JPH077837U - 直動アクチュエータの防塵構造 - Google Patents

直動アクチュエータの防塵構造

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JPH077837U
JPH077837U JP1870293U JP1870293U JPH077837U JP H077837 U JPH077837 U JP H077837U JP 1870293 U JP1870293 U JP 1870293U JP 1870293 U JP1870293 U JP 1870293U JP H077837 U JPH077837 U JP H077837U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高剛性でかつ小型・軽量な防塵装置付直動アク
チュエータを提供する。 【構成】直動アクチュエータは、ハウジング1に内設さ
れた直動案内装置10と、これに案内されるキャリッジ
20とそれをボールねじを介して軸方向に駆動する駆動
装置とを備え、ハウジング1の一面にはキャリッジ20
の移動方向に長く開口したスリットSを有する。そのハ
ウジング1の両端部にプーリ50を配し、キャリッジ2
0にシールバンド60のループを取り付けて、前記プー
リ50を経てキャリッジ20の直線移動とともに循環可
能とし、その可動のシールバンド60で前記スリットS
を蓋する。シールバンド60をキャリッジ20の内部に
通す必要がないから、単純な構造で剛性が高く、かつ小
型・軽量にできる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ハウジングに組み込まれて軸方向に直線駆動されるキャリッジを有 する直動アクチュエータの防塵構造構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のアクチュエータとしては、例えば図6,図7に示すようなものがある 。これは、細長いベース101上に一対の平行な直線案内装置(リニアガイド装 置)102配設し、その案内レール103上を直線移動するスライダ104にキ ャリッジ105を固定して取り付けると共に、そのキャリッジ105を回転−直 線変換駆動機構であるボールねじ装置106のボールナット107に連結してい る。そして、ACサーボモータ108によりボールねじ軸109を回転駆動させ ることにより、キャリッジ105を案内レール103に沿って軸方向に直線移動 させる。そのキャリッジ105の両サイドのワーク取付座面110に被駆動体で あるワークWをねじで固定して取付け、高精度に直線移動および精密位置決め動 作を繰り返させるようにしている。
【0003】 上記アクチュエータは、外周の大部分をサイドカバー111,上カバー112 ,端面カバー113等で覆って、安全性並びに美観の確保と共に、直線案内装置 102やボールねじ装置106等の精密部品の防塵を図っている。 しかし、キャリッジ105のワーク取付座面110は外部に露出させなければ ならないことから、サイドカバー111と上カバー112との間にキャリッジ1 05の移動範囲Lの全長にわたる軸方向のすき間(スリット)Sが開口している 。そのため、このスリットSの開口からの塵埃等の出入りがあり、防塵の点では 完全とはいえない。
【0004】 これに対して、従来、例えば本出願人が実開平4−60642号公報で示した ような、キャリッジの移動範囲のスリット開口部を可動ベルトで蓋した直動アク チュエータが提案されている。このものは、図8,図9に示すように、一側面( 上面)に軸方向の長いスリットSを有するシリンダチューブ120にキャリッジ 121が軸方向に摺動自在に装着されており、そのキャリッジ121をボールね じ装置122のねじ軸123に螺着したボールナット124に連結して、ACサ ーボモータ125により軸方向に直線駆動する。
【0005】 このキャリッジ121の上部にテーブル体126が突設されていて、前記スリ ットSを貫通しシリンダチューブ120の外部に露出し、その上面は四隅に取付 ボルト穴127を有するワーク取付座面128になっている。 キャリッジ121には、図9に示すようにねじ軸123の挿通孔130が軸方 向に形成されると共に、その挿通孔130の中央部分に送りボールナット124 が収納されるナット収納空間131が形成されている。ナット収納空間131は その天井中央部に角溝131aが設けられ、下方は大きく開放されている。この ナット収納空間131に、角形の回り止め突起132を有するボールナット12 4がその突起132を前記角溝131aに嵌めて組み込まれている。
【0006】 キャリッジ121は左右がそれぞれV字状に張出しており、その両外縁部に取 り付けた図示しない摺動部材を介してシリンダチューブ120内の菱形内面に嵌 合されている。 そのキャリッジ121に突設されたテーブル体126は、内部にシールバンド 135を通すためのバンド挿通孔136が形成されている。このバンド挿通孔1 36は、上反りに湾曲する緩やかな山状に形成されたバンド案内面137を有し て、テーブル体の下面の前後に開口している。その開口から薄いスチール製のシ ールバンド135が差し込まれてバンド挿通孔136に挿通される。
【0007】 シリンダチューブ120にキャリッジ121を組込んだ後、シリンダチューブ 120上面のスリットSの開口を上述のシールバンド135で蓋する。なお、ス リットSの開口側縁に沿って、帯状のラバーマグネットが取付けてあり、その磁 力でシールバンド135を吸着してシール性能を高めている。シールバンド13 5の両端部は、それぞれエンドキャップ140とヘッドキャップ141に固定さ れ、シールバンド135の中間部はキャリッジ121の湾曲したバンド案内面1 37の上に乗っている。
【0008】 いま、ACサーボモータ125を正・逆回転駆動させると、それに応じてねじ 軸123が回転して、ボールナット124が前・後方向に移動する。これにより キャリッジ121がシリンダチューブ120に案内されつつ前・後に移動し、テ ーブル体126のワーク取付座面128に取りつけたワークを、直動テーブル装 置の軸方向に任意に移動させ、所定位置に正確に停止させることができる。
【0009】 このとき、シールバンド135はシリンダチューブ120のスリットSから内 部への塵埃の侵入を阻止している。テーブル体126は、その移動時にシールバ ンド135をバンド案内面137の湾曲面で押上げつつ移動する。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、シールバンド135でシリンダチューブ120のスリットSを 塞ぐ上記従来例にあっては、高い防塵効果が得られる一方で、次のような問題点 が生じていた。 シールバンド135をキャリッジ121内に通すためキャリッジ構造が複雑 化して、キャリッジ121の剛性を高くとれない。
【0011】 キャリッジ121に設けたテーブル体126の中央部を貫通してバンド挿通 孔136が内設してあるため、ワーク取付座面128の取付ボルト穴127の位 置を剛性上有利な中央部に設けることができず四隅に配置せざるを得ないことか ら、キャリッジ121が大型化する。 ちなみに、可搬重量が大きい大型クラスの直動アクチュエータの場合は、ワー クを高速度で搬送して且つ高精度に位置決めするためには、高い剛性を有してい ることが最も重要である。その直動アクチュエータのキャリッジは、直動案内部 とワークとを結合する部材であり、直動アクチュエータの剛性を決定する重要な 要素の一つであって、剛性を高くすることができない構造は不適切である。
【0012】 そこでこの考案は、上記従来の直動アクチュエータの防塵構造に着目してなさ れたものであり、キャリッジの軸方向移動を許容するためのスリットをシールす るシールバンドをキャリッジの外部に取り付け、シールバンドとキャリッジとを 共同して軸方向に移動可能な防塵構造を提供してキャリッジの構造を単純化し、 上記従来の問題点を解決することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本考案は、軸方向に長いハウジングと、該ハウジ ングに内設された直動案内装置と、その直動案内装置を介して軸方向に移動自在 に前記ハウジングに配設されたキャリッジと、そのキャリッジをボールねじを介 して軸方向に駆動する駆動装置とを備え、ハウジングの一面には前記キャリッジ の移動方向に長く開口したスリットを設け、キャリッジは前記スリットを貫通し てハウジング外に突出したワーク取付け座面を有している直動アクチュエータに おいて、ハウジングの軸方向の両端部にそれぞれプーリを配するとともに、シー ルバンドの一端をキャリッジの一端側に固定し、シールバンドの他端は前記プー リを経てハウジングの一端で折り返し、ハウジングの他端に至って更にプーリを 経て折り返してキャリッジの他端側に固定してシールバンドの可動ループを形成 し、そのシールバンドの可動ループで前記スリットの開口をシールするようにし た防塵構造を特徴とする。
【0014】 ここで、ハウジングの本体を押出成形品として軸方向に中空の孔または溝を形 成し、それらの孔または溝に前記シールバンドの可動ループの下側となる部分を 通すことができる。 また、ハウジングの一面に開口した前記スリットの側縁部に前記シールバンド の側縁と係合する凹溝を形成することができる。
【0015】 また、前記ハウジングの本体の中空の孔または溝を通す前記シールバンドの可 動ループの下側となる部分にガイド板を取り付けて、そのガイド板を前記中空の 孔または溝に係合させることができる。 また、ハウジングの上面を覆うカバーの内面にL形の断面を有して対向する一 対の突起を設けて、これらの突起の間に吸音材を取り付けることができる。
【0016】
【作用】
この考案の直動アクチュエータの防塵構造は、ハウジングの軸方向の両端部に それぞれプーリを配し、シールバンドは一端をキャリッジの一端側に固定しプー リを介して折り返すことでシールバンドの可動ループを形成して、バンドの他端 をキャリッジの他端側に固定した。シールバンドのループは軸方向に直線的に往 復作動するキャリッジと一体になって軸方向に循環往復移動しつつスリットの開 口をシールする。そのため、キャリッジの内部にシールバンドを通す必要はなく 、したがってキャリッジは中実で単純な構造の剛性の高いものにすることができ るし、小型化も容易である。
【0017】 また、ハウジングに形成した中空の孔または溝にシールバンドの可動ループの 下側となる部分を通すことにより、ハウジングの高剛性・軽重量化を両立させる ための中空構造の有効利用ができる。 また、ハウジングのスリットの側縁部にシールバンドの側縁と係合する凹溝を 形成すると、シールバンドのシール作用が促進されて防塵・防音効果が増大する 。
【0018】 また、シールバンドの可動ループの下側となる部分にガイド板を取り付けると 、シールバンドが長くなる大型のアクチュエータでもシールバンドの安定した走 行が確保できる。 また、ハウジングの上面を覆うカバーの内面にL形の断面を有する一対の突起 を設けて、これらの突起の間に吸音材を取り付けると、カバーの剛性を高めるこ とができると同時に、防音性能を向上させることができる。
【0019】
【実施例】
以下、この考案の実施例を図面を参照して説明する。 図1ないし図4はこの考案の一実施例を示し、図1は、直動アクチュエータの 横断面図、図2は図1のII−II線断面図、図3は図1のIII −III 線断面図、図 4はリニアガイド装置の一部を切り欠いて示す正面図である。
【0020】 この実施例の直動アクチュエータは、軸方向に長いハウジング1に直動案内装 置(リニアガイド装置)10が内設されていて、この直動案内装置10を介して 軸方向に移動自在に取り付けたキャリッジ20を備えている。 また、そのキャリッジ20を、選定された速度で選定された位置まで軸方向に 正確に搬送するため、ボールねじ装置30を介してキャリッジ20を軸方向に駆 動する駆動装置40を備えている。
【0021】 ハウジング1は、キャリッジ20の移動方向に長く開口したスリットSを上面 に備え、キャリッジ20はそのスリットSを貫通してハウジング1の外部に突き 出ているワーク取付け座面24aを有している。 このような構成を有する直動アクチュエータの防塵構造は次の通りである。 ハウジング1の軸方向の両端部にそれぞれプーリ50を配し、シールバンド6 0の一端をキャリッジ20の一端側に固定、プーリ50を経てハウジング1の一 端で折り返し、ハウジング1の他端に至って他のプーリ50を経て折り返してキ ャリッジ1の他端側に固定してシールバンド60の可動ループを形成し、スリッ トSの開口をそのシールバンド60の可動ループで塞いでいる。
【0022】 以下、さらに詳細に説明する。 前記ハウジング1は、ハウジング本体2と左右一対のサイドカバー3,3と上 カバー4と、軸受を内蔵して一端を蓋するエンドカバー5と、軸受を内蔵して他 端を蓋するモータブラケット6とからなっている。 上記ハウジング本体2は、この実施例の場合はアルミニウム製の押出し成形品 であり、上部が開口したほぼ山形の断面形状である。荷重がかかるハウジング本 体2の底部は、荷重の影響で変形して直動アクチュエータの搬送の精度が低下す ることがないように剛性が必要とされる。この実施例では、ハウジング本体2の 底部の肉厚部は軸方向に多くの貫通孔7を有する中空構造として、剛性の確保と 軽量化の両立を図っている。
【0023】 そのハウジング本体2の床面の左右両サイド寄りには、全長に及ぶ段部8が対 称的に形成されていて、その左右の段部8の床面上に左右で一対の直動案内装置 10の案内レール11が図外のボルトでそれぞれ固定されている。その案内レー ル11上に、スライダ12がレール沿いに移動自在に取り付けてある。この実施 例の場合、スライダ12は各案内レール11につき2台づつ配置されている。
【0024】 ここで、前記直動案内装置10の概略の構造を述べると、図4に拡大図示する ように、案内レール11は断面角形で、その左右両側面に軸方向に延長して形成 された転動体転動溝13を有している。 スライダ12は、上面板部14とその両側部から下方に延長する袖部15とか らなる断面コ字状で、これら袖部15の左右の内側面には前記案内レール11の 転動体転動溝13と対向する位置に転動体転動溝16が形成されている。また、 これら転動体転動溝13,16に連通して袖部15内に循環路17が形成されて いて、転動体転動溝13及び16で形成される転動路及び循環路17内に多数の 転動体であるボール18が保持器19で保持されて転動自在に挿入されている。 前記案内レール11には、レール取付け用ボルト孔11aが長さ方向に間隔をお いて複数箇所に設けられ、またスライダ12の上面には四隅に取付けボルト孔1 2aが設けられている。
【0025】 前記キャリッジ20は、ハウジング1の内部の幅よりやや小さい幅及びスライ ダ12のほぼ二台分の長さを有する天板21と、その下面から下方に向け突出し て形成されているボールナット取付胴部22とを備えている。そして、天板21 の左右両サイドを左右の直動案内装置10のスライダ12の上面に載置し、ボル ト孔12aに螺合した取付けボルト27で固定することにより四台のスライダ1 2で支持されて、軸方向移動自在にハウジング1に内設されている。
【0026】 その天板21の上面は、中央部に全長にわたって凹溝23が形成されると共に 、その凹溝23を挟んで左右両側にはほぼ全長に及ぶ凸部24が形成されている 。これらの凸部24の上面24aは、上カバー4から僅かに高く外に突き出した ワーク取付座面になっている。また、凸部24の長さ方向の両端には、ワーク取 付座面24aより低い段部24bが形成されている。
【0027】 上記突部24は、左右の突部24がそれぞれ左右の直動案内装置10の案内レ ール11の真上に位置するように形成してある。これは、キャリッジ20のワー ク取付座面24aを剛性の点で最も有利な直動案内装置10の軸線上に配置する ことでキャリッジ天板21の厚さをできるだけ薄肉にするように配慮したもので ある。
【0028】 前記ボールねじ装置30は、ボールねじ軸31とボールねじナット32とを備 えている。ボールねじ軸31は、外周面に螺旋溝を有し、一端は軸受を介してエ ンドカバー5に支持され、他端は軸受を介してモータブラケット6に支持されて 、直動案内装置10の案内レール11と平行にハウジング1の幅の中心部に配設 されている。モータブラケット6に支持されたボールねじ軸31の一方の軸端部 はモータブラケット6から外方に突出して駆動モータ40の出力軸と連結されて いる。
【0029】 ボールねじナット32は、ボールねじ軸31の螺旋溝と相対する螺旋溝を内周 面に有し、相対する両螺旋溝内を転動する多数のボールを介してボールねじ軸3 1に螺合している。この実施例のボールねじナット32は、例えばエンドキャッ プ循環方式であって、ナットの両端面に着脱可能にボール循環部材(エンドキャ ップ)35が接合されている。また、ナット本体の肉厚部には、軸方向の貫通孔 からなるボール戻し通路が設けられている。ボール循環部材35には、ナット本 体と接合する側の端面に、前記相対する両螺旋溝と前記ボール戻し通路とを連通 させる湾曲路が設けられている。
【0030】 そして、ボールねじ軸31とボールねじナット32とが相対回転すると、鋼製 のボールがボールねじ軸31とボールねじナット32との相対する両ボールねじ 溝内を転動しつつ進み、端部のボール循環部材35に設けた湾曲路並びにナット 本体に設けたボール戻り通路を通りもとの位置に戻る循環を繰り返すようになっ ている。
【0031】 もっとも、ボールねじナット32は、エンドキャップ循環方式と限らず、チュ ーブ循環方式やこま式であっても良い。 チューブ循環方式の場合は、ボールを導いて循環させるボール循環路として、 ナット本体の上部にU字形のボール循環チューブが組み込まれている。ボールは 、相対する両螺旋溝内を転動して後ボール循環チューブに掬い上げられて、その チューブに沿ってボールねじ軸31のランド部を斜めに乗り越え、再び螺旋溝内 に戻って無限循環する循環構造になっている。
【0032】 こま方式の場合は、ナット本体の肉厚部分にボール循環溝を有するこまが嵌め 込んであり、ボールがこまの溝に沿ってボールねじ軸31の螺旋溝のランド部を 斜めに乗り越えてもとの相対する両螺旋溝の間に戻る循環方式である。 前記駆動装置40として、この実施例ではACサーボモータがモータブラケッ ト6の外面にボルトで固着されている。そのACサーボモータ40の出力軸は、 ハウジング1内に軸受を介して回動自在に支承されているボールねじ軸31にカ ップリング39を介して接続されている。
【0033】 上記ボールねじ軸31にボールを介して螺着しているボールねじナット32は キャリッジ20のボールねじナット取付胴部22に嵌め込んで固着されて、キャ リッジ20とボールねじ装置30とが連結されている。 キャリッジ20は、ACサーボモータ40によるボールねじ装置30の作動と ともにボールねじナット32に連動して軸方向に移動させる必要がある。そのた め、キャリッジ20の凸部24の通路として、サイドカバー3と上カバー4との 間に間隔を開けてスリットSが設けてある。スリットSは、この場合、キャリッ ジ20の左右一対の凸部24に対応させて左右一対に設けられている。
【0034】 そのスリットSの開口を形成しているサイドカバー3と上カバー4とは、いず れもアルミニウム製の押出し成形品であって、両者の相対したやや肉厚の両端面 には、溝3a,4aがそれぞれに形成してある。 また、上カバー4の下面の中央部には、全長にわたって対断面L形の左右一対 の突起4b,4bが間隔を置き向き合わせに突設されている。その対向間隔は、 ボールねじ装置30のボールねじナット32の幅に見合った大きさにしている。 そして、この突起4b,4bと上カバー下面とで囲まれた空所に、スポンジ状の 吸音材70が嵌め込んである。
【0035】 なお、図示されないが、キャリッジ20の下面側には例えば永久磁石が固着さ れ、一方、ハウジング本体2の内面にはその永久磁石と対向するホール素子等の 近接スイッチが取り付けられ、この近接スイッチおよび永久磁石によってキャリ ッジ20の直線移動軸方向の原点位置が検出され、この原点検出信号に基づき駆 動装置であるACサーボモータ40の回転を制御することにより、直線移動の位 置決めを高精度で行うことができるように構成されている。
【0036】 また、図示されないが、キャリッジ20のオーバーランを防止するためのリミ ットスイッチ等の接触式位置検出器をハウジング1の端部に設置してもよく、そ の場合のリミットスイッチの配線は、邪魔にならないようにハウジング本体2の 外側面に設けられた溝2A内に収納するようにすることもできる。 以上の構成を有する直動アクチュエータは、ハウジング1がスリットSの開口 を除いてほぼ密閉構造とされており、スリットSの開口を可動のシールバンド6 0で塞ぐことで防塵がなされる。
【0037】 左右のスリットSのシール構造は基本的に全く同一であるから、一方の側につ いてだけ説明し、他方の側の説明は省略する。 シールバンド60を案内するプーリ50が、図1に示すようにハウジング1の 四つのコーナ部に配設されている。すなわち、モータブラケット6の上部のコー ナのプーリ50aは、スリットSの延長位置に取り付けてある。同じモータブラ ケット6の下部のコーナのプーリ50bは、上記プーリ50aの真下に取り付け られている。また、反対端のエンドカバー5の上部のコーナのプーリ50cは、 スリットSの延長位置に取り付けてある。同じエンドカバー5の下部のコーナの プーリ50dは、上記プーリ50cの真下に取り付けられている。
【0038】 前記四箇所のプーリ50に懸け渡されるシールバンド60はポリウレタン含浸 帆布製の平バンドであって、その一端はキャリッジ20の一端側に設けた段部2 4bに止めねじ61で固定して係止されている。シールバンド60の他端は、キ ャリッジ20の他端側に設けた段部24bに同じく止めねじ61で固定して係止 されている。これにより、キャリッジ20の一端から、プーリ50a,プーリ5 0b,プーリ50c,プーリ50dを経てキャリッジ20の他端に至るシールバ ンド60のループが形成される。
【0039】 そのシールバンド60の両側縁は、スリットSの開口において、サイドカバー 3の端面の溝3aおよび上カバー4の端面の溝4aの中に入れてシール性能を高 めシールを効果的に行うようにしている。また、シールバンド60のループの下 側の部分、すなわちモータブラケット6の下部のコーナのプーリ50bとエンド カバー5の下部のコーナのプーリ50dとの間の部分は、ハウジング本体2を軸 方向に貫通している複数の貫通孔7のうちの直動案内装置10の案内レール11 の直下の貫通孔7aの内部を通している。そして、 シールバンド60のループ の丁度中間の位置、すなわちキャリッジ20がハウジング1の軸方向の真ん中に 位置したときそのキャリッジ20の真下となる位置に、長方形のガイド板63が 固定して取り付けてある。このガイド板63の側面と貫通孔7aの内壁との間に は僅かのすき間が保たれていて、シールバンド60の横ずれを防止するようにし ている。
【0040】 上記シールバンド60の端部をキャリッジ20の段部24bに係止する作業は 、キャリッジ20を直動案内装置10のスライダ12に組み付けた後に行われて シールバンド60のループが形成される。その後に、サイドカバー3および上カ バー4の取り付けを行う。 次に上記実施例の作用を説明する。
【0041】 まず、ハウジング1の上カバー4から突き出して露出しているキャリッジ20 の左右一対のワーク取付座面24aに、図示しない被搬送体であるワークを取り 付け、ボルトで固定する。 いま、キャリッジ20は、図2においてモータブラケット6に接近した位置に 停止しているものとする。
【0042】 この状態で駆動装置であるACサーボモータ40を正転させる。このようにA Cサーボモータ40が正転すると、その回転力がボールねじ装置30のボールね じ軸31を正回転させる。ボールねじ軸31を回転させると、その軸回転がボー ルねじ軸31の螺旋溝31aとボールねじナット32の螺旋溝32aとの間に介 装されたボール33を介してボールねじナット32に伝達され、ボールねじナッ ト32は応動して軸方向に移動する。これによりボールねじナット32に固定さ れているキャリッジ20が共に軸方向に移動する。
【0043】 上記ボールねじナット32が移動する際に、前記鋼製のボールがボールねじ軸 31とボールねじナット32との相対する両ボールねじ溝内を転動しつつ螺旋状 に移動する。そして本実施例のボールねじ装置はエンドキャップ循環方式である ので、ナット端部に到達した後にボール循環部材35に設けた湾曲路並びにナッ ト本体に設けたボール戻り通路を通りもとの位置に戻る循環を繰り返す。また、 チューブ循環方式であれば、ボールは、相対する両螺旋溝内を転動しつつ螺旋状 に移動して螺旋溝を1回半ないし3回半回ってから、ナット内のボール循環チュ ーブに掬い上げられて、そのチューブに沿ってボールねじ軸31のランド部を斜 めに乗り越え、再び螺旋溝内に戻る循環を繰り返す。
【0044】 このように、硬い鋼製の多数のボールが両螺旋溝内を転動しつつボールねじナ ット32内での循環を繰り返すことから、作動中にボールねじ装置30のボール ねじナット32の部分で連続的な騒音が発生することは避けられない。その騒音 の遮断については後述する。 キャリッジ20は、その左右の両サイドにおいて左右一対の直動案内装置10 の各スライダ12により支持されている。そこで、キャリッジ20の移動と共に 、スライダ12が直動案内装置10の案内レール11に沿って移動する。すなわ ち、キャリッジ20の移動は、直動案内装置10のスライダ12の移動を介して 案内レール11に案内される。このようにしてキャリッジ20の円滑な移動が保 障されるので、キャリッジ20に取り付けたワークの正確な直線移動が確保され る。
【0045】 上記スライダ12が移動する際には、多数の鋼製の転動体18が案内レール1 1の転動体転動溝13とスライダ12の転動体転動溝16内を転動しつつ移動す る。そしてスライダ12の一端部に設けた湾曲路でUターンされて、スライダ袖 部15内に形成された循環路17を通ってスライダ12の他端部に至り、そこに 設けられた湾曲路で今度は逆Uターンされて再び相対する両転動体転動溝13, 16内にに戻る循環を繰り返す。
【0046】 このように、硬い鋼製の多数の転動体18が両転動体転動溝13,16内を転 動しつつスライダ12内での循環を繰り返すことから、作動中に直動案内装置1 0のスライダ12の部分でも、やはり連続的な騒音が発生する。 それらの騒音の遮断については、次の通りである。 本実施例にあっては、上述した直動案内装置10のスライダ12の部分および ボールねじ装置30のボールねじナット32の部分で発生する連続的な騒音を、 上カバー4の下面に取り付けたスポンジ状の吸音材70で吸収する。さらに、後 述するように、密閉形ハウジング1の唯一の開口部であるスリットSをシールバ ンド60でシールすることでことで、騒音がハウジング1の外に洩れることを防 止している。この場合、その吸音材70は最も騒音が出やすいボールねじ装置3 0のボールねじナット32の直上に接近して配設したことにより、騒音防止の効 果を高めている。なお、吸音材70を保持するための構造として、上カバー4の 下面の全長にわたって断面L形の左右一対の突起4b,4bを突設されているた め、カバー4の剛性が高められる効果がある。
【0047】 キャリッジ20がこのようにしてボールねじ装置30を介して駆動装置40で 駆動され、直動案内装置10に案内されつつハウジング1内を軸方向に移動する とき、上カバー4の面から突き出しワークが取り付けられているキャリッジの凸 部24はスリットSの開口内を軸方向に移動する。このキャリッジの凸部24の 移動に伴い、この凸部24に端部が係止されてループを形成しているシールバン ド60も移動する。例えば、いま、キャリッジ20が図2で右方へ移動するとき 、シールバンド60は、進行方向のプーリ50cからプーリ50dを経て方向転 換され反対端のプーリ50bからプーリ50aを経て再度方向転換されて、図2 で時計方向に回りながら移動する。この回動において、シールバンド60の下部 に取り付けられているガイド板63が、ハウジング本体2の貫通孔7aの内部を キャリッジ20の進行方向とは反対方向に移動する。ガイド板63の移動する距 離は、キャリッジ20のストローク長と同じであり、端部のエンドカバー5やモ ータブラケット6などに衝突するおそれはない。
【0048】 そのガイド板63と貫通孔7aの内壁との間には僅かのすき間しかないから、 このガイド板63によって、細長いシールバンド60のループの横ずれを効果的 に防止することができる。 シールバンド60のループは、こうして非常に安定した状態でキャリッジ20 の移動と共に回動しながら、キャリッジ20のワーク取付け座面24aの移動範 囲にあるハウジング1のスリットSの開口をシールする。そのシールは、シール バンド60の両側縁を、サイドカバー3の端面の溝3aおよび上カバー4の端面 の溝4aにそれぞれ係合させて行われる。したがって、ハウジング1の内部と外 部とは、シールバンド60とサイドカバー3および上カバー4との間に介在する 極めて狭く且つコ字状に屈曲したすき間を介して通じていることになり、塵埃等 の微細な異物の侵入を効果的に防止することができるとともに、直動案内装置1 0やボールねじ装置30から発生した騒音の洩れを有効に遮断することができる 。
【0049】 この実施例の直動アクチュエータは、大型で重量の大きいワークの搬送を対象 とした直動アクチュエータであり、そのようなワークを高速度で搬送して高精度 に位置決めするためには、アクチュエータに高い剛性が必要とされる。特に、ワ ークと直動案内部とを結合するキャリッジはワークの荷重を直接的に受ける部材 であることから、直動アクチュエータの剛性を決定する重要な要素になっている 。そこで、本実施例にあっては、直動アクチュエータの剛性を高くするのに適し た構造にすることに特に意を用いてある。
【0050】 その一は、ハウジング本体2の底部の肉厚部に多くの軸方向の貫通孔7を設け て中空構造としたことである。これにより、軽量で且つ高剛性を得ている。 その二は、キャリッジ20の直接にワーク重量が負荷されるワーク取付座面2 4aを、直動案内装置10の案内レール11の真上に位置するように形成したこ とである。これにより、ワーク取付座面24aにかかるワーク重量は、剛性の点 で最も有利な直動案内装置10の軸線上で支持することができて、その結果キャ リッジ20の厚さを薄肉にして軽量化と実質的な直動アクチュエータの高剛性の 両立が果たされている。
【0051】 その三は、キャリッジ20の移動に必要なハウジング1の上面のスリットSの 開口をシールする防塵構造として、前記ハウジング本体2に設けた貫通孔7aを 巧妙に有効利用した可動のシールバンド60を用いている点である。すなわち、 シールバンド60をループ状にしてその端部をキャリッジ20に係止させ、その シールバンド60をキャリッジ20の移動と共に貫通孔7aを経て循環移動させ る構成とし、キャリッジ20の構造を従来例に比べて極めて単純化している。こ れにより、キャリッジ20の剛性を高くとることが可能となり、かつ小型化を果 たすことができる。
【0052】 図5に、他の実施例を示す。 この実施例の直動アクチュエータの防塵構造は、比較的軽荷重の用途の直動ア クチュエータに適したものである。 ハウジング1は、底部と側面部と上面部とが一体的に押し出し成形された軸方 向に長い箱形であり、上面部に軸方向のスリットSが開口している。また床面の 中央には、シールバンド60の通路となる軸方向に延びる浅い溝80が形成され ている。
【0053】 上記ハウジング1の床面に直動案内装置10の案内レール11が配設されてい る。案内レール11は上側が開口した凹形状であり、その相対する両内側面に軸 方向に延びる左右一対のボール転動溝13が形成されている。凹形をした案内レ ール11の中に、ボールねじ装置30のボールねじナット32が軸方向に移動可 能に嵌合されている。この場合は、ボールねじナット32が直動案内装置10の スライダ12をも兼用している。
【0054】 すなわち、ボールねじナット32の左右の両側面には、前記案内レール11の ボール転動溝13に対向して図示しないボール転動溝が形成してあり、それら対 向する両溝でなるボール転動路内を転動する図外の多数のボールを介してボール ねじナット32が案内レール11に嵌合している。 また、ボールねじナット32の左右の両外側面の内側の肉厚部には、前記外側 面のボール転動溝と平行な貫通孔からなるボール循環路が対応させて形成されて いる。また、ボールねじナット32の前後の端面にボルト32Bで固着されてい るエンドキャップ32Eに、前記外側面のボール転動溝と前記ボール循環路とを 連通させる湾曲したボール溝が設けてあり、これらボール転動溝とボール循環路 と湾曲ボール溝とでボール無限循環経路が形成され、このボール無限循環経路内 に転動自在に装着された多数のボールの転動を介して、ボールねじナット32が 案内レール11に案内されて円滑に直線移動する。
【0055】 上記のボールねじナット32がボールを介して螺合しているボールねじ軸31 は、ハウジング1の端部の図示されないエンドカバーとモータブラケットとによ り軸受を介して回転自在に支持され、駆動モータで回転駆動される。それに応じ てボールねじナット32が軸方向に直線移動する。 そのボールねじナット32に取り付けたキャリッジ20は、ハウジング1のス リットSの開口幅より幅を狭くした首部20Aを介して天板21がハウジング1 の外に突き出している。
【0056】 防塵装置のシールバンド60は一本だけであり、その端部が上記キャリッジ2 0の首部20Aの端部に係止されてループを形成している。 ハウジング1の端部には、上記第1の実施例の場合と同様に四個のプーリが配 設されており、それら四箇所のプーリに懸け渡されたシールバンド60のループ をキャリッジ20の移動とともに回動させてスリットSの開口をシールしている 。そのループの下部は、ハウジング1の床面の溝80内に収納されているが、上 記第1の実施例で示したガイド板63は、ハウジング1の長さが短いこの実施例 では不要であり、取り付けられてないない。
【0057】 スリットSの開口においては、シールバンド60の両側縁は、スリットSの開 口端面に形成されている溝1aに係合してシール性能を高めている。 この実施例によれば、キャリッジ20のワーク取付座面24aに負荷されるワ ーク重量を、上記第1実施例と同様に剛性の点で最も有利な直動案内装置10の 軸線上で支持しており、かつキャリッジ20にはシールバンド60を通す空洞は 設けてないから、直動アクチュエータの高剛性が確保されている。
【0058】 また、ハウジング1に内設されている直動案内装置10,ボールねじ装置30 とともに、防塵用のシールバンド60やこれを支持するプーリ等の防塵構造も一 式だけであり、しかもボールねじ装置30のボールねじナット32が直動案内装 置10のスライダを兼用した構成のため、装置全体を非常に小型で軽量なものに することができる利点がある。
【0059】 なお、上記各実施例においては、シールバンド60をポリウレタン含浸帆布製 の平バンドとしたものを述べたが、これに限定されるものではなく、スチール製 またはプラスチック等のものを利用することができる。 また、例えば、ハウジング端のモータブラケット6等に、小型送風機などの換 気装置を取り付け、ハウジング1内に空気を強制的に送り込んでアクチュエータ の内圧を外部より高くして塵埃の侵入をより一層効果的に防止することができる 。またはその反対に、アクチュエータ内の空気を外部に排出する構成にしてアク チュエータ内を負圧にすることにより、アクチュエータ内部での金属微粉や潤滑 剤微粒子等のは発塵埃を減らしたクリーン対応アクチュエータとすることもでき る。これらの場合、上記各実施例によれば、ハウジングの開口面積が非常に小さ いことから所要空気量を極めて少なくできる。
【0060】 また、上記各実施例においては、ボールねじナット32が角型外形に構成され ているものを示したが、これに限らず、円筒型などに形成することもできる。
【0061】
【考案の効果】
以上、説明してきたように、この考案によれば、軸方向に長いハウジングと、 そのハウジングに内設された直動案内装置と、その直動案内装置を介して軸方向 に移動自在に前記ハウジングに配設されたキャリッジと、そのキャリッジをボー ルねじを介して軸方向に駆動する駆動装置とを備え、前記ハウジングの一面には キャリッジの移動方向に長く開口したスリットを設け、前記キャリッジは前記ス リットを貫通してハウジング外に突出したワーク取付け座面を有している直動ア クチュエータにおいて、前記ハウジングの軸方向の両端部にそれぞれプーリを配 するとともに、シールバンドの一端を前記キャリッジの一端側に固定し、シール バンドの他端は前記プーリを経てハウジングの一端で折り返し、ハウジングの他 端に至って更にプーリを経て折り返して前記キャリッジの他端側に固定してシー ルバンドの可動ループを形成し、該シールバンドの可動ループで前記スリットの 開口をシールした構成とした。そのため、キャリッジの内部にシールバンドを通 す必要はなく、したがってキャリッジは中実で単純な構造の剛性の高いものにす ることができ、小型化も容易であり、全体としても高剛性でかつ小型・軽量な防 塵装置付直動アクチュエータを提供できるという効果が得られる。
【提出日】平成6年6月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ハウジングに組み込まれて軸方向に直線駆動されるキャリッジを有 する直動アクチュエータの防塵構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のアクチュエータとしては、例えば図6,図7に示すようなものがある 。これは、細長いベース101上に一対の平行な直線案内装置(リニアガイド装 置)102配設し、その案内レール103上を直線移動するスライダ104にキ ャリッジ105を固定して取り付けると共に、そのキャリッジ105を回転−直 線変換駆動機構であるボールねじ装置106のボールナット107に連結してい る。そして、ACサーボモータ108によりボールねじ軸109を回転駆動させ ることにより、キャリッジ105を案内レール103に沿って軸方向に直線移動 させる。そのキャリッジ105の両サイドのワーク取付座面110に被駆動体で あるワークWをねじで固定して取付け、高精度に直線移動および精密位置決め動 作を繰り返させるようにしている。
【0003】 上記アクチュエータは、外周の大部分をサイドカバー111,上カバー112 ,端面カバー113等で覆って、安全性並びに美観の確保と共に、直線案内装置 102やボールねじ装置106等の精密部品の防塵を図っている。 しかし、キャリッジ105のワーク取付座面110は外部に露出させなければ ならないことから、サイドカバー111と上カバー112との間にキャリッジ1 05の移動範囲Lの全長にわたる軸方向のすき間(スリット)Sが開口している 。そのため、このスリットSの開口からの塵埃等の出入りがあり、防塵の点では 完全とはいえない。
【0004】 これに対して、従来、例えば本出願人が実開平4−60642号公報で示した ような、キャリッジの移動範囲のスリット開口部を可動ベルトで蓋した直動アク チュエータが提案されている。このものは、図8,図9に示すように、一側面( 上面)に軸方向の長いスリットSを有するシリンダチューブ120にキャリッジ 121が軸方向に摺動自在に装着されており、そのキャリッジ121をボールね じ装置122のねじ軸123に螺着したボールナット124に連結して、ACサ ーボモータ125により軸方向に直線駆動する。
【0005】 このキャリッジ121の上部にテーブル体126が突設されていて、前記スリ ットSを貫通しシリンダチューブ120の外部に露出し、その上面は四隅に取付 ボルト穴127を有するワーク取付座面128になっている。 キャリッジ121には、図9に示すようにねじ軸123の挿通孔130が軸方 向に形成されると共に、その挿通孔130の中央部分に送りボールナット124 が収納されるナット収納空間131が形成されている。ナット収納空間131は その天井中央部に角溝131aが設けられ、下方は大きく開放されている。この ナット収納空間131に、角形の回り止め突起132を有するボールナット12 4がその突起132を前記角溝131aに嵌めて組み込まれている。
【0006】 キャリッジ121は左右がそれぞれV字状に張出しており、その両外縁部に取 り付けた図示しない摺動部材を介してシリンダチューブ120内の菱形内面に嵌 合されている。 そのキャリッジ121に突設されたテーブル体126は、内部にシールバンド 135を通すためのバンド挿通孔136が形成されている。このバンド挿通孔1 36は、上反りに湾曲する緩やかな山状に形成されたバンド案内面137を有し て、テーブル体の下面の前後に開口している。その開口から薄いスチール製のシ ールバンド135が差し込まれてバンド挿通孔136に挿通される。
【0007】 シリンダチューブ120にキャリッジ121を組込んだ後、シリンダチューブ 120上面のスリットSの開口を上述のシールバンド135で蓋する。なお、ス リットSの開口側縁に沿って、帯状のラバーマグネットが取付けてあり、その磁 力でシールバンド135を吸着してシール性能を高めている。シールバンド13 5の両端部は、それぞれエンドキャップ140とヘッドキャップ141に固定さ れ、シールバンド135の中間部はキャリッジ121の湾曲したバンド案内面1 37の上に乗っている。
【0008】 いま、ACサーボモータ125を正・逆回転駆動させると、それに応じてねじ 軸123が回転して、ボールナット124が前・後方向に移動する。これにより キャリッジ121がシリンダチューブ120に案内されつつ前・後に移動し、テ ーブル体126のワーク取付座面128に取りつけたワークを、直動テーブル装 置の軸方向に任意に移動させ、所定位置に正確に停止させることができる。
【0009】 このとき、シールバンド135はシリンダチューブ120のスリットSから内 部への塵埃の侵入を阻止している。テーブル体126は、その移動時にシールバ ンド135をバンド案内面137の湾曲面で押上げつつ移動する。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、シールバンド135でシリンダチューブ120のスリットSを 塞ぐ上記従来例にあっては、高い防塵効果が得られる一方で、次のような問題点 が生じていた。 シールバンド135をキャリッジ121内に通すためキャリッジ構造が複雑 化して、キャリッジ121の剛性を高くとれない。
【0011】 キャリッジ121に設けたテーブル体126の中央部を貫通してバンド挿通 孔136が内設してあるため、ワーク取付座面128の取付ボルト穴127の位 置を剛性上有利な中央部に設けることができず四隅に配置せざるを得ないことか ら、キャリッジ121が大型化する。 ちなみに、可搬重量が大きい大型クラスの直動アクチュエータの場合は、ワー クを高速度で搬送して且つ高精度に位置決めするためには、高い剛性を有してい ることが最も重要である。その直動アクチュエータのキャリッジは、直動案内部 とワークとを結合する部材であり、直動アクチュエータの剛性を決定する重要な 要素の一つであって、剛性を高くすることができない構造は不適切である。
【0012】 そこでこの考案は、上記従来の直動アクチュエータの防塵構造に着目してなさ れたものであり、キャリッジの軸方向移動を許容するためのスリットをシールす るシールバンドをキャリッジの外部に取り付け、シールバンドとキャリッジとを 共同して軸方向に移動可能な防塵構造を提供してキャリッジの構造を単純化し、 上記従来の問題点を解決することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本考案は、軸方向に長いハウジングと、該ハウジ ングに内設された直動案内装置と、その直動案内装置を介して軸方向に移動自在 に前記ハウジングに配設されたキャリッジと、そのキャリッジをボールねじを介 して軸方向に駆動する駆動装置とを備え、ハウジングの一面には前記キャリッジ の移動方向に長く開口したスリットを設け、キャリッジは前記スリットを貫通し てハウジング外に突出したワーク取付け座面を有している直動アクチュエータに おいて、ハウジングの軸方向の両端部にそれぞれプーリを配するとともに、シー ルバンドの一端をキャリッジの一端側に固定し、シールバンドの他端は前記プー リを経てハウジングの一端で折り返し、ハウジングの他端に至って更にプーリを 経て折り返してキャリッジの他端側に固定してシールバンドの可動ループを形成 すると共に案内手段によりシールバンドの横ずれを防止し 、そのシールバンドの 可動ループで前記スリットの開口をシールするようにした防塵構造を特徴とする 。
【0014】 ここで、ハウジングの本体を押出成形品として軸方向に中空の孔または溝を形 成し、それらの孔または溝に前記シールバンドの可動ループの下側となる部分を 通すことができる。 また、ハウジングの一面に開口した前記スリットの側縁部に前記シールバンド の側縁と係合する凹溝を形成することができる。
【0015】 また、前記ハウジングの本体の中空の孔または溝を通す前記シールバンドの可 動ループの下側となる部分にガイド板を取り付けて、そのガイド板を前記中空の 孔または溝に係合させることができる。 また、ハウジングの上面を覆うカバーの内面にL形の断面を有して対向する一 対の突起を設けて、これらの突起の間に吸音材を取り付けることができる。
【0016】
【作用】
この考案の直動アクチュエータの防塵構造は、ハウジングの軸方向の両端部に それぞれプーリを配し、シールバンドは一端をキャリッジの一端側に固定しプー リを介して折り返すことでシールバンドの可動ループを形成して、バンドの他端 をキャリッジの他端側に固定した。シールバンドのループは軸方向に直線的に往 復作動するキャリッジと一体になって軸方向に循環往復移動しつつスリットの開 口をシールする。そのため、キャリッジの内部にシールバンドを通す必要はなく 、したがってキャリッジは中実で単純な構造の剛性の高いものにすることができ るし、小型化も容易である。
【0017】 また、ハウジングに形成した中空の孔または溝にシールバンドの可動ループの 下側となる部分を通すことにより、ハウジングの高剛性・軽重量化を両立させる ための中空構造の有効利用ができる。 また、ハウジングのスリットの側縁部にシールバンドの側縁と係合する凹溝を 形成すると、シールバンドのシール作用が促進されて防塵・防音効果が増大する 。
【0018】 また、シールバンドの可動ループの下側となる部分にガイド板を取り付けると 、シールバンドが長くなる大型のアクチュエータでもシールバンドの安定した走 行が確保できる。 また、ハウジングの上面を覆うカバーの内面にL形の断面を有する一対の突起 を設けて、これらの突起の間に吸音材を取り付けると、カバーの剛性を高めるこ とができると同時に、防音性能を向上させることができる。
【0019】
【実施例】
以下、この考案の実施例を図面を参照して説明する。 図1ないし図4はこの考案の一実施例を示し、図1は、直動アクチュエータの 横断面図、図2は図1のII−II線断面図、図3は図1のIII −III 線断面図、図 4はリニアガイド装置の一部を切り欠いて示す正面図である。
【0020】 この実施例の直動アクチュエータは、軸方向に長いハウジング1に直動案内装 置(リニアガイド装置)10が内設されていて、この直動案内装置10を介して 軸方向に移動自在に取り付けたキャリッジ20を備えている。 また、そのキャリッジ20を、選定された速度で選定された位置まで軸方向に 正確に搬送するため、ボールねじ装置30を介してキャリッジ20を軸方向に駆 動する駆動装置40を備えている。
【0021】 ハウジング1は、キャリッジ20の移動方向に長く開口したスリットSを上面 に備え、キャリッジ20はそのスリットSを貫通してハウジング1の外部に突き 出ているワーク取付け座面24aを有している。 このような構成を有する直動アクチュエータの防塵構造は次の通りである。 ハウジング1の軸方向の両端部にそれぞれプーリ50を配し、シールバンド6 0の一端をキャリッジ20の一端側に固定、プーリ50を経てハウジング1の一 端で折り返し、ハウジング1の他端に至って他のプーリ50を経て折り返してキ ャリッジ1の他端側に固定してシールバンド60の可動ループを形成し、スリッ トSの開口をそのシールバンド60の可動ループで塞いでいる。
【0022】 以下、さらに詳細に説明する。 前記ハウジング1は、ハウジング本体2と左右一対のサイドカバー3,3と上 カバー4と、軸受を内蔵して一端を蓋するエンドカバー5と、軸受を内蔵して他 端を蓋するモータブラケット6とからなっている。 上記ハウジング本体2は、この実施例の場合はアルミニウム製の押出し成形品 であり、上部が開口したほぼ山形の断面形状である。荷重がかかるハウジング本 体2の底部は、荷重の影響で変形して直動アクチュエータの搬送の精度が低下す ることがないように剛性が必要とされる。この実施例では、ハウジング本体2の 底部の肉厚部は軸方向に多くの貫通孔7を有する中空構造として、剛性の確保と 軽量化の両立を図っている。
【0023】 そのハウジング本体2の床面の左右両サイド寄りには、全長に及ぶ段部8が対 称的に形成されていて、その左右の段部8の床面上に左右で一対の直動案内装置 10の案内レール11が図外のボルトでそれぞれ固定されている。その案内レー ル11上に、スライダ12がレール沿いに移動自在に取り付けてある。この実施 例の場合、スライダ12は各案内レール11につき2台づつ配置されている。
【0024】 ここで、前記直動案内装置10の概略の構造を述べると、図4に拡大図示する ように、案内レール11は断面角形で、その左右両側面に軸方向に延長して形成 された転動体転動溝13を有している。 スライダ12は、上面板部14とその両側部から下方に延長する袖部15とか らなる断面コ字状で、これら袖部15の左右の内側面には前記案内レール11の 転動体転動溝13と対向する位置に転動体転動溝16が形成されている。また、 これら転動体転動溝13,16に連通して袖部15内に循環路17が形成されて いて、転動体転動溝13及び16で形成される転動路及び循環路17内に多数の 転動体であるボール18が保持器19で保持されて転動自在に挿入されている。 前記案内レール11には、レール取付け用ボルト孔11aが長さ方向に間隔をお いて複数箇所に設けられ、またスライダ12の上面には四隅に取付けボルト孔1 2aが設けられている。
【0025】 前記キャリッジ20は、ハウジング1の内部の幅よりやや小さい幅及びスライ ダ12のほぼ二台分の長さを有する天板21と、その下面から下方に向け突出し て形成されているボールナット取付胴部22とを備えている。そして、天板21 の左右両サイドを左右の直動案内装置10のスライダ12の上面に載置し、ボル ト孔12aに螺合した取付けボルト27で固定することにより四台のスライダ1 2で支持されて、軸方向移動自在にハウジング1に内設されている。
【0026】 その天板21の上面は、中央部に全長にわたって凹溝23が形成されると共に 、その凹溝23を挟んで左右両側にはほぼ全長に及ぶ凸部24が形成されている 。これらの凸部24の上面24aは、上カバー4から僅かに高く外に突き出した ワーク取付座面になっている。また、凸部24の長さ方向の両端には、ワーク取 付座面24aより低い段部24bが形成されている。
【0027】 上記突部24は、左右の突部24がそれぞれ左右の直動案内装置10の案内レ ール11の真上に位置するように形成してある。これは、キャリッジ20のワー ク取付座面24aを剛性の点で最も有利な直動案内装置10の軸線上に配置する ことでキャリッジ天板21の厚さをできるだけ薄肉にするように配慮したもので ある。
【0028】 前記ボールねじ装置30は、ボールねじ軸31とボールねじナット32とを備 えている。ボールねじ軸31は、外周面に螺旋溝を有し、一端は軸受を介してエ ンドカバー5に支持され、他端は軸受を介してモータブラケット6に支持されて 、直動案内装置10の案内レール11と平行にハウジング1の幅の中心部に配設 されている。モータブラケット6に支持されたボールねじ軸31の一方の軸端部 はモータブラケット6から外方に突出して駆動モータ40の出力軸と連結されて いる。
【0029】 ボールねじナット32は、ボールねじ軸31の螺旋溝と相対する螺旋溝を内周 面に有し、相対する両螺旋溝内を転動する多数のボールを介してボールねじ軸3 1に螺合している。この実施例のボールねじナット32は、例えばエンドキャッ プ循環方式であって、ナットの両端面に着脱可能にボール循環部材(エンドキャ ップ)35が接合されている。また、ナット本体の肉厚部には、軸方向の貫通孔 からなるボール戻し通路が設けられている。ボール循環部材35には、ナット本 体と接合する側の端面に、前記相対する両螺旋溝と前記ボール戻し通路とを連通 させる湾曲路が設けられている。
【0030】 そして、ボールねじ軸31とボールねじナット32とが相対回転すると、鋼製 のボールがボールねじ軸31とボールねじナット32との相対する両ボールねじ 溝内を転動しつつ進み、端部のボール循環部材35に設けた湾曲路並びにナット 本体に設けたボール戻り通路を通りもとの位置に戻る循環を繰り返すようになっ ている。
【0031】 もっとも、ボールねじナット32は、エンドキャップ循環方式と限らず、チュ ーブ循環方式やこま式であっても良い。 チューブ循環方式の場合は、ボールを導いて循環させるボール循環路として、 ナット本体の上部にU字形のボール循環チューブが組み込まれている。ボールは 、相対する両螺旋溝内を転動して後ボール循環チューブに掬い上げられて、その チューブに沿ってボールねじ軸31のランド部を斜めに乗り越え、再び螺旋溝内 に戻って無限循環する循環構造になっている。
【0032】 こま方式の場合は、ナット本体の肉厚部分にボール循環溝を有するこまが嵌め 込んであり、ボールがこまの溝に沿ってボールねじ軸31の螺旋溝のランド部を 斜めに乗り越えてもとの相対する両螺旋溝の間に戻る循環方式である。 前記駆動装置40として、この実施例ではACサーボモータがモータブラケッ ト6の外面にボルトで固着されている。そのACサーボモータ40の出力軸は、 ハウジング1内に軸受を介して回動自在に支承されているボールねじ軸31にカ ップリング39を介して接続されている。
【0033】 上記ボールねじ軸31にボールを介して螺着しているボールねじナット32は キャリッジ20のボールねじナット取付胴部22に嵌め込んで固着されて、キャ リッジ20とボールねじ装置30とが連結されている。 キャリッジ20は、ACサーボモータ40によるボールねじ装置30の作動と ともにボールねじナット32に連動して軸方向に移動させる必要がある。そのた め、キャリッジ20の凸部24の通路として、サイドカバー3と上カバー4との 間に間隔を開けてスリットSが設けてある。スリットSは、この場合、キャリッ ジ20の左右一対の凸部24に対応させて左右一対に設けられている。
【0034】 そのスリットSの開口を形成しているサイドカバー3と上カバー4とは、いず れもアルミニウム製の押出し成形品であって、両者の相対したやや肉厚の両端面 には、シールバンドの案内手段としての案内溝3a,4aがそれぞれに形成して ある。 また、上カバー4の下面の中央部には、全長にわたって対断面L形の左右一対 の突起4b,4bが間隔を置き向き合わせに突設されている。その対向間隔は、 ボールねじ装置30のボールねじナット32の幅に見合った大きさにしている。 そして、この突起4b,4bと上カバー下面とで囲まれた空所に、スポンジ状の 吸音材70が嵌め込んである。
【0035】 なお、図示されないが、キャリッジ20の下面側には例えば永久磁石が固着さ れ、一方、ハウジング本体2の内面にはその永久磁石と対向するホール素子等の 近接スイッチが取り付けられ、この近接スイッチおよび永久磁石によってキャリ ッジ20の直線移動軸方向の原点位置が検出され、この原点検出信号に基づき駆 動装置であるACサーボモータ40の回転を制御することにより、直線移動の位 置決めを高精度で行うことができるように構成されている。
【0036】 また、図示されないが、キャリッジ20のオーバーランを防止するためのリミ ットスイッチ等の接触式位置検出器をハウジング1の端部に設置してもよく、そ の場合のリミットスイッチの配線は、邪魔にならないようにハウジング本体2の 外側面に設けられた溝2A内に収納するようにすることもできる。 以上の構成を有する直動アクチュエータは、ハウジング1がスリットSの開口 を除いてほぼ密閉構造とされており、スリットSの開口を可動のシールバンド6 0で塞ぐことで防塵がなされる。
【0037】 左右のスリットSのシール構造は基本的に全く同一であるから、一方の側につ いてだけ説明し、他方の側の説明は省略する。 シールバンド60を案内するプーリ50が、図1に示すようにハウジング1の 四つのコーナ部に配設されている。すなわち、モータブラケット6の上部のコー ナのプーリ50aは、スリットSの延長位置に取り付けてある。同じモータブラ ケット6の下部のコーナのプーリ50bは、上記プーリ50aの真下に取り付け られている。また、反対端のエンドカバー5の上部のコーナのプーリ50cは、 スリットSの延長位置に取り付けてある。同じエンドカバー5の下部のコーナの プーリ50dは、上記プーリ50cの真下に取り付けられている。
【0038】 前記四箇所のプーリ50に懸け渡されるシールバンド60はポリウレタン含浸 帆布製の平バンドであって、その一端はキャリッジ20の一端側に設けた段部2 4bに止めねじ61で固定して係止されている。シールバンド60の他端は、キ ャリッジ20の他端側に設けた段部24bに同じく止めねじ61で固定して係止 されている。これにより、キャリッジ20の一端から、プーリ50a,プーリ5 0b,プーリ50c,プーリ50dを経てキャリッジ20の他端に至るシールバ ンド60のループが形成される。
【0039】 そのシールバンド60の両側縁は、スリットSの開口において、サイドカバー 3の端面の溝3aおよび上カバー4の端面の溝4aの中に入れてシール性能を高 めシールを効果的に行うとともにシールバンド60の横ずれを防止するようにし ている。また、シールバンド60のループの下側の部分、すなわちモータブラケ ット6の下部のコーナのプーリ50bとエンドカバー5の下部のコーナのプーリ 50dとの間の部分は、ハウジング本体2を軸方向に貫通している複数の貫通孔 7のうちの直動案内装置10の案内レール11の直下の貫通孔7aの内部を通し ている。そして、 シールバンド60のループの丁度中間の位置、すなわちキャ リッジ20がハウジング1の軸方向の真ん中に位置したときそのキャリッジ20 の真下となる位置に、長方形のガイド板63が固定して取り付けてある。このガ イド板63の側面と貫通孔7aの内壁との間には僅かのすき間が保たれていて、 シールバンド60の横ずれを防止するようにしている。
【0040】 上記シールバンド60の端部をキャリッジ20の段部24bに係止する作業は 、キャリッジ20を直動案内装置10のスライダ12に組み付けた後に行われて シールバンド60のループが形成される。その後に、サイドカバー3および上カ バー4の取り付けを行う。 次に上記実施例の作用を説明する。
【0041】 まず、ハウジング1の上カバー4から突き出して露出しているキャリッジ20 の左右一対のワーク取付座面24aに、図示しない被搬送体であるワークを取り 付け、ボルトで固定する。 いま、キャリッジ20は、図2においてモータブラケット6に接近した位置に 停止しているものとする。
【0042】 この状態で駆動装置であるACサーボモータ40を正転させる。このようにA Cサーボモータ40が正転すると、その回転力がボールねじ装置30のボールね じ軸31を正回転させる。ボールねじ軸31を回転させると、その軸回転がボー ルねじ軸31の螺旋溝31aとボールねじナット32の螺旋溝32aとの間に介 装されたボール33を介してボールねじナット32に伝達され、ボールねじナッ ト32は応動して軸方向に移動する。これによりボールねじナット32に固定さ れているキャリッジ20が共に軸方向に移動する。
【0043】 上記ボールねじナット32が移動する際に、前記鋼製のボールがボールねじ軸 31とボールねじナット32との相対する両ボールねじ溝内を転動しつつ螺旋状 に移動する。そして本実施例のボールねじ装置はエンドキャップ循環方式である ので、ナット端部に到達した後にボール循環部材35に設けた湾曲路並びにナッ ト本体に設けたボール戻り通路を通りもとの位置に戻る循環を繰り返す。また、 チューブ循環方式であれば、ボールは、相対する両螺旋溝内を転動しつつ螺旋状 に移動して螺旋溝を1回半ないし3回半回ってから、ナット内のボール循環チュ ーブに掬い上げられて、そのチューブに沿ってボールねじ軸31のランド部を斜 めに乗り越え、再び螺旋溝内に戻る循環を繰り返す。
【0044】 このように、硬い鋼製の多数のボールが両螺旋溝内を転動しつつボールねじナ ット32内での循環を繰り返すことから、作動中にボールねじ装置30のボール ねじナット32の部分で連続的な騒音が発生することは避けられない。その騒音 の遮断については後述する。 キャリッジ20は、その左右の両サイドにおいて左右一対の直動案内装置10 の各スライダ12により支持されている。そこで、キャリッジ20の移動と共に 、スライダ12が直動案内装置10の案内レール11に沿って移動する。すなわ ち、キャリッジ20の移動は、直動案内装置10のスライダ12の移動を介して 案内レール11に案内される。このようにしてキャリッジ20の円滑な移動が保 障されるので、キャリッジ20に取り付けたワークの正確な直線移動が確保され る。
【0045】 上記スライダ12が移動する際には、多数の鋼製の転動体18が案内レール1 1の転動体転動溝13とスライダ12の転動体転動溝16内を転動しつつ移動す る。そしてスライダ12の一端部に設けた湾曲路でUターンされて、スライダ袖 部15内に形成された循環路17を通ってスライダ12の他端部に至り、そこに 設けられた湾曲路で今度は逆Uターンされて再び相対する両転動体転動溝13, 16内にに戻る循環を繰り返す。
【0046】 このように、硬い鋼製の多数の転動体18が両転動体転動溝13,16内を転 動しつつスライダ12内での循環を繰り返すことから、作動中に直動案内装置1 0のスライダ12の部分でも、やはり連続的な騒音が発生する。 それらの騒音の遮断については、次の通りである。 本実施例にあっては、上述した直動案内装置10のスライダ12の部分および ボールねじ装置30のボールねじナット32の部分で発生する連続的な騒音を、 上カバー4の下面に取り付けたスポンジ状の吸音材70で吸収する。さらに、後 述するように、密閉形ハウジング1の唯一の開口部であるスリットSをシールバ ンド60でシールすることでことで、騒音がハウジング1の外に洩れることを防 止している。この場合、その吸音材70は最も騒音が出やすいボールねじ装置3 0のボールねじナット32の直上に接近して配設したことにより、騒音防止の効 果を高めている。なお、吸音材70を保持するための構造として、上カバー4の 下面の全長にわたって断面L形の左右一対の突起4b,4bを突設されているた め、カバー4の剛性が高められる効果がある。
【0047】 キャリッジ20がこのようにしてボールねじ装置30を介して駆動装置40で 駆動され、直動案内装置10に案内されつつハウジング1内を軸方向に移動する とき、上カバー4の面から突き出しワークが取り付けられているキャリッジの凸 部24はスリットSの開口内を軸方向に移動する。このキャリッジの凸部24の 移動に伴い、この凸部24に端部が係止されてループを形成しているシールバン ド60も移動する。例えば、いま、キャリッジ20が図2で右方へ移動するとき 、シールバンド60は、進行方向のプーリ50cからプーリ50dを経て方向転 換され反対端のプーリ50bからプーリ50aを経て再度方向転換されて、図2 で時計方向に回りながら移動する。この回動において、シールバンド60の下部 に取り付けられているガイド板63が、ハウジング本体2の貫通孔7aの内部を キャリッジ20の進行方向とは反対方向に移動する。ガイド板63の移動する距 離は、キャリッジ20のストローク長と同じであり、端部のエンドカバー5やモ ータブラケット6などに衝突するおそれはない。
【0048】 そのガイド板63と貫通孔7aの内壁との間には僅かのすき間しかないから、 このガイド板63によって、細長いシールバンド60のループの横ずれを効果的 に防止することができる。 シールバンド60のループは、こうして非常に安定した状態でキャリッジ20 の移動と共に回動しながら、キャリッジ20のワーク取付け座面24aの移動範 囲にあるハウジング1のスリットSの開口をシールする。そのシールは、シール バンド60の両側縁を、サイドカバー3の端面の溝3aおよび上カバー4の端面 の溝4aにそれぞれ係合させて行われる。したがって、ハウジング1の内部と外 部とは、シールバンド60とサイドカバー3および上カバー4との間に介在する 極めて狭く且つコ字状に屈曲したすき間を介して通じていることになり、シール バンド60の横ずれが防止できて 塵埃等の微細な異物の侵入を効果的に防止する ことができるとともに、直動案内装置10やボールねじ装置30から発生した騒 音の洩れを有効に遮断することができる。
【0049】 この実施例の直動アクチュエータは、大型で重量の大きいワークの搬送を対象 とした直動アクチュエータであり、そのようなワークを高速度で搬送して高精度 に位置決めするためには、アクチュエータに高い剛性が必要とされる。特に、ワ ークと直動案内部とを結合するキャリッジはワークの荷重を直接的に受ける部材 であることから、直動アクチュエータの剛性を決定する重要な要素になっている 。そこで、本実施例にあっては、直動アクチュエータの剛性を高くするのに適し た構造にすることに特に意を用いてある。
【0050】 その一は、ハウジング本体2の底部の肉厚部に多くの軸方向の貫通孔7を設け て中空構造としたことである。これにより、軽量で且つ高剛性を得ている。 その二は、キャリッジ20の直接にワーク重量が負荷されるワーク取付座面2 4aを、直動案内装置10の案内レール11の真上に位置するように形成したこ とである。これにより、ワーク取付座面24aにかかるワーク重量は、剛性の点 で最も有利な直動案内装置10の軸線上で支持することができて、その結果キャ リッジ20の厚さを薄肉にして軽量化と実質的な直動アクチュエータの高剛性の 両立が果たされている。
【0051】 その三は、キャリッジ20の移動に必要なハウジング1の上面のスリットSの 開口をシールする防塵構造として、前記ハウジング本体2に設けた貫通孔7aを 巧妙に有効利用した可動のシールバンド60を用いている点である。すなわち、 シールバンド60をループ状にしてその端部をキャリッジ20に係止させ、その シールバンド60をキャリッジ20の移動と共に貫通孔7aを経て循環移動させ る構成とし、キャリッジ20の構造を従来例に比べて極めて単純化している。こ れにより、キャリッジ20の剛性を高くとることが可能となり、かつ小型化を果 たすことができる。
【0052】 図5に、他の実施例を示す。 この実施例の直動アクチュエータの防塵構造は、比較的軽荷重の用途の直動ア クチュエータに適したものである。 ハウジング1は、底部と側面部と上面部とが一体的に押し出し成形された軸方 向に長い箱形であり、上面部に軸方向のスリットSが開口している。また床面の 中央には、シールバンド60の通路となる軸方向に延びる浅い溝80が形成され ている。
【0053】 上記ハウジング1の床面に直動案内装置10の案内レール11が配設されてい る。案内レール11は上側が開口した凹形状であり、その相対する両内側面に軸 方向に延びる左右一対のボール転動溝13が形成されている。凹形をした案内レ ール11の中に、ボールねじ装置30のボールねじナット32が軸方向に移動可 能に嵌合されている。この場合は、ボールねじナット32が直動案内装置10の スライダ12をも兼用している。
【0054】 すなわち、ボールねじナット32の左右の両側面には、前記案内レール11の ボール転動溝13に対向して図示しないボール転動溝が形成してあり、それら対 向する両溝でなるボール転動路内を転動する図外の多数のボールを介してボール ねじナット32が案内レール11に嵌合している。 また、ボールねじナット32の左右の両外側面の内側の肉厚部には、前記外側 面のボール転動溝と平行な貫通孔からなるボール循環路が対応させて形成されて いる。また、ボールねじナット32の前後の端面にボルト32Bで固着されてい るエンドキャップ32Eに、前記外側面のボール転動溝と前記ボール循環路とを 連通させる湾曲したボール溝が設けてあり、これらボール転動溝とボール循環路 と湾曲ボール溝とでボール無限循環経路が形成され、このボール無限循環経路内 に転動自在に装着された多数のボールの転動を介して、ボールねじナット32が 案内レール11に案内されて円滑に直線移動する。
【0055】 上記のボールねじナット32がボールを介して螺合しているボールねじ軸31 は、ハウジング1の端部の図示されないエンドカバーとモータブラケットとによ り軸受を介して回転自在に支持され、駆動モータで回転駆動される。それに応じ てボールねじナット32が軸方向に直線移動する。 そのボールねじナット32に取り付けたキャリッジ20は、ハウジング1のス リットSの開口幅より幅を狭くした首部20Aを介して天板21がハウジング1 の外に突き出している。
【0056】 防塵装置のシールバンド60は一本だけであり、その端部が上記キャリッジ2 0の首部20Aの端部に係止されてループを形成している。 ハウジング1の端部には、上記第1の実施例の場合と同様に四個のプーリが配 設されており、それら四箇所のプーリに懸け渡されたシールバンド60のループ をキャリッジ20の移動とともに回動させてスリットSの開口をシールしている 。そのループの下部は、ハウジング1の床面の溝80内に収納されてシールバン ドの横ずれが防止されて いるが、上記第1の実施例で示したガイド板63は、ハ ウジング1の長さが短いこの実施例では不要であり、取り付けられてないない。
【0057】 スリットSの開口においては、シールバンド60の両側縁は、スリットSの開 口端面に形成されているシールバンドの案内手段としての溝1aに係合してシー ルバンドの横ずれが防止されるとともに シール性能を高めている。 この実施例によれば、キャリッジ20のワーク取付座面24aに負荷されるワ ーク重量を、上記第1実施例と同様に剛性の点で最も有利な直動案内装置10の 軸線上で支持しており、かつキャリッジ20にはシールバンド60を通す空洞は 設けてないから、直動アクチュエータの高剛性が確保されている。
【0058】 また、ハウジング1に内設されている直動案内装置10,ボールねじ装置30 とともに、防塵用のシールバンド60やこれを支持するプーリ等の防塵構造も一 式だけであり、しかもボールねじ装置30のボールねじナット32が直動案内装 置10のスライダを兼用した構成のため、装置全体を非常に小型で軽量なものに することができる利点がある。
【0059】 なお、上記各実施例においては、シールバンド60をポリウレタン含浸帆布製 の平バンドとしたものを述べたが、これに限定されるものではなく、スチール製 またはプラスチック等のものを利用することができる。 また、例えば、ハウジング端のモータブラケット6等に、小型送風機などの換 気装置を取り付け、ハウジング1内に空気を強制的に送り込んでアクチュエータ の内圧を外部より高くして塵埃の侵入をより一層効果的に防止することができる 。またはその反対に、アクチュエータ内の空気を外部に排出する構成にしてアク チュエータ内を負圧にすることにより、アクチュエータ内部での金属微粉や潤滑 剤微粒子等のは発塵埃を減らしたクリーン対応アクチュエータとすることもでき る。これらの場合、上記各実施例によれば、ハウジングの開口面積が非常に小さ いことから所要空気量を極めて少なくできる。
【0060】 また、上記各実施例においては、ボールねじナット32が角型外形に構成され ているものを示したが、これに限らず、円筒型などに形成することもできる。
【0061】
【考案の効果】
以上、説明してきたように、この考案によれば、軸方向に長いハウジングと、 そのハウジングに内設された直動案内装置と、その直動案内装置を介して軸方向 に移動自在に前記ハウジングに配設されたキャリッジと、そのキャリッジをボー ルねじを介して軸方向に駆動する駆動装置とを備え、前記ハウジングの一面には キャリッジの移動方向に長く開口したスリットを設け、前記キャリッジは前記ス リットを貫通してハウジング外に突出したワーク取付け座面を有している直動ア クチュエータにおいて、前記ハウジングの軸方向の両端部にそれぞれプーリを配 するとともに、シールバンドの一端を前記キャリッジの一端側に固定し、シール バンドの他端は前記プーリを経てハウジングの一端で折り返し、ハウジングの他 端に至って更にプーリを経て折り返して前記キャリッジの他端側に固定してシー ルバンドの可動ループを形成するとともに案内手段によりシールバンドの横ずれ を防止し 、該シールバンドの可動ループで前記スリットの開口をシールした構成 とした。そのため、キャリッジの内部にシールバンドを通す必要はなく、したが ってキャリッジは中実で単純な構造の剛性の高いものにすることができ、小型化 も容易であり、全体としても高剛性でかつ小型・軽量な防塵装置付直動アクチュ エータを提供できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の横断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII −III 線断面図である。
【図4】リニアガイド装置の一部を切り欠いて示す正面
図である。
【図5】本考案の他の実施例の横断面図である。
【図6】従来の直動アクチュエータの一例を示す平面図
である。
【図7】図6の一部を切り欠いて表した正面図である。
【図8】従来の他の直動アクチュエータの防塵構造を示
す縦断面図である。
【図9】図8の要部の拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 10 直動案内装置 20 キャリッジ 24a ワーク取付け座面 30 ボールねじ装置 40 駆動装置 50 プーリ 60 シールバンド S スリット
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 直動アクチュエータの防塵構造
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の横断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII −III 線断面図である。
【図4】リニアガイド装置の一部を切り欠いて示す正面
図である。
【図5】本考案の他の実施例の横断面図である。
【図6】従来の直動アクチュエータの一例を示す平面図
である。
【図7】図6の一部を切り欠いて表した正面図である。
【図8】従来の他の直動アクチュエータの防塵構造を示
す縦断面図である。
【図9】図8の要部の拡大斜視図である。
【符号の説明】 1 ハウジング 10 直動案内装置 20 キャリッジ 24a ワーク取付け座面 30 ボールねじ装置 40 駆動装置 50 プーリ 60 シールバンド S スリット

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に長いハウジングと、該ハウジン
    グに内設された直動案内装置と、該直動案内装置を介し
    て軸方向に移動自在に前記ハウジングに配設されたキャ
    リッジと、該キャリッジをボールねじを介して軸方向に
    駆動する駆動装置とを備え、前記ハウジングの一面には
    キャリッジの移動方向に長く開口したスリットを設け、
    前記キャリッジは前記スリットを貫通してハウジング外
    に突出したワーク取付け座面を有している直動アクチュ
    エータにおいて、 前記ハウジングの軸方向の両端部にそれぞれプーリを配
    するとともに、シールバンドの一端を前記キャリッジの
    一端側に固定し、シールバンドの他端は前記プーリを経
    てハウジングの一端で折り返し、ハウジングの他端に至
    って更にプーリを経て折り返して前記キャリッジの他端
    側に固定してシールバンドの可動ループを形成し、該シ
    ールバンドの可動ループで前記スリットの開口をシール
    したことを特徴とする直動アクチュエータの防塵構造。
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