JPH0783611B2 - 電力変換装置の制御装置 - Google Patents

電力変換装置の制御装置

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JPH0783611B2
JPH0783611B2 JP1146882A JP14688289A JPH0783611B2 JP H0783611 B2 JPH0783611 B2 JP H0783611B2 JP 1146882 A JP1146882 A JP 1146882A JP 14688289 A JP14688289 A JP 14688289A JP H0783611 B2 JPH0783611 B2 JP H0783611B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は交流電動機等に可変電圧可変周波数の交流電力
を供給する電力変換装置の制御装置に関する。
(従来の技術) 大容量の交流電動機(誘導電動機、同期電動機あるいは
リニアモータ等)に可変電圧可変周波数の交流電力を供
給する電力変換装置としてGTO(ゲートターンオフサイ
リスタ)等の自己消孤素子を用いた電圧形パルス幅変調
制御インバータ(PWMインバータと称す)が実用に供す
るようになってきた。
第6図は出力トランスを持つ多重PWMインバータと出力
トランスなしのPWMインバータ(直結PWMインバータ)と
を組合せた電力変換装置を示す。
図中、Vdは直流電圧源、INV-1〜INV-4は多重PWMインバ
ータ、INV-5は直結PWMインバータ、TR1〜TR4は出力トラ
ンス、LOADは交流負荷(U相)である。
第7図は第6図のPWMインバータINV-1の具体的な構成を
示すもので、INV-1は、自己消弧素子S11〜S14とフリー
ホイーリングダイオードD11〜D14で構成されている。
第8図は第7図のインバータのPWM制御動作を説明する
ためのタイムチャート図である。
X1,Y1はPWM制御の搬送波信号で、Y1はX1の反転値(あ
るいは位相が180°ずれた信号)となっている。制御入
力信号e1とX1を比較し、インバータINV-1の素子S11とS
12のゲート信号g1を作っている。すなわち、 e1X1のときg1=1でS11:オン,S12:オフ e1<X1のときg1=0でS11:オフ,S12:オン となる。又、e1とY1を比較し素子S13とS14のゲート信号
g1′を作っている。すなわち、 e1Y1のときg1′=1でS13:オフ,S14:オン e1<Y1のときg1′=0でS13:オン,S14:オフ となる。
インバータINV-1の出力電圧V1はトランスTR1の1次/2次
巻数比を1とした場合、 S11とS14がオンのとき V1=+Vd S12とS13がオンのとき V1=−Vd その他のモードのとき V1=0 となり、第8図の最下段の波形が得られる。その平均値
(破線で示す)は前述の制御入力信号e1に比例した
値となる。
このように、インバータINV-1の出力電圧V1は、PWM制御
の搬送波周波数の2倍の周波数で制御されることにな
る。
他の3台のPWMインバータINV-2〜INV-4も同様に制御さ
れるが、各々の搬送信号X2〜X4は、電気角で45°ずつ位
相をずらしたものが用いられる(Y2〜Y4は各々X2〜X4
反転値となる)。この結果、出力トランスTR1〜TR4を介
して発生する電圧の和V1+V2+V3+V4は、多重化された
電圧となり、PWM制御の搬送波周波数fcに対し、8・fc
で制御された電圧波形となる。従って、出力電圧V1+V2
+V3+V4には、PWM制御に伴う低次の高調波成分は打ち
消され、高次の高調波だけが表われる。この高次の高調
波成分は、リアクトル等のフィルタで容易に除去するこ
とが可能である。
一方、直結インバータINV-5は、第9図のような構成と
なっている。3相グレーツ結線のU相分を示すもので、
自己消弧素子S51,S52とフリーホイーリングダイオード
D51,D52で構成されている。負荷の中性線は、直流電圧
Vdの中間線に接続される。
第10図はインバータINV-5のPWM制御動作を説明するため
のタイムチャート図である。搬送波信号X5と制御入力信
号e5を比較し、上記素子S51とS52のゲート信号g5を作っ
ている。すなわち、 e5X5のときg5=1でS11:オン,S52:オフ e5<X5のときg5=−1でS51:オフ,S52:オン となる。
インバータINV-5の出力電圧V5は S51がオンのとき V5=+(Vd/2) S52がオンのとき V5=−(Vd/2) となる。その平均値は制御入力信号e5に比例した値
となる。このようにインバータINV-5の出力電圧V5は、P
WM制御の搬送波周波数で制御されることになる。
第6図の電力変換装置は、交流負荷に対し、可変電圧可
変周波数の電力を供給する用途に採用される。
出力周波数が零あるいは非常に低いときにはネ出力トラ
ンスを介して電圧を発生させるのは難しい。従って、当
該トランスが稼働できる最小周波数fminまでは最下段の
直結インバータINV-5から電圧V5を発生させ、出力周波
数f0がf0>fminの領域で多重インバータINV-1〜INV-4を
動作させる。このとき出力トランスTR1〜TP4の鉄心が飽
和しないように電圧/周波数の比がほぼ一定になるよう
に出力電圧V1〜V4を制御する。
負荷Uには、電圧VU=V1+V2+V3+V4+V5が印加され
る。負荷がさらに高電圧を必要とする場合には、多重PW
Mインバータの直列段数を増加させればよく、電力変換
器の高圧大容量化が容易に図れる利点を有する。
(発明が解決しようとする課題) 上記従来の電力変換装置は、次のような問題点がある。
すなわち、多重PWMインバータから発生する出力電圧V1
+V2+V3+V4は、歪みの少ない正弦波電圧とすることが
できるが、直結インバータは多重化してPWM制御するこ
とができないため、その出力電圧V5の波形歪みが大きく
なる欠点がある。特に、出力周波数f0が低い領域では、
直結インバータだけで運転するため、交流負荷LOADに供
給される電流は脈動分を多く含むようになり、電動機負
荷の場合、トルク脈動の原因にもなっている。
直結インバータINV-5の搬送波周波数を多重インバータI
NV-1〜INV-4の搬送波周波数の8倍程度まで高められれ
ば、上記電圧歪みも小さくなり、全体としてつり合いの
とれた電流変換装置とすることができる。しかし、現在
の代表的な自己消弧素子であるGTO(ゲートターンオフ
サイリスタ)のスイッチング周波数は高々500Hz程度が
限界であり、上記直結インバータINV-5の搬送波周波数
だけ高くするのは無理がある。
また、電力変換装置が高電圧大容量になるに従い。イン
バータを構成する素子の直列接続が必須のものとなり、
スイッチング損失やスナバ回路損失の低減を図るために
も搬送波周波数はできるだけ低くして運転することが望
ましい。
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたもので、直結イ
ンバータの搬送周波数を高めることなく、出力周波数の
高低にかかわらず、常に歪みの少ない正弦波電流を交流
負荷に供給できる電力変換装置の制御装置を提供するこ
とを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 以上の目的を達成するために本発明は、交流負荷に対し
出力トランスを持つ多重PWMインバータの出力電圧と、
出力トランスなしの直結PWMインバータの出力電圧との
和を供給する電力変換装置において、前記多重PWMイン
バータは、前記出力トランスの1次電流の指令値と、そ
の検出値との偏差信号或いは前記出力トランスの励磁電
流の指令値と、その検出値との偏差信号が印加される電
流制御補償回路と、 該電流制御回路の出力信号と、出力周波数に比例した信
号の加算値を制御入力信号とし該制御入力信号と搬送波
を比較しゲート信号を出力する多重PWMインバータ側のP
WM制御回路と、 前記直結PWMインバータは、負荷電流指令値と、その検
出値との偏差信号が印加される直結PWMインバータ側の
電流制御補償回路と、 少くとも当該直結PWMインバータ側の電流制御補償回路
の出力信号を制御入力信号とし、該制御入力信号と直結
PWMインバータ側の搬送波を比較しゲート信号を出力す
る直結PWMインバータ側のPWM制御回路と、 前記直結PWMインバータが発生する出力電圧の脈動分
を、直結PWMインバータ側の制御入力信号と、直結PWMイ
ンバータ側のPWM制御回路の出力ゲート信号から演算に
よって求める手段を具備し、 演算によって算出された前記出力電圧の脈動分を、多重
PWMインバータ側の制御入力信号に加算し、直結PWMイン
バータが発生する出力電圧の脈動分を多重PWMインバー
タ側で打消すようにしたことを特徴とする。
(作用) すなわち、直結インバータのPWM制御入力信号eiと搬送
波信号Xとを比較し、ゲート信号gを得た場合、当該ゲ
ート信号g(“1"又は“−1"の値をとる)に搬送波信号
Xの波高値Emaxを乗じ、さらに上記入力信号eiを減算す
ることにより、直結インバータが発生する電圧の脈動分
(高調波成分)を求め、当該高調波成分の反転値を前記
多重PWMインバータから発生するように補償制御してい
る。
この結果、多重PWMインバータは出力周波数の高低にか
かわらず、常に動作するようになり、出力周波数に比例
した基本波電圧に重畳して、上記直結インバータが発生
する高調波成分の反転値を出力するようになる。故に、
直結インバータのPWM制御に伴う出力電圧の脈動は打ち
消され、歪みのない正弦波電流を交流負荷に供給するこ
とができるようになる。
以上のように本発明の電力変換装置の制御装置によれ
ば、直結インバータの搬送波周波数を高くすることな
く、交流負荷に歪みのない正弦波電流を供給することが
できる。さらに、直結インバータの搬送波周波数を低く
しても同様の効果が得られ、スイッチング損失やスナバ
回路損失の低減を図ることが可能となる。
(実施例) 第1図は、本発明の電力変換装置の制御回路の実施例を
示す構成図である。電力変換装置本体は第6図を参照す
る。
第1図において、A1〜A8は加算器、C1〜C5は比較器、G1
〜G4及びGLは電流制御補償回路、PWM1〜PWM5はパルス幅
変調制御回路、TRG1,TRG2は搬送波発生器、Kn1,Kn2
びKHは比例増幅器である。なお、第6図のCT1〜CT5は電
流検出器である。以下、第1図と第6図を参照しながら
本発明装置の制御動作を説明する。
負荷電流IUは直結インバータINV-5によって制御され
る。
すなわち、電流検出器CT5によって負荷電流IUを検出し
比較器C5に入力する。比較器C5では負荷電流指令値▲I
* U▼と上記検出値IUを比較し、その偏差ε=▲I* U
−IUを求める。当該偏差εは、次の電流制御補償回路
GLにより増幅され、加算器ASを介して、直結インバータ
INV-5のパルス幅変調制御回路PWM5に入力信号e5を与え
る。直結インバータINV-5は、当該入力信号e5に比例し
た電圧 を発生することは前述の通りである。
▲I* U▼>IUの場合、偏差εは正の値となり、直結イ
ンバータINV-5の出力電圧V5を増加させ負荷電流IUを増
やしIU≒▲I* U▼となるように制御される。逆に▲I* U
▼<IUとなった場合、偏差εは負の値となり、出力電
圧V5を減らし負荷電流IUを減少させる。故に、やはりIU
≒▲I* U▼となって落ち着く。電流指令値IUを正弦波状
に変化させれば、実電流IUもそれに追従して正弦波に制
御される。
直結インバータINV-5は基本的に負荷の抵抗KLによる電
圧降下分の電圧RL・IUを発生させる。故に、加算器AS
は電流指令値▲I* U▼に負荷抵抗RLを乗じた信号が加え
られる。PWM5の入力信号e5は次式で表わされる。
e5=RL・▲I* U▼+ε・GL ……(1) すなわち、直結インバータINV-5は、負荷抵抗による電
圧降下分を常に発生し、それに加えて電流偏差εに応
じた電圧を発生して負荷電流を制御している。抵抗分に
よる電圧降下は、出力周波数f0に依存しないので、f0
0のとき、出力トランスを持つ多重インバータINV-1〜I
NV-4からは電圧を発生できず、直結インバータから供給
することが必要となる。
多重PWMインバータINV-1〜INV-4は、出力周波数f0に比
例した電圧を発生させる。
すなわち、電動機負荷の場合、逆起電力VCUの電圧と負
荷側のインダクタンスLLによる電圧降下分jωLL・IU
和を供給する。
第1図において、逆起電力補償値▲V* CU▼と負荷電流指
令値▲I* U▼によって求めた補償信号▲V* CU▼+jωLL
・▲I* U▼を比例増幅器KN1,加算器A6及び加算器A2
介してインバータINV-1のPWM制御回路PWM1の入力信号e1
を与える。同様にPWM2〜PWM4の入力信号e2〜e4も与えら
れる。説明の便宜上、仮に他の信号を零として考える
と、 e1=e2=e3=e4 =(▲V* CU▼+jωLL・▲I* U▼)/n ……(2) ω=2π・f0,n=4 となる。nは多重インバータを構成するインバータの段
数で、この場合は4段となる。
この結果、多重インバータの出力電圧V1+V2+V3+V4
上記入力信号e1〜e4の和に比例した電圧となり、▲V* CU
▼+jωLL▲I* U▼)に比例した電圧を発生するように
なる。逆起電力▲V* CU▼は出力周波数f0に比例した値と
なり、また第2項jωLL▲I* U▼もf0に比例している。
従って多重インバータの出力電圧V1+V2+V3+V4は出力
周波数f0に比例した値となり、出力トランスTR1〜TR4
励磁電流IOU1〜IOU4の実効値はほぼ一定値となる。
しかし実際には、制御回路のドリフトや素子のスイッチ
ング特性のアンバランス等により、若干の直流バイアス
等が出力トランスに印加される可能性がある。直流電圧
のバイアスがトランスに印加された場合、徐々にトラン
スが偏磁し、最終的には鉄心が飽和して過大な励磁電流
がトランスに流れるようになり、トランスを焼損するだ
けでなく、インバータを構成する素子が過電流によって
破壊することもある。
そこで、第1図の実施例では、多重PWMインバータを構
成する4台のインバータINV-1〜INV-4は各々の出力トラ
ンスの1次電流IU1〜IU4を制御している。インバータIN
V-1について当該1次電流IU1の制御動作を説明すると次
のようになる。
まず、電流検出器CT1によりトランスTR1の1次電流IU1
を検出し、比較器C1に入力する。比較器C1では、1次電
流指令値▲I* U1▼と上記電流検出値IU1を比較し偏差ε
=▲I* U1▼−IU1を求める。当該偏差εは次の電流
制御補償回路G1によって増幅され、加算器A2を介してPW
M制御回路PWM1に入力信号e1を与える。故に(2)式のe
1は次式のように書き換えられる。
e1=(▲V* CU▼+jωLL・▲I* U▼)/4+ε・ε ……(3) 上記1次電流の指令値▲I* U1▼は、負荷電流の指令値▲
* U▼とトランスTR1の励磁電流IOU1の指令値▲I* OU
の和で与えられる。4台のトランスの容量、定格が同
一とすると、▲I* OU1▼=▲I* OU2▼=▲I* OU3▼=▲I*
OU4▼=▲I* OU▼となる。故に ▲I* U1▼=▲I* U▼+▲I* OU▼ =▲I* U2▼=▲I* U3▼=▲I* U4▼ ……(4) で与えられる。
▲I* U1▼>IU1となった場合、偏差εは正の値とな
り、(3)式の入力信号e1を増加させ、1次電流IU1
増やし、IU1≒▲I* U1▼となるように制御する。このと
き負荷電流IUは直結インバータINV-5によってIU≒▲I*
U▼に制御されているので、結果的にトランスTR1の励磁
電流IOU1が前述の指令値▲I* OU▼に一致するように制御
される。
逆に▲I* U1▼<IU1となった場合、偏差εは負の値と
なり入力信号e1、すなわちインバータINV-1の出力電圧
を減少させてやはり、IU1≒▲I* U1▼となるように制御
する。
このようにしてトランスTR1の1次電流IU1は指令値▲I*
U1▼に一致するように制御され、結果的にトランスTR1
の励磁電流IOU1も前記指令値▲I* OU▼に一致するように
なる。素子のアンバランス等により直流バイアスがトラ
ンスTR1に印加された場合でも励磁電流IOU1≒▲I* OU
となり、当該直流バイアスを最終的にキャンセルするよ
うに制御系が動作する。
他のインバータINV-2〜INV-4も同様に制御される。
多重PWMインバータは前述のように基本的には、逆起電
力VCUと負荷側のインダクタンスLLによる電圧降下分j
ωLLIUの和電圧を発生させる必要がある。故に、トラン
スTR1〜TR4の励磁電流IOU1〜IOU4もそれに見合った値に
調整する必要がある。各トランスの定格出力時の相互イ
ンダクタンスをMとした場合、加算器A1に入力される励
磁電流の指令値▲I* OU▼は、次式のように与えられる。
このようにして出力トランスTR1〜TR4が偏磁することな
く、負荷電流IUを指令値▲I* U▼に一致させるように制
御することができる。
しかし、このままでは従来問題となっていた直結インバ
ータのPWM制御に伴う負荷電流IUの脈動は小さくならな
い。
そこで、第1図の実施例では、直結インバータのPWM制
御入力信号e5とPWM制御回路PWM5の出力信号g5から、イ
ンバータINV-5が発生する電圧V5の脈動分ΔV5を予測演
算し、その反転値−ΔV5を多重PWMインバータから発生
させるように制御している。
第10図のPWM制御動作説明図を用いて説明する。
PWM制御の搬送波信号X5と入力信号e5を比較しゲート信
号g5を作る。
e5X5のとき g5=+1 e5<X5のとき g5=−1 となる。ゲート信号g5=+1のとき素子S51がオンで、S
52がオフとなり、V5=+(Vd/2)となる。又、ゲート信
号g5=−1のとき素子S51がオフで、S52がオンとなり、
V5=−(Vd/2)となる。この結果、破線で示した
入力信号e5に比例した値となる。直結インバータINV-5
が発生する電圧V5の脈動分は、ΔV5=V5となる。
これをPWM制御の入力信号e5のレベルに置き換えると次
のようになる。
搬送波信号X1〜X5の波高値をEmaxとすると、上記ゲート
信号g5を比例増幅器KHによってEmax倍とする。するとKH
の出力g5・Emaxは出力電圧V5に比例した電圧となり、そ
の値からに比例した入力信号e5を減算すると、 Δe5=g5・Emax−e5∝ΔV5 ……(6) が得られる。加算器A7の出力は、(6)式の反転値とな
り、比例増幅器KN2によって(1/2n)倍して補償制御信
号▲H* OU▼を求める。
▲H* OU▼=−(g5・Emax−e5)/(2n) ……(7) 加算器A6と加算器A2〜A5を介して多重インバータのPWM
制御入力回路e1〜e4に上記補償制御信号▲H* OU▼を加え
ると、(7)式の▲H* OU▼に比例した電圧をインバータ
INV-1〜INV-4が発生するようになる。ここで、説明の便
宜上、他の信号を零と仮定して説明する。
第2図にe1=e2=e3=e4=▲H* OU▼とした場合の多重PW
Mインバータの動作説明図を示す。
X1〜X4及びY1〜Y4はインバータINV-1〜INV-4のPWM制御
の搬送波信号を表わす。Y1〜Y4は各々X1〜X4の反転値
(180°位相がずれた信号)でX1,X2,X3,X4はそれぞ
れ電気角45°ずつ位相がずれている。
インバータINV-1の主回路構成は前述したように第7図
のようになっている。
入力制御信号▲H* OU▼と搬送波(三角波)X1を比較しゲ
ート信号g1を作り、インバータINV-1の素子S11とS12
点弧制御する。すなわち、 ▲H* OU▼X1のとき g1=“1"で、S11:on,S12:Off ▲H* OU▼<X1のとき g1=“0"で、S11:off,S12:on となる。また、▲H* OU▼とY1を比較しゲート信号g1′を
作り素子S13とS14を点弧制御する。すなわち、 ▲H* OU▼Y1のとき g1′=“1"で、S13:off,S14:on ▲H* OU▼<Y1のとき g1′=“0"で、S13:on,S14:off となる。この結果、インバータINV-1の出力電圧V1は、S
11とS14がオンときV1=+Vd、S12とS13がオンのときV1
=−Vd、他のモードではV1=0となって第2図に示すよ
うな波形となる。
同様に入力制御信号▲H* OU▼と三角波X2,Y2を比較し、
インバータINV-2のゲート信号g2,g2′を作り▲H* OU
とX3,Y3を比較し、インバータINV-3のゲート信号g3,g
3′を作り、▲H* OU▼とX4,Y4を比較し、インバータINV
-4のゲート信号g4,g4′を作る。
この結果、インバータINV-2〜INV-4の出力電圧V2〜V4
図示のようになる。
インバータINV-1〜INV-4の出力電圧V1〜V4の和は、第2
図の最下段に示すような波形となり、入力信号▲H* OU
に比例した値となる。この和電圧V1+V2+V3+V4=−Δ
V5は、直結インバータINV-5が発生する電圧V5の高調波
成分ΔV5を打ち消す電圧となる。
すなわち、(7)式で表わされる補償制御信号▲H* OU
をインバータINV-1〜INV-4のPWM制御入力信号e1=e2=e
3=e4=▲H* OU▼として与えた場合、各インバータの出
力電圧V1〜V4の平均値は、当該入力信号e1〜e4に比例し
た値となり、それらの和電圧V1+V2+V3+V4は4・▲H*
OU▼に比例した値となる。
n=4として(8)式に(6),(7)式を考慮すると となる。
以上のようにして直結インバータINV-5が発生する高調
波電圧ΔV5を多重インバータINV-1〜INV-4によって打ち
消すように補償制御することができる。この結果、従来
問題となっていた直結インバータINV-5の出力電圧V5
高調波成分に起因する負荷電流IUの脈動がなくなり歪み
の少ない正弦波電流を交流負荷に供給することができる
ようになる。また直結インバータINV-5の搬送波周波数
(素子のスイッチング周波数)を低くすることも可能と
なり、素子のスイッチング損失やスナバ回路の損失を大
幅に低減させることができるようになる。
一方、多重インバータINV-1〜INV-4は、前述のように直
結インバータINV-5が発生する高調波電圧を打ち消すと
同時に、出力周波数f0に比例した電圧VCU+jωLLIU
発生し、かつ各出力トランスTR1〜TR4の1次電流IU1〜I
U4を制御している。このとき、各インバータINV-1〜INV
-4が発生する高調波電圧は、多重PWM制御によって打ち
消され、多重インバータ全体の出力電圧は、歪みのない
正弦波電圧VCU+jωLL・IUに直結インバータの高調波
電圧ΔV5の反転値が重畳したものとなる。
従って、インバータ全体の出力電圧は V1+V2+V3+V4+V5 =VCU+jωLL・IU−ΔV5+V5 =VCU+jωLL・IU =VCU+jωLL・IU+RL・IU ……(10) となって負荷側の電圧とつり合う。
なお、直結インバータINV-5が発生する平均電圧はP
WM制御入力信号e5に比例するもので、定常状態ではe5
RL・▲I* U▼で与えられている。
負荷電流IUは次のようにして制御される。
まず、第6図の電流検出器CT5により負荷電流IUを検出
し、第1図の比較器C5に入力する。比較器C5により、電
流指令値▲I* U▼と上記検出値IUを比較し、その偏差ε
=▲I* U▼−IUを次の電流制御補償回路GLに入力す
る。GLでは偏差εを比例増幅し、加算器A8を介してPW
M制御回路PWM5の入力信号e5を与える。
e5=GL・ε+RL・▲I* U▼ ……(11) 加算器A8の他方の入力信号RL・▲I* U▼は負荷の抵抗分
による電圧降下RL・IUをあらかじめ発生させる補償信号
である。
▲I* U▼>IUとなった場合、偏差εは正の値となり、
入力信号εを増加させ、直結インバータINV-5の出力
電圧V5を増やす。この出力電圧V5の高調波成分ΔV5は前
述のように多重インバータINV-1〜INV-5によって打ち消
されるので、V5の平均電圧だけが増加し、負荷電流
IUを増大させる。この結果、IU≒▲I* U▼となるように
制御される。逆に▲I* U▼<IUとなった場合、偏差ε
は負の値となり、が減少し、負荷電流IUを減少させ
る。やはりIU≒▲I* U▼となって落ち着く。電流指令値
▲I* U▼を正弦波状に変化させた場合、負荷電流IUもそ
れに追従し、正弦波電流に制御される。
第3図は、本発明装置の計算機シミュレーション結果を
示すもので、出力周波数30Hzのときの相出力電流IU
IV,IW,U相出力電圧VUと逆起電力VCU,多重Pインバー
タ1台の出力電圧V1,直結インバータの出力電圧V4を表
わす。なお、負荷は交流電動機とし、多重インバータは
3段で構成し、多重インバータのPWM制御の搬送波周波
数350Hz,直結インバータのPWM制御の搬送波周波数120Hz
としている。直結インバータの搬送波周波数を低くした
にもかかわらず、その成分の負荷電流IU,IV,IWの脈動
はなく、歪みの少ない正弦波電流に制御されているのが
確認できる。
このようにして負荷電流IUはその指令値▲I* U▼に忠実
に制御されるのであるが、ここで1つ懸念される問題点
が考えられる。すなわち多重インバータのPWM制御の搬
送波周波数fCAと直結インバータのPWM制御の搬送波周波
数fCBを同一にした場合、前記直結インバータが発生す
る高調波電圧を補償するとき多重インバータを構成する
各インバータの発生電圧が正側あるいは負側のどちらか
に片寄ることがある。
第4図は、多重インバータの搬送波信号X1〜X4及びY1
Y4に対して、PWM制御入力信号となる補償電圧▲H* OU
が完全に同期した場合のタイムチャート図を示す。補償
電圧▲H* OU▼は直結インバータの搬送波信号X5に同期し
ているので、言い換えると搬送波信号X1〜X4又はY1〜Y4
とX5が同一周波数でかつ直結インバータINV-5のPWM制御
入力信号e5が一定のとき上記状態が発生する。
▲H* OU▼とX1を比較し、ゲート信号g1が作られ、▲H* OU
▼とY1を比較しg1′が作られるのは前と同じである。そ
の結果、インバータINV-1の出力電圧V1は図示のように
なる。同様にインバータINV-2〜INV-4の出力電圧V2〜V4
は図示のようになり多重インバータの出力電圧V1+V2
V3+V4は最下段の波形となる。これは補償電圧▲H* OU
に比例するもので、直結インバータINV-5の出力電圧V5
の高調波成分ΔV5の反転値となる。
このとき、多重インバータを構成する各インバータの出
力電圧V1〜V4は、いずれも正側電圧の積分値と負側電圧
の積分値は一致していない。例えば、出力電圧V1では正
側より負側の電圧が大きくなっている。V2も同様であ
る。逆にV3とV4は正側のようが負側より大きくなってい
る。多重インバータ全体としてはV1+V2+V3+V4は正側
と負側のバランスがとれている。
搬送波信号X1〜X4(Y1〜Y4)と補償電圧▲H* OU▼が同期
している場合、この状態は永久に続くことになる。する
と、例えば出力トランスTR1には負の直流バイアス電圧
が印加されたことになり、鉄心が直流偏磁を発生する。
他の出力トランスTR2〜TR4も同様である。
この出力トランスの直流偏磁は前に述べたようにインバ
ータINV-1〜INV-4によって各トランスの1次電流又は励
磁電流を制御しているため、最終的には補正される。し
かし、そもそも直流偏磁の原因を作ることは好ましくな
く、電流制御を乱すことにもなりかねない。また、上記
直流偏磁を補正することにより、直結インバータの高調
波電圧の補償制御動作を乱し、適正な補償ができなくな
ることも考えられる。
そこで、第1図の制御回路において、多重インバータの
PWM制御回路PWM1〜PWM4に与える搬送波信号X1〜X4(Y1
〜Y4)の周波数fCAと直結インバータのPWM制御回路PWM5
に与える搬送波信号X5の周波数fCBを異なるようにし
て、各々搬送波発生器TRG1及びTRG2から与えている。
このようにすると例えば、多重インバータの1つINV-1
が発生する電圧V1はある瞬時瞬時には正側電圧が大きく
なったり、負側電圧が大きくなったりするが、平均を見
るとV1は入力信号▲H* OU▼(e1=▲H* OU▼とする)に比
例し、出力トランスTR1を直流偏磁させることはなくな
る。他の出力トランスTR2〜TR4も同様である。
この結果、各インバータによる出力トランスの1次電流
制御(又は励磁電流制御)を乱すことはなくなり、波形
歪みの少ない電流を供給することができるようになる。
また、直結インバータが発生する高調波電圧も多重イン
バータによって正確に補償することが可能となる。
第5図は、本発明の電力変換装置の制御回路の別の実施
例を示すものである。
図中、C1〜C5は比較器、A1〜A7は加算器、G1〜G4及びGL
は電流制御補償回路、PWM1〜PWM5はパルス幅変調制御回
路、KH,KN1,KN2は演算増幅器、TRG1,TRG2は搬送波発
生器である。
この制御回路では、多重インバータを構成する各インバ
ータINV-1〜INV-4は、出力トランスTR1〜TR4の励磁電流
IOU1〜IOU4を制御している。各トランスの励磁電流IOU1
〜IOU4は、当該トランスの1次電流IU1〜IU4と負荷電流
IUを検出し、次のように求められる。
また、励磁電流の指令値▲I* OU▼は4台のトランスTR1
〜TR4が同じとして、(5)式のように与えられる。
第1図がトランスの1次電流IU1〜IU4を制御しているの
に対し、第5図はトランスの励磁電流IOU1〜IOU4を制御
しているのが異なる。出力トランスの偏磁を防止すると
いう点で効果は同じとなる。直結インバータINV-5の発
生する高調波電圧を補償制御する手法は第1図と同じで
ある。
以上は第1図及び第5図ともにインバータの出力1相分
(U相分)について述べたがV相、W相も同様になる。
また、直結インバータINV-5が発生する高調波電圧ΔV5
を打ち消す補償信号▲H* OU▼はゲート信号g5及びPWM制
御入力信号e5から直接求め、全ての高調波成分を打ち消
すようにしたが、信号g5を周波数分析し、その中の特定
の高調波成分を取り出して補償するようにしてもよい。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明の電力変換装置の制御装置によれ
ば、直結インバータが発生する高調波電圧を多重インバ
ータによって打ち消すように補償制御しているため、直
結インバータの搬送波周波数を高めることなく、出力周
波数の高低にかかわらず、常に歪みの少ない正弦波電流
を交流負荷に供給することが可能となる。これによりイ
ンバータのスイッチング損失やスナバ回路損失を大幅に
低減することができ、効率の良い運転が可能となる。ま
た、大容量化も容易になる。さらに、多重インバータの
搬送波周波数と直結インバータの搬送波周波数を異なる
ようにすることにより、出力トランスの直流偏磁を防ぐ
ことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電力変換装置の制御装置を説明するた
めの制御回路の実施例を示す構成図、第2図は本発明の
制御装置の動作を説明するためのタイムチャート図、第
3図は本発明の制御装置の効果を確認した計算機シミュ
ーレーション結果を示す図、第4図は本発明の制御装置
を説明するための別のタイムチャート図、第5図は本発
明の制御回路の別の実施例を示す構成図、第6図は電力
変換装置の主回路構成を示す図、第7図は第6図の部分
図、第8図は第7図の回路の動作を説明するためのタイ
ムチャート図、第9図は第6図の別の部分図、第10図は
第9図の回路の動作を説明するためのタイムチャート図
である。 Vd:直流電圧源 INV-1〜INV-4:多重PWMインバータ INV-5:直結PWMインバータ TR1〜TR4:出力トランス LOAD:交流負荷 CT1〜CT5:電流検出器 A1〜A8:加算器 C1〜C5:比較器 G1〜G4,GL:電流制御補償回路 KN1,KN2,KH:演算増幅器 PWM1〜PWM5:パルス幅変調制御回路 TRG1,TRG2:搬送波発生器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流負荷対し、出力トランスを持つ多重パ
    ルス幅変調制御インバータの出力電圧と、出力トランス
    なしのパルス幅変調制御インバータの出力電圧の和の電
    圧を供給する電力変換装置において、 前記多重パルス幅変調制御インバータは、前記出力トラ
    ンスの1次電流の指令値と、その検出値との偏差信号或
    いは前記出力トランスの励磁電流の指令値と、その検出
    値との偏差信号が印加される第1の電流制御補償回路
    と、 該第1の電流制御回路の出力信号と、出力周波数に比例
    した信号の加算値を第1の制御入力信号とし該制御入力
    信号と第1の搬送波を比較しゲート信号を出力する第1
    のPWM制御回路と、 前記出力トランスなしのパルス幅変調制御インバータ
    は、負荷電流指令値と、その検出値との偏差信号が印加
    される第2の電流制御補償回路と、 少くとも前記第2の電流制御補償回路の出力信号を第2
    の制御入力信号とし該制御入力信号と第2の搬送波を比
    較しゲート信号を出力する第2のPWM制御回路と、 前記出力トランスなしのパルス幅変調制御インバータが
    発生する出力電圧の脈動分を、前記第2の制御入力信号
    と、前記第2のPWM制御回路の出力ゲート信号から演算
    によって求める手段を具備し、 演算によって算出された前記出力電圧の脈動分を前記第
    1の制御入力信号に加算し、前記出力トランスなしのパ
    ルス幅変調制御インバータが発生する出力電圧の脈動分
    を前記多重パルス幅変調制御インバータ側で打消すよう
    にしたことを特徴とする電力変換装置の制御装置。
  2. 【請求項2】前記第1の搬送波の周波数と、前記第2の
    搬送波の周波数を異らしめたことを特徴とする請求項1
    記載の電力変換装置の制御装置。
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