JPH0775565A - 抗変異原性剤及び抗変異原性を有する食品 - Google Patents

抗変異原性剤及び抗変異原性を有する食品

Info

Publication number
JPH0775565A
JPH0775565A JP6160179A JP16017994A JPH0775565A JP H0775565 A JPH0775565 A JP H0775565A JP 6160179 A JP6160179 A JP 6160179A JP 16017994 A JP16017994 A JP 16017994A JP H0775565 A JPH0775565 A JP H0775565A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
antimutagenicity
antimutagenic
mutagens
san francisco
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6160179A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2825761B2 (ja
Inventor
Masahiko Yamada
真彦 山田
Kenichiro Takayama
健一郎 高山
Kazuaki Kawai
一明 河井
Hideyuki Furukawa
秀之 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHIKISHIMA SEIPAN KK
Original Assignee
SHIKISHIMA SEIPAN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHIKISHIMA SEIPAN KK filed Critical SHIKISHIMA SEIPAN KK
Priority to JP6160179A priority Critical patent/JP2825761B2/ja
Publication of JPH0775565A publication Critical patent/JPH0775565A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2825761B2 publication Critical patent/JP2825761B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】人体に対して安全で、広範な変異原物質に対し
て抗変異原効果を有するとともに、風味の点でも問題の
ない抗変異原性剤を提供すること。 【構成】ラクトバチルス・サンフランシスコ菌体を有効
成分として含有すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ラクトバチルス・サ
ンフランシスコ(Lactobacillus sanfrancisco)の培養
菌体を有効成分として含有する抗変異原性剤及び抗変異
原性を有する食品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ヒトの食生活において様々な変異
原物質に曝される危険性が解明されてきており、これら
の変異原物質が発ガンに関与している可能性が示唆され
ている。例えば、食品を調理することにより生成される
ヘテロサイクリックアミンやベンゾ(a) ピレン、また、
アミンと硝酸塩との反応によるニトロソアミン類が挙げ
られる。このような変異原物質の変異原性を抑制した
り、変異原物質自体を不活性化する抗変異原性効果につ
いては、ヒトの発ガンのリスクを少なくすることができ
るため、多くの検討がなされている。
【0003】現在、たとえば乳業用乳酸菌の抗変異原性
効果、野菜の抽出エキスによる抗変異原性効果、チーズ
のスターター菌であるブレビバクテリウム・リネンズに
よる抗変異性原効果を用いた抗変異原性剤(特開平2−
20288号公報)等が知られている。また、乳酸菌あ
るいは乳発酵物に免疫賦活化作用や抗変異原性等の生体
防御効果があることは古くから知られた事実であるが、
それらは乳製品あるいは腸管由来の乳酸菌に関するもの
だけであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、抗変異原性剤
として実用化できるためには、広範な変異原物質に抗す
ることができるとともに、それ自体が安全であることが
必要である。また、食品中の変異原物質に対しては食品
とともに経口により摂取できることが望ましいが、特に
食品等に添加して使用する場合には、食品の風味を損な
わないことも望まれる。そこで、本発明は、人体に対し
て安全で、広範な変異原物質に対して抗変異原効果を有
するとともに、風味の点でも問題のない抗変異原性剤を
提供することを目的とする。また、本発明は、保存が容
易でかつ摂取しやすい抗変異原性を有する食品を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明者らは、パン生地中に含まれてパンとと
もに従来から食されてきた穀物乳酸菌として有用である
ラクトバチルス・サンフランシスコ菌に着目し、かかる
菌体の抗変異原性効果について鋭意検討したところ、こ
の菌体が各種の変異原物質に対して抗変異原性効果を有
することを見いだし、このラクトバチルス・サンフラン
シスコ菌体を有効成分として含有する抗変異原性剤を創
作した。また、ラクトバチルス・サンフランシスコ AT
CC 27651 の菌体を有効成分として含有する抗変異原性
剤を創作した。また、ラクトバチルス・サンフランシス
コ ATCC 27652 の菌体を有効成分として含有する抗変
異原性剤を創作した。また、ラクトバチルス・サンフラ
ンシスコ ATCC 27653 の菌体を有効成分として含有す
る抗変異原性剤を創作した。さらにラクトバチルス・サ
ンフランシスコ菌体を抗変異原性を有する有効成分とし
て含み、かつ加熱されてなることを特徴とする抗変異原
性を有する食品を創作した。
【0006】前記ラクトバチルス・サンフランシスコ菌
(以下、単にLS菌という。)は、サンフランシスコ地
方のサワードゥ(酸味のあるパン生地)から分離された
穀物乳酸菌であり、マルトースとグルコースのみを資化
しその他の糖類を利用できない点及び生育に適したpHが
5.6 以下である点などから他の乳酸菌とはかなり異なっ
た特徴を有している。このLS菌と同様の乳酸菌種は、
前記地方の他、世界各地域のサワードゥに見いだされて
おり、生地中の酵母とともにパン生地中で発酵して乳酸
等を生成し、独特の酸味のあるサワードゥをつくる。こ
のサワードゥを焼成すると酸味のあるサワーブレッドと
なる。このサワーブレッドは、古くから現在まで食用に
供されており、人体に支障をもたらす報告もされていな
いことより、LS菌は人体に対して安全であるといえ
る。一方、LS菌に代表される穀物乳酸菌に抗変異原性
があることはいままで知られていない。なお、サワーブ
レッド1g中には通常、約0.1〜1mgのLS菌が含
まれている。また、LS菌自体には特有の臭いや味はな
く、発酵生成物であるアルコールや乳酸等の香りがわず
かにする程度であり、同時に食される食品等の風味に影
響を与えることはない。本発明に用いるのに好適な菌株
の一例としては、ラクトバチルス・サンフランシスコ
ATCC 27651、同ATCC 27652、同A
TCC 27653が挙げられる。
【0007】LS菌体の培養方法は、特公昭58−58
070号公報及び特公昭62−31907号公報に詳述
されている。すなわち、炭素原としてLS菌が利用しう
るマルトース、グルコースあるいは小麦粉などが単独又
は混合して用いられる。また、菌の生育には新鮮な酵母
から抽出した酵母エキスまたはシステインと、オレイン
酸又はツィーン80(ポリオキシエチレンソルビタンの脂
肪酸エステルからなる非イオン系界面活性剤)や大豆レ
シチンなどのオレイン酸含有物の添加が必要である。さ
らに、その他、窒素原、有機天然栄養源、リン酸塩、金
属イオンなどがバランス良く含まれている培地が用いら
れる。また、酢酸やクエン酸などの有機酸またはその塩
類の添加も菌の生育に対して有効である。
【0008】培養液の初発pHは、5.0 〜5.6 、培養中
のpHは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモ
ニア水などでこの範囲のpHに調節するのが望ましい。
培養温度は20〜35℃、好ましくは25〜30℃である。培養
は静置培養またゆっくりとした撹拌培養が好ましく、16
〜48時間行う。培養終了後、培養液を遠心分離などして
菌体を分離する。
【0009】分離した菌体は、生菌体、凍結乾燥菌体、
加熱菌体(100℃、30分) のいずれでも抗変異原性剤とし
て使用することができるとともに、培養液を分離するこ
となくそのまま抗変異原性剤として使用することもでき
る。なお、ここでいう抗変異原性剤とは、広く変異原物
質の変異原性を低減させることができるものをいい、経
口的に摂取される製剤や食品の他、食品や製剤等に添加
する添加剤も含まれる。なお、凍結乾燥した状態で保存
された菌体でも抗変異原性効果が発揮されるため、抗変
異原性剤としての保存性、安定性が確保される。また、
凍結乾燥体の利用により、必要に応じた菌体の摂取ある
いは摂取のための調製に都合がよいものとなっている。
【0010】加熱菌体でもその抗変異原性効果が発揮さ
れるため、予め加熱した菌体を製剤や食品に添加するこ
とが可能であり、また、菌体を食品中に用いる場合や、
各種製剤化する場合にでも菌体の抗変異原性効果を消滅
させることなく、食品や製剤に適した加熱加工が可能と
なる。また、通常加熱により菌体は死滅するため、食品
等中での腐敗(増殖)を考慮する必要がないため、菌体
を添加した食品や製剤等の保存が容易となり、また安定
性も向上する。さらに、上記菌体及び培養液は、生体に
安全であることから食品分野のみならず化粧品や医薬分
野においても使用することができる。
【0011】次に、得られた抗変異原性剤の抗変異原効
果の試験方法について説明する。本発明においては、シ
ョウジョウバエのDNA修復試験( 藤川和夫、食品衛生
学雑誌、29巻、115頁(1988))に基づいて抗
変異原性を試験した。この方法は、変異原性物質と同時
に抗変異原性剤(LS菌体)をショウジョウバエに摂取
させて、抗変異原性剤としての効果を測定する方法であ
る。試験には、雄のみにおいてDNA傷害に対する除去
修復と複製後修復能力が欠損し、雌は正常な修復能力を
有している系統を用いる。この試験法による抗変異原性
の検出は以下のようにして行われる。
【0012】前記系統のショウジョウバエの幼虫に、何
ら変異原物質を摂取させない場合は、成虫になった雄/
雌比は1付近である。しかし、このショウジョウバエの
幼虫に除去修復と複製後修復により修復可能なDNA傷
害を与えた場合には、雄だけについて成虫になる固体数
が減少することになり、成虫になった雄/雌比の低下か
ら摂取させた変異原物質の変異原性を検出することがで
きる。一方、変異原物質と同時に検体(抗変異原性剤)
を摂取させて、雄の成虫固体数が増加することによる雄
/雌比の上昇により試料の抗変異原性効果を検出するこ
とができる。なお、雄/雌比の大小が変異原物質に対す
る単なる性差による感受性の違いによるものでないこと
を確認するために、雄も正常な修復能力を有する系を対
照として同様の試験が行われる。
【0013】このような変異原性及び抗変異原性の試験
にあっては、ショウジョウバエが細菌等より高等の生物
であること及び検体を経口摂取したときの作用を調べる
ことになるので、ヒトが経口から摂取する変異原物質の
作用及び抗変異原性物質の作用を推測するのにより適切
なモデルとなっている。
【0014】また、乳酸菌の抗変異原性作用としては、
菌体や菌体成分の変異原物質に対する吸着作用について
の報告がなされているので、LS菌体の変異原物質に対
する吸着実験も合わせて行い、吸着量を確認した。試験
方法は、変異原物質とLS菌体の混合懸濁液を一定時間
放置後、遠心分離によりLS菌体が吸着した変異原物質
を沈殿させ、上清中の未吸着変異原物質を高速液体クロ
マトグラフィー(紫外部検出器)により検出することに
より、LS菌体に吸着した変異原物質量を求めた。
【0015】
【作用】請求項1ないし請求項4に記載の発明によれ
ば、菌体が抗変異原性効果を有する一方、従来より食用
に供されているものであり、人体に対して安全であり、
風味の点も問題がない。請求項5に記載の発明によれ
ば、食品が加熱されてなるため、食品としての風味や保
存性等が向上される一方、かかる状態でも抗変異原性効
果は維持されている。
【0016】
【発明の効果】請求項1ないし請求項4に記載の発明に
よれば、多様な変異原物質に対し抗変異原性効果を有
し、従来より食用に供されてきたラクトバチルス・サン
フランシスコ菌体を有効成分として含有するものである
ため、人体に対し安全でしかも実用性の高い抗変異原性
剤となっている。請求項5に記載の発明によれば、加熱
された食品は風味や保存性が向上されており、かかる状
態においてもLS菌体の抗変異原性効果は維持されるた
め、多くのLS菌体を継続して摂取するのに都合がよい
ものとなっている。
【0017】
〔LS培地の調製〕
マルトース 40g ペプトン 10g 酵母エキス 15g 硫酸マグネシウム 200mg 硫酸マンガン 40mg ツィーン80 300mg システイン 200mg を水に溶解し、pHを5.6に調整後、水にて1Lに調
整する。
【0018】次に、上記LS培地に所定濃度になるよう
に寒天を加えてLS寒天培地とし、このLS寒天培地で
24時間生育させたLS菌体をオートクレーブ滅菌した
200ml の三角フラスコに入った100ml のLS培地に植菌
し、30℃で24時間静置培養して種培養とした。この
種培養をオートレーブ滅菌した2Lジャーメンターフラ
スコ中のLS培地1Lに植菌し、毎分100回転の撹拌
で3N水酸化カリウム溶液でpHを5.0に調節しなが
ら30℃で16時間培養した。
【0019】培養終了後、培養液を遠心分離(3000
rpm,15分間)により、沈殿したLS菌体を集め、
蒸留水で洗浄後、凍結乾燥を行い抗変異原性を調べる試
料(以下、LS−FD菌体という。)とした。また、一
部のLS菌体を100℃、30分間加熱処理した後、凍
結乾燥したものを加熱菌体試料(以下、LS−HFD菌
体という。)とした。
【0020】ショウジョウバエを用いた上記LS−FD
菌体及びLS−HFD菌体の抗変異原性試験は、以下の
ように行った。試験に用いたショウジョウバエは、sc Z
w +(TE) mei-9 a mei-41 D5/C(1)DX,Yfの系である。こ
のショウジョウバエの飼育は、試験管内( 内径2.2cm 、
長さ9.5cm ) で継代培地( コーンフラワー;8%、乾燥粉
末酵母;4%、グルコース;10 %、プロピオン酸;0.4%)
を用いて行った。この試験管培地にて、親バエに18時間
産卵させた後、親バエを捨て、この試験管培地を25℃
で3日間培養して、卵を孵化・幼虫を生育させ20%シ
ョ糖溶液を試験管内に注いで幼虫を浮遊させることによ
り、3令幼虫を採集した。なお、ここにいう3令幼虫
は、サナギに変態する1日ないし2日前の状態の幼虫で
ある。
【0021】採集した幼虫を蒸留水で洗浄後、別の試験
管内のアッセイ培地へ試験管一本あたり150〜200
匹移した。アッセイ培地は、表1に示すように試料菌体
の種類(LS−FD菌体及びLS−HFD菌体)及び添
加量(0、50、200、400mg/tube )並びに変異
原物質の種類(合計4種類)を変えたものについて各種
調製した。すなわち、試験管一本あたり粉末インスタン
ト培地(フォーミュラ4−24、カリフォルニア バイ
オロジカル サプライ社製)及び試料菌体の合計量を
1.2gとし、それぞれに表1に示す各変異原物質の溶
液4mlを混ぜることにより調製した。
【0022】
【表1】 Trp-P-1 ; 3- アミノ-1,4- ジメチル-5-H- ピリド [4,
3-b]インドール( トリプトファンの加熱生成物) IQ ; 2- アミノ-3- メチルイミダゾ[4,5-f] キノ
リン(焼肉、焼いたイワシ中に存在する) B(a)P ; ベンゾ(a) ピレン(タバコ、排気ガス、焼
肉に存在) NDMA ; ニトロソジメチルアミン(亜硝酸とアミン
とからの生成物) ─ ;未試験
【0023】このアッセイ培地に3令幼虫を移して25
℃で培養を続けると、3令幼虫は、アッセイ培地を摂取
してやがてサナギとなり、さらに培養を続けると成虫と
なる。エチルエーテルにより成虫に麻酔をかけて、眼色
や外部生殖器により雄雌の区別を行い、雄雌の固体数を
調べた。固体数の測定値から雄/雌比を算出した結果を
表1に示す。なお、この雄/雌比が単なる性差による感
受性の違いによるものでないことを雄も正常な修復能力
を有する系を用いた対照群につき確認している。
【0024】表1から明らかなように、各変異原物質に
対してLS−FD菌体及びLS−HFD菌体ともに、添
加量の増加とともに雄/雌比が上昇することが確認でき
た。すなわち、菌体無添加のアッセイ培地における雄/
雌比に比較してLS−FD菌体及びLS−HFD菌体を
添加した培地(ともに200mg以上添加したもの)に
あっては、すべての変異原物質について雄/雌比の上昇
が明らかであった。なお、添加した菌体自体のショウジ
ョウバエに対する変異原性は認められていない。このこ
とから、LS−FD菌体及びLS−HFD菌体が食品
(生鮮品の他、調理した食品中や加工食品も含む。)中
に含まれる各種変異原物質の変異原性を抑制することが
確認できた。
【0025】さらに、LS−HFD菌体においてもLS
−FD菌体とほぼ同様の抗変異原効果を確認できている
ことから、熱に対する安定性が良好な抗変異原性剤と言
える。したがって、予め加熱したLS菌体を添加して
も、また、LS菌体を添加・含有した製剤や食品を加熱
しても、製剤等中のLS菌体の抗変異原性効果にはほと
んど影響がなく、これらの製剤あるいは食品を食した場
合も、抗変異原性を発揮できることが確認できた。例え
ば、LS菌を含有するパン生地を焼成して食する場合で
も、LS菌に起因する抗変異原性が発揮されると考えら
れる。この結果、LS菌体に他の食品素材や製剤原料を
添加混合し、熱を加えて加工することにより、より摂取
がしやすい状態で提供できることになる。また、加熱に
より菌体が死滅した状態でも、抗変異原性効果を発揮し
うるため、湿気や温度等による菌の発育等による製剤や
食品への悪影響を考慮する必要がなく、その保存が容易
となり、製剤や食品等の安定性が向上される。
【0026】さらに、他の変異原物質の種類につき、L
S−FD菌体添加量を一定量(200mg/アッセイ培
地/試験管)として、先と同様の手順により3令幼虫に
摂取させて成虫としたときの雄/雌比(表2中の〔R
値〕)について試験した結果を表2に示す。また、各変
異原物質につき、菌体無添加のアッセイ培地を用いて雄
/雌比(表2中の〔R0値〕を検出し、さらに変異原物
質を含まない場合についても同様に菌体添加の有無によ
る雄/雌比を確認した。
【0027】
【表2】 Trp-P-2 ;3-アミノ-1- メチル-5-H- ピリド[4,3-b] イ
ンドール(トリプトファンの加熱生成物) MeIQx ;2-アミノ-3,8- ジメチルイミダゾ[4,5-f] キ
ノキサリン(焼肉中に存在する) NDEA ;ニトロソジエチルアミン( 亜硝酸とアミンか
らの生成物)
【0028】表2から明らかなように、LS−FD菌体
200mgの添加により、Trp−P−1及びMeIQ
x以外の変異原物質に対しては、雄/雌比が2倍以上に
回復しており、顕著な抗変異原性効果〔R/R0〕を確
認することができた。
【0029】〔実施例2〕次に、実施例1で得られたL
S−FD菌体及びLS−HFD菌体各2mgを表3に示
す各変異原物質の水溶液(400μg/ml)1mlに
懸濁し、25℃、1時間放置後、遠心分離して、上清中
の存在する菌体に吸着されなかった変異原物質を高速液
体クロマトグラフィーにより分離検出し、未吸着変異原
物質の量から菌体に吸着された変異原物質の量(μg変
異原物質/mg菌体)を算出した。その結果を表3に示
す。
【0030】
【表3】
【0031】表3から明らかなように、LS−FD菌体
及びLS−HFD菌体について、各変異原物質の吸着に
関して同様の傾向が観察された。すなわち、ベンゾピレ
ン及びニトロソアミン系(B(a)P 、NDMA、NDEA)の変異
原物質については全く吸着を示さず、ヘテロサイクリッ
ク系(Trp-P-1 、Trp-P-2 、MeIQx 、IQ)の変異原物質
に対して特異的に吸着することがわかった。一方、吸着
しない変異原物質についても実施例1の結果から菌体の
抗変異原性効果が確認されている。なお、ヘテロサイク
リック系の変異原物質にあっては、LS−FD菌体とL
S−HFD菌体との間に若干の吸着量の差が検出されて
いる。
【0032】〔実施例3〕次に、実施例1と同様の方法
でラクトバチルス・サンフランシスコATCC2765
2を培養して得られたLS−FD菌体及びLS−HFD
菌体を実施例2と同様の方法で変異原物質の吸着量を調
べた。その結果を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】表4から明らかなように、ラクトバチルス
・サンフランシスコATCC 27652についても、
同ATCC 27651と同様に変異原物質の吸着作用
が観察された。実施例1及び実施例2の結果と本実施例
の結果から、ラクトバチルス・サンフランシスコATC
C 27652についても同様の抗変異原性を有してい
ると解される。また、ATCC27651において観察
されたのと同様のLS−FD菌体及びLS−HFD菌体
についての吸着量の差が観察された。すなわち、ベンゾ
ピレン及びニトロソアミン系(B(a)P 、NDMA、NDEA)の
変異原物質については全く吸着を示さず、ヘテロサイク
リック系(Trp-P-1 、Trp-P-2 、MeIQx 、IQ)の変異原
物質に対して特異的に吸着することがわかった。また、
ヘテロサイクリック系の変異原物質にあっては、ATC
C27651の場合と同様に、LS−FD菌体とLS−
HFD菌体との間に若干の吸着量の差が検出されている
が、大きな差ではなく、抗変異原性剤として有効性に差
異を及ぼすものではない。
【0035】〔実施例4〕実施例1で示した方法と同様
の方法でラクトバチルス・サンフランシスコ ATCC
27653を培養して得られたLS−FD菌体とLS−
HFD菌体についてエームス試験を用いて抗変異原性を
調べた。エームス試験は、サルモネラ菌のヒスチジン要
求性株が変異原物質により、ヒスチジン非要求性への復
帰変異を起こすことを利用した方法である。この復帰変
異した菌のコロニー数により変異原性の強さを調べるこ
とができ、同様にして抗変異原性の強さも調べることが
できる。エームス試験は、文献に記載されているエーム
ス原法(矢作多貴江 蛋白質核酸酵素、20巻13号、
1186頁(1975)に基づいて行った。
【0036】Trp−P−1溶液又はTrp−P−2溶
液(それぞれ200μg/ml)にLS−FD菌体とL
S−HFD菌体のそれぞれ10mgを懸濁し25℃で1
時間放置後、遠心分離により上清を得た。この上清をT
rp−P−1は100倍、Trp−P−1は1000倍
希釈して試料液とした。この試料液100μlに500
μlのS−9Mixと100μlのサルモネラ・タイフ
ィミゥリウム(Salmonella typhimu
rium)TA98株の菌懸濁液を加えて37℃、20
分間プレインキュベーションを行った。
【0037】これを、所定のソフトアガーに加えた後、
検出用のアガープレート上に注いだ。このプレートを3
7℃で培養して、復帰変異コロニーを数えた。なお、菌
体だけの懸濁液から得られた上清を用いて上記と同様に
操作した場合は、サルモネラ菌の復帰変異コロニーは検
出されなかった。これらの結果から、抗変異原性率を算
出するには次式によればよい。 抗変異原性率(%)=[(B−A)/B]×100 A:変異原物質と菌体を添加した場合の復帰変異コロニ
ー数 B:変異原物質のみを添加し、菌体を添加しない場合の
復帰変異コロニー数 結果を表5に示す。
【0038】
【表5】
【0039】この結果から明らかなように、菌体とTr
p−P−1又はTrp−P−2とを混合・懸濁してプレ
インキュベートした状態で、菌体がこれらの変異原性物
質に作用し、遠心分離した上清においては、著しくこれ
らの変異原性物質の変異原性が低下されていたと解され
る。また、この結果は、ラクトバチルス・サンフランシ
スコATCC27651及びラクトバチルス・サンフラ
ンシスコATCC27652における吸着試験の結果と
よく一致しており、これらの菌体におけるFD菌体とH
FD菌体間の吸着差及びTrp−P−1とTrp−P−
2間の吸着差とよく対応されている。
【0040】また、本実施例においても、LS−FD菌
体とLS−HFD菌体との差はほとんどなく、加熱後の
菌体であっても有効に抗変異原性剤となり得ることが確
認されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 1/20 C12R 1:225) (72)発明者 古川 秀之 愛知県名古屋市天白区大字八事字裏山15 名城大学内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラクトバチルス・サンフランシスコ菌体を
    有効成分として含有する抗変異原性剤。
  2. 【請求項2】ラクトバチルス・サンフランシスコ ATCC
    27651 の菌体を有効成分として含有する抗変異原性
    剤。
  3. 【請求項3】ラクトバチルス・サンフランシシコ ATCC
    27652 の菌体を有効成分として含有する抗変異原性
    剤。
  4. 【請求項4】ラクトバチルス・サンフランシスコ ATCC
    27653 の菌体を有効成分として含有する抗変異原性
    剤。
  5. 【請求項5】ラクトバチルス・サンフランシスコ菌体を
    抗変異原性を有する有効成分として含有し、かつ加熱さ
    れてなることを特徴とする抗変異原性を有する食品。
JP6160179A 1993-07-16 1994-07-12 抗変異原性剤及び抗変異原性を有する食品 Expired - Fee Related JP2825761B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6160179A JP2825761B2 (ja) 1993-07-16 1994-07-12 抗変異原性剤及び抗変異原性を有する食品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17678893 1993-07-16
JP5-176788 1993-07-16
JP6160179A JP2825761B2 (ja) 1993-07-16 1994-07-12 抗変異原性剤及び抗変異原性を有する食品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0775565A true JPH0775565A (ja) 1995-03-20
JP2825761B2 JP2825761B2 (ja) 1998-11-18

Family

ID=26486747

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6160179A Expired - Fee Related JP2825761B2 (ja) 1993-07-16 1994-07-12 抗変異原性剤及び抗変異原性を有する食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2825761B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008130036A1 (ja) 2007-04-18 2008-10-30 Kigen Biogenics Laboratory Co., Ltd. 乳酸菌を用いた抗変異原性物質の生産方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5858070B2 (ja) 2014-03-07 2016-02-10 セイコーエプソン株式会社 プロジェクタおよびプロジェクタの制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2825761B2 (ja) 1998-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wyatt et al. Severe oral lesions in chickens caused by ingestion of dietary fusariotoxin T-2
EP2647694B1 (en) Dead lactobacillus biomass for antimicrobial use and a production method therefor
KR101680014B1 (ko) 김치로부터 분리한 염증성 장 질환 치료 효과를 갖는 유산균
JPH09506625A (ja) サルモネラの調節用の共生体
CN116179419A (zh) 一种具有降脂功能的植物乳杆菌及其应用
WO2007058027A1 (ja) バチルス・チューリンゲンシスを含む有害菌の防除剤
CN103992969B (zh) 一种具有抗菌活性菌素的植物乳杆菌及其应用
JPH0326B2 (ja)
TWI740057B (zh) 乳雙歧桿菌gkk2之活性物質、含其之組合物及其促進長壽之用途
KR101910646B1 (ko) 항생제 대체용 사료첨가제 및 이의 제조방법
JP4119656B2 (ja) 抗酸化剤
CN119709638A (zh) 一株大肠杆菌噬菌体pd211、其噬菌体组合物及其应用
JP2825761B2 (ja) 抗変異原性剤及び抗変異原性を有する食品
CN115281258A (zh) 一种香灰菌发酵茶的制备方法
KR20090048903A (ko) 홍국 발효콩 추출물 함유의 복합 기능성 대두 요거트제조방법
JP2816564B2 (ja) 乳酸菌調製物
CA1323519C (en) Probiotic-type products
Hixson et al. Effect of benzene hexachloride on the flavor of poultry meat
JP2024091195A (ja) 肌質改善剤
US20260033509A1 (en) Development of food-grade antimicrobial fungal fermentates using yeast extract, proteins, or amino acids as culture substrates
WO2020116365A1 (ja) 鮒寿司から単離されたラクトバチルス・プランタラム種である乳酸菌及びそのスクリーニング方法
JPH05236945A (ja) 新規ラクトバチルス属微生物
JP2023043796A (ja) 抗菌性組成物及びその製造方法
Afifah et al. Research Article Antioxidant Activity, Microbiological Quality, and Acceptability of Spontaneously Fermented Shrimp Sausage (Litopenaeus vannamei)
Kristoffersen Degradation of amino acids by Lactobacillus casei in relation to flavor development in cheddar cheese

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100911

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100911

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130911

Year of fee payment: 15

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees