JPH077927B2 - フェーズドアレーアンテナ - Google Patents

フェーズドアレーアンテナ

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JPH077927B2
JPH077927B2 JP1223875A JP22387589A JPH077927B2 JP H077927 B2 JPH077927 B2 JP H077927B2 JP 1223875 A JP1223875 A JP 1223875A JP 22387589 A JP22387589 A JP 22387589A JP H077927 B2 JPH077927 B2 JP H077927B2
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渉 中條
久雄 岩崎
交二 安川
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株式会社エイ・ティ・アール光電波通信研究所
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、フェーズドアレーアンテナに関する。
[従来の技術] 従来、移動体衛星通信システムの自動車等の陸上移動局
アンテナ及び衛星搭載用アンテナとして、小型・軽量で
あって振動に耐えることができるとともに、相手局を追
尾するために広角かつ高速でビーム走査を行うことがで
き、しかも通信条件に応じて所望形状のビームパターン
の形成を行える高性能・高機能のアンテナが要求されて
いる。これらの要求は、一般に、放射方向を変化させる
ビーム走査のために複数のアンテナが並置されたフェー
ズドアレーアンテナにおいて、ビーム方向が所望の方向
になるように、上記複数のアンテナを用いて送受信する
各送信無線信号又は各受信無線信号の位相を適当に移相
させることによって実現できる。
第5図は、従来の受信フェーズドアレーアンテナ(以
下、第1の従来例という。)のブロック図である。
第5図において、2個のアンテナ素子1,2で受信された
無線信号はそれぞれ、受信された無線信号のみを通過さ
せる帯域通過フィルタ(BPF)3,4及び移相器5,6を介し
て加算器7に入力される。加算器7は、入力された2つ
の無線信号を加算してデータ復調器8に出力し、これに
応答してデータ復調器8は入力された信号をデータ信号
に復調する。
以上のように構成された受信フェーズドアレーアンテナ
において、移相器5,6の移相量を適当に変化することに
よって、当該フェーズドアレーアンテナのビーム方向を
制御することができる。しかしながら、アナログ信号を
処理する移相器5,6を用いているので、高い精度で位相
を制御する場合や処理する信号の周波数が高くなると、
当該移相器の挿入損失が増大するとともに、当該移相器
が複雑になりかつ大型になるという問題があった。さら
に、所望の指向特性を得るために、各アンテナ素子1,2
で受信された信号の振幅を制御する場合、可変利得増幅
器などの振幅調整器を設ける必要がある。従って、当該
振幅及び位相を自由に制御するためには、当該移相器及
び振幅調整器を含むアナログ回路、並びに該アナログ回
路を制御する制御回路がさらに、複雑かつ大型になると
いう問題点があった。
これらの問題点を解決し、例えば球面アレーのようなコ
ンフォーマルアレーアンテナのビーム制御、干渉波や雑
音の抑圧を行うためのアダプティブなパターンのヌル形
成、及び低サイドローブ特性の形成を行うために、各ア
ンテナ素子で受信される信号の振幅と位相を高精度でか
つ自由に制御できる受信フェーズドアレーアンテナ(以
下、第2の従来例という。)が提案されている。
第6図はレーダなどに適用される第2の従来例の受信フ
ェーズドアレーアンテナのブロック図である。
第6図において、各アンテナ素子11,21で受信された各
無線信号がIF信号に変化された後、各IF信号がアナログ
/デジタル変換(以下、A/D変換という。)器17,27によ
ってデジタルIF信号に変換され、各デジタルIF信号がそ
れぞれ、局部発振器35から出力されIF周波数と同一の周
波数を有する局部発振信号S0及び該信号S0の位相が移相
器36によって90度だけ移相された信号を用いて、混合器
31乃至34及び低域通過フィルタ(LPF)41乃至44によっ
て、I信号及びQ信号に変換される。各I信号及び各Q
信号の位相及び振幅はそれぞれ、移相器51乃至54及び可
変利得増幅器61乃至64によって制御された後、各I信号
及び各Q信号が加算器65乃至67によって加算されて、デ
ータ復調器19に出力される。
以上のように構成された受信フェーズドアレーアンテナ
において、A/D変換器17,27から出力されるデジタルIF信
号S1,S2及び局部発振信号S0が次式で表されるとする
と、 S1=sin(ωt+a) …(1) S2=sin(ωt+b) …(2) S0=cos(ωt) …(3) 低域通過フィルタ41,43,42,44からそれぞれ出力される
I信号S11,S21及びQ信号S12,S22は次式で表される。
S11=sin(a) …(4) S21=sin(b) …(5) S12=cos(a) …(6) S22=cos(b) …(7) ここで、移相器51,52の移相量が(c−a)[rad]とな
り、かつ移相器53,54の移相量が(c−b)[rad]とな
るようにビーム方向の制御を行うことによって、増幅器
61,63からそれぞれ出力されるI信号S11p,S21p、及び増
幅器62,64からそれぞれ出力されるQ信号S12p,S22pは次
式のようになる。
S11p=S21p=sin(c) …(8) S12p=S22p=cos(c) …(9) なお、ここで、説明の便宜上、増幅器61乃至64の利得を
それぞれ1としている。これら4つの信号S11p,S21p,S
12p,S22pを加算器65乃至67によって合成することによ
り、合成された信号S3は次式で表される。
S3=[{2sin(c)}+{2cos(c)}1/2 =2 …(10) 従って、2個のアンテナ素子11,21を用いたこの受信フ
ェーズドアレーアンテナの処理利得として3dBが得られ
ることがわかる。
この第2の従来例の受信フェーズドアレーアンテナにお
いては、A/D変換器17,27以降の信号をすべてデジタル処
理することができるので、位相及び振幅の制御を、第1
の従来例に比較し高い精度で行うことができるという利
点を有している。
[発明が解決しようとする課題] 第6図に示された第2の従来例の受信フェーズドアレー
アンテナをレーダに適用した場合、レーダでは自ら送信
した信号を受信するためにレーダ内部に正確な基準搬送
波信号を有しているので、この基準搬送波信号を局部発
振信号S0として用いることにより、自ら受信しある反射
物体で反射された信号を正確な周波数で受信することが
できる。しかしながら、2地点間の一般の通信システム
においてこの第2の従来例の受信フェーズドアレーアン
テナを用いたときに、局部発振器35の周波数安定度が低
い場合、相手局から送信される無線信号を正確な周波数
で受信できなくなるという問題点があった。
また、例えば同期式のデータ伝送方式では、受信された
信号からデータ信号を復調するためにクロック信号を再
生し、送信局でのシンボル送信のタイミングに正確にあ
わせて受信信号をサンプリングする必要がある。
一般に、データ信号で変調された無線信号から基準搬送
波信号やクロック信号を再生するとき、周波数と位相の
誤差を小さくし正確に再生するためには、高い搬送波電
力対雑音電力比(C/N)が必要とされる。また、ビーム
制御を行うためのI信号及びQ信号を生成するために、
上述のように送信周波数に精確に一致した基準搬送波信
号が必要である。さらに、無線信号に変調されたデータ
信号を小さい誤り率で復調するためには、位相誤差の小
さい基準搬送波信号とクロック信号が必要となる。
本発明の第1の目的は以上の課題を解決し、受信信号か
ら生成されたI信号及びQ信号を用いて位相制御を行う
フェーズドアレーアンテナにおいて、送信周波数に精確
に一致した基準搬送波信号を発生して、受信信号を正確
に受信することができ、かつ高い搬送波電力対雑音電力
比(C/N)を有する受信信号を得ることができるフェー
ズドアレーアンテナを提供することにある。
本発明の第2の目的は上記第1の目的に加えて、無線信
号に変調されたデータ信号を復調するためのクロック信
号を発生し、データ信号を従来に比較し小さい誤り率で
復調することができるフェーズドアレーアンテナを提供
することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明に係るフェーズドアレーアンテナは、複数のアン
テナ素子と、互いに90度の位相差を有する2個の局部発
振信号を用いて、上記各アンテナ素子で受信される、デ
ータ信号で変調された各無線信号からそれぞれ、上記無
線信号よりも低い周波数を有して互いに90度の位相差を
有する第1と第2の信号に変換する複数の変換手段と、
所望のビーム方向が得られるように上記各変換手段から
出力される各第1と第2の信号の位相をそれぞれ変化す
る複数の移相手段と、上記各移相手段からそれぞれ出力
される各第1と第2の信号を合成して合成信号を出力す
る合成手段とを備えたフェーズドアレーアンテナにおい
て、上記各移相手段から出力される各第1と第2の信号
をそれぞれ乗算する複数の乗算手段と、上記各乗算手段
から出力される信号を加算する加算手段と、上記加算手
段から出力される信号から上記局部発振周波数の周波数
と同一の周波数を有する基準搬送波信号を再生する再生
手段を備え、上記再生手段から出力される基準搬送波信
号を上記各変換手段における1つの局部発振信号として
用いることを特徴とする。
また、上記フェーズドアレーアンテナは、上記再生手段
から出力される基準搬送波信号からクロック信号を再生
するクロック信号再生手段をさらに備えたことを特徴と
する。
さらに、上記フェーズドアレーアンテナは、上記各移相
手段と上記各合成手段との間、又は上記各変換手段と上
記各移相手段との間に設けられ、所望の指向特性が得ら
れるように上記各移相手段又は上記各変換手段から出力
される各信号の振幅をそれぞれ変化する複数の振幅変化
手段をさらに備えたことを特徴とする。
[作用] 以上のように構成することにより、上記各変換手段は、
互いに90度の位相差を有する2個の局部発振信号を用い
て、上記各アンテナ素子で受信される、データ信号で変
調された各無線信号からそれぞれ、上記無線信号よりも
低い周波数を有し互いに90度の位相差を有する第1と第
2の信号に変換し、上記各移相手段は、所望のビーム方
向が得られるように上記各変換手段から出力される各第
1と第2の信号の位相をそれぞれ変化し、上記合成手段
は、上記各移相手段からそれぞれ出力される各第1と第
2の信号を合成して合成信号を出力する。さらに、上記
各乗算手段は、上記各移相手段から出力される各第1と
第2の信号をそれぞれ乗算した後、上記加算手段は、上
記各乗算手段から出力される信号を加算する。次いで、
上記再生手段は、上記加算手段から出力される信号から
上記局部発振周波数の周波数と同一の周波数を有する基
準搬送波信号を再生し、上記再生手段から出力される基
準搬送波信号を上記各変換手段における1つの局部発振
信号として用いる。
このフェーズドアレーアンテナにおいて、各アンテナ素
子で受信された各無線信号から得られた上記各第1と第
2の信号における搬送波電力対雑音電力比(C/N)は比
較的低い。しかしながら、上記各乗算手段によって乗算
した後上記加算手段によって加算された信号、すなわち
各無線信号の誤差信号を加算した信号を用いて、上記再
生手段により再生しているので、位相誤差が小さい基準
搬送波信号を再生することができるとともに、上記各第
1と第2の信号を正確に生成することができる。
また、上記基準搬送波信号からクロック信号を再生する
上記クロック信号再生手段を備えることにより、位相誤
差の小さいクロック信号を再生することができる。従っ
て、このクロック信号を用いて、上記合成手段から出力
される信号から従来例に比較して極めて小さい誤り率で
上記データ信号を復調することができる。
さらに、所望の指向特性が得られるように上記各第1と
第2の信号の振幅を変化する上記各振幅変化手段を備え
ることにより、所望の指向特性を得ることができるとい
う利点がある。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明による実施例について説明
する。
第1の実施例 第1図は本発明の第1の実施例である受信フェーズドア
レーアンテナのブロック図であり、第1図において、第
6図と同一のものについては同一の符号を付している。
この第1の実施例の受信フェーズドアレーアンテナは、
受信信号から生成されたI信号及びQ信号を用いてビー
ム方向を制御するビーム方向制御部100から出力される
I信号とQ信号を乗算し、乗算された各信号を加算し、
加算された信号に基づいて、基準搬送波信号Scを再生す
ること、並びに、上記再生された基準搬送波信号Scに基
づいて上記I信号、Q信号及びクロック信号を生成する
ことを特徴としている。なお、この受信フェーズドアレ
ーアンテナにおいて受信される無線信号は、送信側でデ
ータ信号で変調されている。
第1図において、2個のアンテナ素子11,21で受信され
た無線信号はそれぞれ、高周波低雑音増幅器12,22を介
して混合器13,23に入力され、局部発振器20から入力さ
れる局部発振信号と混合されてIF信号に変換された後、
各IF信号が帯域通過フィルタ14,24、及びIF増幅器15,25
を介してA/D変換器17,27に入力される。
A/D変換器17,27はそれぞれ、入力されたIF信号をA/D変
換して、A/D変換されたデジタルIF信号S1,S2をそれぞれ
混合器31,32、混合器33,34に出力する。混合器31,33は
それぞれ、デジタルIF信号と後述する電圧制御型発振器
(VCO)114から発生される基準搬送波信号Scを乗算し
て、所定の低域成分のみを通過させる低域通過フィルタ
41,43を介して、ビーム方向制御部100の移相器51,53に
出力する。また、混合器32,34はそれぞれ、デジタルIF
信号と、上記基準搬送波信号Scから移相器36で90度だけ
移相された信号を乗算して、所定の低域成分のみを通過
させる低域通過フィルタ42,44を介して、ビーム方向制
御部100の移相器52,54に出力する。
ビーム方向制御部100は、入力される各信号を所定の移
相量だけ移相させる4個の移相器51乃至54と、移相器51
乃至54から出力される信号の振幅を変化させる4個の可
変利得増幅器61乃至64と、入力装置60で入力されたビー
ム方向に基づいて移相器51乃至54及び増幅器61乃至64に
おける移相量及び振幅調整量を演算して、当該受信フェ
ーズドアレーアンテナのビーム方向が上記入力されたビ
ーム方向となるように上記移相器51乃至54及び増幅器61
乃至64を制御する演算制御回路50とを備える。
増幅器61,62から出力される各信号は加算器65に入力さ
れて加算された後、加算された信号が加算器67に入力さ
れる。また、増幅器63,64から出力される各信号は加算
器66に入力されて加算された後、加算された信号が加算
器67に入力される。さらに、加算器67は、入力される2
つの信号を加算した後、加算された合成信号S3をデータ
復調器68に出力し、データ復調器68は入力された合成信
号S3をデータ信号に復調して出力する。
一方、増幅器61,62から出力される各信号は混合器110に
入力されて乗算された後、乗算された信号が加算器112
に入力される。また、増幅器63,64から出力される各信
号は混合器111に入力されて乗算された後、乗算された
信号が加算器112に入力される。さらに、加算器112は、
入力された2つの信号を加算した後、所定の低域成分の
みを通過させる低域通過フィルタ(LPF)113を介して電
圧制御型発振器114に出力する。電圧制御型発振器114
は、IF周波数と概ね同一の自走発振周波数を有し、入力
される誤差信号に対応した周波数を有する基準搬送波信
号Scを発生して、ビーム方向の制御のために用いられる
IF信号及びQ信号を生成するための局部発振信号とし
て、混合器31,33及び移相器36に出力する。
以上の混合器31乃至34から電圧制御型発振器114までの
回路で基準搬送波再生部を構成し、この基準搬送波再生
部におけるフィードバックループは、加算器112から出
力される誤差信号の振幅がゼロとなり、電圧制御型発振
器114から出力される基準搬送波信号Scの周波数と位相
が、加算器67から出力される合成信号S3からデータ信号
のみが得られるように動作する。
クロック再生部300は、公知のクロック再生回路から構
成され、入力された基準搬送波信号Scに基づいてクロッ
ク信号を再生して、データ復調回路68に出力するととも
に、この受信フェーズドアレーアンテナにおける各デジ
タル処理回路に出力する。
以上のように構成された第1の実施例の受信フェーズド
アレーアンテナの動作について以下に説明する。
各アンテナ素子11,21で受信された各無線信号はそれぞ
れ、混合器13,23でIF信号に変換された後、A/D変換器1
7,27でデジタルIF信号に変換される。いま、A/D変換器1
7,27から出力される各デジタルIF信号S1,S2が次式で表
されるものとする。
S1=m(t)sin(ωt+a1) …(11) S2=m(t)cos(ωt+a2) …(12) 次いで、各デジタルIF信号S1,S2はそれぞれ2分配され
た後、電圧制御型発振器114から発生される基準搬送波
信号Sc=cos(ωt+b)と、上記基準搬送波信号Scか
ら90度だけ移相された信号sin(ωt+b)を用いて、
混合器31乃至34によってそれぞれI信号及びQ信号が生
成された後、各信号がそれぞれ低域通過フィルタ41乃至
44を介してビーム方向制御部100の移相器51乃至54に入
力される。ここで、低域通過フィルタ41乃至44から出力
される信号S11,S12,S21,S22は、次式で表される。
S11=m(t)sin(a1−b) …(13) S12=m(t)cos(a1−b) …(14) S21=m(t)sin(a2−b) …(15) S22=m(t)cos(a2−b) …(16) ここで、移相器51,52の移相量が(c−a1)[rad]とな
り、かつ移相器53,54の移相量が(c−a2)[rad]とな
るようにビーム方向の制御を行うことによって、増幅器
61,63からそれぞれ出力されるI信号S11p,S21p、及び増
幅器62,64からそれぞれ出力されるQ信号S12p,S22pは次
式のようになる。
S11p=S21p=m(t)sin(c−b) …(17) S12p=S22p=m(t)cos(c−b) …(18) なお、ここで、説明の便宜上、増幅器61乃至64の利得を
それぞれ1としている。これら4つの信号S11p,S21p,S
12p,S22pを加算器65乃至67によって合成することによ
り、合成された信号S3は次式で表される。
S3=2m(t) …(19) 従って、2個のアンテナ素子11,21を用いたこの受信フ
ェーズドアレーアンテナの処理利得として3dBが得られ
ることがわかる。
このビーム方向制御部100において、例えば受信無線信
号の到来方向が既知の場合、入力装置60を用いて入力さ
れるビーム方向に、当該フェーズドアレーアンテナのビ
ーム方向が向くように移相器51乃至54の移相量が制御さ
れ、一方、受信無線信号の到来方向が未知の場合、上記
各移相量を変化しながらビーム走査を行い、もしくはア
レーアンテナの波源と指向特性との関係がフーリエ変換
で与えられることを利用して演算制御回路50が高速フー
リエ処理を行うことにより受信無線信号のビーム方向を
演算して、複数のビームの中から受信無線信号を捕捉す
ることができる。さらに、特定の方向から受信される干
渉波を除去するための上記各移相量及び振幅調整量を演
算して、当該演算量により移相器51乃至54及び可変利得
増幅器61乃至64を制御することにより、干渉波の方向に
ヌルを形成することができる。
上述の基準搬送波再生部においては、ビーム方向制御部
100の増幅器61,62から出力される各信号が乗算されて得
られる誤差信号と、増幅器63,64から出力される各信号
が乗算されて得られる誤差信号が加算器112によって加
算され、この誤差信号の加算信号は低域通過フィルタ11
3で雑音等が除去されて、電圧制御型発振器114に入力さ
れる。電圧制御型発振器114は、入力される誤差信号に
対応した周波数を有する基準搬送波信号Scを発生して、
ビーム方向の制御のために用いられるI信号とQ信号を
生成するための局部発振信号として混合器31,33及び移
相器36に出力する。この基準搬送波再生部におけるフィ
ードバックループは、加算器112から出力される誤差信
号の振幅がゼロとなり、電圧制御型発振器114から出力
される基準搬送波信号Scの周波数と位相が、加算器67か
ら出力される合成信号S3からデータ信号のみが得られる
ように動作する。
クロック再生部300は、入力された基準搬送波信号Scに
基づいてクロック信号を再生して、データ復調回路68に
出力するとともに、この受信フェーズドアレーアンテナ
における各デジタル処理回路に出力する。加算器67から
出力される合成信号S3はデータ信号m(t)に比例した
信号であり、データ復調回路19は、入力された信号か
ら、クロック再生部300から入力されるクロック信号を
用いてデータ信号を復調して出力する。
この第1の実施例の受信フェーズドアレーアンテナにお
いて、各アンテナ素子11,21で受信された各無線信号か
ら得られたI信号及びQ信号における搬送波電力対雑音
電力比(C/N)は低いが、上述のようにビーム方向制御
部100において位相及び振幅が調整された後合成するこ
とにより、合成信号S3のC/Nは上記I信号及びQ信号のC
/Nに比較し高くなる。本実施例では、ビーム方向制御部
100の増幅器61,62から出力される各信号を乗算し、ま
た、増幅器63,64から出力される各信号を乗算した後、
上記乗算された各誤差信号を加算し、加算された誤差信
号(すなわち、各アンテナ11,21で受信された無心線号
に基づく誤差信号の合成信号)から基準搬送波信号Scを
再生しているので、位相誤差が小さい基準搬送波信号Sc
及びクロック信号を再生することができるとともに、I
信号及びQ信号を正確に生成することができ、さらに、
データ復調回路68においても正確にベースバンド信号を
復調することができる。従って、誤り率の極めて小さい
データ伝送系を構築することができるという利点があ
る。
この第1の実施例の受信フェーズドアレーアンテナにお
いては、デジタル信号処理により位相及び振幅の制御を
行いビーム方向を制御するようにしたので、高精度及び
複雑なビーム方向の制御を行うことができる。従って、
この受信フェーズドアレーアンテナを、例えば移動体通
信用アンテナやコンフォーマルアレーアンテナに適用す
ることができる。
この第1の実施例の回路のうち、A/D変換器17,27以降の
デジタル回路の動作を、デジタル信号プロセッサ(DS
P)のソフトウエアを用いて行うことができる。しかし
ながら、アンテナ素子数を大幅に増加させた場合は、信
号処理の時間が増加し、基準搬送波再生やクロック再生
の処理ループにおいて大きな遅延が生じることが考えら
れる。そこで、デジタル信号処理の演算量の計算を行っ
た。
第3図及び第4図はそれぞれ、受信信号の到来方向が既
知である場合及び未知である場合の、アンテナ素子数に
対するデジタル信号処理の演算量を示すグラフである。
ここで、構成されるアンテナは四角形状で配列された平
面アレーアンテナとし、サンプルレートをシンボルレー
トの8倍とした。また、第3図及び第4図における演算
量の単位FLOPSは、単位時間当たりの演算量を表す単位
である。
受信信号の到来方向が既知である場合には、デジタルフ
ーリエ変換により所望の方向に1本のビームを形成すれ
ばよく、このときのデジタル信号処理の演算量は次式で
表される。
(デジタル信号処理の演算量) =(混合器31乃至34の演算量) +(低域通過フィルタ41乃至44の演算量) +(演算制御回路50におけるデジタルフー リエ変換処理の演算量) +(基準搬送波再生回路における演算量) +(クロック再生部300における演算量) …(20) ここで、基準搬送波再生回路とは、上述の基準搬送波再
生部における混合器110,111、加算器112、低域通過フィ
ルタ113及び電圧制御型発振器114から構成される回路で
ある。
一方、受信信号の到来方向が未知である場合には、所定
の複数の本数のマルチビームを高速フーリエ変換により
形成し、各ビームについて受信信号の捕捉を試みる方法
が考えられる。このときのデジタル信号処理の演算量は
次式で表される。
(デジタル信号処理の演算量) =(混合器31乃至34の演算量) +(低域通過フィルタ41乃至44の演算量) +(演算制御回路50における高速フーリエ変 換処理の演算量)× {(基準搬送波再生回路における演算量) +(クロック再生部300における演算量)} …(20) 現在市販されているDSPの信号処理性能は、10MFLOPS程
度である。一度受信信号を捕捉すれば数本のビーム数で
十分に追尾することができるので、第3図及び第4図の
演算量のグラフから、9乃至16素子程度の移動体衛星通
信用アレーアンテナであってかつデータ伝送速度が音声
等の伝送に必要な16kbpsや24kbps程度であれば、本装置
を十分に実用に供することができることがわかる。
第2の実施例 第2図は本発明の第2の実施例である受信フェーズドア
レーアンテナのブロック図であり、第2図において第1
図と同一のものについては同一の符号を付している。
この第2の実施例の受信フェーズドアレーアンテナが、
第1図の第1の実施例の受信フェーズドアレーアンテナ
と異なるのは、A/D変換の前に、局部発振部85から出力
される局部発振信号を用いて、各アンテナ素子11,21で
受信された無線信号から変換された各IF信号からそれぞ
れ、アナログI信号とアナログQ信号を生成したこと、
上記生成された各アナログI信号と各アナログQ信号を
それぞれA/D変換して各デジタルI信号と各デジタルQ
信号を生成し、各デジタルI信号と基準搬送波信号Scと
の乗算並びに各デジタルQ信号と上記基準搬送波信号Sc
から90度だけ移相された信号の乗算を行った後の各信号
を低域通過フィルタ41乃至44を介して、ビーム方向制御
部100の移相器51乃至54に出力するようにしたことであ
り、以下、構成の相違点について説明する。
第2図に示すように、IF増幅器15から出力されるIF信号
は2分配されて混合器81,82に入力され、混合器81は、
入力されるIF信号と、局部発振器85から出力されIF周波
数と概ね同一の周波数を有する局部発振信号を乗算し
て、不要波を取り除く低域通過フィルタ91を介してA/D
変換器17aに出力し、一方、混合器82は、入力さるIF信
号と、局部発振器85から出力される局部発振信号から移
相器86で90度だけ移相された信号を乗算して、不要波を
取り除く低域通過フィルタ92を介してA/D変換器17bに出
力する。また、IF増幅器25から出力されるIF信号は2分
配されて混合器83,84に入力され、混合器83は、入力さ
れるIF信号と、局部発振器85から出力される局部発振信
号を乗算して、不要波を取り除く低域通過フィルタ93を
介してA/D変換器27aに出力し、一方、混合器84は、入力
されるIF信号と、移相器86から出力される信号を乗算し
て、不要波を取り除く低域通過フィルタ94を介してA/D
変換器27bに出力する。これらの混合器81乃至84及び低
域通過フィルタ91乃至94の処理によって、IF信号をゼロ
周波数付近の成分に変換することができる。
A/D変換器17a,17b,27a,27bはそれぞれ、入力された信号
をA/D変換して、混合器31乃至34に出力する。
混合器31,33はそれぞれ、入力された信号と、電圧制御
型発振器114から出力される基準搬送波信号Scを乗算し
て、不要波を取り除く低域通過フィルタ41,43を介し
て、ビーム方向制御部100の移相器51,53に出力する。ま
た、混合器32,34はそれぞれ、入力された信号と、上記
基準搬送波信号Scから移相器36で90度だけ移相された信
号を乗算して、不要波を取り除く低域通過フィルタ42,4
4を介して、ビーム方向制御部100の移相器52,54に出力
する。
なお、基準搬送波再生回路は第1の実施例と同様の構成
を有するが、当該回路の電圧制御型発振器114の自走周
波数はゼロ周波数付近に設定される。
以上のように構成された第2の実施例の受信フェーズド
アレーアンテナは第1の実施例と同様の効果を有すると
ともに、A/D変換器17a,17b,27a,27b及び電圧制御型発振
器114を上述のように概ねゼロ周波数付近で動作させる
ことができるので、回路の動作周波数を第1の実施例に
比べて低くくすることができ、これにより、量子化ビッ
ト数を大きくすることができるなど、高い精度のデジタ
ル信号処理を行うことができるという利点がある。
他の実施例 以上の第1と第2の実施例においては、2個のアンテナ
素子11,21を用いた一例について述べているが、これに
限らず、本発明は3個以上の複数のアンテナ素子を用い
た受信フェーズドアレーアンテナに適用することができ
る。
以上の第1と第2の実施例のビーム方向制御部100にお
いて、入力される各I信号又は各Q信号の位相をそれぞ
れ移相器51乃至54によって移相した後、各信号の振幅を
それぞれ各増幅器61乃至64によって変化させているが、
これに限らず、各信号の振幅をそれぞれ各増幅器61乃至
64によって変化させた後、各信号の位相を移相器51乃至
54によって移相させるように構成してもよい。また、本
実施例のビーム方向制御部100では、移相器51乃至54の
移相量及び増幅器61乃至64の振幅調整量を制御すること
により、ビーム方向を含む指向特性を制御することがで
きるが、これに限らず、ビーム方向のみを制御する場
合、増幅器61乃至64を設けず、移相器51乃至54のみを設
けてもよい。
以上の第1と第2の実施例において、各アンテナ素子1
1,21で受信された各無線信号から変換された各IF信号を
A/D変換して、I信号及びQ信号の生成、ビーム方向の
制御、並びに基準搬送波の再生の処理を行っているが、
これに限らず、上記各無線信号を直接A/D変換して、変
換されたデジタル信号に対して上記各処理を行うように
してもよい。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、フェーズドアレー
アンテナにおいて、移相制御後の各I信号及びQ信号を
乗算し、乗算された各誤差信号を加算した合成信号から
データ信号の基準搬送波信号を再生し、互いに90度の位
相差を有するI信号とQ信号を生成するための局部発振
信号として用いているので、簡単な構成で、位相誤差が
小さい基準搬送波信号を再生することができるととも
に、上記I信号とQ信号を正確に生成することができる
という利点がある。
また、上記基準搬送波信号からクロック信号を再生する
上記クロック信号再生手段をさらに備えたので、位相誤
差の小さいクロック信号を再生することができる。従っ
て、このクロック信号を用いて、上記合成手段から出力
される合成信号から従来例に比較して極めて小さい誤り
率で、上記データ信号を復調することができるという利
点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る第1の実施例の受信フェーズドア
レーアンテナのブロック図、 第2図は本発明に係る第2の実施例の受信フェーズドア
レーアンテナのブロック図、 第3図は受信信号の到来方向が既知である場合のアンテ
ナ素子数に対する信号処理部の演算量を示すグラフ、 第4図は受信信号の到来方向が未知である場合のアンテ
ナ素子数に対する信号処理部の演算量を示すグラフ、 第5図は第1の従来例の受信フェーズドアレーアンテナ
のブロック図、 第6図は第2の従来例の受信フェーズドアレーアンテナ
のブロック図である。 11,21……アンテナ素子、 13,23……混合器、 14,24……帯域通過フィルタ、 17,27……A/D変換器、 20……局部発振器、 31,32,33,34……混合器、 36……90度移相器、 41,42,43,44……低域通過フィルタ、 51,52,53,54……移相器、 61,62,63,64……可変利得増幅器、 65,66,67……加算器、 100……ビーム方向制御部、 110,111……混合器、 112……加算器、 113……低域通過フィルタ、 114……電圧制御型発振器、 300……クロック再生部。
フロントページの続き (72)発明者 安川 交二 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷5 番地 株式会社エイ・ティ・アール光電波 通信研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のアンテナ素子と、 互いに90度の位相差を有する2個の局部発振信号を用い
    て、上記各アンテナ素子で受信される、データ信号で変
    調された各無線信号からそれぞれ、上記無線信号よりも
    低い周波数を有し互いに90度の位相差を有する第1と第
    2の信号に変換する複数の変換手段と、 所望のビーム方向が得られるように上記各変換手段から
    出力される各第1と第2の信号の位相をそれぞれ変化す
    る複数の移相手段と、 上記各移相手段からそれぞれ出力される各第1と第2の
    信号を合成して合成信号を出力する合成手段とを備えた
    フェーズドアレーアンテナにおいて、 上記各移相手段から出力される各第1と第2の信号をそ
    れぞれ乗算する複数の乗算手段と、 上記各乗算手段から出力される信号を加算する加算手段
    と、 上記加算手段から出力される信号から上記局部発振周波
    数の周波数と同一の周波数を有する基準搬送波信号を再
    生する再生手段を備え、 上記再生手段から出力される基準搬送波信号を上記各変
    換手段における1つの局部発振信号として用いることを
    特徴とするフェーズドアレーアンテナ。
  2. 【請求項2】上記フェーズドアレーアンテナは、 上記再生手段から出力される基準搬送波信号からクロッ
    ク信号を再生するクロック信号再生手段をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1記載のフェーズドアレーアン
    テナ。
  3. 【請求項3】上記フェーズドアレーアンテナは、 上記各移相手段と上記各合成手段との間、又は上記各変
    換手段と上記各移相手段との間に設けられ、所望の指向
    特性が得られるように上記各移相手段又は上記各変換手
    段から出力される各信号の振幅をそれぞれ変化する複数
    の振幅変化手段をさらに備えたことを特徴とする請求項
    1又は2記載のフェーズドアレーアンテナ。
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