JPH0796467B2 - 底付筒状酸化物超電導体の焼成方法 - Google Patents

底付筒状酸化物超電導体の焼成方法

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JPH0796467B2
JPH0796467B2 JP2411178A JP41117890A JPH0796467B2 JP H0796467 B2 JPH0796467 B2 JP H0796467B2 JP 2411178 A JP2411178 A JP 2411178A JP 41117890 A JP41117890 A JP 41117890A JP H0796467 B2 JPH0796467 B2 JP H0796467B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、底付筒状酸化物超電導
体の焼成方法に関し、更に詳しくは、基板及び酸化物超
電導形成層の少なくとも2層からなる底付筒状酸化物超
電導体を均一な焼成雰囲気下に焼成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、研究開発が盛んな酸化物超電導体
の反磁性を利用した磁気シールド装置等が多く提案され
ている。特に、生体の微弱な磁気を測定するために、一
端が閉鎖された底付筒状超電導体の適用が試みられてい
る。例えば、出願人は、先に特願平1−97197号で
磁気源側より基板−酸化物超電導層の順で少なくとも2
層を有する磁気シールド筒を提案した。一般に酸化物超
電導筒状体は、酸化物超電導体原料を用いて酸化物超電
導形成層を金属等の筒状の基板上に成形した後、焼成す
ることにより基板−酸化物超電導層とが一体化されたも
のとして得ることができる。
【0003】これら筒状基板上の酸化物超電導形成層の
焼成は、例えば、出願人が先に特願平2−60616号
で提案した酸化物超電導形成層表面に酸素希薄層が存在
しないように酸素富化雰囲気の一方向気流を形成した状
態で焼成する方法が用いられる。特に、筒状基板上の酸
化物超電導形成層の焼成においては、ベル型炉と呼ばれ
る釣鐘形の炉の適用が可能である。このベル型炉は、一
般に鋼線等線状物や細管のコイルを均一に加熱したり、
特定雰囲気や真空中での熱処理等外部と気密に保持する
ために用いられるものと同様の炉である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のベル型炉を
用い、酸化物超電導形成層が成形された筒状体、例えば
円筒体を焼成する場合の断面説明図を図5〜図7に示
す。図5〜図7において、ベル型炉10のマッフル1内
の支持台2の下方にファン3を配備し、支持台2上に両
端開放の円筒体4を配置して、熱対流及びファンの作動
によりマッフル内の雰囲気を強制的に撹拌してマッフル
内の雰囲気の均一化が図られていた。この場合、両端開
放された筒状体であれば、筒状基板の外周面及び内周面
のいずれに酸化物超電導形成層が形成されたとしても、
図5に示すようにマッフル1内の雰囲気ガスを円筒体4
の内周部及び外周部間でマッフル内を各区域C→D→E
と循環させることにより、ほぼ焼成雰囲気の均一が図れ
るため、焼成が均一に行われることになる。
【0005】一方、一端部が閉鎖されている底付筒状体
の場合は、図6において酸化物超電導形成層5が筒状基
板4の外周面に形成される場合及び図7に示したように
酸化物超電導形成層5が筒状基板4の内周面に形成され
る場合には、従来のベル型炉の方式では、マッフル内の
雰囲気をファン撹拌によりほぼ均一に調整することがで
きず、マッフル内の雰囲気ガス気流が乱れるため、筒状
基板上に形成された酸化物超電導形成層を均一な雰囲気
下で焼成することはできず、得られる筒状酸化物超電導
体は優れた超電導特性を発現することができなかった。
本発明は、いずれの形態の底付筒状酸化物超電導体であ
っても、底付筒状基板上に形成される酸化物超電導形成
層の焼成を均一に行うことができる底付筒状酸化物超電
導体の焼成方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】 本発明によれば、ベル
型炉マッフル内の焼成域に両端開放無機質筒状体を設置
し、該無機質筒状体の外周部から内周部へ、または、内
周部から外周部へ循環する雰囲気流を生じさせつつ、底
付筒状基板の外周面に酸化物超電導形成層が形成されて
なる底付筒状体を該底部を上にして該無機質筒状体の内
部に配置し、該超電導形成層全域を、外気より遮断さ
れ、大気雰囲気とは異なる均一な焼成雰囲気下に保持し
て焼成することを特徴とする底付筒状酸化物超電導体の
焼成方法が提供される。
【0007】 また、ベル型炉マッフル内の焼成域に両
端開放無機質筒状体を設置し、該無機質筒状体の外周部
から内周部へ、または、内周部から外周部へ循環する雰
囲気流を生じさせつつ、底付筒状基板の内周面に酸化物
超電導形成層が形成されてなる底付筒状体を該底部を上
にして該無機質筒状体の外部に配置し、該超電導形成層
全域を、外気より遮断され、大気雰囲気とは異なる均一
な焼成雰囲気下に保持して焼成することを特徴とする底
付筒状酸化物超電導体の焼成方法が提供される。
【0008】 更にまた、ベル型炉内の焼成域に底付筒
状基板の内周面に酸化物超電導形成層が形成されてなる
底付筒状体を該底部を上にし配置し、且つその内部に両
端開放無機質筒状体を設置し、該無機質筒状体の外周部
から内周部へ、または、内周部から外周部へ循環する雰
囲気流を生じさせて、該超電導形成層全域を、外気より
遮断され、大気雰囲気とは異なる均一な焼成雰囲気下に
保持して焼成することを特徴とする底付筒状酸化物超電
導体の焼成方法が提供される。
【0009】
【作 用】本発明は上記のように構成することにより、
マッフル内の雰囲気ガスに所定の流れを生じさせ、底付
筒状酸化物超電導体を得るために形成された底付筒状基
板の外周面または内周面上のいずれの酸化物超電導形成
層に接する雰囲気ガスの温度及び組成等を常時一定に保
持することができる。従って、一定の雰囲気下で酸化物
超電導形成層が焼成されることになり、得られる底付筒
状酸化物超電導体は優れた超電導特性を発現することが
でき、磁気シールド能も優れ生体等の微弱な磁気測定の
ための磁気シールド体として用いることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基づき
詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限
されるものでない。図1に、本発明の一実施例の説明図
を示した。図1の断面図及びそのa−a線断面の端面図
において、マッフル1内に、円環状板20及び円板21
を組合わせた支持台2を配置し、支持台2の下方にファ
ン3を配備し、更に支持台2のマッフル1の内壁とに間
隙を有して配置された円環状板20上に両端開放された
無機質円筒体7を、また円環状板20と間隙を有して配
置された円板21上に底付円筒基板4の外周面に酸化物
超電導形成層5を形成した被焼成体6をそれぞれ載置す
る。
【0011】上記のようにベル型炉のマッフル内を装備
した後、炉を加熱してファン3を作動させて、マッフル
内の無機質円筒体7及び被焼成体6により仕切られる
A、B及びCの各区域において、雰囲気ガスにA→B→
Cのガス流を生じさせる。この場合、A→B→Cのガス
流の流速は、0.1〜3.0m/秒の範囲が好ましい。ガ
ス流速が、0.1m/秒より小さいと酸化物超電導形成層
表面に酸素希薄層が存在することになり、一方、3.0
m/秒より大きいと酸化物超電導形成層表面から酸化物超
電導粒子が飛散する場合があり、優れた超電導特性が得
られず好ましくない。また、ガス流の流速分布は、酸化
物超電導層の厚さ、組成及び形状、焼成雰囲気により異
なるが、通常は、平均流速に対して50〜150%の範
囲内に入るように、無機質円筒体7及び被焼成体6の大
きさ、それぞれの配置間隔及びファンの種類、送風力等
を適宜選択するのが好ましい。また、上記各区域でのガ
ス流の平均流速の分布範囲が50〜150%を外れた場
合はマッフル内の雰囲気が不均一となり易く、超電導特
性の分布が不均一となり好ましくない。また、図2に示
したようにセンサー等の導入口8を設けた場合も同様に
行うことができる。
【0012】次に、図3に説明図を示した底付円筒基板
4の内周面に酸化物超電導形成層5を設けた被焼成体6
を焼成する一実施例について説明する。図3の断面図及
びそのa’−a線断面の端面図において、マッフル1内
には、マッフル1の内壁に接する円環状板22及び円環
状板22に間隙を有して配置された円環状板23を組合
わせた支持台2を配置し、支持台2の下方にファン3を
配備し、更に支持台2の円環状板23上に両端開放され
た無機質円筒体7を、また円環状板22上に底付円筒基
板4の内周面に酸化物超電導形成層5を形成した被焼成
体6をそれぞれ載置する以外は、上記図1の実施例と同
様に行うことができる。
【0013】また、この場合も、マッフル内の無機質円
筒体7及び被焼成体6により仕切られるA’、B’及び
C’の各区域において、雰囲気ガスにA’→B’→C’
のガス流を生じさせ、酸化物超電導形成層5に接する雰
囲気ガスの組成及び温度が均一になるようにする。上記
各区域でのガス流の平均流速の分布範囲を50〜150
%とするのは図1に示した態様と同様である。また、こ
の場合も、図4に示したセンサー等の導入口8を設けた
場合も同様に行うことができる。
【0014】更にまた、図3の焼成態様において、マッ
フル1を用いることなく、底付円筒基板4の内周面に酸
化物超電導形成層5を形成した被焼成体6を焼成と同時
にマッフルとして機能させて、被焼成体6内に無機質円
筒体7を配置し、A’→B’→C’の雰囲気ガス流を生
じさせて、同様に酸化物超電導形成層5に接する雰囲気
ガスの組成及び温度が均一になるようにして焼成するこ
とができる。
【0015】本発明において、ベル型炉のマッフルは、
通常、SUS310SやSUS430等のステンレス、
インコネル等の金属により製作しすることができる。ま
た、両端開放の無機質円筒体は、一般にジルコニア(ZrO
2)、アルミナ(Al2O3) 等のセラミックス、インコネル、
ステンレス等の金属、ホーロー処理された金属、無機繊
維ボードまたはそれらの組合わせにより構成されるのが
好ましく、焼成温度及び焼成雰囲気ガスにより劣化しな
いものを選択する。
【0016】更に本発明の酸化物超電導形成層は、酸化
物超電導体を形成するように構成された原料を用いて、
スプレー等の塗布成形、ドクターブレード法、ディップ
コーティング法等の公知の方法で形成することができ
る。酸化物超電導体としては、特に限定されるものでな
く、例えば、M-Ba-Cu-O 系化合物で、M がSc、Y 及びL
a、Eu、Gd、Er、Yb、Lu等のランタニドから選ばれる1
種以上の希土類元素を含む多層ペロブスカイト構造を有
する希土類系酸化物超電導体やBi2Sr2Ca1Cu2Ox やBi2Sr
2Ca2Cu3Ox に代表される組成を有するビスマス系( Bi
系) 酸化物超電導体等のいずれの酸化物超電導体でもよ
い。
【0017】また、本発明に用いる基板は上記酸化物超
電導体の機械的強度を保持できるものであればよく、例
えば、ZrO2、チタニア(TiO2)等のセラミックスやSUS
430、SUS310、SUS304、インコネル、イ
ンコロイ、ハステロイ等の金属を用いることができる。
また、本発明において、上記基板と酸化物超電導層との
間にガラス層や金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)等の貴金属層
等の中間層を接着材や保護材を兼ねて配置することがで
き、中間層の種類、厚さ等は使用目的等により選択すれ
ばよい。
【0018】本発明において、焼成は通常、マッフル内
雰囲気を酸素含有ガス雰囲気として行い、上記のように
所定のガス流を生じるようにする。また、焼成温度は、
酸化物超電導体の種類等のより適宜選択すればよい。例
えば、Bi系酸化物超電導体の場合には、一般に上記均一
な酸素雰囲気下で875〜900℃で部分溶融し、その
後850℃以下に徐冷して結晶化させた後、雰囲気ガス
を窒素に変えて同様に均一な窒素雰囲気下700℃以下
で熱処理して行うことができる。
【0019】実施例1〜9及び比較例1〜11 Bi系酸化物超電導体の原料のBi2O3 、SrCO3 、CaCO3 及
びCuO の各粉末をBi2Sr2CaCu2Ox となるように調合、混
合し、仮焼した後、イソプロピルアルコールを溶媒に用
いZrO2玉石と共にトロンメルにて粉砕してBi系酸化物超
電導体原料粉末を得た。また、厚さ1.98mmのインコ
ネル625、SUS430またはSUS310S材を用
いて表1に示した形状の円筒体を作製して基板とし、外
または内周面に予めガラス層または/及びAgの貴金属層
からなる中間層を形成した後、上記で得た原料粉末を用
いてスプレー塗布成形またはハケ塗り成形にてBi系酸化
物超電導形成層を焼成後約300μmの厚さになるよう
に形成した。これら形成態様をそれぞれ表1に示した。
【0020】上記のようにしてBi系酸化物超電導形成層
を形成した円筒体を、表1に示した形状のインコネル6
25製両端開放無機質円筒体を用いて、表1に示した図
1〜図7の各焼成タイプで、880〜900℃、0.5〜
2.0時間、酸素富化ガス雰囲気下で焼成し、その後、
0.5℃/分の冷却速度にて約800℃まで徐冷して結
晶化した。なお、実施例5〜7及び比較例9〜11にお
けるセンサー導入口の長さは、実施例5及び比較例9が
100mm、実施例6及び比較例10及び11が320m
m、実施例7が60mmであった。結晶化後、雰囲気ガス
を酸素希薄ガスに変えて、更に450〜700℃で熱処
理して円筒状Bi系酸化物超電導体を得た。
【0021】得られた各円筒状Bi系酸化物超電導体につ
いて、局所的にJc値(臨界電流密度)を測定し、それぞ
れの平均値と最小値とを比較して、下記のように○、△
及び×で評価した。その結果を表1に示した。 評価○:最小Jc値/平均Jc値×100≧60(%) 評価△:60≧最小Jc値/平均Jc値×100≧30(%) 評価×:最小Jc値/平均Jc値×100≦30(%)
【0022】
【表1】
【0023】上記の実施例及び比較例より明らかなよう
に、両端が開放された円筒体は、従来のベル型炉におけ
る焼成でも、均一な酸化物超電導体が得られJc値も全体
的に均一である(比較例1〜4)。一方、底付円筒体の
場合は、酸化物超電導層が円筒基板の内または外周面の
いずれであっても、局所的にJc値が低い箇所が存在し、
均一な焼成が困難であることが分かる。これに対し、本
発明の両端開放の無機質筒状体を用いる方法によれば、
底付円筒基板の内または外周面のいずれにBi系酸化物超
電導層が形成される場合でも、均一な酸化物超電導体が
得られることが分かる。
【0024】
【発明の効果】本発明の底付筒状酸化物超電導体の焼成
方法は、底付筒状基板上の酸化物超電導層が何れの周面
に形成された場合でも、均一な焼成雰囲気下を保持しつ
つ焼成でき、得られる筒状酸化物超電導体は優れた超電
導特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の説明図
【図2】センサー導入口のある底付筒状酸化物超電導体
の一例の断面説明図
【図3】本発明の他の実施例の説明図
【図4】センサー導入口のある底付筒状酸化物超電導体
の一例の断面説明図
【図5】従来の筒状体の焼成例を示すベル型炉の断面説
明図
【図6】従来の筒状体の焼成例を示すベル型炉の断面説
明図
【図7】従来の筒状体の焼成例を示すベル型炉の断面説
明図
【符号の説明】
1 マッフル 2 支持台 3 ファン 4 筒状基板 5 酸化物超電導層 6 被焼成体 7 両端開放無機質筒状体 8 導入口 10 ベル型炉 21 円板 22、22、23 円環状板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベル型炉マッフル内の焼成域に両端開放
    無機質筒状体を設置し、該無機質筒状体の外周部から内
    周部へ、または、内周部から外周部へ循環する雰囲気流
    を生じさせつつ、底付筒状基板の外周面に酸化物超電導
    形成層が形成されてなる底付筒状体を該底部を上にして
    該無機質筒状体の内部に配置し、該超電導形成層全域
    を、外気より遮断され、大気雰囲気とは異なる均一な焼
    成雰囲気下に保持して焼成することを特徴とする底付筒
    状酸化物超電導体の焼成方法。
  2. 【請求項2】 ベル型炉マッフル内の焼成域に両端開放
    無機質筒状体を設置し、該無機質筒状体の外周部から内
    周部へ、または、内周部から外周部へ循環する雰囲気流
    を生じさせつつ、底付筒状基板の内周面に酸化物超電導
    形成層が形成されてなる底付筒状体を該底部を上にして
    該無機質筒状体の外部に配置し、該超電導形成層全域
    を、外気より遮断され、大気雰囲気とは異なる均一な焼
    成雰囲気下に保持して焼成することを特徴とする底付筒
    状酸化物超電導体の焼成方法。
  3. 【請求項3】 ベル型炉内の焼成域に底付筒状基板の内
    周面に酸化物超電導形成層が形成されてなる底付筒状体
    を該底部を上にし配置し、且つその内部に両端開放無機
    質筒状体を設置し、該無機質筒状体の外周部から内周部
    へ、または、内周部から外周部へ循環する雰囲気流を生
    じさせて、該超電導形成層全域を、外気より遮断され、
    大気雰囲気とは異なる均一な焼成雰囲気下に保持して焼
    成することを特徴とする底付筒状酸化物超電導体の焼成
    方法。
  4. 【請求項4】 酸化物超電導形成層周囲の雰囲気ガスの
    流速が、0.1〜3.0m/秒である請求項1〜3のいず
    れかに記載の焼成方法。
  5. 【請求項5】 雰囲気ガスの流速分布が平均流速の50
    〜150%の範囲内である請求項1〜3のいずれかに記
    載の焼成方法。
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