JPH0778839A - 半導体エピタキシャル成長装置および成長方法 - Google Patents

半導体エピタキシャル成長装置および成長方法

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JPH0778839A
JPH0778839A JP5246899A JP24689993A JPH0778839A JP H0778839 A JPH0778839 A JP H0778839A JP 5246899 A JP5246899 A JP 5246899A JP 24689993 A JP24689993 A JP 24689993A JP H0778839 A JPH0778839 A JP H0778839A
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JP
Japan
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substrate
nitrogen
vacuum chamber
epitaxial layer
epitaxial growth
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JP5246899A
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Kozo Kimura
康三 木村
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶性を劣化させることなく、窒素をII−
VI族化合物半導体エピタキシャル層に導入することが
可能な半導体エピタキシャル成長装置および成長方法を
提供する。 【構成】 窒素ドープII−VI族化合物半導体を基板
2上にエピタキシャル成長させる半導体エピタキシャル
成長装置において、内部に配置された基板2に向けて化
合物半導体の原料を供給する分子線セル3を内部に有す
る真空チャンバ1と、真空チャンバ1に連通し外部から
供給された窒素を励起することにより窒素プラズマを生
成しこれを真空チャンバ1中の基板2に照射するECR
窒素ラジカルビームガン4と、真空チャンバ1とECR
ラジカルビームガン4の連通孔に配置された網目状電極
41と、網目状電極41に正の直流電圧を印加する電源
手段とを備えることによって達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、II−VI族化合物半
導体のエピタキシャル成長装置および成長方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ZnーSe系化合物半導体のエピ
タキシャル成長において、窒素をドーパントに使用して
p型導電性が得られているのは分子線エピタキシ法(以
下、MBE法と略記)によるものだけであり、そのド−
ピング方法も高周波(RF)ないしマイクロ波を印加す
ることにより、又は電子サイクロトロン共鳴(ECR)
により窒素ガスを励起して窒素プラズマを発生し、電気
的に中性で活性な励起種である窒素ラジカルをつくりだ
し、これをエピタキシャル成長層へのド−パントとする
窒素ラジカルド−ピングが唯一の方法である。ここで、
窒素をイオン化してド−ピングしようとする試みもなさ
れたが、エピタキシャル層の結晶性を悪化させるだけで
キャリアの発生は確認されていなかった(K.Ohkawa et
al.:Journal of Crystal Growth 86,(1988)329-334) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の半導体エピタキ
シャル成長方法には、RF、マイクロ波あるいはECR
による窒素ガスの励起でも、例えば、ECR励起により
発生された窒素プラズマの光スペクトルを分析すると、
図4に示すようにN2 + で示される窒素イオンの発光強
度とN2 * で示される窒素ラジカルの発光強度はそれほ
ど差がない。このスペクトルから窒素プラズマ中にかな
りの量の窒素イオンが発生していることは明らかであ
る。この窒素イオンが成長中のエピタキシャル層に照射
されることにより、その結晶性が悪化してド−ピング効
率が低下し、したがってp型で高いキャリア濃度を有す
るエピタキシャル層が得られないという問題点がある。
【0004】本発明の目的は、結晶性に悪化のない窒素
ド−プによるp型II−VI族化合物半導体エピタキシ
ャル層の成長装置及び成長方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明にかかる第1の半導体エピタキシャル成
長装置は、基板上にII−VI族化合物半導体のエピタ
キシャル層を成長させる半導体エピタキシャル成長装置
において、内部に配置された基板に向けてエピタキシャ
ル層の原料を供給するセルを内部に有する真空チャンバ
と、真空チャンバに連通しており、外部から供給された
窒素を励起することにより生成される窒素プラズマ中に
含まれている活性種を基板に照射するビームガンと、ビ
ームガンと基板との間に配置された粒子透過型電極と、
粒子透過型電極に正の電圧を印加する電源手段と具備す
ることとした。あるいは、本発明にかかる第1の半導体
エピタキシャル成長方法は、真空チャンバ内に配置され
た基板上にII−VI族化合物半導体のエピタキシャル
層を成長しつつ真空チャンバと連通しているビームガン
において発生された窒素プラズマ中の活性種をエピタキ
シャル層に照射する成長方法を対象とするものであり、
基板とビームガンとの間に配置されており正の電圧を印
加する粒子透過型電極を通して活性種が照射されること
とした。
【0006】さらに、本発明にかかる第2の半導体エピ
タキシャル成長装置は、基板上にII−VI族化合物半
導体のエピタキシャル層を成長させる半導体エピタキシ
ャル成長装置において、内部に配置された基板に向けて
エピタキシャル層の原料を供給するセルを内部に有する
真空チャンバと、真空チャンバに連通しており、外部か
ら供給された窒素を励起することにより生成される窒素
プラズマ中に含まれている活性種を基板に照射するビー
ムガンと、基板を真空チャンバから絶縁して、基板に真
空チャンバに対して正の電圧を印加する電圧印加手段と
を具備することとした。あるいは、本発明にかかる第2
の半導体エピタキシャル成長装置方法では、真空チャン
バ内に配置された基板上にII−VI族化合物半導体の
エピタキシャル層を成長しつつ真空チャンバと連通して
いるビームガンから発生された窒素プラズマ中の活性種
をエピタキシャル層に照射しつつ、電圧印加手段により
基板を真空チャンバから絶縁して、基板に真空チャンバ
ーに対して正の電圧を印加することとした。
【0007】
【作用】本発明にかかる第1の半導体エピタキシャル成
長装置によれば、ビ−ムガンが窒素プラズマ中の窒素ラ
ジカルと窒素イオンを、正の電圧を印加している粒子透
過型電極を通して成長している半導体エピタキシャル層
に照射する。従って、正に帯電した窒素イオンは正の電
圧が印加された粒子透過型電極と反発し、窒素イオンの
指向性を弱めるので後方に跳ね返され、あるいは窒素イ
オンがエピタキシャル層に到達しても成長層に付着でき
ずド−ピングされない。ところが、電気的に中性な窒素
ラジカルはその指向性を弱められることなくエピタキシ
ャル層表面に付着し、その結晶性を悪化させることなく
効率よく窒素ド−ピングを行い得る。また、本発明にか
かる第1の半導体エピタキシャル成長方法によれば、上
記と同様に粒子透過型電極により正に帯電した窒素イオ
ンの基板への導入を抑止することができる。
【0008】ここで、窒素原子の電離エネルギーは約1
4.5eVであることから、正の電圧は直流で少なくと
も15V以上であるのが好ましく、これにより、正に帯
電した窒素イオンが効率よく跳ね返され得る。
【0009】また、本発明にかかる第2の半導体エピタ
キシャル成長装置によれば、ビ−ムガンが窒素プラズマ
中の窒素ラジカルと窒素イオンを基板に照射する際に、
電圧印加手段により基板を正の電圧を印加しているの
で、正に帯電した窒素イオンが基板内に導入されにく
い。この結果、上記と同様に結晶性を悪化させることな
く効率よく窒素ド−ピングを行うことができる。また、
本発明にかかる第2の半導体エピタキシャル成長方法に
よれば、上記と同様に基板を正の電位に保持しているの
で、正に帯電した窒素イオンの基板への導入を抑止する
ことができる。
【0010】本発明の第1または第2の成長方法によれ
ば、上記の製造装置を実現し得る。特に、窒素ラジカル
は、窒素ガス雰囲気に13.56MHzの高周波、もし
くは2.45GHzのマイクロ波を印加のプラズマによ
り発生する、又は875ガウスの磁界中にある窒素ガス
雰囲気に2.45GHzのマイクロ波を印加することに
より得られる電子サイクロトロン共鳴中に発生するのが
よい。これにより、安定した窒素ラジカルの供給が可能
となり得る。
【0011】
【実施例】以下、本発明の製造装置を実施例に基づいて
詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明の第1実施例にかかる分子
線エピタキシ(MBE)装置の成長室の全体構成を示す
概略図である。図2は、図1における本発明のECRラ
ジカルビームガンの部分拡大図である。
【0013】エピタキシャル層の成長は真空チャンバ1
内で行われる。真空チャンバ1内は、図示しない排気装
置によって残留ガスが追い出され、10-10 Torr以
下の超真空に保持される。このような真空を得るための
排気装置には、ソープション、クライオポンプ、イオン
ポンプ等がよく用いられる。真空チャンバ1内には30
0℃程度に加熱されている(100)ノンドープGaA
sの基板2が置かれ、それぞれの純度が6ナインである
ソース原料Zn、Seの入った分子線セル3とよばれる
容器が出口をチャンバ1内に向けて配置されている。ま
た、エピタキシャル層として成長するZnSe膜をp型
伝導にするために照射する窒素ラジカル発生源として、
ECRラジカルビームガン4が基板2に向けて配置され
ている。ここで、粒子透過型としての網目状電極5に正
の直流電圧を印加し、これをECRラジカルビームガン
4と基板2の間に配置する。また、基板2としては、他
のII−VI族のZnSSe、ZnS、ZnMgSe、
ZnMgSSe等が考えられる。
【0014】本発明における粒子(正イオン)透過型電
極としては、網目状電極の他に各種のものが考えられ
る。例えば、格子状のストライプ電極でもよく、櫛歯状
の電極でもよい。要するに窒素の正イオンに対して電位
障壁を形成し、なおかつ帯電していない活性種を通過さ
せ得るものであれば、その形状は特に問題とならない。
【0015】分子線セル3の代表的なものが、クヌード
センセルである。この分子線セルはBN(窒化ホウ素、
ボロンナイトライドともよばれる)でつくられることが
多いが、グラファイトでつくることもある。クヌードセ
ンセルにはオリフィスとよばれる開口部があり、ここか
ら真空中へ分子が放出される。単位時間に真空中へ放出
される分子の量は、オリフィスの面積とセル内外の圧力
差等によって決まる。また、オリフィスと容器壁のなす
角等により、セルから出た分子が真空中でどのように分
布するかが決まる。真空中での分子の平均自由行程は最
大で100km以上に達する。このことは、通常用いら
れるチャンバの大きさでは、分子は他の分子とほとんど
衝突することなく直進することを意味する。
【0016】ここで、基板2に到達したZn、Se、
N、N2 * 、N* 、N2 + 等の分子、原子あるいは活性
種がp型の半導体層を形成していく過程について考える
ことにする。一般的に固体表面に到達した分子や原子が
表面に捕えられる現象は、吸着の問題として扱われる。
基板表面に到達しても捕らえられることなく再び気体と
なって基板から離れることを、脱離という。基板表面に
到達した分子のうち、化学吸着されるものの割合を付着
係数という。化学吸着はイオン結合や共有結合等の化学
結合に近い力によって、分子が表面に結合されるもので
ある。実際に半導体の層が形成されていくときには、物
理吸着や化学吸着が複雑に働いている。ある物質の付着
係数も、表面の状態や同時に供給される他の物質によっ
て著しく変化する。
【0017】これにより、基板2にZnSeエピタキシ
ャル層が成長している際に、ECRにより発生した窒素
プラズマ中に存在する活性種はN2 * 、N* 、N2 +
るいはN+ である。これらをECRラジカルビームガン
4により照射すると結晶性を悪化する活性種N2 + 、N
+ は正電荷を帯びているために同じく正の直流電圧が印
加された電極5を通過する際に反射されるか、あるいは
透過しても照射エネルギが弱まる。従って、結晶性を悪
化させることなくp型のZnSeエピタキシャル層を形
成し得る。
【0018】また、窒素プラズマの発生はECRだけで
なく、13.56MHzの高周波あるいは2.45GH
zのマイクロ波の印加による方法も可能である。
【0019】本発明の製造方法によれば、上記のような
p型のZnSeエピタキシャル層を形成し得る。
【0020】以下、本発明者による製造方法の実験例を
示す。
【0021】窒素ラジカル発生源にECRラジカルビー
ムガンを使用して、窒素ドープZnSeエピタキシャル
層を成長した場合を示す。基板として(100)ノンド
ープGaAsを用い、ソース原料として純度6ナインの
Znおよび純度6ナインのSeを用いた。また、ECR
ラジカルビームガンには純度6ナインの窒素ガスを使用
した。
【0022】MBE成長条件は以下に示すとおりであ
る。
【0023】基板温度:300℃ 基板サーマルクリーニング温度:580℃ ビームフラックス強度 :Zn 8×10-7To
rr Se 1.5×10-6Torr ZnSe層成長速度:0.75μm/時間 窒素ガス供給量:0.05sccm マイクロ波入射電力:50W 上記条件でGaAs基板上に約1.5μmの厚みの窒素
ドープZnSeエピタキシャル層を網目状電極印加電圧
を+18Vと0Vの2条件で成長した。得られたエピタ
キシャル層に金電極を形成し室温においてC−V測定を
行い、そのキャリア濃度を求めた結果を以下に示す。
【0024】
【表1】
【0025】また、図3に液体ヘリウム温度において測
定したフォトルミネッセンススペクトルを示す。(a)
は網目状電極に+18Vの直流電圧を印加して成長した
エピタキシャル層、(b)は印加電圧0Vで成長したエ
ピタキシャル層のスペクトルである。(a)ではドナー
・アクセプター対による発光とそのフォノンレプリカに
よるピークが分離して現れているのに対して、(b)で
はブロードなピークが1つあるだけである。(b)のス
ペクトルは一般にエピタキシャル層中に窒素原子が過剰
にドーピングされたときのパターンである。そこで、2
次イオン質量分析法により窒素原子濃度を求めた。結果
を以下に示す。
【0026】
【表2】
【0027】窒素原子濃度は電極印加電圧が0Vの方が
多くなっており、フォトルミネッセンスの結果と一致し
ている。上記測定結果より、キャリア濃度は編目状電極
に電圧を印加することにより増加し、またドーピング効
率(キャリア濃度/窒素原子濃度)も10%から55%
に改善されたことが明らかになった。
【0028】上記のように、本発明の第1の実施例によ
れば、網目電極41に正の直流電圧を印加することによ
り、これを通過する窒素イオン数を低減することができ
る。これにより、窒素ラジカルの数に対して基板2に導
入される窒素イオンの数を低減させることができ、従っ
て、上記のエピタキシャル成長において結晶性を劣化さ
せることなくp型層を形成することが可能である。そし
て、上記の測定結果により、かかる成長装置を用いれ
ば、窒素原子の導入により形成されるp型層の活性化率
を向上させることができた。
【0029】次に、本発明の第2実施例にかかる半導体
エピタキシャル成長装置を図5を用いて説明する。
【0030】真空チャンバ10内には、マニピュレータ
21が絶縁体80を介して真空チャンバ10内に固定さ
れている。マニピュレータ21には基板20が固定され
ている。なお、真空チャンバ10内は液体窒素シュラウ
ド5で冷却されている。また、真空チャンバ10内に
は、基板20の表面に対向するように分子線セル30
a,30bが設置されている。分子線セル30a,30
bと基板20との間には分子線セルシャッター31a,
31bがそれぞれ設けられており、分子線セル30a,
30bからの分子線の出射量を制御している。マニピュ
レータ21は、これに固定された基板20を加熱、回転
するものである。そして、基板20上に分子線セル30
a,30bからそれぞれZn分子線、Se分子線を照射
するとともに、基板20に真空チャンバ10に連通した
ECRラジカルビームガン40から窒素ラジカルビーム
を供給することにより基板20上にZnSeエピタキシ
ャル層を成長させる。なお、真空チャンバ10はグラン
ドレベルに落とされている。
【0031】この際、マニピュレータ21には、これに
接続された電源90から+20ボルトの電圧が印加され
ており、基板20はグランドから20ボルト高い電位に
引き上げられている。このように、基板20を正電位に
保持しておくと、ECRラジカルビームガン40から供
給される窒素ラジカルは基板に導入されるが、正に帯電
した窒素イオンは基板に導入されにくい。
【0032】さらに、上記の装置を用いてGaAs基板
上に窒素ドープのZnSeエピタキシャル層を成長させ
た。
【0033】基板20には(100)アンドープGaA
s基板を用い、分子線セル30a,30b内のソース原
料には、純度6ナインのZnと純度6ナインのSeとを
それぞれ用いた。また、ECRラジカルビームガン40
には、純度6ナインの窒素ガスを使用した。
【0034】なお、このMBE成長の条件を以下に示
す。
【0035】 基板温度 300℃ 基板サーマルクリーニング温度 570℃ ビームフラックス強度 Zn 8.0×10
-7Torr Se 1.5×10-6Torr ZnSe層成長速度 0.7μm/時間 窒素ガス供給量 0.05sccm マイクロ波入射電力 50W マニピュレータ印加電圧 +20V 上記の条件でGaAs基板上に厚さ約1.4μmの窒素
ドープZnSeエピタキシャル層をマニピュレータ21
への印加電圧あり、なしの2条件で作製した。そして、
得られた窒素ドープZnSeエピタキシャル層に金電極
を形成し、室温においてC−V測定を行い、窒素ドープ
ZnSeエピタキシャル層内のキャリア濃度を求めた。
その結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】このときのキャリア濃度を2次イオン質量
分析(SIMS)法を用いて求めた。この結果を表4に
示す。
【0038】
【表4】
【0039】これらの結果から、窒素原子濃度はマニピ
ュレータ21に直流電圧を印加した場合の方が少なくな
ってことが判る。これは、正に帯電した窒素イオンの一
部がクーロン力により、正の電圧が印加された基板20
と反発して基板20に導入されなかったことに起因して
いると考えられる。
【0040】窒素イオンに代えて基板20に導入された
窒素ラジカルの振動温度は、約4500Kと見積もるこ
とが可能であり、また運動エネルギーは1eV以下であ
るので、窒素ラジカルは電気伝導に寄与するp型のキャ
リアとして機能するとともに、結晶へ与えるダメージも
小さい。このように、ECRラジカルビームガン40か
ら基板20に照射された窒素原子または分子の中、正に
イオン化した窒素原子や分子が導入される割合が減少
し、窒素ラジカルの導入される割合が増加すると、キャ
リアの活性化率が増加する。上記の実施例の場合にはこ
のように正にイオン化した窒素原子や分子の基板20へ
の導入を抑止し、単位導入量あたりの窒素ラジカルの導
入量を増加させることにより、キャリアの活性化率は電
圧を印加しない場合の10%から40%に改善された。
また、上記の窒素ドープZnSeエピタキシャル層の液
体窒素温度におけるフォトルミネッセンススペクトルも
図3と同様のスペクトルが得られた。
【0041】なお、本実施例においてはII−VI族化
合物半導体としてZnSeを用いたが、これにはZnS
Se、ZnCdSe、ZnMgSSe等が適用され得
る。また、本実施例では窒素プラズマはECRによって
生成したが、これは上記第1実施例と同様に13.56
MHzの高周波あるいは2.45GHzのマイクロ波の
印加による方法より生成することも可能である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基板上にエピタキシャル層を成長させる際に、ビ−ムガ
ンにより照射された活性種等が正の電圧が印加された粒
子透過型電極を通過するので、正に帯電している窒素イ
オンは反射されるか透過しても照射エネルギを奪われ、
基板に到達しても脱離してドーピングされない。従っ
て、ドーピング効率の著しい改善が可能となり、結晶性
のよい窒素ドープII−VI族化合物半導体エピタキシ
ャル層を形成し得る。
【0043】また、基板に正の電圧を印加することによ
っても、ビームガンから照射され正に帯電した窒素イオ
ンはクーロン力による反発を受けて基板に導入されにく
い。よって、窒素ラジカルが基板に導入される割合が増
加して、活性化率(ドーピング効率)が増加する。しか
も、エピタキシャル層の結晶性は良好に保たれているの
で、キャリアの移動度を向上させることができるととも
に、シート抵抗を低減することができ、以て、ZnSe
系半導体レーザの室温連続発振等が可能となる。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の分子線エピタキシ(MBE)
装置成長室構成の概略を示す図である。
【図2】図2は、図1における本発明のECRラジカル
ビームガンの部分拡大図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施例に係る窒素ドープ
ZnSeエピタキシャル層の液体ヘリウム温度でのフォ
トルミネッセンススペクトルである。(a)は網目状電
極に+18Vの直流電圧を印加して成長したエピタキシ
ャル層のスペクトルを示す図であり、(b)は電圧を印
加せずに成長したエピタキシャル層のスペクトルを示す
図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施例に係るECR印加
による窒素プラズマの発光分光スペクトルであり、N2
* は窒素分子ラジカルの発光ピークを、N* は窒素原子
ラジカルの発光ピークを、N2 + は窒素分子イオンの発
光ピークを示す図である。
【図5】図5は、本発明の分子線エピタキシ(MBE)
装置成長室構成の概略を示す図である。
【符号の説明】
1,10…真空チャンバ、2,20…基板、21…マニ
ピュレータ、3…分子線セル、4…ECRラジカルビー
ムガン、5…液体窒素シュワルド、30a,30b…分
子線セル、31a,31b…分子線セルシャッター、4
0…ECRラジカルビームガン、41…網目状電極、4
2…オリフィス、43…永久磁石、44…マイクロ波導
入用アンテナ、45…冷却水導入口、46…窒素ガス導
入口、47…冷却水取り出し口、80…絶縁体、90…
電源。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にII−VI族化合物半導体のエ
    ピタキシャル層を成長させる半導体エピタキシャル成長
    装置において、 内部に配置された前記基板に向けて前記エピタキシャル
    層の原料を供給するセルを内部に有する真空チャンバ
    と、 前記真空チャンバに連通しており、外部から供給された
    窒素を励起することにより生成される窒素プラズマ中に
    含まれている活性種を前記基板に照射するビームガン
    と、 前記ビームガンと前記基板との間に配置された粒子透過
    型電極と、 前記粒子透過型電極に正の電圧を印加する電源手段とを
    備えることを特徴とする半導体エピタキシャル成長装
    置。
  2. 【請求項2】 基板上にII−VI族化合物半導体のエ
    ピタキシャル層を成長させる半導体エピタキシャル成長
    装置において、 内部に配置された前記基板に向けて前記エピタキシャル
    層の原料を供給するセルを内部に有する真空チャンバ
    と、 前記真空チャンバに連通しており、外部から供給された
    窒素を励起することにより生成される窒素プラズマ中に
    含まれている活性種を前記基板に照射するビームガン
    と、 前記基板を前記真空チャンバから絶縁して、前記基板に
    前記真空チャンバに対して正の電圧を印加する電圧印加
    手段と、を備えることを特徴とする半導体エピタキシャ
    ル成長装置。
  3. 【請求項3】 前記ビームガンが前記窒素を励起するた
    めに印加される高周波が13.56MHzであることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体エピ
    タキシャル成長装置。
  4. 【請求項4】 前記ビームガンが前記窒素を励起するた
    めに印加されるマイクロ波が2.45GHzであること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体エ
    ピタキシャル成長装置。
  5. 【請求項5】 前記ビームガンが875ガウスの磁界お
    よび2.45GHzのマイクロ波を前記窒素に印加して
    生ずる電子サイクロトロン共鳴により励起するよう構成
    されていることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の半導体エピタキシャル成長装置。
  6. 【請求項6】 前記電源手段が印加する正の電圧が+1
    5V以上であることを特徴とする請求項1に記載の半導
    体エピタキシャル成長装置。
  7. 【請求項7】 真空チャンバ内に配置された基板上にI
    I−VI族化合物半導体のエピタキシャル層を成長しつ
    つ前記真空チャンバと連通しているビームガンから発生
    された窒素プラズマ中の活性種をエピタキシャル層に照
    射する半導体エピタキシャル成長方法において、前記基
    板と前記ビームガンとの間に配置されており正の電圧を
    印加する粒子透過型電極を通して前記活性種が照射され
    ることと特徴とする半導体エピタキシャル成長方法。
  8. 【請求項8】 真空チャンバ内に配置された基板上にI
    I−VI族化合物半導体のエピタキシャル層を成長しつ
    つ前記真空チャンバと連通しているビームガンから発生
    された窒素プラズマ中の活性種をエピタキシャル層に照
    射しつつ、電圧印加手段により前記基板を前記真空チャ
    ンバから絶縁して、前記基板に前記真空チャンバに対し
    て正の電圧を印加することを特徴とする半導体エピタキ
    シャル成長方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5865897A (en) * 1994-06-09 1999-02-02 Sony Corporation Method of producing film of nitrogen-doped II-VI group compound semiconductor

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