JPH0783801B2 - 蒸発装置及び蒸発装置を備えた一酸化炭素の深冷分離装置 - Google Patents

蒸発装置及び蒸発装置を備えた一酸化炭素の深冷分離装置

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JPH0783801B2
JPH0783801B2 JP4074013A JP7401392A JPH0783801B2 JP H0783801 B2 JPH0783801 B2 JP H0783801B2 JP 4074013 A JP4074013 A JP 4074013A JP 7401392 A JP7401392 A JP 7401392A JP H0783801 B2 JPH0783801 B2 JP H0783801B2
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康夫 田中
孝一 上野
修平 那谷
英之 久保田
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Kobe Steel Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精留機能を兼ね備えた
蒸発装置及びこの蒸発装置の性質を専ら利用する一酸化
炭素の深冷分離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、精留機能を兼ね備えた蒸発装置と
しては、例えば特公昭47−23161号公報に示すよ
うなものが知られている。この装置は、高温流体用要素
と低温流体用要素とを相隣接して交互に設け、両者の間
で熱交換が行われるようにしたプレートフィン式熱交換
器であり、低温流体用要素で蒸発対象液を蒸発させ、こ
れをガスとして取り出す一方、高温流体用要素で分縮液
分と流入ガスとを気液接触させることによりその精留を
行い、この高温流体用要素の底部から高沸点物に富んだ
凝縮液を取り出すようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記装置は、伝熱性能
に優れたプレートフィン熱交換器で構成されているた
め、その構造上、高温流体用要素と低温流体用要素との
熱交換が活発に行われることとなり、装置内での低温側
(蒸発側)及び高温側(凝縮側)の流体温度分布は図1
1の曲線C1,C2に示されるようになる。すなわち、
高温流体側要素において上記精留を十分に行うために必
要な高さをHd とすると、この装置では、上記熱交換が
活発であり過ぎるために、上記精留必要高さHd よりも
低い高さHhで所定量のガスが全て凝縮して最小温度差
ΔTminに達してしまい、これよりも高い位置での気液
接触が困難になってしまう。すなわち、この装置では精
留必要高さHh を十分に活かすことができず、よって蒸
発装置全体の高さを十分大きく確保しても、期待した通
りの精留効果が得られないことになる。
【0004】このような不都合を避けるには、プレート
フィンの厚みを増大させたり枚数を減らしたりして両流
体要素間の伝熱量を抑え、高温側流体の温度分布を同図
破線C3に示されるようにすればよいが、このような伝
熱量の抑制は熱交換器の構造、仕様上限界があり、顕著
な効果は得られにくい。また、伝熱量の抑制によって低
温側流体の蒸発性能が損なわれるおそれもある。
【0005】本発明は、このような事情に鑑み、低温液
体を良好に蒸発させながら、その蒸発潜熱を巧みに利用
して混合ガスの精留を十分に行うことができる蒸発装
置、及びこの蒸発装置の性質を専ら利用した一酸化炭素
の深冷分離装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上下方向に延
び、下部に液導入口を有し、上部に蒸発ガス導出口を有
する複数の蒸発通路と、各蒸発通路の下方に連設された
ダミー部と、下部に混合ガス導入口を有し、上部に精留
ガス導出口を有し、上記ダミー部の下端の高さ位置から
上記蒸発通路の上端の高さ位置まで上下方向に延びる複
数の精留通路とを備え、上記蒸発通路及びダミー部と上
記精留通路とを互いに水平方向に隣接する状態で交互に
配置して結合し、上記蒸発通路内を流れる流体と上記精
留通路において上記蒸発通路と隣接する部分を流れる流
体との間で熱交換が行われるとともに、この熱交換によ
り精留通路内で凝縮した液体がこの精留通路において上
記ダミー部と隣接する部分を降下しながらこの部分を上
昇するガスと気液接触するように、上記蒸発通路、ダミ
ー部、及び精留通路の長さを設定したものである(請求
項1)。
【0007】さらに、上記蒸発通路の上方にこの蒸発通
路と隔離した状態で副蒸発通路を設けるとともに、この
副蒸発通路と隣接する位置まで上記精留通路を上方に延
ばし、この精留通路内の流体と副蒸発通路内の流体との
間で熱交換が行われるように構成すれば、より効果的で
ある(請求項2)。
【0008】また本発明は、上記蒸発装置の性質を専ら
利用した一酸化炭素の深冷分離装置であって、少なくと
も一酸化炭素及び炭化水素を含む混合ガスから一酸化炭
素を分離する精留塔と、上記蒸発装置からなり、上記精
留塔の塔底液を蒸発させるリボイラと、上記液導入口か
ら蒸発通路内に上記精留塔の塔底液を導入する塔底液導
入通路と、上記蒸発通路内のガスを上記蒸発ガス導出口
から導出して上記精留塔内に返還するガス還流通路と、
上記混合ガス導入口から上記精留通路内に混合ガスを導
入する混合ガス導入通路と、上記精留通路の精留ガス導
出口からこの混合ガス通路で精留された精留ガスを導出
し、上記精留塔の頂部に還流液として導入する精留ガス
移送通路とを備えたものである(請求項3)。
【0009】
【作用】請求項1記載の蒸発装置では、精留通路内にそ
の下部から混合ガスが導入されるが、この導入当初はダ
ミー部と隣接する部分を混合ガスが通るので、この部分
では熱交換は行われない。そして、この混合ガスが蒸発
通路と隣接する部分まで上昇すると、この混合ガスと蒸
発通路内の低温流体との間で熱交換が行われ、上記流体
が蒸発する一方、混合ガスの一部が凝縮して上記ダミー
部との隣接部分まで下降し、この部分で下降凝縮液と上
昇混合ガスとの気液接触により混合ガスの精留がなされ
る。すなわち、この装置では、精留通路の下部では直接
的な熱交換が行われず、それよりも上方の部分でのみ直
接的な熱交換が行われるので、精留通路内の混合ガスが
精留通路の下部で凝縮するのを避けて専ら上部で凝縮さ
せることができる。従って、精留通路の上部を無駄にす
ることなく、この精留通路の全高さ領域を気液接触によ
る精留に有効に活用できる。
【0010】さらに、請求項2記載の装置によれば、上
記蒸発通路内に導入される液よりもさらに低温の液を副
精留通路内に導入し、上記精留通路内のガスと熱交換さ
せることにより、この精留通路内のガス、すなわち前記
蒸発通路内の流体との熱交換で既に最小温度差にまで達
したガスをさらに凝縮させることができ、精留ガス導出
口から導出される精留ガスの純度をさらに高めることが
できる。
【0011】請求項3記載の一酸化炭素深冷分離装置に
よれば、リボイラである上記蒸発装置の精留通路内に混
合ガス導入通路及び混合ガス導入口を通じて混合ガスを
供給し、この精留通路を上昇する混合ガスと塔底液蒸発
通路内の塔底液との間で熱交換を行わせることにより、
塔底液の蒸発とともに、上記混合ガスの精留を行うこと
ができる。そして、この精留通路の上部にある精留ガス
を、精留ガス移送通路を通じて上記精留塔の頂部に高純
度の還流液として導入することにより、この精留塔にお
いて高純度一酸化炭素ガスを精製することができる。
【0012】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図7に基づいて
説明する。
【0013】図7は、本発明の蒸発装置を利用した深冷
分離システムの全体構成を示したものである。このシス
テムは、プロパンやブタン等の改質ガスを原料とし、こ
のガスから一酸化炭素ガスを分離するものであり、ここ
で本発明の蒸発装置は、後述のように、製品ガスの純度
を高めるべく、リボイラとして作用しながら精留塔塔頂
への還流液を精製するために設置されている。ただし、
本願請求項3記載の装置は、少なくとも一酸化炭素及び
炭化水素を含有する混合ガスから一酸化炭素を分離する
場合に広く適用できるものである。
【0014】このシステムは、冷凍機10、気液分離器
11、MS(モレキュラシーブ)吸着装置12、及び保
冷箱14を備えている。この保冷箱14内には、主熱交
換器16、精留塔18、リボイラ20、コンデンサ2
2,28、第1気液分離器24、第2気液分離器25、
第3気液分離器26、熱交換器27、窒素気液分離器3
0等を備えており、上記リボイラ20に本発明の蒸発装
置が用いられている。
【0015】上記MS吸着装置12は、主熱交換器16
を通る混合ガス導入管32を介してリボイラ20の底部
に接続されている。このリボイラ20の底部は、移送管
34を介して第1の気液分離器24の中腹部に接続され
ており、この移送管34の途中に、上記熱交換器27、
コンデンサ28、及び膨張弁36が配設されている。上
記第1の気液分離器24の底部は、コンデンサ22を介
して精留塔18の中腹部に接続されている。
【0016】上記リボイラ20の頂部は、精留ガス移送
管38,40を介して第2気液分離器25の中腹部に接
続されており、これら精留ガス移送管38,40の途中
に上記コンデンサ22,28が接続されている。そし
て、上記第2気液分離器25の底部が精留ガス移送管4
2を介して第3気液分離器26の中腹部に接続され、こ
の第3気液分離器26の底部が精留ガス移送管46を介
して精留塔18の頂部に接続されており、上記精留ガス
移送管42の途中には膨張弁44が設けられている。ま
た、上記リボイラ20は、塔底液導入管48及びガス還
流管49を介して精留塔18の底部に接続されている。
【0017】次に、上記リボイラ20の構造を図1〜図
6に基づいて説明する。
【0018】図2に示すように、このリボイラ20は熱
交換部50を備えている。この熱交換部50の側面中腹
部には塔底液入口ポート51が装着されており、同様に
熱交換部50の側面上部には還流ガス出口ポート52
が、下端面には混合ガス入口ポート53が、上端面には
精留ガス出口ポート54がそれぞれ装着されている。そ
して、上記塔底液入口ポート51に上記塔底液導出管4
8が接続されており、同様に、還流ガス出口ポート52
に上記ガス還流管49が、精留ガス出口ポート54に上
記精留ガス移送管38が接続されている。上記混合ガス
入口ポート53には有底の気液分離管56が接続され、
この気液分離管56の底部に上記移送管34が接続さ
れ、この移送管34よりも上方の位置に上記混合ガス導
入管32が接続されている。
【0019】図1及び図3〜図6に示すように、上記熱
交換部50は、互いに平行に配せられた、アルミニウム
等からなる多数枚の仕切り板58を備えており、これら
の仕切り板58の間に、塔底液蒸発通路59aと精留通
路59bとが交互に形成されている。
【0020】図4(a)に示すように、塔底液蒸発通路
59aは熱交換部50上半部の高さ領域H2にのみ配設
されており、その直下方の部分(熱交換部50の下半
部)の高さ領域H1にはダミー部68が設けられてい
る。
【0021】上記塔底液蒸発通路59aを形成する段の
周囲には一対のL字状のサイドバー60aが配設され、
これらのサイドバー60aは、図5に示すように、両仕
切り板58の間にこれらと密着するようにして配されて
いる。これらのサイドバー60aによって、塔底液蒸発
通路59aの上下端及び側端の一部が塞がれるととも
に、一方の側端の下部に塔底液導入口62aが形成さ
れ、他方の側端の上部に蒸発ガス導出口63aが形成さ
れている。そして、上記塔底液導入口62aを塞ぐ位置
に上記塔底液入口ポート51が装着され、上記蒸発ガス
導出口63aを塞ぐ位置に上記還流ガス出口ポート52
が装着されている。
【0022】また、この塔底液蒸発通路59aの中腹部
には、上下方向に延びる波板状のフィン64aが設けら
れている。このフィン64aの下方には、上記塔底液導
入口62aからフィン64aまで斜め上方に延びるフィ
ン65が設けられ、フィン64aの上方には、このフィ
ン64aから上記蒸発ガス導出口63aまで斜め上方に
延びるフィン66が設けられている。これらのフィン6
4a,65,66はアルミニウム等からなり、図6に示
すようにろう付等で仕切り板58の表面に接合されてい
る。
【0023】上記ダミー部68は、その内部に流体を導
入することを目的とせず、単なる補強用として上記塔底
液蒸発通路59aの下方に設置されたものであり、この
塔底液蒸発通路59aと同様に周囲がサイドバー60a
で囲まれ、内部には上記フィン64aと同様のフィン7
0が補強専用に設けられている。また、このダミー部6
8の下部の適所には、ガス抜き用の連通口71が設けら
れている。
【0024】これに対して精留通路59bは、図4
(a)(b)に示すように、上記熱交換部50の上下方
向全域、すなわち上記高さ領域H1,H2の双方を含む
全高さ領域に配設されている。すなわち、この精留通路
59bは、ダミー部68の下端かから上記塔底液蒸発通
路59aの上端まで上下に延びており、上記塔底液蒸発
通路59a及びダミー部68の双方に水平方向に隣接し
た状態となっている。
【0025】この精留通路59bを形成する段の側端に
は、この側端を上下方向全域にわたって塞ぐサイドバー
60bが配設されている。これらのサイドバー60b
も、上記サイドバー60aと同様に、両仕切り板58の
間にこれらと密着するようにして配されている。これに
より、この段の下端及び上端にはそれぞれ混合ガス導入
口62b及び精留ガス導出口63bが形成されており、
混合ガス導入口62bを塞ぐ位置に上記混合ガス入口ポ
ート53が装着され、上記精留ガス導出口63bを塞ぐ
位置に精留ガス出口ポート54が装着されている。従っ
て、図2に示すように、上記混合ガス入口ポート53は
上記塔底液入口ポート51よりも下方の位置に設けられ
ている。また、両サイドバー60bの間には上下方向に
延びる波板状のフィン64bが配設されており、このフ
ィン64bも両接合板58の表面にろう付等で接合され
ている。
【0026】すなわち、ここに示す熱交換部50は、仕
切り板58、フィン64a,65,66、仕切り板5
8、フィン64b、仕切り板58、…をこれらの順に積
層することにより形成されており、塔底液蒸発通路59
a及びダミー部68からなる層と、蒸発通路59b単独
からなる層とが交互に水平方向に相隣接する状態で配さ
れている。
【0027】次に、この装置において行われる一酸化炭
素の深冷分離操作を説明する。
【0028】まず、原料ガス(混合ガス)が冷凍機10
で冷却され、ここで凝縮した水は気液分離器11で分離
される。残りのガスはMS吸着装置12に送られ、ここ
で水分及び二酸化炭素が除去された後、混合ガス導入管
32を通じて保冷箱14内に導入される。
【0029】このガスは、主熱交換器16で戻りガスと
熱交換し、冷却された後、図2に示す気液分離管56を
介してリボイラ20の混合ガス入口ポート53に導入さ
れる。この混合ガス入口ポート53には、図1(b)及
び図4(b)に示す混合ガス導入口62bのみが面して
いるため、上記ガスはこの混合ガス導入口62bから熱
交換部50内の精留通路59b、すなわち両サイドバー
60bに囲まれた通路内へ上向きに流入する(矢印
B)。この流入当初では、上記混合ガスはダミー部70
と隣接する領域を流れるため、塔底液との直接的な熱交
換は行わない。
【0030】一方、このリボイラ20の塔底液入口ポー
ト51には、精留塔18の塔底液が塔底液導入管48を
通じて導入されている。この塔底液入口ポート51に
は、図1(b)及び図4(a)に示す塔底液導入口62
aのみが面しているため、上記塔底液はこの塔底液導入
口62aから熱交換部50内の塔底液蒸発通路59a、
すなわち両サイドバー60aで囲まれた通路内へ流入す
る(矢印A)。
【0031】この導入により、熱交換部50の上半部
(すなわち高さ領域H2の部分)では、図6に示すよう
に、互いに隣合う塔底液蒸発通路59a及び精留通路5
9b内を塔底液の蒸発ガス(矢印A)及び混合ガス(矢
印B)がそれぞれ流れ、両者の間で熱交換が行われる。
この熱交換により、塔底液蒸発通路59a内の塔底液が
加熱されて蒸発し、この蒸発ガスは還流ガス出口ポート
52及び還流ガス通路49を通じて精留塔18の底部へ
戻される(矢印AG)。これと同時に、上記熱交換で冷
却された精留通路59b内の混合ガスが一部凝縮して下
降し、この下降凝縮液と上昇する混合ガスとの接触で混
合ガスの精留がなされ、この精留通路59bの頂部には
高い一酸化炭素濃度をもつ精留ガスが発生する。
【0032】ここで、上記凝縮液は混合ガス入口ポート
53から気液分離管56の底部に溜り、この底部から移
送管34に沿って(矢印BL)熱交換器27を通過し、
コンデンサ28に導入される。このコンデンサ28には
窒素気液分離器30から寒冷源である液体窒素が供給さ
れており、これと上記混合ガスとの熱交換で混合ガスが
冷却され、そのまま膨張弁36を通じて第1気液分離器
24に送られる。この第1気液分離器24底部の液は、
コンデンサ22を通じて精留塔18の適当な箇所へ導入
される。
【0033】一方、上記リボイラ20の頂部へ上昇した
精留ガスは、精留ガス出口ポート54から精留ガス移送
管38内に入り、コンデンサ22,28で冷却された
後、第2気液分離器25に導入される。そして、この第
2気液分離器25の底部から精留ガス移送管42及び膨
張弁44を通じて第3気液分離器26へ導入され、この
第2の気液分離器26の底部から精留ガス移送管46を
通じて精留塔18の塔頂へ還流液として供給される。
【0034】このように、リボイラ20で混合ガスから
精製された高純度ガスが精留塔18の塔頂へ還流液とし
て導入されることにより、この精留塔18では極めて高
純度の一酸化炭素ガスが精製されることとなり、このガ
スは、製品ガス導出通路47を通じて保冷箱14の外部
へ製品一酸化炭素ガスとして取り出される。
【0035】以上のように、この装置では、保冷箱14
内に導入された混合ガスをまずリボイラ20の底部に導
入してその精留通路59b内に通し、さらに、このガス
と塔底液蒸発通路59a内の塔底液との熱交換を実行す
ることにより、塔底液の蒸発及び精留通路59b内での
混合ガスの精留を効率良く行うことができる。しかも、
上記塔底液蒸発通路59aの下方には流体が全く導入さ
れないダミー部68を配し、このダミー部68及び塔底
液蒸発通路59aの双方に隣接する領域(全高さ領域)
に精留通路59bを配して、その下部すなわちダミー部
68に隣接する部分では直接的な熱交換を行わず、上部
においてのみ精留通路59bと塔底液蒸発通路59aと
の間で熱交換を行うようにしているので、この混合ガス
の温度分布は前記図11に破線C3で示されるようにな
り、上記混合ガスの凝縮を上部で行うことができる。従
って、従来装置、すなわち、全高さ領域で両通路59
a,59b間で熱交換を行う装置のように、精留通路5
9bの下部で所定量のガスが全て凝縮するといった不都
合は起こらず、精留通路59bの全高さを利用した効果
的な精留を行うことができる。
【0036】特に、前記図7に示したシステムでは、本
発明の蒸発装置をリボイラ20として巧みに利用し、上
記精留通路59bで得られた高純度の精留ガスを還流液
として精留塔18の塔頂へ供給するようにしているの
で、従来のように複式精留塔を用いたり、製品ガスの一
部を還流させたりすることなく、リボイラ20を精留装
置として兼用することにより、高純度の還流液を効率よ
く発生させることができ、これにより、低コストで高純
度の製品COガスを得ることができる。
【0037】次に、第2実施例を図8〜図10に基づい
て説明する。
【0038】ここでは、塔底液蒸発通路59a側の層に
おいて、この塔底液蒸発通路59a及びダミー部68に
加え、塔底液蒸発通路59aよりもさらに上方の高さ領
域H3に、副蒸発通路59a′が設けられており、この
副蒸発通路59a′に隣接する位置まで精留通路59b
が上方へ延長されている。すなわち、この精留通路59
bは全高さ領域H1,H2,H3にわたって設置されて
いる。上記副蒸発通路59a′は、塔底液蒸発通路59
aと同様に、サイドバー60a′、フィン64a′,6
5′,66′を有し、下端部に液導入口62a′が設け
られ、上端部に蒸発ガス導出口63a′が設けられてお
り、この副蒸発通路59a′内と上記塔底液蒸発通路5
9a内とは水平な仕切り板72で互いに隔離されてい
る。
【0039】このような構造によれば、上記副蒸発通路
59a′内に、塔底液蒸発通路59a内の流体よりも低
温の流体(例えば図7で示すシステムでは液体窒素等)
を液導入口62a′から導入することにより、この流体
との熱交換で、精留通路59b内の精留ガスをさらに冷
却して凝縮させることができる。すなわち、図10に示
すように、精留通路59b内で高さ領域H2を通過して
蒸発側と最小温度差ΔTminまで冷却された精留ガス
を、高さ領域H3において上記低温流体との熱交換によ
りさらに冷却し、凝縮させることができる。これによ
り、この副蒸発通路59a′上端の精留ガス導出口63
bからはより純度の高い精留ガスを取り出すことが可能
となる。
【0040】なお、本発明は以上の実施例に限定される
ものではなく、例として次のような態様を採ることも可
能である。
【0041】(1) 本発明の蒸留装置は、上記のようなリ
ボイラ20に限らず、様々な液体の蒸発装置として利用
することが可能である。例えば前記図7に示したシステ
ムでは、液体窒素の蒸発装置である窒素気液分離器30
に本発明を適用することも可能である。
【0042】(2) 本発明におけるダミー部68は、上記
実施例に示される構造のものに限られず、他の構造の補
強部材、例えば厚板を配したものであってもよい。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば次のよう
な効果を得ることができる。
【0044】まず、請求項1記載の蒸留装置は、精留通
路内の混合ガスと、蒸発通路内の低温流体との熱交換に
より、上記低温流体の蒸発及び精留通路内での混合ガス
の精留を効率良く行うことができる。しかも、上記精留
通路の下部は蒸発通路下方に連設されたダミー部に隣接
させ、この部分では蒸発通路内の流体との直接的な熱交
換を行わせず、これよりも上方の部分においてのみ精留
通路と蒸発通路との間で熱交換を行うようにしているの
で、精留通路内の混合ガスを下部では凝縮させず専ら上
部で凝縮させることができる。従って、精留通路下部で
凝縮が始まる従来装置のように精留通路上部を無駄にす
ることなく、精留通路の全高さ領域、すなわち精留に必
要な高さの領域を気液接触による精留装置としてフルに
活用でき、これによって効率の高い十分な精留をするこ
とができる効果がある。
【0045】さらに、請求項2記載の装置では、上記蒸
発通路の上方に副蒸発通路を設け、この副蒸発通路と精
留通路の上部との間でさらに熱交換を行うようにしてい
るので、この熱交換により、精留通路内のガスの凝縮を
さらに進めることができ、これによって、この精留通路
から取り出されるガス中の低沸点成分の純度をさらに高
めることができる効果がある。
【0046】請求項3記載の一酸化炭素深冷分離装置で
は、上記蒸発通路を精留塔のリボイラとして利用し、こ
の蒸発装置で混合ガスと塔底液との熱交換を行うことに
より精留通路内で混合ガスの精留を行い、これにより得
られた高純度の精留ガスを還流液として精留塔の塔頂へ
供給するようにしたものであるので、従来の複式精留塔
を用いたり、製品ガスの一部を還流させたりすることな
く、既存のリボイラをガス精留手段として兼用すること
により、高純度の還流液を効率よく発生させることがで
き、これにより、低コストで高純度の製品COガスを得
ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施例におけるリボイラを
寝かした状態を示す斜視図、(b)は同リボイラから各
ポートを外した状態を示す斜視図である。
【図2】上記深冷分離システムにおけるリボイラの外観
正面図である。
【図3】上記リボイラのフローシートである。
【図4】(a)は図1(b)のC−C線断面図、(b)
は図1(b)のD−D線断面図である。
【図5】図1(b)のE−E線断面図である。
【図6】図2のF−F線断面図である。
【図7】上記リボイラを備えた一酸化炭素の深冷分離シ
ステムの全体構成を示すフローシートである。
【図8】第2実施例におけるリボイラのフローシートで
ある。
【図9】(a)は上記リボイラにおける蒸発通路及び副
蒸発通路を示す断面正面図、(b)は上記リボイラにお
ける精留通路を示す断面正面図である。
【図10】上記リボイラにおける温度分布を示すグラフ
である。
【図11】従来の蒸発装置における温度分布を示すグラ
フである。
【符号の説明】
18 精留塔 20 リボイラ(蒸発装置) 32 混合ガス導入管(混合ガス導入通路) 38,40,42,46 精留ガス移送管(精留ガス移
送通路) 48 塔底液導入管(塔底液導入通路) 49 ガス還流管(ガス還流通路) 59a 塔底液蒸発通路 59b 精留通路 62a 塔底液導入口 62b 混合ガス導入口 63a 蒸発ガス導出口 63b 精留ガス導出口 68 ダミー部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 英之 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所 高砂製作所内 (56)参考文献 特公 昭47−23161(JP,B1)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下方向に延び、下部に液導入口を有
    し、上部に蒸発ガス導出口を有する複数の蒸発通路と、
    各蒸発通路の下方に連設されたダミー部と、下部に混合
    ガス導入口を有し、上部に精留ガス導出口を有し、上記
    ダミー部の下端の高さ位置から上記蒸発通路の上端の高
    さ位置まで上下方向に延びる複数の精留通路とを備え、
    上記蒸発通路及びダミー部と上記精留通路とを互いに
    平方向に隣接する状態で交互に配置して結合し、上記蒸
    発通路内を流れる流体と上記精留通路において上記蒸発
    通路と隣接する部分を流れる流体との間で熱交換が行わ
    れるとともに、この熱交換により精留通路内で凝縮した
    液体がこの精留通路において上記ダミー部と隣接する部
    分を降下しながらこの部分を上昇するガスと気液接触す
    るように、上記蒸発通路、ダミー部、及び精留通路の長
    さを設定したことを特徴とする蒸発装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の蒸発装置において、上記
    蒸発通路の上方にこの蒸発通路と隔離した状態で副蒸発
    通路を設けるとともに、この副蒸発通路と隣接する位置
    まで上記精留通路を上方に延ばし、この精留通路内の流
    体と副蒸発通路内の流体との間で熱交換が行われるよう
    に構成したことを特徴とする蒸発装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも一酸化炭素及び炭化水素を含
    む混合ガスから一酸化炭素を分離する精留塔と、この精
    留塔の塔底液を蒸発させるリボイラとを備えた一酸化炭
    素の深冷分離装置において、上記リボイラとして請求項
    1または2記載の蒸発装置を設置するとともに、上記液
    導入口から蒸発通路内に上記精留塔の塔底液を導入する
    塔底液導入通路と、上記蒸発通路内のガスを上記蒸発ガ
    ス導出口から導出して上記精留塔内に返還するガス還流
    通路と、上記混合ガス導入口から上記精留通路内に混合
    ガスを導入する混合ガス導入通路と、上記精留通路の精
    留ガス導出口からこの混合ガス通路で精留された精留ガ
    スを導出し、上記精留塔の頂部に還流液として導入する
    精留ガス移送通路とを備えたことを特徴とする一酸化炭
    素の深冷分離装置。
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