JPH0790473A - 耐火用含酸化物鋳片及びその鋳片による耐火用圧延形鋼の製造方法 - Google Patents
耐火用含酸化物鋳片及びその鋳片による耐火用圧延形鋼の製造方法Info
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- JPH0790473A JPH0790473A JP23997593A JP23997593A JPH0790473A JP H0790473 A JPH0790473 A JP H0790473A JP 23997593 A JP23997593 A JP 23997593A JP 23997593 A JP23997593 A JP 23997593A JP H0790473 A JPH0790473 A JP H0790473A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 建造物の構造部材に用いる耐火性と靱性の優
れたH形鋼、I形鋼等のフランジを有する形鋼をAl−
Ca−Ti系酸化物を分散させた鋳片を用い、加速冷却
型制御圧延により製造する。 【構成】 Ni−Al−Ca合金等の添加と鋳込み後の
冷却速度の制御によりAl−Ca−Ti系複合酸化物を
晶出分散させた鋳片と、この鋳片を用い、粒内フェライ
トの生成の促進と加速冷却型制御圧延とにより、耐火性
と靱性の優れた高靱性圧延形鋼を製造する。
れたH形鋼、I形鋼等のフランジを有する形鋼をAl−
Ca−Ti系酸化物を分散させた鋳片を用い、加速冷却
型制御圧延により製造する。 【構成】 Ni−Al−Ca合金等の添加と鋳込み後の
冷却速度の制御によりAl−Ca−Ti系複合酸化物を
晶出分散させた鋳片と、この鋳片を用い、粒内フェライ
トの生成の促進と加速冷却型制御圧延とにより、耐火性
と靱性の優れた高靱性圧延形鋼を製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建造物の構造部材とし
て用いられる耐火性、靱性の優れた圧延形鋼用鋳片とそ
れを素材とした制御圧延による圧延形鋼の製造方法に係
わるものである。
て用いられる耐火性、靱性の優れた圧延形鋼用鋳片とそ
れを素材とした制御圧延による圧延形鋼の製造方法に係
わるものである。
【0002】
【従来の技術】建築物の超高層化、建築設計技術の高度
化などから耐火設計の見直しが建設省総合プロジェクト
により行われ、昭和62年3月に「新耐火設計法」が制
定された。この規定により、旧法令による火災時に鋼材
の温度を350℃以下にするように耐火被覆するとした
制限が解除され、鋼材の高温強度と建築物の実荷重との
かねあいにより、それに適合する耐火被覆方法を決定で
きるようになった。即ち600℃での設計高温強度を確
保できる場合はそれに見合い耐火被覆を削減できるよう
になった。
化などから耐火設計の見直しが建設省総合プロジェクト
により行われ、昭和62年3月に「新耐火設計法」が制
定された。この規定により、旧法令による火災時に鋼材
の温度を350℃以下にするように耐火被覆するとした
制限が解除され、鋼材の高温強度と建築物の実荷重との
かねあいにより、それに適合する耐火被覆方法を決定で
きるようになった。即ち600℃での設計高温強度を確
保できる場合はそれに見合い耐火被覆を削減できるよう
になった。
【0003】このような動向に対応し、先に特開平2−
77523号公報の耐火性の優れた建築用低降伏比鋼お
よび鋼材並びにその製造方法が提案されている。この先
願発明の要旨は600℃での降伏点が常温時の70%以
上となるようにMo,Nbを添加し高温強度を向上させ
たものである。鋼材の設計高温強度を600℃に設定し
たのは、合金元素による鋼材費の上昇とそれによる耐火
被覆施工費との兼ね合いから最も経済的であるという知
見に基づいたものである。
77523号公報の耐火性の優れた建築用低降伏比鋼お
よび鋼材並びにその製造方法が提案されている。この先
願発明の要旨は600℃での降伏点が常温時の70%以
上となるようにMo,Nbを添加し高温強度を向上させ
たものである。鋼材の設計高温強度を600℃に設定し
たのは、合金元素による鋼材費の上昇とそれによる耐火
被覆施工費との兼ね合いから最も経済的であるという知
見に基づいたものである。
【0004】また、従来は鋼のAl脱酸は溶製過程の初
期段階でAl添加され、溶鋼の脱酸と生成したAl2 O
3 を浮上分離し高清浄化することを目的にしていた。即
ち、如何に溶鋼の酸素濃度を下げ、鋼中の一次脱酸化物
個数を減らすかに主題がおかれていた。
期段階でAl添加され、溶鋼の脱酸と生成したAl2 O
3 を浮上分離し高清浄化することを目的にしていた。即
ち、如何に溶鋼の酸素濃度を下げ、鋼中の一次脱酸化物
個数を減らすかに主題がおかれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は前述の先
願技術によって製造された鋼材を各種の形鋼、特に複雑
な形上から厳しい圧延造形上の制約を有するH形鋼の素
材に適用することを試みた結果、ウェブ、フランジ、フ
ィレットの各部位での圧延仕上げ温度、圧下率、冷却速
度に差から、部位により組織、特にベイナイト割合が著
しく異なり、常温・高温強度、延性、靱性がバラツキ、
溶接構造用圧延鋼材(JIS G3106)等の規準に
満たない部位が生じた。また、H形鋼のフランジとウェ
ブの結合部のフィレット部はCCスラブの中心偏析部と
一致し、この部位に存在するMnSは低温圧延条件下で
は著しく延伸し、板厚方向の絞り値を低下させ、溶接時
にラメラテイアを生じる場合がある。このように従来の
技術では目的の信頼性の高い高靱性の耐火用圧延形鋼を
オンラインで製造し安価に提供することは困難である。
願技術によって製造された鋼材を各種の形鋼、特に複雑
な形上から厳しい圧延造形上の制約を有するH形鋼の素
材に適用することを試みた結果、ウェブ、フランジ、フ
ィレットの各部位での圧延仕上げ温度、圧下率、冷却速
度に差から、部位により組織、特にベイナイト割合が著
しく異なり、常温・高温強度、延性、靱性がバラツキ、
溶接構造用圧延鋼材(JIS G3106)等の規準に
満たない部位が生じた。また、H形鋼のフランジとウェ
ブの結合部のフィレット部はCCスラブの中心偏析部と
一致し、この部位に存在するMnSは低温圧延条件下で
は著しく延伸し、板厚方向の絞り値を低下させ、溶接時
にラメラテイアを生じる場合がある。このように従来の
技術では目的の信頼性の高い高靱性の耐火用圧延形鋼を
オンラインで製造し安価に提供することは困難である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、組織を細粒化
することを目的とし、製鋼過程において適正な脱酸処
理を行い、溶鋼の高清浄化、溶存酸素濃度の規制、Ni
−Al(5〜20%)−Ca(5〜20%)合金を最後
に添加する添加順序とAlとCa添加量の限定を行い、
鋳片に粒内フェライト生成核として機能する微細なAl
−Ca−Ti系複合酸化物を多数分散させた鋳片と、
これを素材とし圧延し、熱間圧延パス間で水冷すること
により、鋼板の表層部と内部に温度差を与え、軽圧下条
件下においても、より高温の内部への圧下浸透を高め、
粒内フェライト生成核となる加工転移を導入し、粒内フ
ェライト生成核をさらに増加させる。加えて、圧延後の
γ/α変態温度域を冷却制御することにより、その核生
成させたフェライトの粒成長を抑制する手段によればミ
クロ組織の細粒化ができ、高能率で製造コストの安価な
耐火用圧延形鋼の製造が可能であると言う知見に基づき
前記課題を解決したもので、その要旨とするところは、 重量%でC:0.04〜0.20%,Si:0.05
〜0.50%,Mn:0.5〜1.8%,Mo:0.4
〜1.0%,V:0.05〜0.20%,N:0.00
4〜0.015%,Ti:0.005〜0.025%を
含み、残部がFeおよび不可避不純物からなる溶鋼を、
予備脱酸処理によって、溶存酸素を重量%で0.003
〜0.015%に調整後さらに、Ni−Al−Ca合金
を添加し重量%でAl:0.005〜0.015%,C
a:0.001〜0.010%,Ni:0.1〜2.0
%に成分調整した溶鋼の鋳込み、900℃まで冷却速度
0.5〜20℃/sで冷却し、鋳片内に大きさ3μm以
下のAl−Ca−Ti系複合酸化物を20個/mm2 以上
含有する耐火用含酸化物鋳片。 重量%でC:0.04〜0.20%,Si:0.05
〜0.50%,Mn:0.5〜1.8%,Mo:0.4
〜1.0%,V:0.05〜0.20%,N:0.00
4〜0.015%,Ti:0.005〜0.025%を
含み、加えてCr:1.0%以下、Cu:1.0%以
下、Nb:0.05%以下、B:0.003%以下、の
いずれかの1種または2種以上を含有し残部がFeおよ
び不可避不純物からなる溶鋼を、予備脱酸処理によっ
て、溶存酸素を重量%で0.003〜0.015%に調
整後さらに、Ni−Al−Ca合金を添加し重量%でA
l:0.005〜0.015%,Ca:0.001〜
0.010%,Ni:0.1〜2.0%に成分調整した
溶鋼の鋳込み、900℃まで冷却速度0.5〜20℃/
sで冷却し、鋳片内に大きさ3μm以下のAl−Ca−
Ti系複合酸化物を20個/mm2 以上含有する耐火用含
酸化物鋳片、 前記項記載の鋳片1100〜1300℃の温度域に
再加熱後に圧延を開始し、圧延工程で鋼片表層部の温度
を700℃以下に水冷し、パス間の復熱過程で圧延する
工程を一回以上繰り返し圧延し、圧延終了後に1〜20
℃/sの冷却速度で650〜400℃まで冷却して放冷
する耐火用圧延形鋼の製造方法、 前記項記載の鋳片を1100〜1300℃の温度域
に再加熱後に圧延を開始し、圧延工程で鋼片表層部の温
度を700℃以下に水冷し、パス間の復熱過程で圧延す
る工程を一回以上繰り返し圧延し、圧延終了後に1〜2
0℃/sの冷却速度で650〜400℃まで冷却し放冷
することを特徴とする耐火用圧延形鋼の製造方法、にあ
る。
することを目的とし、製鋼過程において適正な脱酸処
理を行い、溶鋼の高清浄化、溶存酸素濃度の規制、Ni
−Al(5〜20%)−Ca(5〜20%)合金を最後
に添加する添加順序とAlとCa添加量の限定を行い、
鋳片に粒内フェライト生成核として機能する微細なAl
−Ca−Ti系複合酸化物を多数分散させた鋳片と、
これを素材とし圧延し、熱間圧延パス間で水冷すること
により、鋼板の表層部と内部に温度差を与え、軽圧下条
件下においても、より高温の内部への圧下浸透を高め、
粒内フェライト生成核となる加工転移を導入し、粒内フ
ェライト生成核をさらに増加させる。加えて、圧延後の
γ/α変態温度域を冷却制御することにより、その核生
成させたフェライトの粒成長を抑制する手段によればミ
クロ組織の細粒化ができ、高能率で製造コストの安価な
耐火用圧延形鋼の製造が可能であると言う知見に基づき
前記課題を解決したもので、その要旨とするところは、 重量%でC:0.04〜0.20%,Si:0.05
〜0.50%,Mn:0.5〜1.8%,Mo:0.4
〜1.0%,V:0.05〜0.20%,N:0.00
4〜0.015%,Ti:0.005〜0.025%を
含み、残部がFeおよび不可避不純物からなる溶鋼を、
予備脱酸処理によって、溶存酸素を重量%で0.003
〜0.015%に調整後さらに、Ni−Al−Ca合金
を添加し重量%でAl:0.005〜0.015%,C
a:0.001〜0.010%,Ni:0.1〜2.0
%に成分調整した溶鋼の鋳込み、900℃まで冷却速度
0.5〜20℃/sで冷却し、鋳片内に大きさ3μm以
下のAl−Ca−Ti系複合酸化物を20個/mm2 以上
含有する耐火用含酸化物鋳片。 重量%でC:0.04〜0.20%,Si:0.05
〜0.50%,Mn:0.5〜1.8%,Mo:0.4
〜1.0%,V:0.05〜0.20%,N:0.00
4〜0.015%,Ti:0.005〜0.025%を
含み、加えてCr:1.0%以下、Cu:1.0%以
下、Nb:0.05%以下、B:0.003%以下、の
いずれかの1種または2種以上を含有し残部がFeおよ
び不可避不純物からなる溶鋼を、予備脱酸処理によっ
て、溶存酸素を重量%で0.003〜0.015%に調
整後さらに、Ni−Al−Ca合金を添加し重量%でA
l:0.005〜0.015%,Ca:0.001〜
0.010%,Ni:0.1〜2.0%に成分調整した
溶鋼の鋳込み、900℃まで冷却速度0.5〜20℃/
sで冷却し、鋳片内に大きさ3μm以下のAl−Ca−
Ti系複合酸化物を20個/mm2 以上含有する耐火用含
酸化物鋳片、 前記項記載の鋳片1100〜1300℃の温度域に
再加熱後に圧延を開始し、圧延工程で鋼片表層部の温度
を700℃以下に水冷し、パス間の復熱過程で圧延する
工程を一回以上繰り返し圧延し、圧延終了後に1〜20
℃/sの冷却速度で650〜400℃まで冷却して放冷
する耐火用圧延形鋼の製造方法、 前記項記載の鋳片を1100〜1300℃の温度域
に再加熱後に圧延を開始し、圧延工程で鋼片表層部の温
度を700℃以下に水冷し、パス間の復熱過程で圧延す
る工程を一回以上繰り返し圧延し、圧延終了後に1〜2
0℃/sの冷却速度で650〜400℃まで冷却し放冷
することを特徴とする耐火用圧延形鋼の製造方法、にあ
る。
【0007】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。鋼材の
高温強度は鉄の融点のほぼ1/2の温度の700℃以下
では常温での強化機構とほぼ同様であり、フェライト
の結晶粒系の微細化、合金元素による固溶体強化、
硬化相による分散強化、微細析出物による析出強化等
によって支配される。一般に高温強度の上昇にはMo,
Crの添加による析出強化と転位の消失抑制による高温
での軟化抵抗を高めることにより達成されている。しか
しMo,Crの添加は著しく焼き入れ性を上げ、母材の
フェライト+パーライト組織をベーナイト組織に変化さ
せる。ベーナイト組織を生成し易い成分系鋼を圧延形鋼
に適応した場合は、その特異な形状からウェブ、フラン
ジ、フィレットの各部位で、圧延仕上げ温度、圧下率、
冷却速度に差を生じるため、各部位によりベーナイト組
織割合が大きく変化する。その結果として常温、高温強
度、延性、靱性がバラつき、規準に満たない部位が生じ
る。加えて、これらの元素の添加により溶接部を著しく
硬化させ、靱性を低下させる。
高温強度は鉄の融点のほぼ1/2の温度の700℃以下
では常温での強化機構とほぼ同様であり、フェライト
の結晶粒系の微細化、合金元素による固溶体強化、
硬化相による分散強化、微細析出物による析出強化等
によって支配される。一般に高温強度の上昇にはMo,
Crの添加による析出強化と転位の消失抑制による高温
での軟化抵抗を高めることにより達成されている。しか
しMo,Crの添加は著しく焼き入れ性を上げ、母材の
フェライト+パーライト組織をベーナイト組織に変化さ
せる。ベーナイト組織を生成し易い成分系鋼を圧延形鋼
に適応した場合は、その特異な形状からウェブ、フラン
ジ、フィレットの各部位で、圧延仕上げ温度、圧下率、
冷却速度に差を生じるため、各部位によりベーナイト組
織割合が大きく変化する。その結果として常温、高温強
度、延性、靱性がバラつき、規準に満たない部位が生じ
る。加えて、これらの元素の添加により溶接部を著しく
硬化させ、靱性を低下させる。
【0008】本発明の特徴は、製鋼工程において、脱酸
の制御、鋳込み後の冷却速度を規制し、鋳片に粒内フェ
ライト生成核として機能する多数の微細な複合酸化物を
分散させた鋳片を得ることと、それを素材とし熱間圧延
工程において、熱間圧延パス間で水冷し、その復熱時に
圧延することを繰り返すことにより粒内フェライト生成
核を増加させ、圧延時のオーステナイト粒内からの粒内
フェライト変態を促進し、H形鋼の各部位のベーナイト
とフェライトの組織割合の変化を少なくし、母材の機械
特性の向上と均一化を達成したことと、V炭窒化物の析
出強度により高温強度を上昇させたところにある。加え
て圧延後に加速冷却を行い、そのフェライトの成長を抑
制し、ミクロ組織の微細化を行い、母材の高強度化と高
靱性化を達成するものである。
の制御、鋳込み後の冷却速度を規制し、鋳片に粒内フェ
ライト生成核として機能する多数の微細な複合酸化物を
分散させた鋳片を得ることと、それを素材とし熱間圧延
工程において、熱間圧延パス間で水冷し、その復熱時に
圧延することを繰り返すことにより粒内フェライト生成
核を増加させ、圧延時のオーステナイト粒内からの粒内
フェライト変態を促進し、H形鋼の各部位のベーナイト
とフェライトの組織割合の変化を少なくし、母材の機械
特性の向上と均一化を達成したことと、V炭窒化物の析
出強度により高温強度を上昇させたところにある。加え
て圧延後に加速冷却を行い、そのフェライトの成長を抑
制し、ミクロ組織の微細化を行い、母材の高強度化と高
靱性化を達成するものである。
【0009】次に本発明形鋼の成分範囲と制御条件の限
度理由について述べる。まず、Cは鋼の強度を向上させ
る有効な成分として添加するもので、0.04%未満で
は構造用鋼として必要な強度が得られず。また、0.2
0%を越える過剰の添加は、母材靱性、耐溶接割れ性、
溶接熱影響部靱性などを著しく低下させるので、下限を
0.04%、上限を0.20%とした。
度理由について述べる。まず、Cは鋼の強度を向上させ
る有効な成分として添加するもので、0.04%未満で
は構造用鋼として必要な強度が得られず。また、0.2
0%を越える過剰の添加は、母材靱性、耐溶接割れ性、
溶接熱影響部靱性などを著しく低下させるので、下限を
0.04%、上限を0.20%とした。
【0010】次に、Siは母材の強度確保、溶鋼の予備
脱酸などに必要であるが、0.50%を超えるとHAZ
組織内に硬化組織の高炭素マルテンサイトを生成し、溶
接継手部靱性を著しく低下させる。また、0.05%未
満では必要な溶鋼の予備脱酸ができないためSi含有量
を0.05〜0.50%の範囲に限定した。Mnは母材
の強度、靱性の確保には0.5%以上の添加が必要であ
るが、溶接部の靱性、割れ性などの許容できる範囲で上
限を1.8%とした。
脱酸などに必要であるが、0.50%を超えるとHAZ
組織内に硬化組織の高炭素マルテンサイトを生成し、溶
接継手部靱性を著しく低下させる。また、0.05%未
満では必要な溶鋼の予備脱酸ができないためSi含有量
を0.05〜0.50%の範囲に限定した。Mnは母材
の強度、靱性の確保には0.5%以上の添加が必要であ
るが、溶接部の靱性、割れ性などの許容できる範囲で上
限を1.8%とした。
【0011】Moは母材強度および高温強度の確保に有
効な元素である。0.4%未満ではVNの析出強化との
複合作用によっても十分な高温強度が確保できず、1.
0%超では焼き入れ性が上昇しすぎ母材靱性、HAZ靱
性が劣化するため0.4〜1.0%に制限した。VはV
Nとして粒内フェライト組織の生成とその細粒化、高温
強度の確保のために極めて重要であり、0.05%未満
ではVNの析出量が不十分であり、0.2%超では析出
量が過剰になり母材靱性、溶接部靱性が低下するため
0.05〜0.2%に制限した。
効な元素である。0.4%未満ではVNの析出強化との
複合作用によっても十分な高温強度が確保できず、1.
0%超では焼き入れ性が上昇しすぎ母材靱性、HAZ靱
性が劣化するため0.4〜1.0%に制限した。VはV
Nとして粒内フェライト組織の生成とその細粒化、高温
強度の確保のために極めて重要であり、0.05%未満
ではVNの析出量が不十分であり、0.2%超では析出
量が過剰になり母材靱性、溶接部靱性が低下するため
0.05〜0.2%に制限した。
【0012】NはTiNやVNの析出には極めて重要な
元素であり、0.004%未満ではVNの析出量が不足
し、フェライト組織の十分な生成量が得られず、また6
00℃での高温強度も確保できないため0.004%以
上とした。含有量が0.015%を超えると母材靱性を
低下させ、連続鋳造時の鋼片の表面割れを生じさせるた
め0.015%以下に制限した。
元素であり、0.004%未満ではVNの析出量が不足
し、フェライト組織の十分な生成量が得られず、また6
00℃での高温強度も確保できないため0.004%以
上とした。含有量が0.015%を超えると母材靱性を
低下させ、連続鋳造時の鋼片の表面割れを生じさせるた
め0.015%以下に制限した。
【0013】Tiは鋳片にAl−Ca−Ti系複合酸化
物を生成し、さらに、圧延時にその粒子の外殻にTiN
を析出し、粒内フェライトの生成を促進させる効果と微
細なTiNを析出させオーステナイトの細粒化効果によ
り母材及び溶接部の靱性を向上させる。従って、0.0
05%未満では複合酸化物中のTi含有量が不足し、粒
内フェライト生成核としての作用が低下するためTi量
の下限値を0.005%以上とした。しかし0.025
%を超えると過剰なTiはTiCを生成し、析出硬化を
生じ溶接熱影響部の靱性を著しく低下させるため上限を
限定した。
物を生成し、さらに、圧延時にその粒子の外殻にTiN
を析出し、粒内フェライトの生成を促進させる効果と微
細なTiNを析出させオーステナイトの細粒化効果によ
り母材及び溶接部の靱性を向上させる。従って、0.0
05%未満では複合酸化物中のTi含有量が不足し、粒
内フェライト生成核としての作用が低下するためTi量
の下限値を0.005%以上とした。しかし0.025
%を超えると過剰なTiはTiCを生成し、析出硬化を
生じ溶接熱影響部の靱性を著しく低下させるため上限を
限定した。
【0014】成分を調整した溶鋼を予備脱酸処理を行い
溶存酸素を重量%で0.003〜0.015%に制御す
るのは、溶鋼の高清浄化と同時に鋳片内に微細な複合酸
化物を生成させるために行うものである。予備脱酸後の
〔O〕濃度が0.003%未満では粒内フェライト変態
を促進する粒内フェライト生成核の複合酸化物が減少
し、細粒化できず靱性を向上できない。一方、0.01
5%を超える場合は、他の条件を満たしていても、酸化
物が3μm以上の大きさに粗大化し、脆性破壊の起点と
なり、靱性を低下させるために予備脱酸後の〔O〕濃度
を重量%で0.003〜0.015%に限定した。
溶存酸素を重量%で0.003〜0.015%に制御す
るのは、溶鋼の高清浄化と同時に鋳片内に微細な複合酸
化物を生成させるために行うものである。予備脱酸後の
〔O〕濃度が0.003%未満では粒内フェライト変態
を促進する粒内フェライト生成核の複合酸化物が減少
し、細粒化できず靱性を向上できない。一方、0.01
5%を超える場合は、他の条件を満たしていても、酸化
物が3μm以上の大きさに粗大化し、脆性破壊の起点と
なり、靱性を低下させるために予備脱酸後の〔O〕濃度
を重量%で0.003〜0.015%に限定した。
【0015】予備脱酸処理は真空脱ガス、Al,Si,
Ca,Mg脱酸により行った。その理由は真空脱ガス処
理は直接溶鋼中の酸素をガスおよびCOガスとして除去
し、Al,Si,Ca,Mgなどの強脱酸により生成す
る酸化物系介在物は浮上、除去しやすいため溶鋼の清浄
化に有効なためである。次に上述の溶鋼にNi−Al−
Ca合金を添加し重量%でAl:0.005〜0.01
5%,Ca:0.001〜0.010%,Ni:0.1
〜2.0%に成分調整した溶鋼を鋳込み、900℃まで
冷却速度0.5〜20℃/sで冷却するのは、鋳片内に
大きさ3μm以下のAl−Ca−Ti系複合酸化物を2
0個/mm 2 以上鋳片に含有させる目的で行うものであり
順次その必要理由を以下に詳述する。
Ca,Mg脱酸により行った。その理由は真空脱ガス処
理は直接溶鋼中の酸素をガスおよびCOガスとして除去
し、Al,Si,Ca,Mgなどの強脱酸により生成す
る酸化物系介在物は浮上、除去しやすいため溶鋼の清浄
化に有効なためである。次に上述の溶鋼にNi−Al−
Ca合金を添加し重量%でAl:0.005〜0.01
5%,Ca:0.001〜0.010%,Ni:0.1
〜2.0%に成分調整した溶鋼を鋳込み、900℃まで
冷却速度0.5〜20℃/sで冷却するのは、鋳片内に
大きさ3μm以下のAl−Ca−Ti系複合酸化物を2
0個/mm 2 以上鋳片に含有させる目的で行うものであり
順次その必要理由を以下に詳述する。
【0016】Ni−Al−Ca合金はAl:1〜20
%,Ca:1〜20%残部がNiから成る合金である。
AlかCa金属の単体で添加した場合には、何れも強力
な酸化物形成元素であり、安定なAl2 O3 やCaOを
生成し目的の活性な複合酸化物(陽イオン空孔型)を生
成できない。加えてこれらは低融点、低密度であり溶鋼
への添加歩留りが低く、均質に添加ができない。これを
改善するためにNi−Al−Ca合金とし融点と密度を
高め、同時にAl,Caの濃度を低くし、酸化物生成時
の反応の抑え、安定な添加を可能にした。
%,Ca:1〜20%残部がNiから成る合金である。
AlかCa金属の単体で添加した場合には、何れも強力
な酸化物形成元素であり、安定なAl2 O3 やCaOを
生成し目的の活性な複合酸化物(陽イオン空孔型)を生
成できない。加えてこれらは低融点、低密度であり溶鋼
への添加歩留りが低く、均質に添加ができない。これを
改善するためにNi−Al−Ca合金とし融点と密度を
高め、同時にAl,Caの濃度を低くし、酸化物生成時
の反応の抑え、安定な添加を可能にした。
【0017】Alを0.005〜0.015%に限定す
るのは、Alは強力な脱酸元素であり、0.015%超
の含有は粒内フェライト変態を促進する複合酸化物が生
成されず、靱性の低下がもたらされることと、過剰の固
溶AlはNと化合しAlNを生成し、VNの析出量を低
減させるため0.015%以下に制限した。また、0.
005%未満では目的のAlを含有する複合酸化物が生
成できないために0.005%以上とした。
るのは、Alは強力な脱酸元素であり、0.015%超
の含有は粒内フェライト変態を促進する複合酸化物が生
成されず、靱性の低下がもたらされることと、過剰の固
溶AlはNと化合しAlNを生成し、VNの析出量を低
減させるため0.015%以下に制限した。また、0.
005%未満では目的のAlを含有する複合酸化物が生
成できないために0.005%以上とした。
【0018】Caを0.001〜0.010%に限定す
るのは、Caも強力な脱酸元素であり、0.010%超
の含有は粒内フェライト変態を促進する複合酸化物が生
成されず、粗大なCaOを生成し靱性、延性を低下させ
るために0.010%以下に制限した。また、0.00
1%未満では目的のCaを含有する複合酸化物が生成で
きないために0.001%以上とした。
るのは、Caも強力な脱酸元素であり、0.010%超
の含有は粒内フェライト変態を促進する複合酸化物が生
成されず、粗大なCaOを生成し靱性、延性を低下させ
るために0.010%以下に制限した。また、0.00
1%未満では目的のCaを含有する複合酸化物が生成で
きないために0.001%以上とした。
【0019】Niは、母材の強靱性を高める極めて有効
な元素であるが2.0%を超える添加は合金コストを増
加させ経済的でないので上限を2.0%とした。下限値
の0.1%はNi−Al−Ca合金添加時に不可避的に
含まれることから規定されるものであり、これらからN
i含有量を0.1〜2.0%に限定した。不可避不純物
として含有するP,Sはその量について限定しないが凝
固偏析による溶接割れ、靱性の低下を生じるので、極力
低減すべきであり、望ましくはP,S量はそれぞれ0.
02%未満である。
な元素であるが2.0%を超える添加は合金コストを増
加させ経済的でないので上限を2.0%とした。下限値
の0.1%はNi−Al−Ca合金添加時に不可避的に
含まれることから規定されるものであり、これらからN
i含有量を0.1〜2.0%に限定した。不可避不純物
として含有するP,Sはその量について限定しないが凝
固偏析による溶接割れ、靱性の低下を生じるので、極力
低減すべきであり、望ましくはP,S量はそれぞれ0.
02%未満である。
【0020】以上の成分に加えて、母材強度の上昇、お
よび母材の靱性向上の目的で,Cr,Cu,Nb,B、
の1種または2種以上を含有することができる。Crは
焼き入れ性の向上により、母材の強化に有効である。し
かし1.0%を超える過剰の添加は、靱性および硬化性
の観点から有害となるため、上限を1.0%とした。
よび母材の靱性向上の目的で,Cr,Cu,Nb,B、
の1種または2種以上を含有することができる。Crは
焼き入れ性の向上により、母材の強化に有効である。し
かし1.0%を超える過剰の添加は、靱性および硬化性
の観点から有害となるため、上限を1.0%とした。
【0021】Cuは母材の強化、耐候性に有効な元素で
あるが、応力除去焼鈍による焼き戻し脆性、溶接割れ
性、熱間加工割れを促進するため、上限を1.0%とし
た。Nb,Bは微量添加により圧延組織を微細化できる
ことから低合金化でき溶接特性を向上できる。しかしな
がら、これらの元素の過剰な添加は溶接部の硬化や、母
材の高降伏点化をもたらすので、各々の含有量の上限を
Nb:0.05%,B:0.003%とした。
あるが、応力除去焼鈍による焼き戻し脆性、溶接割れ
性、熱間加工割れを促進するため、上限を1.0%とし
た。Nb,Bは微量添加により圧延組織を微細化できる
ことから低合金化でき溶接特性を向上できる。しかしな
がら、これらの元素の過剰な添加は溶接部の硬化や、母
材の高降伏点化をもたらすので、各々の含有量の上限を
Nb:0.05%,B:0.003%とした。
【0022】成分調整を終了した溶鋼を鋳込みから90
0℃まで冷却速度0.5〜20℃/sで冷却するのは、
過冷却により晶出する複合酸化物の核生成数の増加と冷
却中の成長を抑制し、その粒子の大きさを3μm以下に
し、個数を20個/mm2 以上を鋳片に含有させるために
行うものである。この温度間の冷却速度が0.5℃/s
未満の緩冷却では複合酸化物は凝集粗大化し、20個/
mm2 未満となり靱性、延性を低下させるため冷却速度を
0.5℃/s以上とした。上限を20℃/sとしたの
は、現状の鋳造技術での冷却速度の限界であるからであ
る。次に、鋳片に複合酸化物が20個/mm2 以上含む必
要がある理由について述べる。製品の材質特性は製鋼、
鋳造工程に支配される先天的因子の鋳片の凝固組織、成
分偏析、本発明の微細複合酸化物、析出物等と圧延、T
MCP、熱処理工程等により支配される後天的因子のミ
クロ組織により決定される。当然、この先天的因子であ
る鋳片の性質は後の工程に継承される。本発明の特徴
は、この鋳片の先天的因子の1つを制御することにあ
り、鋳片中に粒内フェライトと異相析出の優先析出サイ
トとして機能する組成のAl−Ca−Ti系複合酸化物
を生成させ含ませることである。この粒子の分散個数が
20個/mm2 未満では複合酸化物粒子上に析出し粒内フ
ェライト核生成機能を発現するTiN,AlNとVNの
析出サイト数として不十分で粒内フェライト生成量が不
足し細粒化できないためである。なお、複合酸化物個数
はX線マクロアナライザー(EPMA)で測定し決定し
たものである。
0℃まで冷却速度0.5〜20℃/sで冷却するのは、
過冷却により晶出する複合酸化物の核生成数の増加と冷
却中の成長を抑制し、その粒子の大きさを3μm以下に
し、個数を20個/mm2 以上を鋳片に含有させるために
行うものである。この温度間の冷却速度が0.5℃/s
未満の緩冷却では複合酸化物は凝集粗大化し、20個/
mm2 未満となり靱性、延性を低下させるため冷却速度を
0.5℃/s以上とした。上限を20℃/sとしたの
は、現状の鋳造技術での冷却速度の限界であるからであ
る。次に、鋳片に複合酸化物が20個/mm2 以上含む必
要がある理由について述べる。製品の材質特性は製鋼、
鋳造工程に支配される先天的因子の鋳片の凝固組織、成
分偏析、本発明の微細複合酸化物、析出物等と圧延、T
MCP、熱処理工程等により支配される後天的因子のミ
クロ組織により決定される。当然、この先天的因子であ
る鋳片の性質は後の工程に継承される。本発明の特徴
は、この鋳片の先天的因子の1つを制御することにあ
り、鋳片中に粒内フェライトと異相析出の優先析出サイ
トとして機能する組成のAl−Ca−Ti系複合酸化物
を生成させ含ませることである。この粒子の分散個数が
20個/mm2 未満では複合酸化物粒子上に析出し粒内フ
ェライト核生成機能を発現するTiN,AlNとVNの
析出サイト数として不十分で粒内フェライト生成量が不
足し細粒化できないためである。なお、複合酸化物個数
はX線マクロアナライザー(EPMA)で測定し決定し
たものである。
【0023】上記の処理を経た鋳片は次に1100〜1
300℃の温度域に再加熱する。この温度域に再加熱温
度を限定したのは、熱間加工による形鋼の製造には塑性
変形を容易にするため1100℃以上の加熱が必要であ
り、且つV,Nbなどの元素を十分に固溶させる必要が
あるため再加熱温度の下限を1100℃とした。その上
限は加熱炉の性能、経済性から1300℃とした。
300℃の温度域に再加熱する。この温度域に再加熱温
度を限定したのは、熱間加工による形鋼の製造には塑性
変形を容易にするため1100℃以上の加熱が必要であ
り、且つV,Nbなどの元素を十分に固溶させる必要が
あるため再加熱温度の下限を1100℃とした。その上
限は加熱炉の性能、経済性から1300℃とした。
【0024】熱間圧延のパス間で水冷し、圧延中に一回
以上、鋳片表層部の温度を700℃以下に冷却し、その
復熱過程で熱間圧延を行うとしたのは、圧延パス間の水
冷により、鋳片の表層部と内部とに温度差を付け、軽圧
下条件においても内部への加工を浸透させるためと、低
温圧延を短時間で効率的に行うためである。鋳片表層部
の温度を700℃以下に冷却するのは、圧延に引き続き
加速冷却するため、通常のγ温度域からの冷却では表層
部に、焼きが入り、硬化相を生成し、加工性を損ねる。
この様に限定した温度範囲内に冷却すれば、一旦γ/α
変態温度以下となり、次の圧延するまでに表層部は復熱
昇温し、二相共存温度域での加工となり、焼き入性を著
しく低減でき、加速冷却による表面層の硬化を防止でき
る。
以上、鋳片表層部の温度を700℃以下に冷却し、その
復熱過程で熱間圧延を行うとしたのは、圧延パス間の水
冷により、鋳片の表層部と内部とに温度差を付け、軽圧
下条件においても内部への加工を浸透させるためと、低
温圧延を短時間で効率的に行うためである。鋳片表層部
の温度を700℃以下に冷却するのは、圧延に引き続き
加速冷却するため、通常のγ温度域からの冷却では表層
部に、焼きが入り、硬化相を生成し、加工性を損ねる。
この様に限定した温度範囲内に冷却すれば、一旦γ/α
変態温度以下となり、次の圧延するまでに表層部は復熱
昇温し、二相共存温度域での加工となり、焼き入性を著
しく低減でき、加速冷却による表面層の硬化を防止でき
る。
【0025】また、圧延終了後、引続き、1〜20℃/
sの冷却速度で650〜400℃まで冷却し終了すると
したのは、加速冷却によりフェライトの粒成長とベイナ
イト組織を微細化し高強度・高靱性を得るためであり、
650〜400℃で加速冷却を停止するのは、650℃
以上の温度で加速冷却を停止すると、一部がAr1 点以
上となり、一部γ相が残存し、フェライトが粒成長する
ために600℃以下とした。また、400℃未満の冷却
では、ベーナイト相に生成した高炭素マルテンサイト
を、その後の放冷中に分解できず、靱性の低下を招くた
めに、この温度範囲に限定した。
sの冷却速度で650〜400℃まで冷却し終了すると
したのは、加速冷却によりフェライトの粒成長とベイナ
イト組織を微細化し高強度・高靱性を得るためであり、
650〜400℃で加速冷却を停止するのは、650℃
以上の温度で加速冷却を停止すると、一部がAr1 点以
上となり、一部γ相が残存し、フェライトが粒成長する
ために600℃以下とした。また、400℃未満の冷却
では、ベーナイト相に生成した高炭素マルテンサイト
を、その後の放冷中に分解できず、靱性の低下を招くた
めに、この温度範囲に限定した。
【0026】以下に実施例によりさらに本発明の効果を
示す。
示す。
【0027】
【実施例】試作形鋼は転炉溶製し、合金を添加後、予備
脱酸処理を行い、溶鋼の酸素濃度を調整後、Ni−Al
−Ca合金を添加し、連続鋳造により250〜300mm
厚鋳片に鋳造した。鋳片の冷却はモールド下方の二次冷
却帯の水量と鋳片の引き抜き速度の選択により制御し
た。該鋳片を加熱し、粗圧延工程の図示は省略するが、
図1に示す、ユニバーサル圧延装置列でH形鋼に圧延し
た。圧延パス間水冷は中間ユニバーサル圧延機4の前後
に水冷装置5aを設け、フランジ内外面のスプレー冷却
とリバース圧延の繰り返しにより行い、圧延後の加速冷
却は仕上げユニバーサル圧延機6で圧延終了後にその後
表面に設置した冷却装置5bでフランジ、ウェブをスプ
レー冷却した。
脱酸処理を行い、溶鋼の酸素濃度を調整後、Ni−Al
−Ca合金を添加し、連続鋳造により250〜300mm
厚鋳片に鋳造した。鋳片の冷却はモールド下方の二次冷
却帯の水量と鋳片の引き抜き速度の選択により制御し
た。該鋳片を加熱し、粗圧延工程の図示は省略するが、
図1に示す、ユニバーサル圧延装置列でH形鋼に圧延し
た。圧延パス間水冷は中間ユニバーサル圧延機4の前後
に水冷装置5aを設け、フランジ内外面のスプレー冷却
とリバース圧延の繰り返しにより行い、圧延後の加速冷
却は仕上げユニバーサル圧延機6で圧延終了後にその後
表面に設置した冷却装置5bでフランジ、ウェブをスプ
レー冷却した。
【0028】機械特性は図2に示す、H形鋼1のフラン
ジ2の板厚t2 の中心部(1/2t 2 )でフランジ幅全
長(B)の1/4,1/2幅(1/4B,1/2B)か
ら、試験片を採集し求めた。なお、これらの箇所の特性
を求めたのはフランジ1/4F部はH形鋼の平均的な機
械特性を示し、フランジ1/2F部はその特性が最も低
下するので、これらの2箇所によりH形鋼の機械試験特
性を代表できると判断したためである。
ジ2の板厚t2 の中心部(1/2t 2 )でフランジ幅全
長(B)の1/4,1/2幅(1/4B,1/2B)か
ら、試験片を採集し求めた。なお、これらの箇所の特性
を求めたのはフランジ1/4F部はH形鋼の平均的な機
械特性を示し、フランジ1/2F部はその特性が最も低
下するので、これらの2箇所によりH形鋼の機械試験特
性を代表できると判断したためである。
【0029】表1および2は、試作鋼の化学成分値、鋳
込み後の冷却速度及び鋳片中のAl−Ca−Ti系複合
酸化物個数を示す。表3および4は圧延と加速冷却条件
及び製品の機械試験特性を示す。なお、圧延加熱温度を
1280℃に揃えたのは、一般的に加熱温度の低減は機
械特性を向上させることは周知であり、高温加熱条件は
機械特性の最低値を示すと推定され、この値がそれ以下
の加熱温度での特性を代表できると判断したためであ
る。
込み後の冷却速度及び鋳片中のAl−Ca−Ti系複合
酸化物個数を示す。表3および4は圧延と加速冷却条件
及び製品の機械試験特性を示す。なお、圧延加熱温度を
1280℃に揃えたのは、一般的に加熱温度の低減は機
械特性を向上させることは周知であり、高温加熱条件は
機械特性の最低値を示すと推定され、この値がそれ以下
の加熱温度での特性を代表できると判断したためであ
る。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】表5および6、表7および8に示すよう
に、本発明によれる形鋼1〜7,A1〜A6は目標の常
温の降伏点範囲がJIS規格の下限値+100N/mm2
以内のSM490ではYP=325〜425N/mm2 ,
SM520ではYP=335〜435N/mm2 ,SM5
70ではYP430〜530N/mm2 に制御され、しか
も、降伏比(YP/TS)も0.8以下の低YR値を満
たし、抗張力(前記JISG3106)及び600℃で
の降伏強度と常温の降伏強度の比が2/3以上であり、
−10℃でのシャルピー衝撃値47(J)以上を十分に
満たしている。一方、比較鋼の形鋼8は成分とNi−A
l−Ca合金添加及び圧延条件も満たしているが鋳込み
後の冷却速度が下限値以下でありAl−Ca−Ti系複
合酸化物個数が不足し粒内フェライトの生成が不十分で
あるために1/2F部のシャルピー値が目標のvE−1
0≧47Jをクリアーできない。形鋼B2は加えて圧延
中水冷が施されておらず、水冷停止温度も650℃以上
となり、さらに圧延後の冷却速度が下限値以下となるた
めに、1/2F部のシャルピー値が目標のvE−10≧
47Jをクリアーできない。
に、本発明によれる形鋼1〜7,A1〜A6は目標の常
温の降伏点範囲がJIS規格の下限値+100N/mm2
以内のSM490ではYP=325〜425N/mm2 ,
SM520ではYP=335〜435N/mm2 ,SM5
70ではYP430〜530N/mm2 に制御され、しか
も、降伏比(YP/TS)も0.8以下の低YR値を満
たし、抗張力(前記JISG3106)及び600℃で
の降伏強度と常温の降伏強度の比が2/3以上であり、
−10℃でのシャルピー衝撃値47(J)以上を十分に
満たしている。一方、比較鋼の形鋼8は成分とNi−A
l−Ca合金添加及び圧延条件も満たしているが鋳込み
後の冷却速度が下限値以下でありAl−Ca−Ti系複
合酸化物個数が不足し粒内フェライトの生成が不十分で
あるために1/2F部のシャルピー値が目標のvE−1
0≧47Jをクリアーできない。形鋼B2は加えて圧延
中水冷が施されておらず、水冷停止温度も650℃以上
となり、さらに圧延後の冷却速度が下限値以下となるた
めに、1/2F部のシャルピー値が目標のvE−10≧
47Jをクリアーできない。
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】
【表8】
【0039】形鋼9,B1,B3は通商のAlキルドを
処理しておりAl量が本発明の制限を超え、Caも添加
されていないので、Al−Ca−Ti系複合酸化物が生
成されず1/2F部の衝撃値が目標を達成できない。加
えて、形鋼B2はMo添加量が不足しているので目標の
600℃における降伏強度を保証できない。また、圧延
中水冷が施されていないので低温圧延されずフェライト
細粒化ができず降伏点が低下し規格値の下限以下とな
る。
処理しておりAl量が本発明の制限を超え、Caも添加
されていないので、Al−Ca−Ti系複合酸化物が生
成されず1/2F部の衝撃値が目標を達成できない。加
えて、形鋼B2はMo添加量が不足しているので目標の
600℃における降伏強度を保証できない。また、圧延
中水冷が施されていないので低温圧延されずフェライト
細粒化ができず降伏点が低下し規格値の下限以下とな
る。
【0040】即ち、本発明の製造法の要件が総て満たさ
れた時に、表5および6、表7および8に示される形鋼
1〜7,A1〜A6のように、圧延形鋼の機械試験特性
の最も保証しにくいフランジ板厚1/2、幅1/2部に
おいても十分な強度、靱性を有し、フランジ板厚1/
2、幅1/4部においても十分な常温・高温強度を持
つ、耐火性及び靱性の優れた圧延形鋼の製造が可能にな
る。なお、本発明が対象とする圧延形鋼は上記実施例の
H形鋼に限らずI形鋼、山形鋼、溝形鋼、不等辺不等厚
山形鋼等のフランジを有する形鋼にも適用できることは
勿論である。
れた時に、表5および6、表7および8に示される形鋼
1〜7,A1〜A6のように、圧延形鋼の機械試験特性
の最も保証しにくいフランジ板厚1/2、幅1/2部に
おいても十分な強度、靱性を有し、フランジ板厚1/
2、幅1/4部においても十分な常温・高温強度を持
つ、耐火性及び靱性の優れた圧延形鋼の製造が可能にな
る。なお、本発明が対象とする圧延形鋼は上記実施例の
H形鋼に限らずI形鋼、山形鋼、溝形鋼、不等辺不等厚
山形鋼等のフランジを有する形鋼にも適用できることは
勿論である。
【0041】
【発明の効果】本発明による鋳片およびその鋳片を用い
た圧延形鋼は機械試験特性の最も保証しにくいフランジ
板厚1/2、幅1/2部においても十分な強度、靱性を
有し、高温特性に優れ、耐火材の被覆厚さが従来の20
〜50%で耐火目的を達成する優れた耐火性及び靱性を
持つ形鋼が圧延ままで製造可能になり、施工コスト低
減、工期の短縮による大幅なコスト削減が図られ、大型
建造物の信頼性向上、安全性の確保、経済性等の産業上
の効果は極めて顕著なものがある。
た圧延形鋼は機械試験特性の最も保証しにくいフランジ
板厚1/2、幅1/2部においても十分な強度、靱性を
有し、高温特性に優れ、耐火材の被覆厚さが従来の20
〜50%で耐火目的を達成する優れた耐火性及び靱性を
持つ形鋼が圧延ままで製造可能になり、施工コスト低
減、工期の短縮による大幅なコスト削減が図られ、大型
建造物の信頼性向上、安全性の確保、経済性等の産業上
の効果は極めて顕著なものがある。
【図1】本発明法を実施する装置配置例の略図である。
【図2】H形鋼の断面形状および機械試験片の採取位置
を示す図である。
を示す図である。
1…H形鋼 2…フランジ 4…中間圧延機 5a…中間圧延機前後面の水冷装置 5b…仕上げ圧延機後面冷却装置 6…仕上げ圧延機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/14 // C21D 9/00 102 B 9352−4K
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%でC:0.04〜0.20%,S
i:0.05〜0.50%,Mn:0.5〜1.8%,
Mo:0.1〜1.0%,V:0.05〜0.20%,
N:0.004〜0.015%,Ti:0.005〜
0.025%を含み、残部がFeおよび不可避不純物か
らなる溶鋼を、予備脱酸処理によって、溶存酸素を重量
%で0.003〜0.015%に調整後さらに、Ni−
Al−Ca合金を添加し重量%でAl:0.005〜
0.015%,Ca:0.001〜0.010%,N
i:0.1〜2.0%に成分調整した溶鋼の鋳込み、9
00℃まで冷却速度0.5〜20℃/sで冷却し、鋳片
内に大きさ3μm以下のAl−Ca−Ti系複合酸化物
を20個/mm2 以上含有することを特徴とする耐火用含
酸化物鋳片。 - 【請求項2】 重量%でC:0.04〜0.20%,S
i:0.05〜0.50%,Mn:0.5〜1.8%,
Mo:0.4〜1.0%,V:0.05〜0.20%,
N:0.004〜0.015%,Ti:0.005〜
0.025%を含み、加えてCr:1.0%以下、C
u:1.0%以下、Nb:0.05%以下、B:0.0
03%以下、のいずれかの1種または2種以上を含有し
残部がFeおよび不可避不純物からなる溶鋼を、予備脱
酸処理によって、溶存酸素を重量%で0.003〜0.
015%に調整後さらに、Ni−Al−Ca合金を添加
し重量%でAl:0.005〜0.015%,Ca:
0.001〜0.010%,Ni:0.1〜2.0%に
成分調整した溶鋼を鋳込み、900℃まで冷却速度0.
5〜20℃/sで冷却し、鋳片内に大きさ3μm以下の
Al−Ca−Ti系複合酸化物を20個/mm2 以上含有
することを特徴とする耐火用含酸化物鋳片。 - 【請求項3】 請求項1記載の鋳片を1100〜130
0℃の温度域に再加熱後に圧延を開始し、圧延工程で鋼
片表層部の温度を700℃以下に水冷し、パス間の復熱
過程で圧延する工程を一回以上繰り返し圧延し、圧延終
了後に1〜20℃/sの冷却速度で650〜400℃ま
で冷却し放冷することを特徴とする耐火用圧延形鋼の製
造方法。 - 【請求項4】 請求項2記載の鋳片を1100〜130
0℃の温度域に再加熱後に圧延を開始し、圧延工程で鋼
片表層部の温度を700℃以下に水冷し、パス間の復熱
過程で圧延する工程を一回以上繰り返し圧延し、圧延終
了後に1〜20℃/sの冷却速度で650〜400℃ま
で冷却し放冷することを特徴とする耐火用圧延形鋼の製
造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23997593A JPH0790473A (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 耐火用含酸化物鋳片及びその鋳片による耐火用圧延形鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23997593A JPH0790473A (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 耐火用含酸化物鋳片及びその鋳片による耐火用圧延形鋼の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0790473A true JPH0790473A (ja) | 1995-04-04 |
Family
ID=17052620
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23997593A Withdrawn JPH0790473A (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 耐火用含酸化物鋳片及びその鋳片による耐火用圧延形鋼の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0790473A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2001000894A1 (fr) * | 1997-12-26 | 2001-01-04 | Kawasaki Steel Corporation | Acier h tres epais de classe 590mpa a tenacite amelioree et son procede de production |
| US6451134B1 (en) | 1999-06-24 | 2002-09-17 | Kawasaki Steel Corporation | 590MPa class heavy gauge H-shaped steel having excellent toughness and method of producing the same |
| CN113981303A (zh) * | 2021-09-23 | 2022-01-28 | 阳春新钢铁有限责任公司 | 一种高屈服强度的含钒氮钢材及其生产方法 |
| US20220316019A1 (en) * | 2020-06-19 | 2022-10-06 | Hyundai Steel Company | Section steel and method for manufacturing same |
-
1993
- 1993-09-27 JP JP23997593A patent/JPH0790473A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2001000894A1 (fr) * | 1997-12-26 | 2001-01-04 | Kawasaki Steel Corporation | Acier h tres epais de classe 590mpa a tenacite amelioree et son procede de production |
| US6451134B1 (en) | 1999-06-24 | 2002-09-17 | Kawasaki Steel Corporation | 590MPa class heavy gauge H-shaped steel having excellent toughness and method of producing the same |
| US20220316019A1 (en) * | 2020-06-19 | 2022-10-06 | Hyundai Steel Company | Section steel and method for manufacturing same |
| CN113981303A (zh) * | 2021-09-23 | 2022-01-28 | 阳春新钢铁有限责任公司 | 一种高屈服强度的含钒氮钢材及其生产方法 |
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