JPH0795956B2 - ポックスウイルス由来発現制御領域 - Google Patents

ポックスウイルス由来発現制御領域

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JPH0795956B2
JPH0795956B2 JP62223972A JP22397287A JPH0795956B2 JP H0795956 B2 JPH0795956 B2 JP H0795956B2 JP 62223972 A JP62223972 A JP 62223972A JP 22397287 A JP22397287 A JP 22397287A JP H0795956 B2 JPH0795956 B2 JP H0795956B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば、ワクシニアウイルスに外来遺伝子を
組込んだ組換えウイルスワクチンにおいて、該外来遺伝
子を発現せしめるために有用な発現制御領域に関する。
〔従来の技術〕
現在使用されているワクチンは、弱毒性の生きたウイル
ス又は細菌を使用する弱毒性ワクチンと、不活性化した
ウイルス又は細菌を含む不活化ワクチンに分けられる。
弱毒生ワクチンは液性免疫反応のみならず細胞免疫反応
をも誘導し、その効力は強く、製造コストが安いという
利点を有する。しかしながら、弱毒性とは言え、時には
副作用を惹起するという欠点を有する。また、今だに弱
毒化されていない病原体も存在し、万能なワクチンでは
ない。
不活化ワクチンは比較的安全であるが、効果が弱いとい
う欠点を有する。
これらの従来型のワクチンに対して、遺伝子組換え技術
を駆使したワクチンの開発が進められている。その1つ
の方法においては、病原体の抗原遺伝子をプラスミドに
組込み、このプラスミドで大腸菌のごとき細菌、酵母等
を形質転換し、これらの形質転換体微生物を培養して抗
原蛋白質を大量に製造し、これを回収・精製してワクチ
ンを製造する。この方法においては、最初に少量の抗原
遺伝子が入手できればワクチンの生産が可能であり、し
かもそのワクチンは病原性を有しないという特徴を有す
る。しかしながら他方、抗原蛋白質の精製方法、この抗
原蛋白質と共に使用するアジュバントの選択・開発等に
未解決の問題点を有する。
遺伝子組換え技術を使用してワクチンを製造するための
他の方法においては、病原体に由来する抗原遺伝子をワ
クシニアウイルス遺伝子の非必須領域に組込んで外来抗
原遺伝子を含有する組換えワクシニアウイルスを作製
し、このウイルスを生ワクチンとして使用する。このワ
クチンは本質的に従来からの生ワクチンの範ちゅうに入
るものであって、前記の従来型の生ワクチンの利点を有
する。さらに、この方法においては、ベクターとしての
ワクシニアウイルスに弱毒性ウイルスを使用することに
より、毒性の低い安全なワクチンを製造することがで
き、しかもこの方法によれば原理的にはあらゆる病原体
に対するワクチン製造することができるという、従来型
の生ワクチンにはない利点が存在する。
この方法の典型的な手順によれば、まず対象とする病原
体から抗原蛋白質をコードする遺伝子(抗原遺伝子)を
切り出してこれをプラスミド、例えば常用の大腸菌プラ
スミド中でクローニングする。他方、ワクシニアウイル
ス又はこれと近縁のウイルスの非必須遺伝子領域を切り
出し、これをプラスミド、例えば大腸菌プラスミドに挿
入する。次に、このウイルス由来非必須遺伝子領域を含
むプラスミドの該非必須遺伝子中に前記の抗原遺伝子を
挿入し、組換えプラスミドを作製する。次に、この組換
えプラスミド中の抗原遺伝子により中断されたウイルス
由来非必須遺伝子領域と、ベクターとしてのワクシニア
ウイルスの遺伝子の対応領域との組換により目的とする
外来抗原遺伝子を含有するワクシニアウイルスを得る。
このウイルスがヒト又はその他の動物宿主に接種された
際に前記外来抗原遺伝子を該宿主を免疫するのに十分な
量で発現することができれば、このウイルスを弱毒性ワ
クチンとして使用することができる。
ところで、ウイルスの弱毒化と免疫賦与は相反する事象
であり、弱毒株において外来遺伝子を十分に発現するに
は強力なウイルスプロモーターが必要である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記のごとく、ワクチンとして使用するための組換ワク
シニアウイルスを作製するためには、外来抗原遺伝子を
挿入することができるウイルス非必須遺伝子領域、及び
強力なウイルスプロモーターを手にする必要がある。従
ってこの発明は、組換ワクシニアウイルスにおいて外来
抗原遺伝子を発現させるために有用なウイルス発現制御
領域、特にプロモーターを提供しようとするものであ
る。
〔問題点を解決するための手段〕 後に詳述に説明するように、本発明者等は、ポックスウ
イルスのA型封入体蛋白質をコードする遺伝子領域が前
記非必須遺伝子領域としての要件を満たしており、そし
てA型封入体蛋白質をコードする遺伝子領域を発現させ
るためのプロモーターが前記プロモーターとしての要件
を満たしていることを見出した。
従って本発明は、遺伝子の発現を制御するための発現制
御領域を含んで成るDNA断片であって、次の塩基配列: から実質上成る塩基配列を有するDNA断片を提供するも
のである。
〔具体的な説明〕
遺伝子の由来 本発明のA型封入体をコードする遺伝子領域及びこのコ
ード領域のための発現制御領域はいずれもポックスウイ
ルスの遺伝子から得ることができる。本発明において、
ポックスウイルスとは、ポックスウイルス科に属するウ
イルスの総称であり、オルトポックスウイルス属の1種
である牛痘ウイルスが特に好ましいが、これに限定され
ない。A型封入体遺伝子は感染細胞内でウイルスの成熟
後に発現され、その遺伝子産物は細胞質に大きな封入体
を形成し、その量は細胞の全蛋白質の4%に及ぶ。従っ
て、この遺伝子の上流に存在するプロモーターは極めて
強力なものである。従って、このプロモーターは外来遺
伝子発現用の本発明のプロモーターとして適当なもので
ある。
他方、ポックスウイルスの中にはA型封入体を形成しな
いものもあり、このことはA型封入体遺伝子がウイルス
の増殖には必須でないことを意味し、外来遺伝子の挿入
の場としてこの遺伝子が適当であることが期待される。
遺伝子のクローニング 次に、本発明の遺伝子のクローニングの方法を、牛痘ウ
イルスを例にして具体的に説明する。
牛痘ウイルスの精製 5×108個のVero細胞(アフリカミドリザル腎臓由来細
胞)に牛痘ウイルスCPRO6株(新潟大・市橋康夫助教授
より入手)をm.o.i.(感染多重度)0.2に感染させて、
2日後、細胞変性が顕著になった時期にウイルスを回収
した。このウイルスをショ糖密度勾配遠心法で精製し、
約3mgのウイルスを得た。
牛痘ウイルスDNAの精製 得られた精製ウイルス3mgを0.5%ラウリル硫酸ナトリウ
ム(SDS)と1mMエチレンジアミン四酢酸ナトリウム(ED
TA)の存在下で、1mg/mlのプロテアーゼKで一晩37℃で
消化した。除蛋白のためフェノール/クロロホルムで3
回抽出し、エチルエーテルで3回抽出した。1/10量の3M
酢酸ナトリウムと2倍量のイソプロパノールとを加えて
撹拌し、凝集したDNAをガラス棒で捲き取った。DNAはTE
〔10mMトリス・塩酸(Tris−HCl)pH8.0;1mM EDTA〕に
溶かした。DNAの収量は180μgであった。
牛痘ウイルスのゲノムDNAライブラリーの作成 10μgの牛痘ウイルスDNAをHind IIIまたはsal Iで10mM
Tris−HCl(pH7.5),60mM NaCl,7mM MgCl2、又は10mM
Tris−HCl(pH7.5),150mM NaCl,7mM MgCl2中37℃に
て120分間切断し、それぞれHind IIIで切断したpUC18プ
ラスミドDNAまたはSal Iで切断したpUC13プラスミドDNA
と混合して、66mM Tris−HCl(pH7.5),5mM MgCl2,5mM
ジチオスレイトール、1mM ATP中T4リガーゼにより16℃
にて16時間連結反応させた。大腸菌株JM103又はJM109を
上記の組換えプラスミドで形質転換して、牛痘ウイルス
のゲノムDNAライブラリーとした。組換えプラスミドに
は、1Kb〜25KbのゲノムDNA断片が含まれている。
A型封入体遺伝子を含むDNAの同定 牛痘ウイルスDNAを含むプラスミドをワクシニアウイル
ス感染細胞(CV−1細胞)に導入(トランスフェクショ
ン)して、A型封入体遺伝子の発現を抗A型封入体抗体
を用いて、ウエスタンブロッティングにより確認し、A
型封入体遺伝子を含むDNAを同定した。
まず3×105個のCV−1細胞(サルの腎臓由来細胞)に
ワクシニアウイルスWR株をm.o.i.50にて感染させて1時
間置いた。牛痘ウイルスDNAを含むプラスミドを、前記
の大腸菌2mlの培養液からアルカリ法により抽出し、10
μgをワクシニアウイルス感染細胞にトランスフェクト
した。30分間室温においた後、5%牛胎児血清を含む培
地を3ml加え、5時間37℃で保温し、一度培地を交換し
てから、一晩37℃で保温した。細胞懸濁液を超音波処理
後、SDS−ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、これ
を抗A型封入体抗体を使用するウエスタンブロッティン
グに付した。すなわち、ゲル上の蛋白質をニトロセルロ
ースフィルターに電気的に移した。ニトロセルロースフ
ィルターを10mM Tris−HCl(pH7.5),0.15M NaCl、5
%牛血清アルブミンで処理した後、抗A型封入体抗体と
10mM Tris−HCl(pH7.5),0.15M NaCl中で1時間37℃
で反応させた。さらにパーオキシダーゼを結合させた抗
ウサギIgG抗体を上記と同じ溶液中で37℃反応させた。
最後に0.01%過酸化水素水、0.5mg/mlの4−クロロナフ
トールを含む10mM Tris−HCl(pH7.5),0.15M NaCl溶
液で染色して、A型封入体遺伝子の発現を確認した。そ
の結果、Sal I22Kb断片(0804と称する)にA型封入体
遺伝子が含まれていることが判明した。前記ライブラリ
ー中のこの断片を含むプラスミド(p0804と称する)か
らSal Iによりこの断片を切り出し、さらにこの断片を
制限酵素、Kpn I,Sph I,Pst I、又はSac Iで切断して、
対応する制限酵素により切断したpUC18又はpUC19プラス
ミドに連結することにより組換えプラスミドpB6,pB20,p
B23,pC3,pC6等を得、これらのプラスミドについて同様
な操作を行なったところ、Kpn I−Sph I9.1Kb断片(プ
ラスミドpB23)、Sac I−Sal I8.9Kb断片(プラスミドp
C3)にはA型封入体遺伝子全長が、Sac I−Sal I6.2Kb
断片(プラスミドpC6)にはA型封入体遺伝子の一部が
含まれていることが判明した。
この結果を第1図に示す。第1図は、ワクシニアウイル
ス感染細胞にプラスミドp0804,pB6,pB20,pB23,pC3、及
びpC6をトランスフェクトし、その細胞の懸濁液をSDSポ
リアクリルアミドゲル電気泳動したものを、抗A型封入
体抗体を使ってウエスタンブロッティングした結果であ
る。レーン5,6,7,8,9及び10はそれぞれプラスミドp080
4,pB6,pb20,pB23,pC3、及びpC6について得られた結果で
ある。なお、レーン1はワクシニアWR株感染細胞を、レ
ーン2はWR株と牛痘CPRO6株重感染細胞を、レーン3は
牛痘感染細胞を同様に分析したものであり、レーン4は
遺伝子断片が挿入されていないpUC18をトランスフェク
トしたものである。レーン2,3,5,8及び9の上方のバン
ドが牛痘ウイルスのA型封入体蛋白質のバンド(16万ダ
ルトン)である。レーン10の上のバンドは、11万ダルト
ンのA型封入体蛋白質のバンドであり、プラスミドC6は
A型封入体遺伝子の一部しか含んでいないために、16万
ダルトンのバンドとしては検出できなかった。レーン1,
2、及び4〜10の下のバンド(94,000ダルトン)はワク
シニアウイルスのA型封入体関連遺伝子の遺伝子産物が
抗A型封入体抗体によって検出されたものである。前記
ライブラリー中から選択された、Sal I22Kb断片を含む
プラスミドp0804中の該Sal I22Kb断片(0804)、並びに
前記プラスミドB23(pB23)中のA型封入体遺伝子含有
断片(B23)、プラスミドC3(pC3)中のA型封入体遺伝
子含有断片(C3)、及びプラスミドC6(pC6)中のA型
封入体遺伝子含有断片(C6)の制限地図を第2図に示
す。
なお、前記プラスミドB23を含有する大腸菌エシェリヤ
・コリ(Escherichia coli)JM109−B23が、微工研菌寄
第8971号(FERM P−8971)として工業技術院微生物工研
技術研究所に寄託され、微工研条寄第1459号(FERM BP
−1459)としてブタペスト条約に基づく国際寄託に移管
された。
A型封入体遺伝子の塩基配列の決定 牛痘ウイルスのATI遺伝子の塩基配列をプラスミドpB20,
pB23及びpC6を用いて決定した。この手順を、プラスミ
ドpB20の場合を例に説明する。
pBプラスミドDNA5μgを制限酵素Sph I及びBamH I各5
単位で完全に切断し、フェノール/クロロホルムでDNA
を抽出した。後者の切断部位はエクソヌクレアーゼIII
の基質となるが、前者の切断部位は基質とならない。こ
のことを利用してエクソヌクレアーゼIIIで消化するこ
とによって、断片長の違うDNAを作成することができ
る。抽出したDNAは24単位のエクソヌクレアーゼIIIで消
化して、反応開始から1分間隔で1/10量ずつ反応生成物
を取り出し、フェノール/クロロホルムによりDNAを抽
出した。そのDNAを0.1単位のSIヌクレアーゼで30分間処
理し、再びフェノール/クロロホルムによりDNAを抽出
した。反応液(60μ)に0.2M塩化マグネシウムを1.5
μ、5mMデオキシヌクレオチドを各2μ、クレノー
断片を1単位加えて室温で30分間放置後、350単位のT4D
NAリガーゼで連結反応させた。1/50量の反応生成物で大
腸菌JM109株を形質転換し、増殖したコロニーからアル
カリ法でプラスミドDNAを抽出した。
抽出したDNAについてはサンガー等によって開発された
ジデオキシ法を用いて塩基配列を決定した。
第3図にATIの構造遺伝子とそのプロモーター領域の塩
基配列を示した。−579〜−1の位置の塩基配列中にプ
ロモーターを含み、3852の塩基が1284のアミノ酸配列よ
りなる蛋白質をコードするオープンリーディングフレー
ムを構成している。これは、SDS−ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動法で測定した(第1図参照)160kDaのATI
蛋白質の分子量とよく合致する。又、このオープンリー
ディングフレームの5′末端側の塩基配列はワクシニア
ウイルスの他の後期プロモーターの塩基配列と似てお
り、ATIが感染後期に合成される事実と一致する。これ
らの事は本発明のクローン化した遺伝子及びその塩基配
列が確かにATI遺伝子である事を保証する。
なお、前記の塩基配列の決定から、ATI蛋白質のアミノ
酸組成は次の様に推定される。
ワクシニアウイルスゲノム中のAT1関連遺伝子の同定 ワクシニアウイルスは、第1図に示したように、抗A型
封入体抗体と反応する94kDaの蛋白質を誘導する。従っ
てワクシニアDNAにもATI関連遺伝子が存在すると考えら
れる。又、そうであるなら、その部位は非必須遺伝子で
あり、強力なプロモーターを有していることが予想され
る。
本発明者はATI遺伝子中のPst Iから右約1KbのDNA断片
(第2図参照)をプローブとして用い(アマシャムのニ
ックトランスレーションキットによりα−32PdCTPによ
って標識した。スペシフィックアクティビティは〜5×
106cpm/μgであった。)、ワクシニアウイルス粒子
(又は牛痘粒子)より抽出したDNAをHind III又はSal I
で切断したDNA断片をSouthern blotting法によって調べ
た。ウイルスDNAを制限酵素で切断した後、0.6%ガロー
スゲル中で電気泳動し、各DNA断切を分離した。その通
常のSouthern bottingの操作法に従い、ナイロンメンブ
レン(Zetaprobe)上に電気的に移し、上記プローブと
ハイブリダイズした。その条件は、50%ホルムアミド、
5×SSC,0.1%SDS,5×Denharbts′溶液、250μg/mlサケ
精子DNA、25mMリン酸ナトリウムpH6.5の混合液中、42℃
一晩の保温であった。このもとでは塩基の相同性が85%
以上でなければハイブリダイズしない厳しい(Stringen
t)条件である。
結果を図4に示した。牛痘DNAをSal Iで切断した場合は
22Kbの断切が反応し、これはp0804の分子量と等しい。H
ind IIIで切断した場合は約45〜50Kbの断片が反応し
た。ワクシニアウイルスをSal Iで切断した場合は約25
〜30Kbの断切が反応し、Hind III切断の場合は45〜50Kb
の断切が反応した。
これらの結果は、牛痘のATI遺伝子に対応する遺伝子が
ワクシニアウイルス中に存在する事を示唆する。又、St
ringent条件で反応した事は、牛痘ATI遺伝子がワクシニ
アのATI関連遺伝子と細胞中でホモローガス組換えを起
し得ることを示し、牛痘ATI遺伝子中に組込んだ外来遺
伝子を、ワクシニアウイルスDNA中に挿入し得ることを
示している。
牛痘ウイルス及びワクシニアウイルスゲノム中のATI関
連遺伝子の位置 上記Southern blottingの結果及び、既に報告されてい
る文献(J.Gen.Virol.(1979)45,51−63:Nucl.Acids R
es.(1984)12,4835−4848)を考え合せてATI関連遺伝
子の位置を図5、及び図6に示した。
抗ATI抗血清の調製 なお、前記の遺伝子発現生成物の検出に用いた抗ATI抗
血清は次の様にして調製した。
(ATIの単離) 2×108個のVero細胞にCPR06を細胞当り5プラーク形成
単位(PFU)で24時間感染せしめた後、この細胞をルー
培養ビンから取り出し、そして低速遠心によりペレット
化した。細胞を50mlのTNC緩衝液〔10mM Tris−HCl(pH
7.2),0.15M NaCl,及び1mM CaCl2〕により洗浄し、そし
て10mlの10mM Tris−HCl(pH7.2)、1mM CaCl2に懸濁
した。細胞を0℃にて10分間膨化せしめ、Dounceホモジ
ナイザーにより10〜15ストロークで細胞溶解せしめ、そ
してすぐに1/4容量の0.75M Tris−HCl(pH7.2)を添加
することにより浸透圧をもどした。細胞溶解物を200×
gにて30秒間遠心して核を沈降せしめ、そして上清をポ
リプロピレンチューブ中で30秒間ずつ4回音波処理し、
そして800×gにて10分間遠心分離した。ATIを含有する
ペレットを25mlのTD緩衝液〔0.15M Tris−HCl(pH7.
2)及び0.1%デオキシコール酸ナトリウム〕中に15秒間
の音波処理により懸濁し、そして0℃にて30分間インキ
ュベートした。次にこれを800×gにて10分間遠心し、
そして短時間の音波処理により25mlの0.15M Tris−HCl
(pH7.2)、0.1%トリトン×−100緩衝液中に再懸濁し
そして再度遠心分離した。得られたペレットを2mlのTD
緩衝液中に再懸濁し、そして10mM Tris−HCl(pH7.2)
中60W/V%,70W/V%、及び80W/V%のシュークロース溶液
(10ml)から成る不連続シュークロース勾配上に重層し
た。これを75,000×gにて60分間遠心した場合、ATIは7
0%シュークロースと85%シュークロースの界面に浮か
んだ。この濃縮されたATI画分をチューブの底にあけた
穴から集め、そしてTD緩衝液により8培に稀釈した後2,
000×gにて20分間遠心分離した。
(抗ATI抗血清の調製) 主要ATIポリペプチドに対する抗血清を生じさせるた
め、精製されたATIを解離緩衝液中に溶解し、そして分
取用ラウリル硫酸ナトリウムポリアクリルマミドゲル
(PAGE)中で電気泳動した。160kDaのバンドを切り取
り、テフロンホモジナイザーにより破砕し、そして約50
0μgのATIポリペプチドを含有するゲル片をフロインド
の完全アジュバンドと共に2週間間隔で3回ラビットに
注射した。最終注射の後1週間目にこのラビットから採
血し、そして常法に従って抗血清を調製した。
〔発明の効果〕
本発明により、ボックスウイルスのA型封入体蛋白質を
コードする遺伝子、及びこれと関連する発現制御領域、
特にプロモーターが提供される。これらをワクシニアウ
イルスにより感染された動物細胞にトランスフェクトし
た場合、A型封入体遺伝子が発現されることが確認され
た。
A型封入体蛋白質をコードする領域はウイルスの増殖に
必要でない非必須領域であるから、生ワクチン用組換え
ワクシニアウイルスの造成において外来抗原遺伝子の挿
入の場として有用であり、前記プロモーターは非常に強
力であるため、組換えワクシニアウイルスにおいて外来
抗原遺伝子を発現せしめるために有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ワクシニアウイルス感染動物細胞(CV−1細
胞)にプラスミドをトランスフェクトした場合の発現生
成物を抗A型封入体抗体を用いてウエスタンブロッティ
ングにより検出した結果を示す電気泳動図である。この
図中、 レーン4:pUC13をトランスフェクトしたもの、 レーン5:p0804 〃 、 レーン6:pB6 〃 、 レーン6:pB20 〃 、 レーン8:pB23 〃 、 レーン9:pC3 〃 、 レーン10:pC6 〃 、 について示す。 なお、レーン1はワクシニアWR株感染細胞を、レーン2
はWR株と牛痘CPRO6株重感染細胞を、レーン3は牛痘感
染細胞を同様に分析したものである。 第2図は、牛痘ウイルスのゲノムDNAライブラリーから
選択された、Sal I22Kb断片を含有するプラスミドp0804
中の該断片、並びにプラスミドpB6の断片B6、プラスミ
ドpB20中の断片B20、プラスミドpB23中の断片B23、プラ
スミドpC3中の断片C3、及びプラスミドpC6中の断片C6の
制限地図である。図中、↓:Sa I切断部位; 第3−1図〜第3−4図は、A型封入体の構造遺伝子及
びそのプロモーターを含む領域の塩基配列を示したもの
である。 第4図は牛痘DNA及びワクシニアDNAをクローンしたATI
遺伝子をプローブとしてSouthern−blotting法により分
析したものである。レーン1,2は牛痘DNAをレーン3,4は
ワクシニアDNAを示す。レーン1,3はSal Iで切断したDN
A、レーン2,4はHind IIIで切断したものである。 第5図は、牛痘DNA中におけるATI遺伝子の位置を図示し
たものである。 第6図は、ワクシニアDNA中におけるATI関連遺伝子を含
むSal I切断の位置を図示したものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 C 9282−4B (C12P 21/02 C12R 1:91)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遺伝子の発現を制御するためのプロモータ
    ー領域を含んで成るDNA断片であって、次の塩基配列: を有するDNA断片。
  2. 【請求項2】前記プロモーターが組換えワクシニアウイ
    ルスにおける外来抗原遺伝子を発現せしめるために有用
    である、請求項1に記載のDNA断片。
  3. 【請求項3】前記プロモーター領域によりその発現が制
    御される遺伝子が、次のアミノ酸配列: を有するポックスウイルスのA型封入体をコードする遺
    伝子である、請求項1に記載のDNA断片。
  4. 【請求項4】遺伝子の発現を制御するためのプロモータ
    ー領域を含んで成るDNA断片を含有するプラスミドであ
    って、該DNA断片が、次の塩基配列: を有することを特徴とするプラスミド。
  5. 【請求項5】前記プロモーターが組換えワクシニアウイ
    ルスにおける外来抗原遺伝子を発現せしめるために有用
    である、請求項4に記載のプラスミド。
JP62223972A 1986-09-22 1987-09-09 ポックスウイルス由来発現制御領域 Expired - Lifetime JPH0795956B2 (ja)

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