JPH0774689B2 - 含水汚泥のスラグ化方法 - Google Patents

含水汚泥のスラグ化方法

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JPH0774689B2
JPH0774689B2 JP1002015A JP201589A JPH0774689B2 JP H0774689 B2 JPH0774689 B2 JP H0774689B2 JP 1002015 A JP1002015 A JP 1002015A JP 201589 A JP201589 A JP 201589A JP H0774689 B2 JPH0774689 B2 JP H0774689B2
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は下水汚泥やし尿汚泥等の含水汚泥を溶融処理し
てスラグ化するための方法に関し、特に、高含水率の汚
泥を高いスラグ化率で処理することができる方法を提供
せんとするものである。
〔従来の技術〕
従来、下水処理場やし尿処理場で発生する下水汚泥やし
尿汚泥は、脱水後焼却炉で焼却処理されるのが通常であ
る。しかし、このような処理後の焼却灰は扱いにくく、
また埋め立て用程度にしか利用できない。
このような背景から、近年汚泥を溶融炉で溶融処理して
スラグ化することにより、取扱いの容易化とスラグの有
効利用を図ろうとする研究が行われ、一部は既に実用化
されている。
この汚泥の溶融化は、溶融炉内で汚泥の可燃分と助燃料
を熱源とし、空気を酸化剤として燃焼させ、汚泥中の灰
分を溶融してスラグ化するものであり、この種の溶融化
をコンパクトな構造で比較的高い燃焼効率で行うことが
できる炉として、例えば特開昭61−71314号や特開昭59
−205508号に示されるような旋回流式の汚泥溶融炉が用
いられている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、旋回流式の汚泥溶融炉を用いた従来の溶融化処
理には次のような問題がある。
炉内温度をスラグを溶解するために必要な温度まで上
昇させるには、汚泥の含水率を80%程度から7%程度ま
で下げる2段階以上の乾燥工程が必要となり、そのため
に乾燥工程のコストが非常に高くなる。
炉内温度が最高でも1450℃程度までしか達しないた
め、溶融スラグ出湯口での溶融スラグの温度が不足して
溶融スラグの粘度の上昇、さらにはスラグ固化を生じ、
スラグ出湯口を閉塞させてしまう場合がある。このため
スラグ出湯口を別途加熱する必要が生じる。
スラグの溶解温度が低いため、回収される溶融スラグ
は土木資材のような付加価値の低い用途にしか利用でき
ず、汚泥溶融処理のメリットが少ない。
スラグが炉内の気流に乗り易く、滞留時間が充分にと
れない。このためスラグの捕集効率が低く、充分なスラ
グ化率が得られない。
炉内壁のスラグコーティングが不均一になり易く、こ
のため炉壁材が消耗し易い。
本発明は、このような従来の問題に鑑み、高含水汚泥で
も高いスラグ化効率で溶融処理することができ、また、
スラグ出湯口の閉塞や炉壁材の早期消耗等の問題を生じ
ることがなく、しかも品質的に高い付加価値を有するス
ラグを得ることができる方法を提供せんとするものであ
る。
〔課題を解決するための手段および作用〕
このため本発明は、旋回流式の溶融炉による含水汚泥の
スラグ化方法において、燃焼用空気として酸素富化空気
を用い、該酸素富化空気を竪型炉内に上向きで且つ多重
の旋回流を形成させるよう吹き込むようにしたものであ
る。
このような本発明によれば、竪型炉内に上向きの強力な
旋回流を生じさせる工程により次のような作用効果が得
られる。
まず、上記のような強力な旋回流の遠心作用により、ス
ラグの捕集率が大きく向上する。すなわち、炉に燃焼用
空気とともに吹き込まれた汚泥は多重旋回流の遠心作用
によって炉壁側に効果的に移行せしめられ、主として炉
壁内(正確にはスラグコーティング面)で溶融してスラ
グ化する。また、旋回流が上向きで且つ強力であるた
め、炉内に浮遊する汚泥、スラグの吹き抜けによる炉外
への飛散が効果的に抑えられる。そして、これらにより
スラグ捕集効率が高められ、スラグ化率が大きく向上す
る。
また、多重旋回流の形成によって汚泥、スラグの粒子滞
留時間が十分確保できる。すなわち、炉内に形成される
多重の旋回流はそれぞれ下向きの循環流を生じており、
この循環流の作用によって粒子滞留時間が確保され、従
来のように単一の旋回流を形成させる場合に較べ、粒子
の滞留時間が1.2〜1.5倍、局部的には2〜3倍程度も長
くなる。
さらに、上述したように炉内に循環流が形成されるた
め、火炎が効果的に保持され、燃焼の安定化が図られ
る。また、多重旋回流と循環流とによる汚泥の混合促進
作用により、蒸発時間、溶融時間を短縮化でき、炉負荷
を増加させることができる。
このように、竪型炉内に上向きの強力な旋回流を生じさ
せる工程により顕著な作用効率が得られるものとなる
が、本発明方法の対象は含水汚泥であることから、上記
作用効果のうち特に汚泥の水分蒸発時間の確保が重要と
なる。
しかしながら、乾燥された被燃焼物と比較して、含水汚
泥の溶融のためには、汚泥に含まれる水分の炉内での蒸
発のための粒子滞留時間を大きく取る必要があり、多重
旋回流の形成による上記粒子滞留時間だけではまだ不十
分である。例えば、後に詳述する第1図における大気
(酸素濃度21vol%)を用いた場合のグラフからも明ら
かなように、多重旋回流を形成させるだけでは、汚泥の
溶融が容易でないことが明瞭に示されている。
一方、吹き込み空気として通常の大気を使用した場合、
燃焼に必要な酸素量は一定であるので吹き込み空気量は
変えることができず、このため、炉を大きくしなければ
粒子滞留時間は増えないことになるが、装置の大型化は
設計的・コスト的に好ましくない。
そこで本発明では、装置構成は従来のままで、粒子滞留
時間をさらに確保し、水分の蒸発時間をより増加させる
ために、多重旋回流の形成に加えて、酸素富化空気を燃
焼用空気として用いることとした。
すなわち、酸素富化空気を用いた場合、酸素濃度が大気
に比して高いため吹き込み空気量を少なくでき、このた
め炉を大きくしなくとも滞留時間を十分に確保でき、こ
の結果、蒸発時間が律速となるような高含水汚泥に対し
ても燃焼、溶融が容易となる。もちろん、粒子滞留時間
が十分確保される結果、未燃焼分が低減するとともに、
スラグ捕集率も向上し、これらによって高スラグ化率の
達成に寄与する。
また酸素富化空気を炉内に供給することにより、高い炉
内温度が得られ、この結果、スラグの流動性が向上する
ため、スラグ出湯口の閉塞も防止できるとともに、スラ
グを高い溶解温度に溶解できることから、風砕ビーズ
化、繊維化がなされた高品質のスラグが得られることに
もなる。
第1図は、下水汚泥を溶融する場合(助燃料を使用しな
い場合)について、燃焼空気中の酸素濃度をパラメータ
として下水汚泥含水率と炉内温度との関係を調べたもの
である。一般に、汚泥をスラグ状に溶解するためには13
50℃程度の炉内温度が必要であるが、第1図に示される
ように大気(酸素濃度21vol%)の場合、1350℃程度の
炉内温度を得るためには汚泥を含水率が7%以下まで乾
燥する必要がある。
これに対し、酸素濃度25vol%の酸素富化空気を用いれ
ば、含水率20%の汚泥でも炉内温度1350℃を確保するこ
とができる。そしてこのように汚泥を20%の含水率で処
理できることにより、乾燥機で消費する動力および燃料
を約30%も低減することができる。
第2図は下水汚泥溶融スラグについて、その溶融温度と
粘性との関係について調べたものである。下水汚泥溶融
スラグの流動性を確保するにはその粘性を250ポアズ以
下とする必要があり、粘性が250ポアズを超えるとスラ
グの粘性不足によりスラグ出湯口閉塞の危険がある。そ
して、第2図に示されるように、スラグの粘性を250ポ
アズ以下とするにはスラグ溶解温度を1390℃以上に確保
する必要がある。
第1図は酸素富化空気を燃焼用空気として用いることに
より、大気を用いる場合に較べ炉内温度、ひいてはスラ
グ溶解温度を大幅に上昇させることができることを示し
ている。同図に示される場合を例にとっても、含水率10
%の下水汚泥を処理する場合、大気を用いると1330℃程
度の炉内温度であるのに対し、酸素濃度25vol%の酸素
富化空気で1470℃、酸素濃度30vol%の酸素富化空気で1
600℃程度の炉内温度が得られ、また含水率15%の下水
汚泥の場合でも、大気で1300℃程度の炉内温度であるの
に対し、酸素濃度25vol%の酸素富化空気で1410℃、酸
素濃度30vol%の酸素富化空気で1550℃程度の炉内温度
が得られる。また、含水率20%の下水汚泥の場合でも、
酸素濃度が略28%以上では炉内温度1450℃程度を確保す
ることができる。
したがって、スラグの溶解温度は炉内温度より50〜100
℃程度低くなることから、燃焼用空気として所望の酸素
濃度の酸素富化空気を用いることにより、スラグの粘性
を250ポアズ以下とし、その流動性を確保することがで
き、スラグ出湯口の閉塞を確実に防止することができ
る。
以上のような本発明法によれば、10%〜20%程度の高含
水率の汚泥を、酸素濃度が25vol%〜30vol%程度の酸素
富化空気を燃焼用空気とし、必要に応じて助燃料を用い
ることにより、炉内温度を1500℃以上として溶融処理す
ることができる。
また、溶融スラグは付加価値の高い製品であるほうが汚
泥処理としてのメリットが大きいことは言うまでもな
い。溶融スラグを付加価値の高い製品とするには風砕ビ
ーズ化、繊維化等の手法があるが、これらのスラグを得
るために必要なスラグの溶解温度は、例えば下水汚泥の
場合、第2図に付記したように1500℃、1550℃であり、
このような溶解温度を得るために必要な炉内温度は約16
00℃前後である。そして上述したように、酸素富化空気
を使用することによりそのような炉内温度を容易に達成
することができ、これによって風砕ビーズ化、繊維化等
のスラグを容易に得ることができる。
さらに本発明では、竪型炉において多重の旋回流により
燃焼ガス排出口近傍まで強い旋回流が形成できるため、
スラグは炉内壁に均一に付着し、炉内壁のスラグコーテ
ィング層が均一且つ確実に形成される。
以下本発明法を図面に示されるものを例に説明する。
第3図ないし第7図は本発明の一実施状況を示すもの
で、1は溶融炉本体、2は二次燃焼室、3は汚泥バーナ
装置、4は助燃バーナ装置、5は酸素富化膜装置または
プレッシャスウィング式分離装置等からなる酸素濃縮装
置、6はスラグ処理装置である。
溶融炉本1は竪型円筒形に構成され、そのコーン状の底
部10の中央にスラグ出湯口11が、また、上端に炉体内径
Dより小径の燃焼ガス排出口12が形成されている。
溶融炉本体1の下部には、汚泥バーナ装置3と助燃バー
ナ装置4とが設けられており、助燃バーナ装置4は汚泥
バーナ装置3よりも下方、すなわちスラグ出湯口11寄り
に位置している。
両バーナ装置3,4は、炉体の略同一レベルの周方向に複
数のノズルを有している。
まず、汚泥バーナ装置3は周方向の4ヶ所にノズル30a,
30bを有している。これらノズル30a,30bは旋回流を形成
すべく、その噴射方向が炉中心より偏向している。この
汚泥バーナ装置3は、下記する助燃バーナにより形成さ
れる旋回流よりも炉壁寄りの大径の旋回流X1を形成させ
るようにするため、そのノズル30a,30bの噴射方向を助
燃バーナ装置の各ノズルの噴射方向よりも炉壁寄りとし
ている。
本実施例では、4本のバーナのうち向い合った2本のノ
ズル30bが空気吹込専用のノズルとなっており、残りの
ノズル30aが汚泥吹込(汚泥+搬送用空気)用となって
いる。
助燃バーナ装置4も周方向の4ヶ所にノズル40a,40bを
有している。これらのノズルも旋回流を形成すべく、そ
の噴射方向が炉中心より偏向し、上記旋回流X1の内側に
比較的小径の旋回流X2を形成させるようにしている。
本実施例では、このノズルについても向い合った2本の
ノズル40bが空気吹込専用になっており、残りのノズル4
0aが助燃料吹込(助燃料+搬送用空気)用となってい
る。
上記のように各バーナ装置3,4の複数のノズルのうちの
一部を空気吹込専用のノズルとしてもよいし、また総て
のノズルを汚泥(汚泥+空気用)、助燃料(助燃料+空
気)用としてもよい。一般的に言って、小径の炉では前
者が、また大径の炉では後者が適している。
また、この炉ではスラグ出湯口11の加熱をバーナからの
火炎の輻射によって行うものであり、本実施例では火炎
をなるべくスラグ出湯口11に近づけるため、汚泥バーナ
装置3を構成するノズル30a,30bの噴射方向を角度θだ
け下向きに傾けている。また同様の目的で、助燃バーナ
装置4の各ノズル40a,40bの噴射方向も下向きに傾斜さ
せることができる。
また、燃焼ガス排出口12の絞り比、すなわち、その内径
dの炉内径Dに対する割合d/Dは0.3〜0.7とすることが
好ましい。
炉内の旋回流維持についてみると、d/Dは一般的に小さ
い方が適当であるが、本方式のように多重旋回流によれ
ば0.7程度までは旋回流維持が可能である。また、絞り
による圧力損失の増大を考慮すると、d/Dの下限は0.3程
度が実用的である。
なお溶融炉本体1の燃焼ガス排出口12の直上には二次燃
焼室15が直結されている。この二次燃焼室15も竪型円筒
状に構成され、その入側の周方向の複数個所に壁面に沿
った旋回流を形成させるための複数の空気吹込口16が設
けられている。この空気吹込口16は上下方向で複数段に
亘って設けることができる。
なお、溶融炉本体1の炉壁17には熱伝導率の大きい耐火
材料が用いられ、通常その外側に適当な水冷または空冷
手段が設けられる。
また本溶融炉では、汚泥バーナ装置3または助燃バーナ
装置4若しくはその両方を上下方向で複数段設け、炉内
により多重の旋回流を形成させることができ、これによ
り汚泥の炉内での滞留性をより向上させることができ
る。
この場合には、上下複数段の各バーナ装置により形成さ
れる旋回流が上段側程大径となるようバーナの噴射方向
が設定される。
以上のような溶融炉には、汚泥バーナ装置3および助燃
バーナ装置4から汚泥および助燃料とともに燃焼用空気
たる酸素富化空気7が導入される。この酸素富化空気7
は、酸素濃縮装置5で得られた高濃度の酸素富化空気を
大気8で希釈して酸素濃度を調整したものであり、汚泥
および助燃料とともに、それぞれのバーナから旋回流を
形成するようにして炉内に導入される。このように炉内
に導入された燃焼用空気(汚泥および助燃料)は、径の
異なる上向きの旋回流(同一方向に旋回する旋回流)と
なって炉内を流れる。すなわち炉内では、外側(炉壁
側)が汚泥バーナ、また内側が助燃バーナによる多重の
旋回流が形成される。
汚泥は旋回流の遠心力によって炉壁側に押しやられ、主
として炉壁面(正確にはスラグコーティング層面)で溶
融してスラグ化し、このスラグは壁面を下方に流下して
スラグ出湯口11から排出される。このスラグ9は溶融状
態のまま風砕ビーズ化、繊維化等のためのスラグ処理装
置6に送られてその処理を受け、高付加価値製品に加工
される。一方、燃焼ガスは炉上部の燃焼ガス排出口12か
ら排出される。
第8図ないし第10図は炉内のガスの流れおよび流速を示
すもので、第8図は軸方向流速(図中鎖線は流れの方
向)、第9図及び第10図はそれぞれ第8図中B−B断
面、A−A断面の旋回流速を示している。炉内には汚泥
バーナと助燃バーナによる上向きの旋回流X1,X2が生
じ、このような多重の旋回流により、炉内下流側の燃焼
ガス排出口まで強い旋回流が形成できる。そして、汚泥
を含む旋回流は外側、すなわち炉壁に近い側に形成され
るため、上記したような強い旋回流による大きな遠心力
の作用と相まって、汚泥は炉壁側に容易に移動し、しか
も強力な旋回流によってスラグの炉外への吹き抜け飛散
も効果的に防止されるため、高いスラグ捕集率が得られ
る。一方、これら多重の旋回流はそれぞれ下向きの循環
流Y1,Y2を生じるため、汚泥の炉内滞留時間が充分確保
され、これによってもスラグ捕集率が向上し、高スラグ
化率が実現される。また炉内滞留時間が確保されること
から、汚泥中水分の蒸発時間も十分確保され、高含水汚
泥も効率的にスラグ化される。
またこの溶融炉では、炉体が竪型であり、しかも多重の
旋回流により燃焼ガス排出口近傍まで強い旋回流が形成
できるため、スラグは炉内壁に均一に付着し、炉内壁の
スラグコーティング層が均一且つ確実に形成される。
第11図は本溶融炉におけるスラグコーティング状況およ
び炉壁温度分布の一例を示すもので、コーティング層は
炉内側に面した流動スラグ層19と耐火物側に面した固化
スラグ層20とからなっている。汚泥スラグは断熱性が高
いため、スラグ層内には大きな温度勾配が生じている。
一方、耐火物は熱伝導性の高い材料を用い且つ外面を冷
却することで、炉壁の最も内側の面21まで材料の耐熱温
度(通常1200℃)以下に維持できている。
〔実施例〕
第3図ないし第7図に示すような溶融炉および従来形式
の溶融炉(単一旋回流形式)を用い、下水汚泥の溶融化
処理を行い、溶融処理時の炉内温度、スラグ流動性およ
びスラグ化率等を調べた。その結果を処理条件とともに
第1表に示す。
なお、第1表中、比較例たるNo.1〜No.4が従来方式の溶
融炉を用いた例であり、No.5以降が第3図ないし第7図
に示される溶融炉を用いた例である。
これからも明らかなように、炉内に単一の旋回流を形成
させただけの比較例No.1〜No.4では最高でも98%程度の
スラグ化率しか得られていない。また大気を燃焼用空気
として用いている比較例No.1、No.3〜No.6では、汚泥の
含水率が7%程度では良好なスラグ流動性が得られてい
るが、含水率が高くなると充分な炉内温度がとれず、助
燃料の使用にもかかわらずスラグ流動性が極端に低下し
ている。
これに対し、酸素富化空気を燃焼用空気として用い、炉
内で多重旋回流を形成させた本発明例では、97%という
高いスラグ化率が得られており、また20%という高含水
率の汚泥でも高い炉内温度が得られ、良好なスラグ流動
性が得られている。また、No.9およびNo.11ではスラグ
のビーズ化、繊維化が可能な高いスラグ温度が得られて
いる。
〔発明の効果〕 以上述べた本発明によれば、次のような効果が得られ
る。
竪型炉内に上向きの強力な多重旋回流を生じ、このよ
うな強力な旋回流の遠心作用により、炉壁側に効果的に
移行せしめられてスラグ化するとともに、炉内に浮遊す
る汚泥、スラグの吹き抜けによる炉外への飛散が効果的
に抑えられ、この結果、スラグ捕集効率が高められ、ス
ラグ化率が大きく向上するものとなる。
多重旋回流によって生じる下向きの循環流により、炉
内は火炎が効果的に保持され、燃焼の安定化が図られる
るとともに、多重旋回流と循環流とによる汚泥の混合促
進作用により、蒸発時間・溶融時間を短縮でき、炉負荷
を増加させることができる。
多重旋回流の形成によりスラグの粒子滞留時間が従来
の単一旋回流の場合と比較して1.2〜1.5倍、局部的には
2〜3倍程度も長くなるが、さらに燃焼用空気として酸
素富化空気を用いることにより、装置構成を大きくしな
くとも、汚泥水分をスラグ化するのに必要な粒子滞留時
間が十分確保できる。すなわち、酸素富化空気を用いる
と、その酸素濃度が高いため吹き込み空気量を少なくで
き、粒子滞留時間がさらに増加することになり、この結
果、蒸発時間が律速となるような高含水汚泥に対しても
燃焼・溶融が容易となるものである。もちろん、粒子滞
留時間が十分確保できることから、未燃焼分が低減する
とともに、スラグ捕集率も向上し、高スラグ化率の達成
に寄与する。
酸素富化空気を燃焼用空気として用い、しかもこの燃
焼用空気の多重旋回流を形成させることにより、含水率
が10%以上の含水汚泥はもとより20%前後の高含水でも
効率的に溶融化処理することができ、含水汚泥に要して
いた動力および燃料を大幅に節減することができる。例
えば、含水率20%の下水汚泥を酸素濃度25vol%の酸素
富化空気用いて処理する場合、同じ下水汚泥を含水率7
%まで乾燥した後大気を燃焼用空気として処理する場合
に比べて、乾燥工程で消費する動力および燃料を約30%
も節減できる。
酸素富化空気を用いることにより燃焼性が向上すると
ともに炉内温度を高温にできるため、良好なスラグ流動
性が得られ、スラグ出湯口の閉塞等を適切に防止するこ
とができる。
スラグを高い溶解温度で溶解させ得ることから、風砕
ビーズ化、繊維化がなされた高付加価値のスラグを得る
ことができ、汚泥溶融化のメリットを大いに高めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は下水汚泥の溶融において、燃焼用空気中の酸素
濃度をパラメータとして下水汚泥含水率と炉内温度との
関係を示したものである。第2図は下水汚泥溶融スラグ
について、その溶解温度と粘性との関係を示したもので
ある。第3図ないし第7図は本発明の一実施状況を示す
もので、第3図は全体説明図、第4図は溶融炉の縦断面
図、第5図は第4図中V−V線に沿う断面図、第6図は
同じくVI−VI線に沿う断面図、第7図は同じくVII−VII
線に沿う断面図である。第8図ないし第9図は第4図の
溶融炉におけるガスの流れおよび流速を示すもので、第
8図は軸方向の流れおよび流速を示す説明図、第9図は
第8図中B−B断面でのガス流速を示す説明図、第10図
は同じくA−A断面でのガス流速を示す説明図である。
第11図は第4図の溶融炉におけるスラグコーティング状
況および炉壁温度分布の一例を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 猪川 修郎 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 鈴木 実 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 星野 寧 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−150611(JP,A) 特開 昭60−126512(JP,A) 特開 昭59−205508(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】旋回流式の溶融炉による含水汚泥のスラグ
    化方法において、燃焼用空気として酸素富化空気を用
    い、該酸素富化空気を竪型炉内に上向きで且つ多重の旋
    回流を形成させるよう吹き込むことを特徴とする含水汚
    泥のスラグ化方法
JP1002015A 1989-01-10 1989-01-10 含水汚泥のスラグ化方法 Expired - Fee Related JPH0774689B2 (ja)

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JP1002015A JPH0774689B2 (ja) 1989-01-10 1989-01-10 含水汚泥のスラグ化方法

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