JPH0777582A - 地層中の水分挙動/物質移行の測定システム、その探査方法、温度センサー用光ファイバー - Google Patents

地層中の水分挙動/物質移行の測定システム、その探査方法、温度センサー用光ファイバー

Info

Publication number
JPH0777582A
JPH0777582A JP16980893A JP16980893A JPH0777582A JP H0777582 A JPH0777582 A JP H0777582A JP 16980893 A JP16980893 A JP 16980893A JP 16980893 A JP16980893 A JP 16980893A JP H0777582 A JPH0777582 A JP H0777582A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
formation
temperature
temperature sensor
fiber cable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP16980893A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2612812B2 (ja
Inventor
Takashi Oya
峻 大屋
Tokuei Wakabayashi
▲徳▼映 若林
Tomoyuki Takemura
友之 竹村
Masakatsu Kudo
昌克 工藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Mineral Development Engineering Co Ltd
Mitsui Kinzoku Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Mitsui Mineral Development Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Mining and Smelting Co Ltd, Mitsui Mineral Development Engineering Co Ltd filed Critical Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Priority to JP16980893A priority Critical patent/JP2612812B2/ja
Publication of JPH0777582A publication Critical patent/JPH0777582A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2612812B2 publication Critical patent/JP2612812B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A90/00Technologies having an indirect contribution to adaptation to climate change
    • Y02A90/30Assessment of water resources

Landscapes

  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)
  • Light Guides In General And Applications Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 光ファイバーケーブル8が地層1中に三次元
的に敷設され、計測装置12が該光ファイバーケーブル
に連結され、演算装置13が該計測装置に電気的に接続
され、光ファイバーケーブル8に送出した光パルスの反
ストークス散乱光の温度依存性を利用して光ファイバー
ケーブル8上の温度を瞬時に求め、地層1中の三次元的
に分布した温度として記録し、該測定を経時的に実施し
て地層1中の温度分布の経時変化を求め、この経時変化
のシミュレータ解析により地層1中の水分挙動/物質移
行を求める。 【効果】 対象地層中の温度分布測定システムを長期に
維持・管理することができ、長期に地層中の水分挙動/
物質移行を探査し、その結果を利用して、水分の乾き過
ぎや飽和帯水層の形成と消滅、埋設汚染物の流出の危
険、盛土のような弱地盤の崩壊の危険などを監視した
り、予測したりすることに応用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は温度センサー用光ファイ
バーケーブルを用いた地層中の水分挙動/物質移行の測
定システム、探査方法、それらの利用方法、並びに温度
センサー用光ファイバーケーブル、その位置分解能改良
方法、及びその敷設方法に関する。より詳しくは、温度
センサーとして一連の光ファイバーケーブルを地層(主
として土壌層)中に三次元的に敷設して地層中の温度分
布及び温度分布の経時変化を求め、得られたデータを解
析して地層中の水分挙動/物質移行を求める水分挙動/
物質移行の測定システム及び探査方法並びにそれらを盛
土等の崩壊の危険や埋設汚染物の流出の危険の予知に利
用する方法、温度センサー用光ファイバーケーブルを地
層中に三次元的に敷設する方法、温度センサー用光ファ
イバーケーブルの位置分解能改良方法、及び補強層を有
する温度センサー用光ファイバーケーブルに関する。
【0002】特に、従来困難であった、乾いた地層中の
水分挙動、蒸発散に伴う水と物質の上方移行、降雨等の
現象に伴う地層内の一時的帯水層(特に、宙水現象)の
形成と消滅過程の間接的測定にも関する。
【0003】
【従来の技術】従来、地層中の水分流の観測は、通常、
帯水層を前提としており、図6に示すように、探査対象
の地層(主として、土壌層)1中に測定孔18を一カ所
以上設けて実施している。その測定法としては、測定孔
で直接に水位、流速、流向を測定する方法や、測定用セ
ンサー19を用いて測定する方法等が採用されている。
センサーとしては、トレーサーとして塩を用いる場合に
は塩分濃度計、水中の温度変化に着目した間接測定を行
う場合には、通常の温度計、示差温度計、熱電対やサー
ミスタ温度計、これらをいくつか連結した多点温度計が
用いられている。図6において、2は物質流出源(汚染
源)、又はトレーサー注入点、3は不透水層、又は難透
水層、4は降雨、蒸発散水分流、5は一時的帯水層(宙
水)、6は帯水層、7は表流水を模擬的に示している。
【0004】地層中の唯一の帯水層を対象とする場合に
は上記の方法は直接的であるだけに有利さを持つが、以
下のような欠点を持つ: 1.測定孔を長年月且つ多数維持管理する事には経済的
にも技術的にも困難が伴い、数年オーダーの測定は不可
能である。また、単位データ量当たりの費用も高くなら
ざるを得ない; 2.測定孔が存在することにより周囲の温度場、水頭圧
(サンクション圧)場は大きく乱される; 3.蒸発散測定は別として、不飽和水分流の直接観測は
無理である。不飽和水分流の観測には、温度による間接
測定、及び温度分布とサンクション圧分布を関連づける
シミュレータの利用が不可欠である。しかし、測定孔を
多数設営し、維持管理する事は経済的にも技術的にも極
めて困難であり、従って測定点数は必然的に空間分布的
に極めて少なくなり、シミュレータのために必要十分な
測定点数を供給することができない; 4.温度分布から飽和・不飽和水分流を観測しようとし
ても、被圧帯水層が存在したり、帯水層が複数存在した
り、一時的帯水層が存在してその消長を時間的に観測し
なければならない等の理由で、測定孔内の各地層構成に
対応した温度観測を行うことには極めて困難が伴う。
【0005】特殊な例としては、地熱ボーリング孔井等
で、地熱測定用に光ファイバーケーブル分布型温度計を
用いることが提案されている。これは、開孔中の温度測
定を対象としたものであり、水分流(特に不飽和状態で
の水分流)観測のためのものではない。また、火災や爆
発事故などによる異常高温の発生を監視する目的で温度
計を特定敷地内に埋設する場合があり、光ファイバーケ
ーブル分布型温度計についても、石油プラント敷地内で
の温度監視装置に利用することが提案されている。ま
た、ビル、プラントなどの異常温度検知、冷却設備の温
度制御等の広域、多点を対象とした温度測定用に光ファ
イバーケーブル分布型温度測定システムも知られている
(「ラマン散乱光利用分布型温度センサ」、センサ技
術、Vol 9,No. 7(1988年)参照)。しかし、こ
れらの従来の装置は、温度変化そのものの急激な変化を
観測対象とするものであり、地層中の水分流の挙動や、
物質移行の観測を目的としたものではなく、そのような
目的に適用することは不可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような光ファイバーケーブル分布型温度測定システム
を利用して、飽和/不飽和状態を問わず、地層(主とし
て土壌層)中の水分挙動、特に水分流について、更に、
それによって運ばれる物質移行のメカニズムについて、
長期間にわたって比較的簡便に調査・研究するのに有効
な、温度測定による間接探査(観察)手法で用いるのに
適した測定システム、探査方法及びそれらを盛土等の崩
壊の危険や埋設汚染物の流出の危険の予知に利用する方
法、温度センサー用光ファイバーケーブルを地層中に三
次元的に敷設する方法、温度センサー用光ファイバーケ
ーブルの位置分解能改良方法、及び補強層を有する温度
センサー用光ファイバーケーブルを提供することであ
る。
【0007】本発明の他の目的は、従来、帯水層中の浸
透流調査に用いられてきた測定孔による探査方法で生じ
ていた欠点を解消することである。即ち、 1.センサー部を埋設して(測定孔を埋め戻しして)開
孔を無くし、測定中の周囲の温度場、水頭圧(サンクシ
ョン圧)場の乱れを少なくする; 2.開孔の長期維持に伴う困難さや、測定システムの耐
用性の問題から、年オーダーの測定の長期化には限界が
あったのに対して、観測システムを長期間且つ経済的に
保持でき、数年オーダーの測定も可能となるようにす
る; 3.単位データ量当たりの測定に手数も費用もかかり、
孔内のセンサーを引き出す作業を伴うような場合には測
定行為そのものにも時間が掛かっていたのに対して、光
ファイバーケーブルセンサーの敷設後は、瞬時に、必要
ならスタッキングなどで精度を上げつつ、簡単に測定可
能にする; 4.測定孔を穿ってセンサーを点状配置し、測定に手数
を掛ける従来法では、測定点の空間的分布密度、時間的
分布密度に限界がある。特に、数値解析的な手法による
データ解析シミュレータを作成するのに必要なデータを
供給するのには不十分である。これに対し、測定点が三
次元的に分布することになる光ファイバーケーブルセン
サーの敷設方法によって、空間分布(三次元)的測定が
可能となり、且つ時間的にも地層の温度変化スケール内
で刻みをほとんど任意の幅にして測定可能となる。特
に、温度分布の経時変化と水分流の挙動とを関連づける
シミュレータを利用する場合にも、このシミュレータの
作成に必要なデータ(測定点の十分な空間的分布密度、
十分な時間的分布密度)の供給が可能になる; 5.測定孔による方法は、帯水層が一個の場合の調査が
主であり、帯水層が複数存在している場合や、被圧帯水
層が存在している場合や、不飽和層中の水分流を対象と
する場合や、一時的帯水層が存在してその消長を時間的
に観測しなければならない場合には、適用に無理があ
る。本発明はこのような場合の全てに適用可能で、飽和
/不飽和水分流を同時に観測可能とするようにする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するものであり、下記の構成を有する測定システム、探
査方法及びその利用方法並びに温度センサー用光ファイ
バーケーブルを地層中に三次元的に敷設する方法、温度
センサー用光ファイバーケーブルの位置分解能改良方
法、及び補強層を有する温度センサー用光ファイバーケ
ーブルに関する。即ち、本発明の地層中の水分挙動/物
質移行の測定システムは、温度センサーとして一連の光
ファイバーケーブルが地層中に三次元的に敷設されてお
り、好ましくは該一連の光ファイバーケーブルが地表
部、外気温度・湿度測定部及び補正用参照温度測定部に
も配設されており、光パルス発光部、受光部、光・電流
変換部及び電流・温度変換部を有する計測装置が該光フ
ァイバーケーブルに連結されており、該光ファイバーケ
ーブル上の連続した温度分布を求めるために、該計測装
置で得られたデータを記録し、該記録値を解析し、その
解析結果を記録し、表示する演算装置が該計測装置に電
気的に接続されていて、該光ファイバーケーブルに送出
した光パルスの反ストークス散乱光の温度依存性を利用
して該光ファイバーケーブル上の温度を瞬時に求め、地
層中の三次元的に分布した温度として記録し、該測定を
経時的に実施して地層中の温度分布の経時変化を求め、
この経時変化の解析により地層中の水分挙動/物質移行
を求めることを特徴とする。
【0009】本発明の地層中の水分挙動/物質移行の探
査方法は、探査地層からサンプリングした土壌の室内試
験により土壌の特性を求め、一方探査地層について上記
の探査システム及びトレーサーを用いた予備試験を実施
し、その得られた地層中の温度分布の経時変化を解析し
て地層中の熱的特性及び水分挙動特性を求め、これらの
データから温度と水分挙動/物質移行とに関するシミュ
レータを構成し、該シミュレータの反復利用と短期間の
温度変化が地層中では水分の移行によってもたらされる
という仮定に基づく差分温度分布/水分流変換シミュレ
ータを構成し、該シミュレータに上記の測定システムに
おける経時変化データを入力して解析することを特徴と
する。
【0010】更に、本発明は、上記の探査方法を利用し
て、浸透水の観測から盛土、盛土地盤、軟弱地盤の崩壊
の危険を予知する方法であり、更に、上記の探査方法を
利用して、亀裂(主として底部亀裂)からの埋設汚染物
の流出の危険を予知する方法である。
【0011】本発明の地層中での温度センサー用光ファ
イバーケーブルの三次元的な敷設方法は、一連の温度セ
ンサー用光ファイバーケーブルを地層中に複数の平面に
亘ってそれぞれ平面的に敷設するか、一連の温度センサ
ー用光ファイバーケーブルを螺旋状態で多数の小孔中に
挿入して埋設することを特徴とする。
【0012】また、本発明の温度センサー用光ファイバ
ーケーブルの位置分解能改良方法は、一連の温度センサ
ー用光ファイバーケーブルを測定対象物、例えば汚染物
に螺旋状態で巻き付けるか、又は一連の温度センサー用
光ファイバーケーブルを断熱材に螺旋状態で巻き付け、
その際螺旋の径及び巻き線ピッチを調節して式 Lc =Lp/√(p2 +π22 )=L/√{1+(π
D/n)2 } p・n=1 (式中、Lc は螺旋状光ファイバーケーブルの位置分解
能(m)、Lは光ファイバーケーブル裸線の伸線の位置
分解能(m)、pは巻線ピッチ(m)、Dは螺旋の径
(m)、nは巻線密度(回/m)である)に従って温度
センサーとしての位置分解能を改良することを特徴とす
る。
【0013】更に、本発明の温度センサー用光ファイバ
ーケーブルは、温度センサー用光ファイバーケーブル
が、温度センサーとしての感度の許容範囲内で補強層と
して、その外周表面に長手方向で交互に設けられた良熱
伝導性被覆と断熱性被覆とを有するか、その外周表面に
縞状又は網状に設けられた断熱性被覆を有することを特
徴とする。
【0014】なお、本明細書において水分、水分流は水
だけでなく、全ての液体の液状態、蒸気状態を包含する
ものである。
【0015】以下に、本発明を図面に基づいて説明す
る:図1に示すように、本発明の測定システムにおいて
は、温度センサーとして一連の光ファイバーケーブル8
が探査対象の地層(土壌層)1中に三次元的に敷設さ
れ、好ましくは地表部の温度を測定するための地表部
9、外気温度・湿度を測定するための外気温度・湿度測
定部10及び補正用参照温度測定部11にも配設されて
いる。光パルス発光部、受光部、光・電流変換部及び電
流・温度変換部を有する計測装置12が該光ファイバー
ケーブルに連結されており、該光ファイバーケーブル8
上の連続した温度分布を求めるために、該計測装置で得
られたデータを記録し、該記録値を解析し、その解析結
果を記録し、表示する演算装置13が該計測装置に電気
的に接続されている。ここで温度センサーとして用いる
光ファイバーケーブルは通常の光ファイバーケーブル
(本明細書において、これを裸線という)であっても、
あるいは後記のような、温度センサーとしての感度の許
容範囲内で補強層として、その外周表面に長手方向で交
互に設けられた良熱伝導性被覆と断熱性被覆とを有する
か、その外周表面に縞状又は網状に設けられた断熱性被
覆を有する温度センサー用光ファイバーケーブルであっ
てもよい。
【0016】周辺土壌の温度と平衡に達した後、該光フ
ァイバーケーブル8に送出した光パルスの反ストークス
散乱光の温度依存性を利用して該光ファイバーケーブル
上の温度を瞬時に求め、地層中の三次元的に分布した温
度として演算装置13に記録し、該測定を経時的に実施
して地層中の温度分布の経時変化を求める。この経時変
化の解析により地層中の水分挙動/物質移行を求める。
なお、図1において、2は物質流出源(汚染源)又はト
レーサー注入点、3は不透水層又は難透水層、4は降
雨、蒸発散水分流、5は一時的帯水層(宙水)、6は帯
水層、7は表流水を模擬的に示している。
【0017】本発明の測定システムにおいては、光ファ
イバーケーブルセンサーを地表に配置して地表温度を測
定する部分を設けたり、外気温度測定ボックスを設けた
り、湿度測定のための湿球温度測定ボックスを設けたり
して、出来る限り多くの情報を測定できるように敷設す
ることが望ましい。他方、気温、湿度、降雨量などの別
系気象測定を実施し、不足しているものの補いや、ある
いは、重複するものの参照・補正用データとすることが
望ましい。
【0018】本発明の測定システムにおいては、温度
は、光ファイバーケーブル上の各点でほとんど瞬時に測
定でき、且つ光ファイバーケーブル敷設方法に依存した
空間分布(三次元)的な広がりをもって測定でき、更に
時間に関しても継続測定が可能である。場合によって
は、スタッキングにより精度を上げ、さらに空間的に小
スケールの地層に対しては、螺旋状光ファイバーケーブ
ルを用いることにより精密に測定することができる。
【0019】また、本発明の地層中の水分挙動/物質移
行の探査方法は、図2に示すように、探査地層からサン
プリングした土壌の室内試験により土壌の所要特性(地
層構成、土壌質量、空隙率、透水係数、熱容量、熱伝導
率、物質移流に関する分配係数等)を求め、一方探査地
層についてトレーサー(温熱トレーサー、物質トレーサ
ー等)及び上記の探査システムを用いて予備試験を実施
し、その得られた地層中の温度分布の経時変化を解析し
て地層中の熱的特性及び水分挙動特性(地層構成別の熱
的物性、水分流に関する物性、物質移行に関する物性
等)を求め、これらのデータから温度と水分挙動/物質
移行とに関するシミュレータを構成し、該シミュレータ
を反復して利用することによって、短期間の温度変化が
地層中では水分の移行によってもたらされるという仮定
に基づく差分温度分布/水分流変換シミュレータを構成
し、該シミュレータに上記の測定システムにおける経時
変化データを入力して解析し、地層中の飽和/不飽和水
分流、必要ならそれによって運ばれる物質の移行量など
を求める。この場合、飽和水分流及び不飽和水分流の両
方を同時に対象とする事から、帯水層の深さ、水流速の
みならず、帯水層の一時的消長(形成、発達、消滅、宙
水現象など)も観測対象とすることができる。また、不
飽和領域の水分流に関連して、降雨や蒸発散現象に伴う
地層中の水分移行も観測対象とすることができる。
【0020】トレーサーとして温熱トレーサーを用いて
予備試験を実施する場合には、得られる地層中の温度分
布とその経時変化の解析から、地層中の熱的特性(比
熱、熱伝導性など)、水分挙動に関する特性(透水係
数、空隙率、水分率−サンクション圧関係など)をフィ
ールドで求め、さらに室内試験で補う。必要なら、物質
トレーサーにより物質移行に関する特性(拡散係数、分
配係数など)も予備試験する。また、測定孔を用い且つ
トレーサーに塩を含ませることによって、従来法との平
行比較も可能である。
【0021】温熱トレーサー試験又は物質トレーサー試
験では、注入口周辺での温度ピークの移行と温度変化部
の広がり又は物質濃度ピークの移行と濃度変化部の広が
りに着目し、大気中の煙拡散モデルで常用されているパ
フモデル及びプルームモデルを援用して、透水係数と熱
的拡散幅又は物質濃度拡散幅の観測を実施して地層中の
熱的特性、水分挙動特性、物質の移行特性(浸透流速度
や、熱的移流拡散係数など下記のシミュレータのための
特性値等)を求め、これらのデータから温度と水分挙動
/物質移行とに関するシミュレータを構成する。
【0022】温度−水分流シミュレータとは、対象地層
の熱的特性、水分挙動に関する特性を与えて、適当な境
界条件、初期条件下で地層中の温度分布と水分挙動を定
める計算機プログラム(狭義のシミュレータ)とそれに
よる解析方法のことである。必要なら、地層の物質移行
に関する特性を補い、計算された温度−水分流分布の下
での物質の移流拡散状況を予測可能にする物質移行シミ
ュレータを付加する。
【0023】本シミュレータとしては、通常、有限要素
法、差分法など数値解析的方法による計算機プログラム
と、物性値データで一般に知られていて利用可能なもの
や、上記で測定されたデータなどの数種類から構成され
る。その他、均一地層など単純なモデルの下での理論的
温度分布、水頭圧分布を補助的に計算するシミュレータ
も含まれる。
【0024】温度分布とその経時変化から地層の水分挙
動へ変換するプログラム(差分温度分布/水分流変換シ
ミュレータ)は、地層中では温度変化が熱伝導よりも水
分の移流によって主に支配されるという事実を利用し
て、測定された温度分布に最もフィッティングする地層
内水分流の分布として先の温度−水分流シミュレータを
反復利用することにより求めることができる。これらの
シミュレータと測定された温度分布の経時変化データか
ら、実際の地層中の飽和/不飽和水分流を間接的に測定
する。
【0025】本発明の、地層中の水分挙動/物質移行の
測定システム及びその探査方法は、飽和/不飽和状態を
問わず、地層(主に、土壌層)中の水分流について、更
に、それによって運ばれる物質移行のメカニズムについ
て、長期間、比較的簡便に調査・研究するのに有効な探
査(観察)手法である。このような探査手法によって以
下のような応用が考えられる。 1) [カラム試験のための測定装置]土壌層中の水分
移行/物質移行を、室内でカラム試験する場合、カラム
内に光ファイバーケーブルの中空螺旋を浮かして設置す
ることで、本発明の測定システムが、そのまま使用でき
る。 2) [地層中の亀裂、水道(みずみち)、空洞などの
発見手法]光ファイバーケーブル(または螺旋)が敷設
された位置と温熱水をトレーサーとして注入する点の間
では、本発明によって、地層中の亀裂、水道(みずみ
ち)、空洞などの存在が比較的簡単に発見できる。 3) [危険物・廃棄物の貯蔵、または、処分施設周辺
の安全評価調査や監視システム]長期間に汚染物質が流
出する危険のある施設周辺では、このような探査手法に
よって、地層中の水分流のメカニズムを調査・研究する
ことが、安全評価上不可欠である。また、本発明中の物
質移行に関わるシミュレータと観測データの蓄積結果か
ら、適当な汚染事故シナリオ(例えば、亀裂発生シナリ
オ)に基づく、土壌・地下水汚染の状態の予測も可能と
なる。また、本観測システムを長期に維持する事で、物
質漏洩そのものの事実は分からないが、漏洩後の「地下
水で拡大し易い状態、亀裂の発生」の監視は可能であ
る。 4) [農業用灌漑水と地下水汚染、または、地表面へ
の塩類析出のメカニズム調査]農業で使用される灌漑用
水と肥料・農薬により、地下水汚染が心配されている
が、このような汚染メカニズムの調査・研究に手段を提
供する。更に、乾燥地農業では、肥料・農薬に加えて、
地中に賦存する塩類の上方移行・地表析出が問題になっ
ている。このメカニズムの調査には不飽和領域の水分流
調査が第一に必要で、本発明の応用すべきところであ
る。 5) [道路や造成地の盛土の危険調査や監視]道路や
造成地の盛土部分が、急激な降雨などにより危険となる
場合、その部分の一時的地下浸透水量も増大し、地温と
外気温度の違いから、地中温度分布の変化にも反映して
いると見られる。従って、この部分に本発明の光ケーブ
ルを敷設し、本発明の探査を実施する事で一時的地下浸
透水量の増大メカニズム、危険状態の予測が可能にな
り、日常観測する事によって監視も可能となる。
【0026】上記した本発明の測定システム及び探査方
法において採用するのに好ましい本発明の、地層中での
温度センサー用光ファイバーケーブルの三次元的な敷設
方法は、後記のような補強層を有する一連の温度センサ
ー用光ファイバーケーブル又はそのような良熱伝導性被
覆も断熱性被覆も有さない一連の温度センサー用光ファ
イバーケーブル(即ち、裸線)を、図3に示すように、
地層中に複数の平面に亘ってそれぞれ平面的に敷設する
か、一連の温度センサー用光ファイバーケーブルを螺旋
状態で多数の小孔中に挿入して埋設することからなる。
その埋設態様として、水平な複数個(例えば3個)の平
面にそれぞれ平面的に敷設する多層水平面埋設型(図3
A)、垂直な複数個(例えば3個)の平面にそれぞれ平
面的に敷設する多層垂直面埋設型(図3B)、傾斜地の
場合にはその傾斜面に平行な又は角度をもたせた複数個
の平面にそれぞれ平面的に敷設する多層傾斜面埋設型
(図示せず)、多数の小孔(例えば、鉛直又は傾斜小
孔)への螺旋状光ファイバーケーブルの挿入埋設型(図
3C)、又はそれらの組合わせ型など、対象地層の性状
と未攪乱部分の割合に合わせた種々の敷設フォーメイシ
ョンが用いられる。多層水平面埋設型や多層傾斜面埋設
型は、一度全て剥土した上に光ファイバーケーブルを敷
設しながら埋め戻す場合か、盛土するか又は盛土地盤を
形成する際に光ファイバーケーブルを敷設しながら実施
する場合であり、人工地層(造成地や盛土部分など)に
敷設するのに適する。また、水平地層に平行するため、
浸透流の水平方向観測に有利である。多層垂直面埋設型
又は多層傾斜面埋設型はサンドイッチ状に未攪乱地層を
はさんだ溝へ埋設するものである。螺旋状光ファイバー
ケーブルの挿入埋設型は、対象地域に、適当な分布密度
で鉛直小孔を穿って埋設するので(傾斜地に敷設する場
合には斜面と直交する小孔即ち傾斜小孔を穿って埋設す
ることもできる)、剥土量(地層の攪乱部分)が少なく
てすむという利点がある。この場合、対象地層の厚さ、
構成に合わせて、適当な螺旋の位置分解能を選択しなけ
ればならない。また、挿入埋設型螺旋状光ファイバーケ
ーブルを埋め戻す時に、不透水層を切る(横断する)場
合には、地層と螺旋状光ファイバーケーブルとの間の密
着度を高め、不透水層上下に隣接する透水層間の漏水を
防ぐ工事方法をとる必要がある。
【0027】本発明の温度センサー用光ファイバーケー
ブルの位置分解能改良方法は、図4に示すように、一連
の温度センサー用光ファイバーケーブルを測定対象物、
例えば埋設しようとする汚染物に螺旋状態で巻き付ける
か(図4A)、又は一連の温度センサー用光ファイバー
ケーブルを断熱材に螺旋状態で巻き付け(図4B)、又
は一連の温度センサー用光ファイバーケーブルを断熱材
に螺旋状態で巻き付け、その際螺旋の径及び巻き線ピッ
チを調節して式 Lc =Lp/√(p2 +π22 )=L/√{1+(π
D/n)2 } p・n=1 (式中、Lc は螺旋状光ファイバーケーブルの位置分解
能(m)、Lは光ファイバーケーブル裸線の伸線の位置
分解能(m)、pは巻線ピッチ(m)、Dは螺旋の径
(m)、nは巻線密度(回/m)である)に従って温度
センサーとしての位置分解能を改良する。このような温
度センサー用光ファイバーケーブルの状態を、本明細書
において螺旋状光ファイバーケーブルと呼ぶ。温度セン
サーとしての光ファイバーケーブルは、反ストークス散
乱光の散乱位置の同定精度に関して下限を持っている。
これは裸線の伸線の位置分解能Lである。これに対して
螺旋状光ファイバーケーブルの位置分解能Lc は上記の
式に従ってDとpまたはnとで調節可能である。従っ
て、上記の式に基づいて温度センサー用螺旋状光ファイ
バーケーブルの位置分解能を許容される範囲内で所望値
に設定することができる。
【0028】上記した本発明の測定システム、探査方
法、その利用方法、敷設方法及び位置分解能改良方法に
おいては、温度センサーとして通常の光ファイバーケー
ブルでも、あるいは後記のような、温度センサーとして
の感度の許容範囲内で補強層として、その外周表面に長
手方向で交互に設けられた良熱伝導性被覆と断熱性被覆
とを有するか、その外周表面に縞状又は網状に設けられ
た断熱性被覆を有する温度センサー用光ファイバーケー
ブルでも用いることができるが、使用態様によっては下
記の温度センサー用光ファイバーケーブルを用いること
が好ましい。
【0029】即ち、本発明の温度センサー用光ファイバ
ーケーブルは、図5に示すように、温度センサーとして
の感度の許容範囲内で補強層として、その外周表面に長
手方向で交互に設けられた金属等の良熱伝導性被覆15
と断熱性被覆16とを有するか(図5A)、その外周表
面に縞状又は網状に設けられた断熱性被覆16を有する
(図5B)ものである。温度センサー用光ファイバーケ
ーブルをこのように構成することにより、温度センサー
としての温度応答性が弱まるが、光ファイバーケーブル
自体の強度を増大させることができ、地層中の圧力によ
る破損にも十分に耐えることができ、長年月にわたって
安全に地層中に敷設したままにしておくことができる。
【0030】
【発明の効果】本発明の測定システム及び探査方法にお
いては、開孔がないこと及び光ファイバーケーブルセン
サーの耐久性という特徴によって、対象地層中の温度分
布測定システムを長期に維持・管理することができる。
これにより、間接的ながら長期に地層中の水分挙動/物
質移行を測定し、更に、その結果を利用して、水分の乾
き過ぎや飽和帯水層の形成と消滅、埋設汚染物の流出の
危険、盛土のような弱地盤の崩壊の危険などを監視した
り、予測したりすることに応用できる。また、従来法に
較べて探査対象の拡大、効率の向上、費用の節約、精度
の向上などの諸点で効果が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定システムの概略説明図である。
【図2】本発明における探査手順及びシミュレータの概
略説明図である。
【図3】本発明の敷設方法の概略説明図である。
【図4】本発明の、温度センサー用光ファイバーケーブ
ルの位置分解能改良方法の概略説明図である。
【図5】本発明の補強層を有する温度センサー用光ファ
イバーケーブルの概略説明図である。
【図6】従来法の探査システムの概略説明図である。
【符号の説明】
1 探査対象の地層(主に、土壌層) 2 物質流出源(汚染源)又はトレーサー注入点 3 不透水層又は難透水層 4 降雨、蒸発散水分流 5 一時的帯水層(宙水) 6 帯水層 7 表流水 8 敷設された光ケーブルセンサー 9 地表部 10 外気温度・湿度等測定部 11 補正用参照温度測定部 12 計測装置 13 演算装置 15 良熱伝導性被覆 16 断熱性被覆 17 地層の埋設工事部 18 測定孔 19 測定用センサー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 地層中の水分挙動/物質移行の測定シ
ステム、その探査方法、温度センサー用光ファイバー
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は温度センサー用光ファイ
バーを用いた地層中の水分挙動/物質移行の測定システ
ム、探査方法、それらの利用方法、並びに温度センサー
用光ファイバー、その位置分解能改良方法、及びその敷
設方法に関する。より詳しくは、温度センサーとして一
連の光ファイバーを地層(主として土壌層)中に三次元
的に敷設して地層中の温度分布及び温度分布の経時変化
を求め、得られたデータを解析して地層中の水分挙動/
物質移行を求める水分挙動/物質移行の測定システム及
び探査方法並びにそれらを盛土等の崩壊の危険や埋設汚
染物の流出の危険の予知に利用する方法、温度センサー
用光ファイバーを地層中に三次元的に敷設する方法、温
度センサー用光ファイバーの位置分解能改良方法、及び
補強層を有する温度センサー用光ファイバーに関する。
【0002】特に、従来困難であった、乾いた地層中の
水分挙動、蒸発散に伴う水と物質の上方移行、降雨等の
現象に伴う地層内の一時的帯水層(特に、宙水現象)の
形成と消滅過程の間接的測定にも関する。
【0003】
【従来の技術】従来、地層中の水分流の観測は、通常、
帯水層を前提としており、図6に示すように、探査対象
の地層(主として、土壌層)1中に測定孔18を一カ所
以上設けて実施している。その測定法としては、測定孔
で直接に水位、流速、流向を測定する方法や、測定用セ
ンサー19を用いて測定する方法等が採用されている。
センサーとしては、トレーサーとして塩を用いる場合に
は塩分濃度計、水中の温度変化に着目した間接測定を行
う場合には、通常の温度計、示差温度計、熱電対やサー
ミスタ温度計、これらをいくつか連結した多点温度計が
用いられている。図6において、2は物質流出源(汚染
源)、又はトレーサー注入点、3は不透水層、又は難透
水層、4は降雨、蒸発散水分流、5は一時的帯水層(宙
水)、6は帯水層、7は表流水を模擬的に示している。
【0004】地層中の唯一の帯水層を対象とする場合に
は上記の方法は直接的であるだけに有利さを持つが、以
下のような欠点を持つ: 1.測定孔を長年月且つ多数維持管理する事には経済的
にも技術的にも困難が伴い、数年オーダーの測定は不可
能である。また、単位データ量当たりの費用も高くなら
ざるを得ない; 2.測定孔が存在することにより周囲の温度場、水頭圧
(サンクション圧)場は大きく乱される; 3.蒸発散測定は別として、不飽和水分流の直接観測は
無理である。不飽和水分流の観測には、温度による間接
測定、及び温度分布とサンクション圧分布を関連づける
シミュレータの利用が不可欠である。しかし、測定孔を
多数設営し、維持管理する事は経済的にも技術的にも極
めて困難であり、従って測定点数は必然的に空間分布的
に極めて少なくなり、シミュレータのために必要十分な
測定点数を供給することができない; 4.温度分布から飽和・不飽和水分流を観測しようとし
ても、被圧帯水層が存在したり、帯水層が複数存在した
り、一時的帯水層が存在してその消長を時間的に観測し
なければならない等の理由で、測定孔内の各地層構成に
対応した温度観測を行うことには極めて困難が伴う。
【0005】特殊な例としては、地熱ボーリング孔井等
で、地熱測定用に光ファイバー分布型温度計を用いるこ
とが提案されている。これは、開孔中の温度測定を対象
としたものであり、水分流(特に不飽和状態での水分
流)観測のためのものではない。また、火災や爆発事故
などによる異常高温の発生を監視する目的で温度計を特
定敷地内に埋設する場合があり、光ファイバー分布型温
度計についても、石油プラント敷地内での温度監視装置
に利用することが提案されている。また、ビル、プラン
トなどの異常温度検知、冷却設備の温度制御等の広域、
多点を対象とした温度測定用に光ファイバー分布型温度
測定システムも知られている(「ラマン散乱光利用分布
型温度センサ」、センサ技術、Vol 9,No. 7(198
8年)参照)。しかし、これらの従来の装置は、温度変
化そのものの急激な変化を観測対象とするものであり、
地層中の水分流の挙動や、物質移行の観測を目的とした
ものではなく、そのような目的に適用することは不可能
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような光ファイバー分布型温度測定システムを利用し
て、飽和/不飽和状態を問わず、地層(主として土壌
層)中の水分挙動、特に水分流について、更に、それに
よって運ばれる物質移行のメカニズムについて、長期間
にわたって比較的簡便に調査・研究するのに有効な、温
度測定による間接探査(観察)手法で用いるのに適した
測定システム、探査方法及びそれらを盛土等の崩壊の危
険や埋設汚染物の流出の危険の予知に利用する方法、温
度センサー用光ファイバーを地層中に三次元的に敷設す
る方法、温度センサー用光ファイバーの位置分解能改良
方法、及び補強層を有する温度センサー用光ファイバー
を提供することである。
【0007】本発明の他の目的は、従来、帯水層中の浸
透流調査に用いられてきた測定孔による探査方法で生じ
ていた欠点を解消することである。即ち、 1.センサー部を埋設して(測定孔を埋め戻しして)開
孔を無くし、測定中の周囲の温度場、水頭圧(サンクシ
ョン圧)場の乱れを少なくする; 2.開孔の長期維持に伴う困難さや、測定システムの耐
用性の問題から、年オーダーの測定の長期化には限界が
あったのに対して、観測システムを長期間且つ経済的に
保持でき、数年オーダーの測定も可能となるようにす
る; 3.単位データ量当たりの測定に手数も費用もかかり、
孔内のセンサーを引き出す作業を伴うような場合には測
定行為そのものにも時間が掛かっていたのに対して、光
ファイバーセンサーの敷設後は、瞬時に、必要ならスタ
ッキングなどで精度を上げつつ、簡単に測定可能にす
る; 4.測定孔を穿ってセンサーを点状配置し、測定に手数
を掛ける従来法では、測定点の空間的分布密度、時間的
分布密度に限界がある。特に、数値解析的な手法による
データ解析シミュレータを作成するのに必要なデータを
供給するのには不十分である。これに対し、測定点が三
次元的に分布することになる光ファイバーセンサーの敷
設方法によって、空間分布(三次元)的測定が可能とな
り、且つ時間的にも地層の温度変化スケール内で刻みを
ほとんど任意の幅にして測定可能となる。特に、温度分
布の経時変化と水分流の挙動とを関連づけるシミュレー
タを利用する場合にも、このシミュレータの作成に必要
なデータ(測定点の十分な空間的分布密度、十分な時間
的分布密度)の供給が可能になる; 5.測定孔による方法は、帯水層が一個の場合の調査が
主であり、帯水層が複数存在している場合や、被圧帯水
層が存在している場合や、不飽和層中の水分流を対象と
する場合や、一時的帯水層が存在してその消長を時間的
に観測しなければならない場合には、適用に無理があ
る。本発明はこのような場合の全てに適用可能で、飽和
/不飽和水分流を同時に観測可能とするようにする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するものであり、下記の構成を有する測定システム、探
査方法及びその利用方法並びに温度センサー用光ファイ
バーを地層中に三次元的に敷設する方法、温度センサー
用光ファイバーの位置分解能改良方法、及び補強層を有
する温度センサー用光ファイバーに関する。即ち、本発
明の地層中の水分挙動/物質移行の測定システムは、温
度センサーとして一連の光ファイバーが地層中に三次元
的に敷設されており、好ましくは該一連の光ファイバー
が地表部、外気温度・湿度測定部及び補正用参照温度測
定部にも配設されており、光パルス発光部、受光部、光
・電流変換部及び電流・温度変換部を有する計測装置が
該光ファイバーに連結されており、該光ファイバー上の
連続した温度分布を求めるために、該計測装置で得られ
たデータを記録し、該記録値を解析し、その解析結果を
記録し、表示する演算装置が該計測装置に電気的に接続
されていて、該光ファイバーに送出した光パルスの反ス
トークス散乱光の温度依存性を利用して該光ファイバー
上の温度を瞬時に求め、地層中の三次元的に分布した温
度として記録し、該測定を経時的に実施して地層中の温
度分布の経時変化を求め、この経時変化の解析により地
層中の水分挙動/物質移行を求めることを特徴とする。
【0009】本発明の地層中の水分挙動/物質移行の探
査方法は、探査地層からサンプリングした土壌の室内試
験により土壌の特性を求め、一方探査地層について上記
の探査システム及びトレーサーを用いた予備試験を実施
し、その得られた地層中の温度分布の経時変化を解析し
て地層中の熱的特性及び水分挙動特性を求め、これらの
データから温度と水分挙動/物質移行とに関するシミュ
レータを構成し、該シミュレータの反復利用と短期間の
温度変化が地層中では水分の移行によってもたらされる
という仮定に基づく差分温度分布/水分流変換シミュレ
ータを構成し、該シミュレータに上記の測定システムに
おける経時変化データを入力して解析することを特徴と
する。
【0010】更に、本発明は、上記の探査方法を利用し
て、浸透水の観測から盛土、盛土地盤、軟弱地盤の崩壊
の危険を予知する方法であり、更に、上記の探査方法を
利用して、亀裂(主として底部亀裂)からの埋設汚染物
の流出の危険を予知する方法である。
【0011】本発明の地層中での温度センサー用光ファ
イバーの三次元的な敷設方法は、一連の温度センサー用
光ファイバーを地層中に複数の平面に亘ってそれぞれ平
面的に敷設するか、一連の温度センサー用光ファイバー
を螺旋状態で多数の小孔中に挿入して埋設することを特
徴とする。
【0012】また、本発明の温度センサー用光ファイバ
ーの位置分解能改良方法は、一連の温度センサー用光フ
ァイバーを測定対象物、例えば汚染物に螺旋状態で巻き
付けるか、又は一連の温度センサー用光ファイバーを断
熱材に螺旋状態で巻き付け、その際螺旋の径及び巻き線
ピッチを調節して式 Lc =Lp/√(p2 +π22 )=L/√{1+(π
D・n)2 } p・n=1 (式中、Lc は螺旋状光ファイバーの位置分解能
(m)、Lは光ファイバー裸線の伸線の位置分解能
(m)、pは巻線ピッチ(m)、Dは螺旋の径(m)、
nは巻線密度(回/m)である)に従って温度センサー
としての位置分解能を改良することを特徴とする。
【0013】更に、本発明の温度センサー用光ファイバ
ーは、温度センサー用光ファイバーが、温度センサーと
しての感度の許容範囲内で補強層として、そのクラッド
層の外周表面に長手方向で交互に設けられた良熱伝導性
被覆と断熱性被覆とを有するか、又はそのクラッド層の
外周表面に縞状又は網状に設けられた断熱性被覆を有す
ることを特徴とする。
【0014】なお、本明細書において水分、水分流は水
だけでなく、全ての液体の液状態、蒸気状態を包含する
ものである。
【0015】以下に、本発明を図面に基づいて説明す
る:図1に示すように、本発明の測定システムにおいて
は、温度センサーとして一連の光ファイバー8が探査対
象の地層(土壌層)1中に三次元的に敷設され、好まし
くは地表部の温度を測定するための地表部9、外気温度
・湿度を測定するための外気温度・湿度測定部10及び
補正用参照温度測定部11にも配設されている。光パル
ス発光部、受光部、光・電流変換部及び電流・温度変換
部を有する計測装置12が該光ファイバーに連結されて
おり、該光ファイバー8上の連続した温度分布を求める
ために、該計測装置で得られたデータを記録し、該記録
値を解析し、その解析結果を記録し、表示する演算装置
13が該計測装置に電気的に接続されている。ここで温
度センサーとして用いる光ファイバーは通常の市販の光
ファイバーであっても、あるいは後記のような、温度セ
ンサーとしての感度の許容範囲内で補強層として、その
クラッド層の外周表面に長手方向で交互に設けられた良
熱伝導性被覆と断熱性被覆とを有するか、又はそのクラ
ッド層の外周表面に縞状又は網状に設けられた断熱性被
覆を有する温度センサー用光ファイバーであってもよ
い。
【0016】周辺土壌の温度と平衡に達した後、該光フ
ァイバー8に送出した光パルスの反ストークス散乱光の
温度依存性を利用して該光ファイバー上の温度を瞬時に
求め、地層中の三次元的に分布した温度として演算装置
13に記録し、該測定を経時的に実施して地層中の温度
分布の経時変化を求める。この経時変化の解析により地
層中の水分挙動/物質移行を求める。なお、図1におい
て、2は物質流出源(汚染源)又はトレーサー注入点、
3は不透水層又は難透水層、4は降雨、蒸発散水分流、
5は一時的帯水層(宙水)、6は帯水層、7は表流水を
模擬的に示している。
【0017】本発明の測定システムにおいては、光ファ
イバーセンサーを地表に配置して地表温度を測定する部
分を設けたり、外気温度測定ボックスを設けたり、湿度
測定のための湿球温度測定ボックスを設けたりして、出
来る限り多くの情報を測定できるように敷設することが
望ましい。他方、気温、湿度、降雨量などの別系気象測
定を実施し、不足しているものの補いや、あるいは、重
複するものの参照・補正用データとすることが望まし
い。
【0018】本発明の測定システムにおいては、温度
は、光ファイバー上の各点でほとんど瞬時に測定でき、
且つ光ファイバー敷設方法に依存した空間分布(三次
元)的な広がりをもって測定でき、更に時間に関しても
継続測定が可能である。場合によっては、スタッキング
により精度を上げ、さらに空間的に小スケールの地層に
対しては、螺旋状光ファイバーを用いることにより精密
に測定することができる。
【0019】また、本発明の地層中の水分挙動/物質移
行の探査方法は、図2に示すように、探査地層からサン
プリングした土壌の室内試験により土壌の所要特性(地
層構成、土壌質量、空隙率、透水係数、熱容量、熱伝導
率、物質移流に関する分配係数等)を求め、一方探査地
層についてトレーサー(温熱トレーサー、物質トレーサ
ー等)及び上記の探査システムを用いて予備試験を実施
し、その得られた地層中の温度分布の経時変化を解析し
て地層中の熱的特性及び水分挙動特性(地層構成別の熱
的物性、水分流に関する物性、物質移行に関する物性
等)を求め、これらのデータから温度と水分挙動/物質
移行とに関するシミュレータを構成し、該シミュレータ
を反復して利用することによって、短期間の温度変化が
地層中では水分の移行によってもたらされるという仮定
に基づく差分温度分布/水分流変換シミュレータを構成
し、該シミュレータに上記の測定システムにおける経時
変化データを入力して解析し、地層中の飽和/不飽和水
分流、必要ならそれによって運ばれる物質の移行量など
を求める。この場合、飽和水分流及び不飽和水分流の両
方を同時に対象とする事から、帯水層の深さ、水流速の
みならず、帯水層の一時的消長(形成、発達、消滅、宙
水現象など)も観測対象とすることができる。また、不
飽和領域の水分流に関連して、降雨や蒸発散現象に伴う
地層中の水分移行も観測対象とすることができる。
【0020】トレーサーとして温熱トレーサーを用いて
予備試験を実施する場合には、得られる地層中の温度分
布とその経時変化の解析から、地層中の熱的特性(比
熱、熱伝導性など)、水分挙動に関する特性(透水係
数、空隙率、水分率−サンクション圧関係など)をフィ
ールドで求め、さらに室内試験で補う。必要なら、物質
トレーサーにより物質移行に関する特性(拡散係数、分
配係数など)も予備試験する。また、測定孔を用い且つ
トレーサーに塩を含ませることによって、従来法との平
行比較も可能である。
【0021】温熱トレーサー試験又は物質トレーサー試
験では、注入口周辺での温度ピークの移行と温度変化部
の広がり又は物質濃度ピークの移行と濃度変化部の広が
りに着目し、大気中の煙拡散モデルで常用されているパ
フモデル及びプルームモデルを援用して、透水係数と熱
的拡散幅又は物質濃度拡散幅の観測を実施して地層中の
熱的特性、水分挙動特性、物質の移行特性(浸透流速度
や、熱的移流拡散係数など下記のシミュレータのための
特性値等)を求め、これらのデータから温度と水分挙動
/物質移行とに関するシミュレータを構成する。
【0022】温度−水分流シミュレータとは、対象地層
の熱的特性、水分挙動に関する特性を与えて、適当な境
界条件、初期条件下で地層中の温度分布と水分挙動を定
める計算機プログラム(狭義のシミュレータ)とそれに
よる解析方法のことである。必要なら、地層の物質移行
に関する特性を補い、計算された温度−水分流分布の下
での物質の移流拡散状況を予測可能にする物質移行シミ
ュレータを付加する。
【0023】本シミュレータとしては、通常、有限要素
法、差分法など数値解析的方法による計算機プログラム
と、物性値データで一般に知られていて利用可能なもの
や、上記で測定されたデータなどの数種類から構成され
る。その他、均一地層など単純なモデルの下での理論的
温度分布、水頭圧分布を補助的に計算するシミュレータ
も含まれる。
【0024】温度分布とその経時変化から地層の水分挙
動へ変換するプログラム(差分温度分布/水分流変換シ
ミュレータ)は、地層中では温度変化が熱伝導よりも水
分の移流によって主に支配されるという事実を利用し
て、測定された温度分布に最もフィッティングする地層
内水分流の分布として先の温度−水分流シミュレータを
反復利用することにより求めることができる。これらの
シミュレータと測定された温度分布の経時変化データか
ら、実際の地層中の飽和/不飽和水分流を間接的に測定
する。
【0025】本発明の、地層中の水分挙動/物質移行の
測定システム及びその探査方法は、飽和/不飽和状態を
問わず、地層(主に、土壌層)中の水分流について、更
に、それによって運ばれる物質移行のメカニズムについ
て、長期間、比較的簡便に調査・研究するのに有効な探
査(観察)手法である。このような探査手法によって以
下のような応用が考えられる。 1) [カラム試験のための測定装置]土壌層中の水分
移行/物質移行を、室内でカラム試験する場合、カラム
内に光ファイバーの中空螺旋を浮かして設置すること
で、本発明の測定システムが、そのまま使用できる。 2) [地層中の亀裂、水道(みずみち)、空洞などの
発見手法]光ファイバー(または螺旋)が敷設された位
置と温熱水をトレーサーとして注入する点の間では、本
発明によって、地層中の亀裂、水道(みずみち)、空洞
などの存在が比較的簡単に発見できる。 3) [危険物・廃棄物の貯蔵、または、処分施設周辺
の安全評価調査や監視システム]長期間に汚染物質が流
出する危険のある施設周辺では、このような探査手法に
よって、地層中の水分流のメカニズムを調査・研究する
ことが、安全評価上不可欠である。また、本発明中の物
質移行に関わるシミュレータと観測データの蓄積結果か
ら、適当な汚染事故シナリオ(例えば、亀裂発生シナリ
オ)に基づく、土壌・地下水汚染の状態の予測も可能と
なる。また、本観測システムを長期に維持する事で、物
質漏洩そのものの事実は分からないが、漏洩後の「地下
水で拡大し易い状態、亀裂の発生」の監視は可能であ
る。 4) [農業用灌漑水と地下水汚染、または、地表面へ
の塩類析出のメカニズム調査]農業で使用される灌漑用
水と肥料・農薬により、地下水汚染が心配されている
が、このような汚染メカニズムの調査・研究に手段を提
供する。更に、乾燥地農業では、肥料・農薬に加えて、
地中に賦存する塩類の上方移行・地表析出が問題になっ
ている。このメカニズムの調査には不飽和領域の水分流
調査が第一に必要で、本発明の応用すべきところであ
る。 5) [道路や造成地の盛土の危険調査や監視]道路や
造成地の盛土部分が、急激な降雨などにより危険となる
場合、その部分の一時的地下浸透水量も増大し、地温と
外気温度の違いから、地中温度分布の変化にも反映して
いると見られる。従って、この部分に本発明の光ファイ
バーを敷設し、本発明の探査を実施する事で一時的地下
浸透水量の増大メカニズム、危険状態の予測が可能にな
り、日常観測する事によって監視も可能となる。
【0026】上記した本発明の測定システム及び探査方
法において採用するのに好ましい本発明の、地層中での
温度センサー用光ファイバーの三次元的な敷設方法は、
後記のような特殊な形状の補強層、即ち温度センサーと
しての感度の許容範囲内で補強層として、そのクラッド
層の外周表面に長手方向で交互に設けられた良熱伝導性
被覆と断熱性被覆とを有するか、又はそのクラッド層の
外周表面に縞状又は網状に設けられた断熱性被覆を有す
る温度センサー用光ファイバー、或はクラッド層の外周
表面にそのような特殊な形状の補強層を持たないが全体
に一様な被覆層を有する一連の市販の温度センサー用光
ファイバーを、図3に示すように、地層中に複数の平面
に亘ってそれぞれ平面的に敷設するか、一連の温度セン
サー用光ファイバーを螺旋状態で多数の小孔中に挿入し
て埋設することからなる。その埋設態様として、水平な
複数個(例えば3個)の平面にそれぞれ平面的に敷設す
る多層水平面埋設型(図3A)、垂直な複数個(例えば
3個)の平面にそれぞれ平面的に敷設する多層垂直面埋
設型(図3B)、傾斜地の場合にはその傾斜面に平行な
又は角度をもたせた複数個の平面にそれぞれ平面的に敷
設する多層傾斜面埋設型(図示せず)、多数の小孔(例
えば、鉛直又は傾斜小孔)への螺旋状光ファイバーの挿
入埋設型(図3C)、又はそれらの組合わせ型など、対
象地層の性状と未攪乱部分の割合に合わせた種々の敷設
フォーメイションが用いられる。多層水平面埋設型や多
層傾斜面埋設型は、一度全て剥土した上に光ファイバー
を敷設しながら埋め戻す場合か、盛土するか又は盛土地
盤を形成する際に光ファイバーを敷設しながら実施する
場合であり、人工地層(造成地や盛土部分など)に敷設
するのに適する。また、水平地層に平行するため、浸透
流の水平方向観測に有利である。多層垂直面埋設型又は
多層傾斜面埋設型はサンドイッチ状に未攪乱地層をはさ
んだ溝へ埋設するものである。螺旋状光ファイバーの挿
入埋設型は、対象地域に、適当な分布密度で鉛直小孔を
穿って埋設するので(傾斜地に敷設する場合には斜面と
直交する小孔即ち傾斜小孔を穿って埋設することもでき
る)、剥土量(地層の攪乱部分)が少なくてすむという
利点がある。この場合、対象地層の厚さ、構成に合わせ
て、適当な螺旋の位置分解能を選択しなければならな
い。また、挿入埋設型螺旋状光ファイバーを埋め戻す時
に、不透水層を切る(横断する)場合には、地層と螺旋
状光ファイバーとの間の密着度を高め、不透水層上下に
隣接する透水層間の漏水を防ぐ工事方法をとる必要があ
る。
【0027】本発明の温度センサー用光ファイバーの位
置分解能改良方法は、図4に示すように、一連の温度セ
ンサー用光ファイバーを測定対象物、例えば埋設しよう
とする汚染物に螺旋状態で巻き付けるか(図4A)、又
は一連の温度センサー用光ファイバーを断熱材に螺旋状
態で巻き付け(図4B)、その際螺旋の径及び巻き線ピ
ッチを調節して式 Lc =Lp/√(p2 +π22 )=L/√{1+(π
D・n)2 } p・n=1 (式中、Lc は螺旋状光ファイバーの位置分解能
(m)、Lは光ファイバー裸線の伸線の位置分解能
(m)、pは巻線ピッチ(m)、Dは螺旋の径(m)、
nは巻線密度(回/m)である)に従って温度センサー
としての位置分解能を改良する。このような温度センサ
ー用光ファイバーの状態を、本明細書において螺旋状光
ファイバーと呼ぶ。温度センサーとしての光ファイバー
は、反ストークス散乱光の散乱位置の同定精度に関して
下限を持っている。これは裸線の伸線の位置分解能Lで
ある。これに対して螺旋状光ファイバーの位置分解能L
c は上記の式に従ってDとpまたはnとで調節可能であ
る。従って、上記の式に基づいて温度センサー用螺旋状
光ファイバーの位置分解能を許容される範囲内で所望値
に設定することができる。
【0028】上記した本発明の測定システム、探査方
法、その利用方法、敷設方法及び位置分解能改良方法に
おいては、温度センサーとして市販の通常の光ファイバ
ーでも、あるいは下記のような特殊な形状の補強層、即
ち温度センサーとしての感度の許容範囲内で補強層とし
て、そのクラッド層の外周表面に長手方向で交互に設け
られた良熱伝導性被覆と断熱性被覆とを有するか、又は
そのクラッド層の外周表面に縞状又は網状に設けられた
断熱性被覆を有する温度センサー用光ファイバーでも用
いることができるが、使用態様によっては下記のような
特殊な形状の補強層を有する温度センサー用光ファイバ
ーを用いることが好ましい。
【0029】即ち、本発明の温度センサー用光ファイバ
ーは、図5に示すように、温度センサーとしての感度の
許容範囲内で補強層として、そのクラッド層の外周表面
に長手方向で交互に設けられた金属等の良熱伝導性被覆
15と断熱性被覆16とを有するか(図5A)、そのク
ラッド層の外周表面に縞状又は網状に設けられた断熱性
被覆16を有する(図5B)ものである。温度センサー
用光ファイバーをこのように構成することにより、温度
センサーとしての温度応答性が少し弱まるが、光ファイ
バー自体の強度を増大させることができ、地層中の圧力
による破損にも十分に耐えることができ、長年月にわた
って安全に地層中に敷設したままにしておくことができ
る。
【0030】
【発明の効果】本発明の測定システム及び探査方法にお
いては、開孔がないこと及び光ファイバーセンサーの耐
久性という特徴によって、対象地層中の温度分布測定シ
ステムを長期に維持・管理することができる。これによ
り、間接的ながら長期に地層中の水分挙動/物質移行を
測定し、更に、その結果を利用して、水分の乾き過ぎや
飽和帯水層の形成と消滅、埋設汚染物の流出の危険、盛
土のような弱地盤の崩壊の危険などを監視したり、予測
したりすることに応用できる。また、従来法に較べて探
査対象の拡大、効率の向上、費用の節約、精度の向上な
どの諸点で効果が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定システムの概略説明図である。
【図2】本発明における探査手順及びシミュレータの概
略説明図である。
【図3】本発明の敷設方法の概略説明図である。
【図4】本発明の、温度センサー用光ファイバーの位置
分解能改良方法の概略説明図である。
【図5】本発明の補強層を有する温度センサー用光ファ
イバーの概略説明図である。
【図6】従来法の探査システムの概略説明図である。
【符号の説明】 1 探査対象の地層(主に、土壌層) 2 物質流出源(汚染源)又はトレーサー注入点 3 不透水層又は難透水層 4 降雨、蒸発散水分流 5 一時的帯水層(宙水) 6 帯水層 7 表流水 8 敷設された光ファイバーセンサー 9 地表部 10 外気温度・湿度等測定部 11 補正用参照温度測定部 12 計測装置 13 演算装置 15 良熱伝導性被覆 16 断熱性被覆 17 地層の埋設工事部 18 測定孔 19 測定用センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹村 友之 神奈川県横浜市南区大岡3丁目38番1号 (72)発明者 工藤 昌克 東京都大田区大森中2丁目15番25号

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度センサーとして一連の光ファイバー
    ケーブルが地層中に三次元的に敷設されており、光パル
    ス発光部、受光部、光・電流変換部及び電流・温度変換
    部を有する計測装置が該光ファイバーケーブルに連結さ
    れており、該光ファイバーケーブル上の連続した温度分
    布を求めるために、該計測装置で得られたデータを記録
    し、該記録値を解析し、その解析結果を記録し、表示す
    る演算装置が該計測装置に電気的に接続されていて、該
    光ファイバーケーブルに送出した光パルスの反ストーク
    ス散乱光の温度依存性を利用して該光ファイバーケーブ
    ル上の温度を瞬時に求め、地層中の三次元的に分布した
    温度として記録し、該測定を経時的に実施して地層中の
    温度分布の経時変化を求め、この経時変化の解析により
    地層中の水分挙動/物質移行を求めることを特徴とする
    地層中の水分挙動/物質移行の測定システム。
  2. 【請求項2】 探査地層からサンプリングした土壌の室
    内試験により土壌の特性を求め、一方探査地層について
    請求項1記載の探査システム及びトレーサーを用いた予
    備試験を実施し、その得られた地層中の温度分布の経時
    変化を解析して地層中の熱的特性及び水分挙動特性を求
    め、これらのデータから温度と水分挙動/物質移行とに
    関するシミュレータを構成し、該シミュレータの反復利
    用と短期間の温度変化が地層中では水分の移行によって
    もたらされるという仮定に基づく差分温度分布/水分流
    変換シミュレータを構成し、該シミュレータに請求項1
    記載の測定システムにおける経時変化データを入力して
    解析することを特徴とする地層中の水分挙動/物質移行
    の探査方法。
  3. 【請求項3】 トレーサーとして温熱トレーサー又は物
    質トレーサーを用い、注入口周辺での温度ピークの移行
    と温度変化部の広がり又は物質濃度ピークの移行と濃度
    変化部の広がりに着目し、大気中の煙拡散モデルで常用
    されているパフモデル及びプルームモデルを援用して、
    透水性、熱的拡散幅又は物質濃度拡散幅の観測を実施し
    て地層中の熱的特性、水分挙動特性、物質の移行特性を
    求め、これらのデータを温度と水分挙動/物質移行とに
    関するシミュレータに組み込む請求項2記載の探査方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の探査方法を利用し
    て盛土、盛土地盤、軟弱地盤の崩壊の危険を予知する方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3記載の探査方法を利用し
    て埋設汚染物の流出の危険を予知する方法。
  6. 【請求項6】 一連の温度センサー用光ファイバーケー
    ブルを地層中に複数の平面に亘ってそれぞれ平面的に敷
    設するか、一連の温度センサー用光ファイバーケーブル
    を螺旋状態で多数の小孔中に挿入して埋設することを特
    徴とする地層中での温度センサー用光ファイバーケーブ
    ルの三次元的な敷設方法。
  7. 【請求項7】 一連の温度センサー用光ファイバーケー
    ブルを測定対象物に螺旋状態で巻き付けるか、又は一連
    の温度センサー用光ファイバーケーブルを断熱材に螺旋
    状態で巻き付け、その際螺旋の径及び巻き線ピッチを調
    節して式 Lc =Lp/√(p2 +π22 )=L/√{1+(π
    D/n)2 } p・n=1 (式中、Lc は螺旋状光ファイバーケーブルの位置分解
    能(m)、Lは光ファイバーケーブル裸線の伸線の位置
    分解能(m)、pは巻線ピッチ(m)、Dは螺旋の径
    (m)、nは巻線密度(回/m)である)に従って温度
    センサーとしての位置分解能を改良することを特徴とす
    る温度センサー用光ファイバーケーブルの位置分解能改
    良方法。
  8. 【請求項8】 温度センサー用光ファイバーケーブル
    が、温度センサーとしての感度の許容範囲内で補強層と
    して、その外周表面に長手方向で交互に設けられた良熱
    伝導性被覆と断熱性被覆とを有するか、その外周表面に
    縞状又は網状に設けられた断熱性被覆を有することを特
    徴とする温度センサー用光ファイバーケーブル。
JP16980893A 1993-06-17 1993-06-17 地層中の水分挙動/物質移行の測定システム及びその探査方法 Expired - Fee Related JP2612812B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16980893A JP2612812B2 (ja) 1993-06-17 1993-06-17 地層中の水分挙動/物質移行の測定システム及びその探査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16980893A JP2612812B2 (ja) 1993-06-17 1993-06-17 地層中の水分挙動/物質移行の測定システム及びその探査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0777582A true JPH0777582A (ja) 1995-03-20
JP2612812B2 JP2612812B2 (ja) 1997-05-21

Family

ID=15893286

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16980893A Expired - Fee Related JP2612812B2 (ja) 1993-06-17 1993-06-17 地層中の水分挙動/物質移行の測定システム及びその探査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2612812B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011052399A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Central Res Inst Of Electric Power Ind 陥没箇所抽出装置および陥没箇所抽出プログラム
JP2017506712A (ja) * 2014-12-29 2017-03-09 河海大学 水中構造物の浸透に対する熱源無しの光ファイバーによる位置・方向検出システム及び監視方法
CN109655982A (zh) * 2019-01-30 2019-04-19 南京嘉兆仪器设备有限公司 一种铠装应变监测光缆及覆土监测和应力校准方法
CN111735843A (zh) * 2020-07-05 2020-10-02 南京林业大学 一种套管式土体一维向水热迁移测试装置及测试方法
CN111795994A (zh) * 2020-04-30 2020-10-20 中山市精量光电子科技有限公司 一种插入式光纤光栅渗水监测传感器
CN111912348A (zh) * 2020-08-31 2020-11-10 南京林业大学 一种螺旋缠绕分布式光纤管道监测系统及监测方法
CN112179814A (zh) * 2020-09-18 2021-01-05 中国能源建设集团浙江省电力设计院有限公司 一种利用脉冲加热分布式光纤测定地下水流速的解析模型
CN112798475A (zh) * 2020-12-22 2021-05-14 西安科技大学 一种岩土体中注浆浆液扩散面积的监测方法、系统及装置
WO2023007719A1 (ja) * 2021-07-30 2023-02-02 太平洋工業株式会社 温度測定装置
JP2024168826A (ja) * 2023-05-24 2024-12-05 国立研究開発法人森林研究・整備機構 情報提供システム、情報提供方法、およびプログラム

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3497989B2 (ja) * 1998-04-16 2004-02-16 財団法人河川情報センター 湿潤度分布測定方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0354769A (ja) * 1989-07-21 1991-03-08 Clarion Co Ltd 静止画および音声再生装置
JPH0384102A (ja) * 1989-08-25 1991-04-09 Fujikura Ltd 道路表面の温度監視装置
JPH049651A (ja) * 1990-04-25 1992-01-14 Sumitomo Electric Ind Ltd 流体輸送管液漏れ検知方法
JPH04320936A (ja) * 1991-01-22 1992-11-11 Chubu Electric Power Co Inc 光ファイバを用いた接触型温度測定装置
JP3130531U (ja) * 2007-01-17 2007-03-29 達哉 谷本 ブックエンド

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0354769A (ja) * 1989-07-21 1991-03-08 Clarion Co Ltd 静止画および音声再生装置
JPH0384102A (ja) * 1989-08-25 1991-04-09 Fujikura Ltd 道路表面の温度監視装置
JPH049651A (ja) * 1990-04-25 1992-01-14 Sumitomo Electric Ind Ltd 流体輸送管液漏れ検知方法
JPH04320936A (ja) * 1991-01-22 1992-11-11 Chubu Electric Power Co Inc 光ファイバを用いた接触型温度測定装置
JP3130531U (ja) * 2007-01-17 2007-03-29 達哉 谷本 ブックエンド

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011052399A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Central Res Inst Of Electric Power Ind 陥没箇所抽出装置および陥没箇所抽出プログラム
JP2017506712A (ja) * 2014-12-29 2017-03-09 河海大学 水中構造物の浸透に対する熱源無しの光ファイバーによる位置・方向検出システム及び監視方法
EP3062129A4 (en) * 2014-12-29 2017-08-09 Hohai University Submerged structure leakage optical fiber positioning and orienting system and monitoring method without heat source
CN109655982B (zh) * 2019-01-30 2024-06-07 南京嘉兆技术有限公司 一种铠装应变监测光缆及覆土监测和应力校准方法
CN109655982A (zh) * 2019-01-30 2019-04-19 南京嘉兆仪器设备有限公司 一种铠装应变监测光缆及覆土监测和应力校准方法
CN111795994A (zh) * 2020-04-30 2020-10-20 中山市精量光电子科技有限公司 一种插入式光纤光栅渗水监测传感器
CN111735843A (zh) * 2020-07-05 2020-10-02 南京林业大学 一种套管式土体一维向水热迁移测试装置及测试方法
CN111912348A (zh) * 2020-08-31 2020-11-10 南京林业大学 一种螺旋缠绕分布式光纤管道监测系统及监测方法
CN112179814B (zh) * 2020-09-18 2024-05-24 中国能源建设集团浙江省电力设计院有限公司 一种利用脉冲加热分布式光纤测定地下水流速的解析模型
CN112179814A (zh) * 2020-09-18 2021-01-05 中国能源建设集团浙江省电力设计院有限公司 一种利用脉冲加热分布式光纤测定地下水流速的解析模型
CN112798475A (zh) * 2020-12-22 2021-05-14 西安科技大学 一种岩土体中注浆浆液扩散面积的监测方法、系统及装置
CN112798475B (zh) * 2020-12-22 2024-06-07 中煤能源研究院有限责任公司 一种岩土体中注浆浆液扩散面积的监测方法、系统及装置
WO2023007719A1 (ja) * 2021-07-30 2023-02-02 太平洋工業株式会社 温度測定装置
JP2024168826A (ja) * 2023-05-24 2024-12-05 国立研究開発法人森林研究・整備機構 情報提供システム、情報提供方法、およびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2612812B2 (ja) 1997-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Bakker et al. An active heat tracer experiment to determine groundwater velocities using fiber optic cables installed with direct push equipment
Sun et al. Quasi-distributed fiber-optic in-situ monitoring technology for large-scale measurement of soil water content and its application
Sayde et al. Feasibility of soil moisture monitoring with heated fiber optics
Cao et al. A distributed measurement method for in-situ soil moisture content by using carbon-fiber heated cable
Noetzli et al. Best practice for measuring permafrost temperature in boreholes based on the experience in the Swiss Alps
Sayde et al. Mapping variability of soil water content and flux across 1–1000 m scales using the A ctively H eated F iber O ptic method
Lundquist et al. Using inexpensive temperature sensors to monitor the duration and heterogeneity of snow‐covered areas
Cao et al. An improved distributed sensing method for monitoring soil moisture profile using heated carbon fibers
Osterkamp Establishing long‐term permafrost observatories for active‐layer and permafrost investigations in Alaska: 1977–2002
Sourbeer et al. Obstacles to long‐term soil moisture monitoring with heated distributed temperature sensing
EP3213124B1 (en) Method, system and prefabricated multi-sensor integrated cable for detection and monitoring of a fluid flow, in particular of a fluid flow in filtration processes, especially of leakage in constructions and/or in ground
Simon et al. Combining passive and active distributed temperature sensing measurements to locate and quantify groundwater discharge variability into a headwater stream
JP2612812B2 (ja) 地層中の水分挙動/物質移行の測定システム及びその探査方法
Arslan Kelam et al. Application of an optical fiber-based system for mass movement monitoring
Simon et al. An ADTS toolbox for automatically interpreting active distributed temperature sensing measurements
Slavík et al. Measurements and calculations of seasonal evaporation rate from bare sandstone surfaces: Implications for rock weathering
Sun et al. Development and application of fiber-optic sensing technology for monitoring soil moisture field
Raymond et al. A novel thermal response test using heating cables
Abesser et al. A distributed heat pulse sensor network for thermo-hydraulic monitoring of the soil subsurface
Fakhari et al. Complementarity of multiple in-situ techniques for spatiotemporal assessment of groundwater/surface-water exchanges
Rui et al. Detecting changes in sediment overburden using distributed temperature sensing: an experimental and numerical study
Alkhaier et al. A qualitative description of shallow groundwater effect on surface temperature of bare soil
Li et al. Research progress on temperature field leakage detection of earth-rock dams and new exploration in leakage point detection
JP2000046528A (ja) 光ファイバセンサを用いた歪み計測方法
Drury Borehole temperature logging for the detection of water flow

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees