JPH0788380B2 - エルゴリン誘導体およびその酸付加塩 - Google Patents

エルゴリン誘導体およびその酸付加塩

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JPH0788380B2
JPH0788380B2 JP11397487A JP11397487A JPH0788380B2 JP H0788380 B2 JPH0788380 B2 JP H0788380B2 JP 11397487 A JP11397487 A JP 11397487A JP 11397487 A JP11397487 A JP 11397487A JP H0788380 B2 JPH0788380 B2 JP H0788380B2
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左千雄 大野
夕子 海老原
昌幸 孝森
芳樹 中村
光昭 長坂
肇 山本
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マルコ製薬株式会社
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【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は,式 で表わされる新規な8β−エルゴリン誘導体およびその
酸付加塩に関する。
本発明化合物は優れた中枢性ドーパミン様作用を有して
おり,高プロラクチン血症,パーキソン氏病などを予防
あるいは治療する医薬品として有用である。
B.従来の技術と問題点 麦角アルカロイドおよび関連化合物は多彩な薬理作用を
有しており,プロラクチン分泌抑制作用,抗パーキンソ
ン氏病作用[例えば,J.Med.Chem.,17,300(1974);ibi
d.,21,754(1978)など参照。]なども知られている。
半合成アルカロイドであるブロモクリプチンは末端肥大
症,下垂体性巨人症,高プロラクチン血症,パーキンソ
ン氏病を治療するための優れた薬剤として広く臨床的に
用いられている。
一方,麦角アルカロイドおよびその関連化合物は薬理作
用が多彩な故に,薬理作用の選択性に乏しく,又,ドー
パミンD2−受容体刺激作用に基づくと考えられる嘔気お
よび嘔吐がかなりの頻度で観察され,時として臨床使用
に制限を強いられる。ブロモクリプチンでは,嘔気が5
6.1%,嘔吐が23.3%と極めて高率で患者に認められて
いる[産科と婦人科,48,117(1981):ibid,48,241(19
81)などを参照。]。このため,目的とする薬理作用が
強く,選択的であり,嘔気,嘔吐などの副作用の少ない
麦角アルカロイド関連化合物の創製が望まれる。
本願化合物に密接に関係する化合物,すなわち,6−メチ
ルエルゴリン−8β−イルメチル基がヘテロ5員環に結
合した化合物に関する報告はわずかしか知られていな
い。特開昭58−194884には3,5−ジメチル−4−(6−
メチルエルゴリン−8β−イルメチル)ピラゾールおよ
び関連化合物について記載されており,抗プロラクチン
作用および血圧降下作用が述べられている。本願に特に
密接に関係する,すなわち,6−メチルエルゴリン−8β
−イルメチル基がヘテロ5員環内の窒素原子に結合した
化合物について記載した文献には,特開昭59−206382お
よび60−84286がある。前者は,例えば,1−(6−メチ
ルエルゴリン−8β−イルメチル)イミダゾリジン−2,
4−ジオンおよび関連化合物において降圧作用を開示し
ている。前者においては,さらにプロラクチン分泌抑制
作用についても記載している。後者は,例えば,3−(2
−ピリジル)−5−メチル−1−(6−メチルエルゴリ
ン−8β−イルメチル)ピラゾールおよび関連化合物に
ついて,PGF2α拮抗作用を開示している。さらに抗セロ
トニン作用,低血圧作用,プロラクチンレベル低下作
用,ドーパミン受容体アゴニスト作用を記載している。
しかし,3−メチル−5−フェニルピラゾールの5員環内
の窒素原子に6−メチル−8β−エルゴリニル基が結合
した化合物は知られていない。本発明化合物(I)は,
従来の技術から予測できない優れた薬理特性を有してい
る。
C.問題点を解決するための手段および作用 本発明者らは,優れた薬理作用を有するエルゴリン誘導
体を合成し,特許出願した(特願60−299203および61−
177138)。今回さらに鋭意研究を行なった結果,極めて
優れた薬理作用を有する8β−エルゴリン誘導体である
本発明化合物(I)を合成し,本発明を完結するに至っ
た。
本発明化合物(I)は,一般式 (式中,Xはクロル,ブロムおよびヨード原子などのハロ
ゲン原子,あるいはOSO2Rで表わされるスルホニルオキ
シ基などの酸残基である脱離基を示す。Rはメチル,エ
チル,プロピルなどの低級アルキル基,あるいはフェニ
ル,クロロフェニル,メトキシフェニル,メチルフェニ
ルなどのアリル基を示す。)で表わされる化合物[Xが
クロル原子である化合物はCollect.Czech.Chem.Commu
n.,33,577(1968),ブロム原子およびXがOSO2RでRが
メチル基である化合物はGer.Offen.,2335750(1974)
[Chem.Abstr.,80:146400d(1974)],XがOSO2RでRが
4−メチルフェニル基である化合物はHelv.Chim.Acta.,
41,1984(1958),Collect.Czech.Chem.Commun.,33,577
(1968)などに記載されている。]にジメチルホルムア
ミド,ジメチルスルホキシド,ヘキサメチルホスホルト
リアミド,アセトン,メチルエチルケトンなどの反応に
不活性な溶媒中,水素化ナトリウム,炭酸カリウム,炭
酸ナトリウムなどの塩基存在下,3−メチル−5−フェニ
ルピラゾールを,あるいは3−メチル−5−フェニルピ
ラゾールのナトリウム塩あるいはカリウム塩などを,50
〜140゜の温度で5分〜15時間反応させることにより,
容易に製造することができる。
本発明化合物(I)は通常の方法にて所望の酸付加塩と
することができる。酸付加塩としては薬学的に無毒性な
塩,たとえばフマル酸,マレイン酸,酒石酸,塩酸,硫
酸,メタンスルホン酸などの塩が適当である。
本発明化合物(I)は極めて優れた中枢性ドーパミン様
作用を示した。本発明化合物(I)は単独で,または他
の組成物と共に,例えば,錠剤,トローチ剤,丸剤,顆
粒剤,散剤,カプセル剤,アンプル剤,坐剤などの形態
で使用することができる。他の組成物としては,例え
ば,デンプン,デキストリン,庶糖,乳糖,ケイ酸,カ
ルボキシメチルセルロース,セルロース,ゼラチン,ポ
リビニルピロリドン,グリセリン,寒天,炭酸カルシウ
ム,炭酸水素ナトリウム,パラフィン,セチルアルコー
ル,ステアリン酸エステル,カオリン,ベントナイト,
タルク,ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸マグネ
シウム,ポリエチレングリコール,水,エタノール,イ
ソプロピルアルコール,プロピレングリコールなどがあ
げられる。
本発明化合物(I)の,例えば経口投与に対する1日当
たりの投薬量は,体重1kg当たり,0.005〜10mgが適当で
ある。当然のことながら,投与する時の状態により,適
宜増減されるべきである。
D.実施例 (1)5−メチル−1−(6−メチル−8β−エルゴリ
ニルメチル)−3−フェニルピラゾール 3−メチル−5−フェニルピラゾール(6.9g),ジメチ
ルホルムアミド(50ml)の溶液に,60%油性水素化ナト
リウムを徐々に添加。発泡が収まった後,6−メチル−8
β−エルゴニル トシレート(3.0g)を添加。水浴上で
3時間加熱。反応後,水を加え,塩化メチレンにて抽
出。有機層を水洗,硫酸マグネシウムで乾燥。溶媒留去
し,残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸
エチルについでアセトン)にて精製。第1フラクション
より5−メチル−1−(6−メチル−8β−エルゴニル
メチル)−3−フェニルピラゾールの無色プリズム晶
(アセト),mp225〜230゜(deomp),1.6gを得。
NMR(CDCl3)δ:1.25(1H,q,J=12.3Hz),1.83−3.15
[13H,m,2.33(3H,s),2.42(3H,s)],3.35(1H,dd,J
=14.2,4.1Hz),3.88−4.15(2H,m),6.28(1H,s),6.6
7−7.44(7H,m),7.56−7.97[3H,m,7.85(1H,br)]。
Anal.Calcd for C26H28N4:C,78.75;H,7.12;N,14.13.Fo
und:C,78.27;H,7.12;N,14.16。
第2フラクションより3−メチル−1−(6−メチル−
8β−エルゴリニルメチル)−5−フェニルピラゾール
の無色プリズム晶,mp169〜171゜,0.3gを得。
NMR(CDCl3)δ:0.98(1H,q,J=12.5Hz),1.66−3.02
[13H,m,2.31(3H,s),2.36(3H,s)],3.30(1H,dd,J
=14.3,4.0Hz),4.02(2H,dlike,J=6.6Hz),6.03(1H,
s),6.60−6.84(2H,m),6.90−7.20(2H,m),7.35(5
H,s),7.95(1H,br)。
Anal.Calcd for C26H28N4:C,78.75;H,7.12;N,14.13.Fo
und:C,78.27;H,7.12;N,14.16。
(2)6−ヒドロキシド−パミン(6−OHDA)による一
側黒質線条体破壊ラットに対する作用 体重150〜200gのウィスター系ラットを使用した。ペン
トバルビタールナトリウム(50mg/kg,ip)麻酔し,脳定
位固定装置に頭部を固定。Knig&Klippelの脳地図に
従い,Bregmaより後方に3.6mm,右に1.5mmの位置にドリル
で頭蓋骨に穴を開け,頭頂より7.0mmの深さにカニュー
レを刺入。カニューレより6−OHDA溶液(8μg/4μ
l。6−ヒドロキシド−パミン臭化水素酸塩11.825mgを
のアスコルビン酸0.002%含有0.9%生理食塩水4mlに溶
解し,6−OHDAとして8μg/4μlの濃度の溶液を製し
た。)を15分間で注入し,アクリノール消毒し,頭部皮
膚を縫合,大腿部筋肉内にペニシリン液(5000U/ml,0.3
ml)を注射。手術7日後に,アポモルフィン(0.5mg/k
g)を腹腔内投与し,6−OHDA注入側と反対側に回転する
ラットを選び,7日後に被検薬を経口投与した。投与後7
時間まで30分毎に各々1分間計14分間の回転数を集計し
た。結果は表1に示した。
(3)卵着床阻害作用 成熟未経産の発情前期雌ラットを,同週令の雄ラットと
終夜同居(1:1)翌朝,膣脂膏検査により精子を確認し
たものを妊娠0日と起算した。被検薬の0.5%アラビア
ゴム懸濁液を妊娠5日目の朝に経口投与,妊娠14日目に
エーテル麻酔下に帝王切開し,黄体数および着床数を測
定した。下記の式から着床率を算出し,着床阻害作用の
ED50値はLitchfield&Wilcoxon法により計算した。結果
は表2に示した。
着床率=着床数X100/黄体数 着床阻害率=100−着床率 (4) 嘔吐作用 体重10〜15kgの雑種成犬を用いた。十分な食餌を与え,3
0分後,上腕静脈内に被検薬を投与。投与後5時間,嘔
吐および一般行動を観察した。被検薬は0.1NHClに溶
解,さらに生理食塩水で希釈し投与した。結果は表3に
示した。
E.効果 本発明化合物(I)は極めて優れた薬理特性を有する。
すなわち,強い中枢性ドーパミン様作用を示す一方,嘔
吐などの副作用は極めて弱い。
中枢性ドーパミン様作用を有する化合物は抗パーキンソ
ン氏病作用あるいはプロラクチン分泌抑制作用などを示
し,パーキンソン氏病,高プロクチン血症などの治療薬
として使用することができる。ブロモクリプチンは中枢
性ドーパミン様作用を有しており,優れた薬剤として臨
床的に使用されている。
中枢性ドーパミン様作用は6−ヒドロキシドーパミンに
よる一側性黒質線条体破壊ラットにおける回転作用ある
いは卵着床阻害作用などによって検定することができる
[例えば,J.Med.Chem.,21,754(1978);ibid.,23,481
(1980);ibid.,29,648(1896);ibid.,29,912(198
6);Arzneim.−forsch.,33,1094(1983)などを参
照。]。前者は抗パーキンソン氏病作用のモデルであ
り,後者はプロラクチン分泌抑制作用を間接的に検定す
るモデルである。
表1に黒質線条体破壊ラットにおける回転作用を示し
た。本発明化合物(I)は強い作用を示し,ブロモクリ
プチンメタンスルホン酸塩の約10倍の効力を有してい
る。
表2に卵着床阻害作用を示したが,本発明化合物(I)
のED50値は1.62mg/kgであり,ブロモクリプチンの約3.5
倍の作用を示した。これらは,本発明化合物(I)が極
めて強い中枢性ドーパミン様作用を有することを示して
いる。
麦角アルカロイドおよびその関連化合物の多くはドーパ
ミンD2受容体刺激作用に基づくと考えられる嘔吐作用を
示し[例えば,J.Med.Chem.,16,532(1973)],臨床的
にも副作用の一つとして嘔吐作用は良く知られている。
ブロモクリプチンにおいても高頻度で嘔気および嘔吐が
観察され,時として臨床作用が制限される。本発明化合
物(I)の嘔吐作用は,表3より明らかな如く,極めて
弱く,ブロモクリプチンの約1/30であった。急性毒性
は,マウスの経口投与で,LD50値が1500mg/kg以上であ
り,非常に弱かった。
以上の如く,本発明化合物(I)は中枢性ドーパミン様
作用が極めて強く,しかも副作用となる嘔吐作用は極め
て弱く,換言すれば,安全域が極めて広い化合物であ
る。
本発明化合物(I)は,パーキンソン氏病,高プロラク
チン血症などを治療する薬剤として極めて有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 で表わされる8β−エルゴリン誘導体およびその酸付加
  2. 【請求項2】一般式 (式中、Xはハロゲン原子、スルホニルオキシ基などの
    酸残基である脱離基を示す。)で表わされる反応性中間
    体に、3−メチル−5−フェニルピラゾール、あるいは
    その金属塩を反応させることを特徴とする式 で表わされる8β−エルゴリン誘導体およびその酸付加
    塩の製造方法。
  3. 【請求項3】式 で表わされる8β−エルゴリン誘導体およびその酸付加
    塩を必須成分とする高プロラクチン血症治療剤。
  4. 【請求項4】式 で表わされる8β−エルゴリン誘導体およびその酸付加
    塩を必須成分とするパーキンソン氏病治療剤。
JP11397487A 1987-05-11 1987-05-11 エルゴリン誘導体およびその酸付加塩 Expired - Lifetime JPH0788380B2 (ja)

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