JPH0790472A - 超清浄ステンレス鋼部材の製造方法 - Google Patents
超清浄ステンレス鋼部材の製造方法Info
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- JPH0790472A JPH0790472A JP23357393A JP23357393A JPH0790472A JP H0790472 A JPH0790472 A JP H0790472A JP 23357393 A JP23357393 A JP 23357393A JP 23357393 A JP23357393 A JP 23357393A JP H0790472 A JPH0790472 A JP H0790472A
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Landscapes
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 非金属介在物の低減を十分に図ることがで
き、電解研磨時にピットが発生することのない様な、超
清浄ステンレス鋼部材を製造する為の有用な方法を確立
する。 【構成】 ステンレス鋼の鋼塊を真空誘導炉溶解法によ
って製造した後、該鋼塊を真空アーク溶解法またはエレ
クトロスラグ溶解法によって溶解する工程を介してまた
は介さずに、前記鋼塊を真空アーク溶解法によって再溶
解して脱酸素および脱介在物を行ない、前記鋼塊の化学
成分組成をC:0.006〜0.020%,Si:0.
10%以下,Mn:0.10%以下,Al:0.003
%以下,P:0.030%以下となる様に調整する。
き、電解研磨時にピットが発生することのない様な、超
清浄ステンレス鋼部材を製造する為の有用な方法を確立
する。 【構成】 ステンレス鋼の鋼塊を真空誘導炉溶解法によ
って製造した後、該鋼塊を真空アーク溶解法またはエレ
クトロスラグ溶解法によって溶解する工程を介してまた
は介さずに、前記鋼塊を真空アーク溶解法によって再溶
解して脱酸素および脱介在物を行ない、前記鋼塊の化学
成分組成をC:0.006〜0.020%,Si:0.
10%以下,Mn:0.10%以下,Al:0.003
%以下,P:0.030%以下となる様に調整する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体や医薬品の製造
に使用されるクリーンルームの配管部材として、或は半
導体製造装置の構成部材(例えば、チャンバー,配管,
棒材等)として有用な超清浄ステンレス鋼部材を製造す
る為の方法に関するものである。尚本発明で製造される
超清浄ステンレス鋼部材は、上記の如く半導体製造装置
の構成部材としても有用なものであるが、以下ではクリ
ーンルームのガス供給配管部材として用いる場合を代表
的に取り上げて説明を進める。
に使用されるクリーンルームの配管部材として、或は半
導体製造装置の構成部材(例えば、チャンバー,配管,
棒材等)として有用な超清浄ステンレス鋼部材を製造す
る為の方法に関するものである。尚本発明で製造される
超清浄ステンレス鋼部材は、上記の如く半導体製造装置
の構成部材としても有用なものであるが、以下ではクリ
ーンルームのガス供給配管部材として用いる場合を代表
的に取り上げて説明を進める。
【0002】
【従来の技術】超LSI等の半導体製造や医薬品製造に
は、クリーンルームの使用は不可欠であり、このクリー
ンルームで使用されるガスは超高純度であることが要求
され、これを供給する配管部材には部材自体が超清浄で
あることは勿論のこと、内面が超平滑性であることも要
求される。即ち、配管の内面に凹凸があると異物粒子
(以下、「パーティクル」と呼ぶ)が吸着したり、ガス
等が滞留するデッドゾーンとなってパーティクル発生の
原因となり、ガスの清浄性を確保することが難しくな
る。
は、クリーンルームの使用は不可欠であり、このクリー
ンルームで使用されるガスは超高純度であることが要求
され、これを供給する配管部材には部材自体が超清浄で
あることは勿論のこと、内面が超平滑性であることも要
求される。即ち、配管の内面に凹凸があると異物粒子
(以下、「パーティクル」と呼ぶ)が吸着したり、ガス
等が滞留するデッドゾーンとなってパーティクル発生の
原因となり、ガスの清浄性を確保することが難しくな
る。
【0003】上記の様な要求のある配管部材としては、
管内面の平滑度が比較的良好なステンレス鋼製精密細管
が用いられるのが一般的であり、また管内面を更に超平
滑(例えば、表面粗度がRmaxで0.1μm以下)に
保つために、製造工程中の内面研磨工程で電解研磨仕上
げが施されるのが一般的である。本明細書では、電解研
磨仕上げしたステンレス鋼管を、説明の便宜上、以下
「EP管」と呼ぶ。
管内面の平滑度が比較的良好なステンレス鋼製精密細管
が用いられるのが一般的であり、また管内面を更に超平
滑(例えば、表面粗度がRmaxで0.1μm以下)に
保つために、製造工程中の内面研磨工程で電解研磨仕上
げが施されるのが一般的である。本明細書では、電解研
磨仕上げしたステンレス鋼管を、説明の便宜上、以下
「EP管」と呼ぶ。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、半導体の集積規
模の増大とともに、EP管にも高品質が要求され、その
品質を評価する指標としてEP管内表面に凹凸の一種で
あるピットの有無が挙げられ、この様なピットのないこ
とがユーザのニーズとして強く要望される様になってき
た。即ち、EP管内表面にピットが発生すると、超清浄
ガス中にパーティクルが発生し、ガスの高純度が確保で
きずに半導体や医薬品等の製造にとって致命的な欠陥と
なる。
模の増大とともに、EP管にも高品質が要求され、その
品質を評価する指標としてEP管内表面に凹凸の一種で
あるピットの有無が挙げられ、この様なピットのないこ
とがユーザのニーズとして強く要望される様になってき
た。即ち、EP管内表面にピットが発生すると、超清浄
ガス中にパーティクルが発生し、ガスの高純度が確保で
きずに半導体や医薬品等の製造にとって致命的な欠陥と
なる。
【0005】上記の様なピットが発生する原因は、鋼材
中に存在する非金属介在物が起点となっていることは既
に知られている。即ち、図1はピット発生のメカニズム
を示す概略図であるが、鋼材1中に存在する非金属介在
物2(図1(a))は電解研磨時に溶出され(図1
(b))、その溶出された凹部がピット3となって鋼材
表面に残留するものである。こうしたことから、ピット
発生を防止する手段としては、ステンレス鋼の製造段階
で脱酸および脱介在物を図って超清浄ステンレス鋼とす
るのが一般的となっており、その為の種々の製鋼法が採
用されている。
中に存在する非金属介在物が起点となっていることは既
に知られている。即ち、図1はピット発生のメカニズム
を示す概略図であるが、鋼材1中に存在する非金属介在
物2(図1(a))は電解研磨時に溶出され(図1
(b))、その溶出された凹部がピット3となって鋼材
表面に残留するものである。こうしたことから、ピット
発生を防止する手段としては、ステンレス鋼の製造段階
で脱酸および脱介在物を図って超清浄ステンレス鋼とす
るのが一般的となっており、その為の種々の製鋼法が採
用されている。
【0006】超清浄ステンレス鋼を製造する為の製鋼法
としては、真空誘導炉溶解法(VIF法)や真空酸素脱
炭法(VOD法)で鋼塊を製造し、該鋼塊を消耗電極と
してエレクトロスラグ溶解法(ESR法)や真空アーク
溶解法(VAR法)を組み合わせて2段(ダブルメルト
法)または3段(トリプルメルト法)で再溶解する方法
が広く用いられ、清浄なステンレス鋼の製造にその効果
が発揮されている。しかしながら、上記製鋼法をプロセ
ス的に組み合わせただけでは、前記非金属介在物の低減
を十分に達成することはできず、この様な方法ではEP
管内表面のピット発生を完全に防止することは困難であ
る。
としては、真空誘導炉溶解法(VIF法)や真空酸素脱
炭法(VOD法)で鋼塊を製造し、該鋼塊を消耗電極と
してエレクトロスラグ溶解法(ESR法)や真空アーク
溶解法(VAR法)を組み合わせて2段(ダブルメルト
法)または3段(トリプルメルト法)で再溶解する方法
が広く用いられ、清浄なステンレス鋼の製造にその効果
が発揮されている。しかしながら、上記製鋼法をプロセ
ス的に組み合わせただけでは、前記非金属介在物の低減
を十分に達成することはできず、この様な方法ではEP
管内表面のピット発生を完全に防止することは困難であ
る。
【0007】本発明はこうした技術的課題を解決するた
めになされたものであって、その目的は、非金属介在物
の低減を十分に図ることができ、電解研磨時にピットが
発生することのない様な超清浄ステンレス鋼部材を製造
する為の有用な方法を確立することにある。
めになされたものであって、その目的は、非金属介在物
の低減を十分に図ることができ、電解研磨時にピットが
発生することのない様な超清浄ステンレス鋼部材を製造
する為の有用な方法を確立することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明とは、ステンレス鋼の鋼塊を真空誘導炉溶解法によ
って製造した後、該鋼塊を真空アーク溶解法またはエレ
クトロスラグ溶解法によって溶解する工程を介してまた
は介さずに、前記鋼塊を真空アーク溶解法によって再溶
解して脱酸素および脱介在物を行ない、前記鋼塊の化学
成分組成をC:0.006〜0.020%,Si:0.
10%以下,Mn:0.10%以下,Al:0.003
%以下,P:0.030%以下となる様に調整する点に
要旨を有する超清浄ステンレス鋼部材の製造方法であ
る。
発明とは、ステンレス鋼の鋼塊を真空誘導炉溶解法によ
って製造した後、該鋼塊を真空アーク溶解法またはエレ
クトロスラグ溶解法によって溶解する工程を介してまた
は介さずに、前記鋼塊を真空アーク溶解法によって再溶
解して脱酸素および脱介在物を行ない、前記鋼塊の化学
成分組成をC:0.006〜0.020%,Si:0.
10%以下,Mn:0.10%以下,Al:0.003
%以下,P:0.030%以下となる様に調整する点に
要旨を有する超清浄ステンレス鋼部材の製造方法であ
る。
【0009】
【作用】本発明者らは、上記目的を達成する為に、
(a)製鋼法の適切な組合せ、および(b)鋼塊の適切
な化学成分組成、について様々な角度から検討した。そ
して製鋼法の適切な組合わせについて次の様な知見が得
られた。まずVIF法とVOD法は、いずれも製造段階
で耐火物やスラグと溶解が接触し、溶解中にこれらの微
細粒が懸濁状態で存在するため、いかに浮上分離除去に
努めても清浄性には限界がある。したがってこれらの製
鋼法は、再溶解法のための電極製造としての位置付けし
か持たない。
(a)製鋼法の適切な組合せ、および(b)鋼塊の適切
な化学成分組成、について様々な角度から検討した。そ
して製鋼法の適切な組合わせについて次の様な知見が得
られた。まずVIF法とVOD法は、いずれも製造段階
で耐火物やスラグと溶解が接触し、溶解中にこれらの微
細粒が懸濁状態で存在するため、いかに浮上分離除去に
努めても清浄性には限界がある。したがってこれらの製
鋼法は、再溶解法のための電極製造としての位置付けし
か持たない。
【0010】一方ESR法は、水冷した銅鋳型内で溶解
スラグ中に電極を浸漬し、大電流を流してスラグの抵抗
熱(ジュール熱)で電極を溶解して凝固させる方法であ
るが、スラグ中に含有する酸化物(Al2 O3 やCaO
等)と溶鋼成分との反応により脱酸に限界があると同時
にAl2 O3 を含有するため、エレクトロスラグ溶解し
た溶鋼中にAlが微量存在し、後記実施例に示すように
EP管のピット発生防止に悪影響をもたらす。したがっ
て、ESR法はダブルメルト法やトリプルメルト法の最
終の製鋼法としては適していない。
スラグ中に電極を浸漬し、大電流を流してスラグの抵抗
熱(ジュール熱)で電極を溶解して凝固させる方法であ
るが、スラグ中に含有する酸化物(Al2 O3 やCaO
等)と溶鋼成分との反応により脱酸に限界があると同時
にAl2 O3 を含有するため、エレクトロスラグ溶解し
た溶鋼中にAlが微量存在し、後記実施例に示すように
EP管のピット発生防止に悪影響をもたらす。したがっ
て、ESR法はダブルメルト法やトリプルメルト法の最
終の製鋼法としては適していない。
【0011】これに対し、VAR法は水冷した銅鋳型内
で高真空中(到達真空度:0.13〜0.013Pa)
で電極に大電流を流してアーク熱により電極を溶解して
凝固させる再溶解法であるため、脱酸は真空中でのC−
O反応により進行する。したがって、耐火物やスラグの
汚染がないので脱酸、脱介在物に最適の方法であり、超
清浄鋼を製造する場合にダブルメルト法やトリプルメル
ト法の最終段階の製鋼法に用いるのが理想的である。但
し、VAR法は真空下でのC−O反応以外に精練機能を
持たないため、使用する電極はできるだけ清浄であるこ
とが必要な条件となる。
で高真空中(到達真空度:0.13〜0.013Pa)
で電極に大電流を流してアーク熱により電極を溶解して
凝固させる再溶解法であるため、脱酸は真空中でのC−
O反応により進行する。したがって、耐火物やスラグの
汚染がないので脱酸、脱介在物に最適の方法であり、超
清浄鋼を製造する場合にダブルメルト法やトリプルメル
ト法の最終段階の製鋼法に用いるのが理想的である。但
し、VAR法は真空下でのC−O反応以外に精練機能を
持たないため、使用する電極はできるだけ清浄であるこ
とが必要な条件となる。
【0012】ところで従来技術で述べたように、超清浄
ステンレス鋼を製造するためには再溶解法は必須条件で
あり、またダブルメルト法やトリプルメルト法の最終の
製鋼法はVARが理想的であることも前述した。したが
って、VAR法を適用する際の消耗電極(再溶解する化
学成分)の化学成分設計は、VAR法の機能が最大発揮
できるよう配慮することが重要である。
ステンレス鋼を製造するためには再溶解法は必須条件で
あり、またダブルメルト法やトリプルメルト法の最終の
製鋼法はVARが理想的であることも前述した。したが
って、VAR法を適用する際の消耗電極(再溶解する化
学成分)の化学成分設計は、VAR法の機能が最大発揮
できるよう配慮することが重要である。
【0013】図2にはステンレス鋼の脱酸平衡を整理し
て示す。VAR法は溶鋼が約10Paの高真空にさらさ
れるため、図2に示す如く溶鋼中のCはAlの脱酸力と
ほぼ同等以上となる。従って、溶鋼はC脱酸で浄化する
ことが最適である。即ち、Cは可能な範囲でできるだけ
多く含有させると共に、介在物の原因となるAl,S
i,Mn等の脱酸元素はできるだけ低減させることが、
脱酸、脱介在物の進行に有利である。またVAR法を適
用する際の溶鋼の化学成分組成を上記のようにするため
には、最初に適用する溶解法としては、VOD法よりも
VIF法の法が適切であることも分かった。この様にし
て最初にVIF法を適用すると共に、最終的な再溶解法
としてはVAR法が最適であることが明らかとなった
が、最終的にVAR法によって再溶解するのに先立ち、
即ち前記VIF法によって鋼塊を製造した後、VAR法
やESR法で溶解を行なうこともステンレス鋼の清浄化
に有効である。
て示す。VAR法は溶鋼が約10Paの高真空にさらさ
れるため、図2に示す如く溶鋼中のCはAlの脱酸力と
ほぼ同等以上となる。従って、溶鋼はC脱酸で浄化する
ことが最適である。即ち、Cは可能な範囲でできるだけ
多く含有させると共に、介在物の原因となるAl,S
i,Mn等の脱酸元素はできるだけ低減させることが、
脱酸、脱介在物の進行に有利である。またVAR法を適
用する際の溶鋼の化学成分組成を上記のようにするため
には、最初に適用する溶解法としては、VOD法よりも
VIF法の法が適切であることも分かった。この様にし
て最初にVIF法を適用すると共に、最終的な再溶解法
としてはVAR法が最適であることが明らかとなった
が、最終的にVAR法によって再溶解するのに先立ち、
即ち前記VIF法によって鋼塊を製造した後、VAR法
やESR法で溶解を行なうこともステンレス鋼の清浄化
に有効である。
【0014】一方、VAR法を適用する際の溶鋼中の化
学成分組成をいかに調整するのが良いかは上述した通り
であるが、本発明者らはこの化学成分組成の適切な具体
的範囲について検討を加えた。但し、上記各元素の化学
成分はVAR法適用によりCはC−O反応により、また
Mnは高真空下で蒸発するため夫々減少するため、最終
的な鋼塊によって判断した。その結果、最終的に製造さ
れた鋼塊の化学成分が、C:0.006〜0.020
%,Si:0.10%以下,Mn:0.10%以下,A
l:0.003%以下,P:0.030%以下となる様
にすればステンレス鋼の希望する清浄化が達成されるこ
とが分かった。
学成分組成をいかに調整するのが良いかは上述した通り
であるが、本発明者らはこの化学成分組成の適切な具体
的範囲について検討を加えた。但し、上記各元素の化学
成分はVAR法適用によりCはC−O反応により、また
Mnは高真空下で蒸発するため夫々減少するため、最終
的な鋼塊によって判断した。その結果、最終的に製造さ
れた鋼塊の化学成分が、C:0.006〜0.020
%,Si:0.10%以下,Mn:0.10%以下,A
l:0.003%以下,P:0.030%以下となる様
にすればステンレス鋼の希望する清浄化が達成されるこ
とが分かった。
【0015】即ち、CはVAR後の酸素量を15ppm
以下に安定して確保するために0.006%以上必要で
あり、一方、炭化物の析出を防止するには0.020%
以下とする必要がある。また、Si,MnおよびAlは
脱酸元素であり、電極中にこれらの酸化物を可能な限り
少なくし、VARのC−O反応を促進するためにはS
i:0.10%以下,Mn:0.10%以下とする必要
があり、特にAlは最終のVAR工程で鋼塊が凝固する
ときにAlが存在するとAl2 O3 介在物が生成するた
め徹底して低減することが重要であり、Al:0.00
3%以下とする必要がある。またPは低値ほど良いが、
材料コストが上昇するため品質に影響を及ぼされない範
囲としてP:0.030%以下とした。
以下に安定して確保するために0.006%以上必要で
あり、一方、炭化物の析出を防止するには0.020%
以下とする必要がある。また、Si,MnおよびAlは
脱酸元素であり、電極中にこれらの酸化物を可能な限り
少なくし、VARのC−O反応を促進するためにはS
i:0.10%以下,Mn:0.10%以下とする必要
があり、特にAlは最終のVAR工程で鋼塊が凝固する
ときにAlが存在するとAl2 O3 介在物が生成するた
め徹底して低減することが重要であり、Al:0.00
3%以下とする必要がある。またPは低値ほど良いが、
材料コストが上昇するため品質に影響を及ぼされない範
囲としてP:0.030%以下とした。
【0016】ところで本発明では、ステンレス鋼の最終
的な化学成分組成として、C,Si,Mn,Al,P等
についてのみ規定したものであるが、ステンレス鋼はC
rを必ず含有する他、必要によってNiやMo等を含有
するものである。しかしながら、これらの化学成分につ
いてはステンレス鋼の清浄化にほとんど影響を与えない
ので、本発明ではC,Si,Mn,Al,P等だけを限
定した。即ち、本発明で対象とするステンレス鋼は、C
r,Ni,Mo等の含有量は問わず、これらの元素を所
定量および不可避的不純物を含むステンレス鋼のすべて
を対象とするものである。
的な化学成分組成として、C,Si,Mn,Al,P等
についてのみ規定したものであるが、ステンレス鋼はC
rを必ず含有する他、必要によってNiやMo等を含有
するものである。しかしながら、これらの化学成分につ
いてはステンレス鋼の清浄化にほとんど影響を与えない
ので、本発明ではC,Si,Mn,Al,P等だけを限
定した。即ち、本発明で対象とするステンレス鋼は、C
r,Ni,Mo等の含有量は問わず、これらの元素を所
定量および不可避的不純物を含むステンレス鋼のすべて
を対象とするものである。
【0017】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定するものではな
く、前・後記の趣旨に徴して設け変更することはいずれ
も本発明の技術的範囲に含まれるものである。
明するが、下記実施例は本発明を限定するものではな
く、前・後記の趣旨に徴して設け変更することはいずれ
も本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0018】
【実施例】図3は、ステンレス鋼(SUS 316L
系)のVAR鋼塊のC量とO量の関係を示すグラフであ
る。ここに示すように、C量の増加とともにO量は低減
する。この関係からC量は多いほどよいが、0.020
%を超えると脱酸効果は横ばいになることと、C量がこ
のレベル以上では炭化物が増加し、粒界析出してピット
発生の原因となることから上限を0.020%とした。
またCの脱酸作用によって作成されるO量は少なくとも
15ppm以下である必要から鋼塊中のC量の下限は
0.006%とした。
系)のVAR鋼塊のC量とO量の関係を示すグラフであ
る。ここに示すように、C量の増加とともにO量は低減
する。この関係からC量は多いほどよいが、0.020
%を超えると脱酸効果は横ばいになることと、C量がこ
のレベル以上では炭化物が増加し、粒界析出してピット
発生の原因となることから上限を0.020%とした。
またCの脱酸作用によって作成されるO量は少なくとも
15ppm以下である必要から鋼塊中のC量の下限は
0.006%とした。
【0019】表1に各製造プロセスごとに製造したEP
管材の化学成分を示す。表1には、参考例としてVIF
法を適用した後の化学成分組成(即ち、No.1〜3の電
極の化学成分組成についても示した(No.8)。また、
表1に示したEP管材の電解研磨仕上後のピット発生状
況を図4に示す。尚、ピット発生状況は、下限の様にし
て求めた平均ピット面積割合によって評価し、図4には
No.4のときの平均ピット面積割合を1.00としたと
きの相対値で示した。
管材の化学成分を示す。表1には、参考例としてVIF
法を適用した後の化学成分組成(即ち、No.1〜3の電
極の化学成分組成についても示した(No.8)。また、
表1に示したEP管材の電解研磨仕上後のピット発生状
況を図4に示す。尚、ピット発生状況は、下限の様にし
て求めた平均ピット面積割合によって評価し、図4には
No.4のときの平均ピット面積割合を1.00としたと
きの相対値で示した。
【0020】<平均ピット面積割合>各ロットよりラン
ダムに3本(1m長さ)を供試材としてサンプリング
し、各1本からトップ、ミドル、ボトムについて各20
枚の100倍光学顕微鏡写真(20枚×3ケ所×3本=
180枚)をランダムに撮影して写真1枚当たり(70
mm×95mm=6650mm2 /1002 (=0.6
65mm2 ))の0.01mmφ以上のピット面積割合
を求めた。
ダムに3本(1m長さ)を供試材としてサンプリング
し、各1本からトップ、ミドル、ボトムについて各20
枚の100倍光学顕微鏡写真(20枚×3ケ所×3本=
180枚)をランダムに撮影して写真1枚当たり(70
mm×95mm=6650mm2 /1002 (=0.6
65mm2 ))の0.01mmφ以上のピット面積割合
を求めた。
【0021】
【表1】
【0022】表1に示すように、実施例(No.1〜
3)ではSi,MnおよびAl含有量を可能な限り低減
しているため、VAR法に用いる消耗電極は、VIF法
を用いて製造した。この結果、最終のVAR鋼塊は、S
i:0.05%,Mn:0.01〜0.02%,Al:
<0.001%およびC:0.015〜0.016%の
目標成分を得ることができた。一方、VOD法では、製
造上Si,Mnの下限値を安定して本発明と同じレベル
に確保することは困難であり、またこのように脱酸元素
の少ないVOD精錬では酸素量が多くなり、VAR電極
の清浄性は確保できない。したがって、VOD法では、
Si:0.50〜0.55%,Mn:0.59〜0.6
5%およびAl:<0.010%の電極を製造し、EP
管のピット評価の比較材とした。(No.4〜7)
3)ではSi,MnおよびAl含有量を可能な限り低減
しているため、VAR法に用いる消耗電極は、VIF法
を用いて製造した。この結果、最終のVAR鋼塊は、S
i:0.05%,Mn:0.01〜0.02%,Al:
<0.001%およびC:0.015〜0.016%の
目標成分を得ることができた。一方、VOD法では、製
造上Si,Mnの下限値を安定して本発明と同じレベル
に確保することは困難であり、またこのように脱酸元素
の少ないVOD精錬では酸素量が多くなり、VAR電極
の清浄性は確保できない。したがって、VOD法では、
Si:0.50〜0.55%,Mn:0.59〜0.6
5%およびAl:<0.010%の電極を製造し、EP
管のピット評価の比較材とした。(No.4〜7)
【0023】図4から明らかなように、実施例のもの
(No.1〜3)は比較例のものに比べ、いずれもEP
管のピット発生は少なく、中でもVIF−VAR−VA
R材(No.1)はピットがほとんど認められなかっ
た。このことから、Si,Mn,およびAl等の脱酸元
素をできるだけ低減し、VAR法のC−O反応のみで清
浄化する本発明における有用性が確認できる。また、こ
のように脱酸元素を含有しないEP管のピット評価は酸
素量と良い相関を示した。
(No.1〜3)は比較例のものに比べ、いずれもEP
管のピット発生は少なく、中でもVIF−VAR−VA
R材(No.1)はピットがほとんど認められなかっ
た。このことから、Si,Mn,およびAl等の脱酸元
素をできるだけ低減し、VAR法のC−O反応のみで清
浄化する本発明における有用性が確認できる。また、こ
のように脱酸元素を含有しないEP管のピット評価は酸
素量と良い相関を示した。
【0024】一方、VOD電極を使用したVOD−VA
R法(No.4とNo.5)はC量の違いによってEP
管のピット発生および酸素量に大きな違いが認められ
た。即ち、C量が高いNo.5(C:0.018%)は
No.4(C:0.008%)に比べ、ピット発生割合
は約1/2、酸素量で約1/3であり、前述した図1の
結果を反映し、VAR法ではC−O反応を促進させるた
めにはC量を多くすべきことを示していた。
R法(No.4とNo.5)はC量の違いによってEP
管のピット発生および酸素量に大きな違いが認められ
た。即ち、C量が高いNo.5(C:0.018%)は
No.4(C:0.008%)に比べ、ピット発生割合
は約1/2、酸素量で約1/3であり、前述した図1の
結果を反映し、VAR法ではC−O反応を促進させるた
めにはC量を多くすべきことを示していた。
【0025】比較例No.6とNo.7は、いずれもV
OD−ESR−VAR法のトリプルメルト法で製造した
EP管である。No.6はESR工程でAlピックアッ
プが生じ、この結果Al量は最終のVAR後0.009
%と高くなったが、酸素量は0.0004%と低値とな
り、EP管のピットは少ないと予想されたが、これに反
しEP管のピット評価はVOD−VAR材(No.5)
より悪い結果となった。調査の結果、微細ではあるがA
l2 O3 介在物が多く点在し、これを起点にピットが多
くなったことが判明した。
OD−ESR−VAR法のトリプルメルト法で製造した
EP管である。No.6はESR工程でAlピックアッ
プが生じ、この結果Al量は最終のVAR後0.009
%と高くなったが、酸素量は0.0004%と低値とな
り、EP管のピットは少ないと予想されたが、これに反
しEP管のピット評価はVOD−VAR材(No.5)
より悪い結果となった。調査の結果、微細ではあるがA
l2 O3 介在物が多く点在し、これを起点にピットが多
くなったことが判明した。
【0026】そこで、ESR法のスラグ組成を改善しA
lピックアップを制御した結果、No.7に示すように
Al量は0.003%となり酸素量はNo.6の約2倍
であったがEP管のピット評価は比較材中最も良好であ
った。
lピックアップを制御した結果、No.7に示すように
Al量は0.003%となり酸素量はNo.6の約2倍
であったがEP管のピット評価は比較材中最も良好であ
った。
【0027】この結果からEP管のピット発生を低減す
るにはAl2 O3 介在物を少なくすることが必須条件で
あり、Al含有量を0.003%以下にすることの正当
性を立証している。また比較例の製造プロセスでは、実
施例と比較してEP管のピット評価は必ずしも酸素量と
相関しておらず、これはVOD電極中のスラグおよび耐
火物起源の介在物やAl2 O3 介在物がVAR後に残存
することがピット発生に影響している結果であると思わ
れる。
るにはAl2 O3 介在物を少なくすることが必須条件で
あり、Al含有量を0.003%以下にすることの正当
性を立証している。また比較例の製造プロセスでは、実
施例と比較してEP管のピット評価は必ずしも酸素量と
相関しておらず、これはVOD電極中のスラグおよび耐
火物起源の介在物やAl2 O3 介在物がVAR後に残存
することがピット発生に影響している結果であると思わ
れる。
【0028】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、清
浄度の極めて高いステンレス鋼部材を製造する為の方法
が確立でき、この方法によって得られた超清浄ステンレ
ス鋼部材は、クリ−ンル−ムの配管部材の素材として、
或は半導体製造装置の構成部品の素材として有用であ
る。
浄度の極めて高いステンレス鋼部材を製造する為の方法
が確立でき、この方法によって得られた超清浄ステンレ
ス鋼部材は、クリ−ンル−ムの配管部材の素材として、
或は半導体製造装置の構成部品の素材として有用であ
る。
【図1】ピット発生のメカニズムを示す概略説明図であ
る。
る。
【図2】ステンレス鋼の脱酸平衡を整理して示したグラ
フである。
フである。
【図3】ステンレス鋼(SUS 316L系)のVAR鋼塊のC
量とO量の関係を示すグラフである。
量とO量の関係を示すグラフである。
【図4】各製造プロセスによって製造されたステンレス
鋼の電解研磨後のピット発生状況を示す棒グラフであ
る。
鋼の電解研磨後のピット発生状況を示す棒グラフであ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 ステンレス鋼の鋼塊を真空誘導炉溶解法
によって製造した後、該鋼塊を真空アーク溶解法または
エレクトロスラグ溶解法によって溶解する工程を介して
または介さずに、前記鋼塊を真空アーク溶解法によって
再溶解して脱酸素および脱介在物を行ない、前記鋼塊の
化学成分組成をC:0.006〜0.020%(重量%
の意味、以下同じ),Si:0.10%以下,Mn:
0.10%以下,Al:0.003%以下,P:0.0
30%以下となる様に調整することを特徴とする超洗浄
ステンレス鋼部材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23357393A JPH0790472A (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 超清浄ステンレス鋼部材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23357393A JPH0790472A (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 超清浄ステンレス鋼部材の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0790472A true JPH0790472A (ja) | 1995-04-04 |
Family
ID=16957194
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23357393A Withdrawn JPH0790472A (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 超清浄ステンレス鋼部材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0790472A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104404356A (zh) * | 2014-12-10 | 2015-03-11 | 沈阳科金特种材料有限公司 | 一种叶轮用马氏体不锈钢的返回料熔炼方法 |
| CN104975217A (zh) * | 2015-06-30 | 2015-10-14 | 本钢板材股份有限公司 | 一种燃气发电机连杆用钢42CrMo4+HH的生产方法 |
| CN116623105A (zh) * | 2023-07-24 | 2023-08-22 | 中科艾尔(北京)科技有限公司 | 一种超高纯316l不锈钢及其制备方法 |
| WO2025010914A1 (zh) * | 2023-07-13 | 2025-01-16 | 中国科学院金属研究所 | 一种高纯净不锈钢的真空感应冶炼方法 |
-
1993
- 1993-09-20 JP JP23357393A patent/JPH0790472A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104404356A (zh) * | 2014-12-10 | 2015-03-11 | 沈阳科金特种材料有限公司 | 一种叶轮用马氏体不锈钢的返回料熔炼方法 |
| CN104404356B (zh) * | 2014-12-10 | 2016-08-17 | 沈阳科金特种材料有限公司 | 一种叶轮用马氏体不锈钢的返回料熔炼方法 |
| CN104975217A (zh) * | 2015-06-30 | 2015-10-14 | 本钢板材股份有限公司 | 一种燃气发电机连杆用钢42CrMo4+HH的生产方法 |
| WO2025010914A1 (zh) * | 2023-07-13 | 2025-01-16 | 中国科学院金属研究所 | 一种高纯净不锈钢的真空感应冶炼方法 |
| CN116623105A (zh) * | 2023-07-24 | 2023-08-22 | 中科艾尔(北京)科技有限公司 | 一种超高纯316l不锈钢及其制备方法 |
| CN116623105B (zh) * | 2023-07-24 | 2023-10-31 | 中科艾尔(北京)科技有限公司 | 一种超高纯316l不锈钢及其制备方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20001128 |