JPH0792486A - 空間光変調器及びその駆動方法 - Google Patents

空間光変調器及びその駆動方法

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JPH0792486A
JPH0792486A JP23840693A JP23840693A JPH0792486A JP H0792486 A JPH0792486 A JP H0792486A JP 23840693 A JP23840693 A JP 23840693A JP 23840693 A JP23840693 A JP 23840693A JP H0792486 A JPH0792486 A JP H0792486A
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liquid crystal
spatial light
light modulator
sensitivity
voltage
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Application number
JP23840693A
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English (en)
Inventor
Naoki Kato
直樹 加藤
Tadao Iwaki
岩城  忠雄
Katsuki Matsushita
克樹 松下
Rieko Sekura
利江子 瀬倉
Nobuyuki Kasama
宣行 笠間
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Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、光ニューロコンピューテ
ィングシステムに適合した空間光変調器及びその駆動方
法を提供する事にある。 【構成】 図1に、強誘電性液晶空間光変調器の構成を
示す。本発明においては、強誘電性液晶層内で生じたイ
オンのドリフトによる配向膜の表面電荷に対応して、配
向膜層と光導電層(或いはミラー層)の界面に、光導電
層内で生じたフォトキャリアがトラップされる。このト
ラップされた電荷によって生ずる電界によって感度が変
動するようにした。また、単発亦は双極または三連続の
パルス電圧と休止期間からなる駆動電圧を連続的に反復
して出力し、各々のパルスの電圧及びパルス幅を制御す
る、或いは直流を重畳した交番電界を印加して重畳する
直流電圧を制御する、或いは書き込み光または読み出し
光以外のバイアス光照射手段を設けてバイアス光量を制
御する、という強誘電性液晶空間光変調器の駆動方法に
よって、感度の変動を制御可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光情報処理装置、画像処
理装置等に応用される光書き込み型液晶空間光変調器及
びその駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶を用いた空間光変調器は入力
された画像情報を、リアルタイムで強度変調出力する素
子として用いられている。一般には表面安定化強誘電性
液晶を変調材料として用いた二値化デバイスが知られて
いる。しかし、従来の表面安定化強誘電性液晶を用いた
素子に於いては、強誘電性液晶が安定状態にある場合
に、自発分極を打ち消すために特に配向膜層に電荷が蓄
積され、電界を除いた場合にこれが反電界として作用す
ることによりメモリー性を損なうことがあった。この現
象は、光書き込み型の強誘電性液晶空間光変調器に於い
ては、連続して書き込みを行った領域に感度の変動が起
こる、いわゆる焼き付き現象を生ずる原因となる。この
ため、筆者らは、特願平02−239594等に於い
て、酸化物を基板法線方向から80度以上の角度から蒸
着させた、垂直膜厚の薄い配向膜を用いた光書き込み型
の強誘電性液晶空間光変調器を示し、良好なメモリー
性、双安定性を付与することに成功した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近光を用い
たニューロコンピューティングが研究されるようにな
り、空間光変調器にも従来の単純な双安定性以外の特性
が要求される場合が生じてきた。例えば、脳の記憶、忘
却のメカニズムを再現するにあたって、連続的に同じ情
報を与えられると次第にその情報が蓄積され、即ち光学
的な情報が空間光変調器に記憶され、情報の提示を中断
すると時間の経過を追って蓄積された情報が薄れ、即ち
空間光変調器が記憶していた情報を忘れる、といった機
能が求められるようになった。
【0004】また、光ニューロコンピューティングにお
いて、例えばホップフィールドモデルを光学的に実現し
ようとする場合(参考文献: N.H.Farhat et. al., "0p
rical implementation of the Hopfield model" Applie
d Optics, Vol.24, No.10, pp.1469-1475, 1985 )等に
おいて、結合荷重を更新する場合に負の値を付加する必
要が生ずる場合があり、従来の光学的手段においてはこ
れを実現する術がなく、正負の結合荷重行列に対して各
々別のメモリーを割り当てざるを得ず、系が複雑になる
といった課題もあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は上記
問題を解決するために、配向膜層を従来より厚くする、
或いは絶縁性の高い材料を用いて、電荷の蓄積による感
度変動が生じやすい空間光変調器を実現した。さらに、
双極パルスまたは三連続パルスを用いて各パルスのパル
ス幅或いは電圧を制御する駆動方法によって、感度の変
位量を制御する事を可能ならしめた。
【0006】また、バイアス光を含む光量の制御によっ
て、感度を正負何れの方向へもシフトさせる事を可能な
らしめた。
【0007】
【作用】上記の方法を用いる事により、強誘電性液晶空
間光変調器を光ニューラルネットをはじめとする光コン
ピューティングに応用する場合において、例えば記憶と
忘却といった人間の脳の機能に類似した特性を内包する
デバイスとして機能させる事ができ、もってその応用範
囲を増大させる事ができるものである。
【0008】さらに、バイアス光を含む光量の制御によ
って、感度を正負何れの方向へもシフトさせる事が可能
となった事により、ニューラルネットワークモデルを光
学的に実現しようとする場合等において、結合荷重を更
新する場合に、1個のデバイスにおいて正負何れへの更
新も可能となり、もって光ニューロコンピューティング
システムの光学系を単純化し、その実現性を高めるもの
である。
【0009】
【実施例】以下に図面を用いて本発明を詳細に説明す
る。図1は、本発明に係る光書き込み型強誘電性液晶空
間光変調器の構造を示す模式図である。
【0010】液晶分子を挟持するための基板11a、1
1bとして、両面をHe−Neレーザー波長に於て平行
平面度λ/5以下に研磨した厚さ5mmの透明ガラス基
板を用いた。両基板の表面にはITO透明電極層12
a、12bを設けた。光による書き込み側の透明電極層
12a上には3.0μmの厚さの水素化アモルファスシ
リコン(a−Si:H)光導電層15を形成した。
【0011】さらに空間光変調器の用途によっては、光
導電層上にミラー層として誘電体多層膜ミラーを形成す
る場合もある。ミラー層は互いに絶縁された金属膜が配
列された構造等であっても問題ない。なお、ミラー層の
総厚は、使用波長における反射率の要求によって決定さ
れるが、総厚の増加は素子の解像度に影響を与えるた
め、むやみに厚くすることはできない。
【0012】なお、光導電層15は、硫化カドミウム等
の他の材料を用いても問題なく、また、層厚はミラー層
及び液晶層の厚みによって最適値が変動するものであっ
て、0.5〜10μmの範囲内で上記各膜の電気的特性
及び膜厚を勘案して設定される。
【0013】さらに両基板の表面には、一酸化珪素を基
板法線方向から82.5度の角度から斜方蒸着して形成
した配向膜層13a、13bを設けた。膜厚は、蒸着時
に蒸発源方向に向けて設置した膜厚計の直読値で100
0オングストロームとした。配向膜層13a、13b
は、両基板を組み合わせた状態で蒸着の入射方向が同一
の方向になるようにした。
【0014】ここで、配向膜層としては、ポリイミド等
の高分子膜を用いたラビング膜であっても問題ない。こ
れは、本発明に係る強誘電性液晶空間光変調器において
は、電荷の配向膜層への蓄積が障害にならないからであ
る。ちなみに、通常の動作における安定な双安定性を求
める場合は、上記の電荷の蓄積が障害となるため、ポリ
イミド等の高分子膜を用いたラビング膜を用いては、充
分な特性が得られない。
【0015】また、斜方蒸着は、イオンアシスト蒸着等
の方法を用いても問題なく、斜方スパッタリングでも問
題ない。さらに、蒸着またはスパッタリングで形成する
場合の材料は、一酸化珪素以外の、二酸化珪素を含む酸
化珪素、或いは酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タ
ンタル、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム等の酸化
物か弗化マグネシウム等の弗化物、またはこれらの何れ
か複数の混合物であれば問題ない。なぜならば、形成さ
れた配向膜に求められる要件は、強誘電性液晶分子をあ
る程度のプレティルトを持たせて配向させるための斜方
蒸着によって生成した傾斜した柱状構造と、電荷の蓄積
を生じさせる容量を有することだからである。
【0016】上記したように、配向膜層の材質及び膜厚
は、本発明によって強誘電性液晶空間光変調器に付与さ
れる感度変化特性に重要な影響を持つ。ここで、感度変
動の原因について、図2及び図3を用いて説明する。本
発明に係る強誘電性液晶空間光変調器の構成を、模式的
に図2−Aに示す。また、図2−Aに対応する模式的な
等価回路を図2−Bに示す。基板21a,21bに担持
された透明電極22a,22b間に印加された駆動電圧
は、光導電層23、強誘電性液晶層24及び配向膜層2
5a,25bに分圧される。光による書き込みは、光導
電層に書き込み光が照射された部分の光導電層の抵抗が
低下し、液晶層へ分圧される電界が増加する事によって
行われる。
【0017】ここで、感度変動の原因を説明するため、
透明電極及び光導電層を除いた、配向膜層と強誘電性液
晶層について、動作中の電位の状態を図3を用いて示
す。これは、一般的な電気書き込み型のディスプレイと
しての強誘電性液晶層の挙動である。電界が与えられて
いない場合、全体は等電位である。ただし、強誘電性液
晶層において液晶分子は一方の安定状態に揃っているた
め、自発分極の方位は一定であり、強誘電性液晶層は巨
視的にも分極している。書き込み状態となった場合、こ
れは書き込み電圧が与えられ且つ書き込み光が与えられ
た場合であるが、電位は図3−Aに示すようになり、強
誘電性液晶層に電界がかかって自発分極とのカップリン
グによるトルクが生じ、分極反転が起こる。この状態で
電圧を除いてメモリーさせようとした場合、配向膜層の
両端が接地の等電位になるが、強誘電性液晶層の自発分
極をキャンセルするため、図3−Bに示すように配向膜
層に電位差が生ずる。一般にこれは強誘電性液晶層中に
存在するイオンのドリフトによって生ずると考えられて
いる。この電位差が非常に大きい場合は、これによって
生ずる逆電界によって強誘電性液晶分子が逆方向に反転
してしまう、いわゆるスイッチバック現象が生ずること
もある。また、配向膜層のインピーダンスが小さい場合
は、時定数が小さくなって、短時間の内に電荷が蓄積す
ることなく流れてしまう。
【0018】本発明に係る強誘電性液晶空間光変調器の
場合、図3に示した構成に光導電層が付加されている。
また、光導電層と配向膜層の間にミラー層が形成される
場合もある。この場合、強誘電性液晶層内で生じたイオ
ンのドリフトによる配向膜の表面電荷に対応して、配向
膜層と光導電層(或いはミラー層)の界面に、光導電層
内で生じたフォトキャリアがトラップされる。このトラ
ップされた電荷によって生ずる電界が感度変動の原因で
あると考えられる。書き込み状態を継続した場合、上記
界面に溜まりこむ電荷が次第に増加することによって、
初期状態から感度が見かけ上よくなる方向に変位するわ
けである。
【0019】上記したように、配向膜層のインピーダン
スは感度変化特性に重要な影響を及ぼす。配向膜層のイ
ンピーダンスを制御する製造上のパラメータは、配向膜
材料(その体積抵抗と誘電率)及び膜厚であることは当
然であって、本発明に係る強誘電性液晶空間光変調器に
おいては、必要な要件を満たす配向膜材料、膜厚を規定
している。
【0020】なお、書き込みパラメータと感度変化の関
係、その制御性、飽和及び緩和特性に付いては、実測デ
ータに基づいて後述する。次に、1.0μmの平均粒径
を持つシリカ球を外周シール材に混合分散し、凸版印刷
法を用いて前記シール材を印刷塗布した後2枚の基板を
接着し、液晶を狭持する間隙を形成した。ここで、本実
施例においては3.0μmの水素化アモルファスシリコ
ン光導電層を用いたため、液晶層厚を1.0μmとした
が、液晶層厚は前記したように光導電層及びミラー層の
条件によって最適値が変動するため、1〜5μmの範囲
内で設定される。
【0021】液晶組成物14としては、BDH社製のス
メクチック液晶組成物SCE−13を用いた。図4は書
き込み、読み出し実験を行った光学系のシステム図であ
る。書き込み光源41としてハロゲンランプを用い、干
渉フィルター42aを通して波長分布を制御した。書き
込み光は本発明に係る液晶空間光変調器44へ照射され
る。なお、画像を書き込む場合は図中45にマスクを配
置し、レンズ46で空間光変調器44の入力面に結像し
た。読み出し光源47は、ハロゲンランプを用い、光量
を調節するための絞り48、波長分布を制御する干渉フ
ィルター42b、偏光子49、ビ−ムスプリッタ50を
通って本発明に係る液晶空間光変調器44の出力面へ照
射され、液晶層で変調されつつ液晶層と水素化アモルフ
ァスシリコン光導電層の界面で反射され、再びビームス
プリッタ50に入射する。ここで、ビームスプリッタ面
で透過された光が検光子51で検光され、CCDカメラ
52で観測される。或いはCCDカメラ52の位置に写
真撮影用カメラを設置して読み出し像の撮影を行う。偏
光子49及び検光子51はクロスニコルに配置されてお
り、使用波長で書き込み光の無い状態では読み出しは暗
状態となるように設定した。観察はCCD52で取り込
んだ画像をCRTに表示した。また、フォトディテクタ
ー53を設置して光学応答をも測定した。駆動は、自作
のドライバー54を用いて行った。
【0022】なお、書き込みに用いられる光源はハロゲ
ンランプ、He−Neレーザー、Arレーザー、半導体
レーザー、LED等であり、読み出し光に用いられる光
源はハロゲンランプ、He−Neレーザー、Arレーザ
ー、半導体レーザー、LED等であればよい。
【0023】また、書き込み及び読み出し光源とは別に
バイアス光源を設置し、これからバイアス光を素子に与
えることにより、感度特性の調整を行うことが可能であ
る。上記のシステムを用いて、書き込み実験を行った。
図5は、同一の書き込み条件下で、書き込み光強度を2
00μW/cm2 、400μW/cm2 、600μW/
cm2 、と変化させた場合の動作時間による感度変化を
示すグラフである。なお、書き込みの条件は、書き込み
光中心波長550nm(半値幅40nm)、読み出し光
波長600nm(半値幅40nm)、読み出し光強度1
00μW/cm2 、駆動波形は双極パルスで、消去パル
ス10V2ms、書き込みパルス−10V1ms、読み
出し期間7ms、周波数100Hzである。なお、感度
は標準書き込み条件で完全反転を生ずる書き込み光強度
を閾値感度として定義した。各書き込み光強度に対応す
るデータは、各々初期値を1として規格化してある。
【0024】図5からわかるように、感度の変動は書き
込み光強度によって変動し、また、最大450秒程度の
連続書き込みにより飽和する。書き込み状態で照射する
光は、書き込み光、読み出し光に加えて、バイアス光が
考えられ、これらは何れも図5における書き込み光と同
様に作用する。これから、感度の変動量はバイアス光に
よって制御可能であることがわかる。
【0025】図6は前記標準条件(書き込み光強度は4
00μW/cm2 )において消去パルスの強度を12.
5V、10V、7.5Vと変化させた場合の動作時間に
よる感度変化を示すグラフである。また、図7は前記標
準条件(書き込み光強度は400μW/cm2 )におい
て消去パルスのパルス幅を1.5ms、2ms、3ms
と変化させた場合の動作時間による感度変化を示すグラ
フである。
【0026】図6及び図7から、感度の変動量は各パル
スの電圧またはパルス幅によって制御することが可能で
あることがわかる。ここで、書き込みパルスに関して
は、同様に感度変化を制御可能であるが、書き込みパル
スに関しては像が書き込める範囲で設定されなければな
らないため、実際の系では制御範囲は非常に狭くなる。
【0027】同様に三連続パルスを用いて駆動した場合
は、消去パルス、書き込みパルス、第三パルスの何れで
も感度変動を制御することが可能である。ここで、筆者
らは、特開特願平02−239594において、直流バ
イアスを重畳した矩形波を用いることによって強誘電性
液晶空間光変調器において連続階調を表現する方法を示
した。この駆動方法においても、同様の感度変動が生
じ、実用可能であることに触れておく。この駆動方法に
おいては、読み出し光量は書き込み光量に応じて連続的
に変化する。このため、書き込み光強度に対する明確な
閾値は定義出来ない。しかし、本発明に係る強誘電性液
晶空間光変調器を用いた場合、この駆動方法においては
交番電界に直流バイアスを重畳しているため、パルス駆
動による場合と同様に光導電層と配向膜層の界面への電
荷の蓄積が発生し、感度の変動が生じる。ただし、感度
の変動はγ特性のシフトという形で発現する。これは即
ち、アナログ光情報処理においても感度を制御すること
が可能であることを示している。
【0028】これらから、本発明に係る強誘電性液晶空
間光変調器の駆動方法を用いることにより、本発明に係
る強誘電性液晶空間光変調器の感度変動を制御すること
が可能であることがわかる。
【0029】図8は、標準書き込み条件下で10分間の
連続書き込みを行った後、駆動電圧、書き込み光及び読
み出し光を与えずに放置した場合の、感度変動の緩和を
示すグラフである。図から感度変動が飽和した場合も、
10分程度書き込みを行わずに放置するとほぼ初期状態
に戻ることがわかる。
【0030】これから、本発明に係る強誘電性液晶空間
光変調器は、書き込み状態の継続によって書き込みを行
った部分の感度が変化し、放置によって初期状態に緩和
することがわかった。これは即ち、本発明に係る強誘電
性液晶空間光変調器は、書き込み情報を連続して与えら
れると、あたかも人間の記憶が繰り返しによって強固に
なる如くに、書き込み情報に応じて感度変化が起こり、
また、書き込みを行わないで放置すると、あたかも人間
の記憶が次第に薄れ、忘却するが如くに、初期状態に近
づいて行くということである。この特性を光ニューラル
ネットに応用すれば、人間の脳の機能により近いメモリ
ーとして機能すると考えられる。
【0031】図9は、書き込み光、読み出し光とも与え
ずに標準条件の駆動電界のみを与えた場合の動作時間に
よる感度変化を示すグラフである。この場合、飽和は比
較的速く起こり、その値(規格化値)は、約0.87で
ある。ここで、このデータと図5データを比較すると、
書き込み光強度が600μW/cm2 と強い場合の感度
変化は、暗状態での感度変化とほぼ同等であることがわ
かる。これに対し、200μW/cm2 或いは400μ
W/cm2 では、はるかに大きい感度変化が生じてい
る。これらから、例えば本発明に係る強誘電性液晶空間
光変調器を、光ニューロコンピューティングシステム中
の結合荷重行列のメモリーマスクとして用い、バイアス
光として300μW/cm2 の均一光を全面に照射し、
書き込み光を0または300μW/cm2 の二値で与え
れば、書き込み光offの場合と書き込み光onの場合
で逆方向に感度変動を生ぜしめることが可能となる。即
ち、結合荷重行列を正負何れへも更新することが可能と
なることがわかる。
【0032】この特性を応用すれば、光ニューロコンピ
ューティングにおける光学系を、格段に簡略化でき、そ
の実現に大きく寄与するものである。
【0033】
【発明の効果】本発明を用いることにより、強誘電性液
晶空間光変調器を光ニューラルネットをはじめとする光
コンピューティングの応用範囲を増大させる事ができ
る。さらに、ニューラルネットワークモデルを光学的に
実現しようとする場合等において、結合荷重を更新する
場合に、1個のデバイスにおいて正負何れへの更新も可
能となり、もって光ニューロコンピューティングシステ
ムの光学系を単純化し、その実現性を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光書き込み型強誘電性液晶空間光
変調器の構造を示す模式図である。
【図2】2−Aは本発明に係る強誘電性液晶空間光変調
器の構成を模式的に示した図であり、2−Bはそれに対
応する模式的な等価回路を示した図である。
【図3】本発明の感度変動の原因を説明するため、透明
電極及び光導電層を除いた、配向膜層と強誘電性液晶層
について、動作中の電位の状態を示した図である。
【図4】本発明の書き込み、読み出し実験を行った光学
系のシステム図である。
【図5】本発明の同一の書き込み条件下で、書き込み光
強度を変化させた場合の動作時間による感度変化を示す
グラフである。
【図6】本発明の標準条件において消去パルスの電圧を
変化させた場合の動作時間による感度変化を示すグラフ
である。
【図7】本発明の標準条件において消去パルスのパルス
幅を変化させた場合の動作時間による感度変化を示すグ
ラフである。
【図8】本発明の標準書き込み条件下で10分間の連続
書き込みを行った後、駆動電圧、書き込み光及び読み出
し光を与えずに放置した場合の、感度変動の緩和を示す
グラフである。
【図9】本発明の書き込み光、読み出し光とも与えずに
標準条件の駆動電界のみを与えた場合の動作時間による
感度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
11a、11b 透明基板 12a、12b 透明電極 13a、13b 配向膜層 14 液晶層 15 光導電層 21a、21b 基板 22a、22b 透明電極 23 光導電層 24 強誘電性液晶層 25a、25b 配向膜層 41 書き込み光源 42a、42b 干渉フィルター 44 強誘電性液晶空間光変調器 45 マスク 46 レンズ 47 読み出し光源 48 絞り 49 偏光子 50 ビームスプリッタ 51 検光子 52 CCDカメラ 53 フォトディテクター 54 ドライバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬倉 利江子 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイコ ー電子工業株式会社内 (72)発明者 笠間 宣行 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイコ ー電子工業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光による書き込み手段、光による読み出
    し手段及び電圧印加手段を具備し、透明電極上に光導電
    膜が形成されたガラス基板と、透明電極の形成されたガ
    ラス基板のそれぞれの対向する表面に液晶配向膜が形成
    された一組のガラス基板が対向配置され、その間隙に液
    晶組成物が封入されてなる液晶空間光変調器において、
    該液晶組成物は常温でカイラルスメクチック相を示す液
    晶組成物であり、該液晶配向膜は膜厚が200オングス
    トローム以上であり、該液晶空間光変調器は書き込み状
    態の継続により感度が変動し、また、非書き込み状態下
    での時間経過によって感度の変動が緩和される事を特徴
    とする空間光変調器。
  2. 【請求項2】 該液晶配向膜は、誘電体を基板法線方向
    から傾斜した方向から、真空蒸着またはスパッタリング
    を行うことによって形成したことを特徴とする請求項1
    記載の液晶空間光変調器。
  3. 【請求項3】 請求項1の液晶空間光変調器において、
    該液晶配向膜は、高分子膜をラビングして形成したこと
    を特徴とする請求項1記載の液晶空間光変調器。
  4. 【請求項4】 該電圧印加手段は、単発亦は双極または
    三連続のパルス電圧と休止期間からなる駆動電圧を連続
    的に反復して出力し、且つ、各々のパルスに関して独立
    に電圧及びパルス幅を制御し、これによって感度の変動
    量を制御する事を特徴とする液晶空間光変調器の駆動方
    法。
  5. 【請求項5】 該液晶空間光変調器の感度変動量を制御
    するため、該光による書き込み手段或いは該光による読
    み出し手段とは別個に、該空間光変調器の書き込み側亦
    は読み出し側にバイアス光を照射する手段を設け、この
    バイアス光の光量を制御することによって感度の変動量
    を制御することを特徴とする請求項4記載の液晶空間光
    変調器の駆動方法。
  6. 【請求項6】 該電圧印加手段は、連続した双極パルス
    電圧と休止期間からなる駆動電圧を連続的に反復して出
    力し、その第2のパルスの電圧及びパルス幅を制御し、
    これによって感度の変動量を制御する事を特徴とする請
    求項5記載の液晶空間光変調器の駆動方法。
  7. 【請求項7】 該電圧印加手段は、連続した3つのパル
    ス電圧と休止期間からなる駆動電圧を連続的に反復して
    出力し、その第2のパルスの電圧及びパルス幅を制御
    し、これによって感度の変動量を制御する事を特徴とす
    る請求項5記載の液晶空間光変調器の駆動方法。
  8. 【請求項8】 該電圧印加手段は、連続した3つのパル
    ス電圧と休止期間からなる駆動電圧を連続的に反復して
    出力し、その第3のパルスの電圧及びパルス幅を制御
    し、これによって感度の変動量を制御する事を特徴とす
    る請求項5記載の液晶空間光変調器の駆動方法。
  9. 【請求項9】 該電圧印加手段は、直流バイアスを重畳
    した交番電界を出力し、その交番電界の周波数亦は該直
    流バイアス電圧を制御し、これによって感度の変動量を
    制御する事を特徴とする液晶空間光変調器の駆動方法。
  10. 【請求項10】 該液晶空間光変調器の感度変動量を制
    御するため、該光による書き込み手段或いは該光による
    読み出し手段とは別個に、該空間光変調器の書き込み側
    亦は読み出し側にバイアス光を照射する手段を設け、こ
    のバイアス光の光量を制御することによって感度の変動
    量を制御することを特徴とする請求項9記載の液晶空間
    光変調器の駆動方法。
  11. 【請求項11】 該液晶配向膜は一酸化珪素及び二酸化
    珪素を含む酸化珪素、或いは酸化チタン、酸化ジルコニ
    ウム、酸化タンタル、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニ
    ウム等の酸化物か弗化マグネシウム等の弗化物、または
    これらの何れか複数の混合物を、真空中で抵抗加熱また
    は電子ビーム加熱により斜方蒸着して形成したことを特
    徴とする請求項2記載の液晶空間光変調器。
  12. 【請求項12】 該液晶配向膜は一酸化珪素及び二酸化
    珪素を含む酸化珪素、或いは酸化チタン、酸化ジルコニ
    ウム、酸化タンタル、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニ
    ウム等の酸化物か弗化マグネシウム等の弗化物、または
    これらの何れか複数の混合物を、イオンアシスト蒸着に
    より斜方蒸着して形成したことを特徴とする請求項2記
    載の液晶空間光変調器。
  13. 【請求項13】 該液晶配向膜は一酸化珪素及び二酸化
    珪素を含む酸化珪素、或いは酸化チタン、酸化ジルコニ
    ウム、酸化タンタル、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニ
    ウム等か弗化マグネシウム等の弗化物、またはこれらの
    何れか複数の混合物を、斜方スパッタリングして形成し
    たことを特徴とする請求項2記載の液晶空間光変調器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100399108C (zh) * 2003-03-27 2008-07-02 Tdk株式会社 空间光调制器和全息照相记录/再现装置

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