JPH078296A - 細菌制御確認試験法、それに用いる培地および容器 - Google Patents

細菌制御確認試験法、それに用いる培地および容器

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JPH078296A
JPH078296A JP5154996A JP15499693A JPH078296A JP H078296 A JPH078296 A JP H078296A JP 5154996 A JP5154996 A JP 5154996A JP 15499693 A JP15499693 A JP 15499693A JP H078296 A JPH078296 A JP H078296A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 充填機から内容物を容器に充填し密閉する工
程、特に無菌充填工程において、製造プラントの納入時
もしくは始動時または装置の修理・補修等の保守点検後
に、該内容物に代えてそれと同等の流動性を有する細菌
検査用培地を少なくとも一部が透明である容器に充填密
閉し、該培地の澄明度変化により該工程中の細菌汚染を
検出し工程の細菌制御状態を確認する。 【効果】 サンプル採取時の二次汚染が防止でき実液充
填と同じ条件で工程の細菌汚染検査が可能となり、また
容器を開封せず外部から目視により容易に培地の澄明度
変化を判定できるので、サンプリング作業が大幅に軽減
され更に検査精度も向上した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無菌性充填等の細菌汚
染を制御して内容物を容器に充填する工程における該工
程の細菌制御確認試験法に関し、特に、製造プラントの
納入時もしくは始動時または装置の修理・補修等の保守
点検後に行う細菌制御状況の確認作業の簡素化を図る細
菌制御確認試験法、それに用いる培地および容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】コーヒー用ポーションパック等、容器充
填後に滅菌または殺菌処理されずに常温・冷蔵流通に付
される内容物の充填は、無菌充填等の細菌汚染を制御し
た充填手段が採用されている。無菌充填の場合、通常、
滅菌機、ライン、サージタンク、アセプテック充填機無
菌室、充填ノズルに至るまでの全工程で無菌性が達成さ
れなければならないので、製造プラントの納入時もしく
は始動時または装置の修理・補修等の保守点検後に無菌
性の確認を実施し製造工程の無菌性を確保しておく必要
がある。
【0003】また、無菌充填に限らず、大腸菌等の特定
の細菌の汚染排除を目的とした充填においても上記工程
における細菌汚染制御を実施する必要がある。
【0004】かかる工程の細菌制御状態を本生産前に確
認する手段の一つは、実際に製品として容器に充填され
る内容液(実液という。)を用いて本生産と同様にして
充填しこれを抜き取り検査(培養検査)するものであ
る。この方法は本生産と同様の条件で工程の細菌制御が
確認できるので一見検査精度が高いようであるが、しか
し、この方法では、検査精度を高めるためには大量の実
液サンプルを採取しなければならず、かつ、細菌検査に
おいては採取サンプルを開封し別に用意した細菌検査用
培地に一定の試料を移し培養試験に供するため、検査労
力が多大であるばかりか、代表サンプル採取の困難性や
二次汚染の可能性があり、現実には検査精度、信頼性が
低く、従って、実液充填で工程の細菌制御が一応確認さ
れても本生産の稼動時間を長くできない(1回の稼動時
間は1時間程度)という問題点がある。
【0005】無菌充填の場合に限らず、細菌汚染を制御
する工程においては工程管理上、実液充填による細菌検
査を実施し汚染の有無を確認する必要があり、同様の問
題点を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の従来
技術の有する問題点に鑑み、製造プラントの納入時もし
くは始動時または装置の修理・補修等の保守点検後に細
菌非汚染の確認を必要とする工程における実液検査に伴
うサンプリングおよび細菌非汚染確認作業の煩雑性、検
査精度の不完全性等の問題点を解決し、実液検査に代え
特定の検査用培地による検査を可能とすることでサンプ
リング作業の大幅な軽減および検査精度の向上を図り、
また、特定の検査用容器を用いることにより工程の細菌
汚染確認作業を大幅に迅速化することを目的とする。
【0007】また、本発明の他の目的は、前記目的を達
成するための検査用培地および検査用容器を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成する本
発明は、充填機から内容物を容器に充填し密閉する工程
の細菌制御確認試験において、該内容物に代えてそれと
同等の流動性を有する細菌検査用培地を工程に導入して
容器に充填密閉し、該培地の澄明度変化により細菌汚染
を検出することで前記工程の細菌制御状態を検証するこ
とを特徴をする細菌制御確認試験法である。この方法に
より、サンプル採取時の二次汚染が防止でき実液充填と
同じ条件で工程の細菌汚染検査が可能となるので、サン
プリング作業が大幅に軽減されかつ検査精度も向上す
る。
【0009】また、本発明は、細菌検査用培地を充填し
密閉した容器の少なくとも一部が透明であることを特徴
とする上記細菌制御確認試験法である。この方法によ
り、培地充填後、容器を開封せず外部から目視等により
容易に培地の澄明度変化を判定できるので、細菌汚染確
認作業を大幅に迅速化でき、更に、充填中や搬送中の容
器内の液揺れや液漏れを観察することができる。
【0010】更に、本発明は、上記細菌制御確認試験法
に用いる、内容物と同等の流動性を有する細菌検査用培
地であり、また、細菌検査用培地を充填密封した少なく
とも一部が透明である容器である。かかる培地は、内容
物と同等の流動性を有しているので、充填時に培地液が
飛散したりカップシールが不可能となることが防止でき
る。
【0011】以下、本発明を詳述する。
【0012】本発明において、充填機から内容物を容器
に充填し密閉する工程とは、密閉された容器内の充填物
の生菌数が一定以下、好ましくは生菌数ゼロに調整され
るように、内容物を充填機から容器に充填する段階で該
内容物の細菌汚染を制御して充填密閉する工程であっ
て、製造プラントの納入時もしくは始動時または装置の
修理・補修時等の保守点検後に細菌非汚染の確認が必要
となる工程をいう。細菌汚染の制御には、内容物を無菌
にする制御の他、大腸菌を陰性とし、一般細菌の汚染を
一定水準以下にするための制御も包含される。容器への
充填密閉後の処理は特に限定されないが、通常は、充填
密閉後には滅菌、殺菌処理が施されない工程が対象とな
る。制御の対象となる細菌の種類の別は問わない。細菌
制御の手段は、加熱滅菌・殺菌、遠心分離・フィルター
による除菌、殺菌剤・静菌剤の使用等、特に限定されな
い。また、上述工程には、細菌汚染制御に係わる全ての
工程が包含され、一般には、内容物の滅菌・殺菌・静菌
工程から、充填機に至るまでのライン〜タンク、充填機
から容器に充填され密閉されるまでの全工程を包含す
る。例えば、無菌充填の場合では、サージタンク、バッ
ファータンク、充填小タンク、アセプテック充填機無菌
室入口〜出口までの工程を包含するものである。内容物
は充填後の内容物の性状は問わず充填時に流動性があ
り、充填後の流通過程が冷蔵または常温であり流通また
は保存中の細菌増殖が問題となる食品類、機能性食品
類、医薬品類等であり、特に限定されない。ソルーショ
ン、サスペンション、エマルジョン、泡、ゲル、それら
の集合物、糸状、帯状ゲル集合物等の状態の食品類、医
薬品類等が包含される。充填後に内容物が固化し流通時
点では固体であってもよい。例えば、ポーションパック
滅菌手段等の無菌性の充填が要求される食品類、牛乳、
乳飲料、果汁等の大腸菌群陰性となる充填が要求される
食品類、医薬用ドリンク、医療用アンプル、医療用点滴
液等を挙げることができる。
【0013】内容物の流動性は、内容物が通常はノズル
により容器内に充填されることからノズル充填が可能な
程度の流動性であり、特に限定されることなく用いる充
填機等により適宜調整されるものである。
【0014】本発明の細菌制御確認試験とは、例えば製
造プラント納入時もしくは始動時、装置の設置時、装置
の補修もしくは改造時、部品の交換時、製造条件の変更
時または微生物的トラブルの発生時等であって、実液に
よる実際の製造を行う前(直前に限定されない)または
行った後(直後に限定されない)に実施するが、本生産
における細菌制御の確保を検証するのに必要な場合には
いつでも実施することができる。
【0015】本発明においては細菌検査用培地の流動性
は該内容物のものと同程度に調整される。培地が内容物
と同等の流動性を有することにより、内容物充填時と同
様に同じ条件下で培地を容器に充填できるので、細菌汚
染制御状態を的確に反映する検査用サンプルを量目のバ
ラツキなく採取することができる。細菌検査用培地が内
容物と同等の流動性を有するとは、完全同一の流動性を
有することが必要である意味ではなく、該培地を内容物
に代えて充填した場合に培地が飛散したりカップシール
不全とならず細菌制御状態の確保が可能となる程度に同
一性のある流動性であって、かかる機能、作用が発揮さ
れる流動性を意味する。流動性はレオロジー的に粘性と
弾性で規定できるが、これらの性質も上記充填の際の機
能、作用が発揮される範囲にあれば特に規定されない。
一つの目安としては粘度70〜250cps程度に相当
する流動性が、上記の機能、作用を発揮させる上で一般
に好ましい。また、充填時の切れの点で一般的には曳糸
性は小さい方が好ましいが、製造対象となる内容物が曳
糸性の大きいものである場合ではそれと同程度の曳糸性
を有するとよい。
【0016】本発明で用いる細菌検査用培地としては、
上述した通り所定の流動性を有していることの他に好ま
しくは、透明性に優れ、抗菌性がないこと等の特性を具
備しているものがよい。培地が透明であれば細菌汚染サ
ンプルの検出が極めて容易になり、また培地に抗菌性が
あれば細菌汚染が生じていても的確に検出できない場合
があるからである。培地は充填時には流動性を示す液体
であるが、充填後は固化しても支障はない。但し、充填
後も液体状であれば、充填時ばかりでなく搬送中の容器
内での液揺れや液漏れの状態の把握が目視にて確認でき
るので、漏洩等のトラブル対策の原因究明に役立てるこ
とができる。尚、液体培地では固体培地と異なり寒天等
の固化剤を含有していないので通常は白濁等は問題とな
らないが、本発明においては粘度を増大させた液体培地
を用いるので、安定剤や増粘剤を用いる必要があり、透
明性や抗菌性の課題が解決されなければらならい。従来
寒天培地の白濁を防止するために寒天に代えてキサンタ
ンガムとローカストビーンガムとを併用する技術(特開
昭62ー186784号公報)等があるが、粘度が比較
的高い液体培地については殆ど知られていない。
【0017】本発明で用いる細菌検査用培地は、基本的
に基礎培地と安定剤からなる。基礎培地は制御対象とな
る細菌の培養に適するものを適宜選択することができ、
例えば、細菌用基礎培地であるブイヨン培地、大腸菌群
検査用の乳糖ブイヨン培地、BGLB培地、ペプトン、
肉汁培地等を用いることができ、上述の観点から好まし
くはペプトン等である。安定剤としては、少なくとも温
水可溶であり、溶液に透明性があり、熱安定性があり、
少量で安定した粘度を呈するものがよく、例えば、ロー
カストビーンガム、グァガム、トラガントガム、カラヤ
ガム等を用いることができるが、前述の観点、即ち透明
性および非抗菌性等から好ましくは精製ローカストビー
ンガム、精製グァガムである。また、実液の流動性によ
っては寒天、ゼラチン等も用いることができる。
【0018】一般細菌の検査用培地の配合としては例え
ば次のようなものである。 (配合比) ・精製食塩 0.5% ・酵母エキス 0.3% ・ペプトン 1.0% ・ブドウ糖 0.5% ・安定剤 0.5〜0.6% ・精製水 97.1〜97.2% (pH6.5〜6.8) (粘度70〜170cps) 培地の調製は、原材料を粉粉混合してこれに加温した水
を加え充分分散、溶解した後、滅菌すればよい。この調
製工程は、内容物の製造工程とは別個に実施してもよい
が、好ましくは実液充填工程の混合ライン、タンク、滅
菌機等を利用すると設備の簡略化を図ることができる。
【0019】次に、本発明で細菌検査用に用いる容器と
しては、原則的には内容物充填に用いる容器即ち実液充
填の容器をそのまま適用することができる。実液充填の
容器を適用することにより、充填工程の製造ラインをそ
のまま使うことができるので、検査資材、設備の簡略化
および労力の軽減を図ることができ、また細菌制御状態
の確認を的確に行うことができる。更に、容器内での液
揺れ等の状態を実液の場合のシュミレーションとして的
確に把握できる。容器は1部材からなるものでも、蓋部
材と本体(底部材)の2部材やそれ以上の数の部材から
なるものであってもよい。
【0020】検査用の容器は好ましくは少なくともその
一部が透明である。透明であると、容器を開封すること
なく内部の培地の性状を外部からの目視観察により容易
に検査できるので、検査効率の大幅な向上を図ることが
できる。例えば、透明な底部分を形成し、それにフィル
ム状の不透明蓋材を熱溶着させた実液用容器の場合は、
これをそのまま検査用容器として用いることにより、透
明な底部分を通して内部の培地を容易に観察することが
でき、また充填中、搬送中の内部の液状態を観察するこ
ともできる。5〜10ml容量程度のアセプティクポー
ションパックの場合は一般に底部分が、PET/OPS
等の不透明材料であり、蓋部分はPET/Al箔等の不
透明材料であるので、そのままでは検査用容器として用
いた場合、容器内部の観察を外部からできない。蓋部分
を検査時に開封して内部の澄明度を検査すればよいが、
開封の手間を省くためには容器の一部は透明であった方
が好ましい。無菌充填の場合は通常無菌室内で容器の滅
菌、成形加工も実施するので底部分を検査用のものと交
換すると作業上煩雑になるので、その場合は蓋部分の材
料を透明材料とする方が選択の幅が広く作業工程上の制
約も少なく好ましい。透明蓋材としては、好ましくは無
菌室内の滅菌手段である例えば過酸化水素(H2O2)に
よる滅菌が可能で、底部分へのシール性および底部分へ
溶着後打ち抜きが容易であるものである。溶着後の打ち
抜きは実液充填の場合に用いる装置をそのまま用いるこ
とができると設備上好都合である。透明蓋部材としは、
PET/OPS等を用いることができる。
【0021】検査用容器の大きさ等は、実液容器のそれ
と同等であるが、例えば、内容量5ml、容器の厚み5
50〜600μm(蓋の厚み25〜30μm)程度が一
般的である。
【0022】
【作用】本発明は例えば次のように作用する(無菌充填
の場合)。
【0023】検査用培地の原料を全て秤量し粉粉混合
し、調合水の内一部(約30%)の温湯(50〜60
℃)を用いて原料を例えばデスパーミルにて溶解後、例
えば直接TKタンクに導入し、一方残りの調合水(約7
0℃)をデスパーミルからTKタンクに導入してTKホ
モミキサー高速回転で全体を均一に混合する(約25分
間)。pH調整し、直接滅菌機(150℃で4秒程度)
で滅菌後、例えばプレート冷却部で冷却する(約10
℃)。
【0024】このもの(一回の検査で必要な量)を、実
液充填ラインである例えばサージタンク〜バファータン
ク〜充填小タンクの経路を経て無菌充填室に導入する。
無菌室内は過酸化水素で滅菌されており、検査用容器
(蓋部材および底部材)も同様に滅菌されている。連続
充填を開始しクッションタンク内のエア−圧等を利用し
て培地を容器を形成した底部材内へ充填する(内容物も
同等の流動性のため該エア−圧を利用した充填が可能と
なる)。充填に供するサンプル数は無菌性判断を精度高
く行うために必要な数であり、例えばノズル70個のも
のでは100〜300ショット(7000〜21000
個)程度のサンプリングを実施するとよい(従来法では
非現実的であったサンプル数も容易に処理できる)。底
部材の底面等にはノズル番号等が印示されていてサンプ
ルを同定することができる。充填後に透明蓋部材を容器
を形成した底部材上面にヒートシールにより溶着し、容
器を密閉した後、無菌室から搬出して検査に都合のよい
形態とする。回収したサンプルは30℃のインキュベー
ターで5日間(汚染の程度によっては1〜2日間でもよ
い。)培養し培地の澄明度の変化を容器の蓋を開封する
ことなく目視により外部からの観察により判定する。判
定の結果、無菌性に問題があると認められた場合は、そ
のサンプルに対応するロット、ノズル等の実液製品は品
質上問題が発生すると推定することができる。このよう
にすれば、無菌性の確認の際容器を開封したり、別に用
意した培地に実液製品を接種する必要はない。
【0025】ここで、培地の澄明度変化とは培地全体の
平均的澄明度変化のみならず1つのコロニーの発生等局
所的な澄明度変化も含むものである。澄明度変化は目視
のみならず種々光学的測定機器による自動検出によって
も判定できる。
【0026】検査用培地を充填したサンプルを回収した
後に、滅菌機、ライン、アセプティクサージタンク(サ
ージタンク〜バファータンク〜充填小タンク)、ノズル
等から検査用培地を除去するため、精製滅菌水をライン
中に装填して液抜きをし、更に充分な洗浄を行うことが
重要で、この洗浄により検査用培地は完全に工程内から
除去される。そして上記で培養したサンプルの無菌性の
判定を確認した後、実液による本生産を実施する。また
本生産の細菌制御確認試験は、製造条件の変更等のため
に実液を充填終了後に実施することも可能である。この
場合は精製滅菌水をライン中に装填して実液を抜き取
り、更に充分な洗浄を実施して実液と検査用培地とを完
全に遮断することが検査精度を高める上で重要である。
実液を工程内から除去した後は、検査用培地を実液ライ
ンに導入して検査用容器に充填し、サンプルを培養して
無菌性を判定する。
【0027】従来の実液充填による抜き取りによる検査
等では多大な労力を要する割には無菌性の判定の信頼性
が低かった。このため例えば製造プラントを新規に設置
した場合には、数日間〜数十日間も費やして細菌制御確
認試験を実施し、プラントの無菌性を確認してから本格
的な生産に入る必要があった。本発明の方法によれば、
簡便な方法にもかかわらず極めて高い精度で工程の無菌
性の確認が可能であるため、細菌制御確認試験の所要時
間を大幅に削減でき、かつ信頼性の向上も図ることがで
きる。
【0028】尚、菌付きペーパー等を検査用培地と併用
して無菌性確認検査を実施し無菌性の判断をより完全な
ものにすることもできる。
【0029】また、無菌充填以外の場合でも細菌制御を
実施している工程においては上述の処理を適用すること
ができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に説明する。
【0031】(充填ラインおよび包材)コーヒー用ポー
ションクリーム(5ml)の連続無菌充填ラインにおい
て無菌性確認試験を実施した。充填ノズルは70本セッ
トされており、ラインの生産能力は102,000個/
hである。底材は不透明HIPSであり無菌チャンバー
内でプレス成形され、一方蓋材は透明PET/OPSフ
ィルム(PET16μm/OPS25μm)でありチャ
ンバー内で内容物が底部材(容器)に充填された後、底
部材の上面にヒートシールされる。それぞれの部材は使
用に供される前に無菌チャンバー内で過酸化水素により
滅菌される。尚、本生産のときの蓋材は不透明PET/
Alフィルムである。また1ポーション毎の培地の充填
量は5mlとした。 (培地の調製)培地の配合比は次に示す通りであった。
【0032】
【表1】 上記配合比に基づき調合での仕込み量が1,000kg
となるように原料を全て秤量し、粉粉混合して、次に調
合水の内、約30%の温湯(50〜60℃)を使用し、
デスパーミルにて原料を溶解し、これを直接TKタンク
に入れ、一方残りの調合水(約70℃)はデスパーミル
から該TKタンクに入れた。TKホモミキサー高速回転
で25分間溶解し、4%水酸化ナトリウムによりpHを
6.8に調整した後、培地の滅菌を直接滅菌機にて実施
し(150℃、4秒)、その後プレート冷却部で10℃
に冷却した。このものの粘度は126cps(B型粘度
計)で、コーヒー用ポーションクリームの粘度150〜
250cpsと同程度であり、ノズルからの充填状態も
該クリームのそれと類似していた。 (無菌性確認試験) 実液を用いた製品抜き取り(従来法) 比較のため実液を用いて充填、製造された製品を定期的
(1回/2時間)に採取(70個×3回)し、このもの
を開封し別に用意した固体寒天培地に一定量を接種し培
養試験に付した後、無菌性の判定を行った。 培地充填(本発明) 本生産前に、タンク中の培地を無菌室へ導入し、本生産
と同様の条件で容器への充填を実施した。採取したサン
プルはその後培養試験に付し濁りの有無を判定した。1
回の本製造当りのサンプル採取数は11,130個(1
59ショット×70充填ノズル)とした。 (無菌性確認試験結果)上記で採取したサンプルのお
よびについて完全無菌性の確認に要した人および時間
をつぎの表に示す。
【0033】
【表2】 表に明らかなように、透明蓋材を用い容器への培地充填
を実施した本発明では、抜き取り試験と異なり蓋材の開
封が不要でかつ別培地への接種も不要となり、目視にて
大量のサンプルの完全無菌性の確認が容易にできるの
で、労力の大幅な低減を図ることができた。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、細菌汚染の制御を
必要とする工程において、内容物に代えてそれと同等の
流動性を有する細菌検査用培地を工程に導入して容器に
充填密閉し、該培地の澄明度変化により細菌汚染を検出
しこれにより該工程の細菌制御状態を検証することによ
り、サンプル採取時の二次汚染が防止でき実液充填と同
じ条件で工程の細菌汚染検査が可能となるので、サンプ
リング作業が大幅に軽減されかつ検査精度も向上した。
また、検査用容器を少なくとも一部が透明である容器と
したことにより、培地充填後、容器を開封せず外部から
目視により容易に培地の澄明度変化を判定できるので、
細菌汚染確認作業を大幅に迅速化でき、更に充填時や搬
送時の液状態の把握が可能となった。上記検査用培地は
内容物と同等の流動性を有しているので、充填時に培地
液が飛散したりカップシール不可能となることが防止で
きた。これらの効果は、大腸菌を陰性とし一般細菌数を
一定水準以下にする工程に適用する場合にも有効である
が、特に全ての工程において無菌性が保証されなければ
ならない無菌性充填の場合に顕著であり、ポーションパ
ック充填等の無菌性確認作業が確実化かつ簡便化でき
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 建次 埼玉県南埼玉郡宮代町中央2−19−8

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充填機から内容物を容器に充填し密閉す
    る工程の細菌制御確認試験において、該内容物に代えて
    それと同等の流動性を有する細菌検査用培地を工程に導
    入して容器に充填密閉し、該培地の澄明度変化により細
    菌汚染を検出することで前記工程の細菌制御状態を検証
    することを特徴とする細菌制御確認試験法。
  2. 【請求項2】 細菌検査用培地を充填し密閉した容器の
    少なくとも一部が透明であることを特徴とする請求項1
    に記載の細菌制御確認試験法。
  3. 【請求項3】 請求項1の細菌制御確認試験法に用い
    る、内容物と同等の流動性を有する細菌検査用培地。
  4. 【請求項4】 請求項2の細菌制御確認試験法に用い
    る、細菌検査用培地を充填密封した少なくとも一部が透
    明である容器。
JP15499693A 1993-06-25 1993-06-25 細菌制御確認試験法、それに用いる培地 Expired - Fee Related JP3210142B2 (ja)

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