JPH0796751B2 - 色合せ方法、マスターバッチの製造方法、および、これらの方法に用いられる原液着色合成繊維ホルダー - Google Patents

色合せ方法、マスターバッチの製造方法、および、これらの方法に用いられる原液着色合成繊維ホルダー

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JPH0796751B2
JPH0796751B2 JP1018398A JP1839889A JPH0796751B2 JP H0796751 B2 JPH0796751 B2 JP H0796751B2 JP 1018398 A JP1018398 A JP 1018398A JP 1839889 A JP1839889 A JP 1839889A JP H0796751 B2 JPH0796751 B2 JP H0796751B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、色合せ方法、マスターバッチの製造方法、
および、これらの方法に用いられる原液着色合成繊維ホ
ルダーに関する。
〔従来の技術〕
着色された合成繊維には、未着色の原液を紡糸した後に
着色したものと、紡糸前の原液を着色し紡糸したものが
ある。後者の合成繊維は原液着色合成繊維と称される。
原液着色合成繊維は、例えば、マット、カーペット、ロ
ープ等の製品に加工され使われる。
原液着色合成繊維は、通常、顔料により着色されてい
る。染料で原液を着色した場合、染料が原液表面に浮き
上がり良好な着色ができない傾向が強いのに対し、顔料
による着色にはこのような問題がない。しかも、染料に
より着色した繊維は色が褪せ易いのに対し、顔料により
着色した繊維は色が褪せ難い。
原液は、通常、顔料メーカーから提供された複数種類の
顔料を使って着色されている。顔料メーカーには、色見
本用が、所望の色の原液着色合成繊維のかたちで提供さ
れることが多い。顔料メーカーでは、この色見本の色に
応じて、それまでの経験に基づき選定した複数の顔料を
適当な割合で原液に投入して原液着色合成繊維を実際に
試作する。試作した原液着色合成繊維の色と色見本の色
を肉眼で比較する。両色の一致をみるまで原液着色合成
繊維の試作と両色の比較が繰り返される。そして、顔料
メーカーは、色見本の色に合うように試作された原液着
色合成繊維の各顔料の配合処方に従って作った顔料マス
ターバッチを供給する。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記の各顔料の配合処方を求める方法は、熟練技術者を
必要とする。しかも、結果を得るのに時間がかかる。色
見本としての原液着色合成繊維は、マット等の製品に加
工される前の綿状態で提供されるが、綿状態の原液着色
合成繊維は、測色装置により分光反射率を正確に測定す
ることが難しい。そのためもあって、従来は、実際に原
液着色合成繊維を試作して色見本の色と比較することを
繰り返すという手間のかかる作業を行うしかなかったの
である。
この発明は、上記事情に鑑み、熟練技術者でなくとも、
原液着色用の各顔料の配合処方を、正確かつ迅速に求め
ることのできる色合せ方法を提供することを第1の課題
とし、顔料を正確な濃度で含んでいるマスターバッチを
製造する方法を提供することを第2の課題とし、原液着
色合成繊維の分光反射率を正確に測定することができる
ように、測定中、原液着色合成繊維を保持するホルダー
を提供することを第3の課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
前記第1の課題を解決するため、請求項1〜3記載の色
合せ方法は、顔料データ測定用試料として、配合すべく
選ばれた複数の顔料のうちの特定の単一顔料を含む原液
着色合成繊維を各顔料ごとに準備し、これら各試料とし
ての原液着色合成繊維と色見本としての原液着色合成繊
維を用いて色見本の色に合う前記色顔料の配合処方を求
めるにあたり、前記各試料および色見本それぞれの個別
の分光反射率を、各原液着色合成繊維を裏透けのない状
態で一定形状の被測定面が出るように密集させておい
て、前記被測定面から測定するようにし、これらの測定
結果のうち前記各試料の分光反射率に基づいて、各顔料
の散乱係数と吸収係数のうち吸収係数の方のみを着色要
因に取り入れて着色状態を予測する一定数法を用い、各
顔料を適当な配合割合で含ませた仮想の原液着色合成繊
維の着色状態を予測し、その結果から仮想の原液着色合
成繊維の分光反射率を算出して、この分光反射率と前記
色見本の分光反射率とに基づいて前記仮想の原液着色合
成繊維の色と色見本の色とを比較する演算を行い、両色
の一致をみないときは前記配合割合を変えた場合の分光
反射率の算出処理および両色の比較演算処理を両色の一
致をみるまで繰り返し行うことによって、両色が合う各
顔料の配合処方を求めるようにしている。
請求項2記載の発明は、加えて、顔料データ測定用試料
としての原液着色合成繊維に白色顔料も含ませるように
している。
請求項3記載の発明は、加えて、分光反射率の測定の
際、原液着色合成繊維を表裏面が平らで滑らかな透明板
の裏面に押しつけることにより同透明板裏面に密集状態
の原液着色合成繊維に平らな形状の被測定面を出させる
ようにし、反射率測定用の光を前記透明板表面側から前
記被測定面に照射するようにしている。
前記第2の課題を解決するため、請求項4記載のマスタ
ーバッチの製造方法は、請求項1から請求項3までのい
ずれかに記載の色合せ方法により得られた各顔料の配合
処方に従ってマスターバッチを製造するようにしてい
る。
前記第3の課題を解決するため、請求項5記載の分光反
射率測定用の原液着色合成繊維ホルダーは、一側開口が
平らで滑らかな表裏面を有する透明板で塞がれ、他側開
口に着脱可能な蓋体を備えた筒状体からなり、同筒状体
に充填された原液着色合成繊維を前記蓋体が透明板裏面
に押し付けることにより、前記透明板裏面に向かう面が
平らで裏透けのない状態となるように前記合成繊維を密
集させている。
〔作用〕
請求項1〜3記載の色合せ方法では、つぎのようにして
各顔料の配合処方を求める。
(1)まず、色見本としての原液着色合成繊維(以下、
「原着繊維」と言う)の色から、配合する複数の顔料を
選定する。この明細書において、原着繊維とは、いまだ
製品に加工されていない繊維をいう。
(2)顔料データ測定用試料として、選ばれた複数の顔
料のうちの特定の単一顔料を含む原着繊維を各顔料ごと
に作る。
(3)各顔料データ測定用試料および色見本それぞれの
個別の分光反射率を測定する。
各原着繊維を裏透けのない状態で一定形状の被測定面が
出るように密集させておいて、被測定面から正確な分光
反射率を測定するようにする。
(4)各試料の分光反射率に基づいて、各顔料を適当な
配合割合で含む仮想の原着繊維の分光反射率を算出す
る。
各顔料の吸収係数のみを着色要因として採り入れ着色状
態を予測する一定数法を用い、仮想の原着繊維の着色状
態を予測し、この予測結果から仮想の原着繊維の分光反
射率を算出する。
(5)算出した分光反射率と色見本の分光反射率に基づ
いて、仮想の原着繊維の色と色見本の色を比較する演算
を行う。
(6)仮想の原着繊維の色と色見本の色が一致しないと
きは、各顔料の配合割合を変えて、仮想の原着繊維の分
光反射率の算出と両色を比較する演算とを、両色の一致
をみるまで繰り返し行う。
(7)両色が一致したときの仮想の原着繊維の各顔料の
配合割合が求める処方である。
請求項2記載の発明のように、各顔料データ測定用試料
に白色顔料も含ませておけば、白色顔料による影響を補
正した正確な分光反射率が各試料から得られる。
請求項3記載の発明では、分光反射率の測定の際、表裏
面が平らで滑らかな透明板の裏面に原着繊維を押し付け
ることにより、密集状態の原着繊維に被測定面としての
平らな面を安定した状態で再現性良く出させられる。
請求項4記載の発明では、請求項1から請求項3までの
いずれかに記載の色合せ方法により得られた各顔料の配
合処方に従って、正確な顔料濃度のマスターバッチを製
造する。
請求項5記載の発明のホルダーによれば、筒状体内に充
填された原着繊維が背後の蓋体の押圧力で透明板裏面に
押し付けられるようになるので、分光反射率の測定中、
裏透けのない平らな被測定面が透明板裏面に出るように
原着繊維を集合させておける。
〔実施例〕
以下、この発明を、その一例に基づいて詳しく説明す
る。
配合すべく選択される顔料としては、イソインドリ
ノン、フタロシアニンブルー、カーボンブラック、弁
柄、チタンイエロー、アンスラキノン、ペリレン、ペリ
ノン、キナクリドン、群青、あるいは、各種のアゾ系顔
料等が例示される。
原液である高分子化合物(合成樹脂)としては、ポリプ
ロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、
ポリアクリロニトリル等が例示される。
顔料データ測定用試料としての原着繊維も、色見本
に使われた樹脂と同じ種類の樹脂により作られている。
もちろん、試料用の原着繊維は、色見本としての原着繊
維と同様、製品に加工する前の状態、例えば、綿状態で
ある。
各顔料それぞれについて、顔料濃度の異なる試料を作
る。例えば、顔料を3種類とし、顔料濃度を、樹脂100
重量部に対し、2重量部、1重量部、0.5重量部、0.1重
量部の4種類とすると、顔料データ測定用試料として、
12個の原着繊維を作ることになる。
通常、これ以外に、上記選択した各顔料を含まないブラ
ンク試料として、顔料を添加しない以外は他の試料と同
様に作成した原着繊維を1個つくる。
なお、原着繊維には白色顔料が艶消し等のために含まれ
ていることも多い。色見本の原着繊維に艶消しが認めら
れる場合、全顔料データ測定用試料およびブランク試料
に、適当な濃度(例えば、0.17重量部程度)の白色顔料
も含ませる。白色顔料としては、酸化チタン(チタン
白)、亜鉛華、鉛白、硫酸バリウム等が例示される。
白色顔料は他の顔料の着色状態にかなりの影響を及ぼ
す。そのため、白色顔料も予め各試料に含ませた状態で
白色顔料の影響込みの正確な分光反射率を得るようにす
るのである。
各顔料データ測定用試料および色見本のそれぞれの
分光反射率は、次のように測定する。
原着繊維を、裏透けのない状態で平面(平らな面)のよ
うに一定形状の被測定面が出るように密集させ、この面
から分光反射率を測定する。
平面から裏側が透けて背景が見える場合、背景色による
誤差が含まれ、正確な分光反射率が得られない。裏透け
のない場合、背景色による誤差がない。
綿状態の各試料や色見本の原着繊維は、そのままでは、
被測定面の形状がそれぞれに異なる。分光反射率は被測
定面の形状に関係する。各原着繊維の被測定面の形状の
差は誤差になるため、正確な各顔料の配合処方が求めら
れない。この誤差をなくすため、各原着繊維における測
定面を一定形状にするのである。例えば、被測定面を平
面にする。もちろん、一定形状の面は平面に限らず、他
の形状であってもよい。しかし、平面が好ましい。平面
の場合、測定光の影となる部分が無く、以下に述べるよ
うに、透明板を利用すれば、被測定面としての平面が簡
単に形成できるからである。
被測定面を平面にするため、例えば、第1図(a)、
(b)に示す原着繊維ホルダーが使われる。
このホルダーは、一側開口がガラス板(透明板)11で塞
がれ、他側開口に着脱可能な蓋体12を備えた筒体10から
なる。筒体10は、ガラス板11側にリング状永久磁石13も
備えている。ガラス板11の表裏面11a、11bは、共に、滑
らかで平らな面であり、しかも、両面11a、11bは互いに
平行である。
蓋体12は、筒体10の端のネジ部分に蓋体12内面のネジ部
分をねじ込めば固定できる。蓋体12は逆に回せば筒体10
から外れる。筒体10内から溢れるように原着繊維を充填
して蓋体12をねじ込む。そうすると、原着繊維15は、蓋
体12でガラス板裏面11bに押し付けられ、ガラス板裏面1
1bに向かう面が平らで裏透けのないように密集した状態
となる。筒体10の長さは10〜40mm程度であり、原着繊維
15を裏透けがないようになる量でもって充填ができる寸
法となっている。
正確な分光反射率測定のためには、通常、以下の条件が
満足されることが好ましい。
原着繊維のデニール数は3〜20程度である。
嵩密度(押圧状態)は0.2〜0.6g/cm3程度である。
被測定面からみた厚みは、5mm以上、好ましくは、10mm
以上である。
なお、綿状態の原着繊維を、例えば、長さ1〜3mm程度
に細かく切断して筒体に充填するようにしてもよい。
原着繊維をホルダーに装着した後、分光反射率を分光光
度計(測色装置)により測定する。第2図に分光反射率
の測定システムを示す。
永久磁石13を分光光度計の金属ケースに吸着させて原着
繊維ホルダー1を固定する。光源(例えば、キセノンラ
ンプ)21の光が金属製積分球22を介してガラス板表面11
aから原着繊維に照射される。原着繊維からの反射光
は、レンズ23→スリット24→コリメータレンズ25→反射
型回折格子26に入り、この回折格子26で分光され、さら
に、インテグレータレンズ27を通り、受光素子アレイ28
に入る。反射光は、受光素子アレイ28で電気信号に変換
され、この電気信号は信号処理回路29で処理された後、
コンピュータ等のメモリ部30に送られ記憶される。31は
光源点灯用の電源である。
なお、上記分光光度計の受光素子アレイ28では、各受光
素子が20個配列されていて、各受光素子が20nmの等波長
間隔ごとの反射光強度を検出するので、分光反射率が測
定できる。
反射光のうちにはガラス板11自体の反射光があるが、こ
の反射光は誤差となるため、除去することが好ましい。
例えば、積分球22に鏡面反射光除去用の窓22aを設け、
ガラス板11自体の反射光を窓22aから積分球22外に導く
ようにする。なお、ガラス板11の表裏面が平らで平行で
ないと、ガラス板11自体の反射光除去が困難となる。透
明板を利用し被測定面を一定形状とする場合、透明板が
表裏面が平らで平行であることが好ましい。この場合、
被測定面は平面になる。
上記のホルダーを用いて、同じ条件で製造した10個の原
着繊維の分光反射率を平面が出るようにして測定し、平
均値を100%として、バラツキの巾を調べた。バラツキ
の巾は0.9%と非常に小さかった。
参考のために、原着繊維の充填量を少なくし、蓋体で原
着繊維を押されず平面が出ないようにした以外は、上記
と同様にして、分光反射率のバラツキの巾を調べたとこ
ろ、バラツキの巾は7%以上と非常に大きかった。
密集状態の原着繊維に一定形状の面を出す方法は、上記
に限らない。
各顔料データ測定用試料から得た分光反射率を基に
して、配合すべく選択された各顔料を適当な配合割合で
含む仮想の原着繊維の分光反射率を、以下のようにして
算出する。
まず、算出手順に用いる数式を説明する。
原着繊維の着色状態Km/Smは、下記の式(1)で表され
る。式(1)はダンカン(Duncan)の式と呼ばれてい
る。各試料の顔料の散乱係数をS1〜Si、吸収係数をK1
Ki、未着色のブランク試料の散乱係数をSs、吸収係数を
Ksとし、各顔料および合成樹脂の量をそれぞれP1,P2
…,Pi,Psとする。
一方、被着色物における分光反射率Rと着色状態K/Sの
関係は、クベルカ−ムンク(Kubelka−Munk)の式と呼
ばれる下記式(2)、または、下記式(3)で表され
る。式(3)は式(2)の逆変換式である。
なお、式(1),(2)の分光反射率Rは、分光光度計
により被測定面から得た分光反射率R′をサンダーソン
(Saunderson)の式と呼ばれる下記式(4)で変換した
ものである。下記(5)式は(4)式の逆変換式であ
る。
k1は、次のフレスネル(Fresnel)の式であらわされ
る。k1=(n−1)2/(n+1)2;nは原着繊維用合成
樹脂の屈折率 K2は、物体の内部より表面に向かった光が、表面で反射
されて戻って来る割合である。
原着繊維の場合、k1は0.04程度、k2は0.555程度の値と
されることが多い。
(1)式を用い、原着繊維の着色状態Km/Smを予測する
場合、通常、顔料の散乱係数と吸収係数の両方を着色要
因としなければならない。顔料粒子の散乱が無視できな
いからである。このとき、各顔料の散乱係数と吸収係数
は個別に求める必要がある。両係数を着色要因として着
色状態を予測する方法は、通常、二定数法と呼ばれる。
しかし、この発明の色合せ方法では、顔料の散乱係数を
着色要因から外して着色状態を予測することができる。
原着繊維密集体自体の散乱係数が、顔料の散乱係数に比
べて著しく大きく、顔料による散乱が着色に与える影響
を無視しても、十分に正確な着色状態の予測結果が得ら
れるからである。原着繊維密集体自体の散乱係数が大き
いのは、原着繊維を密集させた場合、互いに入り組んだ
多数の原着繊維の表面で光が乱反射するためである。こ
の場合、式(1)は、後記式(6)に書き換えられる。
吸収係数のみを着色要因として着色状態を予測する方法
を一定数法という。染料による布の着色状態を予測する
場合、染料自体の散乱が小さいため、やはり一定数法が
用いられているのであるが、発明者は、原着繊維の場
合、顔料で着色するにもかかわらず、染料の場合と同
様、一定数法を用い着色状態が予測できることを見出し
たのである。
但し、C1,C2,…,Ci,:顔料濃度 式(6)の各(Ki/Ss)は、下記式(7)で算出する。
なお、(Ki/Si),(Ks/Ss)は、顔料データ測定用試料
iの分光反射率Riおよびブランク試料の分光反射率Rsを
式(2)に適用して求める。
(Ki/Ss)=(Ki/Si)−(Ks/Ss)…(7) 一定数法では、顔料データ測定用試料の数が二定数法よ
り少なくてすむという利点がある。
二定数法の場合、顔料の吸収係数と散乱係数を個別に出
すために、各顔料ごとに5〜6個の試料を作成する。一
定数法の場合、各顔料ごとに1個の試料があればよい。
勿論、いずれの場合も、顔料濃度1点においての必要個
数である。
一方、(Ki/Ss)は、顔料濃度によって変動することが
多い。顔料濃度の異なる顔料データ測定用試料も作り、
広い濃度範囲にわたって各顔料の(Ki/Ss)と顔料濃度
との関係を測定すれば、より正確な着色状態の予測結果
が得られる。具体的には、いくつかの濃度の(Ki/Ss)
を測定しておいて、中間濃度の(Ki/Ss)は一次近似に
より算出して用いる。
しかし、二定数法の場合、各濃度ごとに5〜6個の試料
が要るから、試料の数が著しく増える。1定数法の場
合、各濃度につき1個の試料ですむから、試料の数はそ
れほど多くならない。しかも、二定数法の場合、データ
量が著しく増加し、メモリ部の容量を増やす必要が生じ
る。
顔料データ測定用試料に白色顔料も添加しておくと、白
色顔料による影響が補正された正確な分光反射率を各試
料から得ることができる。白色顔料の影響は、黄色等の
薄い色の有色顔料や、有色顔料濃度が薄い場合に顕著で
ある。
白色顔料のみを含む顔料データ測定用試料を別途作成
し、白色顔料の濃度と吸収係数の関係を求め、この関係
を利用し他の顔料の分光反射率を計算により補正するこ
とも考えられる。しかし、これは非常に困難である。す
なわち、白色顔料は光を吸収せず吸収係数が殆ど0であ
り、白色顔料のみを含む顔料データ測定用試料から白色
顔料の濃度と吸収係数の関係を得ることができないから
である。また、白色顔料が与える影響の程度は、併用す
る顔料の種類や顔料濃度に応じて複雑に変化するので、
白色顔料のみを含む顔料データ測定用試料から補正量を
求めることができないからでもある。そのため、各顔料
データ測定用試料に白色顔料を添加する方法が有効なの
である。
仮想の原着繊維の分光反射率は、具体的には、下記のよ
うにして算出される。
(a)式(4)を用い、顔料データ測定用試料およびブ
ランク試料から得た分光反射率Ri′、Rs′を分光反射率
Ri、Rsに変換する。
(b)各分光反射率Ri、Rsを式(2)に適用し、各Ki/S
i、Ks/Ssを求める。
(c)各Ki/Si、Ks/Ssを(7)式に適用し各Ki/Ssを求
める。
(d)各Ki/Ss、Ks/Ss、および、適当に決めた各顔料濃
度C1,C2,…Ciを(6)式に適用し、仮想の原着繊維の
着色状態Km/Smを求めて、その結果を式(3)に適用
し、分光反射率Rmを算出する。
つぎに、仮想の原着繊維の分光反射率Rmと色見本の
分光反射率Rnに基づいて、仮想の原着繊維の色と色見本
の色を比較する演算を行う。なお、顔料の種類を3種類
として説明する。
分光反射率から仮想原着繊維の三刺激値X、Y、Zおよ
び色見本の三刺激値X′、Y′、Z′を求めて、各刺激
値同士の差(ΔX、ΔY、ΔZ)を出し、さらに、色差
ΔE*ab(CIE1976L*a*b*colour differesce)を求め、こ
れが、一定以下かどうか判定する演算を行う。差が一定
以下であれば、両色が一致したものと判定する。
なお、三刺激値は下式(8)〜(10)により算出する。
X=KΣR(λ)・x(λ)ρ(λ)Δλ…(8) Y=KΣR(λ)・y(λ)ρ(λ)Δλ…(9) Z=KΣR(λ)・z(λ)ρ(λ)Δλ…(10) ここに、x(λ)ρ(λ),y(λ)ρ(λ),z(λ)ρ
(λ)は、CIEで定められている数値である。
演算の結果、色差が一定以下でなければ、再び、各顔料
の配合割合C1,C2,C3を変え、仮想の原着繊維の分光反
射率Rmを算出し、色比較の演算を、両色が一致するまで
繰り返す。
なお、新たな配合割合C1,C2,C3は、つぎのようにして
求める。
まず、下記の数値を求める。
(∂X/∂C1),(∂Y/∂C1),(∂Y/∂C1) (∂X/∂C2),(∂Y/∂C2),(∂Y/∂C2) (∂X/∂C3),(∂Y/∂C2),(∂Y/∂C3) ついで、下記の三つの連立方程式を解いて、新たに用い
るC1,C2,C3を求める。
両色が合致した仮想原着繊維における各顔料濃度が求め
る顔料の配合処方である。
なお、着色状態の予測、仮想の原着繊維の予測分光反射
率の算出、両色の比較演算は、コンピュータを用いて行
うことはいうまでもない。
第3図に、この発明の色合せ方法の基本フローチャート
を示す。破線内がコンピュータにより処理する部分であ
る。
三刺激値は照明光の種類により異なった値をとる。通
常、照明光を太陽光にして色合せを行う。これ以外に白
熱灯や蛍光灯を照明光として色合せを行ってもよい。太
陽光を照射光にして求めた配合処方と、白熱灯や蛍光灯
を照明光にした場合の配合処方とどれだけの差があるか
も、同時に、算出することも行われる。
なお、仮想の原着繊維の分光反射率Rmを、(5)式によ
り分光反射率Rm′に変換し、分光反射率Rm′と、(4)
式で変換する前の色見本の分光反射率Rn′とに基づいて
両色を比較する演算を行い配合処方を求めるようにして
もよい。
この発明の方法によれば、従来、丸一日(10時間)かか
っていたものが、3時間位で結果が出せるようになり、
しかも、経験5年程度の熟練技術者が必要であったが、
経験1〜2年程度の技術者でも十分に正確な結果が得ら
れるようになった。
続いて、マスターバッチの製造について説明する。
マスターバッチは、求めた配合処方に従って、樹脂中に
各顔料を分散剤とともに加えたものである。マスターバ
ッチ用の樹脂は、原着繊維用の樹脂と同じ種類である
が、顔料が均一に分散する特性をもつものが使われる。
通常、所定量のマスターバッチを所定量の未着色樹脂に
加えたときに、各顔料が所定の濃度になるようにする。
したがって、マスターバッチは、何倍かの濃い濃度で各
顔料を含む。もちろん、各顔料の割合は配合処方に従っ
ている。顔料データ測定用試料に白色顔料を添加した場
合、マスターバッチにも、添加濃度に応じた量の白色顔
料を加えるようにする。
ひとつのマスターバッチが全種類の顔料を含む必要はな
い。マスターバッチが一つの顔料だけを含み、各顔料ご
とにマスターバッチを作るようにしてもよい。
マスターバッチは、液状の場合もあれば、ペレット等の
固体である場合もある。
以下、より具体的な例を説明する。
−実施例1− 色見本として、顔料の種類および濃度が既知のポリプロ
ピレン原着繊維を準備した。使用顔料の種類は第1表に
示す通りである。なお、第1表では、酸化チタンは白色
顔料であり、各顔料の濃度は、ポリプロピレン300gに対
する添加量(g)で示されている。
顔料データ測定用試料およびブランク試料用のポリプロ
ピレン原着繊維を作った。
顔料データ測定用試料では、各顔料につき、添加量が樹
脂100重量部に対し2重量部、1重量部、0.5重量部、0.
1重量部の4種類のものを作成するとともに、酸化チタ
ンを0.17重量部含ませた。試料および色見本の原着繊維
のデニール数は18である。分光反射率の測定時の嵩密度
は0.22g/cm3であり、厚みが10mmである。
各試料および色見本の原着繊維を用い、上記例示の色合
せ方法により配合処方を求めた。なお、原着繊維は綿状
態のままホルダーに充填した。結果を第1表に示す。
−実施例2− 色見本として、顔料の種類および濃度が既知のポリプロ
ピレン原着繊維を準備した。使用顔料の種類および濃度
が第1表に示す通りである。これ以外は、実施例1と同
様にして、上記例示の色合せ方法により配合処方を求め
た。結果を第1表に示す。
−実施例3− 色見本として、顔料の種類および濃度が既知のポリプロ
ピレン原着繊維を準備した。使用顔料の種類および濃度
は第1表に示す通りである。これ以外は、実施例1と同
様にして、上記例示の色合せ方法により配合処方を求め
た。結果を第1表に示す。
−実施例4− 色見本として、顔料の種類および濃度が既知のポリプロ
ピレン原着繊維を準備した。使用顔料の種類および濃度
は第1表に示す通りである。これ以外は、実施例1と同
様にして、上記例示の色合せ方法により配合処方を求め
た。結果を第1表に示す。
なお、比較のために、実施例1〜4の場合について二定
数法により求めた算出結果も、第1表に併記した。この
場合、顔料データ測定用試料としては、以下のものを作
製し用いた。
白色顔料のみを樹脂100重量部に対し2重量含むも
の。
樹脂100重量部に対し、有色顔料と白色顔料を下記
割合で2重量部含むもの。
有色顔料:白色顔料=60:40 有色顔料:白色顔料=30:70 有色顔料:白色顔料=10:90 有色顔料のみを100重量部に対し2重量部含むも
の。
第1表にみるように、本願発明により求めた処方は実際
と非常によく一致していることが分かる。この処方に従
って原着繊維を試作し見本の原着繊維との色比較を肉眼
で行ったところ非常によく合っていた。二定数法による
処方に従って原着繊維を試作し見本の原着繊維との色比
較を肉眼で行ったところかなりの色差が認められ、実用
にならない処方であることが分かった。
なお、実施例1の色見本用の原着繊維、実施例1で得ら
れた処方に従う原着繊維、対応する比較のための二定数
法による処方の原着繊維を、加熱プレスして厚み0.4mm
のプレートにそれぞれ成形し、光線透過率を測定したと
ころ、1.0%、0.7%、0.1%であった。光線透過率を比
較して処方が色見本とどの程度の差があるかを調べてみ
たのである。この発明の方法により得た処方は実処方に
近いものであることが分かる。
続いて、白色顔料を使わない場合の実施例について説明
する。
−実施例5− 色見本および顔料データ測定用試料に白色顔料(酸化チ
タン)を添加しないようにするとともに、顔料配合が第
2表の通りとした他は、実施例1と同様にして、配合処
方を算出した。
−実施例6− 色見本および顔料データ測定用試料に白色顔料(酸化チ
タン)を添加しないようにするとともに、顔料配合が第
2表の通りとした他は、実施例1と同様にして、配合処
方を算出した。
得られた配合処方に従って、原着繊維を作製し、肉眼で
色見本との色比較をしたところ良く合っていた。
〔発明の効果〕 以上に述べたように、請求項1〜3記載の色合せ方法で
は、正確な各顔料の配合処方が迅速かつ容易に得られ
る。
請求項4記載のマスターバッチの製造方法は、各顔料を
正確な濃度で含むマスターバッチが得られる。
請求項5記載のホルダーを使用することにより、原着繊
維の正確な分光反射率が容易に測定できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、(b)は、請求項5記載の発明にかかる
ホルダーの一例をあらわす図であって、図(a)は断面
図、図(b)は分解斜視図である。第2図は、原着繊維
の分光反射率測定用システムをあらわす説明図である。
第3図は、この発明の色合せ方法の基本フローチャート
である。 1…ホルダー、10…筒体(筒状体) 11…ガラス板(透明板)、12…蓋体 15…原着繊維

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料データ測定用試料として、配合すべく
    選ばれた複数の顔料のうちの特定の単一顔料を含む原液
    着色合成繊維を各顔料ごとに準備し、これら各試料とし
    ての原液着色合成繊維と色見本としての原液着色合成繊
    維を用いて色見本の色に合う前記各顔料の配合処方を求
    めるにあたり、 前記各試料および色見本それぞれの個別の分光反射率
    を、各原液着色合成繊維を裏透けのない状態で一定形状
    の被測定面が出るように密集させておいて、前記被測定
    面から測定するようにし、 これらの測定結果のうち前記各試料の分光反射率に基づ
    いて、各顔料の散乱係数と吸収係数のうち吸収係数の方
    のみを着色要因に取り入れて着色状態を予測する一定数
    法を用い、各顔料を適当な配合割合で含ませた仮想の原
    液着色合成繊維の着色状態を予測し、その結果から仮想
    の原液着色合成繊維の分光反射率を算出して、 この分光反射率と前記色見本の分光反射率とに基づいて
    前記仮想の原液着色合成繊維の色と色見本の色とを比較
    する演算を行い、両色の一致をみないときは前記配合割
    合を変えた場合の分光反射率の算出処理および両色の比
    較演算処理を両色の一致をみるまで繰り返し行うことに
    よって、 両色が合う各顔料の配合処方を求めるようにする色合せ
    方法。
  2. 【請求項2】顔料データ測定用試料としての原液着色合
    成繊維が白色顔料も含んでいる請求項1記載の色合せ方
    法。
  3. 【請求項3】分光反射率の測定の際、原液着色合成繊維
    を表裏面が平らで滑らかな透明板の裏面に押しつけるこ
    とにより、密集状態の原液着色合成繊維に平らな形状の
    被測定面が出るようにし、反射率測定用の光を前記透明
    板表面側から被測定面に照射する請求項1から請求項3
    までのいずれかに記載の色合せ方法。
  4. 【請求項4】請求項1から請求項3までのいずれかに記
    載の色合せ方法により得られた各顔料の配合処方に従っ
    て、マスターバッチを製造するマスターバッチの製造方
    法。
  5. 【請求項5】請求項1〜請求項4までのいずれかに記載
    の方法に用いる治具であって、一側開口が平らで滑らか
    な表裏面を有する透明板で塞がれ、他側開口に着脱可能
    な蓋体を備えた筒状体からなり、同筒状体に充填された
    原液着色合成繊維を前記蓋体が前記透明板裏面に押し付
    けることにより、透明板裏面に向かう面が平らで裏透け
    のない状態となるように前記合成繊維を密集させる分光
    反射率測定用の原液着色合成繊維ホルダー。
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