JPH0776407B2 - 耐摩耗性および耐肌荒性に優れた黒鉛を有する高クロム鋳鉄材 - Google Patents

耐摩耗性および耐肌荒性に優れた黒鉛を有する高クロム鋳鉄材

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JPH0776407B2
JPH0776407B2 JP1051697A JP5169789A JPH0776407B2 JP H0776407 B2 JPH0776407 B2 JP H0776407B2 JP 1051697 A JP1051697 A JP 1051697A JP 5169789 A JP5169789 A JP 5169789A JP H0776407 B2 JPH0776407 B2 JP H0776407B2
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隆 橋本
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B27/00Rolls, roll alloys or roll fabrication; Lubricating, cooling or heating rolls while in use

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、主としてロール材として使用される耐摩耗性
および耐肌荒性並びに耐焼付性に優れた高クロム鋳鉄材
に関する。
(従来の技術) 高クロム鋳鉄ロール材は、冶金学的には基地組織中に高
硬度のM7C3方クロム炭化物を含んでおり、耐摩耗性に優
れるのが特徴である。かかる高クロムロール材によって
圧延使用層たる外層が形成された複合ロールは、ホット
ストリップミル用ワークロール等として普及している。
しかし、高クロム鋳鉄ロール材は、熱伝導率が低く焼付
が生じ易いという問題があった。
そこで、本出願人は、特公昭61−16415号および特公昭6
1−16336号において開示した通り、高クロム組織中に黒
鉛を晶出させ、耐焼付性を著しく改善した黒鉛晶出高ク
ロム鋳鉄材を開発した。この黒鉛晶出高クロム鋳鉄材を
圧延使用層として有する圧延用ロールによって、従来、
焼付が生じ易いとされているステンレス鋼等の特殊鋼を
圧延したところ、焼付の発生も生じず、良好な結果が得
られた。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記黒鉛晶出高クロム鋳鉄材は、晶出黒
鉛の粒径が80μm程度以上と大きく、また黒鉛の間隔も
大きいため、この黒鉛が摩耗や表面損傷の起点となり、
耐摩耗性や耐肌荒性に劣るという問題がある。
本発明はかかる問題に鑑みなされたもので、耐焼付性を
損なうことなく、耐摩耗性および耐肌荒性に優れた高ク
ロム鋳鉄材を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するためになされた本発明は、化学組成
が重量%で C :2.6〜3.6%、 Ni:3.0〜4.4% Si:1.0〜1.9%、 Cr: 5 〜10 % Mn:0.5〜1.5%、 Mo:0.4〜3.0% 残部実質的にFeからなり、組織中に晶出した黒鉛とオー
ステナイト域温度で保持するクロム炭化物の分解熱処理
により析出した微細黒鉛とが共存していることを発明の
構成とするものである。
(作用) 本発明の黒鉛を有する高クロム鋳鉄材の化学組成は下記
の理由により限定される。単位は重量%である。
C:2.6〜3.6% CはCrと結合してCr炭化物を形成し、また後述のSi,Ni
の黒鉛生成元素により細かい黒鉛となって晶出する。2.
6%未満ではCr炭化物量が減少すると共に黒鉛の晶出も
ほとんどなくなる。一方、3.6%を越えると、本発明の
場合Cr含有量が10%以下とされているので、過飽和のC
が高濃度のSi,Niのため多量に黒鉛化し、晶出黒鉛が過
剰となって耐摩耗性が劣化する。
Si:1.0〜1.9% Siは高クロム材質に黒鉛を晶出させるために必要で、1.
0%未満ではこの効果がほとんどなく、2.3%を越えると
黒鉛量が過多となり耐摩耗性を劣化させる。このため耐
摩耗性劣化のおそれのない範囲として安全をみて19%以
下とする。なおSiの添加については、鋳込前のSi量を上
記限定範囲より低目にしておき、鋳込時に接種を行い最
終製品の組成で上記範囲に入るように調整する方が黒鉛
の晶出に有効である。
Mn:0.5〜1.5% Mnは溶湯の脱酸のためにSiと共に積極的に添加する。0.
5%未満ではこの効果が不足し、1.5%を越えると機械的
性質特に靭性の劣化が著しくなる。
Ni:3.0〜4.4% Niは基地組織の改良と黒鉛を晶出させるために積極的に
含有させるもので、3.0%未満では黒鉛の晶出が困難と
なる。一方、5.0%を越えるとSiの場合と同様、晶出黒
鉛が粗大化しかつ量的にも多すぎる。このため安全をみ
て4.4%以下とする。また、残留オーステナイトが増加
して、耐肌荒性の面で問題となる。
Cr:5〜10% CrはCと結合してCr炭化物を形成するが、5%未満では
該炭化物が少なく耐摩耗性の点で劣り、10%を越えると
上記Ni,Siの組成範囲では黒鉛が晶出困難となる。
Mo:0.4〜3.0% Moは焼入焼戻し抵抗を高めると共に、炭化物中に入り、
炭化物硬度を高めると同時に焼戻軟化抵抗を向上させる
のに有効である。その含有量が0.4%未満ではこのよう
な効果が少なく、一方3.0%を越えると白銑化傾向が強
く黒鉛の晶出が困難となる。
本発明の高クロム鋳鉄材は、以上のほか残部実質的にFe
で形成されるが、PおよびSは共に一般的に材質を脆く
するので少ないほど望ましく、両者とも0.1%以下に止
めるのがよい。また、Nb,Vは鋳造組織の微細化に効果が
あり、Feの一部に代えて各々単独又は複合して1.0%以
下含有することができる。
上記高クロム鋳鉄材は、金型鋳造を行うだけで、粒径10
〜40μm程度の細粒状黒鉛を晶出させることができる。
かかる細粒黒鉛は摩耗や肌荒れの起点となりにくく、良
好な特性を得ることができるが、晶出量が比較的少ない
ため耐焼付性が不足する。そこで、本発明では、耐摩耗
性や耐肌荒性を損なうことなく、良好な耐焼付性を確保
するため、クロム炭化物の分解熱処理を施し、基地中に
微細な黒鉛を析出させた。析出黒鉛の粒径は5μm程度
以下であり、粒子間隔も10μm程度であって、耐摩耗性
等の特性を劣化させることがなく、耐焼付性のみならず
耐クラック性の向上をも図ることができる。
前記分解熱処理は、鋳造後、オーステナイト域温度で数
時間〜数十時間保持することによって行われる。該熱処
理によって鋳造歪も除去される。該熱処理後、適宜の熱
処理が引き続き施される。
(実施例) 本発明の黒鉛を有する高クロム鋳鉄材は、主として圧延
用複合ロールの使用層である外層材として使用される。
その内層(軸芯)材としては、高級鋳鉄やダクタイル鋳
鉄等の強靭性のある鋳鉄材又は黒鉛鋳鋼等の鋳鋼材が適
宜使用される。
また、前記複合ロールの製造方法としては、遠心力鋳造
法により外層を鋳造した後、外層を内有した遠心力鋳造
用鋳型を起立させて静置鋳型を構成し、その内部に内層
材溶湯を注湯し、外層と内層とを溶着一体化する方法が
あり、簡便であるので一般に適用されている。
尚、外層と内層との溶着に際して、外層から内層へのCr
の混入を防止するためには、外層と内層との間に中間層
を設けるとよい。中間層を設けることにより、内層の靭
性確保のみならず、外層と内層との溶着部の品質改善を
も図ることができる。
以上のようにして鋳造された複合ロールは、残留応力の
低減や黒鉛析出のために既述の炭化物分解熱処理を施し
た後、残留オーステナイトを熱的安定相へ変態させるた
めの熱処理が施される。通常、炭化物分解熱処理後、冷
却速度をコントロールして空冷焼入れ又は噴霧水冷焼入
れが施され、その後500〜600℃で保持して歪取りないし
焼戻し熱処理が施され、基地を二次カーバイドとパーラ
イト、あるいは焼戻しマルテンサイトとパーライトの混
合相とする方法が採られる。
本発明の高クロム材は、ロール材のみならず、圧延付帯
設備におけるローラ材、例えばホットランテーブルロー
ラ等の中空円筒状ローラの外層材としても適用可能なこ
とは勿論である。
次に具体的実施例を掲げて説明する。製品胴径φ680m
m、胴長1800mm、全長4200mmの複合ロールを下記のよう
にして製造した。
(1)外層として、下記第1表に示す化学組成(重量
%)の高クロム鋳鉄溶湯を用い、これを遠心力鋳造機上
で回転する鋳型に1410℃の鋳込温度で肉厚80mm(鋳込重
量2T400kg)鋳込んだ。
(2)鋳込み開始後23分後に外層は完全に凝固した。
(3)その後鋳型を垂直に立てて上部から軸芯材として
ダクタイル鋳鉄を1365℃で鋳込み、鋳型内を完全に満た
した後、上端を押湯保温材でカバーした。
(4)完全に冷却後、ロール素材を鋳型から取出し、炭
化物分解および歪取り熱処理として1000℃×10Hr保持
後、550℃まで強制空冷し、550℃×15Hr保持後、常温ま
で冷却した。その後、機械加工を行って製品ロールを得
た。
(5)製品ロールの胴部を超音波探傷した結果、外層と
軸芯とは完全に溶着しているのが確認された。また、外
層を光学顕微鏡により組織観察した結果を第1図および
第2図に示す。第1図は熱処理後のもの、第2図は熱処
理前のものであり、倍率は共に50倍である。第1図より
明らかな通り、熱処理により、比較的細かい晶出黒鉛と
5μm程度の微細な析出黒鉛とが共存している状態が観
察される。
(発明の効果) 以上説明した通り、本発明の黒鉛を有する高クロム鋳鉄
材によれば、基地組織中に細粒状晶出黒鉛と微細に分散
した析出黒鉛とが共存するので、耐焼付性を損うことな
く、粗粒状黒鉛の存在に起因した耐摩耗性や耐肌荒性の
劣化を有効に防止することができ、更には細粒ないし微
細粒状黒鉛がクラックの進展を効果的に阻止し、耐クラ
ック性ひいては耐折損の向上をも図ることができる。ま
た、本発明材は、Cr含有量が比較的少ないため、本発明
材と強靭材とを複合化した場合、Crの混入、拡散による
強靭材の靭性劣化が比較的軽微で済むという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は実施例に係る黒鉛を有する高クロ
ム鋳鉄材の製造過程における金属組織写真(共に倍率50
倍)であり、第1図は黒鉛析出熱処理後、第2図は同熱
処理前の組織を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学組成が重量%で C :2.6〜3.6%、 Ni:3.0〜4.4% Si:1.0〜1.9%、 Cr: 5 〜10% Mn:0.5〜1.5%、 Mo:0.4〜3.0% 残部実質的にFeからなり、組織中に晶出した黒鉛とオー
    ステナイト域温度で保持するクロム炭化物の分解熱処理
    により析出した微細黒鉛とが共存していることを特徴と
    する耐摩耗性および耐肌荒性に優れた黒鉛を有する高ク
    ロム鋳鉄材。
JP1051697A 1989-03-02 1989-03-02 耐摩耗性および耐肌荒性に優れた黒鉛を有する高クロム鋳鉄材 Expired - Lifetime JPH0776407B2 (ja)

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