JPH0791840A - 金属精錬用取鍋の水冷取鍋蓋 - Google Patents

金属精錬用取鍋の水冷取鍋蓋

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JPH0791840A
JPH0791840A JP23660893A JP23660893A JPH0791840A JP H0791840 A JPH0791840 A JP H0791840A JP 23660893 A JP23660893 A JP 23660893A JP 23660893 A JP23660893 A JP 23660893A JP H0791840 A JPH0791840 A JP H0791840A
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Japan
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ladle
water
lid
cooling
cooled
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JP23660893A
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English (en)
Inventor
Yuji Nagase
勇二 長瀬
Koji Watanabe
浩二 渡辺
Toshiaki Miyamoto
敏明 宮本
Makoto Sudo
真 須藤
Isao Ueki
勲 植木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水冷式取鍋蓋において飛散により付着するス
プラッシュを断熱材として積極的に利用することによっ
て、冷却水による過大な抜熱を防ぎながら水冷効果を挙
げる。 【構成】 水冷取鍋蓋10は取鍋6の内部空間に臨む内
面側に、水を導く冷却用通路11が設けられる。この水
冷取鍋蓋10は少なくとも上部と下部の2つの部分に横
断して輪切り状に区分される分割構造であって、取外し
可能な結合手段14によって一体結合される。冷却用通
路11も同様に区分された各蓋部分に対応してそれぞれ
独立した通路に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、減圧下で溶銑や溶鋼、
その他の種々な合金などの金属溶湯を精錬する精錬装
置、あるいは金属溶解精錬装置等々に用いられる金属精
錬用取鍋に備えられる水冷構造の取鍋蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】普通鋼や特殊鋼やステンレス鋼の溶銑お
よび溶鋼、ニッケル合金やクローム合金などの合金を含
む金属の溶湯を、たとえば真空下、減圧下で精錬する精
錬装置とか金属溶解精錬装置においては、たとえば予め
かかる金属溶湯が注入され保持されている金属精錬用取
鍋(以下、単に取鍋ということがある)を真空容器内の
所定位置に設置してから、この真空容器外の減圧装置を
作動させて、真空容器内を減圧していき、取鍋内部に保
持されている金属溶湯を、この真空容器外のガス供給装
置から供給されてくるアルゴンガスのごとき不活性ガス
を取鍋底部に設けられるガス吹込みノズルを介して吹込
んで撹拌しながら、一方この真空容器および取鍋の取鍋
蓋を貫通して昇降動し得る酸素上吹きランスから当該金
属溶湯に酸素ガスを上吹きし吹錬するような精錬が行わ
れる。
【0003】このような装置は、脱炭反応を優先的に進
行させて極低炭素鋼や合金を製造し得るとともに、金属
溶湯中に不用なガスの脱ガス、金属溶湯の撹拌、金属溶
湯の増量や成分組成の調整などを効果的に進行させるこ
とができるために、近年、数多く設置され、使用されて
きた。
【0004】この種の金属溶湯を減圧下で精錬する精錬
装置においては、金属精錬用取鍋が多用され、特に取鍋
の円形開口端縁に開閉自在に載置して、この取鍋内部の
金属溶湯を極力封入してしまう取鍋蓋は不可欠の部材で
ある。それは、次のような理由により必要であるからで
ある。
【0005】取鍋内部の金属溶湯がスラグ(層)を有
する場合とそうでない場合とがあるが、この金属溶湯の
降温を抑制し、好適な温度管理下で所要の各治金反応を
伴う精錬を確実に行い、所定の品質管理下で良好な品質
の金属溶湯を精錬し製造するため、 主として高価な電気エネルギを熱源とする場合には特
に省エネルギー化を図るため、 取鍋内の金属溶湯などから真空容器の内壁やシール部
へ放射される輻射熱を遮断し、真空容器の高気密化と、
真空容器およびその減圧装置の設備耐用寿命の延長化お
よび軽保全化と、減圧装置の所要動力の軽減化を図るた
め、 真空容器内の圧力を減圧する際に生じる金属溶湯の突
沸による取鍋外、すなわち真空容器内への金属溶湯の流
出防止のため、 前記項に説明する金属溶湯の突沸と、不活性ガスの
取鍋底吹きによる金属溶湯の撹拌および酸素ガスの酸素
上吹きランスからの吹錬とによって生じるスプラッシュ
が取鍋自体の円形開口端縁や外銑皮、さらに取鍋外の真
空容器の内壁やシール部へ飛散し付着するのを防止する
ため、 前記および項によって生じる取鍋自体と、真空容
器内およびそのシール部との清掃や手直し保全作業を軽
減化するため、 前記および項によって生じる精錬された金属溶湯
の製造歩留りの低下を防止するためである。
【0006】従来、このような減圧下で金属溶湯を精錬
するために用いられる取鍋において、この取鍋の円形開
口端縁に開閉自在に載置される取鍋蓋としては、たとえ
ば特開昭56−146753、特開平2−205619
に開示されているように、骨格および外殻を形成する鉄
骨および鉄皮の内部に沿わせて耐火物を配設した耐火物
構造のものが使用されていたのである。この取鍋蓋は、
たとえば1700℃以上といった非常に高温で多量な金
属溶湯を保持している取鍋の直上に載置されるので、操
業現場の安全性の確保や操業性・作業性の向上のため
に、通常無冷却のものが使用されており、以下のような
問題点をかかえていたのである。
【0007】(a)苛酷な使用条件下で、耐火物構造体
が変形し易く、この構造体から耐火物が損耗され、破損
し脱落し易い。
【0008】(b)前記および項の理由によって、
金属溶湯の流出分やスプラッシュが取鍋蓋に付着し肥大
化して、載置不能や繰り返し使用不能に陥る。
【0009】(c)予めこの耐火物構造体に設けられて
いる酸素ガスの酸素上吹きランスの昇降用開口部、合金
鉄など供給用ホッパー・ダクトの挿通口、ガス抜き口に
スプラッシュが付着し肥大化して、これらの各開口部を
閉塞し操業困難あるいは操業不能に陥る。
【0010】(d)前記(a)〜(c)項の理由によっ
て、頻々と点検、手直し修理せねばならない。
【0011】(e)前記(a)および(d)項の理由に
よって、取鍋蓋の耐用寿命が短縮され(たとえば100
ヒートの耐用寿命)、非常にコストアップを招き不経済
である。
【0012】そこで最近、このような取鍋蓋は、前記
(a)〜(e)項に記載する種々の問題点をかかえてい
る耐火物構造(体)のものから、前記(c)項に記載す
るような取鍋蓋に予め設けられている各開口部を除い
て、この取鍋蓋中に冷却水を通水する水冷管(鋼管)を
同心円状またはジグザグ螺旋状で密着して添設状態に巻
いて、すなわちこの構造体全体をハット(Hat)形に
巻装し構成した水冷構造のものが試行されるようになっ
てきている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この水冷構造の取鍋蓋
は、前記〜項に記載する取鍋蓋としての本来の機能
(役割、目的)を概ね達成し、かつ前記(a)〜(e)
項に記載する従来の耐火物構造のものの諸問題点を解消
して、その耐用寿命が延長されて、精錬操業面、作業性
や保全面、コスト面などで有利であるが、その反面、通
水する冷却水の抜熱作用によって取鍋内部の金属溶湯な
どから持ち去るエネルギーロスが大きくなるので、前記
項および項で記載するごとく金属溶湯やスラグの降
温を抑制し省エネルギー化を図りながら、何よりも好適
な温度管理で良好な品質の金属溶湯を精錬し製造する面
で不利であり問題を残している。
【0014】つまり、このエネルギーロス分に相当する
エネルギを別途、適当な手段で補わざるを得なくなり、
そのためのコストアップおよび操業かつ作業条件の変更
とかその操業や作業時間の延長等々を招き、折角水冷化
した利点が活かされないという問題点を残しているので
ある。
【0015】したがって、このような水冷構造の取鍋蓋
の不利な問題を解消し、水冷化することによって得られ
る諸々の利点を活かしていくために、この水冷構造の取
鍋蓋の取鍋内部空間に臨む内面側に、取鍋内部の金属溶
湯およびスラグからいやおうなく飛散してくるスプラッ
シュが付着するのを積極的に利用しスプラッシュ層(断
熱層)を形成させて、このスプラッシュ層の断熱作用に
より冷却水の抜熱作用を抑制して、かかる不利な問題を
解消することが試行されている。ところが、かかる水冷
構造の取鍋蓋の内面側に形成させるスプラッシュ層はそ
の形状寸法や形成位置を所望とする好適な状態に形成す
ることがなかなか困難である。このスプラッシュ層が好
適な状態を越えて異常成長し形成された場合は、前記
(b)〜(e)項に記載する従来の耐火物構造のものと
同様な諸問題点をかかえこんでしまうのである。好適な
状態に形成されたスプラッシュ層を有する水冷取鍋蓋で
あれ、異常成長し形成されたスプラッシュ層を有する水
冷取鍋蓋であれ、いずれにしても取鍋から水冷取鍋蓋を
取り外し、さらに水冷取鍋蓋からスプラッシュ層を除去
するなどのメンテナンスを繰り返して、この水冷取鍋蓋
を交換しながら操業するのであるが、この取り外しおよ
びメンテナンスを伴う交換には種々の問題点がある。
【0016】したがって本発明の目的は、前述のごとく
飛散するスプラッシュが付着するのを積極的に利用した
水冷構造の水冷取鍋蓋であって、水冷管周りの断熱作用
を果たすスプラッシュ層の形成を、所望とする好適な状
態に効率的にしかも確実に行わせることができて、冷却
水による過大な抜熱を防ぎながら水冷効果を好適に高め
るようにして、前記〜項に記載する取鍋蓋本来の機
能を達成し、かつ前記(a)〜(e)項に記載する従来
の耐火物構造のものの諸問題を解消するとともに、取り
分け異常成長し形成されたスプラッシュ層を有する水冷
取鍋蓋の交換に利便性が図られて、総合的に満足し得る
取鍋の水冷取鍋蓋を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属精錬に用
いられる取鍋の円形開口端縁に開閉自在に載置され、該
取鍋内部空間に臨む内面側に冷却水を導く冷却用通路が
設けられる水冷取鍋蓋において、当該水冷取鍋蓋が、少
なくとも上部と下部の2つの部分に横断して輪切り状に
区分される分割構造に成形されており、取外し可能に一
体結合させる結合手段が接合面部に設けられる一方、前
記冷却用通路が区分された各蓋部分に対応して独立した
通路に形成されることを特徴とする金属精錬用取鍋の水
冷取鍋蓋である。
【0018】また本発明は、冷却用通路が、極力添設さ
れるように巻装される水冷管によってハット形に成形さ
れ、取鍋の円形開口端縁と当接する最下段の水平方向に
直列配設される水冷管群のうちの最も取鍋の円形開口内
の中心軸側に位置する水冷管が、そのすぐ上段の水冷管
に対して、水冷管の半径以上該中心軸方向に突出して設
けられることを特徴とする。
【0019】また本発明は、水冷管が、取鍋内部に保持
されている金属溶湯および/またはスラグ層から放射さ
れる輻射熱に十分耐え得る流量の冷却水を通水できる管
径を有することを特徴とする。
【0020】
【作用】このような水冷構造の取鍋蓋において、本来冷
却水によって持ち去られる熱エネルギを極力減少させ省
エネルギー化を図るためには、この水冷構造体を構成す
る水冷管の管径やその材質をはじめ当該構造体の寸法形
状(表面積、各開口部のシール性等々)、冷却水の温度
管理や流量管理、水冷管群の表面に断熱性を有する耐火
物などを内張りすることなどによってその熱伝導性を緩
和し調節するような対策技術が考えられるが、このよう
な対策技術のみでは解決できず複雑であり、精度や信頼
性の面で必ずしも満足できるものではなく、保全面や耐
火物コストおよび施工コストがかかりすぎて経済的とは
いえない。
【0021】本発明は、このような水冷構造の取鍋蓋に
おける前述のごとき実情および本発明の課題を達成すべ
く種々調査かつ実験して検討を加えた結果、前述のごと
く金属溶湯を精錬する際に必然的に発生する飛散スプラ
ッシュを積極的に利用することを考えた。
【0022】つまり、前述のごとき金属溶湯の精錬時に
は金属溶湯およびスラグからスプラッシュはいやおうな
く飛散し発生するものであり、これを水冷構造体の内面
における水冷管群の表面に付着せしめれば前記実情およ
び課題を比較的簡単に経済的に達成できることを着想し
たのである。
【0023】しかしながら、付着させて断熱性のある耐
火材などの代りにしたいスプラッシュ層が簡単に剥離し
落下してしまったり、逆に好適な状態を越えて意図しな
い肉厚や形状や場所に異常に成長し形成されてしまった
りするのでは、その効果はない。
【0024】このような点を勘案して、本発明は前記
〔課題を解決するための手段〕において記載するように
構成されているので、スプラッシュ層を好適な状態に維
持できるように成長させること、最も取鍋の円形開口内
側に位置するように配設される水冷管の上に飛散するス
プラッシュを簡単に剥離し落下しないように確実に載せ
てコーティングさせ、これを起点として次々に上段の水
冷管までスプラッシュ群を成長させて安定したスプラッ
シュ層とすることが可能となり、これによって熱伝導を
良好に緩和し調節する着想を実現させたのである。
【0025】しかも、このようにしてスプラッシュ層を
形成していく場合に、この付着量が多くなって精錬操業
上、設備上で問題となることがあると、すなわちスプラ
ッシュ層の荷重を支え切れなくなったり、スプラッシュ
層が取鍋蓋下端からさらに下方にまで成長していき取鍋
と蓋の間に隙間を生じたり、その隙間にもぐり込んだり
するなどの問題が生じた場合には、横断して区分された
最下部の蓋部分およびこれに対応する冷却用通路と、こ
の冷却用通路に付着して支持されているスプラッシュ層
とを切り離して、新しい最下部の蓋部分およびこれに対
応する冷却用通路から成る交換用部品と取り換えること
が可能であって、交換作業が簡単で、取鍋蓋全体の予備
を狭い操業現場に多数保有する必要もなく、精錬操業に
いち早く対応できるのである。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照して本発明に係る実施例と
して真空精錬装置における精錬用取鍋の水冷取鍋蓋につ
いて詳細に説明する。図1は本発明の実施例に係る真空
精錬装置の概略示縦断面図である。真空精錬装置1は、
真空容器1aおよび真空容器蓋1bから成る真空容器系
と、これに接続された排ガスダクト4および排気手段5
から成る排気系と、金属溶湯およびスラグを保持し精錬
する度毎に真空容器1a内の所定位置に載置される取鍋
6と、金属溶湯やスラグを撹拌するために取鍋6底部に
配置されるガス吹込みノズル2a,2bを介してアルゴ
ンガスのごとき不活性ガスを供給するガス供給手段3か
ら成るガス供給系によって形成される。
【0027】真空容器蓋1bには、酸素上吹きランス7
が上下昇降動可能に貫通して設けられ、また金属溶湯の
増量や成分組成調整用とか精錬用に金属・合金やフラッ
クスを供給するためのホッパー8a,8bが取付けられ
ている。
【0028】金属溶湯の真空精錬操業に際しては、排気
系を駆動して真空容器1a内を減圧状態に保持しなが
ら、ガス供給系を駆動して取鍋6底部のガス吹込みノズ
ル2a,2bから金属溶湯中に不活性ガスを吹込み撹拌
しつつ取鍋6内の金属溶湯上に前記ランスから酸素を吹
付け脱炭精錬する。
【0029】取鍋6は、円形開口端縁を有する取鍋本体
9と水冷取鍋蓋10とによって形成され、本体9の円形
開口端縁に開閉自在に蓋10を載置して、本体9内部に
保持されている金属溶湯を極力封入しその降温を抑制す
るとともに金属溶湯の本体9外への流出とスプラッシュ
の本体9外への飛散を防止するように構成されている。
水冷取鍋蓋10は、水冷構造になるハット形に成形され
た蓋であって、外殻となる補強部材13と、その取鍋本
体9の内部空間に臨む面となる内面側に添設される冷却
用通路11とを備える。
【0030】図2には、図1図示の蓋10における符号
Aで表される要部の拡大断面図が示され、図3および図
4には蓋10の一部が省略された平面図および正面図が
示される。図1〜図4を参照して、補強部材13は、上
部と下部の少なくとも2つ部分に横断して輪切り状に区
分される分割構造に成形されている。この実施例は、下
部13A、中間部13Bおよび上部13Cの3つの部分
に区分されていて、各接合面部には、後述する結合手段
14がそれぞれ設けられ、取外し可能に一体結合される
ことによって、ハット形の分割外殻が形成される。
【0031】一方、冷却用通路11は、鋼管からなる水
冷管によって実現される。この水冷管11は、補強部材
13に対して極力隙間が存しないように密に添設され、
円弧状に曲げられた曲がり管が蓋10の内面の冷却を要
する全面に亘って、かつ、蓋10の中心軸Oに対し多段
同心の配置で設けられるとともに、隣合う管端部相互を
折返し管12によって接続して、全体としてたとえば同
心円状またはジグザグ螺旋状を成す流体通路に形成され
る。水冷管11がこのような状態に巻装されることによ
って形成される冷却用通路11は、補強部材13の各部
13A,13B,13Cに対応して、下部、中間部、上
部の3つの独立した通路に区分された分割構造に成形さ
れており、それぞれの通路に対して冷却水が通水される
ようになっている。
【0032】前記3部の冷却用通路11のうち、下部の
多段同心径が最も大きい通路は、最下の第1段の部分
が、図2に拡大示されるように、蓋10の円形開口にお
ける端縁部に沿って円弧状を成しながら同一水平面内に
おいて互いに密接した複数の直列配置された状態に形成
されていて、その最も取鍋本体9の円形開口内側に位置
する水冷管11Aは、その直ぐ上の第2段目の水冷管1
1Bに対して取鍋本体9の円形開口内の中心軸Oの方向
に突出する配置で設けられる。図2図示の例では、第1
段目の前記中心軸Oから1番目と2番目の水冷管11
A,11Cに対して、第2段目の水冷管11Bが両水冷
管11A,11Cの谷間部分に載るように配設される。
なお、第1段目の最も内側の水冷管11Aと第2段目の
水冷管11Bとは、水冷管11Aの同心径が水冷管11
Bのそれに対して、水冷管11の直径の1/2以上大き
くなる関係、すなわち、水冷管11Aがその直ぐ上の水
冷管11Bに対して管の半径以上、前記中心軸O方向に
突出してなる関係が成立するように配設されることであ
る。なお、各水冷管11は、図4に示す酸素上吹きラン
ス7の挿通口11h、ホッパー8a,8bのダクト挿通
口11iおよびガス抜き口を除いて、隣合う管相互をロ
ウ付け溶接することによって空隙が生じないように密着
させ添設される。
【0033】図5には、図1に示される結合手段14が
拡大斜視される。結合手段14は、下部の補強部材13
Aにおける上端部の接合面部に設けられる下結合部材1
5と、中間部の補強部材13Bにおける下端部の接合面
部に設けられる上結合部材16と、両部材15,16に
楔合するためのウエッジ17とを備える。下結合部材1
5は、補強部材13Aの内面と水冷管11との間の空間
部に、前後に平行に対向して立設された一対の鋼板片か
らなっていて、補強部材13Aに溶接によって固着され
る。一方、上結合部材16は、補強部材13Bの内面と
水冷管11との間の空間部に垂設された1枚の鋼板片か
らなっていて、補強部材13Bに固着され、補強部材1
3A,13Bを接合したときに、下結合部材15の一対
の鋼板片に挟み付けられるように位置決めされる。それ
らの結合部材15,16にはウエッジ17を嵌合させる
ための角孔からなる孔18が穿設される。
【0034】前記結合手段14は、蓋10の円周を等分
した位置に2個以上複数個設けられる。なお、蓋10の
中間部と上部との各蓋部分を一体結合するために、各接
合面部に同じ構造の結合手段が設けられる。
【0035】前述する構造になる実施例の水冷取鍋蓋1
0は、上部、中間部および下部を合着し、結合手段14
によって一体結合し、取鍋本体9の円形開口端縁に開閉
自在に載置され冷却水を通水しながら使用される。この
ようにして取鍋6は、真空容器1a内の所定位置に設置
され、真空精錬処理操作が成される。この処理操作中に
おいて、特に酸素ガス吹錬中のCOガスのボイリングに
よってスプラッシュが勢いよく飛散する。この飛散した
スプラッシュが取鍋蓋10の内側に付着した後、水冷管
11表面で冷却され収縮する。水冷管11Aと水冷管1
1Bの同心径が異なり、前者の方が大きいため、水冷管
11A上に載って両管11A,11B間に付着したスプ
ラッシュは、冷却収縮しても、水冷管11から剥離せ
ず、また、落下もしなく、その位置に安定する。この状
態は図2の斜線領域イで示される。そして、この部分に
一旦安定して残存すると、この部分を起点として図2に
示される斜線領域ロ,ハの順に順次に付着成長してゆ
く。これによって、多段同心の配置に形成された全水冷
管11の内面にスプラッシュが付着する。ただし、付着
したスプラッシュは、その厚みがある一定値になると、
スプラッシュ表面(内側の露出面)の冷却能を低下し、
それ以上のスプラッシュの成長は起こらない。これによ
って、水冷管11表面は、断熱材である耐火物を添設し
た場合と同じように、熱伝導率が低下してしまって、し
たがって金属溶湯およびスラグの降温を抑制し、その温
度を高温状態に維持し得る。
【0036】真空精錬処理中に、水冷管11の周りに付
着したスプラッシュの厚みが一定値になると、その後は
一旦付着したスプラッシュが本体9内に滴下するように
なるが、図6にスプラッシュの成長状態が示されるよう
に、最下段の内側に位置している水冷管11Aに沿って
垂れ下がる部分Saが生じる。この垂れ下がり部Saが
十分成長してくると、本体9と蓋10との間に流れ込ん
でシール性が悪くなる、蓋10の本体9への載置が困難
になるなどの問題がある。このように成長が進んでくる
と、繰り返し使用不能に陥り蓋10を交換する必要が生
じる。
【0037】この実施例は、蓋10全部を取換えず、区
分されている下部のみを交換して、中間部および上部は
繰返し再使用することが可能である。この場合の交換作
業の手順を図6および図7に基づいて説明する。図6に
示す程度にスプラッシュの垂れ下がり部Saが生じてき
た取鍋蓋10の下部と中間部との接合面部に設けられて
いる各結合手段14のウエッジ17を取外すとともに、
下部の冷却用通路における最上段の水冷管11と、中間
部の冷却用通路における最下段の水冷管11とのそれぞ
れのジョイント部分を切り離す。その後、専用の台車や
クレーン等の起重機によって、蓋10の上部と中間部と
が一体結合されている蓋部分を吊り上げると、図7に示
されるように上部および中間部の冷却用通路11と、補
強部材13C,13Bとが一体で吊り上げられるため
に、下部冷却用通路11と、下部の補強部材13Aと、
コーン状を成すスプラッシュSとが一体となって下方に
残る。
【0038】次いでこの残った部分を本体9から取り外
して、下部補強部材13Aと下部の冷却用通路11とか
らなる新交換部品を本体9上に載置し、吊り上げていた
蓋部分を下ろしてその上に載せ結合手段14によって一
体結合する。このように、一部の部材を交換するだけ
で、新しい蓋10を本体9に取付けることができる。
【0039】図8は、本発明の他実施例である蓋10の
要部断面図である。図8図示の他実施例は、図2に示さ
れる実施例に類似し、対応する各部材には同一の参照符
を付す。図8に示される他実施例で注目すべきは、最下
段を除く他の冷却用通11が鋼鉄製の角ダクトによって
形成されることである。角ダクト内には、冷却水をジグ
ザグ状に流通するためのバッフル板19が設けられ、冷
却効率を向上し得る構造となっている。この他の実施例
は最下段に設けられる水冷管11を角ダクトと切り離す
ことによって、図1図示の前記実施例と同要領で角ダク
トからなる冷却用通路は再使用可能であって、最下段の
水冷管11だけを交換すればよい。
【0040】次に、本発明の実施例を使用した真空精錬
処理の実験例を示す。本発明の実施例である図1に示さ
れる水冷取鍋蓋10を使用して、75tonのステンレ
ス鋼の溶鋼を真空精錬処理した。処理を開始し108ヒ
ート回数(使用精錬回数)で付着したスプラッシュが、
設備上の吊り下げ荷重を超過したため、蓋10の下部の
部分のみを交換し、再び溶鋼の真空精錬処理に供した。
そして108ヒート回数まで処理したときの処理溶鋼の
温度降下の推移は下記表1に示されるとおりである。
【0041】
【表1】
【0042】上記表1から明らかなように、処理開始
後、15ヒートまでの温度降下に対して、それ以上のヒ
ート回数では、温度降下が10℃〜6℃小さくなり、ほ
ぼ一定の値を示して、抜熱を低減し溶鋼の降温を抑制し
得るので、その温度を高温状態に維持できることが明ら
かである。
【0043】
【発明の効果】以上に詳述したように本発明に係る金属
精錬用取鍋の水冷取鍋蓋は、鋼管から成る水冷管を添設
しながら巻装してハット形に成形したものであって、こ
のハットの周囲に張出す庇(ひさし)に該当する水冷管
群をそのすぐ上の水冷管に対して特定の位置関係に配設
するような条件のもとで、当該水冷取鍋蓋が、少なくと
も上部と下部の2つの部分に横断して輪切り状に区分さ
れる分割構造に成形されており、取外し可能に一体結合
させる結合手段が接合面部に設けられる一方、この蓋の
取鍋内部空間に臨む内面側に冷却水を導くために設けら
れている冷却用通路が区分された各蓋部分に対応して独
立した通路に形成される条件をもって構成される。
【0044】このような構成を実施することによって、
取鍋内部に保持されている金属溶湯やスラグからいやお
うなく発生し飛散するスプラッシュを積極的に利用し、
このスプラッシュの付着を確実なものとし、その後のス
プラッシュの所定厚さまでの成長を、安定かつ強固な状
態で促進することができるとともに維持できる。
【0045】このように維持され断熱性を有するスプラ
ッシュ層の存在によって、金属溶湯の温度降下を防ぎな
がら精錬操業ができるし、水冷取鍋蓋の過熱を防止して
蓋自体の耐用寿命の延長を図ることができる。
【0046】また特に、この水冷取鍋蓋は、少なくとも
上部と下部の2つの部分に輪切り状に区分され、冷却用
通路もこれに対応して独立した通路に形成されることに
よって、蓋下部にスプラッシュ層が垂れ下がってくるな
ど異常成長してきたとき、あるいは通常のときにおいて
も、下部の蓋部分のみを分割しては取換えてその他の蓋
部分は繰返し再使用が可能であり、交換に要する時間や
コストの低減が大幅に図られる。そして、水冷取鍋蓋の
予備品数を多く保管しておく必要もなく、その保管場所
を多くとらない。
【0047】したがって、前記(a)〜(e)項に記載
する従来の耐火物構造の取鍋蓋の有する諸問題点を解消
できるのは勿論のこと、従来の水冷構造の取鍋蓋におけ
る諸問題、特に取鍋から水冷取鍋蓋の取り外しやこの蓋
からスプラッシュを除去するなどのメンテナンスを伴う
交換作業に非常な利便性が図られ、前記〜項に記載
する取鍋蓋本来の機能(役割、目的)を達成することが
可能となり、つまり本発明の課題を達成しながら、長期
にわたって高生産性で安定した精錬操業が省エネルギー
によって経済性を伴いながら実施できる本発明に係る水
冷取鍋蓋の工業的価値は非常に大きなものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る真空精錬装置の概略示縦
断面図である。
【図2】図1に図示の蓋10の要部拡大断面図である。
【図3】図1に図示の蓋10の一部省略示平面図であ
る。
【図4】図1に図示の蓋10の断面示一部省略正面図で
ある。
【図5】図1に示される結合手段14の拡大斜視図であ
る。
【図6】図1に図示の蓋10におけるスプラッシュの成
長状態の説明図である。
【図7】図1に図示の蓋10の交換手順の説明図であ
る。
【図8】本発明の他実施例に係る蓋10の要部示断面図
である。
【符号の説明】
6 取鍋 9 取鍋本体 10 水冷取鍋蓋 11 冷却用通路 13 補強部材 14 結合手段 15 下結合部材 16 上結合部材 17 ウエッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須藤 真 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社周南製鋼所内 (72)発明者 植木 勲 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社周南製鋼所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属精錬に用いられる取鍋の円形開口端
    縁に開閉自在に載置され、該取鍋内部空間に臨む内面側
    に冷却水を導く冷却用通路が設けられる水冷取鍋蓋にお
    いて、 当該水冷取鍋蓋が、少なくとも上部と下部の2つの部分
    に横断して輪切り状に区分される分割構造に成形されて
    おり、取外し可能に一体結合させる結合手段が接合面部
    に設けられる一方、前記冷却用通路が区分された各蓋部
    分に対応して独立した通路に形成されることを特徴とす
    る金属精錬用取鍋の水冷取鍋蓋。
  2. 【請求項2】 冷却用通路が、極力添設されるように巻
    装される水冷管によってハット形に成形され、取鍋の円
    形開口端縁と当接する最下段の水平方向に直列配設され
    る水冷管群のうちの最も取鍋の円形開口内の中心軸側に
    位置する水冷管が、そのすぐ上段の水冷管に対して、水
    冷管の半径以上該中心軸方向に突出して設けられること
    を特徴とする請求項1記載の金属精錬用取鍋の水冷取鍋
    蓋。
  3. 【請求項3】 水冷管が、取鍋内部に保持されている金
    属溶湯および/またはスラグ層から放射される輻射熱に
    十分耐え得る流量の冷却水を通水できる管径を有するこ
    とを特徴とする請求項2記載の金属精錬用取鍋の取鍋
    蓋。
JP23660893A 1993-09-22 1993-09-22 金属精錬用取鍋の水冷取鍋蓋 Withdrawn JPH0791840A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006214647A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Sumitomo Metal Ind Ltd 取鍋精錬用の水冷蓋および精錬処理方法
KR200453675Y1 (ko) * 2008-10-28 2011-05-23 현대제철 주식회사 전기로 로상의 내화물 시공용 지그

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