JPH0797625A - 耐高温酸化性がすぐれた良加工性高温材料の製造方法 - Google Patents

耐高温酸化性がすぐれた良加工性高温材料の製造方法

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JPH0797625A
JPH0797625A JP4836794A JP4836794A JPH0797625A JP H0797625 A JPH0797625 A JP H0797625A JP 4836794 A JP4836794 A JP 4836794A JP 4836794 A JP4836794 A JP 4836794A JP H0797625 A JPH0797625 A JP H0797625A
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重裕 山口
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哲也 須貝
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐高温酸化性がすぐれた良加工性高温材料の製
造方法。 【構成】重量比で銅含有量が30〜70%、アルミニウム含
有量が4〜11%、クロム含有良量が3〜9%、残部鉄およ
び不可避的元素からなる合金を850〜1050℃の範
囲で熱間圧延し、冷間圧延の後500〜1050℃の範
囲で熱間圧延し、冷間圧延の後600〜1000℃で焼
鈍する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温に曝される部材に使
用される材料であって、高温における耐酸化性に優れ、
かつ加工性が良好な高温材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高温下で使用される材料、たとえば暖房
器の燃焼部の部品、自動車の排気管や排ガス処理用金属
担体、加熱炉の内張り材、高温化学反応容器材料、発熱
体のシース材料、熱交換部品、ボイラー管などは年々使
用範囲が拡大され、材料特性への要求が厳しくなってい
る。
【0003】すなわち上記のような材料としては、もち
ろん種々のガス環境下における高温での耐酸化性が優れ
ていることはいうまでもなく、加熱・冷却を繰り返すこ
とによっても生成した耐酸化保護被膜が剥離しないこと
が要求される。また、こうした部材の多くは複雑な形状
に加工されるため、素材の熱間加工および冷間加工が容
易であることも必要な条件である。
【0004】さらに、石油ストーブの燃焼筒や金網のよ
うに住宅の室内で使用される耐熱材料の場合には、生活
環境の高級化指向の中で常温における耐酸化保護被膜の
色が美麗であることも併せて要求される。
【0005】従来から使用されている耐高温酸化性の金
属材料としてはオーステナイトステンレス鋼が知られて
いる。たとえば18Cr−8Ni系のSUS 304,25Cr−20Ni
系のSUS 310Sなどが汎用的に使われており、さらに耐酸
化性を高めるため高温酸化雰囲気中でAl23被膜を生
じせしめるようにAlを多量に含有したオーステナイト
ステンレス鋼が開発されている。(例えば特開昭52-7861
2号)。
【0006】しかしながら汎用的なオーステナイトステ
ンレス鋼について言えば、SUS 304等は高温での耐酸化
性が不十分であり、さらに、Cr,Niを多量に含有させ
たSUS 310S等は耐酸化性の向上がみられるものの、加熱
・冷却を繰り返すことによりスケールの剥離や脱落が起
きること、表面の耐酸化性保護被膜が黒色で家庭用の機
器素材としてはあまり適当なものではなかった。また当
然のことであるが、Ni等の高価な合金元素を多量に使
用するためコスト上問題がある。
【0007】また高Al含有ステンレス鋼は上記汎用ス
テンレス鋼の耐酸化保護被膜と異なり、被膜の主構成物
質をAl23とするような工夫がなされた結果、耐酸化
性の改善が認められる。しかしこの材料はフェライト生
成系元素であるAlの添加量が多いため、マトリックス
中にδフェライトが析出し、熱間加工性が低下して製造
歩留りが落ちることと、また合金元素の添加が多量であ
ること等からコストに問題が生ずる。
【0008】これらの他に、最近いわゆる耐熱材料とし
て金属間化合物などの開発研究が盛んに行われており、
耐酸化性の優れた材料が見い出されているが、実用化の
段階に至っていない。
【0009】また本発明と類似した成分系の発明として
は特公昭43-22515号がある。前記発明の合金は、熱間押
出しあるいは熱間圧延等の熱間加工を施し、それによっ
て得た繊維形の濃鉄固溶体相を含むことが必須条件とし
ており、発明の目的も加工が可能である銅−鉄−アルミ
合金である。従って、クロムを含有し又耐高温酸化性等
を目的とする本発明とは異る合金である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は耐高温酸化性
金属材料について、上記問題点を解決することを目的と
するものである。すなわち金属材料が酸化性ガス雰囲気
中で高温に曝されたとき、表面に材料の成分元素と酸化
性ガスとの反応により、酸素の侵入を遮断する強固で安
定した保護被膜が形成されるとともに、複雑な製品への
加工が容易にできるような良加工性を具備した材料を提
供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用】この発明は上
記の目的を達成するために種々の検討を行った結果によ
るもので、重量比で銅含有量が30〜70%,アルミニウム
含有量が4〜11%,クロム含有量が 3〜9%,残部鉄およ
び不可避的な不純物元素からなり、常温に持ち来しても
鈍い黄金色を呈する耐高温酸化性が優れた良加工性高温
用材料である。
【0012】本発明では、高温の酸化性ガス雰囲気中で
表面反応により容易に被膜を形成すること、その被膜が
緻密であり高温で安定していることなどの条件を考慮し
てAl23被膜を形成するような成分系を選定した。母
材については強度およびコストの関係から鉄とし、さら
に鉄への固溶量が少なくかつアルミニウムの固溶限が大
きい元素として銅を選び出した。更に耐食性を向上させ
るためにクロムを含有させたものである。
【0013】以下に本発明材料の組成を限定する理由に
ついて述べる。銅と鉄は二相分離を起す元素であって、
常温では各々ほとんど固溶せず、1000℃でも銅中への鉄
の固溶は3%程度に留まる。つまり金属組織としては鉄
相と銅相の混合体となっていて、その割合は温度に依ら
ずほぼ一定である。しかしながら銅の含有量を30〜70%
としたのは、30%未満では耐酸化性が劣化すると共に外
観が黄金色を呈しなくなり、70%超になると常温および
高温強度が低下することや、コストが上昇するので上記
の範囲とした。
【0014】アルミニウムは耐酸化性保護被膜を形成す
るための重要な元素であり、また鉄のα−γ変態を抑制
する効果も兼ねている。アルミニウムの含有量を4〜11
%としたのは、4%未満では保護被膜であるAl23を形
成する効果が少なく、局部酸化が発生しやすくなる。
【0015】またアルミニウムは常温で銅の中に9%程
度固溶するが、それ以上になるとβ相が出現するために
加工性が著しく劣化し、実用材としては適さない。しか
し鉄銅合金においては、アルミニウムの添加量が増加す
るにつれて銅相より鉄相により多くのアルミニウムが固
溶するようになる。したがって実質的には11%まで添加
することが出来る。クロムは銅に殆ど固溶せず、鉄には
固溶する元素である。従って合金全体の耐食性を向上さ
せるためには、クロム添加量は、鉄の成分範囲に合わせ
て含有させ3〜9%とした。
【0016】本発明合金はこの成分範囲内では黄金色を
呈して美麗であり、酸化雰囲気中で高温に曝しても従来
の耐熱鋼とは全く異なり、鈍い黄金色となる。本発明合
金の溶製は高周波等の溶解炉を用いて行い、均一に溶解
させるために溶解温度を1450℃以上とすることが望まし
い。造塊の際はひけ巣、パイプなどインゴット内に欠陥
が発生するのを防止するため、押し湯付きの鋳型を用い
るのが好ましい。
【0017】熱間圧延の加熱温度は850〜1050℃の範囲
が適当であり、圧下率その他は通常の鋼板を製造する要
領で行ってよい。冷間圧延も特に注意することなく容易
にできる。また線材圧延あるいは線引き加工を施すこと
により線材の製造も可能である。ついで加工性を高める
ため冷間圧延の後600〜1000℃で焼鈍する。
【0018】
【実施例1】表1に示した組成の本発明の合金を、高周
波溶解炉にて溶製した後、1000℃で熱間圧延を施し5mm
厚にして、さらに冷間圧延により0.5mmの厚さに仕上げ
た。これを比較合金と共に以下の条件により、耐酸化性
の試験を行った。
【0019】試験片サイズ:長さ30×幅18×厚さ0.5(m
m) 試験方法:試験片を石英製の容器内に立て、試料挿入口
を開放した炉に挿入して、1000℃、100時間保持した
後、重量を測定した。耐酸化性の評価は試験前後の重量
差によった。
【0020】表1に各合金の組成と耐酸化性試験の結果
を示した。比較合金は現在汎用的に使われているステン
レス鋼および高アルミニウム・ステンレス鋼であるが、
表から明らかなように本発明合金は耐酸化性が極めて良
好である。
【0021】さらに加熱・冷却を繰り返した試験では、
比較合金に比べ被膜の脱落が殆ど見られなかった。これ
はAl23被膜が極めて薄く、かつ緻密に形成されるこ
とにより、マトリックスとの密着性が高まるためである
と考えられる。
【0022】
【表1】 供試合金の組成(wt.%)と大気中1000℃
100時間酸化性試験結果
【0023】
【実施例2】表1のNo.3に示した銅48.8%,アルミニ
ウム7.0%,クロム4.3%,残部鉄の合金を用い実施例1
と同様な方法で熱延板と冷延板を作り、試験片に加工し
熱処理を施した後、引張試験を行った。試験片形状はJI
S 13号Bとし、厚さは熱延板は1mm,冷延板は1mmとし
た。熱処理はアルゴン雰囲気中で行った。表2にその結
果を示す。
【0024】
【表2】 本発明合金の機械的性質
【0025】熱処理温度を適当に選定すれば、任意の強
度の合金を作ることが出来るが、900℃の熱処理で引張
強さ65kg/mm2以上,伸び25%以上という高強度・高延性
の材料が得られる。900℃で熱処理した後、450℃で5時
間、時効処理を加えると伸びを低下させずに強度を向上
させることができる。
【0026】
【実施例3】実施例1と同様な方法で本発明合金(48.8
%Cu−7.0%Al−4.3%Cr−Fe)の冷延板を作り、常
温における耐食性試験を行った。その結果を表3に示
す。試験方法は過酸化水素を加えた塩水噴霧中の促進試
験である。試験条件は以下の通りである。
【0027】
【表3】 耐食性試験結果
【0028】試験片サイズ:長さ120×幅60×厚さ1.0mm 溶 液 :0.5%NaCl+0.2%H22噴霧温度35℃ 評 価 :24時間後の発錆ランクを測定し、A(良)
〜G(劣る)の7ランクで分類。
【0029】クロムを鉄の重量比で10%添加することに
よりSUS430と同等の耐食性を持たせることができる。
【0030】
【発明の効果】本発明の合金は従来の耐高温酸化性材料
に比べ、高温の酸化雰囲気中で材料表面に極めて薄いA
l23の被膜が形成されることにより、以下のような産
業上の効果を有する。
【0031】(1) 高温における耐酸化性が優れてい
る。 (2) 被膜が薄いので昇温、降温を繰り返しても被膜の
剥離が生じない。 (3) 合金は黄金色をしており美麗であるが、高温酸化
後でも表面は鈍い黄金色であり美感を損ねない。 (4) 耐食性が高い。 (5) 高強度でかつ高延性の材料である。 (6) 製造が容易で安価な材料である。
【0032】このような効果により、本発明合金は一般
的な高温用材料すなわち加熱炉の内張り材、高温化学反
応器材料、発熱体のシース材料、自動車の排気管といっ
たものから、家庭用の暖房器の燃焼部品材料など、広範
囲にわたって使用されるもので利用価値の高い材料であ
る。
【0033】さらに表面の被膜が高い絶縁物質であるた
め、単に高温用材料のみならず電気的あるいは電気化学
的な分野にも利用することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/16

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で銅含有量が30〜70%,アル
    ミニウム含有量が4〜11%,クロム含有量が3〜9
    %,残部鉄および不可避不純物元素からなる合金を85
    0〜1050℃の範囲で熱間圧延し、冷間圧延の後60
    0〜1000℃で焼鈍することを特徴とする耐高温酸化
    性がすぐれた良加工性高温材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS4866525A (ja) * 1971-12-15 1973-09-12
JPS61104022A (ja) * 1984-10-27 1986-05-22 Nippon Steel Corp 高温構造用鋼の製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS4866525A (ja) * 1971-12-15 1973-09-12
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