JPH0798346A - 高分解能スペクトル分析方法 - Google Patents

高分解能スペクトル分析方法

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JPH0798346A
JPH0798346A JP6191602A JP19160294A JPH0798346A JP H0798346 A JPH0798346 A JP H0798346A JP 6191602 A JP6191602 A JP 6191602A JP 19160294 A JP19160294 A JP 19160294A JP H0798346 A JPH0798346 A JP H0798346A
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JP6191602A
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Martin Haardt
ハールト マルティン
Peter Strobach
シュトローバッハ ペーター
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Siemens Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 個々の心拍において心室後期電位を検出する
ことのできる、マルチチャネル観測に基づく高解像度ス
ペクトル分析方法を提供する。 【構成】 複数の重畳された波形をマルチチャンネル観
測からスペクトル分析を行う場合、マルチチャンネル検
出データで構成したマトリクスにおいて、特累値分解を
行い、周波数ヒストグラムを推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マルチチャネル観測の
際の高分解能スペクトル分析方法に関する。スペクトル
分析方法は、種々異なる起源の信号における(場合によ
り減衰された)高調波成分を見つけ出し、同定識別する
ために必要である。本発明はさらに、このような方法
の、心臓から発した信号が評価されるマルチチャネル医
療測定技術における心室後期電位の検出のための適用法
に関する。これの重要な例は磁気心電図(MCG)また
は電気心電図(ECG)である。
【0002】
【従来の技術】スペクトル分析のための公知の方法およ
び後期成分同定識別のためのその適用は刊行物、R.L
azzaraら著、「The detection,s
ignificance and effect of
drugs upon ventricular l
ate potentials」、Automedi
a,vol.13,pp.67−96,1991年、お
よびE.J.Berbari,R.Lazzara著
「An Introduction to High−
Resolution ECG Recordings
of Cardiac Late Potentia
ls」Arch.Intern.med.,vol.1
48,pp.1859−1863、1988年8月に記
載されている。さらに参考文献として、S.M.Ka
y,S.L.Marple著、「Spectrum A
nalysis−A Modern Perspect
ive」,Proceedings of the I
EEE,Vol.69,No.11,1981年11
月、B.D.Rao,K.S.Arun著、「Mode
l based Processing of Sig
nals:A State Space Approa
ch」,Proc.IEEE,vol.80,pp.2
83−309,1992年2月、およびS.Hayki
n編、「Nonlinear Methods of
Spectral Analysis」、Topics
in applied Physics,vol.3
4,Springer出版、1979年がある。
【0003】これら公知の方法はそれぞれ利点と欠点を
有する。しかしこれら公知の方法のいずれも、個々の心
拍における心室後期電位をマルチチャネル測定データを
使用して検出することはできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、個々
の心拍において心室後期電位を検出することのできる、
マルチチャネル観測の際の高解像度スペクトル分析方法
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は本発明によ
り、請求項1に記載されたマルチチャネル観測の際の高
分解能スペクトル分析方法により解決される。本発明に
より、個々の心拍における心室後期電位を検出すること
ができる。本発明はさらに、この後期電位の発生に原因
として関連する病変部の空間的位置測定を可能にする。
この方法は、使用されるセンサフィールドの幾何学的配
置には依存しないという格別の利点を有する。
【0006】本発明の有利な実施例では従属請求項に記
載されている。
【0007】
【実施例】以下本発明を有利な実施例と図面に基づいて
詳細に説明する。
【0008】本発明では、複数の重畳された、場合によ
り減衰された指数波形をノイズのあるマルチチャネル観
測から推定する新しい高分解能の方法が取り扱われる。
本発明の解決手段は、測定信号の状態表示に基づくもの
である。これにより非線形の推定問題が線形にパラメー
タ化される。驚くことには本発明の方法は、測定データ
を収集するのに用いるセンサの空間的配置構成には依存
しない。したがってセンサフィールドの幾何学的配置構
成は所定のものであれば任意であり、場合により未知の
ものであっても使用することができる。
【0009】本発明の方法の適用は心室後期電位の検出
に限定されるものではない。本発明は同様にして、レー
ダおよびソーナ技術、天文学、移動無線チャネルの測
定、地震学的および医学的信号処理に適用することがで
きる。
【0010】スペクトル推定問題を数学的に表現するた
め、Mのセンサが場合により減衰されたpの指数波形の
和を受信すると仮定する。i番目のセンサ(1≦i≦
M)が時点n(0≦n≦L−1)で信号yi(n)を観
測するとすれば、ノイズのない観測を次のように表すこ
とができる。
【0011】
【数37】
【0012】ここでcv,iは、i番目のチャネルにおけ
るv番目の指数波形の未知の複素振幅を表し、γvない
しωvはv番目の指数波形のそれぞれ減衰度および周波
数と解釈することができる。明らかに実数信号が取り扱
われている。なぜなら、実数の高調波波形が2つの(複
素)指数波形の和として表示されるからである。
【0013】以下、Mのセンサでの観測をデータベクト
【0014】
【数38】
【0015】にまとめる。ここで次の表示法を使用す
る。列ベクトルないしマトリクスは肉厚に印刷した小文
字ないし大文字により示される。転置されたマトリクス
およびベクトルと推移された(transjugier
t)マトリクスおよびベクトルはそれぞれTないしHの
添加により得られる。
【0016】心室後期電位はQRS複合波の終端成分に
おける小さな振幅の高周波信号である(図1参照)。こ
の病理学的信号成分は、間隔を置いて行われ、局部的に
遅延された興奮伝播に相当する。この後期電位はしばし
ば、心室頻脈を有する患者で検出される。診断に対する
心室後期電位はとくに、心室不整脈の患者の危険性判断
および治療ないし治療監視の点で重要である。本発明の
方法は、マルチチャネル測定シーケンスから後期電位を
検出するための適切な方法である。
【0017】後期電位は電気心電図(ECG)でも電磁
心電図(MCG)でも検出することができ、この2つの
測定形式で同じ方法を適用することができる。しかしE
CGとの相違は、生物磁気測定(MCG)では非常に多
数のチャネル、典型的には37までの測定チャネルを同
時に記録できることである。これらの測定チャネルにお
ける測定データの相関は非常に高いから、これらの測定
データには単チャネル測定法の場合よりも格段に信頼性
の高い後期電位検出を期待できる。
【0018】これまで後期電位は信号平均化技術ないし
高速フーリエ変換に基づいた周波数分析を用いて同定識
別された。しかしこれらの手段は個々の心拍における心
室後期電位を検出するのに適したものではない。
【0019】本発明の方法は2つの変形実施例で実施す
ることができる。これらは信号の2つの異なる状態表示
から出発するものである。本発明の第1の変形実施例
は、信号のいわゆる拡張された状態表示から出発する。
このために測定データは、
【0020】
【数39】
【0021】の形のマトリクスに表示される。これに対
して本発明の第2の変形実施例は、いわゆる正統的状態
表示から出発する。これはマトリクス
【0022】
【数40】
【0023】により表される。両方の表示とも数学的に
は同値であるが、形式上異なる特性を有する。パラメー
タN,M,Lの値に依存して本発明の使用者は、これら
2つの基本的に同値の選択枝からできるだけ正方形のマ
トリクスが得られる表示、すなわち行と列の差の小さい
マトリクスの得られる表示を選択する。すなわちこのよ
うな選択により、本発明の実施の際に最適の数値特性が
得られるのである。
【0024】以下、本発明の方法を実施するための個々
のステップを上に述べた表記法を使用して詳細に説明す
る。
【0025】高分解能スペクトル分析のための本発明の
第1変形実施例は、 a)1≦i≦Mのセンサチャネルの測定データのMの時
間的シーケンスyi(n)を時点0≦n≦N−1で観測
し、
【0026】
【数41】
【0027】の形のマトリクスYE
【0028】
【数42】
【0029】によりまとめ、 b)マトリクスYEの特異値分解
【0030】
【数43】
【0031】を実行し、特異値に対し閾値演算を行い、
これにより閾値よりも絶対値の小さい、YEのすべての
特異値をゼロで置換し、これによりすべてのpドミナン
ト、すなわちYEのゼロにより置換されなかった特異値
が分解
【0032】
【数44】
【0033】のブロックマトリクスΣ1に含まれ、 c)
【0034】
【数45】
【0035】のあてはまるマトリクスΘ1とΘ2を求め、
ここでθ1とθ2はそれぞれ第1ないし最後のブロックマ
トリクスを表すものであり、 d)一般的に超決定(ueberbestimmte
n)された方程式系Θ1・F=Θ2の最適解であるマトリ
クスFを求め、Fの固有値の自然対数の虚数部が求めら
れたスペクトル周波数であり、Fの固有値の自然対数の
実数部は前記周波数と関連された減衰定数であるように
する。
【0036】したがって本発明の方法のこの第1変形実
施例は、1≦i≦Mのセンサチャネルの測定データのM
の時間的シーケンスyi(n)を時点0≦n≦N−1で
観測する際の高分解能スペクトル分析法であり、スペク
トル周波数と該周波数に関連する減衰定数をマトリクス
Fの固有値の自然対数の虚数部および実数部として求
め、該マトリクスは一般的に超決定(ueberbes
timmten)された方程式系Θ1・F=Θ2の最適解
として定義され、ただしマトリクスΘ1とΘ2は次式によ
り定められ、
【0037】
【数46】
【0038】ただしθ1とθ2はそれぞれ第1ないし最後
のブロックマトリクスを表し、マトリクスΣ1とU1はマ
トリクス
【0039】
【数47】
【0040】の近似特異値分解
【0041】
【数48】
【0042】により定義され、ただし
【0043】
【数49】
【0044】であり、近似特異値分解は元の特異値分解
【0045】
【数50】
【0046】から特異値に対して閾値演算を行うことに
より求められ、これにより絶対値が閾値よりも小さなY
Eの特異値はすべてゼロにより置換され、これによりす
べてのpドミナント、すなわちYEのゼロにより置換さ
れなかった特異値は近似分解のブロックマトリクスΣ1
に含まれる。
【0047】この本発明の方法の第1変形実施例はいわ
ゆる拡張された状態表示に基づくものである。この変形
実施例は、さらに表示され、減衰発生が存在しない際
(減衰定数の消失)のスペクトル分析の精度がさらに改
善される拡張をしやすいものである。
【0048】基本的に同値の、形式上異なる第2変形実
施例は、a)1≦i≦Mのセンサチャネルの測定データ
のMの時間的シーケンスyi(n)を時点0≦n≦N−
1で観測し、
【0049】
【数51】
【0050】の形のマトリクスYT
【0051】
【数52】
【0052】によりまとめ、 b)マトリクスYTの特異値分解
【0053】
【数53】
【0054】を実行し、特異値に対し閾値演算を行い、
これにより閾値よりも絶対値の小さい、YTのすべての
特異値をゼロで置換し、これによりすべてのpドミナン
ト、すなわちYTのゼロにより置換されなかった特異値
が分解
【0055】
【数54】
【0056】のブロックマトリクスΣ1に含まれ、 c)
【0057】
【数55】
【0058】のあてはまるマトリクスΘ1とΘ2を求め、
ここでθ1とθ2はそれぞれ第1ないし最後のブロックマ
トリクスを表すものであり、 d)一般的に冗長的な方程式系Θ1・F=Θ2の最適解で
あるマトリクスFを求め、Fの固有値の自然対数の虚数
部が求められたスペクトル周波数であり、Fの固有値の
自然対数の実数部は前記周波数と関連された減衰定数で
あるようにする。
【0059】本発明の方法の第2変形実施例は、1≦i
≦Mのセンサチャネルの測定データのMの時間的シーケ
ンスyi(n)を時点0≦n≦N−1で観測する高分解
能スペクトル分析方法において、スペクトル周波数と該
周波数に関連する減衰定数をマトリクスFの固有値の自
然対数の虚数部および実数部として求め、該マトリクス
は一般的に超決定(ueberbestimmten)
された方程式系Θ1・F=Θ2の最適解として定義され、
ただしマトリクスΘ1とΘ2は次式により定められ、
【0060】
【数56】
【0061】ただしθ1とθ2はそれぞれ第1ないし最後
のブロックマトリクスを表し、マトリクスΣ1とU1はマ
トリクス
【0062】
【数57】
【0063】の近似特異値分解
【0064】
【数58】
【0065】により定義され、ただし
【0066】
【数59】
【0067】であり、近似特異値分解は元の特異値分解
【0068】
【数60】
【0069】から特異値に対して閾値演算を行うことに
より求められ、これにより絶対値が閾値よりも小さなY
Tの特異値はすべてゼロにより置換され、これによりす
べてのpドミナント、すなわちYTのゼロにより置換さ
れなかった特異値は近似分解のブロックマトリクスΣ1
に含まれるようにする。
【0070】本発明の第2変形実施例はいわゆる正統的
状態表示に基づくものである。
【0071】ここではスペクトル周波数検出のための本
発明の第2変形実施例とこれに関連した減衰定数を説明
する。図3、4、5、6は、本発明の方法により検出さ
れた種々異なる周波数ヒストグラムの概略図である。こ
こで図3と図4は後期電位を有する患者の周波数ヒスト
グラムを示す。これらでは約200Hzの高い周波数成
分が頻繁であることがわかる。図5および図6は後期電
位のない人の周波数ヒストグラムを示し、スペクトルの
上側終端部に上記の頻度はない。
【0072】多くの場合使用者は、周波数および減衰定
数だけでなく、スペクトル波形の振幅および位相にも興
味がある。これらは当業者には公知のように波形の複素
振幅から算出される。
【0073】従って上記第1変形実施例の有利な実施例
では、センサチャネルi=1,..,Mにおけるスペク
トル周波数j=1,..,pに関連した波形の複素振幅
j,iのマトリクスCを以下のステップの実行により求
める、すなわち a)マトリクスFの相似変換F=S・Λ・S~1とその対
角形Λを基にして、マトリクス
【0074】
【数61】
【0075】と
【0076】
【数62】
【0077】を作成し、ブロックマトリクス
【0078】
【数63】
【0079】に分割し、 b)これらの図表からマトリクス
【0080】
【数64】
【0081】を導出し、 c)複素振幅のマトリクスCを関係式 C=diag{h1,h2,...,hp}・XDに従って求め、ただし
【0082】
【数65】
【0083】は
【0084】
【数66】
【0085】の数値ベクトルの平均値を、そしてXD
【0086】
【数67】
【0087】におけるブロックマトリクスの平均値を表
すようにする。
【0088】これと同値の本発明の方法の第2変形実施
例の相応の発展形態は、センサチャネルi=1,..,
Mにおけるスペクトル周波数j=1,..,pに関連し
た波形の複素振幅cj,iのマトリクスCを以下のステッ
プの実行により求める、すなわち a)マトリクスFの相似変換F=S・Λ・S~1とその対
角形Λを基にして、マトリクス
【0089】
【数68】
【0090】と
【0091】
【数69】
【0092】を作成し、ブロックマトリクス
【0093】
【数70】
【0094】に分割し、 b)これらの図表からマトリクス
【0095】
【数71】
【0096】を導出し、 c)複素振幅のマトリクスCを関係式
【0097】
【数72】
【0098】に従って求め、ただし
【0099】
【数73】
【0100】は
【0101】
【数74】
【0102】の列ベクトルの平均値であり、HD
【0103】
【数75】
【0104】におけるブロックマトリクスの平均値であ
るようにする。
【0105】スペクトル周波数の複素振幅から実数の波
形振幅とこれに所属する位相が容易に検出される。セン
サフィールドが既知の場合これらの値から、測定誤差の
ない観測された信号を再現し、適切な出力装置、例えば
モニタに表示することができる。波形の位相と個々のセ
ンサ間の位相のずれから、所定の信号成分の発生個所を
非常に正確に再現することができる。これにより例え
ば、病理学的信号成分の発生個所を個々の心拍の1つの
QRS複合波から心筋において正確に検出することがで
きる。
【0106】上記説明したすべての方法変形実施例にお
いてとくに、マトリクスFを誤差最小2乗法または全体
誤差最小2乗法(total least squar
es)を用いて求めるのが有利である。一般的に周知の
工学者用数学文献から当業者はこれのための必要な手引
を得る。
【0107】本発明の方法により推定された複素振幅お
よび固有値は公知のスペクトル分析法により得られた値
よりも格段に正確である。さらに本発明の方法の推定結
果は数値的に非常に安定した数学的方法、例えば特異値
分解および固有値分解であるので、測定信号に重畳され
ることもあるノイズ信号に対して非常に頑強である。
【0108】指数波形が減衰されない場合(減衰定数の
消失)、拡張された状態表示は推定精度を付加的に改善
することができる。減衰されない指数波形はマトリクス
Fの対数固有値の実数部の消失により特徴付けられる。
この場合は拡張されたブロック−ハンケルマトリクス
(Block−Hankel−Matrix)
【0109】
【数76】
【0110】をマトリクスYEの代わりに採用すること
ができる。このマトリクスをマトリクスYEの代わりに
使用する場合、周波数、減衰定数、振幅および高調波成
分の位相に対する推定は測定データおよびその精度の点
で、線形予測問題を前方予測と後方予測を同時に組み合
わたことにより達成される精度と同等である。この場
合、マトリクスFの検出のための冗長的な等式系を最適
法を用いて付加条件の適用下で解くことも有利である。
この付加条件はマトリクスFの対数固有値が消失する実
数部を有することを保証するものである。このようにし
て、対数固有値が所望のように自動的に純粋な虚数とな
る単一のマトリクスFが得られる。
【0111】本発明のスペクトル分析方法はマルチチャ
ネルMCGまたはECGデータにおける心室後期電位の
同定識別に適用することができる。この適用では、心拍
を相対的データ間隔の抽出のためのトリガとして使用す
る。このデータ間隔の窓は、図1に示されているように
QRS複合波の終了部にある。前処理の別のステップで
はしばしば、測定信号における直流成分および線形傾向
を公知の前処理法を適用して除去するのが有利である。
直流成分および線形傾向を補償するために、例えば直線
を測定データに適合し、これを引き続き測定データから
減算することができる。直流成分および線形傾向のこの
補償は図2に概略的に示されている。この前処理ステッ
プに続いて、次に本来の高分解能スペクトル分析が特許
請求の範囲に既に示したように行われる。
【0112】図1はヒトの心拍の典型的経過を示す。Q
RS複合波の最大値をトリガするためには、当業者に公
知の一連の手段がある。これにとくに適する手段は、国
際特許出願PCT DEE92/00539,出願日1
992年6月30日、公開1993年2月18日(発明
者:P.Strobach)に記載されている。図1に
定められたパラメータ、すなわち遅延時間Δtと窓長さ
Lは、例えば医師により自由に選択することができる。
観測されたすべてのチャネルMから本発明の第1ステッ
プで部分データ(この部分データはパラメータL(窓長
さ)により示された領域内にある)が抽出される。
【0113】その後各チャネルごとに、抽出された部分
データが直線により、例えば誤差2乗和の最小化により
近似される。引き続き推定された直線を抽出されたロー
データから減算する。この処理により、すべてのチャネ
ルMに存在する直流成分、場合により線形傾向が補償さ
れる(図2参照)。
【0114】抽出されたデータ間隔において心信号を減
衰された正弦波状信号成分の重畳としてモデル化するこ
とは、心拍のQRS後領域における高調波信号成分の推
定に相応する。この適用に対しては既に詳細に説明した
本発明の高分解能マルチチャネルスペクトル分析方法が
とくに適することが判明した。というのは実験が示すよ
うに、測定装置のすべてのセンサMが同じ周波数を記録
するが、しかしこの波形の振幅および位相はすべてのチ
ャネルにおいて異なり得るからである。
【0115】ブロックマトリクスYの特異値分解の際に
ドミナントな特異値を求めることができるようにするた
め、個々の心拍エネルギーに依存しない基準を使用する
と有利である。そのために、特異値を2乗し、この2乗
値を2乗したすべての特異値の和に正規化するのであ
る。このようにして求められた相対的エネルギー係数を
所定の閾値と比較する。この所定の閾値は、信号検出の
ための種々の統計的手段により定められる。これらは例
えば、M.Wax,T.Kailath著、「Dete
ction of Signals by Infor
mation Theoretic Criteri
a」,IEEE Trans.Acoust.,Spe
ech,Signal Processing,vo
l.ASSP−33,pp.387−392,1985
年4月に詳細に示されている。さらに閾値を、ドミナン
トな特異値の偶数が生じるように選択するのが有利であ
る。というのは、各実数正弦波状波形は公知のように、
2つの複素指数波形の和だからである。
【0116】スペクトル分析方法の結果を快適に視覚化
して判断することができるようにするため、推定された
高調波信号成分を各分析心拍ごとに合成心拍信号への重
畳によってまとめ、この合成信号を適切に従来の出力装
置を使用して表示すると有利である。この手段は必ずし
も必要ではないが、推定結果の快適な光学的評価を可能
にする。このようにして後期電位を空間的にも時間的に
も個々の心拍において同定することができる。
【0117】本発明の方法は、磁気心電図データセット
において広範に実地試験された。図3から図6に示され
たヒストグラムは、4つの異なるデータセットで発見さ
れたドミナントな周波数を示す。ここでは発見された周
波数の数が心臓の測定された周波数にわたって周波数イ
ンターバルでしめされている。遅延時間Δtはここでは
50ms、窓長さLは90msである。30の並列動作
する測定チャネルが評価された。4人の患者すべてにお
いて明瞭な信号成分が15Hzと50Hzの領域に発生
した。15HzはQRS複合波の振動に相応し、50H
zは電源周波数に相応する。後期電位を有する患者では
付加的に、約200Hz付近の高調波信号成分の山が明
瞭に識別できる(図3および図4参照)。上側周波数領
域におけるこの山は健常者には存在しない(図5および
図6参照)。したがって発見された周波数をヒストグラ
ムに表示することにより、後期電位を容易に診断するこ
とができる。
【0118】担当医が患者の周波数ヒストグラムを鑑定
した後、担当医はデータセット中の自分に興味のある周
波数を、例えば合成信号に基づいて概観することができ
る。これにより後期電位の時間的同定、すなわちどの後
期電位がどの心拍に発生したかを明らかにすることがで
きる。さらにMセンサチャネルにおける振幅と位相の評
価により後期電位の空間的同定も可能である。
【0119】
【発明の効果】本発明により、個々の心拍において心室
後期電位を検出することのできる、マルチチャネル観測
の際の高解像度スペクトル分析方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 心拍信号のQRS複合波の経過および後続の
ST区間を示す線図である。
【図2】 測定信号における直流成分および線形傾向の
補償を示す概略図である。
【図3】 本発明の方法により検出された、後期電位を
有する患者の周波数ヒストグラムである。
【図4】 本発明の方法により検出された、後期電位を
有する患者の周波数ヒストグラムである。
【図5】 本発明の方法により検出された、後期電位を
有しない患者の周波数ヒストグラムである。
【図6】 本発明の方法により検出された、後期電位を
有しない患者の周波数ヒストグラムである。
【符号の説明】
Δt 遅延時間 L 窓長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06F 17/14 17/17

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)1≦i≦Mのセンサチャネルの測定
    データのMの時間的シーケンスyi(n)を時点0≦n
    ≦N−1で観測し、 【数1】 の形のマトリクスYEに 【数2】 によりまとめ、 b)マトリクスYEの特異値分解 【数3】 を実行し、特異値に対し閾値演算を行い、これにより閾
    値よりも絶対値の小さい、YEのすべての特異値をゼロ
    で置換し、これによりすべてのpドミナント、すなわち
    Eのゼロにより置換されなかった特異値が分解 【数4】 のブロックマトリクスΣ1に含まれ、 c) 【数5】 のあてはまるマトリクスΘ1とΘ2を求め、ここでθ1
    θ2はそれぞれ第1ないし最後のブロックマトリクスを
    表すものであり、 d)一般的に冗長的な方程式系Θ1・F=Θ2の最適解で
    あるマトリクスFを求め、Fの固有値の自然対数の虚数
    部が求められたスペクトル周波数であり、Fの固有値の
    自然対数の実数部は前記周波数と関連された減衰定数で
    あることを特徴とする、高分解能スペクトル分析方法。
  2. 【請求項2】 1≦i≦Mのセンサチャネルの測定デー
    タのMの時間的シーケンスyi(n)を時点0≦n≦N
    −1で観測する高分解能スペクトル分析方法において、 スペクトル周波数と該周波数に関連する減衰定数をマト
    リクスFの固有値の自然対数の虚数部および実数部とし
    て求め、該マトリクスは一般的に冗長的な方程式系Θ1
    ・F=Θ2の最適解として定義され、ただしマトリクス
    Θ1とΘ2は次式により定められ、 【数6】 ただしθ1とθ2はそれぞれ第1ないし最後のブロックマ
    トリクスを表し、マトリクスΣ1とU1はマトリクス 【数7】 の近似特異値分解 【数8】 により定義され、ただし 【数9】 であり、近似特異値分解は元の特異値分解 【数10】 から特異値に対して閾値演算を行うことにより求めら
    れ、これにより絶対値が閾値よりも小さなYEの特異値
    はすべてゼロにより置換され、これによりすべてのpド
    ミナント、すなわちYEのゼロにより置換されなかった
    特異値は近似分解のブロックマトリクスΣ1に含まれる
    ことを特徴とする、高分解能スペクトル分析方法。
  3. 【請求項3】 a)1≦i≦Mのセンサチャネルの測定
    データのMの時間的シーケンスyi(n)を時点0≦n
    ≦N−1で観測し、 【数11】 の形のマトリクスYTに 【数12】 によりまとめ、 b)マトリクスYTの特異値分解 【数13】 を実行し、特異値に対し閾値演算を行い、これにより閾
    値よりも絶対値の小さい、YTのすべての特異値をゼロ
    で置換し、これによりすべてのpドミナント、すなわち
    Tのゼロにより置換されなかった特異値が分解 【数14】 のブロックマトリクスΣ1に含まれ、 c) 【数15】 のあてはまるマトリクスΘ1とΘ2を求め、ここでθ1
    θ2はそれぞれ第1ないし最後のブロックマトリクスを
    表すものであり、 d)一般的に冗長的な方程式系Θ1・F=Θ2の最適解で
    あるマトリクスFを求め、Fの固有値の自然対数の虚数
    部が求められたスペクトル周波数であり、Fの固有値の
    自然対数の実数部は前記周波数と関連された減衰定数で
    あることを特徴とする、高分解能スペクトル分析方法。
  4. 【請求項4】 1≦i≦Mのセンサチャネルの測定デー
    タのMの時間的シーケンスyi(n)を時点0≦n≦N
    −1で観測する高分解能スペクトル分析方法において、 スペクトル周波数と該周波数に関連する減衰定数をマト
    リクスFの固有値の自然対数の虚数部および実数部とし
    て求め、該マトリクスは一般的に超決定(ueberb
    estimmten)された方程式系Θ1・F=Θ2の最
    適解として定義され、ただしマトリクスΘ1とΘ2は次式
    により定められ、 【数16】 ただしθ1とθ2はそれぞれ第1ないし最後のブロックマ
    トリクスを表し、マトリクスΣ1とU1はマトリクス 【数17】 の近似特異値分解 【数18】 により定義され、ただし 【数19】 であり、近似特異値分解は元の特異値分解 【数20】 から特異値に対して閾値演算を行うことにより求めら
    れ、これにより絶対値が閾値よりも小さなYTの特異値
    はすべてゼロにより置換され、これによりすべてのpド
    ミナント、すなわちYTのゼロにより置換されなかった
    特異値は近似分解のブロックマトリクスΣ1に含まれる
    ことを特徴とする、高分解能スペクトル分析方法。
  5. 【請求項5】 センサチャネルi=1,..,Mにおけ
    るスペクトル周波数j=1,..,pに関連した波形の
    複素振幅cj,iのマトリクスCを以下のステップの実行
    により求める、すなわち a)マトリクスFの相似変換F=S・Λ・S~1とその対
    角形Λを基にして、マトリクス 【数21】 と 【数22】 を作成し、ブロックマトリクス 【数23】 に分割し、 b)これらの図表からマトリクス 【数24】 を導出し、 c)複素振幅のマトリクスCを関係式 C=diag{h1,h2,...,hp}・XDに従って求め、ただし 【数25】 は 【数26】 の数値ベクトルの平均値を、そしてXDは 【数27】 におけるブロックマトリクスの平均値を表す請求項1ま
    たは2記載の方法。
  6. 【請求項6】 センサチャネルi=1,..,Mにおけ
    るスペクトル周波数j=1,..,pに関連した波形の
    複素振幅cj,iのマトリクスCを以下のステップの実行
    により求める、すなわち a)マトリクスFの相似変換F=S・Λ・S~1とその対
    角形Λを基にして、マトリクス 【数28】 と 【数29】 を作成し、ブロックマトリクス 【数30】 に分割し、 b)これらの図表からマトリクス 【数31】 を導出し、 c)複素振幅のマトリクスCを関係式 【数32】 に従って求め、ただし 【数33】 は 【数34】 の列ベクトルの平均値であり、HDは 【数35】 におけるブロックマトリクスの平均値である請求項3ま
    たは4記載の方法。
  7. 【請求項7】 マトリクスFを誤差最小2乗法を用いて
    求める請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 マトリクスFを全体誤差最小2乗法(t
    otal least squares)を用いて求め
    る請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 総減衰定数はゼロであり、マトリクスY
    Eの代わりに、マトリクス 【数36】 を使用する請求項1または2記載の方法。
  10. 【請求項10】 マトリクスFを副次的条件の下で求
    め、絶対値のすべての固有値は1である請求項9記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 マルチチャネル医療測定技術における
    心室後期電位の検出に用いる請求項1から10までのい
    ずれか1項記載の方法。
  12. 【請求項12】 測定データを、心臓から発する信号の
    マルチチャネル時間的サンプリングによりQRS複合波
    の終成分とST区間において求める請求項11記載の方
    法。
  13. 【請求項13】 高分解能スペクトル分析を実施する前
    に、測定データにおける直流成分と線形傾向を補償する
    請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 個々のセンサの所定の空間的配置構成
    を有するセンサアレイを使用し、複素振幅またはこれと
    同値の波形の実際の振幅および相から、個々のセンサの
    既知の空間的配置構成を基にして所定の信号成分の源の
    空間的位置を求める、請求項5または6による請求項1
    から13までのいずれか1項記載の方法。
  15. 【請求項15】 後期電位の発生に関連する、心筋の疾
    病領域の位置決定に用いる請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 求められた波形を適正な位相で重畳す
    ることにより形成された合成信号を出力装置に表示す
    る、請求項5または6による請求項1から15までのい
    ずれか1項記載の方法。
JP6191602A 1993-08-13 1994-08-15 高分解能スペクトル分析方法 Withdrawn JPH0798346A (ja)

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