JPH0787931B2 - 耐孔食性にすぐれた複合部材 - Google Patents
耐孔食性にすぐれた複合部材Info
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- JPH0787931B2 JPH0787931B2 JP17937489A JP17937489A JPH0787931B2 JP H0787931 B2 JPH0787931 B2 JP H0787931B2 JP 17937489 A JP17937489 A JP 17937489A JP 17937489 A JP17937489 A JP 17937489A JP H0787931 B2 JPH0787931 B2 JP H0787931B2
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- sintered alloy
- resistance
- alloy layer
- pitting corrosion
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-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21B—ROLLING OF METAL
- B21B27/00—Rolls, roll alloys or roll fabrication; Lubricating, cooling or heating rolls while in use
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐摩耗性、耐焼付性等と共に、耐孔食性にす
ぐれた焼結合金で金属基材表面の要所を被覆した、圧延
ロール等として有用な複合部材に関する。
ぐれた焼結合金で金属基材表面の要所を被覆した、圧延
ロール等として有用な複合部材に関する。
鋼材の熱間圧延または冷間圧延用ロールの胴部表面は、
耐摩耗性の良いこと、肌荒れ(亀裂、凹凸、欠け等)を
生じ難いこと、被圧延鋼材との焼付きを生じ難いこと等
が必要である。従来より、熱間圧延用ロールとして鋳鉄
ロールが、冷間圧延用ロールとしては鍛鋼ロールがそれ
ぞれ使用されてきた。
耐摩耗性の良いこと、肌荒れ(亀裂、凹凸、欠け等)を
生じ難いこと、被圧延鋼材との焼付きを生じ難いこと等
が必要である。従来より、熱間圧延用ロールとして鋳鉄
ロールが、冷間圧延用ロールとしては鍛鋼ロールがそれ
ぞれ使用されてきた。
近時は、圧延条件の苛酷化対策・ロール耐久性改善策と
して、胴部表面に高速度鋼系化学組成を有する焼結合金
層を形成したロールの使用も試みられている(特開昭58
−213856号、特開昭63−297510号等)。
して、胴部表面に高速度鋼系化学組成を有する焼結合金
層を形成したロールの使用も試みられている(特開昭58
−213856号、特開昭63−297510号等)。
胴部表面を上記高速度鋼系焼結合金層で被覆したロール
は、鋳鉄ロールや鍛鋼ロールを凌ぐ耐摩耗性・耐肌荒れ
性等を有すると共に、強度等の機械的性質にすぐれてい
るが、使用時に孔食を生じ易いという問題がある。孔食
による微小凹孔が生じると、その微小孔を起点とする肌
荒れに発展し、被圧延鋼材の表面品質を損なう原因とな
る。このため、比較的短期間の使用で表面検索を繰返さ
なければならない。
は、鋳鉄ロールや鍛鋼ロールを凌ぐ耐摩耗性・耐肌荒れ
性等を有すると共に、強度等の機械的性質にすぐれてい
るが、使用時に孔食を生じ易いという問題がある。孔食
による微小凹孔が生じると、その微小孔を起点とする肌
荒れに発展し、被圧延鋼材の表面品質を損なう原因とな
る。このため、比較的短期間の使用で表面検索を繰返さ
なければならない。
本発明は、高速度鋼系焼結合金について、その耐摩耗性
や耐焼付性等を損なうことなく、耐孔食性を高め、ロー
ル材等としての安定な使用を可能とすることを目的とし
てなされたものである。
や耐焼付性等を損なうことなく、耐孔食性を高め、ロー
ル材等としての安定な使用を可能とすることを目的とし
てなされたものである。
本発明の複合部材は、金属基材表面の要所に、被覆層と
して、 C:2〜3.5%、Si:0.4%以下、Mn:0.4%以下、Cr:6.5〜20
%、V:6〜12%、W:5〜14%、Co:7〜14%、Mo:3〜9%、
残部実質的にFeからなる化学組成を有する焼結合金層
(高Cr層結合金層)、 C:2〜3.5%、Si:0.6〜3.5%、Mn:0.4%以下、Cr:3〜6
%、V:6〜12%、W:5〜14%、Co:7〜14%、Mo:3〜9%、
残部実質的にFeからなる化学組成を有する焼結合金層
(高Si焼結合金層)、 または、C:2〜3.5%、Si:0.6〜3.5%、Mn:0.4%以下、C
r:6.5〜20%、V:6〜12%、W:5〜14%、Co:7〜14%、Mo:
3〜9%、残部実質的にFeからなる化学組成を有する焼
結合金層(高Cr高Si焼結合金層) が形成されていることを特徴としている。
して、 C:2〜3.5%、Si:0.4%以下、Mn:0.4%以下、Cr:6.5〜20
%、V:6〜12%、W:5〜14%、Co:7〜14%、Mo:3〜9%、
残部実質的にFeからなる化学組成を有する焼結合金層
(高Cr層結合金層)、 C:2〜3.5%、Si:0.6〜3.5%、Mn:0.4%以下、Cr:3〜6
%、V:6〜12%、W:5〜14%、Co:7〜14%、Mo:3〜9%、
残部実質的にFeからなる化学組成を有する焼結合金層
(高Si焼結合金層)、 または、C:2〜3.5%、Si:0.6〜3.5%、Mn:0.4%以下、C
r:6.5〜20%、V:6〜12%、W:5〜14%、Co:7〜14%、Mo:
3〜9%、残部実質的にFeからなる化学組成を有する焼
結合金層(高Cr高Si焼結合金層) が形成されていることを特徴としている。
以下、本発明の焼結合金の成分限定理由を説明する。%
はすべて重量%である。
はすべて重量%である。
C:2〜3.5% Cは、マトリックスに固溶し、また一部はVやWの炭化
物を形成することにより焼結合金の硬度を高める。C量
の下限値を2%としたのは、それより少ないと、VやW
の炭化物の生成量が不足し、高高度化を十分ならしめる
ことができないからであり、他方3.5%を上限としたの
は、それをこえると、VやWの炭化物の粗大化等により
靭性が低下するからである。
物を形成することにより焼結合金の硬度を高める。C量
の下限値を2%としたのは、それより少ないと、VやW
の炭化物の生成量が不足し、高高度化を十分ならしめる
ことができないからであり、他方3.5%を上限としたの
は、それをこえると、VやWの炭化物の粗大化等により
靭性が低下するからである。
Si:0.6〜3.5%(または0.4%以下) Siは、焼結合金の耐孔食性の向上に奏効する。また、焼
入れ性の改善効果を有している。Siによる耐孔食性の向
上は、0.6%以上の添加により得られ、添加増量に伴っ
て効果は大きくなる。しかし、その反面焼結合金の熱的
・機械的衝撃特性の低下傾向を招くので3.5%を上限と
する。なお、Siによる焼入れ性改善効果は、少量添加に
より得ることができ、また焼入れ後の焼もどし処理によ
る二次硬化への寄与は少なく、高温硬さの改善効果は小
さい。このため、焼入れ性改善効果のみを意図する場合
は、0.4%までの添加で十分である。
入れ性の改善効果を有している。Siによる耐孔食性の向
上は、0.6%以上の添加により得られ、添加増量に伴っ
て効果は大きくなる。しかし、その反面焼結合金の熱的
・機械的衝撃特性の低下傾向を招くので3.5%を上限と
する。なお、Siによる焼入れ性改善効果は、少量添加に
より得ることができ、また焼入れ後の焼もどし処理によ
る二次硬化への寄与は少なく、高温硬さの改善効果は小
さい。このため、焼入れ性改善効果のみを意図する場合
は、0.4%までの添加で十分である。
Mn:0.4%以下 Mnは、焼入れ性を改善する元素であるが、焼もどし処理
による二次硬化は期待できないので、高温硬さの改善効
果は小さく、従って0.4%までの添加で十分である。
による二次硬化は期待できないので、高温硬さの改善効
果は小さく、従って0.4%までの添加で十分である。
Cr:6.5〜20%(または3〜6%) Crは、焼結合金の焼入れ性を改善し、また焼もどし軟化
抵抗性を高める。更に、その添加増量に伴い、耐孔食性
向上効果を示す。Cr添加による耐孔食性の改善効果を得
るには少なくとも6.5%を必要とし、その増量により効
果は大きくなるが、それと共に赤熱鋼材に対する焼付抵
抗性が減じ、また耐肌荒れ性の低下傾向をみるので、20
%、好ましくは15%を上限とする。なおCrによる焼入れ
性および焼もどし軟化抵抗性の改善効果は、3%以上の
添加により得られ、6%までの添加で十分であるので、
焼入れ性や焼もどし軟化抵抗性の改善を意図した場合の
添加量は3〜6%とする。
抵抗性を高める。更に、その添加増量に伴い、耐孔食性
向上効果を示す。Cr添加による耐孔食性の改善効果を得
るには少なくとも6.5%を必要とし、その増量により効
果は大きくなるが、それと共に赤熱鋼材に対する焼付抵
抗性が減じ、また耐肌荒れ性の低下傾向をみるので、20
%、好ましくは15%を上限とする。なおCrによる焼入れ
性および焼もどし軟化抵抗性の改善効果は、3%以上の
添加により得られ、6%までの添加で十分であるので、
焼入れ性や焼もどし軟化抵抗性の改善を意図した場合の
添加量は3〜6%とする。
V:6〜12% Vは焼入れ後の焼もどし処理により、微細なMC型炭化物
として析出し顕著な二次硬化現象を生起し、併せて焼も
どし軟化抵抗性を示す。また、焼結合金組織の微細化に
よる靭性等の機械的性質の向上に寄与する。その組織の
微細化による機械的性質の改善効果は9%未満の少量添
加でも得られるが、MC型炭化物の析出による十分な高硬
度・高耐摩耗性を得るには、すくなくと6%の添加を必
要とする。添加増量に伴ってその効果は増すが、あまり
多くすると、析出炭化物の粗大化による靭性等の機械的
性質の低下を生じ、また切削加工性等が悪くなるので、
12%を上限とする。
として析出し顕著な二次硬化現象を生起し、併せて焼も
どし軟化抵抗性を示す。また、焼結合金組織の微細化に
よる靭性等の機械的性質の向上に寄与する。その組織の
微細化による機械的性質の改善効果は9%未満の少量添
加でも得られるが、MC型炭化物の析出による十分な高硬
度・高耐摩耗性を得るには、すくなくと6%の添加を必
要とする。添加増量に伴ってその効果は増すが、あまり
多くすると、析出炭化物の粗大化による靭性等の機械的
性質の低下を生じ、また切削加工性等が悪くなるので、
12%を上限とする。
W:5〜14% Wは強力な炭化物形成元素であり、焼もどし処理により
MC型炭化物として微細析出し顕著な二次硬化をもたら
す。また焼もどし軟化抵抗性を示す。添加量の下限を5
%としたのは、MC型炭化物の析出による十分な二次硬化
を得るためである。添加増量により、その硬化を増す
が、反面析出炭化物の粗大化による靭性等の機械的性質
の低下をみるので、14%を上限とした。
MC型炭化物として微細析出し顕著な二次硬化をもたら
す。また焼もどし軟化抵抗性を示す。添加量の下限を5
%としたのは、MC型炭化物の析出による十分な二次硬化
を得るためである。添加増量により、その硬化を増す
が、反面析出炭化物の粗大化による靭性等の機械的性質
の低下をみるので、14%を上限とした。
Co:7〜14% Coは、焼もどし処理による炭化物の析出と、マトリック
スの二次マルテンサイト化による焼結合金の強化を助長
すると共に、高温硬さの向上に奏効する。この効果は7
%以上の添加により得られる。しかし、14%をこえると
その効果はほぼ飽和するので14%を上限とする。
スの二次マルテンサイト化による焼結合金の強化を助長
すると共に、高温硬さの向上に奏効する。この効果は7
%以上の添加により得られる。しかし、14%をこえると
その効果はほぼ飽和するので14%を上限とする。
Mo:3〜9% Moは、焼入れ性を高めると共に、焼もどし処理により微
細な炭化物を形成して顕著な二次硬化を生起し、高温硬
さの保持に奏効する。この効果は3%以上の添加により
得られる。しかし9%をこえるとその効果はほぼ飽和す
るので9%までとする。
細な炭化物を形成して顕著な二次硬化を生起し、高温硬
さの保持に奏効する。この効果は3%以上の添加により
得られる。しかし9%をこえるとその効果はほぼ飽和す
るので9%までとする。
本発明の焼結合金は、熱間静水圧加圧焼結法等により製
造され、焼入れ・焼もどし処理により、ベイナイトまた
はマルテンサイト相のマトリックスに微細なMC型および
/またはM6C型炭化物が分散析出した組織が与えられ
る。その焼結合金は、後記実施例に示すように極めて硬
質で、耐摩耗性が高く、耐焼付性等にすぐれていると共
に、改良された孔食抵抗性を有し、腐食環境下において
も孔食とその進展による肌荒れを生じ難く、長期間平滑
性にすぐれた表面状態を保持する。
造され、焼入れ・焼もどし処理により、ベイナイトまた
はマルテンサイト相のマトリックスに微細なMC型および
/またはM6C型炭化物が分散析出した組織が与えられ
る。その焼結合金は、後記実施例に示すように極めて硬
質で、耐摩耗性が高く、耐焼付性等にすぐれていると共
に、改良された孔食抵抗性を有し、腐食環境下において
も孔食とその進展による肌荒れを生じ難く、長期間平滑
性にすぐれた表面状態を保持する。
本発明の焼結合金を被覆層とする複合部材は、前記化学
組成に調整された金属粉末を焼結原料とし、熱間静水圧
加圧焼結法により金属基材の表面に焼結合金層を形成
し、ついでその焼結合金層の焼入れおよび焼もどし処理
を行うことにより製造される。
組成に調整された金属粉末を焼結原料とし、熱間静水圧
加圧焼結法により金属基材の表面に焼結合金層を形成
し、ついでその焼結合金層の焼入れおよび焼もどし処理
を行うことにより製造される。
その製造工程について説明すると、まず金属基材の表面
に、適宜のカプセル材を用いて焼結原料粉末の充填層を
形成し、その粉末充填層を脱気したうえ密封し、熱間静
水圧加圧焼結に付して焼結合金層を形成する。その焼結
処理は、温度:約900〜1,200℃、加圧力:約500〜1,500
kgf/cm2に適当時間(例えば2〜4時間)保持すること
により好適に達成される。その焼結過程において焼結合
金層と金属基材との界面には強固な密着結合関係が形成
される。原料粉末が比較的多量の酸化皮膜を付随するも
のである場合には、その粉末充填層の脱気・密封を行う
前に、加熱下に還元ガスを導入して酸化皮膜を還元除去
すればよい。焼結完了後、カプセル材の除去および必要
な形状修正のための機械加工を行う。なお、金属基材の
材質は、目的とする複合部材の用途・使用条件等に応じ
て任意に選択されるものであり、圧延用ロール等のよう
に強度や靭性を必要とするものである場合には、各種の
強靭鋼、たとえば、SCM鋼やSNCM鋼が好ましく用いられ
る。
に、適宜のカプセル材を用いて焼結原料粉末の充填層を
形成し、その粉末充填層を脱気したうえ密封し、熱間静
水圧加圧焼結に付して焼結合金層を形成する。その焼結
処理は、温度:約900〜1,200℃、加圧力:約500〜1,500
kgf/cm2に適当時間(例えば2〜4時間)保持すること
により好適に達成される。その焼結過程において焼結合
金層と金属基材との界面には強固な密着結合関係が形成
される。原料粉末が比較的多量の酸化皮膜を付随するも
のである場合には、その粉末充填層の脱気・密封を行う
前に、加熱下に還元ガスを導入して酸化皮膜を還元除去
すればよい。焼結完了後、カプセル材の除去および必要
な形状修正のための機械加工を行う。なお、金属基材の
材質は、目的とする複合部材の用途・使用条件等に応じ
て任意に選択されるものであり、圧延用ロール等のよう
に強度や靭性を必要とするものである場合には、各種の
強靭鋼、たとえば、SCM鋼やSNCM鋼が好ましく用いられ
る。
焼結合金の焼入れ・焼もどし処理における焼入れ温度は
1,050〜1,250℃、好ましくは、1,100〜1,200℃であり、
またその温度からの冷却は、亀裂・変形等の防止のため
に、略常圧のガスを冷媒とするガス冷却、または加圧ガ
ス(例えば3〜7kgf/cm2)を冷媒とする強制ガス冷却に
より行うことが好ましい。
1,050〜1,250℃、好ましくは、1,100〜1,200℃であり、
またその温度からの冷却は、亀裂・変形等の防止のため
に、略常圧のガスを冷媒とするガス冷却、または加圧ガ
ス(例えば3〜7kgf/cm2)を冷媒とする強制ガス冷却に
より行うことが好ましい。
焼入れにつづく焼もどし処理は、500〜600℃、より好ま
しくは520〜580℃に加熱保持した後、徐冷する操作を1
回または複数回(例えば2〜4回)反復することにより
好適に達成される。
しくは520〜580℃に加熱保持した後、徐冷する操作を1
回または複数回(例えば2〜4回)反復することにより
好適に達成される。
焼結合金層は上記熱処理によって、マルテンサイトまた
はベイナイト相のマトリックスに炭化物が微細に析出分
散した金属組織が与えられる。その析出炭化物は面積率
で約25〜35%を占め、一般の溶製材における炭化物量
(通常、約10〜15%)に比し豊富であり、かつ均一分散
性にすぐれている。
はベイナイト相のマトリックスに炭化物が微細に析出分
散した金属組織が与えられる。その析出炭化物は面積率
で約25〜35%を占め、一般の溶製材における炭化物量
(通常、約10〜15%)に比し豊富であり、かつ均一分散
性にすぐれている。
第1図は本発明の複合部材の例として、円筒形状を有す
る金属基材(1)の外周面に前記化学組成を有する焼結
合金層(2)を形成した円筒体の断面構造を模式的に示
している。この複合体は部材は、例えばその中空孔中に
アーバー(3)を嵌着して圧延ロールとして使用され
る。図の例では、一定の層厚を有する焼結合金層(20)
を基材(10)の外周面の全体に亘って形成しているが、
必ずしもそうである必要はなく、例えば丸鋼仕上圧延ロ
ール等のカリバーを有するロールでは、その円周溝面に
焼結合金層を形成し、他の部分は基材の表面が露出した
ままの部分複合構造としてよいことはいうまでもない。
なお、焼結合金層(2)の層厚は特に限定されないが、
圧延ロールの場合は、あまり薄いと、圧延荷重による焼
結合金層内に生じる剪断応力の作用で剥離を生じ易くな
るので、約3mm以上の層厚であるので好ましい。しか
し、あまり厚くすると、熱応力による亀裂発生傾向が増
加するので、約25mmを上限とするのが適当である。
る金属基材(1)の外周面に前記化学組成を有する焼結
合金層(2)を形成した円筒体の断面構造を模式的に示
している。この複合体は部材は、例えばその中空孔中に
アーバー(3)を嵌着して圧延ロールとして使用され
る。図の例では、一定の層厚を有する焼結合金層(20)
を基材(10)の外周面の全体に亘って形成しているが、
必ずしもそうである必要はなく、例えば丸鋼仕上圧延ロ
ール等のカリバーを有するロールでは、その円周溝面に
焼結合金層を形成し、他の部分は基材の表面が露出した
ままの部分複合構造としてよいことはいうまでもない。
なお、焼結合金層(2)の層厚は特に限定されないが、
圧延ロールの場合は、あまり薄いと、圧延荷重による焼
結合金層内に生じる剪断応力の作用で剥離を生じ易くな
るので、約3mm以上の層厚であるので好ましい。しか
し、あまり厚くすると、熱応力による亀裂発生傾向が増
加するので、約25mmを上限とするのが適当である。
実施例1 所定の化学組成に調整された金属粉末(平均粒径:200μ
m)を焼結原料とし、熱間静水圧加圧焼結を行い、つい
でその焼結合金ブロックに焼入れ・焼もどし処理を行っ
て供試焼結合金を得た。但し、焼結処理は、温度:1,15
0、℃加圧力:1,000kgf/cm2、保持時間:3Hrの条件で行
い、焼入れ処理は、真空焼入れチャンバー内で、1,200
℃に1時間保持後、Arガス(常温・常圧)を導入してガ
ス冷却することにより行い、焼もどし処理は540℃に5
時間加熱保持して放冷するヒートパターンを3回反復実
施することにより行った。
m)を焼結原料とし、熱間静水圧加圧焼結を行い、つい
でその焼結合金ブロックに焼入れ・焼もどし処理を行っ
て供試焼結合金を得た。但し、焼結処理は、温度:1,15
0、℃加圧力:1,000kgf/cm2、保持時間:3Hrの条件で行
い、焼入れ処理は、真空焼入れチャンバー内で、1,200
℃に1時間保持後、Arガス(常温・常圧)を導入してガ
ス冷却することにより行い、焼もどし処理は540℃に5
時間加熱保持して放冷するヒートパターンを3回反復実
施することにより行った。
第1表に供試焼結合金の化学組成と、各供試焼結合金に
ついて得られた硬度(Hs)、耐焼付性試験結果、および
孔食試験結果を示す。No.1〜10は発明例、No.101〜105
は比較例である。発明例No1〜10のうち、No.1〜4は高C
r焼結合金、No.5〜8は高Si焼結合金、No.9、10は高Si
・高Cr焼結合金である。比較例No.101〜103は、Siおよ
びCrの含有量が少ない焼結合金(Si,Cr以外の元素含有
量は本発明の規定を満たしている)であり、比較例No.1
04は、従来の代表的鋳造ロール材料であるチルド鋳鉄で
ある。
ついて得られた硬度(Hs)、耐焼付性試験結果、および
孔食試験結果を示す。No.1〜10は発明例、No.101〜105
は比較例である。発明例No1〜10のうち、No.1〜4は高C
r焼結合金、No.5〜8は高Si焼結合金、No.9、10は高Si
・高Cr焼結合金である。比較例No.101〜103は、Siおよ
びCrの含有量が少ない焼結合金(Si,Cr以外の元素含有
量は本発明の規定を満たしている)であり、比較例No.1
04は、従来の代表的鋳造ロール材料であるチルド鋳鉄で
ある。
なお、孔食試験および耐焼付性試験は次の要領で行っ
た。
た。
(i)孔食試験 試験片(試験面積35×35,mm)を、塩水(約800cc+NaCl
69.5g,濃度8%)に24時間浸漬したのち、大気中で24時
間放置乾燥する処理を、5回反復実施したのち、試験片
の表面性状を肉眼観察する。第1表中「耐孔食性」欄の
数値は、試験片表面に発生した孔食による微小凹孔の個
数を示し、同欄の「肌荒れ」は、孔食の進展による肌荒
れを生じたことを意味している。
69.5g,濃度8%)に24時間浸漬したのち、大気中で24時
間放置乾燥する処理を、5回反復実施したのち、試験片
の表面性状を肉眼観察する。第1表中「耐孔食性」欄の
数値は、試験片表面に発生した孔食による微小凹孔の個
数を示し、同欄の「肌荒れ」は、孔食の進展による肌荒
れを生じたことを意味している。
(ii)耐焼付性試験 フレックス型焼付試験(押付荷重:150kg)により、試験
片表面に相手材(SUS 304ステンレス鋼)を押付けて回
転トルクを測定し、トルクの異常変動の有無により試験
片と相手材との摺接面間の焼付の有無を判定する。第1
表中、「耐焼付性」欄の「○」は焼付き無し(トルク値
低位安定)、「×」は焼付き発生(トルク値異常変動発
生)を意味している。なお、第2図は、発明例No.1につ
いて得られたトルク測定結果を、第3図は比較例No.104
(チルド鋳鉄)についてのトルク測定結果を示してい
る。各図の曲線(イ)は、試験片表面に対する相手材の
荷重(kg)、曲線(ロ)は回転トルク(kg・cm)を示し
ており、荷重(kg)を示す縦軸の1目盛りは50kg、トル
ク(kg・cm)を示す縦軸の1目盛りは10kg・cmであり、
横軸は時間(1目盛り10秒)である。
片表面に相手材(SUS 304ステンレス鋼)を押付けて回
転トルクを測定し、トルクの異常変動の有無により試験
片と相手材との摺接面間の焼付の有無を判定する。第1
表中、「耐焼付性」欄の「○」は焼付き無し(トルク値
低位安定)、「×」は焼付き発生(トルク値異常変動発
生)を意味している。なお、第2図は、発明例No.1につ
いて得られたトルク測定結果を、第3図は比較例No.104
(チルド鋳鉄)についてのトルク測定結果を示してい
る。各図の曲線(イ)は、試験片表面に対する相手材の
荷重(kg)、曲線(ロ)は回転トルク(kg・cm)を示し
ており、荷重(kg)を示す縦軸の1目盛りは50kg、トル
ク(kg・cm)を示す縦軸の1目盛りは10kg・cmであり、
横軸は時間(1目盛り10秒)である。
上記試験結果により、比較例の焼結合金(No.101〜10
3)は、チルド鋳鉄(No.104)に比し、硬度が高く、か
つ耐焼付性にすぐれているが、耐孔食性は十分でなく、
多数の微小凹孔の発生、ないしその進展による肌荒れを
生じている。これに対し、発明例(No.1〜10)は、高硬
度・高耐焼付性を有していると共に、耐孔食性にすぐれ
ており、腐食環境下においても微小凹孔の発生・進展が
少なく、長期間平滑な表面状態を保持し得ることがわか
る。
3)は、チルド鋳鉄(No.104)に比し、硬度が高く、か
つ耐焼付性にすぐれているが、耐孔食性は十分でなく、
多数の微小凹孔の発生、ないしその進展による肌荒れを
生じている。これに対し、発明例(No.1〜10)は、高硬
度・高耐焼付性を有していると共に、耐孔食性にすぐれ
ており、腐食環境下においても微小凹孔の発生・進展が
少なく、長期間平滑な表面状態を保持し得ることがわか
る。
実施例2 〔I〕供試ロールの製作 金属基材としてSCM440鋼(0.4C−0.35Si−0.75Mn−1Cu
−0.2Mo)の遠心鋳造円筒体、焼結合金原料粉末として
A、B、CおよびDの4種類の金属粉末を準備し、カプ
セル材を溶いて金属基材の外周面側に金属粉末を充填
し、脱気・密封後、熱間静水圧加圧焼結を行い、焼結完
了後カプセル材を機械加工により除去し、粗加工を加え
たうえ焼結合金層の焼入れ・焼もどし処理を施して、第
1図に示した金属基材(1)と焼結合金層(2)との同
心円状2層構造を有する複合部材A、B、CおよびD
(いずれも、外形:364mm、長さ:100mm、焼結合金層厚:7
mm)を得た。
−0.2Mo)の遠心鋳造円筒体、焼結合金原料粉末として
A、B、CおよびDの4種類の金属粉末を準備し、カプ
セル材を溶いて金属基材の外周面側に金属粉末を充填
し、脱気・密封後、熱間静水圧加圧焼結を行い、焼結完
了後カプセル材を機械加工により除去し、粗加工を加え
たうえ焼結合金層の焼入れ・焼もどし処理を施して、第
1図に示した金属基材(1)と焼結合金層(2)との同
心円状2層構造を有する複合部材A、B、CおよびD
(いずれも、外形:364mm、長さ:100mm、焼結合金層厚:7
mm)を得た。
複合部材A、B、CおよびDの焼結合金層の化学組織
は、それぞれ実施例1の第1表における試番(No.)
1、4、9および101と同一である。なお、焼結処理、
および焼入れ・焼もどし処理は実施例1におけるそれと
同一条件により行った。
は、それぞれ実施例1の第1表における試番(No.)
1、4、9および101と同一である。なお、焼結処理、
および焼入れ・焼もどし処理は実施例1におけるそれと
同一条件により行った。
各複合部材A〜Dのそれぞれは、ダイチェック、および
超音波探傷により、焼結合金層内および金属基材との界
面のいずれにも欠陥はなく、その界面は、全周全長に亘
って完全に融着結合していることが確認された。
超音波探傷により、焼結合金層内および金属基材との界
面のいずれにも欠陥はなく、その界面は、全周全長に亘
って完全に融着結合していることが確認された。
上記各複合部材A〜Dをロール胴部材とし、その中空孔
内にアーバーを焼嵌めしたのち、圧延ロールとして必要
な仕上げ加工を行って、供試ロールA〜D(A、B、C:
発明例,D:比較例)を得た。
内にアーバーを焼嵌めしたのち、圧延ロールとして必要
な仕上げ加工を行って、供試ロールA〜D(A、B、C:
発明例,D:比較例)を得た。
〔II〕実機使用試験 上記供試ロールA〜Dを平鋼仕上圧延ロールとして使用
した結果、発明例の供試ロールA〜Cは、従来の代表的
鋳造ロールである高硬度ダクタイル鋳鉄ロールに比し、
摩耗速度は数分の1以下であり、被圧延鋼材との焼付き
もなく、孔食による表面の荒れも軽微であった。また、
供試ロールA〜C(発明例)と供試ロールD(比較例)
とを比較すると、耐摩耗性や耐焼付性の点では両者に実
質的な差異はないが、供試ロールA〜Cは、孔食の発生
および肌荒れへの進展速度が低く、孔食による肌荒れ表
面の修復に必要な表面研削頻度が減少し、結果として表
面研削を要するまでの連続使用寿命は、供試ロールDの
約2〜4倍を示した。
した結果、発明例の供試ロールA〜Cは、従来の代表的
鋳造ロールである高硬度ダクタイル鋳鉄ロールに比し、
摩耗速度は数分の1以下であり、被圧延鋼材との焼付き
もなく、孔食による表面の荒れも軽微であった。また、
供試ロールA〜C(発明例)と供試ロールD(比較例)
とを比較すると、耐摩耗性や耐焼付性の点では両者に実
質的な差異はないが、供試ロールA〜Cは、孔食の発生
および肌荒れへの進展速度が低く、孔食による肌荒れ表
面の修復に必要な表面研削頻度が減少し、結果として表
面研削を要するまでの連続使用寿命は、供試ロールDの
約2〜4倍を示した。
本発明の複合部材は、基材表面の要所に形成された焼結
合金層によるすぐれて安定した耐摩耗性、耐焼付性、耐
孔食性等を兼備しており、例えば圧延用ロールの胴部材
料としてアーバー等と組合せて使用することにより、従
来のロールを凌ぐ安定した耐用寿命が得られ、またその
胴部表面状態が安定していることにより、被圧延材の品
質改善にも大きな効果が得られる。なお、本発明複合部
材は、そのほか軸受、シリンダ等の構造部材としても有
用である。
合金層によるすぐれて安定した耐摩耗性、耐焼付性、耐
孔食性等を兼備しており、例えば圧延用ロールの胴部材
料としてアーバー等と組合せて使用することにより、従
来のロールを凌ぐ安定した耐用寿命が得られ、またその
胴部表面状態が安定していることにより、被圧延材の品
質改善にも大きな効果が得られる。なお、本発明複合部
材は、そのほか軸受、シリンダ等の構造部材としても有
用である。
第1図は本発明の複合部材の例を示す軸方向半裁断面
図、第2図、第3図は耐焼付性試験におけるトルク及び
荷重変化を示すグラフである。 1:金属基材,2:焼結合金層,3:アーバー。
図、第2図、第3図は耐焼付性試験におけるトルク及び
荷重変化を示すグラフである。 1:金属基材,2:焼結合金層,3:アーバー。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−175014(JP,A) 特開 昭61−266106(JP,A) 特開 昭63−195250(JP,A) 特開 平2−11739(JP,A) 特開 昭58−213856(JP,A) 特開 昭63−297510(JP,A) 特開 昭63−52703(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】金属基材の表面要所に、C:2〜3.5%、Si:
0.4%以下、Mn:0.4%以下、Cr:6.5〜20%、V:6〜12%、
W:5〜14%、Co:7〜14%、Mo:3〜9%、残部実質的にFe
からなる化学組成を有する焼結合金層が形成されている
ことを特徴とする耐孔食性にすぐれた複合部材。 - 【請求項2】金属基材の表面要所に、C:2〜3.5%、Si:
0.6〜3.5%、Mn:0.4%以下、Cr:3〜6%、V:6〜12%、
W:5〜14%、Co:7〜14%、Mo:3〜9%、残部実質的にFe
からなる化学組成を有する焼結合金層が形成されている
ことを特徴とする耐孔食性にすぐれた複合部材。 - 【請求項3】金属基材の表面要所に、C:2〜3.5%、Si:
0.6〜3.5%、Mn:0.4%以下、Cr:6.5〜20%、V:6〜12
%、W:5〜14%、Co:7〜14%、Mo:3〜9%、残部実質的
にFeからなる焼結合金層が形成されていることを特徴と
する耐孔食性にすぐれた複合部材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17937489A JPH0787931B2 (ja) | 1989-07-12 | 1989-07-12 | 耐孔食性にすぐれた複合部材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17937489A JPH0787931B2 (ja) | 1989-07-12 | 1989-07-12 | 耐孔食性にすぐれた複合部材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0347609A JPH0347609A (ja) | 1991-02-28 |
| JPH0787931B2 true JPH0787931B2 (ja) | 1995-09-27 |
Family
ID=16064739
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17937489A Expired - Lifetime JPH0787931B2 (ja) | 1989-07-12 | 1989-07-12 | 耐孔食性にすぐれた複合部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0787931B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB2442385B (en) * | 2003-07-31 | 2008-09-03 | Komatsu Mfg Co Ltd | Sintered sliding member and connecting device |
| US11957325B2 (en) | 2021-03-22 | 2024-04-16 | Km Biologics Co., Ltd. | Biological tissue adhesive nebulizer and clogging prevention container |
-
1989
- 1989-07-12 JP JP17937489A patent/JPH0787931B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0347609A (ja) | 1991-02-28 |
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