JPH0796507A - 水硬性組成物の押出成形体の製造方法 - Google Patents

水硬性組成物の押出成形体の製造方法

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JPH0796507A
JPH0796507A JP24346093A JP24346093A JPH0796507A JP H0796507 A JPH0796507 A JP H0796507A JP 24346093 A JP24346093 A JP 24346093A JP 24346093 A JP24346093 A JP 24346093A JP H0796507 A JPH0796507 A JP H0796507A
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JP24346093A
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Hajime Kimura
元 木村
貴 ▲高▼田
Takashi Takada
Mitsunobu Otani
光伸 大谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無石綿の補強材が含まれている水硬性組成物
の押出成形体であって、保型性と表面平滑性が優れ、高
強度・高靱性である押出成形体を製造する方法を提供す
る。 【構成】 この製造方法においては、高分子電解質から
なる微細粒子のエマルジョンであって、次式: χ(%)=100×(1−√(D10/D6 )) (式中、D10、D6 は、それぞれ、pH10、pH6に
調整された、温度25℃における前記エマルジョンの吸
光度を表す。ただし、その吸光度は、pH調製24時間
後に測定された値である)で示されるアルカリ可溶度が
40%以上であるエマルジョンを添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水硬性組成物の押出成形
体の製造方法に関し、さらに詳しくは、建築用の壁材、
屋根材、床材などや、土木用のパイプ、パネル、トラフ
などを製造するときに適用して有用な水硬性組成物の押
出成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セメントや石膏などの水硬性無機物の補
強材としては、従来、石綿が多用されていた。しかしな
がら、最近では、石綿公害が問題になっているため、こ
の石綿に代えて、たとえば、ガラス繊維、炭素繊維、ロ
ックウールなどの無機繊維;ポリアクリルニトリル系、
ポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系などの有機
合成繊維;麻、木材パルプなどの有機天然繊維;雲母、
滑石、緑泥石、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、ワ
ラストナイトなどの粉末を補強材として実用化するため
の検討が進められている。
【0003】しかしながら、上記したような補強材は、
いずれも石綿に比べて大径であり、しかも保水性や親水
性が小さいので、これらの補強材を配合した水硬性組成
物を押出成形するときは、円滑な押出成形が実現しにく
いという問題がある。このような問題は、水硬性組成物
に、さらにメチルセルロースのようなセルロース誘導体
を多量に添加すれば、ある程度解決することができる。
【0004】しかしながら、セルロース誘導体を多量に
添加すると、押出成形の過程における水硬性や、押出成
形体の性能に悪影響をもたらすだけではなく、セルロー
ス誘導体は高価であるため、得られた製品の製造コスト
を大幅に引き上げるという問題が発生する。このような
問題を解決するために、たとえば、特開平2−2297
48号公報には、ポリアクリル酸もしくはポリアクリル
酸の誘導体と亜鉛華、またはポリアクリル酸もしくはポ
リアクリル酸の誘導体とアルミノケイ酸塩ガラスを添加
混合して押出成形する方法が開示されている。
【0005】しかしながら、この方法の場合は、併用し
ている亜鉛華やアルミノケイ酸塩ガラスによって、ポリ
アクリル酸またはその誘導体が架橋反応を起こすことが
ある。その結果、用いているエマルジョンがゲル化して
その粘度は著しく上昇したり、または亜鉛華やアルミノ
ケイ酸塩ガラスなどの異物の影響を受けて、押出成形が
行いづらくなり、得られた押出成形体が組織不均一にに
なりやすく、その機械的強度も低下する問題が引き起こ
される。
【0006】また、特開昭54−162721号公報に
は、ポリアクリル酸エステルなどのエマルジョンを用い
てセメント組成物の押出成形体を製造する方法が開示さ
れている。しかしながら、ここで開示されているエマル
ジョンは、親水性が小さく、また保水性も乏しく、増粘
効果もほとんどないため、セメント組成物のような水硬
性組成物の押出成形時における成形圧が高くなると同時
に、押出成形体の保型性や表面平滑性の改善効果をほと
んど期待できないという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無石
綿の補強材が含有されている水硬性組成物を押出成形す
るときの上記した問題を解決し、無石綿の水硬性組成物
を円滑に押出成形することができ、高強度・高靱性で、
保型性と表面平滑性も優れている、水硬性組成物の押出
成形体の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、無石綿の補強材が含有され
ている水硬性組成物を押出成形する際に、前記水硬性組
成物に、高分子電解質からなる微細粒子のエマルジョン
であって、次式: χ(%)=100×(1−√(D10/D6 )) …(1) (式中、D10、D6 は、それぞれ、pH10、pH6に
調整された、温度25℃における前記エマルジョンの吸
光度を表す。ただし、その吸光度は、pH調製24時間
後に測定された値である)で示されるアルカリ可溶度が
40%以上であるエマルジョンを添加することを特徴と
する、水硬性組成物の押出成形体の製造方法が提供され
る。
【0009】まず、本発明における水硬性組成物とは、
水硬性無機物である石灰質原料とケイ酸質原料とを主原
料とし、これに、石綿に代わる補強剤や、各種の混和剤
が配合されているものである。主原料の一方を構成する
石灰質原料としては、たとえば、ポルトランドセメン
ト、アルミナセメントのような単味セメント;高炉セメ
ントのような混合セメント;膨張セメントのような特殊
セメント;をあげることができる。
【0010】また他方のケイ酸質原料としては、たとえ
ば、ケイ砂、ケイ石粉のような結晶性シリカ;フライア
ッシュ、シリカヒューム、高炉スラグ、けいそう土のよ
うな非結晶性シリカ;をあげることができる。主原料を
調製するときの石灰質原料とケイ酸質原料との混合割合
はとくに限定されるものではないが、通常、後者1重量
部に対し、前者を約0.5〜約1.2倍量の範囲で混合され
る。
【0011】石綿に代わる補強材としては、たとえば、
ガラス繊維、炭素繊維、ロックウールなどの無機繊維;
ポリアクリルニトリル系、ポリオレフィン系、ポリビニ
ルアルコール系などの有機合成繊維;麻、木材、竹パル
プなどの有機天然繊維;ワラストナイト、チタン酸カリ
ウム、エデナイトなどの繊維状粉末;をあげることがで
きる。
【0012】これらの補強材のうち、ワラストナイトは
好ましい補強材である。ワラストナイトを補強材として
用いる場合は、前記した主原料100重量部に対し、1
〜30重量部、目的によっては、5〜20重量部含有さ
せることが好ましい。また、主原料に配合する混和剤と
しては、たとえば、押出成形時における水硬性組成物の
流動性(成形性)を向上させる、滑石(タルク)、雲母
(マイカ)、緑泥石などの滑材;押出成形時の保水性を
向上させる、セピオライト、ベントナイト、ゼオライト
のような無機鉱物、アクリル系重合体やデンプン系のよ
うな高吸水性樹脂、炭酸カルシウム、カリオンのような
充填材;押出成形体を軽量にする、パーライト、シラス
バルーン、ガラスバルーン、合成樹脂の発泡ビーズ;を
あげることができる。
【0013】とくに、充填材を配合する場合、その充填
材として粒径1μm以下の微細粒子を用いると、保水効
果を高めることができて好適である。本発明方法におい
ては、上記した水硬性組成物を押出成形するときに、さ
らに、後述するエマルジョンが必須成分として添加され
る。なお、このときに、同時に、前記水硬性組成物に保
水性を付与し、また各成分間の結合力を高めることを目
的として、セルロース誘導体を粘結剤として添加するこ
とが好ましい。
【0014】このようなセルロース誘導体としては、た
とえば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルエチルメチルセルロースなどをあげることがで
きる。これらは、それぞれ、単独で用いてもよいし、ま
た2種以上を混合して用いてもよい。このセルロース誘
導体の添加量は、水硬性組成物の前記した主原料100
重量部に対し、0.3〜3重量部であることが好ましい。
とくに好ましくは、主原料100重量部に対し、0.5〜
1重量部に設定される。
【0015】この添加量が少なすぎると、水硬性組成物
に充分な保水性を付与することができない場合があり、
また逆に多すぎると、水硬性組成物の硬化に悪影響を与
えたり、製造コストの上昇を引き起こす傾向が増すから
である。本発明方法で用いるエマルジョンは、下記の性
状で特徴づけられるものである。
【0016】まず、このエマルジョンは、後述する高分
子電解質からなる微細粒子を含む。すなわち、この高分
子電解質としては、骨格が脂肪族構造をなし、そこに、
カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基(−PO3
2 )、亜リン酸基(−PO 2 2 )のような酸性基を有
する、高分子カルボン酸、高分子スルホン酸、高分子リ
ン酸、高分子亜リン酸など側基として結合しているもの
をあげることができる。
【0017】とくに、高分子カルボン酸は好適である
が、この高分子カルボン酸のうち、たとえば、ポリアク
リル酸、ポリメタクリル酸や、マレイン酸、イタコン
酸、クロトン酸などの重合体を好適なものとしてあげる
ことができる。また、カルボキシル基を有するカルボキ
シメチルセルロース、アルギン酸、スルホン酸基を有す
るリグニンスルホン酸のような多糖類誘導体も好適なも
のとしてあげることができる。
【0018】さらには、上記した高分子電解質に対応す
る単量体とその単量体への共重合性を有するビニル系単
量体との共重合体も、高分子電解質として使用すること
ができる。その場合の共重合の方法としては、ランダム
共重合、ブロック共重合、交互重合、グラフト重合など
の方法を適用することができる。なお、上記した高分子
電解質に存在している酸性基は、1種類だけであっても
よく、また異種のものが同時に含まれていてもよい。さ
らに、酸性基の数は1個であってもよく、また複数個で
あってもよい。
【0019】この高分子電解質は微細粒子の形で使用に
供される。その場合、粒径は平均粒径で5μm以下であ
ることが好ましい。好ましくは2μm以下、さらに好ま
しくは0.1〜1μmである。この粒径が5μmより大き
くなると、水硬性組成物に添加したときに、主原料、補
強材、混和剤などの各成分間の間隙に充分に到達でき
ず、その結果、各成分間の結合力が充分に高くならず、
また押出成形体の保型性が低くなりやすいからである。
【0020】このような高分子電解質の微細粒子を得る
ためには、乳化重合法を適用することが好適である。そ
のときの乳化の形態は、油中水型(W/O型)、水中油
型(O/W型)のいずれであってもよい。このときに用
いる乳化剤としては、たとえば、高級脂肪酸塩、アルキ
ル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ア
ルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル
硫酸エステル塩のようなアニオン系界面活性剤や、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸
エステルのようなノニオン系界面活性剤を好適なものと
してあげることができる。そして、重合開始剤として
は、公知の過酸化物の外に、レドックス触媒のような通
常のラジカル重合用開始剤をあげることができる。
【0021】合成された高分子電解質の分子量は、高分
子量であればあるほどアルカリ増粘性が高まるので好ま
しいが、他方では、あまり高分子量になると、エマルジ
ョンの安定性が悪くなるので、その分子量は、重量平均
分子量として50万〜200万の範囲に設定されている
ことが好ましい。なお、この高分子電解質は、部分的に
架橋構造を含んでいてもよい。
【0022】この高分子電解質の添加量は、水硬性組成
物の前記した主原料100重量部に対し、0.05〜2重
量部であることが好ましい。とくに好ましくは、主原料
100重量部に対し0.1〜0.5重量部である。この添加
量が少なすぎると、充分なアルカリ増粘性が発揮され
ず、押出成形体の良好な保型性と表面平滑性が実現しず
らくなり、また逆に多すぎると、押出成形時の成形圧が
高くなって安定した押出成形を行いずらくなるからであ
る。
【0023】前記したような高分子電解質は、pH変化
に対応して水への溶解挙動が変化する。すなわち、酸性
域においては、この高分子電解質は水に不溶または部分
的に膨潤するので、形成されるエマルジョンは白濁して
いる。そして、アルカリ性域においては、分子中の酸性
基が中和されて塩を形成することにより実質的に水溶性
となるので、形成されるエマルジョンは透明化すると同
時に増粘性が発現する。
【0024】ところで、セメントのようなアルカリ性の
水硬性組成物にこのエマルジョンを添加して押出成形を
行う場合には、そのエマルジョンが増粘効果を発揮して
いることが好ましい。すなわち、エマルジョンに含まれ
ている高分子電解質は、セメントのアルカリへの溶解度
が高いものの方が好適になる。本発明においては、用い
るエマルジョンの上記した機能を、(1) 式で定義される
アルカリ可溶度(χ)で規定する。
【0025】(1) 式から明らかなように、エルマジョン
に含まれている高分子電解質のアクルカリ性域における
溶解度が高くなればなるほど、そのエマルジョンのχ値
は100%に近づき、またアルカリ性域で溶解しない高
分子電解質を含むエマルジョンのχ値は0になる。すな
わち、このχ値の大小は、含まれている高分子電解質の
アルカリへの可溶性の良否、換言すれば、エマルジョン
の増粘性の良否を示している。
【0026】本発明で用いるエマルジョンでは、上記χ
値が40%以上に設定される。好ましくは、50%以
上、さらに好ましくは60%以上に設定される。χ値を
40%以上に規定したのは以下の理由に基づく。すなわ
ち、まず、水硬性組成物の押出成形時に添加されたエマ
ルジョンは、アルカリと接触して高分子電解質の酸性基
における塩形成に伴う溶解が進み、その過程で増粘性が
発揮される。
【0027】この場合、増粘の進み方が、各成分の混練
と押出成形に要する時間に比べて緩慢であると、押出成
形体に保型性を付与する効果が減殺されてしまうことに
なる。一方、混練後ただちにエマルジョンの増粘が完了
するような場合、すなわち、増粘の進み方が速すぎる場
合は、水硬性組成物の各成分の間にエマルジョン、すな
わち高分子電解質が滲透しにくくなり、その結果、保型
性と表面平滑性に優れた押出成形体が得にくくなる。
【0028】したがって、用いるエマルジョンとして
は、各成分の混練時にエマルジョンがアルカリに接触し
てから、押出成形が完了するまでの時間内でエマルジョ
ンの増粘が完了するような増粘の進み方であることが好
ましい。このような増粘の進み方は、χ値が40%以上
のエマルジョンで実現することができる。なお、(1) 式
において、D10の測定は、通常、NaOH水溶液を用い
てpH10に調整して行われる。また、D10,D6 の測
定に際しては、いずれの場合も、増粘性や脱泡などの測
定値への影響を相殺するために、pH調整後、24時間
静置してから行われる。
【0029】また、用いるエマルジョンとしては、アル
カリによる増粘後の粘度が、高分子電解質の濃度が5重
量%のエマルジョンの場合、3000cps (25℃)以
上になるものが好適である。粘度が上記値より低くなる
エマルジョンを用いても、押出成形体の保型性は悪く、
また、各成分間の結合力が充分高くならないからであ
る。
【0030】増粘後の粘度が5000cps (25℃)に
なるもの、とくに10000cps (25℃)になるもの
が好ましい。本発明方法においては、まず、石灰質原料
およびケイ酸質原料からなる主原料と、石綿に代わる補
強材と、前記した各種の混和剤と、さらに必要に応じて
水溶性のセルロース誘導体の粉末とを、たとえばアイリ
ッヒミキサーで混合して混合物とし、ここに適量の水を
添加して全体を撹拌する。水の添加量は、上記混合物1
00重量部に対し、通常、20〜30重量部に設定され
る。
【0031】この場合、前記したエマルジョンは、その
所定量を上記した水に分散させた状態で添加することが
好ましい。このようにして調製された水硬性組成物は、
つぎに、たとえば真空押出機によって押出成形する。そ
して、得られた押出成形体を養生して水和硬化させる。
このとき、押出成形体は、押出機のダイスを所望するダ
イスに変えることにより、板状物、柱状物、筒状物など
任意の形状にすることができる。また、養生方法として
は、押出成形体の種類に応じて、自然養生、蒸気養生、
オートクレーブ養生、またはそれらを適当に組み合わせ
た方法を採用することができる。
【0032】
【発明の実施例】
実施例1 平均粒径20μmのポルトランドセメント65重量部と
平均粒径10μmのケイ石微粉35重量部とからなる主
原料100重量部と、平均粒径20μmのワラストナイ
ト7.5重量部、平均粒径5μmのタルク7.5重量部、パ
ルプ1.8重量部、繊維長6mmのポリプロピレン繊維0.4
重量部、およびメトローズ90SH3000(商品名、
信越化学工業(株)製のヒドロキシプロピルメチルセル
ロース粉末)1重量部をアイリッヒミキサー(日本アイ
リッヒ(株)製の型式RV−02)で充分に混合した。
【0033】得られた混合粉末に、メタクリル酸単位3
0モル%、メタクリル酸単位70モル%からなる高分子
電解質(重量平均分子量、約80万)の微細粒子(粒
径、約2μm)を含むO/W型エマルジョンを上記主原
料に対し0.2重量部分散させた水を、同じく主原料に対
し28重量部添加し、全体をニーダで充分に混練した。
なお、このエマルジョンのχ値は、62%である。
【0034】得られた混練物を真空押出機で押出成形
し、一辺15mmの角棒形状の押出成形体とした。この押
出成形体を長さ500mmに切断して試料とし、スパン長
240mmのエッジ上に静置し、試料の中央部におけるた
わみ量を測定し保型性を評価した。たわみ量は1.6mmで
あった。また、押出成形体の表面に、亀裂は全く認めら
れず、表面平滑性は良好であった。
【0035】押出成形体を一昼夜自然養生したのち、7
0℃のスチーム中で4時間の前養生を行い、ついでオー
トクレーブにいれて180℃のスチーム中で5.5時間の
養生を行った。養生後の成形体の嵩密度は1.90g/c
m3 、気乾状態下における曲げ強度(スパン長、100m
m)とシャルピー衝撃値は、それぞれ385kg/cm2、3.
1kg−cm/cm2 であった。
【0036】実施例2 用いたエマルジョンが、イタコン酸モノエチルエステル
(重量平均分子量、約60万)の微細粒子(粒径、約3
μm)を含み、またχ値が57%であるエマルジョンで
あったことを除いては、実施例1と同様にして押出成形
体を製造した。得られた成形体のたわみ量は1.7mmであ
り、また表面に亀裂は全く認められず表面平滑性は良好
であった。
【0037】この成形体につき、実施例1と同様の養生
を行った。養生後の成形体の嵩密度は1.89g/cm3 、気
乾状態下における曲げ強度(スパン長、100mm)とシ
ャルピー衝撃値は、それぞれ370kg/cm2、3.0kg−cm
/cm2 であった。 比較例 用いたエマルジョンが、アクリル酸単位1モル%、アク
リル酸エチル単位99モル%からなる高分子電解質(重
量平均分子量約100万)の微細粒子(粒径、約1.5μ
m)を含み、またχ値が5%であるエマルジョンであっ
たことを除いては、実施例1と同様にして押出成形体を
製造した。
【0038】得られた成形体のたわみ量は4.1mmであっ
た。また、表面には多くの亀裂が認められ、表面平滑性
は劣悪であった。この成形体につき、実施例1と同様の
養生を行った。養生後の成形体の嵩密度は1.90g/c
m3 、気乾状態下における曲げ強度(スパン長、100m
m)とシャルピー衝撃値は、それぞれ310kg/cm2、2.
3kg−cm/cm2 であった。
【0039】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明方
法によれば、無石綿の補強材を含む水硬性組成物を押出
成形して、保型性と表面平滑性が優れ、しかも高強度・
高靱性の押出成形体を製造することができる。これは、
押出成形する水硬性組成物に、高分子電解質からなる微
細粒子を含み、(1)式で定義するアルカリ可溶度
(χ:%)が40%であるエマルジョンを添加したこと
がもたらす効果である。
【0040】すなわち、この高分子電解質を含むエマル
ジョンは、粘性が小さいので、水硬性組成物の各成分の
間の間隙に滲透し、そこでアルカリによって増粘して各
成分間の結合力を高め、滑性を向上させ、もって円滑な
押出成形を可能にするので押出成形体の保型性と表面平
滑性、さらには機械的強度が良好になるのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C04B 28/02 24:26 F 24:38 D 14:04 Z 16:02 Z 16:06 G 14:46) 103:44 111:12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無石綿の補強材が含有されている水硬性
    組成物を押出成形する際に、前記水硬性組成物に、高分
    子電解質からなる微細粒子のエマルジョンであって、次
    式: χ(%)=100×(1−√(D10/D6 )) (式中、D10、D6 は、それぞれ、pH10、pH6に
    調整された、温度25℃における前記エマルジョンの吸
    光度を表す。ただし、その吸光度は、pH調製24時間
    後に測定された値である)で示されるアルカリ可溶度が
    40%以上であるエマルジョンを添加することを特徴と
    する、水硬性組成物の押出成形体の製造方法。
JP24346093A 1993-09-30 1993-09-30 水硬性組成物の押出成形体の製造方法 Pending JPH0796507A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08119700A (ja) * 1994-10-24 1996-05-14 Ooyodo Diesel Kk セメント用混和剤と該混和剤を使用したコンクリート
JP2002047040A (ja) * 2000-08-01 2002-02-12 Okura Ind Co Ltd セメント含有w/oエマルジョン組成物の製造方法

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