しており、かかる目的でリムド鋼を製造するに
は、鋳型の確保、鋳型手入れ、大型クレーン設置、分塊
工程等の多くのプロセスが入るのは免れない。さらに、
リムド鋼は介在物が過剰な場合や、偏析がひどい場合2
枚割れを生じたりする。また同じインゴットからでも先
端部と後端部で強度が大きく異なり、成形加工等の適用
に困難な面が多い。
そこで、快削鋼用のリムド鋼を連続鋳造法で製造するこ
とで、製造プロセスを合理化し、品質面においても安定
した製品を提供できることが期待される。
しかしながら、通常の連続鋳造鋼はキルド鋼に比べて介
在物が少なく被削性において不適当なため、一般的に
は、切削性を向上させる特殊元素を添加しなければなら
ず、そのとき、特殊元素を添加した鋼は他用途への適用
が困難である。すなわち、今日の製品は、多品種小ロッ
ト傾向が高まり少量受注が多いため、鋳込み残量が増加
する傾向が高い。
例えば、Pb(鉛)元素等を添加する場合、毒性が強く、
人体に影響があるため危険であると同時に、防御設備を
設置すると非常に高額な費用を必要とする。一方、特殊
合金元素は高額でコストアップに直結することは免れな
い。
本発明の目的は、快削性付与のための特殊元素を添加す
ることなく、連続鋳造+熱間圧延の製造プロセスにより
薄板快削鋼を製造する方法を提供することである。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため本発明者らは鋭意研究を重ねた
結果、切削性を向上させるには、C、Mn、Si、S、Al、
Pの六元素と熱間圧延条件を制御し、抗張力30〜50kg/m
m2内にして、かつパーライト面積率を10〜20%かつパー
ライト1個あたりのサイズを5〜30μにする必要がある
ことを知見し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、重量%で、 C:0.05%以上0.20%未満、Si:0.30%以下、 Mn:0.15〜0.70%、sol.Al:0.005〜0.080%、 S:0.030%以下、P:0.050%以下、 さらに好ましくは、N:0.0150%以下にそれぞれ制限し、 残部実質的にFe から成る組成を有する鋼を連続鋳造し仕上温度:800〜95
0℃、巻取温度:500〜700℃の条件で熱間圧延し、抗張力
が30〜50kgf/mm2でパーライト面積率10〜20%かつパー
ライト1個あたりのサイズが5〜30μの組織とすること
を特徴とするパーライト分散による薄板快削鋼の製造法
である。
ここに、薄板快削鋼とは、熱間圧延によって製造される
薄板であれば特にその寸法は制限ないが、例示すれば1.
2〜16.0mm厚の薄板状の快削鋼である。
このように本発明によれば、鋼組成を調整するととも
に、熱間圧延に際しての仕上、巻取温度を変えることで
狙いの抗張力、パーライト面積率を制御し、フェライト
+パーライト組織の快削鋼板を製造することができる。
しかも、これは連続鋳造により、さらにはいわゆるダイ
レクト圧延により製造される場合には、その利益は一層
すぐれたものとなる。
なお、かかる薄板快削鋼から切削加工あるいは切削加工
+成形加工を経て製造される製品としては、リテーナ、
ヨークなどが例示される。
(作用) 次に、本発明の構成要件を限定した理由を示せば次の通
りである。
(1)成分範囲 Cは0.05%以上0.20%未満の範囲に限定するが、これは
パーライト組成および抗張力を制御するために添加する
のであって、0.05%未満では強度が不足し、延性が増加
することから、切削抵抗が大となる。一方、0.20%以上
では強度が過大となり、切削抵抗が大きくなり切削刃寿
命の減少をもたらす。好ましくは、0.06〜0.18%の範囲
内とする。Siは0.30%以下添加しても良い。Siの添加に
より溶綱の脱酸のため添加するAlによって発生するアル
ミナ(Al2O3)量の減少が図れ、切削刃寿命の損耗を抑
制できるからであるが、さらにSiの添加はパーライトを
微細分散化する傾向がある。一方0.30%超ではその効果
が飽和する。好ましくは、0.25%以下である。
Mnは0.15〜0.70%、好ましくは0.25〜0.60%添加される
が、これは抗張力を制御し、靭性を確保するためであ
る。0.15%未満では強度が不足し、また、Sによる赤熱
脆性が見られる。しかし、0.70%超では靭性が劣化して
しまう。
SはMnSの非金属介在物を造るため多いほど切削上から
は有利であるが、一方で、プレス用途に供する場合、介
在物原因による割れをもたらす危険性が高く、0.030%
を上限とする。
Alは脱酸に必要な分だけ存在しておればよく、一般には
0.005〜0.080%であり、これより少ないと脱酸が不足
し、これより多いとAl2O3が生成し切削不良となり、刃
の摩耗がさらに顕著となる。好ましくは、0.010〜0.030
%である。
Pは、パーライトを微細分散化する傾向にあり多量に添
加することが望ましいが、一方で鋼の靭性が低下するの
で、上限は0.050%が望ましい。
Nについては特に制限はないが、好ましくは0.015%以
下に制限する。Nは介在物としても有効であるが、一般
用途においては、時効性を劣化させるので低くする。好
ましくは、0.015%以下に制限する。
(2)圧延仕上げ強度および巻取り強度 使用用途の規格に応じて、抗張力とパーライト組織とを
制限するが、基本的には、巻取温度を高目にして、冷却
速度を遅くし、フェライト+パーライト組織とし、切削
性には、硬すぎるため不利なベイナイト組織を出現させ
ない。
仕上温度は通常の熱間圧延と同様に変態点以上が原則で
かつ800℃以上とする。上限は、950℃とするが、これ以
上の高温仕上げだとパーライトの成長、凝集があり、パ
ーライト微細分散組織とならない。
仕上げ温度は、800〜950℃、好ましくは830〜900℃であ
り、この範囲での仕上げ温度とすることにより、γ領域
での圧延およびパーライト分散制御を行う。
巻取温度は基本的にフェライト・パーライト組織をつく
るために調整する。500℃未満では一部ベイナイト発生
があるため、下限を500℃とした。また700℃超だと粒成
長が進み、パーライトが粗大化する。さらにフェライト
粒が異常グレーングロスになる部分もあるため、加工性
が低下してしまう。よって上限を700℃とする。
このように、巻取り温度は、500〜700℃であり、好まし
くは540〜600℃ある。かかる範囲に限定することによ
り、抗張力を制御するとともに、パーライトの面積率お
よびサイズを制御して組織内の均一化を刷り、フェライ
ト−パーライト組織とする。
かくして、本発明によれば、上述の鋼組成と熱間圧延と
の組合せで、抗張力およびパーライト面積率を制御し、
切削性にすぐれ、打ち抜き、成形加工にも優れた快削鋼
を製造できる。
本発明により製造される快削鋼は、面積率でパーライト
が10〜20%に限定されるが、20%を超えて、パーライト
が多すぎる(C量多く、抗張力高い)と切削性において
刃の摩耗が速く、逆効果になるし、一方、10%未満とパ
ーライトが少なすぎると、材料が柔らかくなり過ぎ、切
削時、構成刃先を作るため切削抵抗を増したり、刃先が
切損して刃先寿命がきわめて短くなる。
よって、本発明にあっては、パーライト面積率を10〜20
%に限定する。
パーライト1個当りのサイズは5〜30μに制限するが、
これはリムド鋼並みの切削性を確保するためである。
また、抗張力は30〜50kgf/mm2に制限されるが、それは
延性過剰の抑制および硬質による刃先寿命の延長により
十分な切削性を確保するためである。すでに述べたよう
に、抗張力はC量などの鋼組成および熱間圧延条件の組
み合わせにより調整する。
本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。
(実施例) 第1表に示す組成を有する鋼を慣用の連続鋳造法によっ
て連鋳スラブとし、同じく第1表に示す条件で熱間圧延
を行い、厚さ6.0mmの薄鋼板を得た。
表中、パーライト面積率は100倍のミクロ写真における
平均的組成部分で100mm2視野内のパーライト比率で求め
たものである。
このようにして得られた薄鋼板について切削性を評価し
たが、その評価要領は次の通りであった。
1.バリ高さ: ドリルにより3mmφの穴をあけ、一定量作業後(例2500
個切削後)その穴の出口についたバリ高さをN数10個の
平均で求めた。
評価 0〜0.30mm=5点 0.31〜0.40mm=4点 0.41〜0.50mm=3点 0.51〜0.60mm=2点 0.61mm以上 =1点 2.粗度(Ra): ドリルで穴をあけたドリル切削面をドリル進行方向に向
って、4mmの長さ分だけ測定した。穴あけスタート時のR
aと一定量切削後のRaとの差を求めた。
評価 ◎ 5点 2.01μm以上 ○ 4点 1.51〜2.0μm △ 3点 1.01〜1.50μm × 2点 0.51〜1.0μm ×× 1点 0.5μm以内 3.摩耗: ドリルを鋼種毎に新品を用意し、一定量穴をあけたの
ち、ドリル刃先を拡大して比較評価した。
◎ 摩耗がほとんどない 5点 ○ 一部刃先が欠けている 4点 △ 刃先の大半が欠けている 3点 × 刃先がぼろぼろだが、まだ使用できる 2点 ×× 刃先全体がぼろぼろで使用不可能 1点 4.切粉形状: 切削スタート時と、一定量切削後の切粉形状を比較。
1.焼き付きがないか 2.切粉巻姿形状が一定か、変化するか 3.切粉が長いか、短いか ◎ 5点 切粉形状一定 ○ 4点 切粉形状一定だが長い △ 3点 形状が異なる × 2点 形状が異なり、長い ×× 1点 形状が異なり、焼付有り 結果は、比較例のそれとともに第1表にまとめて示す。
同結果からも分かるように、本発明によれば、従来のリ
ムド鋼に匹敵する優れた切削性が確保される。
実施例2 本例では第2表に示す組成の一連の鋼を使用して、1200
℃に加熱してから熱間圧延を行い、仕上げ温度890℃、
巻取り温度570℃にて板厚6.0mmの熱延板を得た。
それらの熱延薄鋼板から試験片を切り出し、切削性試験
を行った。試験要領は実施例1に同じであった。
第1図ないし第4図は、本例の試験の結果をグラフにま
とめて示すものである。
第1図においては炭素含有量とばり高さとの関係を示
す。なお、ばり高さはある方向から切削したときに切削
刃が出た部分のばり残り量を示す。ばり高さが小さいほ
ど切削性が良い。
第2図は、パーライト粒1個あたりの寸法とばり高さと
の関係を示すグラフである。
いずれの場合にも、ばり高さの許容限度を0.50mmとする
と、パーライト粒1個あたりの寸法が5μ以上30μ以下
で許容限度内となり、従来のリムド鋼並みの切削性が確
保できることが分かる。
第3図は、パーライト面積率と抗張力とが及ぼす切削摩
耗量への影響を示すグラフである。本発明によれば、従
来のリムド鋼に匹敵する快削性が確保できることが分か
る。
(発明の効果) 本発明は以上説明したとおりに構成されているので次の
ような効果を奏することができる。
(1)連続鋳造法で切削性のすぐれた鋼板ができるの
で、次のメリットがある。
インゴット鋳型諸費用省略 大型クレーン不要 分塊圧延不要 連続鋳造→ダイレクト熱間圧延可能で、燃料原単位向
上 省力、工数削減 (2)品質向上メリット 鋼板先端部と後端部との強度レベル差が減少する。
インゴット→分塊までに発生する表面疵減少 介在物清浄度良好 (3)特殊合金元素を含まないため低コストで製造で
き、使用されなかったり余分になったりした場合、振当
適用範囲が拡大する。
(4)切削性、成形性両方にすぐれた鋼板が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、C量−ばり高さの関係の説明図;である。 第2図は、パーライト粒1個あたりのサイズ−ばり高さ
の関係の説明図であり、ばり高さはある方向から切削し
た時、切削刃が出た部分のばり残り量を示す。ばり高さ
が小さいほど切削性良といえる。 第3図は、TS−パーライト面積率に見る切削刃摩耗状況
を示す説明図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 C:0.05%以上0.20%未満、Si:0.30%以下、 Mn:0.15〜0.70%、sol.Al:0.005〜0.080%、 S:0.030%以下、P:0.050%以下、 残部実質的にFe から成る組成を有する鋼を連続鋳造し仕上温度800〜950
    ℃、巻取温度500〜700℃の条件で熱間圧延し、抗張力が
    30〜50kgf/mm2でパーライト面積率10〜20%かつパーラ
    イト1個あたりのサイズが5〜30μの組織とすることを
    特徴とするパーライト分散による薄板快削鋼の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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