JPH08100087A - 樹脂製自動車バンパ - Google Patents

樹脂製自動車バンパ

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JPH08100087A
JPH08100087A JP6237994A JP23799494A JPH08100087A JP H08100087 A JPH08100087 A JP H08100087A JP 6237994 A JP6237994 A JP 6237994A JP 23799494 A JP23799494 A JP 23799494A JP H08100087 A JPH08100087 A JP H08100087A
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Takashi Sugimoto
本 孝 杉
Shoji Yoshino
野 昭 治 吉
Kenji Matsuoka
岡 健 二 松
Takeshi Hiramatsu
松 剛 平
Kosuke Kamae
宏 介 構
Masahiro Terada
田 昌 浩 寺
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハロゲン系有機溶剤等による洗浄や、プライ
マー塗布、プラズマ処理等の表面改質を行なわなくて
も、優れた塗装付着性を示し、直接塗料を付着させるこ
とが可能で、成形加工性に優れ、軽衝突にも耐え得る剛
性(曲げ弾性)と低温耐衝撃(アイゾット衝撃)を備え
た樹脂製自動車バンパを提供する。 【構成】 成分(a): プロピレン・エチレンブロック共重合体 10〜50 重量% 成分(b): ブテン−1含量25〜40重量%、密度0.87g/cm3 以 下、MFR0.5〜10g/10分のエチレン・ブテン−1二元共重合ゴム 20〜40重量% 成分(c): 無水マレイン酸又は水酸基含有無水マレイン酸誘導体グラフト 変性プロピレン重合体 5〜12重量% 成分(d): フィラー 15〜25重量% からなる組成で、 曲げ弾性率が23℃で1,400MPa以上、 アイゾット衝撃強度が−30℃で5kJ/m2
上、 MFR値が5g/10分以上 の物性のオレフィン系樹脂組成物で成形された樹脂製自
動車バンパ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗装が容易、簡便に実
施可能な高剛性、高耐衝撃性な樹脂製自動車バンパに関
する。更に詳しくは、塗装において、前処理工程のハロ
ゲン系有機溶剤等による洗浄や、プライマー塗布、プラ
ズマ処理等の表面改質を行なわなくても、優れた塗装付
着性を示すオレフィン系樹脂製自動車バンパに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂製自動車バンパの表面を塗装
する際には、前工程においてバンパ表面に付着した手垢
や離型剤、防錆剤を除去するために、ハロゲン系有機溶
剤の蒸気中に曝露して、洗浄している。そして、この洗
浄は、その目的を果たすと共に、バンパ表面層の結晶性
の低い部分やエラストマーを溶解して微細な凹凸を形成
し、塗料の付着性向上の重要な作用にも役立っている。
また、オレフィン系樹脂は、その構造中に極性基が無
く、極性を有する塗料との付着を示さないので、一般に
プライマーを塗布したり、プラズマ処理により生成する
表面極性を利用して塗装している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】先に述べた塗装方法に
おいては、各々問題を抱えている。すなわち、オレフィ
ン系樹脂製自動車バンパへの塗装において、洗浄工程で
使用しているハロゲン系有機溶剤は、大気への逃失によ
りオゾン層を破壊する主要因として重大視され、199
5年末に生産、使用が全廃となる決定事項となってい
る。従って、環境に無害ないし低公害の次世代の洗浄工
程の代表として水系洗浄が一部実用化される兆しがある
が、この様な新法に対しても塗料の付着が十分である材
料技術が求められている。また、プライマーの塗布法に
おいては、プライマー中の有機溶剤が大気への逃失によ
り光化学スモッグ等の原因となり、ハロゲン系有機溶剤
と同様に環境汚染の問題がある。従って、プライマーが
不要で、直接に塗料が実用上十分に付着させることがで
きる材料技術がここでも必要となっている。更に、プラ
ズマ処理法はプラズマ雰囲気下で活性化し、導入された
極性基、ラジカルが、素材の表面下の数オングストロー
ムの深層迄であるため、ハンドリングで活性が失効する
し、成形金型に付着の潤滑油、離型剤等は明確な活性化
の阻害要因となるので、塗料の付着度の不安定を招き、
信頼性が欠如しているとの問題がある。従って、代案と
して、材料自身に塗料の付着に有効な活性を付与するこ
とが求められる。以上のように、材料自体が塗装性を備
えていない樹脂製自動車バンパへの塗装は、現状では、
各々、環境面、技術面の問題を抱えている。
【0004】一方、材料自体に塗料を効果的に付着させ
ることができるオレフィン系樹脂の変性技術として、不
飽和カルボン酸又はその無水物でグラフト変性する技術
が幾つか報告されている。例えば、エラストマー成分を
グラフト変性する報告は多数あるが、エラストマー成分
を塗料付着性能を発現できる範囲の量までグラフト変性
すると、どうしてもゲル分が発生し、このグラフト変性
した組成物を成形すると得られる成形体の表面が平滑で
なくなり、塗装仕上げした面の外観が悪くなって、自動
車バンパの表面外観として不適合となる。更には、バン
パに必要な低温衝撃強度も低下するという問題が生じ
る。また、樹脂成分とエラストマー成分を同時にグラフ
ト変性した場合も同様である。また、樹脂成分だけをグ
ラフト変性する報告も多数あるが、例えば、特開昭57
−76041号、特開平4−154850号の各公報に
は、更に粘着付与成分が必要であり、この場合にはバン
パの様な大型成形の離型に支障が起こる。また、特開昭
61−40345号公報では1種類のポリエチレンの改
質効果しか開示されていない。更に、特開昭48−20
824号、特開昭58−49736号、特開昭61−8
9239号、特開平5−59231号の各公報等に開示
されている組成物は、塗料の種類によってはその付着性
が不十分であり、バンパに要求される軽衝突下でも塗膜
が容易に剥がれるので信頼性という点で未だ問題があ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]本発明者らは、上記問題点に鑑みて鋭意
研究を重ねた結果、特定の樹脂組成物を用いることによ
り自動車バンパへ直接塗料を付着させることが可能にな
ると共に、バンパを成形し得る成形加工性、自動車に装
着されて実用下での軽衝突に耐え得る剛性(曲げ弾性)
と低温耐衝撃(アイゾット衝撃)が設計し得るとの知見
を得て、本発明を完成するに至ったものである。すなわ
ち、本発明の樹脂製自動車バンパは、材料成分として、
下記の成分(a)、(b)、(c)及び(d)を含み、
成分(a)を10〜50重量%、成分(b)を20〜4
0重量%、成分(c)を5〜12重量%、成分(d)を
15〜25重量%からなる各成分の合計量が100重量
%となる組成を有し、材料物性が 曲げ弾性率が23℃で1,400MPa以上、 アイゾット衝撃強度が−30℃で5kJ/m2
上、 MFR値が5g/10分以上 であるものである。 成分(a): 結晶性ポリプロピレン部(A単位部)と
エチレン・プロピレンランダム共重合部(B単位部)を
含有するプロピレン・エチレンブロック共重合体 成分(b): ブテン−1含量25〜40重量%、密度
0.87g/cm3 以下、且つMFR(230℃、2.
16kg)0.5〜10(g/10分)のエチレン・ブ
テン−1二元共重合ゴム(EBM) 成分(c): 無水マレイン酸又は次式で表わされる水
酸基含有無水マレイン酸誘導体をプロピレン系重合体に
該成分全体の3〜25重量%の割合でグラフトして変性
したプロピレン単独重合体又はプロピレンとエチレンと
のブロック或いはランダム共重合体
【0006】
【化3】
【0007】(式中のRは炭素数1〜4のアルキレン基
を表わす) 成分(d): 平均アスペクト比が2以上のフィラー
【0008】[発明の具体的説明] [I] オレフィン系樹脂組成物 (1) 構成成分 本発明の樹脂製自動車バンパに用いられるオレフィン系
樹脂組成物は、下記に示す成分(a)〜(d)から基本
的に構成されるものである。 (a) 成分(a):プロピレン・エチレンブロック共重合
構 造 本発明の樹脂製自動車バンパに用いられるオレフィン系
樹脂組成物を構成する上記成分(a)のプロピレン・エ
チレンブロック共重合体は、結晶性ポリプロピレン部分
(A単位部)とエチレン・プロピレンランダム共重合部
分(B単位部)を含有するプロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体であって、上記A単位部はプロピレンの単独
重合によって得られるものであり、また、上記B単位部
はプロピレンとエチレンとのランダム共重合によって得
られるものである。ここでA単位部は、特に耐熱剛性の
点で該プロピレン・エチレンブロック共重合体中に、好
ましくは60〜95重量%、より好ましくは75〜94
重量%の割合を占めていることが良く、また、その密度
は同じく耐熱剛性の点で0.9070g/cm3 以上が
好ましく、0.9086g/cm3 以上であることがよ
り好ましい。また、B単位部は、特に塗料付着性と耐衝
撃性の点で該プロピレン・エチレンブロック共重合体中
に、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは6〜2
5重量%の割合を占めていることが良く、そのエチレン
含量は同じく塗料付着性と耐衝撃性の点で好ましくは2
0〜80重量%、より好ましくは25〜50重量%の割
合を占めているものが良い。
【0009】該プロピレン・エチレンブロック共重合体
全体のMFRは5〜500g/10分、特に10〜10
0g/10分のものが好ましく、また、該プロピレン・
エチレンブロック共重合体全体の重量平均分子量/数平
均分子量(Mw/Mn)は成形加工性及び成形品外観の
点で7以上、特に8以上のものが好ましい。なお、該プ
ロピレン・エチレンブロック共重合体のB単位部の含量
は、2gの試料を沸騰キシレン300g中に20分間浸
漬して溶解させた後、室温まで冷却し、それによって析
出した固相をガラスフィルターで濾過、乾燥して求めた
固相重量から逆算した値である。また、上記重量平均分
子量/数平均分子量(Mw/Mn)の値はゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した
ものであり、エチレン含量の値は赤外線スペクトル分析
法等により、また、MFRの値はJIS−K7210
(230℃、2.16kg)に準拠して測定したもので
ある。
【0010】製 造 このような成分(a)のプロピレン・エチレンブロック
共重合体は、高立体規則性重合触媒を用いてスラリー重
合、気相重合、或いは、液相塊状重合により製造される
ものであり、該プロピレン・エチレンブロック共重合体
を製造する重合方式としてはバッチ重合、連続重合どち
らの方式も採用することができる。このプロピレン・エ
チレンブロック共重合体を製造するに際しては、どちら
の部分を先にして重合しても良いが、最初にプロピレン
の単独重合によって結晶性ポリプロピレン部分(A単位
部)を形成し、次にプロピレンとエチレンのランダム共
重合によってエチレン・プロピレンランダム共重合部分
(B単位部)を形成したものが品質上から好ましい。具
体的な方法としては、塩化マグネシウムに四塩化チタ
ン、有機酸ハライド及び有機珪素化合物を接触させて形
成した固体成分に、有機アルミニウム化合物成分を組み
合わせた触媒を用いて、プロピレンの単独重合を行な
い、次いで、プロピレンとエチレンとのランダム共重合
を行なうことによって製造することができる。また、こ
のプロピレン・エチレンブロック共重合体は、本発明の
効果を損なわない範囲内で他の不飽和化合物、例えばブ
テン−1等のα−オレフィン、酢酸ビニルの様なビニル
エステル等を含有する三元以上の共重合体であってもこ
れらの混合物であっても良い。
【0011】(b) 成分(b):エチレン・ブテン−1二
元共重合ゴム(EBM) 本発明の樹脂製自動車バンパに用いられるオレフィン系
樹脂組成物を構成する上記成分(b)のエチレン・ブテ
ン−1二元共重合ゴム(EBM)は、ブテン−1含量2
5〜40重量%、好ましくは30〜40重量%、特に好
ましくは30〜36重量%、密度0.87g/cm3
下、好ましくは0.84〜0.87g/cm3 、特に好
ましくは0.85〜0.87g/cm3 、かつMFR
(230℃、2.16kg)0.5〜10(g/10
分)、好ましくは0.6〜8(g/10分)のエチレン
・ブテン−1二元共重合ゴムである。エチレン・ブテン
−1二元共重合ゴム(EBM)の上記範囲以外のもの
は、塗料付着性能と機械的強度バランスが不良で、不適
当である。従来、エチレン・ブテン−1二元共重合ゴム
(EBM)においては、25重量%を超えたブテン−1
含量のものや、密度が0.87g/cm3 以下、すなわ
ち、低結晶性のものは、その製造が極めて困難(特にペ
レット状)であったが、重合触媒や重合プロセスの改良
で製造可能となり、本発明の効果を発現させることが可
能となった。なお、ブテン−1含量は赤外線スペクトル
分析法等の常法によって測定される値である。これらの
エチレン・ブテン−1二元共重合ゴムはベール状、ペレ
ット状、フレーク状、クラム状等を問わず、また、その
製造法も特に限定されない。
【0012】(c) 成分(c):変性プロピレン系重合体 本発明の樹脂製自動車バンパに用いられるオレフィン系
樹脂組成物を構成する上記成分(c)の変性プロピレン
系重合体は、プロピレン系重合体の主鎖の少なくとも片
末端、及び/又は、該主鎖中に、該成分(c)全体の3
〜25重量%、好ましくは5〜20重量%の割合で、無
水マレイン酸基又は次式で表わされる水酸基含有無水マ
レイン酸誘導体がグラフトした変性プロピレン単独重合
体、変性プロピレン・エチレンブロック共重合体又は変
性プロピレン・エチレンランダム共重合体である。
【0013】
【化4】
【0014】(式中、Rは炭素数1〜4のアルキレン基
を表わす。) ここで、プロピレン系重合体の主鎖部の数平均分子量は
1,000〜20,000が好ましく、特に3,000
〜15,000が好ましい。該変性プロピレン系重合体
の製造法は、特に限定されない。例えば、予めプロピレ
ン系重合体を熱酸化せしめた後、官能基をグラフトした
り、押出機や溶液中でグラフトされる方法等を挙げるこ
とができる。
【0015】(d) 成分(d):フィラー 本発明の樹脂製自動車バンパに用いられるオレフィン系
樹脂組成物を構成する上記成分(d)のフィラーとして
は、平均アスペクト比が2以上、好ましくは3以上、特
に好ましくは5以上の少なくとも一種のものである。平
均アスペクト比が上記範囲未満のものは機械的強度バラ
ンスが不良で不適当である。特に好ましい具体例として
は、長さが実質上に15μm以下、平均粒径が1.5〜
6μmかつ平均アスペクト比が5以上のタルク、平均粒
径が8〜100μmかつ平均アスペクト比が10以上の
マイカ、また、平均直径が6μm以下でかつ平均アスペ
クト比が5以上の繊維状フィラー等が挙げることがで
き、これらの中でも上記タルクが特に好ましい。
【0016】ここで、タルクの長さが「実質上に」と
は、殆どのタルク粒子がこの範囲にあるものを言う。タ
ルクは、例えばタルク原石を衝撃式粉砕機やミクロン型
粉砕機で粉砕して、更にミクロンミル、ジェット型粉砕
機で微粉砕した後、サイクロンやミクロンセパレーター
等で分級調整し製造する。原石は中国産が金属不純物成
分が少ないので好ましい。マイカは、白マイカ、金マイ
カ、黒マイカ等の種類や製法の異なるものがあり、特に
それらについては限定されないが、好ましくは白マイカ
及び金マイカであり、特に湿式粉砕や湿式分級の白マイ
カ及び金マイカが好ましい。繊維状フィラーとしては、
ガラス繊維、炭素繊維、硼酸アルミニウム繊維、チタン
酸カリウム繊維、塩基性硫酸マグネシウム繊維、炭酸カ
ルシウム繊維等を挙げることができる。これらの中で好
ましいものは平均直径が0.2〜5μmのものであり、
平均アスペクト比が10以上のものである。
【0017】ここで、平均粒径の測定は、レーザー光散
乱方式粒度分布計を用いて測定した値であり、そのよう
な測定装置としては、例えば堀場製作所製LA−500
型は測定精度が優れているので望ましい。また、直径、
長さとアスペクト比は顕微鏡等により測定した値であ
る。これらの好ましいフィラーは、塗料付着性能と機械
的強度バランスをより一段と高度化させることができ
る。これらフィラーは、界面活性剤、カップリング剤、
金属石鹸等で表面処理を施したものでも良い。該表面処
理したフィラーは、塗料付着性、機械的強度バランス、
成形品外観及び寸法安定性等の更なる向上に有効であ
る。
【0018】(e) 成分(e):その他の配合成分(任意
成分) 本発明の樹脂製自動車バンパに用いられるオレフィン系
樹脂組成物の中には上記成分(a)〜成分(d)の必須
成分に加えて、本発明の効果を著しく損なわない範囲
で、或いは、更に性能の向上を計るために、以下に示す
付加的成分(任意成分)を含有させることができる。該
付加的成分としては、例えば、添加剤類、具体的には、
パラフィンオイル等の可塑剤類ないしは流動性改良剤
類、オレフィン系液状ゴム、共役ジエン系液状ゴム等の
軟化剤類、着色剤類、酸化防止剤類、中和剤類、光安定
剤類、紫外線吸収剤類、帯電防止剤類、滑剤類、分散助
剤類、分子量調整剤類、架橋剤類、核剤類、難燃剤類等
を挙げることができる。
【0019】(2) 量 比 本発明のオレフィン系樹脂組成物を構成する上記各成分
の配合量の割合は、次の通りである。 成分(a):プロピレン・エチレンブロック共重合体 プロピレン・エチレンブロック共重合体が10〜50重
量%、好ましくは30〜45重量% 成分(b):エチレン・ブテン−1二元共重合ゴム エチレン・ブテン−1二元共重合ゴムが20〜40重量
%、好ましくは25〜35重量% 成分(c):変性ポリプロピレン系樹脂 変性ポリプロピレン系重合体が5〜12重量%、好まし
くは6〜8重量% 成分(d):フィラー フィラーが15〜25重量%、好ましくは20〜22重
量% 本発明のオレフィン系樹脂組成物は、上記成分(a)、
(b)、(c)及び(d)から構成されるものであり、
その合計が100重量%となる範囲の組成を有するもの
である。
【0020】オレフィン系樹脂組成物中の各成分の配合
割合が上記範囲外の場合は、以下に示すような問題が生
じる。成分(a)のプロピレン・エチレンブロック共重
合体が上記範囲未満の時は、バンパ成形時に流動性が良
すぎてバリ等が発生し易く、又、表層が剥離する原因と
なる。一方、上記範囲を超えると、塗料付着性がバンパ
に必要なレベルに到達しない。成分(b)のエチレン・
ブテン−1二元共重合ゴムが上記範囲未満の時は、塗料
の付着強度が低下する。一方、上記範囲を超えると、弾
性率が低下し、バンパに必要な剛性が不足する。成分
(c)の変性ポリプロピレン系樹脂が上記範囲未満の時
は、塗料の付着強度が低下する。一方、上記範囲を超え
ると、機械的強度バランスが劣るようになり実用性がな
くなる。成分(d)のフィラーが上記範囲未満の時は、
弾性率が低下し、バンパに必要な剛性が不足する。一
方、上記範囲を超えると組成物の成形性を悪化させ、バ
ンパの大型成形性を損なうし、低温衝撃性も低下する等
の問題点が生じる。
【0021】(3) 配 合(オレフィン系樹脂組成物の
製造) 上記の各構成成分を混合し、混練することによって、本
発明の樹脂製自動車バンパの素材として用いられるオレ
フィン系樹脂組成物が製造される。これらの各構成成分
の混合順序も特別に制限はなく、上記構成成分を同時に
混合する方法、任意の二成分或いは数成分を予め混合・
混練しておき、次いで、残りの成分を混合・混練する方
法等の何れの方法を採用しても良い。混合・混練方法と
しては、ブラベンダープラストグラフ、一軸或いは二軸
押出機、強力スクリュー型混練機、バンバリーミキサ
ー、ニーダー、ロール等の従来知られている混練機でも
使用することができる。
【0022】(4) オレフィン系樹脂組成物(材料物
性) 上記の各構成成分を混合・混練することによってオレフ
ィン系樹脂組成物が製造される。該オレフィン系樹脂組
成物が本発明の樹脂製自動車バンパの素材として用いら
れることから、該オレフィン系樹脂組成物の物性が下記
の〜の物性を示す様に前記成分(a)、(b)、
(c)及び(d)の配合量によって調製される。 曲げ弾性率が23℃で1,400MPa以上、好ま
しくは1,500〜1,800MPa、 アイゾット衝撃強度が−30℃で5kJ/m2
上、好ましくは6〜9kJ/m2 、 MFR値が5g/10分以上、好ましくは7〜16
g/10分、 上記オレフィン系樹脂組成物の物性の曲げ弾性率やアイ
ゾット衝撃強度が上記範囲未満のものではバンパとして
の衝突性能が不足するので樹脂製自動車バンパとしての
適格性に欠けるものとなる。また、MFR値が上記範囲
未満のものでは、バンパの成形加工性に問題が生じる。
上記曲げ弾性率の測定は、JIS−K7203によって
測定された値である。また、上記アイゾット衝撃強度の
測定は、JIS−K7110によって測定された値であ
る。更に、上記MFRの測定は、JIS−K6758に
よって測定された値である。
【0023】[II] バンパ成形法 上記オレフィン系樹脂組成物を用いて自動車バンパを製
造するためには、射出成形、圧縮成形、真空成形、押出
成形(シート成形、ブロー成形)等の公知のいずれの成
形方法をも適用することができる。特に、射出成形での
複雑な形状に成形されたバンパにおいても、本発明の材
料として用いられたオレフィン系樹脂組成物の特徴を有
効に発現することができる。本発明のオレフィン系樹脂
組成物から成形された自動車バンパは、そのまま直接、
すなわち、環境破壊の虞のあるハロゲン系有機溶剤によ
る蒸気洗浄を施すことなく、また、プライマー塗布やプ
ラズマ処理等の表面改質処理を行なうことなく塗装を施
すことが可能であり、良好な塗料付着性が得られる特徴
を有する。但し、オレフィン系樹脂組成物のバンパ成形
から塗装までの工程で不可避的に成形体表面に付着した
手垢や機械油を洗浄除去する目的で、ハロゲン系有機溶
剤を含まない洗浄液で洗浄することは一向に差支えがな
い。これらハロゲン系有機溶剤を含まない洗浄液の例と
しては、溶剤型洗浄液、エマルジョン型洗浄液、水系洗
浄液を挙げることができる。具体的には、溶剤型洗浄液
としては、ケロシン、d−リモネン等の脂肪族炭化水
素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコー
ル類を挙げることができる。エマルジョン型洗浄液とし
ては、ケロシン、d−リモネン、シリコン、トルエン等
の溶剤を界面活性剤で水に乳化、分散したものを挙げる
ことができる。水系洗浄液としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、珪酸ナトリウム及び炭酸ナトリウ
ム等のアルカリ成分と、界面活性剤を併用したアルカリ
性洗浄液、燐酸等の酸成分と界面活性剤を併用した酸性
洗浄液、非イオン型界面活性剤等を用いた中性洗浄液、
純水、温水等の水等を挙げることができる。
【0024】[III] 塗 装 本発明におけるオレフィン系樹脂組成物から成形された
自動車バンパを塗装する際には、従来の塗装工程からプ
ライマー塗布やプラズマ処理等の表面改質工程を省略す
ることができる。すなわち、上記樹脂組成物を成形加工
して得られた自動車バンパに、そのまま直接に塗料を塗
布することができるものである。塗料の塗布手段として
は、スプレーによる吹き付け塗布、刷毛塗り、ローラー
による塗布等があるが、何れの方法も採用することがで
きる。塗装工程にて使用することができる塗料として
は、一般に広く用いられている有機溶剤型塗料及び水溶
性樹脂塗料、水分散性樹脂塗料、水性エマルジョン塗料
等の水系塗料を使用することができる。具体的にはこれ
らの樹脂成分又は架橋成分が、アクリル系、エポキシ
系、ポリエステル系、アルキッド系、ウレタン系及びメ
ラミン系等の成分からなる塗料を挙げることができる。
これらの中でも好ましい塗料としては、アクリル系塗
料、ウレタン系塗料及びメラミン系塗料であり、特に好
ましいのはメラミン系塗料である。
【0025】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明する。以下に示す各実施例及び比較例におい
て製造された組成物から、物性測定用テストピース及び
実際のバンパを得るための成形条件、塗装方法及び試験
方法は、以下に示す通りである。なお、これらの実施例
及び比較例における塗装性能については実際のバンパに
塗装した塗膜の碁盤目剥離法により、また、物性につい
てはJIS規定のテストピースを作成して測定した。
【0026】(1) 成形条件バンパ成形 成形機 :日本製鋼所、型締力4,000ton 成形温度 :220℃ バンパ仕様:肉厚 3.6mm 幅 1,640mm 奥行 630mm 高さ 450mmテストピース成形 成形機 :東芝 IS170 成形温度 :220℃
【0027】(2) バンパ塗装方法 塗料 :日本油脂社製、一液型有機溶剤系メラミン
架橋型のベルコート、上塗り塗料及びクリアー 塗料内容 :上塗り塗料(30μm)+クリアー(15
μm)(ウエットオンウエット)エアースプレーガンに
より塗装 焼付条件 :140℃×20分
【0028】(3) 試験方法塗料付着性 碁盤目試験: 片刃剃刀を用い試験片の表面に直行する
縦横11本づつの平行線を2mm間隔で引いて碁盤目を
100個作る。その上にセロハンテープ(JIS−Z1
522)を十分圧着し、塗膜面と約30℃に保ち手前に
一気に引き剥がす作業を5回繰り返し、碁盤目で囲まれ
た部分の状態を観察し、剥離しなかった碁盤目の数を記
録した。1回目と5回目の剥離結果を示した。 試験場所 :バンパ上面部ペンジュラム試験 米国FMVSS、PART581規格の方法による。上
記のバンパを実際に射出成形し、得られたバンパ成形品
の実車衝撃性能試験を行なった。試験温度は−15℃、
打撃速度は1.1m/s(4km/h)、ペンジュラム
重量は1,500kgで行なった。物性測定 MFR :JIS−K6758準拠、230℃ アイゾット衝撃強度:JIS−K7110準拠、(加工
ノッチ)−30℃測定 曲げ弾性率:JIS−K7203準拠、幅10mm、厚
み4mm 下記の表1に示した各成分を配合して二軸押出機により
200℃の温度で溶融混練してペレットとした。
【0029】(4) 原材料 なお、表1中の配合成分として用いられた原材料は次の
通りである。 (a) 成分(a):プロピレン・エチレンブロック共重合
体[BPP] (a)−1:密度が0.9090g/cm3 の結晶性ポ
リプロピレン部(A単位部)92重量%、エチレン含量
が41重量%のエチレン・プロピレンランダム共重合部
(B単位部)を8重量%各々を含有し、成分(a)全体
の重合MFRが9g/10分、重量平均分子量/数平均
分子量(Mw/Mn)が8.2であるプロピレン・エチ
レンブロック共重合体 (a)−2:密度が0.9092g/cm3 の、MFR
が12g/10分、重量平均分子量/数平均分子量(M
w/Mn)が5.3のプロピレン単独重合体
【0030】(b) 成分(b):エラストマー[EBM] (b)−1:ブテン−1含量34重量%、MFR(23
0℃、2.16kg)3.5g/10分、密度0.86
g/cm3 のエチレン・ブテン−1二元共重合ゴム(E
BM) (b)−2:プロピレン含量28重量%、MFR(23
0℃、2.16kg)0.2g/10分、密度0.87
g/cm3 のエチレン・プロピレン・エチリデンノルボ
ルネン三元共重合ゴム(EPDM) (b)−3:ブテン−1含量21重量%、MFR(23
0℃、2.16kg)1g/10分、密度0.88g/
cm3 のエチレン・ブテン−1二元共重合ゴム(EB
M) (b)−4:ブテン−1含量25重量%、MFR(23
0℃、2.16kg)1.5g/10分、密度0.88
g/cm3 のエチレン・ブテン−1二元共重合ゴム(E
BM)
【0031】(c) 成分(c):変性ポリプロピレン系重
合体[MPP] (c)−1:MFR(230℃、2.16kg)50g
/10分、数平均分子量(Mn)7,000、エチレン
含量3重量%のプロピレン・エチレンランダム共重合体
を熱酸化し、更にアゾ系ラジカル開始剤により主鎖の両
末端と主鎖中に、該成分(c) 全体の10重量%の割合
で、無水マレイン酸基をグラフトし、更に、この無水マ
レイン酸基をエタノールアミンにて変性した変性ポリプ
ロピレン重合体
【0032】(d) 成分(d):フィラー[タルク] (d)−1:実質的に全体の長さが10μm以下であっ
て、平均粒径が2.5μmで、平均アスペクト比が6の
タルク
【0033】(5) 実験例 実施例1〜5及び比較例1〜5 上記原材料を用いて表1に記載の割合(重量%)で各種
成分を配合し、これを二軸押出機によって200℃の温
度で溶融・混練してペレットとした。次いで、このペレ
ットを上記成形条件、塗装方法により樹脂製自動車バン
パとし、上記試験方法により測定し評価した。その結果
を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】
成分(a): 結晶性ポリプロピレン部(A単位部)と
エチレン・プロピレンランダム共重合部(B単位部)を
含有するプロピレン・エチレンブロック共重合体を10
〜50重量% 成分(b): ブテン−1含量25〜40重量%、密度
0.87g/cm3 以下、且つMFR(230℃、2.
16kg)0.5〜10(g/10分)のエチレン・ブ
テン−1共重合ゴム(EBM)を20〜40重量% 成分(c): 無水マレイン酸又は水酸基含有無水マレ
イン酸誘導体をプロピレン系重合体に該成分全体の3〜
25重量%の割合でグラフトして変性したプロピレン単
独重合体又はプロピレンとエチレンとのブロック或いは
ランダム共重合体を5〜12重量% 成分(d): 平均アスペクト比が2以上のフィラーを
15〜25重量%の組成で配合した、材料物性が 曲げ弾性率が23℃で1,400MPa以上、 アイゾット衝撃強度が−30℃で5kJ/m2
上、 MFR値が5g/10分以上 を示すオレフィン系樹脂組成物で成形された樹脂製自動
車バンパは、ハロゲン系有機溶剤等による洗浄や、プラ
イマー塗布、プラズマ処理等の表面改質を行なわなくて
も、優れた塗装付着性を示すことができるので、直接塗
料を付着させることが可能であり、かつ、成形加工性に
優れ、軽衝突にも耐え得る剛性(曲げ弾性)と低温耐衝
撃(アイゾット衝撃)を備えたものであるので、工業的
に極めて有用なものである。
フロントページの続き (72)発明者 松 岡 健 二 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 平 松 剛 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 構 宏 介 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 寺 田 昌 浩 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】材料成分として、下記の成分(a)、
    (b)、(c)及び(d)を含み、成分(a)を10〜
    50重量%、成分(b)を20〜40重量%、成分
    (c)を5〜12重量%、成分(d)を15〜25重量
    %からなる各成分の合計量が100重量%となる組成を
    有し、材料物性が 曲げ弾性率が23℃で1,400MPa以上、 アイゾット衝撃強度が−30℃で5kJ/m2
    上、 MFR値が5g/10分以上 であるオレフィン系樹脂組成物で成形された樹脂製自動
    車バンパ。 成分(a): 結晶性ポリプロピレン部(A単位部)と
    エチレン・プロピレンランダム共重合部(B単位部)を
    含有するプロピレン・エチレンブロック共重合体 成分(b): ブテン−1含量25〜40重量%、密度
    0.87g/cm3 以下、且つMFR(230℃、2.
    16kg)0.5〜10(g/10分)のエチレン・ブ
    テン−1二元共重合ゴム(EBM) 成分(c): 無水マレイン酸又は次式で表わされる水
    酸基含有無水マレイン酸誘導体をプロピレン系重合体に
    該成分全体の3〜25重量%の割合でグラフトして変性
    したプロピレン単独重合体又はプロピレンとエチレンと
    のブロック或いはランダム共重合体 【化1】 (式中のRは炭素数1〜4のアルキレン基を表わす) 成分(d): 平均アスペクト比が2以上のフィラー
  2. 【請求項2】成分(a)が、A単位部がブロック共重合
    体の60〜95重量%を占め、その密度が0.9070
    g/cm3 以上であり、B単位部がブロック共重合体の
    5〜40重量%を占め、そのエチレン含量が20〜80
    重量%であり、かつ、全体のMFR(230℃、2.1
    6kg)が5〜500g/10分で、成分(a)全体の
    重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が7以上
    のプロピレン・エチレンブロック共重合体である請求項
    1に記載の樹脂製自動車バンパ。
  3. 【請求項3】成分(c)が、次式で表わされる水酸基含
    有無水マレイン酸誘導体をプロピレン系重合体に該成分
    (c)全体の5〜20重量%の割合でグラフトした数平
    均分子量が3,000〜15,000の変性プロピレン
    単独重合体又はプロピレンとエチレンとの共重合体であ
    る請求項1に記載の樹脂製自動車バンパ。 【化2】 (式中のRは炭素数1〜4のアルキレン基を表わす)
  4. 【請求項4】成分(d)が、実質的に全体の長さが15
    μm以下であって、平均粒径が1.5〜6μm、かつ平
    均アスペクト比が5以上のタルク、平均粒径が8〜10
    0μm、かつ平均アスペクト比が10以上のマイカ、又
    は、平均直径が6μm以下で、かつ平均アスペクト比が
    5以上の繊維状フィラーから選ばれた少なくとも一種の
    フィラーである請求項1に記載の樹脂製自動車バンパ。
  5. 【請求項5】表面がメラミン系塗料を直接塗布した、請
    求項1〜4のいずれかに記載の樹脂製自動車バンパ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0912832A (ja) * 1995-06-29 1997-01-14 Mitsubishi Chem Corp 塗装用プロピレン系樹脂組成物
JP2004083889A (ja) * 2002-06-28 2004-03-18 Japan Polychem Corp 自動車用プロピレン系樹脂組成物、その製造方法及びその成形体
KR101451146B1 (ko) * 2013-01-23 2014-10-15 현대자동차주식회사 폴리올레핀계 수지 조성물

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