JPH0791946B2 - トンネル及びトンネルの築造方法 - Google Patents

トンネル及びトンネルの築造方法

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JPH0791946B2
JPH0791946B2 JP2043556A JP4355690A JPH0791946B2 JP H0791946 B2 JPH0791946 B2 JP H0791946B2 JP 2043556 A JP2043556 A JP 2043556A JP 4355690 A JP4355690 A JP 4355690A JP H0791946 B2 JPH0791946 B2 JP H0791946B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は減震構造を有するトンネル及びその築造方法に
関するものである。
〔従来の技術〕
近年、シールド工法の目覚ましい進歩により10メートル
以上の大口径のトンネルが構築されるようになった。
このような大口径のトンネルを構築するシールド工法と
しては、従来から、シールド掘削機によって地盤を掘削
しながら、その掘進に従ってシールド掘削機のテール部
後方にセグメントを組立てていくと共に掘削された壁面
とセグメント間に生じる空隙部にトンネル内からモルタ
ル等の裏込材料を注入、固化させてセグメントによるト
ンネル覆工と掘削地盤との一体化を計り、且つその裏込
材料によって地盤の崩壊を防止すると共に地盤からトン
ネル内に地下水等の浸入を防止することが行われてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、世界有数の地震国である我が国において
は、当然のことながらトンネルを高い耐震構造にして安
全性を確保しなければならないが、上記したような従来
のトンネル構造によれば、トンネル自体に耐震性を付与
しているにすぎないために、軟質地盤や地盤急変部、特
に、海底トンネルのように陸地部から海底部へと地質の
異なる層に亘ってトンネルを築造する場合には、地震が
発生した際に、異なる地層の変形量に大きな差異が生じ
てその境界部では変形量の差に応じた応力がトンネル構
造体に作用し、そのため、トンネルが破壊する虞れがあ
るという問題点を有する。
又、掘削された壁面とセグメント間に注入する裏込材料
はセメント系であるから、地震動等によってクラックが
生じ易く、トンネル内に漏水が発生することになる。
本発明はこのような問題点を解消したトンネル及びトン
ネルの築造方法の提供を目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明のトンネル構造は、
掘削地盤とトンネル覆工外周面との間に地盤よりも柔軟
で粘性及び弾性を有する振動エネルギー吸収層を設けた
ものであり、このような振動エネルギー吸収層としては
アスファルト乳剤とセメント、及び必要に応じてベント
ナイトやポリマー等の増粘剤を混在させて固化させた層
(以下常温水中硬化型アスファルトと称する)が望まし
い。
又、このようなトンネルの築造方法としては、シールド
掘削機によって地盤を掘削すると共に該シールド掘削機
のテール部後方に掘進に従ってセグメントを組立てるこ
とによりトンネル覆工を形成していく際に、シールド掘
削機のテール部の後端又はセグメントの適所から掘削地
盤と覆工外周面との隙間に常温硬化型アスファルトの裏
込材料を注入し、該裏込材料の固化によって地盤よりも
柔らかい振動エネルギー吸収層を形成することを特徴と
するものである。
〔作用〕
上記のように構成したトンネルの構造によれば、地震が
発生した場合、地盤が変位するが、その変動量に応じて
振動エネルギー吸収層が圧縮し、トンネル覆工に作用す
る地震動を減震させてトンネル覆工に発生する応力を低
下させる。
このような減震作用は、海底トンネルのように地質の異
なる層に亘って築造されたトンネルの場合において効果
的に行われ、両地層の変位量が異なってもこれらの両地
層間に亘って一連に設けた振動エネルギー吸収層により
両地層からの振動エネルギーが平均化されるように吸収
され、トンネル覆工の長さ方向に亘って発生する応力を
均一的に低下させて地層境界部における局部的な応力発
生をなくするものである。
又、トンネル断面の上部と下部とで地盤が急変する場所
においても同様な作用効果を奏するものである。
トンネルの外周部にこのような地盤よりも柔らかい振動
エネルギー吸収層を形成するには、トンネルを構築する
際に、シールド掘削機のテール部の後端又はセグメント
の適所から掘削地盤と覆工外周面との隙間に常温水中硬
化型アスファルトよりなる裏込材料を注入し、該裏込材
料の固化によって容易に形成でき、この際、セグメント
の外周と掘削地盤間をスペーサ部材によって所望間隔を
存した状態に保持し、この間隔部に上記裏込材料を注入
することによってトンネル覆工外周に均一な厚みを有す
る振動エネルギー吸収層を形成することができる。
〔実施例〕
本発明の実施例を図面について説明すると、(1)は陸
地の地盤であって剛性の高い地質を有し、(2)は海底
部の軟弱地盤であって剛性の小さい堆積層から成ってい
る。
(3)は陸地の剛性地盤(1)から海底部の軟質地盤
(2)に亘って築造された海底トンネルで、その覆工
(4)の外周と地盤(1)(2)との間隙部に所望厚さ
を有する振動エネルギー吸収層(5)がトンネル(3)
の全長に亘って略均一な厚みで形成されてある。
この振動エネルギー吸収層(5)は、地層(1)(2)
よりも柔らかい粘性及び弾性を有する材料からなり、こ
のような振動エネルギー吸収層としては、アスファルト
乳剤とセメント、及び、必要に応じてベントナイトやポ
リマー等の増粘剤を混在させてなる常温水中硬化型アス
ファルトの固化した層が好ましい。
(6)はトンネルの掘削地盤とトンネル覆工外周面との
間の間隔部において、周方向及び長さ方向に所定間隔毎
に配設した複数個のスペーサ部材で、上記振動エネルギ
ー吸収層(5)を形成するための間隔を保持すると共に
地震時における地盤変位がトンネルに伝達される量を減
少させる目的で設けられてある。
このスペーサ部材(6)は、トンネル覆工を形成するセ
グメント(4a)に内外周面間に螺通した前後一対の螺筒
(4b)と、該螺筒(4b)に内装したスプリング(図示せ
ず)の先端部に連結して該スプリングにより常時弾圧さ
れているピン(4c)と、該ピン(4c)(4c)間に架設状
態で固着した当接板(4d)とからなり、セグメント(4
a)の内側から螺筒(4b)を螺進させることにより当接
板(4d)を掘削地盤の内周壁面に押接させているもので
ある。
このようなトンネルを築造するには、シールド掘削機
(7)によって例えば、陸地の剛性地盤(1)から海底
部の軟質地盤(2)に向かって掘進していくものである
が、シールド掘削機(7)による地盤の掘削と共にシー
ルド掘削機(7)のテール部内でセグメント(4a)(4
a)・・・(4a)を円環状に組立て、組立てたセグメン
トに反力を受止させてシールド掘削機(7)を推進、掘
削させ、この掘進により組立てたセグメントはテール部
内から掘削地盤側に露出する。このように、セグメント
(4a)の組立てとシールド掘削機(7)の掘進とを繰り
返し行って掘削地盤に組立てセグメントによるトンネル
覆工(4)を形成していくものである。
この際、シールド掘削機(7)の前進によってテール部
内から掘削地盤側に位置させられたセグメント(4a)の
外周面と掘削地盤間には隙間が生じるので、セグメント
(4a)に配設している複数個の螺筒(4b)をセグメント
(4a)の内側から螺進させることにより当接板(4d)を
掘削地盤の内周壁面に押接させ、セグメント(4a)の外
周面と掘削地盤間に所定の間隔(8)を設けた状態で円
環状に組立てたセグメント(4a)を固定する。
次いで、該セグメント(4a)の適所に予め内外周面間に
亘って貫設しておいた注入孔(9)(9)から前記掘削
地盤との間隔部(8)に裏込材料として常温水中硬化型
アスファルト(22)を注入する。
この常温水中硬化型アスファルト(22)は、乳化剤を含
む水にアスファルトを分散させたアスファルト乳剤(1
0)にセメント(14)を混合し、これに増粘剤(17)と
して高吸水性ポリマーを加えて固化したもので、固化後
は柔らかい弾性を有し、且つ適度の粘性を有する層を形
成するものである。
このような層を形成する手段としては、第2図に示すよ
うに、アスファルト乳剤(10)を貯溜タンク(11)内か
ら、セメント(14)を貯蔵タンク(13)からそれぞれ必
要量、混合タンク(12)に供給し、該タンク(12)内に
配置した攪拌翼(15)を回転させることによりアスファ
ルト乳剤(10)とセメント(14)を混合し、均一に混合
した後、上記注入孔(9)(9)に向けて圧送ポンプ
(16)で配管(23)に送り出す。一方、増粘剤(17)を
貯溜タンク(18)から必要量取り出し、圧送ポンプ(1
9)で圧送してY字管(20)の位置で前記配管(23)内
に供給し、アスファルト乳剤(10)とセメント(14)の
混合物に混合させる。さらに、混合促進機(21)で均一
に混合し、上記注入孔(9)(9)からセグメントと掘
削地盤との間隔部(8)に圧送する手段を採用すること
ができる。
なお、振動エネルギー吸収層(5)は、セグメント(4
a)に設けている注入孔(9)からの間隔部(8)への
供給により形成する以外に、シールド掘削機のテール部
の後端部分に間隔部(8)に向かって開口した注入孔
(図示せず)を設けておき、この注入孔から間隔部
(8)に裏込材料を圧送することによって形成してもよ
い。
こうしてセグメントにより形成されたトンネル覆工
(4)の外周面と掘削地盤間の間隔部(8)に供給され
た常温水中硬化型アスファルト(22)はアスファルト乳
剤(10)とセメント(14)との反応によって徐々に固化
し、上記振動エネルギー吸収層(5)を形成するもので
ある。
トンネル覆工(4)の外周をこのような振動エネルギー
吸収層(5)によって全面的に被覆しておくと、地震が
生じた場合には、上記剛性地盤(1)と軟質地盤(2)
との変位量の差(ひずみ)を吸収すると共に振動エネル
ギーを吸収してトンネルに伝達される地震動を減じさせ
ることができるものである。
なお、振動エネルギー吸収層(5)は、剛性地盤(1)
と軟質地盤(2)間に設けたトンネルに限定されること
なく、このようなトンネル以外、例えば、剛性地盤
(1)中のトンネルや軟質地盤(2)中のトンネルにお
いても、或いは、トンネル断面の上部と下部で地盤が急
変する場所でも、地震に対する減震効果を発揮すること
ができるものである。
〔発明の効果〕
以上のように本発明のトンネル構造によれば、掘削地盤
とトンネル覆工外周面との間に地盤よりも柔軟で粘性及
び弾性を有する振動エネルギー吸収層を設けているの
で、地震が発生して地盤が変位した場合、その変動量に
応じて振動エネルギー吸収層が圧縮し、トンネル覆工に
作用する震動を減震させてトンネル覆工に発生する応力
を低下させることができ、地震に対して安全なトンネル
を提供することができるものであり、特に、海底トンネ
ルのように地質の異なる層に亘って築造されたトンネル
の場合においては、両地層の変位量が異なってもこれら
の両地層間に亘って一連に設けた振動エネルギー吸収層
により両地層からの振動エネルギーを平均的に吸収し、
トンネル覆工の長さ方向に亘って発生する応力を均一的
に低下させて地層境界部における局部的な応力発生をな
くすることができるものである。
又、このようなトンネルの築造方法としては、シールド
掘削機によって地盤を掘削すると共に該シールド掘削機
のテール部後方に掘進に従ってセグメントを組立てるこ
とによりトンネル覆工を形成していく際に、シールド掘
削機のテール部の後端又はセグメントの適所から掘削地
盤と覆工外周面との隙間に常温水中硬化型アスファルト
の裏込材料を注入し、該裏込材料の固化によって地盤よ
りも柔らかい振動エネルギー吸収層を形成するものであ
るから、トンネルを築造しながら容易に振動エネルギー
吸収層を形成することができるものである。
このような振動エネルギー吸収層としては、常温水中硬
化型アスファルトの層を採用することにより、減震を効
果的に行わせることができる適度な弾性と粘性とを有す
る層を形成することができ、従って、クラックが入るこ
とがないから地下水がトンネル内に漏水する虞れもなく
することができ、さらに、掘削地盤とトンネル覆工外周
面との間の複数個所に弾性スペーサ部材を介在させるこ
とによって、トンネル覆工外周に均一な厚みを有する振
動エネルギー吸収層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示すもので、第1図はトンネル
の簡略縦断側面図、第2図はシールド掘削機によってト
ンネルを築造している状態の縦断側面図、第3図及び第
4図は第2図A−A線、B−B線における縦断正面図で
ある。 (1)(2)…地盤、(3)…トンネル、(4)…トン
ネル覆工、(5)…振動エネルギー吸収層、(6)…ス
ペーサ部材、(7)…シールド掘削機、(8)…間隔
部、(10)…アスファルト乳剤、(14)…セメント。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森吉 昭博 北海道札幌市豊平区清田二条1丁目9番地 10号 (72)発明者 竹内 幹雄 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番2 号 株式会社奥村組内 (72)発明者 井戸田 芳昭 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番2 号 株式会社奥村組内 (72)発明者 大野 健一郎 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番2 号 株式会社奥村組内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】掘削地盤とトンネル覆工外周面との間にア
    スファルト乳剤とセメントを混在させて固化させた振動
    エネルギー吸収層を設けてなることを特徴とするトンネ
    ル。
  2. 【請求項2】掘削地盤とトンネル覆工外周面との間にア
    スファルト乳剤とセメントと増粘剤を混在させて固化さ
    せた振動エネルギー吸収層を設けてなることを特徴とす
    るトンネル。
  3. 【請求項3】シールド掘削機によって地盤を掘削すると
    共に該シールド掘削機のテール部後方に掘進に従ってセ
    グメントを組立てることによりトンネル覆工を形成して
    いくトンネルの築造方法において、シールド掘削機のテ
    ール部の後端又はセグメントの適所から掘削地盤と覆工
    外周面との隙間にアスファルト乳剤とセメントを混在さ
    せた常温水中硬化型アスファルトよりなる裏込材料を注
    入し、該裏込材料の固化によって地盤よりも柔らかい振
    動エネルギー吸収層を形成することを特徴とするトンネ
    ルの築造方法。
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JP5294109B2 (ja) * 2008-02-08 2013-09-18 清水建設株式会社 放射性廃棄物処分用トンネル
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CN111927492A (zh) * 2020-09-17 2020-11-13 成都理工大学 隧道吸能装配式衬砌结构及其施工方法
CN114810127B (zh) * 2022-05-06 2023-04-14 中国水利水电科学研究院 具有内修复能力的隧洞围岩复合衬砌结构

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